JP4848415B2 - 電気防食軸受の製造方法 - Google Patents
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Description
かかる外部電源方式による船舶の電気的防食装置として、特開平6−99886号、特開平8−133184号等の発明が提供されている。
31は陽電位を付与するための板状の対極で、前記水路溝6の全部あるいは、複数箇所に好ましくは円周方向等間隔に設けられる。
また、前記水中ゴム軸受の製造過程における、加硫前のゴム軸受材020用ゴム生地(生ゴム)の貼り付け方法としては、予めシート化された生ゴムシートを手貼りライニングによって貼り付ける方法、あるいは、予め押出し機を利用して、ブロックまたは円筒状のゴム生地(生ゴム)を作製してこれをシェルメタル1の内面に貼り付ける方法等がある。このようにして成形したゴム軸受を加硫プレスあるいは加硫缶にて加硫する。
然るに、海水中に浸されているゴム軸受方式のプロペラ軸受においては、プロペラ軸の外周とゴム軸受の内周との間の隙間が海水の水路となっているため、該水路を流れる高速水流によりプロペラ軸の腐蝕が大きくなる傾向にある。特に銅合金からなるプロペラ軸の場合はかかる腐蝕が発生し易い。
しかしながら、前記従来技術にあっては、前記のような、海中に浸されたゴム軸受方式のプロペラ軸受支持部近傍におけるプロペラ軸の防食はなされておらず、このため該プロペラ軸がプロペラ軸受支持部近傍において腐蝕摩耗を発生し易いという問題点を有している。
このため、かかる従来技術にあっては、前記シェルメタルの内面と生ゴムとの接着面に空気溜りが形成されて接着不良による不良品の発生をみたり、該軸受の使用中に前記接着面に剥離現象が発生して軸受寿命が低下するという問題点を有している。
これにより、ゴム生地をシェルメタルの内面に均一かつ強固に接着することができ、十分な接着アンカー効果が得られ、水中ゴム軸受の製品品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い電気防食軸受を得ることができる。
また、前記プロペラ軸受70は後述するような電気防食軸受からなり、1はシェルメタル、2は該シェルメタルの内周に固着された円筒状のゴム軸受で、前記プロペラ軸52のブッシュ3外周を支持している。
本発明の参考例に係る電気防食軸受の第1例を示す図1ないし図2において、52はプロペラ軸、70は該プロペラ軸を支持するプロペラ軸受である。該プロペラ軸受70において、1は金属材からなる円筒状のシェルメタルで前記ブラケット051に固定されている。2は前記シェルメタルの内周に固定された円筒状のゴム軸受で、該ゴム軸受2の内周のパッド面2aには円周方向に沿って等間隔に(不等間隔でもよい)、海水が通流可能な水路溝6が軸方向に凹設されて、前記プロペラ軸52の外周面とゴム軸受2のパッド面2aとの間に形成される軸受すきま02に連通せしめられている。
また、図1において、4は基準電極で、塩化銀電極等からなり、被防食部材である前記プロペラ軸52及びブッシュ3の海水中での電位を検出して、前記外部電源57(直流電源)から出力される防食電流を自動的に制御するものであり、前記水路溝6の中の1箇所以上に取り付けられている。
これにより、前記ゴム軸受2の内周側に取り付けられた対極31から前記水路溝6内を通流している海水を通して前記ブッシュ3及びプロペラ軸52側に防食電流が供給されて、図10に示すような防食電気回路が形成され、被防食部材である前記ブッシュ3及びプロペラ軸52の海水による電気化学腐蝕が抑制される。
また、前記基準電極により前記プロペラ軸52及びブッシュ3の海水中での電位を検出して前記外部電源57の制御手段に送り、該外部電源57から出力される防食電流を自動的に制御する。
かかる参考例においては、対極32を水路溝6の溝面06に接着するのみで該対極32の取り付けができるので、前記第1参考例のようにゴム軸受2にスリット2bを加工することが不要となり、対極32の取り付け作業が簡単化される。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる参考例においては、導電性ゴム製の対極33をゴム軸受2の加硫成形と同時に該ゴム軸受2の水路溝6に固定できるので、前記第1、2参考例よりも対極33の取り付け作業がさらに簡単化される。
また、ゴム軸受2と対極33との密着性が良好で、耐食性にも優れている。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる参考例においては、対極34をゴム軸受2の加硫成形と同時に該ゴム軸受2のゴム材内に包み込むので、前記第3参考例よりも対極34のゴム軸受2への固着が簡単化にできる。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる参考例においては、対極35を中子7の、前記水路溝6形成部の表面に接着して該ゴム軸受2を加硫することにより、中子7を除去すれば前記対極35の片面あるいは一部の面は確実に該水路溝6内の海水流路に露出されることとなるので、対極35のゴム軸受2への固着が格別な工数を加えることなく確実にできる。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
1は金属材あるいは合成樹脂からなるシェルメタル、020は後述する方法により成形されたゴム軸受材であり、前記外型12の内周に前記シェルメタル1が支持されるようになっている。13は前記ゴム軸受材020の内側に配置された中子で、根部を前記エア抜きフランジ15に支持されている。
17は前記ゴム軸受材020用のゴム生地03を前記外型12の内部に押し出すためのスクリューで、注入ノズル18内に往復動可能に嵌合されている。18aは前記スクリュー17へのゴム生地03の導入口、18bはゴム生地03注入用の注入孔である。
また、予め前記導入口18aから注入ノズル18内にゴム生地(生ゴム)03を導入して前記スクリュー17によって練って可塑化し、スクリュー17先端部に溜める。そして、50ないし150kgf/cm2の高圧でかつ空気に触れることなく、速やかにスクリュー17を回転させてゴム生地03を押しながら注入孔18bから型内(シェルメタル1と中子13の間)に圧入し、エア抜き孔15aからゴム生地03が溢れ出ることを確認したら充填を終了する。
次いで、前記ゴム生地03が圧入された型を加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い前記ゴム生地03をシェルメタル1の内面に接着させる。前記加硫缶による加硫は、熱を型全体に伝達させる効果がある。
これにより、ゴム生地03をシェルメタル1の内面に均一かつ強固に接着することができ、十分な接着アンカー効果が得られ、水中ゴム軸受の製品品質が向上する。
該ゴム軸受材30は、前記第1実施例の図10に示されるような水中ゴム軸受の製造装置におけるスクリュー17により注入ノズル18内においてゴム生地03を十分に練り上げて可塑化して、型内に支持された前記台金31とパッド材33との間に高圧で圧入した後、型とともに加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い接着させる。
以上のようにして、セグメント状のゴム軸受材30をシェルメタル1の内周面に円周方向に並べて固定することにより、各ゴム軸受材30の間に水路溝6が形成される。
(参考例)
そして、機械加工によりゴム軸受材020を削り水路溝6を形成し、前記対極31の片面あるいは一部の面を、該水路溝6内の海水流路に露出させる。
かかる実施例においては、対極31を中子13の、前記水路溝6形成部の表面に治具8を介して接着して該ゴム軸受材020を加硫することにより、中子13及び治具8を除去し水路溝6を削り出せば、前記対極31の片面あるいは一部の面は確実に該水路溝6内の海水流路に露出されることとなるので、対極3のゴム軸受材020への固着が、格別な工数を加えることなくゴム軸受材020の加硫と同時に確実にできる。
また、図14(C)に示すように、中子13を除去したあと水路溝6を削り出すかわりに、中子13製作時に予め中子13外周の一部に水路溝形成部6aを凸設しておき、この水路溝形成部6aの頂部に対極31を取付けた状態でゴム軸受材020を加硫する。
その後中子13を水路溝形成部6aとともに除去すれば、対極3は水路溝6の凹み部にしっかりと固着される。
この方法によれば、対極31のゴム軸受材020への固着と水路溝6の形成とが軸受材020の加硫と同時にでき、しかも対極31は確実に水路溝6内の海水流路に露出させることができる。さらに、対極31の代わりにその1つを基準電極4に置き換えて中子13の水路溝形成部に接着してゴム軸受材020を加硫することにより、対極31および基準電極4の双方を同時にゴム軸受材020へ固着することができる。
1a 嵌合溝
2 ゴム軸受
2a パッド面
2b スリット
02b 接着部
02 軸受すきま
020、30、40 ゴム軸受材
3 ブッシュ
03 ゴム生地
21、320、42 ゴム材
22、33、43 パッド材
31、32、34、35、 対極
031 嵌合面
310、41 台金
33 導電性ゴム製対極
36 螺旋状対極
46 接着面
Claims (2)
- 円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材が設けられた電気防食軸受の製造方法において、
台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を設けて複数のセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝を円周方向に沿って刻設し、該溝内に各ゴム軸受材を嵌着するとともに、
前記セグメント状の各ゴム軸受材は、スクリューによって練って可塑化したゴム生地をスクリュー先端部に溜め、該ゴム生地を空気に触れさせずに、エア抜き孔を有する型に保持された前記台金と前記パッド材との間に圧入し、前記エア抜き孔から前記ゴム生地が溢れ出るまで充填を行い、前記ゴム生地が充填された前記型を加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行って、前記台金及びパッド材の間に圧入された前記ゴム生地を加硫固着することにより形成されることを特徴とする電気防食軸受の製造方法。 - 円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材が設けられた電気防食軸受の製造方法において、
台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を設けて複数のセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に、複数の前記ゴム軸受材を円周方向に沿って樽状に並べ、前記台金の底面を該内周面に接着するとともに、
前記セグメント状の各ゴム軸受材は、スクリューによって練って可塑化したゴム生地をスクリュー先端部に溜め、該ゴム生地を空気に触れさせずに、エア抜き孔を有する型に保持された前記台金と前記パッド材との間に圧入し、前記エア抜き孔から前記ゴム生地が溢れ出るまで充填を行い、前記ゴム生地が充填された前記型を加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行って、前記台金及びパッド材の間に圧入された前記ゴム生地を加硫固着することにより形成されることを特徴とする電気防食軸受の製造方法。
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