JP4841662B2 - 磁気検出装置及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法 - Google Patents

磁気検出装置及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の交流差動型磁気ヘッドを有する磁気検出装置及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法に関する。
従来より、紙幣をはじめ、国債、切手などの証券類は、磁気を含んだ特殊インキを使用して印刷されており、その印刷物が一定の品質を有するか否かを検査するために、磁気特性の検出が行われている。
例えば、印刷物の磁気特性を検出するための技術として、特許文献1には、1次コイル及び2次コイルをそれぞれ巻回された複数の整列された磁気コアと、キャンセル用1次コイル及びキャンセル用2次コイルを巻回されたキャンセルコアと、複数の磁気コア及びキャンセルコアを一体的に結合する部材とで成り、各磁気コアの検出面が被検出体に対して一列に対向する構造を有するマルチチャンネル型磁気ヘッドが開示されている。
このようなマルチチャンネル型磁気ヘッドによれば、単一の発振回路を用いて磁気コアを同位相で励磁することにより、近接する複数の磁気コア間で生じるハウリング等の相互干渉を防止している。
特許第2585558号公報
しかしながら、上記の従来技術では、近接する磁気ヘッドによる相互干渉を防げる反面で、チャンネル間で温度差等、周辺環境や構成部材の経時及び/又は経年変動等による感度特性にバラツキが生じた場合に磁気ヘッドで出力される磁気検出信号にばらつきが生じるおそれがあるという問題があった。
例えば、特開2001−001506号公報に記載の印刷物検査装置にある様な大判印刷物の磁気特性を評価する場合には、チャンネル間での磁気検出信号のばらつきが特に顕著となってしまう。
これを具体的に説明すると、上記の印刷物検査装置では、紙幣等に印刷された特殊インキが未乾燥であっても磁気特性を正確に検出できる様に、磁気ヘッドが大判印刷物に対して向き合う検知面と大判印刷物との間に一定のクリアランスを保ったまま、大判印刷物の余白部分だけを走行路としてローラ走行しつつ磁気特性を検出する。
ここで、かかる印刷物検査装置では、印刷機による加圧等により印刷後には磁気インキの印刷面に凹凸が生じるので、磁気ヘッドから空気を噴出することによって印刷面を押圧してクリアランスを一定に保つエアー押圧制御を行っている。
図6の(A)に示すように、磁気ヘッド90の下面90aは、被検出物である大判印刷物と平行な平坦面とされており、中央部付近にはコア91およびレーザ発光窓92aおよび受光窓92bが、その両側で磁気ヘッド90の走査方向に対し直交する方向に片側3個ずつ計6個のエアー噴出口93がコア91を囲むように列設されている。これらエアー噴出口93は装置本体に備えられた図示しない圧縮エアー供給源に接続されている。
そして、レーザ発光窓92aから出光したレーザ光は、図6の(B)に示すように、紙面で反射した後に受光窓92bを通じてセンサに受光され、磁気ヘッド90の下面90aと印刷物の上面との間隙を計測するようにされている。
すなわち、上記の印刷物検査装置では、エアー噴出口93から印刷物にエアーを噴出して印刷物の波打ちやしわを矯正しつつ、レーザ光で磁気ヘッド90の下面90aと印刷物の上面との間隙を計測し、この間隙を所定値(150μ)に保つように制御している。
このようなエアー押圧制御を行った場合には、磁気ヘッドおよびその周辺の温度がエアー温度の影響で変化するが、かかる温度変化を無くすこと又は各チャンネル間で一様に変化させることは難しく、千差万別に変化する。
ところが、上述したマルチチャンネル型磁気ヘッドでは、チャンネルの磁気コアが異なる温度下で動作する場合に、複数の磁気コアで共有する1つのキャンセルコアの磁気信号との間でしか、各チャネルの差信号(磁気検出信号)を得ることができない。このため、各チャンネルでは、それぞれのチャンネルの温度差によって出力にばらつきが生じてしまう。
なお、ここでは、チャンネル間の温度差によって出力にばらつきが生じる場合を説明したが、磁気ヘッド間の温度変動特性の違いによるばらつきや経年変動による感度特性のばらつき等の個体差がある場合にも、同様の問題が生じる。
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、チャンネル間で温度差や部品の個体差による出力ばらつきが生じることを防止することができる磁気検出装置及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る磁気検出装置は、検知ヘッド及びキャンセルヘッドをそれぞれ有する複数の交流差動型磁気ヘッドと、前記複数の交流差動型磁気ヘッドを同相で励磁するための単一の発振回路と、前記交流差動型磁気ヘッドごとに設けられるとともに、当該交流差動型磁気ヘッドの励磁コイルを駆動する励磁コイル駆動回路と、前記励磁コイル駆動回路ごとに設けられるとともに、該励磁コイル駆動回路に対応する交流差動型磁気ヘッドのキャンセルヘッドの出力を当該励磁コイル駆動回路にフィードバックするフィードバック回路と、前記キャンセルヘッドと前記検知ヘッドの出力の差動信号を出力する差動アンプ回路とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る磁気検出装置は、上記の発明において、前記フィードバック回路は、各交流差動型磁気ヘッドのキャンセルヘッドの出力が所定(同一も含め任意)の値となるように前記キャンセルヘッドの出力を前記励磁コイル駆動回路にフィードバックすることを特徴とする。
また、本発明に係るキャンセルヘッド出力のフィードバック方法は、検知ヘッド及びキャンセルヘッドをそれぞれ有する複数の交流差動型磁気ヘッドを単一の発振回路を用いて同相励磁する励磁工程と、前記交流差動型磁気ヘッドごとに設けられるとともに該交流差動型磁気ヘッドの励磁コイルを駆動する励磁コイル駆動回路に対して、当該励磁コイル駆動回路に対応する交流差動型磁気ヘッドのキャンセルヘッドの出力をフィードバックするフィードバック工程と、前記キャンセルヘッドと前記検知ヘッドの出力の差動信号を出力する差動信号出力工程とを含んだことを特徴とする。
本発明によれば、各チャンネルでキャンセルヘッドの出力振幅を常時所定の一定値に制御するとともに全てのチャンネルの間で所定の一定値に制御することができ、チャンネル間で温度差や部品の個体差による出力ばらつきが生じることを防止することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、全てのチャンネルの磁気ヘッドを同一の感度特性となる様にして磁気検出を行うことができ、複数の磁気ヘッドで同一の対象物の磁気特性を検出する場合でも単一の磁気ヘッドで磁気検出を行った場合と同等の検出精度を得ることが可能になるという効果を奏する。
図1は、本実施例に係るヘッドユニットの回路構成を示す図である。 図2は、本実施例に係る磁気ヘッドの構造の一例を示す図である。 図3は、磁気ヘッドを固定式としたヘッドユニットの構成を示す図である。 図4は、磁気ヘッドを可動式としたヘッドユニットを示す図である。 図5は、本実施例に係るフィードバック回路の回路図である。 図6は、従来技術に係る磁気ヘッドの構造の一例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る磁気検出装置(以下、ヘッドユニットと記載)及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法の好適な実施例を詳細に説明する。
図1は、本実施例に係るヘッドユニットの回路構成を示す図である。図1に示すヘッドユニット1は、対象物の磁気特性を検出するものであり、たとえば磁気を含む特殊インキを用いて印刷された大判印刷物(例えば、紙幣をはじめ、国債、切手などの証券類)の磁気検査を行う印刷物検査装置に好適に搭載される。
このヘッドユニット1は、図1に示すように、単一の発振回路11に対して複数チャンネルの後段回路が接続された回路構成を有する。なお、図1では、1CHの回路構成だけを図示したが2CH及び3CHも同様の回路構成を有する。また、ヘッドユニット1が搭載する磁気ヘッド30の個数(CH数)は任意に変更できるものとする。
発振回路11は、交流の基準信号を生成して同相の交流信号を後段の各チャンネルに出力する回路であり、たとえばウィーンブリッジ回路またはその等価回路によって構成される。このように、本実施例では、単一の発振回路11によって生成された同相の交流信号に基づいて各磁気ヘッド30を励磁させることとした。
すなわち、複数の磁気ヘッド30を並列に並べた場合には、単一の磁気ヘッドで印刷物を走査する場合よりも広域の走査が可能となる。その反面で各磁気ヘッド30を独立に励磁駆動した場合、隣接する磁気ヘッド30の交流励起磁界が相互干渉を起こし、各磁気ヘッドの磁気検出信号の出力にハウリングを引き起こすおそれがある。
そこで、本実施例では、各チャンネルの磁気ヘッド30を単一の発振回路11を用いて同相励磁することで、磁気ヘッド30間での漏洩磁束による干渉を防止し、もって複数の磁気ヘッド30を隣接して設けた場合であっても、高精度な磁気検出を可能とした。
発振回路11後段の各チャンネルには、図1に示すように、図2に示す磁気ヘッド30をはじめとし、励磁駆動回路12と、増幅回路13と、増幅回路14と、差動アンプ回路15と、フィードバック回路50とが設けられる。
ここで、図2を用いて、図1に示す磁気ヘッド30に関し、大判印刷物の磁気特性を検出する場合に好適に適用される磁気ヘッドの構成を例示しながら説明する。
磁気ヘッド30は、交流バイアス式の磁気検知ヘッドであり、検知面、すなわち、印刷物側に設けられた検知ヘッドと、この検知ヘッドと逆に印刷物と反対側に設けられたキャンセルヘッドとを含んで構成される。また、この磁気ヘッド30には、印刷物の波打ちやしわを矯正するために、磁気ヘッド30の検知面及び/又は検知面近傍にエアー噴出口が設けられる。なお、ここでは図示を省略するが、横方向からヘッド検知面と印刷物との間にエアーを吹き付けるようにもエアー噴出口を設けても良い。
図2は、本実施例に係る磁気ヘッドの一例を示す図である。なお、図2を含む以降の図面では、ヘッドユニット1の走行方向(印刷物を走査する方向)をX軸とし、このX軸に直交する方向をY軸とし、X軸およびY軸を含む平面に直交する上下方向をZ軸として説明を行うこととする。
図2の(A)に示すように、磁気ヘッド30の下面には、エアーの噴出口31が設けられている。また、かかる下面の中央部には、磁気検知が可能な検知領域32が存在する。すなわち、検知領域32以外の領域は、磁気に対する不感領域である。
ここで、磁気ヘッド30のY軸方向の幅33は、たとえば、16mmであり、検知領域32のY軸方向の幅34は、たとえば、10mmである。なお、本実施例では、検知面の外周部分に不感領域を有する磁気ヘッド30を用いる場合について主に説明するが、不感領域を極小とした磁気ヘッド30を用いることとしてもよい。
図2の(B)に示すように、磁気ヘッド30の内部には、対極コア35が設けられている。また、磁気ヘッド30の下面に設けられた噴出口31からは、大判印刷物へ向けて方向300へエアーが吹き付けられる。
図2の(C)に示すように、対極コア35上には、キャンセルヘッド35aおよび検知ヘッド35bが構成されている。具体的には、対極コア35の上方ブロック35aaにおける励磁駆動回路12側の極にはキャンセルヘッド用1次コイル35abが、増幅回路13側の極にはキャンセルヘッド用2次コイル35acがそれぞれ巻回されてキャンセルヘッド35aが構成されている。
また、対極コア35の下方ブロック35baにおける励磁駆動回路12側の極には検知ヘッド用1次コイル35bbが、増幅回路14側の極には検知ヘッド用2次コイル35bcがそれぞれ巻回されて検知ヘッド35bが構成されている。
このように、上下方ブロック各々の1次コイル35abと35bbは直列に接続され、また、上下方ブロック各々の2次コイル35acと35bcは並列に接続されている。
そして、発振回路11によって生成された交流の基準信号は、後述するフィードバック回路50によるフィードバックを経て励磁駆動回路12へ入力される。続いて、励磁駆動回路12は、かかる基準信号に対して所定の励磁信号を付加したうえで、キャンセルヘッド用1次コイル35abおよび検知ヘッド用1次コイル35bbへ通電する。これにより交番磁界が生成される。その後、キャンセルヘッド用2次コイル35acおよび検知ヘッド用2次コイル35bcでは、磁性体の接近などによる交番磁界の変化を検出する。
このとき、検知ヘッド用2次コイル35bcは、印刷物に印刷された磁性インクによる交番磁界の変化を検出するが、キャンセルヘッド用2次コイル35acは、印刷物から隔てられているため交番磁界の変化を検出しない。
このため、キャンセルヘッド用2次コイル35acからの出力を増幅回路13で増幅した信号と、検知ヘッド用2次コイル35bcからの出力を増幅回路14で増幅した信号とを差動アンプ回路15へ入力することで、キャンセルヘッド35aの出力を基準とした磁気信号(差信号)を取得することができる。
次に、ヘッドユニット1における磁気ヘッド30の配置構成について図3および図4を用いて説明する。図3は、磁気ヘッド30を固定式としたヘッドユニット1の構成を示す図である。
図3に示したように、不感領域が極小の磁気ヘッド30を用いる場合には、ヘッドユニット1におけるY軸方向に各磁気ヘッド30を隣接させて配置することとすればよい。このようにすることで、ヘッドユニット1が走査方向200へ移動させて大判印刷物の走査を行う場合に、1回の走査でより広い範囲の磁気情報を得ることができる。
ここで、走査方向200へ走行するように設けられた1組のローラ30bの間隔36は、大判印刷物に印刷された印刷原画間の余白部上を各ローラ30bが通過する幅に調整されている。また、各ローラ30bの幅37は、余白部の幅よりも小さくなるように調整されている。
なお、図3では、1組のローラ30bを有するヘッドユニット1を示したが、複数組のローラ30bを有するヘッドユニット1を構成することとしてもよい。たとえば、図示は略すが3組のローラ30bを配置し、その取付軸ごとに磁気ヘッド30を配置することができる。このように、複数組のローラ30bを配置することとすれば、ヘッドユニット1が走査方向200へ移動する際のピッチング動作(Y軸まわりの回転動作)を防止することができる。
また、図3に示したように、ヘッドユニット1内に複数の磁気ヘッド30を固定する場合には、1回の走査で大判印刷物の1行のY軸方向の幅で必要とする走査域を網羅する個数の磁気ヘッド30を設けることとすればよい。また、ローラ30bを省略したうえで、ヘッドユニット1をY軸方向にずらしながら走査を繰り返すこととしてもよい。
ところで、図3では、ヘッドユニット1内に複数の磁気ヘッド30を固定する場合について示したが、磁気ヘッド30がY軸方向へ移動可能に設けられたヘッドユニット1を構成することとしてもよい。そこで、以下では、磁気ヘッド30を可動式としたヘッドユニット1について図4を用いて説明する。
図4は、磁気ヘッド30を可動式としたヘッドユニット1を示す図である。なお、同図の(A)には、Y軸方向に所定間隔をおいて配置した2個の磁気ヘッド30を移動させる場合を示している。
図4の(A)に示したように、2個の磁気ヘッド30は、検知領域32間の距離が所定の幅41となるように、可動部42に固定されている。そして、可動部42は、図示しないモータによって駆動され、Y軸の負方向である方向43およびY軸の正方向である方向44へ移動制御される。
なお、可動部42を駆動するモータは、図示は略すが印刷物検査装置の制御部からの指示に従って動作する。そして、ヘッドユニット1は、可動部42のY軸方向の位置を固定したまま走査方向200へ移動し、次の走査を行う場合には、ヘッドユニット1のY軸方向の位置を固定したまま、可動部42のみをY軸に沿ってずらすことになる。
たとえば、図4の(A−1)に示したように、大判印刷物に含まれる所定の印刷原画101に対する1回目の走査においては、2個のヘッドユニット1によって同図の斜線に示した領域の磁気情報が取得される。そして、ヘッドユニット1のY軸方向の位置を固定したまま、可動部42のみをY軸の正方向にずらして2回目の走査を行うと、図4の(A−2)に斜線で示した領域の磁気情報が取得される。
このように、磁気ヘッド30に不感領域がある場合であっても、ヘッドユニット1のY軸方向の位置を変更することなく、大判印刷物の各行に印刷された印刷原画101全体にわたる磁気情報を取得することができる。なお、図4の(A)では、2個の磁気ヘッド30を用いる場合を例示したが、磁気ヘッド30の個数を3個以上とすることとしてもよい。
ここで、本実施例では、磁気ヘッド30各々のキャンセルヘッド用2次コイル35acからの出力を増幅回路13経由で対応するCHの励磁駆動回路12へフィードバックするフィードバック回路50を設けた点にその特徴がある。
すなわち、上記の印刷物検査装置で印刷物に対してエアー押圧制御を行った場合には、エアー温度の影響を受けて対極コア35およびその周辺の温度が変化するが、その温度変化はチャンネル間で全く異なる温度に変化する場合が多く、各チャンネル間で温度差が生じることになる。
また、ヘッドユニット1に搭載される各種の部品、たとえばキャンセルヘッド用の1次コイル35ab及び2次コイル35acや検知ヘッド用の1次コイル35bb及び2次コイル35b、更には励磁駆動回路などにおいても、各チャンネル間で部品の個体差が生じる場合がある。
これら温度差や部品の個体差がチャンネル間に存在する場合には、基準となるべきキャンセルヘッド用2次コイル35acの出力もチャンネル間でばらついてしまう。
そこで、本実施例では、各チャンネル内においてキャンセルヘッド用2次コイル35acの出力を励磁駆動回路12へフィードバックした上で、キャンセルヘッド35aの出力振幅を所定の一定値とするとともに、全てのチャンネルの間で振幅値を同一の値とした。
このフィードバック回路50を図5を用いて具体的に説明する。図5は、本実施例に係るフィードバック回路の回路図である。ここでは、図5を用いて、図中の3つのオペアンプ51〜53への入出力を中心に信号の流れを説明する。なお、図5のVRは、全チャンネルで1個とする様な回路構成であってもよい。
図5に示すように、オペアンプ51は、緩衝増幅器としてフィードバック回路50に組み込まれており、その入力端子+には、発振回路11に接続されるCP(connection point)01から交流の基準励磁用波形が入力される。
このオペアンプ51では、CP01からの交流信号をオペアンプ52の方向へ一方通行として後段の回路と前段の発振回路11を分離し、後段の回路の影響により前段の発振回路11が影響を受けるのを防いでいる。
オペアンプ52は、非反転増幅器としてフィードバック回路50に組み込まれており、入力端子−への負帰還により出力の安定を保つように動作し、その入力端子+には、オペアンプ51によって出力される交流の基準信号(基準励磁用波形)と、オペアンプ53によって出力される出力電圧によって駆動されるFETが接続されており、オペアンプ52の入力端子+とGND間の抵抗値が変えられる様になっている。
オペアンプ53は、差動増幅器としてフィードバック回路50に組み込まれており、その入力端子+にはVCC及びVEEの間の定電源電圧が可変抵抗器によって所定の目標電圧値になるように分圧されて入力され、入力端子−にはキャンセルヘッド用2次コイル35acの出力振幅信号が増幅回路13及びCP11を経由して入力される。
このオペアンプ53では、入力端子+に入力される目標電圧値と入力端子−に入力される出力振幅との差分を一定の差動利得で増幅して出力端子から出力する。
ここで、オペアンプ53の入力端子+に入力させる目標電圧値は、キャンセルヘッド35aの出力振幅を一定値に収束させるための目標値であり、各キャンセルヘッド35aの出力振幅を同一の目標値に導くべく、全てのチャンネル間で共通の値が設定される。なお、この目標電圧値は、可変抵抗器の抵抗値の変更により任意に設定することができる。
このように、オペアンプ53の入力端子+に入力させる電圧値として、キャンセルヘッド35aの出力振幅を一定値に収束させる目標値を設定し、その目標値を全てのチャンネル間で共通にしておけば、全てのキャンセルヘッド35aの出力振幅を設定値と同一とすることができる。
すなわち、キャンセルヘッド35aの出力振幅が目標電圧値よりも高い場合には、CP21を介して励磁駆動回路12へ出力される励磁用波形の振幅を基準励磁用波形の振幅よりも低くすることで、以降のキャンセルヘッド35aの出力振幅が目標電圧値に近づくようにオペアンプ52の出力を制御できる。
また、キャンセルヘッド35aの出力振幅が目標電圧値よりも低い場合には、CP21を介して励磁駆動回路12に出力される励磁用波形の振幅を基準励磁用波形の振幅よりも高くすることで、以降のキャンセルヘッド35aの出力振幅が目標電圧値に近づくようにオペアンプ52の出力を制御できる。
なお、オペアンプ52の出力端子から出力される励磁用波形の振幅は、キャンセルヘッド35aの出力値が目標電圧値に対してより大きければ(振幅大)、励磁用波形の振幅を小さくし、また、出力値が目標電圧値より小さければ(振幅小)、励磁用波形の振幅を大きくする。つまり、決められた値と一致する様に制御する。
上述してきたように、本実施例によれば、各チャンネル内においてキャンセルヘッド用2次コイル35acの出力を励磁駆動回路12へフィードバックするように構成したので、たとえば各チャンネルでキャンセルヘッド35aの出力振幅を常時所定の一定値に制御するとともに全てのチャンネルの間で一定値とする振幅値を同一を含む任意の値に制御することもでき、チャンネル間で温度差や部品の個体差による出力ばらつきが生じることを防止することが可能である。
さらに、本実施例によれば、全てのキャンセルヘッド用2次コイル35acの出力振幅が同一の値となるようにキャンセルヘッド用2次コイル35acの出力振幅を励磁駆動回路12にフィードバックするように構成したので、全てのチャンネルの磁気ヘッドを同一の感度特性となる様にして磁気検出を行うことができ、複数の磁気ヘッドで同一の対象物の磁気特性を検出する場合でも単一の磁気ヘッドで磁気検出を行った場合と同等の検出精度を得ることが可能である。
また、本実施例によれば、各チャンネルの磁気ヘッド30を単一の発振回路11を用いて同相励磁するように構成したので、磁気ヘッド30を隣接して配置した場合であっても、他の磁気ヘッド30が発生する交番磁界の影響を排することができ、高精度な磁気検出を行うことが可能である。
また、本実施例に係るヘッドユニット1が搭載される印刷物検査装置では、磁気ヘッド30によって取得された磁気検出信号をもとに、温度変化の影響を排除した補正信号値を取得することができる様に構成した。
これを具体的に説明すると、走査区間(走査開始位置から操作終了位置までの区間)において磁気ヘッド30の温度が不変であれば、磁気なし部分に相当する信号値は一定となるはずである。この場合、差動アンプ回路15の出力電圧を示すベース曲線は、時間軸と平行な直線となる。
しかし、磁気ヘッド30の検知面から大判印刷物へ向けてエアーを吹き付ける手法をとった場合には、印刷面での吹き返された噴出エアによる磁気ヘッド30の温度差が磁気ヘッド検知面からヘッド内部に伝搬されてゆく事により熱平衡状態となるまでに所定の時間を要する。したがって、キャンセルヘッドと検知ヘッドの熱による電気抵抗値の変動により増幅回路13と14の出力値のバランスが崩れて、上記したベース曲線の形状は、直線とはならない。そして、かかるベース曲線を得ることができれば、この時に印刷物を測定した場合の変動曲線からベース曲線を差し引く補正を行うことで温度変化の影響を排除した信号値を得ることができる。
このため、印刷物検査装置では、かかるベース曲線を多次元関数による近似曲線として算出することした。そして、印刷物検査装置では、磁気ヘッド30によって取得された印刷物磁気データの変動曲線から、先に算出した近似曲線を差し引くことで、温度変化の影響を排除した補正信号値を取得する。
これによって、印刷物検査装置では、走査開始から走査終了までの区間で磁気ヘッドの温度変化がある場合であっても、温度変化の影響を排除した信号値を得ることが可能になる。このため、磁気ヘッドの温度変化が熱平衡状態となるまでの期間を検査待機期間として無駄にすることなく、大判印刷物の磁気検査を高速に行うことが可能である。
なお、上記の実施例では、フィードバック回路50として図5に示す回路図を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図5に示した回路の一部または全部を他の等価回路に置換することとしてもよい。
以上説明したように、本実施例では、チャンネル間で温度差や部品の個体差による出力ばらつきを防げるので、複数の磁気ヘッド30を隣接して自由に配置することが可能である。
例えば、磁気ヘッド30の筺体を直方体や立方体とし、複数の磁気ヘッド30の検知面を同一平面上に配置する場合には、磁気ヘッド30の筺体の任意の面を連結して配置することができる。一例としては、任意の数の磁気ヘッド30を並列に配置したり、また、千鳥状(ジグザグ)に配置したりすることもできる。
また、本発明では、複数の磁気ヘッド30の検知面を必ずしも同一平面上に配置する必要はなく、異なる平面上に各々の検知面を配置することもできる。
以上のように、本発明に係る磁気検出装置及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法は、チャンネル間で温度差や部品の個体差による出力ばらつきが生じることを防止する場合に適している。
1 ヘッドユニット
11 発振回路
12 励磁駆動回路
13 増幅回路
14 増幅回路
15 差動アンプ回路
30 磁気ヘッド
35 対極コア
35a キャンセルヘッド
35b 検知ヘッド
50 フィードバック回路

Claims (3)

  1. 検知ヘッド及びキャンセルヘッドをそれぞれ有する複数の交流差動型磁気ヘッドと、
    前記複数の交流差動型磁気ヘッドを同相で励磁するための単一の発振回路と、
    前記交流差動型磁気ヘッドごとに設けられるとともに、当該交流差動型磁気ヘッドの励磁コイルを駆動する励磁コイル駆動回路と、
    前記励磁コイル駆動回路ごとに設けられるとともに、該励磁コイル駆動回路に対応する交流差動型磁気ヘッドのキャンセルヘッドの出力を当該励磁コイル駆動回路にフィードバックするフィードバック回路と、
    前記キャンセルヘッドと前記検知ヘッドの出力の差動信号を出力する差動アンプ回路と
    を有することを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記フィードバック回路は、
    各交流差動型磁気ヘッドのキャンセルヘッドの出力が同一の値となるように前記キャンセルヘッドの出力を前記励磁コイル駆動回路にフィードバックすることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 検知ヘッド及びキャンセルヘッドをそれぞれ有する複数の交流差動型磁気ヘッドを単一の発振回路を用いて同相励磁する励磁工程と、
    前記交流差動型磁気ヘッドごとに設けられるとともに該交流差動型磁気ヘッドの励磁コイルを駆動する励磁コイル駆動回路に対して、当該励磁コイル駆動回路に対応する交流差動型磁気ヘッドのキャンセルヘッドの出力をフィードバックするフィードバック工程と、
    前記キャンセルヘッドと前記検知ヘッドの出力の差動信号を出力する差動信号出力工程と
    を含んだことを特徴とするキャンセルヘッド出力のフィードバック方法。
JP2009228117A 2009-09-30 2009-09-30 磁気検出装置及びそのキャンセルヘッド出力のフィードバック方法 Active JP4841662B2 (ja)

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