JP4844629B2 - 消失テーブルデータを組み入れるモバイルワイヤレスアプリケーションにおける誤り訂正用の装置及び方法 - Google Patents

消失テーブルデータを組み入れるモバイルワイヤレスアプリケーションにおける誤り訂正用の装置及び方法 Download PDF

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Description

ワイヤレス通信環境は、高品質通信に挑んでいる。本発明は、メモリ、計算、及び電力消費の要件を低減しながら、モバイルワイヤレスアプリケーションにおける誤り訂正を改善する技法に関する。
半導体製造技術及びデジタル・システムアーキテクチャにおける進歩は、他の様々なコンポーネント及び配線と共に、何百万個ものトランジスタを含む著しく高集積度の回路をもたらしている。このような進歩による集積回路は、有意な計算リソースを比較的低いコストで提供する。更に、このような集積回路の有用性は、家庭用電化製品、特にモバイルワイヤレス製品の能力及び多様性を伸ばした。家庭用電化製品の1つの特定の態様は、モバイルでポータブルのTV受信機である。
受信品質の改善要望が絶えず増しているために、益々複雑な技法が、誤り訂正の機能性又は能力を組み入れるか、又は含む最先端のモバイルでポータブルのTV受信機に用いられている。これらの複雑な技術の使用は、コスト及び電力消費量の双方の点で不所望な結果をもたらすことがよくある。例えば、このような信号処理能力は、典型的には入力データを格納する多量のメモリを必要とし、更に、典型的には高速の計算リソースを必要とする。このような特別なメモリ及び高速計算リソースは、誤り訂正能力を組み入れる製品のコスト及び電力消費を増大させることになる。
必要とされるメモリ量は、大量の入力データに作用し、且つ後続する処理のために格納することになる中間結果を含む幾つかの出力データを生成する高度な処理アルゴリズムの場合に、特に大きくなる。
誤り訂正能力を組み入れる製品のコスト及び電力消費を削減しながら、このような誤り訂正能力を提供する方法及び装置が必要である。
本発明の目的は、ワイヤレスデバイスの受信品質を改善する装置及び方法を提供することにある。
本発明の一例は、誤り訂正をサポートするデバイスである。受信機は、通信リンクでデータを受信するように構成する。デカプスレータ(decapsulator)は、受信機に結合され、且つデータグラムと該データグラムに関連付けられる消失属性とを作成するように構成する。復号器は、デカプスレータに結合され、且つデータグラムをフレームテーブルに格納し、そのデータグラムの進み属性を追跡して符号語を作成するように構成し、且つデータグラムを前記フレームテーブルの列に格納して、符号語をフレームテーブルの行に作成し、前記符号語を訂正するとともに、消失属性を消失テーブルに格納するように構成する。ユーザインタフェースは、復号器に結合され、且つデータグラムに対応するイメージをユーザインタフェースにレンダリングするように構成する。本発明は、モバイルワイヤレスデバイスにおける信号の受信及び処理を改善し、バッテリの寿命を伸ばすという利点を有している。
本発明の一態様では、消失テーブルは、各々がフレームテーブルにおける列に関連付けられる、複数のエントリを含み、複数のエントリの各々は、複数の要素を含み、複数の要素の各々は、データグラムに関連付けられる消失属性を格納する複数のフィールドを含んでいる。本発明の一態様では、 デカプスレータは、データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性を生成するように構成され、消失テーブルの要素は、データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性を格納するように構成される。本発明の一態様では、本デバイスは、消失テーブルにおけるエントリの要素の位置を識別するように構成されるポインタテーブルを含む。本発明の一態様では、本デバイスは、セレクタに結合される複数の比較器を有する消失生成器を備え、消失生成器は、消失テーブルにおける各エントリ用の消失割り当てを生成するように構成される。本発明の一態様では、通信リンクは、ワイヤレスリンクであり、データは、デジタル・テレビジョンデータである。
本発明は、モバイルワイヤレスデバイスにおける信号の受信及び処理を改善し、バッテリの寿命を伸ばすという利点を有している。
以下、図面を参照して、本発明を説明する。
特定の実施例について、本発明を説明する。以下の説明は、例証のためのものであり、本発明を実施する最良の形態を提供するためであることは、当業者に明らかである。特定のワイヤレスデバイス及びプロトコルを説明するが、本発明は多くの異なるタイプの通信メディア、デバイス、及びプロトコルに適用可能である。 例えば、或るワイヤレスプロトコルを説明するが、本発明は、他のプロトコル、及び有線通信などの通信技法、並びにアナログ及びデジタルの変形例に適用可能である。同様に、リード-ソロモン誤り訂正を説明するが、本発明では、他の誤り訂正の技法を実装することができる。更に、パケットサイズ及び記憶容量などの特定のパラメータを説明するが、これらは、本発明で他のパケットサイズ及び記憶容量などを使用することができるので、例示目的のためにすぎないものである。
デジタル信号動作のためのメモリの格納要件は、本発明における消失情報を表すための特別な消失テーブルを組み込むことによって、実質上低減させることができる。符号語の各シンボル(即ち、バイト)に対して消失情報を指定する代わりに、本消失テーブルは、多数のシンボルに対する消失情報を別々に単一のエントリ、又は例えばデータ構造によって表すことができるようにする。これは、消失テーブルが、多数のシンボルの間で同じメモリ空間を実質上共有するのを可能にする。復号動作の間、データ構造を、個々のシンボルに関連付けられる消失情報に転換するための技法を、更に導入する。
図1は、放送局110と放送局から信号を受信する多数のワイヤレスデバイス112a〜112bを示す模範的なワイヤレス・ネットワーク100を表している。これらのワイヤレスデバイスは、互いに通信する能力を有する。ワイヤレスデバイス112a〜112bは、例えば、テレビジョン受信機とすることができるが、電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、又は他の電子デバイスなどの他のモバイルデバイスとすることができる。更に、これらのワイヤレスデバイスの幾つかは、バッテリ電力によるものとし、それ以外のモバイルデバイスは、利用可能な電源出力によって附勢されるものとすることができる。場合によっては、これらのワイヤレスデバイスを、有線ネットワーク、例えばイーサネット(登録商標)又はケーブル回線を介してネットワークに接続することもできる。
図2Aは、本発明の一実施例による模範的なワイヤレスデバイス112を表している。図2Bは、このワイヤレスデバイスで行われる方法を示すフローチャートを表している。受信機兼復調器120は、入って来る信号を受信し、その信号を低めの周波数に変換して、信号処理に利用可能なトランスポートストリームを作成する。一態様では、受信機は、復調したパケットの初期誤り訂正を行うとともに、TSパケットが劣悪で訂正できない場合に、トランスポート・エラー・インジケータ(TEI)を設定する誤り訂正回路を有する。IPデカプスレータ122は、入って来る情報を消失情報とともにマルチプロトコルの前方誤り訂正(MPE−FEC)セクションに復号し、且つこのMPE−FECセクションを解析して、生のIPデータグラムを抽出することにより、トランスポートパケットを初期処理する。MPE−FEC復号器124は、MPE−FECセクションを受信し、且つ本発明の各実施例によるリード-ソロモン符号語を処理し、訂正したIPデータグラムを得る。ユーザインタフェース126、例えばソース復号化及びレンダリング回路は、ユーザインタフェース、例えばテレビジョンディスプレイでの表示用の情報を処理する。
誤り訂正のために、模範的な実施例は、リード-ソロモン符号を使用する。リード-ソロモン符号化器は、1ブロック分のデジタルデータを取り出し、これに追加の「冗長」ビットを加える。誤りは、伝送又は格納の際に、多数の理由(例えば、雑音又は干渉、CDにおける引っかき傷など)で発生する。リード-ソロモン復号器は、各ブロックを処理して、誤りを訂正し、元のデータを回復するように動作する。訂正することができる誤りの数及びタイプは、リード-ソロモン符号の特性に依存する。
リード-ソロモン符号は、sビットのシンボルを有するRS(n,k)として特定される。これは、符号化器が、各々sビットのk個のデータシンボルを取り出し、パリティシンボルを加えてnシンボルの符号語を作成することを意味する。これらは、各々sビットのn−k個のパリティシンボルである。リード-ソロモン復号器は、符号語に誤りを含むt個のシンボルまでを訂正することができ、ここに、2t=n−kである。
図3Aは、本発明の実施例によるリード-ソロモン符号語を表している。MPE‐FECで用いられるリード-ソロモン符号は、8ビットのシンボルを有するRS(255,191)として特定される。これは、各符号語が、255の符号語バイトを含むことを意味しており、そのうちの191バイトはデータであり、64バイトはパリティである。即ち、n=255、k=191、s=8、2t=64,t=32である。復号器は、当該符号語における32個のシンボル誤りを訂正することができ、即ち、符号語における任意の箇所の誤りを32バイトまで自動的に訂正することができる。シンボルサイズをsとすれば、リード-ソロモン符号に対する最大符号語長nは、n=2−1となる。例えば、8ビットのシンボル(s=8)を有する符号の最大長さは255バイトである。リードソロモン符号で符号化して、復号するのに必要な処理能力の量は、符号語当りのパリティシンボルの数に関連する。大きいtの値は、多数の誤りを訂正することができるが、小さいtの値よりも多くの計算能力を必要とすることを意味する。1つのシンボル誤りは、1つのシンボルにおける任意数のビットが間違っている場合に生じる。
リード-ソロモンの代数的な復号手順は、誤り及び消失を訂正することができる。消失は、誤りシンボルの位置が分かるときに生じる。復号器は、t個の誤りまでか、又は2t個の消失までを訂正することができる。模範的な例では、消失情報を推定して処理し、誤りを含んでいそうな受信シンボルの識別を支援する。符号語を復号する際に、2x+y<2t(x個の誤り、y個の消失)である場合、元の伝送された符号語を回復することができる。
消失が多く分かれば分かるほど、より多くの誤りを訂正することができることに留意する。従って、リード-ソロモンの復号の前に、できるだけ多く(当然、64個まで)の消失を識別することができるようにするのが望ましい。他方では、シンボルを消失として間違ってマークすると、これは、リードソロモン復号器によって訂正することができる誤りの数を減少させることになる。例えば、8個の消失があり、そのうちの6個は、誤りの符号ではないのに消失として間違って識別した場合を想定する。この場合、リード-ソロモン復号器は、(64−8)/2 = 28個の誤り、及び2個の消失を訂正することしかできない。他方では、最初の段階で識別した消失が2個だけだった場合、リード-ソロモン復号器は、(64−2)/2=31個の誤り、及び2個の消失を訂正することができる。従って、消失を確実にマークする堅実なアルゴリズムを提供するのが望ましい。
図3B〜図3Cは、発明の実施例によるトランスポートパケットとMPE−FECパケットとの関係(実寸図示したものでない)を表している。トランスポートストリーム(TS)のパケット、及びデータグラムのセクションに対するフォーマットを、表1及び表2にそれぞれ示す。図3Aでは、TSパケットとMPEパケットとの間を直接一致させる必要はなく、MPEパケットは、1つ以上のパケット間の境界を越えることができることに留意する。本発明の一態様は、図4Aに示したMPE−FECフレームテーブル400をあらゆる状況下で、如何に照合して再構成するかにある。
表1は、トランスポートパケットのフォーマットである(トランスポートパケットに現れる順で示す。第1行、即ちシンクバイトが、最初に現れる)。
[表1]
Figure 0004844629

表2は、MPEセクションのフォーマットである。
[表2]
Figure 0004844629
図4A〜図4Bは、本発明の実施例によるメモリフレームテーブル400を表している。このメモリテーブルは、この場合N=255バイトである所望の符号語の長さに対応する多数の列を含む。このメモリテーブルは、所望サイズのメモリテーブルに対応する多数の行を含む。
MPE−FEC復号器の入力データを格納するMPE−FECフレームテーブルは、255個の列、及び可変数の行を有するマトリクスとして構成する。デジタル・テレビジョンDVB−H(digital video broad casting−handhelds)の伝送パラメータシグナリング(TPS)用に設計した一実施例では、行数(no_of_row(RowN))の最大許容値は1024であり、これは、総MPE−FECフレームサイズをおよそ2Mビットにする。
マトリクスにおける各位置は、情報バイトを受け入れる。MPE−FECフレームの左部分は、左端の191個の列からなり、IPデータグラム及び可能なパディング専用とされ、アプリケーションデータテーブルと称される。MPE−FECフレームの右部分は、右端の64個の列からなり、FEC符号のパリティ情報用専用とされ、リード-ソロモン(RS)データテーブルと称される。アプリケーションデータテーブルにおける各バイト位置は、0〜191xRowNに及ぶアドレスを有する。同様に、RSデータテーブルにおける各バイト位置は、0〜64xRowNに及ぶアドレスを有する。
図4Aは、本発明によって再構築すべき各符号語に対する、メモリ400のMPE部分及びFEC部分を示す。図4Bは、如何にしてIPデータグラムを受信してフレームテーブル400の各列にコンパイルするかを示している。
IPデータグラムを抽出すると、IPデータグラムは、マトリクスの左上隅における最初のデータグラムの最初のバイトから始まって、最初の列に対して下方に向かいながら、データグラムごとに導入される。データグラムの長さは、データグラム毎に任意に変化しうる。1つのデータグラムの終了直後に、次のデータグラムが開始する。データグラムが、列の終端で正確に終了しない場合に、そのデータグラムは次の列の頂部に継続する。全てのデータグラムがアプリケーションデータテーブルに入ったら、満たされていないバイト位置を、ゼロバイトでパディングして、左端の191個の列を完全に満たす。
左端の191個の列を全て満たした後、64個のパリティバイトをMPE‐FECフレームに満たす。これに用いる符号は、リード-ソロモンRS(255,191)である。MPE‐FECテーブルの各行は、1つのRS符号語を含む。RSデータテーブルの右端の幾つかの列は廃棄して伝送しないで、図4Cに示すように、パンクチャリングすることができる。パンクチャリングするRS列の正確な数は、明確に知らせる必要はなく、その数はフレーム間で動的に変化しうる。これでも、RSデータテーブルは完全に満たされ、MPE‐MECフレームは完成する。
MPEセクションの長さは可変であるので、可変長で現れうるテーブルの一部を満たすように、MPE部分は、TSで伝送されるパディングバイトを含むことができる。FECセクションのパケットは、できるだけ効率的にパディングバイトをテーブルのFEC部分に挿入することを意図するので、通常、十分な長さとする。FEC部分は、テーブルのFEC部分を満たすために、伝送しないパンクチャリングバイトを含むことができる。
消失に関して、DVB‐H規格によって特定される模範的なMPE‐FEC復号機能である、リード-ソロモン符号のRS(255,191)は、255バイトの符号語にて32個までの誤りを訂正することができる。しかしながら、消失がもたらされる場合、RS(255,191)は、64個までの消失を訂正することができる。この消失は、符号語のどのバイトを誤りであるとみなすかを示す。従って、消失属性を用いることによって、リード-ソロモン復号器の誤り訂正能力を実質上高めることができる。
MPE‐FECフレームテーブル400が満たされると、MPE‐FEC復号が開始するので、本実施例では少なくとも2メガビットのメモリを用いて、MPE‐FECフレームデータを格納するが、他のサイズのメモリを用いることもできる。 ハンドオーバ機能をサポートする場合には、MPE‐FECフレームデータ用のメモリサイズを2倍にする。
符号語の各バイトに対する消失情報をMPE‐FECフレームに格納するために、単純な従来からの方法は、符号語の各バイトに対して少なくとも1ビットを格納する(‘0’は非消失を示し、‘1’は消失を示す)。これは、消失テーブルに対して、最小でも255x1024ビット=255Kビットのメモリが用いられることを意味する。符号語の各バイトに対する消失を表すのに2ビットを用いる場合(後述する消失の前処理のために)、メモリの510Kビットを用いる。さらに、ハンドオーバ機能をサポートする場合には、メモリの量は、消失テーブルの2倍とする。
図5は、RS復号器510と、MPE‐FECフレームテーブル400と、消失テーブルメモリ552と、消失生成器554と、消失バッファ556とを有する、MPE‐FEC復号器124の概略レベルの構造を表している。MPE‐FECフレームテーブルは、入力の符号語バイトをRS復号器に供給するメモリに格納され、且つRS復号器からの訂正済みの符号語を格納する。消失情報は、消失テーブルメモリに格納される。RS復号化処理の間、消失生成器は、符号語の各バイトに対して2ビットに符号化された消失情報を取り出す。次に、消失生成器は、この2ビットの消失情報を1ビットの消失値にマップして、1ビットの消失値を消失バッファに格納する。消失バッファは、1つの完全な符号語に対する消失値を含む。
本発明の一態様では、消失テーブルメモリのサイズは、消失情報を表すために特別な形態のデータ構造を導入することによって、低減する。別々に符号語の各バイトに対して消失情報を表す代わりに、このデータ構造は、大多数のバイト数の消失情報を、例えば後述する単一要素として理解される、単一のデータ構造によって表し、多数のバイト間で同じメモリ空間を実質上共有することができるようにする。次に、消失生成器は、このデータ構造を、MPE‐FECの復号動作の間に必要とされる個々のバイトの各々用の消失情報に転換する。
本発明の一態様では、デカプスレータは、データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性を生成し、2ビットの消失属性が得られるように構成する。 この態様では、復号器は、符号語を選択的に処理して訂正符号語を作成するように構成することができ、この選択は、消失テーブルに格納した属性値の少なくとも一部に基づいて行う。 さらに、復号器は、消失テーブルが正しい認識するか、或いは訂正するにはあまりに多い誤りがあると認識する符号語を選択的にバイパスするように構成することができる。この態様では、ソフト消失(soft−erasure)の概念を導入する。ソフト消失は、符号語のシンボルが誤っている尤度を表す。
符号語の各シンボルのソフト消失値は、例えば、受信したトランスポートパケットから抽出することができる。例えば、トランスポートパケットのTEI(トランスポートエラーインジケータ)ビットを1に設定する場合には、トランスポートパケットにおけるペイロードのソフト消失値を2に割り当てることができ、一方、TEIビットを0に設定する場合には、ソフト消失値を1に割り当てることができる。MPEアプリケーションデータテーブルのパディングバイト、又はCRC(巡回冗長チェックサム)チェックに通すトランスポートパケットのペイロードに対しては、例えば、0のソフト消失値を割り当てる。MPE‐FECのリードソロモンデータテーブルのパンクチャリングバイトに対しては、例えば、3のソフト消失値を割り当てる。
これらの例は、ソフト消失値を如何にして決定することができるかを示している。ソフト消失値を他のやり方で決めることもできる。例えば、トランスポートパケットの連続するカウントビットを用いて、欠落したパケットがあるか否か決定することができる。パケットが欠落している場合には、全てのシンボルが誤りであるのが確実であるので、パケットのソフト消失値を3に割り当てることができる。
ソフト消失テーブルを構成するのに多数の技法が考えられるが、ハード消失を各符号語に対して生成して、テーブル・サイズを最小にするようなやり方で、ソフト消失テーブルを構成するのが有用である。簡易型のハード消失生成器、及び小型のソフト消失テーブルは、コスト及び電力消費を低減させる。
本発明の一態様では、MPE‐FECフレームを完全に構成し、且つソフト消失テーブルを満たした後に、ハード消失を生成する。ハード消失値は、2進数とする。この値が1であるとき、これは、符号語の現行シンボルが消失であることを示す。この値が0であるとき、これは、符号語の現行シンボルが消失ではないことを示す。その後、ハード消失を、リードソロモン復号器によって用いる。しかしながら、本発明は、特定のリードソロモン復号器の実装に限定するものではない。
ハード消失生成器は、通常、ソフト消失テーブルをどのように構成するかに関連する。本発明の一態様では、ハード消失生成器は、1つの実行あたり1つの完全な符号語に対するハード消失を生成する。1つの実行の終了時に、ハード消失生成器は、以下の2つの条件、即ち(a) 符号語における全てのシンボルのハード消失が0であるか、又は(b) ハード消失が1であるシンボルの数が、リードソロモン復号器の限度、即ちDVB‐Hの場合の64を超えているかのいずれかが満足する場合に、リードソロモンの復号が必要ではないと判断する。通常、符号語における全てのシンボルのソフト消失が0で、且つその場合に限り、第1の条件が満たされ、符号語における少なくとも65個(DVB‐Hの場合に)のシンボルのソフト消失が0で、且つその場合に限り、第2条件が満たされる。
本発明は、消失を使用しないリード-ソロモン復号化でも動作することに留意する。この場合、ハード消失生成器の単独の機能は、リード-ソロモン復号化を必要とするか否かを決定することにある。ハード消失は、このリード-ソロモン復号化のサブモジュールには出力されない。
図6Aは、本発明の一実施例による消失テーブル450を表している。本発明の一態様では、デカプスレータは、データグラムに関連付けられる消失属性を生成するように構成し、且つ復号器は、消失属性を消失テーブルに格納するように構成する。復号器は、符号語を選択的に処理して訂正符号語を作成するように構成し、そこでは、前記選択を消失テーブルに格納する消失属性の少なくとも一部に基づいて行う。
IPデータグラムは、入って来るトランスポートストリームのパケットからデカプセル化するので、消失情報が抽出される。消失テーブルは、全MPE‐FECフレームに対する消失情報を格納するように実装する。
消失テーブルの構成は、図6Aに示されている。消失テーブル550は、255個のエントリを含む。これらのエントリの各々は、図4Aに示されているようにMPE‐FECテーブルの列に関連している。即ち、エントリ1は、MPE‐FECテーブルの列1に関連付けられ、エントリ2は、MPE‐FECテーブル列2に関連付けられるなどである。
消失テーブルの各エントリを、1 6個の要素560で構成する。模範的な実施例でこの数を選ぶ理由は、40バイトに等しい最小のIPパケットのサイズを与えるためであり、1つの列は、26個のIPパケットまで含めることができる。受信した他の全てのIPパケットは、信頼できない(即ち、IPパケットのCRCの誤り)とすると、1 3個の消失要素は、各消失テーブルエントリに対して、即ちMPE‐FECテーブルの各列に対して用いられる。TEI=1の故に前のエントリによって格納された消失レベルを変更する必要がある要素を考慮して、1 6個の要素が1つの列に対して十分であるようにする。
消失テーブルエントリの各要素は、3つのフィールド570を含み、即ち、10ビットの列の開始アドレスと、8ビットのレングスと、2ビットの消失レベル値とを含む。模範的な実施例をメモリとして実現するとき、消失テーブルは、20ビットx16x255 = 81,600ビットのサイズを有する。
MPE‐FECテーブルの行番号及び列番号は、規格によって0から始まる。MPE‐FECパケットの開始位置は、Xであり、開始の行番号は、(X/(MPE‐FECテーブルの行の総数))の剰余であり、開始の列番号は、(X/(MPE‐FECテーブルの行の総数))の商である。列番号は、消失テーブルのエントリ番号にすることができる。
図6Bは、MPE‐FECテーブルの総列数が1024の場合であって、TEI=1を有し、且つ1個のIPデータグラムのみを含むトランスポートストリームのパケットを受信して位置200に置かれたものとした場合の一例を表しており、この場合、開始の行番号は200、即ち16進数でC8であり、開始の列番号は、0である。従って、対応する要素は、図6Aに示されている内容では、消失テーブルの最初のエントリ位置に置かれる。この場合、消失レベル値は、11bである。
1つのメモリで実現する場合、消失バッファのポート幅は、320ビットとなる。これは、現行技法では良好なアスペクト比ではない。従って、各々255x80ビットのサイズを有する4個のメモリでテーブルマッピングを実行して、消失テーブルを実装することを提案する。 消失テーブルの各エントリを、4個のメモリにそれぞれ等しく分配して格納し、即ち、第1の4つの要素は、第1のメモリに格納し、第2の4つの要素は、第2のメモリに格納するなどである。このレイアウトを、図6Cに示す。
消失テーブルは、信頼できないIPデータグラムを受信したときだけ要素を作成するようにして満たされ、即ち、このエントリは、信頼できるとして決定されたIPデータグラムに対しては作成しない。従って、全体の列に対して信頼できないIPデータグラムが全く発生しない場合、この対応するエントリに対する要素は、消失テーブルに全く存在しない。そして、当然に、幾つかの要素のみが有効である場合もある。従って、本発明の一態様は、どの要素が、エントリ内で有効であるかをマークする。このために、図6Dは、ポインタテーブル590を表している。
図6Dに示されているように、ポインタテーブル590は、各々が消失テーブルのエントリに対応する255個のエントリを含む。1つのエントリは、5ビットからなり、表4のように定義される。これらの5ビットを用いて、エントリの次の要素を消失テーブルに書き込む箇所について決定する。
表4は、ポインタテーブルエントリの定義を示す。
[表4]
Figure 0004844629
図7は、本発明の一実施例による消失生成器600を表している。消失生成器は、主に0〜15のインデックスを有する16個の比較器CMP612と、選択ユニットSEL614と、消失レベルバッファ616と、消失割り当てロジック618とからなる。消失生成器が、符号語を復号するのに用いられる255個の消失ビットを生成するために、256サイクルを要する。比較器のインデックスが、消失生成器の出力を決定するのに重要であることに留意する。
各サイクルで、比較器、即ちCMPn(0〜15)が、消失テーブルにおけるエントリから要素を取り出す。比較器の別の入力端は、現行の符号語の列番号になる。このエントリは、消失テーブルから連続順で取り出される。即ち、第1のサイクルで消失テーブルのエントリ1を取り出して処理し、第2のサイクルでエントリ2を処理するなど、最後にエントリ255を処理する。各サイクルで、比較器は、フラグ及び消失レベルを生成する。以下、これらの2つの出力値をどのようにして決定するかを説明する。
各要素は、(開始の列(start_row),レングス(length)、消失レベル(erasure level))の3組からなる。
比較器は、消失生成器の入力の列番号が、start_rowとstart_row+lengthとの間にあるか否かを検査する。この間にある場合、比較器は、出力の消失レベル=要素の消失レベル、且つ出力のフラグ=1を設定する。この間にない場合、フラグ=0を設定する。
選択ユニット614は、1 6対のフラグ及び消失レベルを取り出し、1サイクルあたり1個の消失レベル出力値を生成する。比較器からのフラグが全て0である場合、選択ユニットは、消失レベル00bを出力する。そうでない場合、選択ユニットは、最も高いインデックスを有する比較器の出力からの消失レベルを選択し、フラグを1に設定する。選択ユニットの消失レベル出力値は、シフトレジスタにバッファする。
255回の繰り返しサイクルの後、255個の消失レベルをバッファ616のシフトレジスタに全て格納する。次に、消失割り当てロジックは、これらの消失レベルを取り出し、これらを2値の消失値に転換する。以下、この転換について説明する。
1.消失レベル=00bである場合、消失値を0に割り当てる。
2.消失レベル=11bである場合、消失値を1に割り当てる。
3.消失レベル=01又は10である場合、1の総数が、プログラムされた値(64まで)未満であれば、消失値を1に割り当て、それ以外は、消失値を0に割り当てる。
消失バッファ616は、255個のフリップフロップのアレイで構成され、フリップフロップの各々は、1ビットの消失情報を格納する。消失ビットが0であるとき、これは、現行の符号バイトが信頼できる(消失でない)旨を示す。消失ビットが0でなければ、現行の符号バイトが信頼できない(消失)旨を示す。
リードソロモン復号器が、符号語を復号し始める前に、消失は、消失ビットを生成して、これらを 消失バッファに格納する。復号化を開始するとき、消失バッファは、フリップフロップの値をシフトアウトさせて、各々の対応するアプリケーション符号バイト用の消失ビットを符号語に供給する。
ここで、メモリ節約の例として、消失テーブルに必要とされるメモリのサイズを計算して、本発明の実施例を用いてメモリ節約が定まる例を提供する。
消失テーブルのための従来からのメモリサイズは、255x1024x2 = 522240ビット=510Kビットである。
本発明を使用すると、メモリサイズは、255x16x20ビット=81600 ビット=79.68Kビットになる。
このメモリの節約は、522240−81600=440640ビット=430Kのビットである。これは、84.375%の節約に転換している。
表5は、計算の概要であり、消失テーブルに対するメモリ要件の比較を示す。
[表5]
Figure 0004844629
本発明は、モバイルワイヤレスデバイスにおける信号の受信及び処理を改良し、バッテリの寿命を伸ばすという利点を有している。
模範的な実施例及び最良の態様を開示したが、各請求項で規定される本発明の目的及び趣旨を存する限り、開示した実施例に対して変更、及び変形を施すことができる。
本発明の実施例による模範的なワイヤレス・ネットワークを表す図である。 本発明の実施例による模範的なデバイスを表す図である。 本発明の実施例による模範的なデバイスにて行われる方法を示すフローチャートを表す図である。 本発明の実施例によるリード-ソロモン符号語を表す図である。 本発明の実施例によるトランスポートパケットとMPE‐FECセクションとの関係を表す図である。 本発明の実施例によるトランスポートパケットとMPE‐FECセクションとの関係を表す図である。 本発明の実施例によるメモリテーブルを表す図である。 本発明の実施例によるメモリテーブルを表す図である。 本発明の実施例による適応型のMPE‐FEC復号器の論理的アーキテクチャを表す図である。 本発明の実施例による消失テーブルを表す図である。 本発明の実施例による消失テーブルを表す図である。 本発明の実施例による消失テーブルを表す図である。 本発明の実施例による消失テーブルを表す図である。 本発明の実施例による消失生成器を表す図である。

Claims (12)

  1. 誤り訂正をサポートするデバイスであって、
    通信リンクでデータを受信するように構成した受信機と、
    前記受信機に結合され、且つデータグラムと該データグラムに関連付けられる消失属性とを作成するように構成したデカプスレータと、
    前記デカプスレータに結合され、且つ前記データグラムをフレームテーブルに格納し、号語を作成するように構成した復号器であって、前記データグラムを前記フレームテーブルの列に格納して、フレームテーブルのを符号語として作成し、記消失属性を消失テーブルに格納するように構成した復号器と、
    前記復号器に結合されるユーザインタフェースであって、前記データグラムに対応するイメージを当該ユーザインタフェースにレンダリングするように構成した、ユーザインタフェースと、
    を備え
    前記消失テーブルは、各々が前記フレームテーブルにおける列に関連付けられる、複数のエントリを含み、
    前記複数のエントリの各々は、複数の要素を含み、
    前記複数の要素の各々は、前記データグラムに関連付けられる前記消失属性を格納する複数のフィールドを含み、
    前記復号器は、前記消失属性に基づき選択的に前記符号語を訂正することを特徴とする誤り訂正支援デバイス。
  2. 前記デカプスレータは、データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性を生成するように構成され、且つ前記消失テーブルの要素は、データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性のうち1つを格納するように構成されている、請求項に記載のデバイス。
  3. 前記消失テーブルにおけるエントリの要素の位置を識別するように構成されるポインタテーブルを更に含む、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記復号器は、セレクタに結合される複数の比較器を有する消失生成器を更に備え、該消失生成器は、前記消失テーブルに接続され、消失テーブルにおける各エントリ用の消失割り当てを生成するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記復号器は、セレクタに結合される複数の比較器を有する消失生成器を更に備え、該消失生成器は、前記消失テーブルに接続され、消失テーブルにおける各エントリ用の消失割り当てを生成するように構成される、請求項に記載のデバイス。
  6. 前記通信リンクは、ワイヤレスリンクであり、前記データは、デジタル・テレビジョンデータである、請求項1に記載のデバイス。
  7. 誤り訂正を処理する方法であって、
    通信リンクでデータを受信するステップと、
    データグラムと該データグラムに関連付けられる消失属性とを作成するように、前記データをデカプセル化するステップと、
    前記データグラムをフレームテーブルに格納し、号語を作成することによって前記データグラムを復号するステップであって、前記データグラムを前記フレームテーブルの列に格納し、フレームテーブルのを符号語として作成し、記消失属性を消失テーブルに格納する、データグラム復号ステップと、
    前記データグラムに対応するイメージをーザインタフェースにレンダリングするステップと、
    を含
    前記データグラム復号ステップは、前記消失属性に基づき選択的に前記符号語を訂正し、
    前記消失テーブルは、各々が前記フレームテーブルにおける列に関連付けられる、複数のエントリを含み、
    前記複数のエントリの各々は、複数の要素を含み、
    前記複数の要素の各々は、前記データグラムに関連付けられる前記消失属性を格納する複数のフィールドを含むことを特徴とする誤り訂正処理方法。
  8. デカプスレータにより、前記データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性を生成するステップを含み
    記消失テーブルの要素は、前記データグラムに関連付けられる少なくとも3つのレベルの消失属性のうち1つを格納する、請求項に記載の方法。
  9. ポインタテーブルにより、前記消失テーブルにおけるエントリの要素の位置を識別するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記消失テーブルに接続された消失生成器であって、複数の比較器をセレクタに結合し前記消失テーブルにおける各エントリ用の消失割り当てを生成するように構成される消失生成器を形成するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
  11. 前記消失テーブルに接続された消失生成器であって、複数の比較器をセレクタに結合し前記消失テーブルにおける各エントリ用の消失割り当てを生成するように構成される消失生成器を形成するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
  12. 前記通信リンクは、ワイヤレスリンクであり、前記データは、デジタル・テレビジョンデータである、請求項に記載の方法。
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