JP4850136B2 - 透水試験装置および透水試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤材料等の透水試験に使用する装置であって、特にベントナイト系人工バリア材等の難透水材料の止水性能を迅速に評価するのに適した透水試験装置、およびそれを用いた透水試験方法に関するものである。
廃棄物処分場の地盤には止水性能に優れた各種人工バリア材あるいは天然バリア材が使用される。なかでも、特に高い止水性能が要求される放射性廃棄物処分場などにはベントナイト系人工バリア材といった難透水材料が適用される。廃棄物処分場の設計においてはバリア材の止水性能を正確に把握することが重要であり、使用予定のバリア材について透水試験が行われる。
バリア材の透水試験方法としては、加圧式透水試験法が一般的であるが、最近ではそれより短期間で評価ができるフローポンプ式透水試験法の実用化が検討されている。フローポンプ式透水試験法は、供試体の一方の端面から一定流量の水が注入されて定常状態になっているとき、すなわち供試体が通水飽和の状態になっているときの供試体両端面の水頭差を測定することにより透水係数を求める方法である。特許文献1には簡便な装置構成で精度良く透水係数が測定できるフローポンプ式透水試験法が開示されている。
これらの透水試験を実施する際には、透水係数の測定に先立ち、まず供試体を通水飽和の状態にする必要がある。すなわち、供試体を体積変化がないように透水セル内に拘束し、供試体の一端面に水圧を付与することにより供試体内部に水を注入して通水量が定常状態になるまで待つ必要がある。
また、供試体を構成する微細粒径の材料(マトリクス)と大粒径の材料との界面は、水が優先的に通る「水みち」になりやすい点にも注意が必要である。この「水みち」が供試体の両端面間を貫通するような場合には、透水係数は実際よりもかなり大きな値として算出され、止水性能を正しく判定できない。このような「水みち」の影響を回避するため、供試体の寸法は、供試体を構成する材料の最大粒径Dmaxに対して十分大きくなるように設定される。
特開2006−90964号公報 特許第3041417号公報 笹倉剛、小林一三、「放射性廃棄物地層処分におけるバリア材料の性能評価技術の開発」、鹿島技術研究所年報、第52号、2004年9月30日、p.17〜22
従来の透水試験方法では、供試体を試験装置にセットしてから通水飽和の状態を実現するまでの「準備工程」に長時間を要しており、廃棄物処分施設の地盤設計を迅速化するうえで障害になっていた。例えば、乾燥密度が約1.6Mg/m3のベントナイト系バリア材の場合、透水係数が10-13〜10-14m/sec程度と小さいことから、供試体高さ(通水距離)20mm、通水圧2MPaでも、飽和に至るまで1ヶ月程度を要していた。飽和後の試験期間は、通常の加圧式透水試験では1ヶ月程度、フローポンプ式透水試験でも1週間程度の期間を要し、この試験期間自体を大幅に短縮化することには無理がある。
本発明はこのような現状に鑑み、「水みち」の影響を回避しながら、透水試験の供試体を透水試験装置にセットしてから通水飽和の状態を実現するまでの「準備工程」における時間を大幅に短縮することができる技術を開発し提供しようというものである。
発明者らは種々検討の結果、前述の「水みち」が貫通しないように設定された従来一般的なサイズの供試体を用意し、これを切断して小さい供試体に分割した状態で使用すること、および透水試験装置の通水経路を工夫することによって、前記「準備工程」の大幅な時間短縮と、「水みち」の影響を回避した適正な透水係数の測定が可能になることを見出した。
すなわち本発明では、高さ方向に一定の断面積をもつ供試体の一方の端面(注水端面)に付与された水圧によって他方の端面(排水端面)へ向けて供試体内部に通水できるようにした透水セルを複数個備え、各透水セルに独立に通水する通水経路と各透水セルを直列に接続して通水する通水経路のいずれかを切り替えて選択できる配管構成を有する透水試験装置が提供される。フローポンプ式透水試験法に適用する場合は、各透水セルを直列に接続した場合に初段透水セルの供試体注水端面と最終段透水セルの供試体排水端面における水頭差を計測できる機構を備えたものを使用すればよい。また、加圧式透水試験法に適用する場合は、各透水セルを直列に接続した場合に初段透水セルの供試体注水端面に付与される水圧と当該直列の通水経路における通水量を計測できる機構を備えたものを使用すればよい。
ここで、供試体の「端面」は高さ方向(通水方向)の端面であり、具体的には円柱状の供試体の場合、円柱の底面と上面に該当する。
この透水試験装置を使用する際には、高さ方向に一定の断面積をもつ透水試験用供試体を、その高さ方向に分割して複数個の「分割供試体」とし、各分割供試体を前記透水試験装置における各透水セルにそれぞれ装填し、通水経路を各透水セルに独立に通水するモードに設定して通水することにより各分割供試体を体積拘束条件下で通水飽和の状態にした後、通水経路を各透水セルに直列に通水するモードに切り替えて通水する。フローポンプ式透水試験法では、直列モードで通水するときの初段透水セルの供試体注水端面と最終段透水セルの供試体排水端面における水頭差を計測することにより前記透水試験用供試体としての透水係数を求めることができる。加圧式透水試験法では、初段透水セルの供試体注水端面に付与される水圧と当該直列の通水経路における通水量を計測することにより前記透水試験用供試体としての透水係数を求めることができる。
本発明によれば、評価に長時間を要していたバリア材の透水試験に関し、評価時間の大幅な短縮が可能になった。その時間短縮は供試体が通水飽和の状態になるまでの「準備工程」における通水を分割された供試体に独立に行うことによって実現されるが、本発明の透水試験装置は通水経路を切り替える機構を有しているため、透水係数を測定するための通水状態に簡便かつ迅速に移行できる。また、測定法としては既存の加圧式やフローポンプ式の透水試験が適用できる。したがって本発明は、止水性能の高い材料で地盤を構築する廃棄物処分施設の設計および施工の迅速化に寄与するものである。
図1に、従来の透水試験装置の構成を模式的に例示する。透水セル10の中に供試体11が装填されている。供試体11は高さ方向(図1の上下方向)に一定の断面積を有する円柱形状であり、一方の端面(注水端面12)から注入された水が供試体内部を通り他方の端面(排水端面13)から排出されるようになっている。透水セル10には、注水端面12に一定水圧の水を供給するために、水圧付与手段14が配管で接続されている。水圧付与手段14は例えば所定圧力の水を充填した圧力タンクやシリンジポンプなどで構成される。
この従来の試験装置で透水試験を実施する際には、まず「準備工程」として供試体11を通水飽和の状態にする。そのために、圧力付与手段14から供試体11の注水端面12に例えば0.1〜1.0MPa程度の水圧を付与して通水し、排水端面13から排出される水の流量が定常状態になるまで待つ。供試体11がベントナイト系人工バリア材の場合、この準備工程には一般的に1〜2ヶ月程度の期間を要している。
供試体11が通水飽和の状態になったのち、フローポンプ式透水試験法の場合だと、体積拘束条件下で注水端面12に例えば0.00001〜1cc/sec程度の流速を付与し、両端面間の水頭差をモニターする。その際、注水端面12から注入される水の流量と排水端面13から排出される水の流量が等しくなるように制御しながら水頭差を測定する。注入側をシリンジポンプとし、排出側をスタンドパイプとする方法(非特許文献1)、複数のシリンジポンプを使用する方法(特許文献2)、特殊なシリンジポンプを使用する方法(特許文献1)などが種々開発されている。
フローポンプ式透水試験法の場合、透水係数K(m/sec)は下記(1)式によって算出される。
K=(q×H)/(A×h) ……(1)
ここで、
:既知流量(m3/sec)
H:供試体の高さ(通水距離)(m)
A:供試体の高さ方向に垂直な断面の面積(m2
h:注水端面と排水端面の間の水頭差(m)
加圧式透水試験方法の場合には、体積拘束条件下で注水端面12に例えば0.1〜10MPa程度の水圧を付与し、定常状態における通水量を例えば流量計15を用いてモニターする。
加圧式透水試験法の場合、透水係数K(m/sec)は下記(2)式によって算出される。
K=(q×H)/(A×h) ……(2)
ここで、
q:流量(m3/sec)
H:供試体の高さ(通水距離)(m)
A:供試体の高さ方向に垂直な断面の面積(m2
:注水端面と排水端面の間の既知水頭差(m)
図2に、従来一般に使用されている円柱状透水試験用供試体の高さ方向(通水方向)に平行な断面(円柱の中心軸を含む面)を模式的に示す。供試体は大粒径の材料20とマトリクスである微細粒径の材料21で構成されている。例えばベントナイト系人工バリア材の場合、大粒径の材料20は堆積岩の状態のままのベントナイトであり、その長軸長による最大粒径Dmaxは10〜20mm程度である。また微細粒径の材料21は微粉砕された粉体ベントナイトである。前述のように、大粒径の材料20と微細粒径の材料21の界面は水の優先通路(いわゆる「水みち」)となりやすい。大粒径の材料20同士が接触している箇所も同様に「水みち」となりやすい。この「水みち」が注水端面12と排水端面13を貫通すると透水係数を正しく評価することができないため、一般的に供試体のサイズは、例えば直径DをDmaxの約4倍あるいはそれ以上、高さHを約D/3あるいはそれ以上に大きくとることが通常である。
本発明では、「水みち」の影響を回避した上記のような従来サイズの供試体(高さH、直径D、断面積A)を用意し、これを高さ方向に垂直な面で切断して、複数個の「分割供試体」とする。高さ(通水距離)の短い供試体を使用することで、通水飽和の状態に到達するまでの時間短縮を図る。図3に、図2に示した従来サイズの供試体を3分割した場合の分割供試体を模式的に示す。この場合、個々の分割供試体S1、S2、S3の高さH1、H2、H3はいずれも構成材料の最大粒径Dmaxより小さいことを想定している。このように、高さが最大粒径Dmaxより小さい分割供試体には、高さ方向に両端面を貫通する「水みち」が形成される可能性が高い。したがって、このような高さの短い分割供試体を単独で用いて従来の方法(図1)で透水試験に供することは、止水性能を正しく評価する上で有益でない。
しかし、分割供試体の中には多くの場合、「水みち」が貫通しないものが1個以上含まれている。図3の例では、分割供試体S1およびS3に貫通した「水みち」が形成される箇所23が存在し、分割供試体S2にはそれが存在しない場合を模式的に想定している。発明者らの研究によれば、このように少なくとも1個、「水みち」が貫通しない分割供試体があると、これらを後述のように直列に接続して通水した場合に測定される透水係数は、分割前の元のサイズの供試体を用いて測定される透水係数と大きく相違しないことがわかった。
実際には、分割供試体の中に「水みち」が貫通しない分割供試体が存在するかどうかは、通水開始後の結果から判断される。もし、1つの透水試験装置にセットした全ての分割供試体において貫通した「水みち」が形成されたことが判明した場合には、例えば以下のいずれかの措置をとればよい。
〔措置1〕直ちに試験を中止し、別の供試体に変更して試験をやり直す。
〔措置2〕そのまましばらく様子をみて、膨潤により「水みち」が自己修復されるのを待つ。通常、数日間で自己修復されることが多く、その後、当該供試体を用いて試験を継続することができる。
上記いずれの場合も、従来の方法に比較すれば最終的に透水係数が求まるまでの時間短縮効果は非常に大きい。
個々の分割供試体の高さ(通水距離)は、構成材料の最大粒径をDmaxとするとき、0.3Dmax〜1.5Dmax程度とすることが効果的であり、0.5Dmax〜Dmaxとすることが一層好ましい。ただし、供試体の分割は必ずしも等分割にする必要はない。例えば、現場からコア抜きした供試体において、最上部および最下部から採られる分割供試体のみ、高さ(通水距離)を最大粒径Dmaxより大きくする、といった分割方法を採用することができる。このとき、最上部および最下部からの分割供試体ではほとんどの場合「水みち」の形成が回避されるので、別の供試体に変更して試験をやり直す必要が生じる確率が大幅に減少する。
図4に、分割供試体を用いる本発明の透水試験装置の構成を模式的に例示する。透水セル31、32、33にそれぞれ図3に示した分割供試体S1、S2、S3が装填されていることを想定している。このとき、分割供試体S1、S2、S3は分割前の供試体の高さ方向(通水方向)と同じになるように装填されている。各透水セルは、セットする供試体の高さ(通水距離)が短くなったことを除き、公知のフローポンプ式透水試験法あるいは加圧式透水試験法に使用されているものと同様の構造とすればよい。
まず、これらの分割供試体を通水飽和の状態にするための「準備工程」を実施する際には、バルブ34、35、38、39を「開」にし、かつバルブ36、37を「閉」にする。このとき、図5に太線で示される通水経路に通水される。すなわち、水圧付与手段14から分割供試体S1、S2、S3の注水端面12にそれぞれ独立に一定の水圧が付与される。この通水状態を本明細書では「独立通水モード」と呼ぶ。図5では各分割供試体に付与される水圧は1つの水圧付与手段14から共通に供給されるので、この通水経路の場合、1つの水圧付与手段14から各透水セル31、32、33が並列に接続されていると見ることができる。独立通水モードを実現するための別の接続手法として、各透水セルにそれぞれ別々の水圧付与手段から水圧を付与するようにしても構わない。この接続手法は、個々の分割供試体の高さ(通水距離)が異なる場合など、各分割供試体に付与する水圧を独立にコントロールしたいときに効果的である。
一般に高さHの供試体を通水圧Pで通水飽和の状態にする場合と、これをN等分した高さH/Nの分割供試体を通水圧Pで通水飽和の状態にする場合とを比較すると、後者では動水勾配がN倍となることからダルシー則により流速がN倍となる。さらに高さ(通水距離)は1/Nであるため、通水液が供試体を通過するのにかかる時間は1/N2となる。したがって、上記のように分割供試体に独立モードで通水することによる「準備工程」の時間短縮効果は極めて大きい。
「準備工程」の通水を開始したのちは、各分割供試体S1、S2、S3の排水端面13から排出される水の流量変化を例えば流量計41、42、43によってモニターすることが望ましい。「水みち」が貫通した分割供試体と貫通していない分割供試体とでは、分割供試体から排出される水の流量が通水開始後、比較的早期に大きな違いとなって表れる。もし、「水みち」が貫通していない分割供試体が1つも存在しないことが判った場合は、後述の直列通水モードにおいて正しい透水係数が得られないので、直ちに試験を中止し、他の供試体に取り替えて試験を再開する措置を執ることが好ましい。複数組の試験装置を用いて作業を行うと、適正な結果が得られるまでの時間短縮効果が一層大きくなる。
各分割供試体が通水飽和の状態になったかどうかは、例えば前記流量計41、42、43の計測値が定常状態になったかどうかで判断することができる。全ての分割供試体が通水飽和の状態になったことが確認されたら「準備工程」を終え、透水係数を測定するための通水に移行する。その移行は、「各透水セルに独立に通水する通水経路と各透水セルを直列に接続して通水する通水経路のいずれかを切り替えて選択できる配管構成」によって迅速に行うことができる。図4の場合、圧力付与手段14と各透水セル31、32、33に接続された配管およびそれらの配管に設けられたバルブ34、35、36、37、38、39を含む配管構成が上記「各透水セルに独立に通水する通水経路と各透水セルを直列に接続して通水する通水経路のいずれかを切り替えて選択できる配管構成」に該当する。また、より簡便な移行操作を行うための配管構成として、例えばバルブ34と36の分岐箇所、バルブ35と37の分岐箇所、並びにバルブ38および39の直前の分岐箇所を、コック付き分岐栓とする構成が挙げられる。
図4の例では、圧力付与手段14での設定圧力を測定時の所定圧力に調整するとともに、バルブ34、35、38、39を「閉」にし、かつバルブ36、37を「開」にすることによって、透水係数を測定するための通水に迅速に移行することができる。このとき、図6に太線で示される通水経路に通水される。すなわち、「水圧付与手段14→透水セル31→透水セル32→透水セル33」の直列の通水経路が構築される。この通水状態を本明細書では「直列通水モード」と呼ぶ。
直列通水モードでの各分割供試体への通水順序および通水方向は、分割前の供試体を用いて従来通りの試験を行うことを想定した場合と同じになるようにすればよい。本明細書では直列に接続された各透水セルのうち、通水順序が最初になるセル(図4の31)を「初段透水セル」、通水順序が最後になるセル(図4の33)を「最終段透水セル」と呼んでいる。直列通水モードにおいては公知のフローポンプ式透水試験法や加圧式透水試験法が適用できる。それぞれの試験法において、分割前の供試体に対して試験を行うための従来公知の試験装置における「1つの透水セルの部分」を、「初段透水セルから最終段透水セルまでの直列部分」に置き換える要領で試験を行えばよい。
フローポンプ式透水試験法の場合、「各透水セルを直列に接続した場合に初段透水セルの供試体注水端面と最終段透水セルの供試体排水端面における水頭差を計測できる機構」として、例えば以下のような装置構成が採用できる。
(i)初段透水セル31に装填された分割供試体S1の注水端面12(以下「注入側」という)に接続される圧力付与手段14を送水圧力がモニターできるシリンジポンプとし、最終段透水セル33に装填された分割供試体S3の排水端面13(以下「排出側」という)にスタンドパイプを接続した装置構成。
(ii)注入側に接続される圧力付与手段14を送水圧力がモニターできるシリンジポンプとし、排出側にも水圧をモニターできるシリンジポンプを接続し、それらのシリンジポンプの動作を注入側と排出側の水の流量が等しくなるように制御する手段を設けた装置構成。
(iii)特許文献1に開示されるタイプの2チャンバ型シリンジポンプの一方のチャンバを注入側に接続するとともに、他方のチャンバを排出側に接続し、両チャンバ内のそれぞれの水圧をモニターできる手段を設けた装置構成。
(iv)特許文献1に開示されるタイプの2チャンバ型シリンジポンプの一方のチャンバを注入側に接続するとともに、他方のチャンバを排出側に接続し、透水セル31〜33の通水経路と平行に注入側と排出側の圧力差を直接計測できる圧力差計を設けた装置構成。
これらのフローポンプ式透水試験での透水係数は前記(1)式によって求めることができる。ただし(1)式において、Hは分割前の供試体の高さ(すなわち各分割供試体の高さの総和)、qは系全体の注入側と排出側の流量とする。
また、従来の加圧式透水試験法を適用する場合、「初段透水セルの供試体注水端面に付与される水圧と当該直列の通水経路における通水量を計測できる機構」として、例えば、水圧付与手段14を送水圧力が計測できる手段をもつ圧力タンクとし、直列の通水経路上に流量計43を備えた装置構成が採用できる。
このような加圧式透水試験での透水係数は前記(2)式によって求めることができる。ただし(2)式において、Hは分割前の供試体の高さ(すなわち各分割供試体の高さの総和)、hは系全体の注入側と排出側の水頭差とする。
乾燥密度が約1.6Mg/m3のベントナイト系バリア材の供試体(高さ20mm、直径40mmの円柱形)を複数個用意した。この供試体の構成材料の最大粒径Dmaxは約5mmである。各供試体を高さ方向に4等分に切断し、4個の分割供試体を作製した。各分割供試体は高さ(通水距離)5mm、直径40mmの円柱形である。また、比較試験用に元の形状のままの供試体もいくつか残しておいた。
一方、図4と類似の配管構成を有する本発明の透水試験装置(ただしここでは透水セル数は4個)を2組用意した。また、比較試験用に従来の透水試験装置(透水セルが1個のもの)を1組用意した。いずれの透水セルも、従来から透水試験に使用されている3軸セルで構成した。
1組4個の前記分割供試体を上記本発明の2組の透水試験装置の各透水セルにそれぞれ装填した。また、元の形状の供試体を上記従来の透水試験装置の透水セルにセットした。各透水試験装置には水圧付与手段14として送水圧力が0.5MPaにコントロールされているシリンジポンプを使用した。本発明の透水試験装置では、バルブ操作により図5に相当する独立通水モードとなるようにした。各透水試験装置における各供試体の注水端面に上記の水圧を印加するとともに、流量計によって各供試体の排水端面からの排水流量をモニターした。その結果、本発明の透水試験装置のうち1組において、水圧の印加開始から約1分経過後に全ての分割供試体で両端面間に「水みち」が貫通していることが判明したので、この組については膨潤によって「水みち」が自己修復されるのを3日程度待つことにより、「水みち」の貫通が認められない分割供試体を得た。
排水流量が定常状態になった供試体は通水飽和の状態になったものと判断される。各供試体について水圧印加の開始から通水飽和になるまでに要した時間を求めた。その結果、本発明の透水試験装置にセットした分割供試体は、初めから「水みち」の貫通が認められなかった場合には2日以内に、また、「水みち」の自己修復を待った場合でも数日以内に通水飽和の状態になった。他方、従来の透水試験装置にセットした元の形状の供試体で約1ヶ月を要した。したがって本発明によれば、「水みち」が貫通する問題を排除するために数日程度自己修復されるのを待ったり、何回かのやり直しを行ったとしても、通水飽和の状態に到達させるための「準備工程」の期間を従来より大幅に短縮できることが確認された。
実施例1で各供試体をすべて通水飽和の状態にした本発明の透水試験装置2組と従来の透水試験装置1組について、それぞれ通水飽和の状態になった時点で、フローポンプ式透水試験で透水係数を求めるための通水に移行した。移行に際し、本発明の透水試験装置では、バルブ操作によって図6に相当する直列通水モードに切り替えた。いずれの透水試験装置においても、注入側のシリンジポンプと排出側に接続されたシリンジポンプを利用して注入側と排出側の流量が等しくなるように制御し、注入圧力は約2.0MPa程度で行った。注入側と排出側の水頭差を1週間モニターし、前記(1)式により透水係数を求めた。その結果、本発明の透水試験装置による透水係数は1.3×10-13m/secであり、従来の透水試験装置による透水係数は1.68×10-13m/secであった。分割供試体を直列に繋ぐ本発明のフローポンプ式透水試験装置により従来と同様の透水係数が求められることが確認された。
実施例1と同様の方法で各供試体をすべて通水飽和の状態にした本発明の透水試験装置2組と従来の透水試験装置1組を用意した。ただし、ここでは水圧付与手段14としてシリンジポンプに替えて内部の水圧を一定に制御できる機構を有する圧力タンクを用いた。この場合も、本発明の透水試験装置にセットした分割供試体は、いずれも2日以内に通水飽和の状態になった。
これらの透水試験装置について、それぞれ通水飽和の状態になった時点で、加圧式透水試験で透水係数を求めるための通水に移行した。移行に際し、本発明の透水試験装置では、バルブ操作によって図6に相当する直列通水モードに切り替えた。いずれの透水試験装置においても、圧力タンクから注入側に付与される水圧と、排出側から排出される水の流量をモニターした。注入圧力は約1.0MPa程度で行った。この試験を1ヶ月行い、前記(2)式により透水係数を求めた。その結果、本発明の透水試験装置による透水係数は2.1×10-13m/sec程度であり、従来の透水試験装置による透水係数は2.5×10-13m/sec程度であった。分割供試体を直列に繋ぐ本発明の加圧式透水試験装置により従来と同様の透水係数の値が求められることが確認された。
乾燥密度が1.57Mg/m3のベントナイト混合土の供試体(高さ120mm、直径100mmの円柱形)を複数個用意した。この供試体は最大粒径Dmax約5mmのベントナイトを30体積%含有している。各供試体を高さ方向に4等分に切断し、4個の分割供試体を作製した。各分割供試体は高さ(通水距離)30mm、直径100mmの円柱形である。また、比較試験用に高さ100mm、直径100mmの円柱形の供試体を用意した。
前述した実施例と同様に本発明の透水試験装置2組と従来の透水試験装置1組を用意した。1組4個の分割供試体を本発明の2組の透水試験装置の各透水セルにそれぞれ装填した。また、比較試験用の供試体を従来の透水試験装置の透水セルにセットした。これらの透水試験装置について、それぞれ通水飽和の状態になった時点で、実施例2と同じく注入圧力約2.0MPa程度のフローポンプ式透水試験によって透水係数を求めるための通水に移行した。注入側と排出側の水頭差をモニターし、前記(1)式により透水係数を求めた結果、本発明の透水試験装置による透水係数は3.48×10-12m/sec(試験期間9日間)であり、従来の透水試験装置による透水係数は3.3×10-12m/sec(試験期間2ヶ月間)であった。ベントナイト混合土の分割供試体であっても従来法と同様の透水係数の値が短期間で求められることが確認された。
従来の透水試験装置の構成の一部を模式的に例示した図。 従来一般に使用されている円柱状透水試験用供試体の高さ方向(通水方向)に平行な断面(円柱の中心軸を含む面)を模式的に示した図。 図2に示した従来の供試体を3分割した場合の分割供試体の断面を模式的に示した図。 分割供試体を用いる本発明の透水試験装置の構成の一部を模式的に例示した図。 図4の透水試験装置における「独立通水モード」の通水経路を示した図。 図4の透水試験装置における「直列通水モード」の通水経路を示した図。
符号の説明
10 透水セル
11 供試体
12 注水端面
13 排水端面
14 水圧付与手段
20 大粒径の材料
21 微細粒径の材料(マトリクス)
23 貫通した「水みち」が形成される箇所
31、32、33 透水セル

Claims (4)

  1. 高さ方向に一定の断面積をもつ供試体の一方の端面(注水端面)に付与された水圧によって他方の端面(排水端面)へ向けて供試体内部に通水できるようにした透水セルを複数個備え、各透水セルに独立に通水する通水経路と各透水セルを直列に接続して通水する通水経路のいずれかを切り替えて選択できる配管構成を有し、各透水セルを直列に接続した場合に初段透水セルの供試体注水端面と最終段透水セルの供試体排水端面における水頭差を計測できる機構を有する透水試験装置。
  2. 高さ方向に一定の断面積をもつ供試体の一方の端面(注水端面)に付与された水圧によって他方の端面(排水端面)へ向けて供試体内部に通水できるようにした透水セルを複数個備え、各透水セルに独立に通水する通水経路と各透水セルを直列に接続して通水する通水経路のいずれかを切り替えて選択できる配管構成を有し、各透水セルを直列に接続した場合に初段透水セルの供試体注水端面に付与される水圧と当該直列の通水経路における通水量を計測できる機構を有する透水試験装置。
  3. 高さ方向に一定の断面積をもつ透水試験用供試体を、その高さ方向に分割して複数個の「分割供試体」とし、各分割供試体を請求項1に記載の透水試験装置における各透水セルにそれぞれ装填し、通水経路を各透水セルに独立に通水するモードに設定して通水することにより各分割供試体を体積拘束条件下で通水飽和の状態にした後、通水経路を各透水セルに直列に通水するモードに切り替えて通水し、そのときの初段透水セルの供試体注水端面と最終段透水セルの供試体排水端面における水頭差を計測することにより前記透水試験用供試体の透水係数を求める透水試験方法。
  4. 高さ方向に一定の断面積をもつ透水試験用供試体を、その高さ方向に分割して複数個の「分割供試体」とし、各分割供試体を請求項2に記載の透水試験装置における各透水セルにそれぞれ装填し、通水経路を各透水セルに独立に通水するモードに設定して通水することにより各分割供試体を体積拘束条件下で通水飽和の状態にした後、通水経路を各透水セルに直列に通水するモードに切り替えて通水し、そのときの初段透水セルの供試体注水端面に付与される水圧と当該直列の通水経路における通水量を計測することにより前記透水試験用供試体の透水係数を求める透水試験方法。
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