JP4843014B2 - 過熱水蒸気発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば過熱水蒸気発生装置に関し、より詳細には、誘導加熱される被加熱体の構造を改良した過熱水蒸気発生装置に関する。
過熱水蒸気(superheated steam)は、水蒸気を更に加熱することにより生成され、無酸素状態で高い熱伝導性を有するため、食品の調理、加工、焙煎、減菌、殺菌のほか、産業廃棄物の炭化処理などに広く用いられている。
このような過熱水蒸気を発生する装置としては、ボイラーなどによってつくられた水蒸気を、バーナー、電気ヒータを用いて直接加熱したり、電磁誘導を利用して間接的に加熱する方法が知られている。
例えば、電気ヒータを用いて過熱水蒸気を発生するための熱交換装置として、並列状態で配置され周方向に連通した複数の環状流路と、環状流路における流入口と流出口の位置が周方向にずれるように環状流路に形成された複数の流入口及び流出口と、異なる環状流路に形成された流入口と流出口とを連通し、環状流路内に突出させた複数の連通管と、からなる熱交換流路と、この熱交換流路に連通された流体供給管及び流体排出管と、から構成されるものが知られている(特許文献1)。
また、電磁誘導を利用して過熱水蒸気を発生する過熱蒸気発生装置として、発生させた水蒸気を案内する導管の途中に過熱タンクを配置しその外側に高周波交流電源に接続したコイルを配置し、過熱タンク内に磁性体からなる部材を配置し、蒸気がこの部材と接触しながら通過するようにするとともに、過熱タンクの軸心と直角に多数の隔壁を設けて区画室を直列に配置するとともに、区画室を連通するための透孔を隔壁に穿設したたものが知られている(特許文献2)。
国際公開WO2006/030526 A1 特開2004−251605
ところで、誘導過熱では、被加熱物の単位面積に供給される単位時間当りのエネルギーが大きいので、高速加熱・高温加熱が可能である。また、誘導加熱には、熱損失が小さく、加熱効率が大きいといった利点のほか、温度制御が容易であるといった利点があるため、特許文献2に記載された発明は、特許文献1に記載されたものと比較して、食品の調理、焙煎、殺菌の他、産業廃棄物の炭化処理などに広く用いられている過熱水蒸気を発生するための加熱方法として適しているということができる。
しかしながら、特許文献2に記載された発明にあっても、さらなる熱交換効率の向上、装置の小型化、軽量化が要請されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、誘導過熱により過熱水蒸気を発生する装置であって、熱交換効率が高く、装置の小型軽量化を図ることができる過熱水蒸気発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、水蒸気の入口部、中空状の本体部、加熱された水蒸気の出口部とを有するケーシングと、前記本体部の内部に配置された被加熱体と、前記本体部の外方に配置され前記被加熱体を電磁誘導加熱する電磁誘導加熱手段とを備えた過熱水蒸気発生装置であって、前記被加熱体は、前記入口部から前記出口部に至る水蒸気の流路方向に沿って間隔を隔てて、かつ前記流路方向に対して略直交するように前記本体部の内壁との間に隙間を有して配置され、前記誘導加熱手段により誘導加熱される複数の隔壁と、前記隣接する隔壁間に少なくとも1つ配設され、かつ前記隔壁に形成された貫通孔と連通して当該隔壁から前記流路方向の上流側または下流側に延びるパイプとを備え、前記パイプは、その端面が前記隔壁に形成された貫通孔の非形成部分である隔壁の表面または裏面と対向していることを特徴とする(請求項1)。
本発明においては、前記隣接する隔壁間に上流側パイプ及び下流側パイプを備え、これら上流側パイプ及び下流側パイプが前記水蒸気の流路方向に沿った所定の重なり代をもって互いに配置されていることを特徴としたり(請求項2)、前記上流側パイプまたは前記下流側パイプは、それが形成されている隔壁から隣接する隔壁の表面近傍まで延びていることを特徴としたり(請求項3)、前記上流側パイプ及び前記下流側パイプは一本のパイプからなり、前記隔壁に形成された貫通孔に圧入されていることを特徴としたり(請求項4)、前記電磁誘導加熱手段は、低周波誘導加熱を行うものであることを特徴とすることができる(請求項5)。
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、ケーシングの入口部から本体部に流入した水蒸気は、複数の隔壁をその貫通孔を通じて下流側に流れる。隣接する隔壁のうち上流側に位置する第1の隔壁が下流側パイプを備えている場合、水蒸気は、当該第1の隔壁の貫通孔から下流側パイプを通り、下流側に隣接する第2の隔壁の表面に衝突し、その表面に沿って流れる。その後、水蒸気は、当該第2の隔壁に形成された貫通孔を通ってさらに下流側に流れるか、第2の隔壁が上流側パイプを備えている場合には、第1の隔壁の表面に沿って流れる水蒸気が、流れの向きを変えて前記下流側パイプとこの上流側パイプとの間を通り、第1の隔壁の裏面に衝突して再び流れの向きを変え、第2の隔壁の上流側パイプを通ってさらに下流側に流れる。
そして、前記隔壁は、ケーシングの本体部の内壁との間に隙間を有して配置されているので、隔壁の表裏面に衝突した水蒸気の一部は、本体部の内壁と隔壁との間の隙間を通って下流側に流れる。隔壁が3つ以上存在する場合は、上述した隔壁の表面への衝突、上・下流側パイプ間での逆方向への流れ、本体部の内壁と隔壁との隙間の流れが、その数に応じて繰り返される。なお、前記隙間の存在により、被加熱体が熱膨張してもケーシングが破損することがない。
一方、誘導加熱手段によって複数の隔壁が誘導加熱されると、それぞれの隔壁が発熱し、上流側パイプまたは下流側パイプに隔壁の熱が伝わる。水蒸気は、上述したように、発熱する隔壁に衝突し、または隔壁の熱が伝わった上流側パイプまたは下流側パイプの内外を流れる際に流れの向きを変えつつ長距離で連続的かつ累積的に加熱されてゆき、過熱水蒸気となる(一般に、沸点以上に加熱された水蒸気を過熱水蒸気と称している)。誘導加熱による隔壁の発熱は、周縁部において著しいところ、隔壁の表裏面に沿って流れる水蒸気の一部が、本体部の内壁と隔壁との間の僅かな隙間を通って下流側に流れるので、水蒸気が流れの向きを変えつつ加熱されることと相俟って、隔壁の周縁部と接触して、効率的に加熱することができる。上記より、本発明による装置は熱交換効率が高く、従って、同じ温度の過熱水蒸気を発生させる場合、より低周波の誘導加熱手段を採用することができるので、より高周波の誘導加熱手段を採用した場合と比較して、温度コントロールが容易であり、かつ、装置の小型、軽量化及び低コスト化を実現することができる。
また、一般に、パイプ長が長い場合にスケールが溜まりやすいところ、本発明では、水蒸気の加熱流路を構成するパイプが、隣接する隔壁間に配設されて、その端面が隔壁の表面または裏面と対向しているものであるため、必然的にその絶対長が短くなることから、スケールが溜まりにくいという効果もある。
請求項2に記載の発明によれば、前記隣接する隔壁間に上流側パイプ及び下流側パイプを備え、これら上流側パイプ及び下流側パイプが前記水蒸気の流路方向に沿った所定の重なり代をもって互いに配置されていることにより、上流側パイプ及び下流側パイプによって構成される水蒸気の加熱流路長が長くなる結果、本発明の熱交換効率を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記上流側パイプまたは前記下流側パイプが、それが形成されている隔壁から他方の隔壁の表面近傍まで延びていることにより、上記水蒸気の加熱流路長をさらに長くすることができるとともに、これらのパイプから流出する水蒸気を拡散することなく隔壁の表裏面に高速度で衝突させることができるので、本発明の熱交換効率をさらに高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記上流側パイプ及び前記下流側パイプは一本のパイプからなり、前記隔壁に形成された貫通孔に圧入されていることにより、上流側パイプ及び下流側パイプの双方を備えて熱交換効率の高い発熱体を簡易に製造することができ、より低コスト化を実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、誘導加熱手段として低周波(ここでは、絶対値としての意味、例えば400Hz)誘導加熱を行うものであるため、さらなる装置の小型軽量化を図ることができ、また、他の電子機器に影響を与えにくく、また温度上昇が緩やかなものとなるので温度コントロールがしやすいといった効果がある。従来の過熱水蒸気発生装置にあっては、熱交換効率が低かったため、このような誘導加熱手段として低周波誘導加熱を行おうとしても、例えば200℃程度の過熱水蒸気しか得られなかったが、本発明によれば、400℃の過熱水蒸気を発生させることができる。そして、低周波誘導加熱を行うものとすることにより、例えばモータ用のインバータを使用することができ、この場合には、汎用性があるので、メンテナンス管理も良好である。
本発明の過熱水蒸気発生装置は、ケーシングと、被加熱体と、誘導加熱手段とを備えている。
ケーシングは、水蒸気の入口部、本体部、加熱された水蒸気の出口部とを有している。本体部は、中空状であり、典型的には円筒状であるが、断面形状は楕円形、四角形その他の多角形であってもよい。
被加熱体は、入口部から出口部に至る水蒸気の流路方向に沿って間隔を隔てて、かつ流路方向に対して略直交するように本体部の内壁との間に隙間を有して配置され誘導加熱手段により誘導加熱される複数(3つ以上が好ましい)の隔壁を備えている。
それぞれの隔壁は、厚みが均一な平板状であっても、また中心部が厚肉で周縁部に向かって徐々に薄肉となるレンズ状、ないしは中心部が薄肉で周縁部に向かって徐々に肉厚となるレンズ状であってもよいが、肉厚方向の貫通孔を複数有している。隣接する隔壁間には、貫通孔と連通して流路方向の上流側に向けて延びる上流側パイプ、または、貫通孔と連通して下流側に向けて延びる下流側パイプのいずれかを少なくとも1つ配設される(いずれのパイプも複数あることが好ましい)。
最も上流側に位置する隔壁は、それぞれの貫通孔に連通して隣接する隔壁の表面近傍まで延びる下流側パイプを備え、最も下流側に位置する隔壁は、それぞれの貫通孔に連通して上流側に隣接する隔壁の裏面近傍まで延びる上流側パイプを備えている。これに対し、中間部に位置する一又は複数の隔壁は、それぞれの貫通孔に一本のパイプが圧入されることによって、上流側パイプ及び下流側パイプを構成している。
上流側パイプ及び下流側パイプは、その端面が隔壁に形成された貫通孔の非形成部分である隔壁の表面または裏面と対向し、水蒸気の流路方向に沿った所定の重なり代をもって互いに配置されている。
誘導加熱手段は、本体部の外方に配置されて被加熱体を誘導加熱するものであるが、低周波誘導加熱を行うものであることが好ましい。
以下、図1〜4を参照しつつ、本発明の実施例について詳細に説明する。
本発明の過熱水蒸気発生装置100は、水蒸気の入口部11、円筒状の本体部13、加熱された水蒸気の出口部15とを一つの軸心上に順に有するケーシング10と、本体部内に配置された被加熱体20と、本体部13の外方に配置され前記被加熱体20を誘導加熱する図示しない誘導加熱手段(交流電源とコイルとからなり、コイルが本体部13の外周を巻回している)とを備えている。
誘導加熱手段は、低周波(ここでは絶対値としての意味)誘導加熱を行うものが採用されている。本実施例では、最大周波数が400Hzであって、0〜400Hzの範囲で周波数を変えることにより温度コントロールが可能となるものが用いられている。なお、本体部13の外周は、図示しない断熱材によって覆われている。
被加熱アセンブリ21は、入口部11から出口部15に至る水蒸気の流路方向(同図中で左右方向)に沿ってほぼ等間隔を隔てて、前記流路方向に対して略直交するように配置された複数(本実施例では5枚)の薄板円盤状の隔壁21(21a,21b,21c,21d,21e)を備えている。それぞれの隔壁21は、誘導加熱手段により誘導加熱されて渦電流が発生し、その周縁部をピークとし中心部に向かって漸次低くなる発熱量をもって発熱する。
本実施例の被加熱体20は、それぞれの隔壁21a,21b,21c,21d,21e毎に形成された被加熱アセンブリ(隔壁と後述するパイプとで構成される)が並列して一体に組み付けられてなっており、両端部に位置する2つの被加熱アセンブリと、中間部に位置する3つの被加熱アセンブリの2種類のアセンブリからなっている。
アセンブリの種類に拘わらず、すべての隔壁21a,21b,21c,21d,21eは、それぞれ複数の貫通孔25を有している。本実施例では、すべての隔壁21について、60度間隔で6個形成された外側貫通孔25aと、一つの中心線上に位置する二つの外側貫通孔25aの内側に等間隔で配置された内側貫通孔25bとを有している。
両端部に位置する被加熱アセンブリを構成する隔壁21a,21eには、短尺の円筒状パイプ27が圧入され、パイプ27の圧入端面(図2(b)中で下端部)が隔壁21a,21eの表裏面と面一となり、他端面が隔壁21a,21eの表裏面から片側(同図中で上側)に突出した片持ち状態となっている。一方、中間部に位置する被加熱アセンブリを構成する隔壁21b,21c,21dには、長尺の円筒状パイプ29が圧入され、隔壁21b,21c,21dの表裏面からほぼ一定の長さ分、両側に突出した片持ち状態となっている。なお、隔壁21には、これらのパイプ27,29の圧入作業を容易にするため、貫通孔25a,25bの内周部に所定の面取りを施しておくのがよい。これらのパイプ27,29は、被加熱アセンブリの組み付けの向きに従って、下流側パイプPaまたは上流側パイプPbを構成することになる。
内側貫通孔25bに圧入されるパイプ27,29は、外側貫通孔25aに圧入されるパイプ27,29より、若干(短尺パイプ27にあってはパイプの肉厚程度、長尺パイプ29にあってはその倍程度)長く形成されているとともに、外側貫通孔25aに圧入されるパイプよりも長い部分を平面視で中心線と平行に切り欠くことにより残った周縁部分に突起27a,29aが形成されている。また、すべての隔壁21には、外側貫通孔25aと内側貫通孔25bとの間に45度間隔で4つのねじ挿通孔31が形成されている。
また、隔壁21は導電体であればよいが、SUS420,SUS403,SUS410またはSUS440製であることが好ましく、パイプ27,29及びケーシング10はSUS304またはSUS316製であることが好ましい。
なお、ケーシング10の入口部11の上流側前端には、本発明による過熱水蒸気発生装置100を取り付けるためのフランジ33が水蒸気の流路方向と略直交するように固着されている。なお、33aはボルト挿通孔である。また、本実施例では、ケーシング10の後端壁と最も下流側に位置する隔壁21eとにセンサ挿通孔が整合して形成され、棒状の温度センサ37が、これらのセンサ挿通孔及び一つのパイプ27を通り、その先端に設けられたセンサ部が隔壁21dの表面に突き当たっている。本発明による過熱水蒸気発生装置100は、温度センサ37によって計測された温度に基づいて、自動または手動により、発生する過熱水蒸気の正確な温度コントロールを行うことができる。
上述した5つの被加熱アセンブリを、隣接するアセンブリのパイプ27,29が周方向に交互に配置されるようにしつつ、内側貫通孔25bに圧入されるパイプの端面の突起27a,29aを隣接する隔壁の表裏面に当接させた状態で、それぞれのねじ挿通孔31が整合するように組み付けた後、整合するねじ挿通孔31にねじ39を挿通してその両端のねじ部にナット41を締め付けると、一体となった被加熱体20を成形することができる。
ここで、隔壁21の径、貫通孔25の数及び位置、パイプ27,29の肉厚は、隣接する被加熱アセンブリを一体に組み付けたとき、パイプ同士が接触しない状態で可及的に最大限のパイプ断面を確保できるように設計されている。本実施例では、パイプ27,29の外径が約17mm、内径が約11mmであり、ケーシング10の本体部13の縦断面においてパイプ27,29の内断面積の合計が占める割合がほぼ1/4となっている。また、隔壁21の肉厚は、誘導過熱作用がなされるのであれば薄い方が望ましいが、本実施例ではパイプ27,29を貫通孔25a,25bに圧入しているので、この圧入に耐える肉厚を有していることが好ましい。
このようにして成形した被加熱体20は、図4に模式的に示すように、5つの隔壁21と、最も下流側に位置する隔壁を除いた4つの隔壁から下流側に向けて延びる合計32本の下流側パイプPaと、最も上流側に位置する隔壁を除いた4つの隔壁から上流側に向けて延びる合計32本の上流側パイプPbとを備えることになる。そして、すべての下流側パイプPaは下流側に隣接する隔壁21の貫通孔が形成されていない表面近傍まで延びてその表面と対向し、すべての上流側パイプPbは上流側に隣接する隔壁21の貫通孔が形成されていない裏面近傍まで延びてその裏面と対向しており、従って、隔壁21間の空間では下流側パイプPaと上流側パイプPbとがそのほとんどの長さ部分において重なっていることになる(例えば、パイプの先端と隔壁の表裏面との間隔は3mm程度)。そして、下流側パイプPa及び上流側パイプPb内では水蒸気が全体の流路方向(同図中で左右方向)と順方向に流れ、下流側パイプPa及び上流側パイプPbの間に形成される空間では水蒸気が前記全体の流路方向と逆方向に流れることになる。
被加熱体20は、例えば、入口部11のみまたは出口部15のみを溶接した本体部13に挿入した後、出口部15または入口部11を溶接するか、または、上下半割状のケーシングの下半部内に配置した後、上半部を溶接することにより、ケーシング10内に配置されるが、いずれにしても、被加熱体20はケーシング10の本体部13に対して非固着状態で遊嵌されている。すなわち、ねじ39の端面が本体部13の左右端壁面との間に隙間を有して対向した状態で、本体部13内の周底面上に単に載置されている。従って、ケーシング10の本体部13の内壁と隔壁21との間には、僅かな隙間c(例えば、天井部において0.5mm程度)が形成されることになる。
次に作用を説明する。
図4に示されるように、誘導加熱手段によって隔壁21が誘導加熱されると、それぞれの隔壁21が発熱し、下流側パイプPaまたは上流側パイプPbに隔壁21の熱が伝わる。そして、ケーシング10の入口部11から本体部13に流入した水蒸気は、上流側に位置する隔壁(例えば第1の隔壁21a)の貫通孔25から下流側に延びる下流側パイプPaを水蒸気の流路方向に対して順方向に流れ、同図中で下流側に隣接する隔壁(例えば第2の隔壁21b)の表面に衝突してその表面に沿って流れる。その後、前記下流側パイプPaと、当該隔壁(隔壁21b)から上流側に延びる上流側パイプPbとの間を前記流路方向に対して逆方向に流れてから、前記上流側の隔壁(第1の隔壁21a)の裏面に衝突してその裏面に沿って流れる。そして、前記下流側の隔壁(第2の隔壁21b)の上流側パイプPbを順方向に流れてから貫通孔25を通りさらに下流側に流れる。
そして、隔壁(21a,21b)は、ケーシング10の本体部13の内壁との間に隙間c(同図では実際より相対的に大きく表している)を有して配置されているので、隔壁21の表面に衝突してその表裏面に沿って流れた水蒸気の一部は、本体部13の内壁と隔壁21との間の隙間cを通って下流側に流れる。ところで、この隙間cは、これが大きすぎると、下流側パイプPa及び上流側パイプPbを流れる水蒸気が相対的に減ることになるので、パイプを流れる水蒸気が大きく減らない程度に設定することが好ましい。また、上述したように、隔壁21の径、貫通孔25の数及び位置、パイプ27,29の肉厚は、隣接する被加熱アセンブリを一体に組み付けたとき、パイプ同士が接触しない状態で可及的に最大限のパイプ断面を確保できるように設計されているので、誘導加熱される隔壁21及びこれに連結される上下パイプ間を流れる水蒸気の加熱効率が高い。しかも、ケーシング10の本体部13の縦断面においてパイプ27,29の内断面積の合計が占める割合がほぼ1/4となっているので、水蒸気の流速を著しく減殺することがない。
図1に示される本実施例では、その後、隔壁21の表面への衝突、下流側パイプPbによる逆方向への流れ、本体部13の内壁と隔壁21との間の流れが3回繰り返された後、最も下流側に位置する第5の隔壁21eに形成された貫通孔25からケーシング10の出口部15を通って図示しない処理装置に供給される。
このように、本実施例にあっては、水蒸気が順方向及び逆方向に流れるので、装置全体が小型であっても、相対的に水蒸気の加熱流路長が長くなり加熱面積が大きくなること、誘導加熱される隔壁21の表裏面にパイプ27,29から出た水蒸気が衝突すること、発熱量が大きい隔壁21の周縁部表裏面にも水蒸気が接触することから、熱交換効率が高く、装置の小型軽量化を図ることができる過熱水蒸気発生装置を提供することができる。
本発明は、家電、食品加工、廃棄物処理などの分野においてその利用に供される。
本発明に係る過熱水蒸気発生装置の説明図である。 図1aのb矢視図である。 図1aのc矢視図である。 被加熱体アセンブリの正面図である。 図2aの断面図である。 他の被加熱体アセンブリの正面図である。 図3aの断面図である。 本発明の作用を説明するための模式図である。
符号の説明
100 過熱水蒸気発生装置
10 本体部
11 入口部
13 本体部
15 出口部
20 被加熱体
21 被加熱アセンブリ
21(21a,21b,21c,21d,21e) 隔壁
25(25a,25b) 貫通孔
27、29 パイプ
Pa 下流側パイプ
Pb 上流側パイプ

Claims (5)

  1. 水蒸気の入口部、中空状の本体部、加熱された水蒸気の出口部とを有するケーシングと、
    前記本体部の内部に配置された被加熱体と、
    前記本体部の外方に配置され前記被加熱体を電磁誘導加熱する電磁誘導加熱手段と
    を備えた過熱水蒸気発生装置であって、
    前記被加熱体は、
    前記入口部から前記出口部に至る水蒸気の流路方向に沿って間隔を隔てて、かつ前記流路方向に対して略直交するように前記本体部の内壁との間に隙間を有して配置され、前記誘導加熱手段により誘導加熱される複数の隔壁と、
    前記隣接する隔壁間に少なくとも1つ配設され、かつ前記隔壁に形成された貫通孔と連通して当該隔壁から前記流路方向の上流側または下流側に延びるパイプとを備え、
    前記パイプは、その端面が前記隔壁に形成された貫通孔の非形成部分である隔壁の表面または裏面と対向していることを特徴とする過熱水蒸気発生装置。
  2. 前記隣接する隔壁間に上流側パイプ及び下流側パイプを備え、これら上流側パイプ及び下流側パイプが前記水蒸気の流路方向に沿った所定の重なり代をもって互いに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の過熱水蒸気発生装置。
  3. 前記上流側パイプまたは前記下流側パイプは、それが形成されている隔壁から隣接する隔壁の表面近傍まで延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の過熱水蒸気発生装置。
  4. 前記上流側パイプ及び前記下流側パイプは一本のパイプからなり、前記隔壁に形成された貫通孔に圧入されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の過熱水蒸気発生装置。
  5. 前記電磁誘導加熱手段は、低周波誘導加熱を行うものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の過熱水蒸気発生装置。
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