JP4837391B2 - ビーズおよびそのビーズを用いた釣り用仕掛け - Google Patents
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さて現状では、特許文献1に開示されているような技術がある。この技術は、1本の主貫通孔と、これに直交或いはほぼ直交する複数の副貫通孔を有しており、且つすべての貫通孔は交錯しないように互いに離反するように構成したビーズを、幹糸と枝糸(ハリス)との接続箇所に設けたものである。この技術によれば、幹糸と枝糸とが結着されておらず、各々が独立して回動できるので、ヨレやネジレの発生しにくい構造となっており、投げ釣り仕掛けにおける下針の設置やその交換が簡単に行えるという利点がある。
ビーズ全体が小さいということに加えて、一様に丸みを帯びているので掴みにくく、また掴んでいてずれやすいために、糸を通す作業がやりにくいのである。
また、一般のビーズに用意された孔を用いて形成されるハリスは、幹糸に対して直角である。ハリスには針および餌が付けられるので、その重みで垂れ下がり、絡んでしまうことがある。
請求項1から請求項6に記載の発明の目的は、掴みやすくてビーズの孔に糸を通す作業が容易なビーズを提供することにある。
請求項7に記載の発明の目的は、掴みやすくてビーズに糸を通す作業が容易であるとともに、釣り糸が擦れたり、擦れによって糸が磨耗して切れやすくなったりすることを低減させるビーズを備えた釣り用仕掛けを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、幹糸(50)に横糸(60)を接続するためのビーズ(10)に係る。
その縦方向に貫通して幹糸(50)が挿通される幹糸挿通孔(11)と、横方向に貫通して横糸(60)が挿通される横糸挿通孔(12)と、ビーズ(10)の周面から張り出した突部(15)と、を備え、前記横糸挿通孔(12)の開口部(12a)を突部(15)に設け、その突部(15)を両側から挟むように指でつまんだ場合に指腹部が食い込む凹部である段部(16)と、を形成する。
更に、前記横糸挿通孔(12)の両側の周面に平面領域を有する指当て部(14)を備える。
ビーズ(10)の外周面を指でつまむ。ビーズ(10)をつまんだ状態で、横糸挿通孔(12)に横糸(60)を挿通する。指でつまんだ際に、段部(16a,16b)に指腹部を食い込ませることができ、引っ掛かりが良くなる。これにより、ビーズの横糸挿通孔(12)に対し、横糸(60)を通す作業が容易となる。
指当て部(14)が平面状に形成されているので、ビーズ(10)をつまみやすくなる。また、ビーズ(10)をつまんだ時に、指を段部(16)に引っ掛けることができる。このため、ビーズ(10)を滑らせることなく容易につまむことができ、横糸(60)の挿入作業が簡単に行える。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のビーズ(10)を限定したものである。
すなわち、前記横糸(60)を挿入するための横糸挿通孔(12)の開口部(12a)周辺の面(13)を、平面状に形成した横糸当接面(13)を設けたことを特徴とする。
ビーズ(10)の外周面に設けられた平らな面(14a,14b)を指でつまむ。開口部(12a)周辺の面(13)は、平面状に形成されている。このため、横糸(60)をこの面(13)に突き当てながら開口部(12a)を探り、横糸挿通孔(12)に横糸(60)を挿通する。これにより、ビーズの横糸挿通孔(12)に対し、横糸(60)を通す作業がより容易となる。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のビーズ(10)を限定したものである。
すなわち、前記横糸当接面(13)の幅を、ビーズ(10)の幅とほぼ等しく形成したことを特徴とする。
ビーズが略正俵形とすれば、全体のプロポーションがほぼ同一に形成されることになる。すると、水中でのビーズの動作は、球体のビーズとほぼ同様になる。水中での動作は予測のしやすい球体であることが望ましいが、球体であると掴みにくく、糸を通しにくい等の問題点がある。しかし、このような問題点を、横糸当接面(13)の幅を、ビーズ(10)の幅とほぼ等しくすることで、つまみにくさと水中での動作の不安定さの両方を軽減しているのである。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のビーズ(10)を限定したものである。
すなわち、前記横糸挿通孔(12)の開口部(12a)を、その横糸挿通孔(12)の他の部位よりも大きくカットされたロート状に形成したことを特徴とする。
横糸挿通孔(12)の開口部(12a)がロート状に形成されていると、横糸挿通孔(12)に横糸(60)を挿通する際に、開口部(12a)が見付けやすくなる。同じ材質でも光の反射が異なるため、ロート状の部位が他と区別しやすいからである。このため、横糸挿通孔(12)に横糸(60)が挿通しやすくなり、ビーズの横糸挿通孔(12)への横糸(60)を通す作業が容易となる。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のビーズ(10)を限定したものである。
すなわち、前記横糸挿通孔(12)の長手方向は、前記幹糸挿通孔(11)の直角方向に対し傾斜するように形成し、横糸当接面(13)を横糸挿通孔(12)に直交するように形成したことを特徴とする。
横糸挿通孔(12)から糸が延びて釣り針や餌などが付けても、ビーズ(10)の周面よりも張り出した突部(15)によって釣り糸が擦れたり、擦れによって糸が磨耗して切れやすくなったりすることを低減させる。
また、横糸挿通孔(12)に角度が付けられていると、横糸当接面(13)に直交するので、横糸(60)を真っ直ぐに挿通することができる。このため、ビーズの横糸挿通孔(12)への横糸(60)を通す作業が容易となる。
以下のような、幹糸(50)に横糸(60)を接続するためのビーズ(10)を提供することもできる。
すなわち、その縦方向に貫通して幹糸(50)が挿通される幹糸挿通孔(11)と、横方向に貫通して横糸(60)が挿通される横糸挿通孔(12)と、ビーズ(10)の周面からそれぞれ張り出した突部(15,25)と、を備え、その両方の突部(15,25)を両側から挟むように指でつまんだ場合に指腹部が食い込む凹部である段部(16)と、を形成し、前記横糸(60)が挿出入される横糸挿通孔(12)の両方の開口部(12a,12d)をそれぞれ突部(15,25)に設ける。
更に、前記横糸挿通孔(12)の両側の周面に平面領域を有する指当て部(14)を備える。
請求項6に係るビーズは、上下の区別をなくした形態のビーズである。ビーズ(10)の周面から突部(15,25)が張り出しており、この突部(15,25)には、横糸(60)が挿出入される開口部(12a,12d)が設けられている。したがって、ビーズ(10)の上下に関係なく横糸(60)を挿通することができる。このため、釣り人はビーズ(10)をどのようにつまんでも、横糸(60)を挿通する向きが限定されないので便利である。
請求項7に係る発明は、縦方向に長く延びた幹糸(50)と、その幹糸(50)の中途部に複数設けられたビーズ(10)と、それら各ビーズ(10)から横方向に延出した横糸(60)とを備えた釣り用仕掛け(100)に係る。
前記各ビーズ(10)は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のビーズを備えた釣り用仕掛けを提供する。
釣り用仕掛け(100)は、幹糸(50)に複数のビーズ(10)が設けられており、このビーズ(10)から横糸(60)が接続されている。ビーズ(10)は、指当て部(14)や突部(15)によってビーズ(10)をつまみやすくなっている。また、横糸当接面(13)やロート状の開口部(12a)によって横糸(60)を挿通しやすくなっている。
更に、請求項7に記載の発明によれば、ビーズに糸を通す作業が容易であるとともに、釣り糸が擦れたり、擦れによって糸が磨耗して切れやすくなったりすることを低減させるビーズを備えた釣り用仕掛けを提供することができた。
図2に示すように、ビーズ10は、概ね俵形をなしており、ビーズ10の上面10aから下面10bに向かって縦方向に貫通した幹糸挿通孔11と、ビーズ10の横方向に貫通したハリス挿通孔12(横糸挿通孔)と、ハリス60が突き当て可能な平面領域を有するハリス当接面13(横糸当接面)と、ビーズ10の側周面をつまんだ際に、ビーズ10を把持可能な平面領域を有する指当て部14とを備えている。
ハリス挿通孔12が概ね20度程度の角度が付けられていると、ハリス当接面13に直交するので、ハリス60を真っ直ぐに挿通することができる。このため、ビーズのハリス挿通孔12へのハリス60を通す作業が容易となる。
なお、ハリス挿通孔12の角度は、5度から45度にすると、ハリス60が仕掛けに絡みにくくなる。
また、ハリス当接面13の下端部は、ビーズ10の周面よりも張り出した凸状の突部15を備えている。この突部15があると、ハリス挿通孔12からハリス60が延びて釣り針70や餌などが付けられていても、その重さに耐えることができ、釣り糸が擦れたり、擦れによって糸が磨耗して切れやすくなったりすることを低減させる。
釣り人は、ビーズ10を幹糸50に接続するために、まず、幹糸50の所定箇所に幹糸挿通孔11の孔の直径よりもやや大きめの幹糸結びこぶ51を作る。
そして、ビーズ10の幹糸挿通孔11を、幹糸50の先端から通過させて幹糸結びこぶ51の直上で止まるようにする。
もう一つの幹糸結びこぶ51をビーズ10の上部で作る。この状態にすると、ビーズ10は遊動自在でありながらも、ビーズ10が幹糸50の垂直方向への移動が抑止されてストッパーとして機能する。
釣り人は、ビーズ10の上側指当て部14aに人差し指を、下側指当て部14bに親指をあてる。そして、人差し指の指腹を上側段部16aに、親指の指腹を下側段部16bにそれぞれ引っ掛けてビーズ全体をつまむ。
なお、突き当てながらハリス挿通孔12を探すのは、ハリス当接面13が平面状に形成されているので、湾曲形状のビーズ面に比べて突き当て作業が行いやすいからである。また、ハリス入口開口部12aは、ロート状に傾斜されているので、ハリス60を突き当てた後にそのハリス60を挿入しやすい。
続けて、ハリス結びこぶ61とは反対側のハリス60の先端に釣り針70を接続する。このように、ハリス60を所望する数量だけ幹糸50上で作る。そして、重り55を幹糸50の先端部分に連結させて釣り用仕掛け100を形成させるのである。
また、ビーズ10をつまむ際にも、上側指当て部14aと下側指当て部14bが平面状に形成されているため、つまみやすくなる。しかも、指腹部を食い込ませるための段部16が設けられているので、指が引っ掛けやすく、ハリス60の挿入作業が行いやすい。また、ハリス挿通孔12の長手方向に対し、ハリス当接面13が直交して形成されている。このため、ハリス挿通孔12へハリス60を真っ直ぐに差し込むことも容易となる。
図4は、本発明に係る他の形態を示したビーズ10Bについて説明したものである。
ビーズ10Bは、前述した第一実施形態のビーズ10と基本的な構成は全く同様である。しかしながら、ハリス挿通孔12におけるハリス入口開口部12cの傾斜角度が前述したハリス入口開口部12aと異なる。
図5は、本発明に係る他の形態を示したビーズ10Cについて説明したものである。
ビーズ10Cは、前述した第一実施形態のビーズ10と基本的な構成は同様であり、ビーズ10Cは概ね俵形をなし、その縦方向に垂直に貫通して幹糸50が挿通される幹糸挿通孔11と、横方向を貫通してハリス60が挿通されるハリス挿通孔12と、側周面に平面領域を有する指当て部14とを備え、この指当て部14は、幹糸挿通孔11の長手方向と平行な周囲面に向かい合う平らな上側指当て部14a及び下側指当て部14bと、その上側指当て部14a及び下側指当て部14bの一部には、つまんだ場合に指腹部が食い込む凹部である段部16と、ビーズ10の下端に向かってビーズ10の周面よりも張り出した突部15を備えている点は第一実施形態と全く同じである。
しかしながら、以下の点で前述した第一実施形態と異なる。
10a;上面 10b;下面
11 ;幹糸挿通孔 11a;幹糸入口開口部
11b;幹糸出口開口部 12 ;ハリス挿通孔
12a,12c;ハリス入口開口部
12b,12d;ハリス出口開口部
13 ;ハリス当接面
13a;上辺 13b;下辺
14 ;指当て部
14a;上側指当て部 14b;下側指当て部
15,25;突部
16;段部
16a;上側段部 16b;下側段部
23 ;第二ハリス当接面
50 ;幹糸 51 ;幹糸結びこぶ
55 ;重り 56 ;撚り戻し
60 ;ハリス 60a;ハリス先端
61 ;ハリス結びこぶ 70 ;釣り針
100;釣り糸用仕掛け
Claims (7)
- 幹糸に横糸を接続するためのビーズにおいて、
その縦方向に貫通して幹糸が挿通される幹糸挿通孔と、横方向に貫通して横糸が挿通される横糸挿通孔と、ビーズの周面から張り出した突部と、を備え、
前記横糸挿通孔の開口部を突部に設け、その突部を両側から挟むように指でつまんだ場合に指腹部が食い込む凹部である段部と、 を形成し、
前記横糸挿通孔の両側の周面に平面領域を有する指当て部を備えたことを特徴とするビーズ。 - 前記横糸を挿入するための横糸挿通孔の開口部周辺の面を、平面状に形成した横糸当接面を設けたことを特徴とする請求項1記載のビーズ。
- 前記横糸当接面の幅を、ビーズの幅とほぼ等しく形成したことを特徴とする請求項2に記載のビーズ。
- 前記横糸挿通孔の開口部を、その横糸挿通孔の他の部位よりも大きくカットされたロート状に形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のビーズ。
- 前記横糸挿通孔の長手方向は、前記幹糸挿通孔の直角方向に対し傾斜するように形成し、横糸当接面を横糸挿通孔に直交するように形成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のビーズ。
- 幹糸に横糸を接続するためのビーズにおいて、
その縦方向に貫通して幹糸が挿通される幹糸挿通孔と、横方向に貫通して横糸が挿通される横糸挿通孔と、ビーズの周面からそれぞれ張り出した突部と、を備え、
その両方の突部を両側から挟むように指でつまんだ場合に指腹部が食い込む凹部である段部と、を形成し、
前記横糸が挿出入される横糸挿通孔の両方の開口部をそれぞれ突部に設け、
前記横糸挿通孔の両側の周面に平面領域を有する指当て部を備えたことを特徴とするビーズ。 - 縦方向に長く延びた幹糸と、その幹糸の中途部に複数設けられたビーズと、それら各ビーズから横方向に延出した横糸とを備えた釣り用仕掛けであって、
前記各ビーズは、その縦方向に貫通して幹糸が挿通される幹糸挿通孔と、横方向に貫通して横糸が挿通される横糸挿通孔と、ビーズの周面から張り出した突部と、を備え、
前記横糸挿通孔の開口部を突部に設け、その突部を両側から挟むように指でつまんだ場合に指腹部が食い込む凹部である段部と、 を形成し、
前記横糸挿通孔の両側の周面に平面領域を有する指当て部を備えた請求項1から請求項6のいずれかに記載のビーズを備えたこと特徴とする釣り用仕掛け。
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