JP4834929B2 - 風力発電装置及び方法 - Google Patents
風力発電装置及び方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4834929B2 JP4834929B2 JP2001208361A JP2001208361A JP4834929B2 JP 4834929 B2 JP4834929 B2 JP 4834929B2 JP 2001208361 A JP2001208361 A JP 2001208361A JP 2001208361 A JP2001208361 A JP 2001208361A JP 4834929 B2 JP4834929 B2 JP 4834929B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power generation
- wind
- generation output
- power
- specific period
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 21
- 238000010248 power generation Methods 0.000 claims description 135
- 230000006641 stabilisation Effects 0.000 claims description 19
- 238000011105 stabilization Methods 0.000 claims description 19
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 claims description 12
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 claims description 9
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 claims description 7
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 15
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 238000007599 discharging Methods 0.000 description 3
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 230000006698 induction Effects 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/70—Wind energy
- Y02E10/72—Wind turbines with rotation axis in wind direction
Landscapes
- Wind Motors (AREA)
- Control Of Eletrric Generators (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電する風力発電装置及び方法に係わり、特に風力発電における発電出力の安定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
風力発電によって得られた電力は、風力を動力源として発電する性格上、火力発電や原子力発電に比較して変動し易い。したがって、適当な電力安定化手段が必要とされるが、現状では実用に耐える電力安定化手段が存在しない。特に、電力系統が弱い離島や山間部において、上記のような電力変動は、風力発電の導入における重要な問題点である。特に従来の風力発電装置では、風車の回転面内における風力偏差が風車の各羽根に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを効果的に低減することができない。
【0003】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、電力変動の抑制、特に風車の回転面内における風力偏差が風車の各羽根に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動を効果的に抑制することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、風力発電装置に係わる第1の手段として、風速計と、風車の回転面内における風力偏差が風車の各羽根に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを抑制するものであって、風車の発電出力aに含まれる変動の周波数成分を分析する周波数分析部を備え、該周波数分析部から出力される特定周期Tの発電出力変動Hと風速計から出力される風速cとを、予め記憶された風力と発電出力aとの関係を示す発電特性C及び発電出力aと特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関関係Sに適用することにより上記振幅Vの推定値iを算出し、この推定値iに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する安定化制御装置とを具備する手段を採用する。
【0005】
また、風力発電装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、安定化制御装置は、発電出力aと風車の回転数bと風速cとに基づいて操作量eを演算する安定化制御装置と、操作量eに基づいて制御されるインバータと、該インバータによって駆動されることにより発電出力aの一部を充放電する電力貯蔵装置とから構成される。
【0006】
風力発電装置に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、風車に対して風の上流に風速計を設置し、この風速計から得られた風速cに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを推定するという手段を採用する。
【0007】
風力発電装置に係わる第4の手段として、上記第1または第2の手段において、風車に対して風の下流に風速計を設置し、この風速計から得られた風速cと発電出力変動Hの周期性とに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを予測推定するという手段を採用する。
【0008】
風力発電装置に係わる第5の手段として、上記第2〜第4いずれかの手段において、電力貯蔵装置は、自らの回転数に応じて電力を充放電するフライホイール装置であり、安定化制御装置は、特定周期Tよりも低い周波数成分より求めた制御目標値kと回転補正値m及び特定周期Tより求めた高周波補正値jより補正目標値nを算出し、この補正目標値n、発電電力a及び電力補正値pより制御誤差量qを算出し、この制御誤差量qによりフライホイール装置の回転を制御するという手段を採用する。
【0009】
風力発電装置に係わる第6の手段として、上記第5の手段において、安定化制御装置は、補正目標値nと発電出力aとの差異に基づいて制御誤差量qを算出し、当該制御誤差量q及びフライホイール装置の回転速度dに基づいて算出されたトルクを操作量eとしてインバータを制御するという手段を採用する。
【0010】
風力発電装置に係わる第7の手段として、上記第5または第6の手段において、安定化制御装置は、フライホイール装置の目標回転数に対する回転速度dの平均値の偏差に基づいてフライホイール装置の回転異常を是正するように補正目標値nを補正するという手段を採用する。
【0011】
風力発電装置に係わる第8の手段として、上記第5〜第7いずれかの手段において、安定化制御装置は、補正後電力fと補正目標値nとの差異に基づいて、補正後電力fの異常を是正するように制御誤差量qを補正するという手段を採用する。
【0012】
一方、本発明では、風力発電方法に係わる第1の手段として、風車の回転面内における風力偏差が風車の各羽根に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する風力発電方法であって、風車の発電出力aに含まれる変動の周波数成分を分析し、この分析の結果得られた前記特定周期Tの発電出力変動Hと実際に計測された風速cとを、予め記憶された風力と発電出力aとの関係を示す発電特性C及び発電出力aと特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関関係Sに適用することにより上記振幅Vの推定値iを算出し、この推定値iに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hを抑制するという手段を採用する。
【0013】
また、風力発電方法に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、発電出力aと風車の回転数bと風速cとに基づいて操作量eを演算し、操作量eに基づいてインバータを制御することにより発電出力aの一部を電力貯蔵装置に充放電して特定周期Tの発電出力変動Hを抑制するという手段を採用する。
【0014】
風力発電方法に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、風車に対して風の上流に風速計を設置し、この風速計から得られた風速cに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを推定するという手段を採用する。
【0015】
風力発電方法に係わる第4の手段として、上記第1または第2の手段において、風車に対して風の下流に風速計を設置し、この風速計から得られた風速cと発電出力変動Hの周期性とに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを予測推定するという手段を採用する。
【0016】
風力発電方法に係わる第5の手段として、補正目標値nと発電出力aとの差異に基づいて制御誤差量qを算出し、当該制御誤差量q及びフライホイール装置の回転速度dに基づいて算出されたトルクを操作量eとしてインバータを制御するという手段を採用する。
【0017】
風力発電方法に係わる第6の手段として、上記第5の手段において、フライホイール装置の目標回転数に対するフライホイール装置の回転速度dの平均値の偏差に基づいてフライホイール装置の回転異常を是正するように制御目標値kを補正するという手段を採用する。
【0018】
風力発電方法に係わる第7の手段として、上記第5または第6の手段において、フライホイール装置による補正後電力fと補正目標値nとの差異に基づいて、補正後電力fの異常を是正するように電力補正値pを算出して制御誤差量qを補正するという手段を採用する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる風力発電装置及び方法の一実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係わる風力発電装置の概要構成を示すシステム系統図である。この図において、符号1は風車(発電設備を含む)、2は安定化制御装置、3はフライホイール装置(電力貯蔵装置)、4はインバータ、5は安定制御用コンピュータである。風車1は、風を動力源として回転することにより発電するものであり、発電出力aを電力系統に出力する。
【0021】
ここで、風車1は、複数の羽根1aと風速計1bとを備えており、このうち風速計1bは、例えば風車1の固定軸に風車1から前方に突出する状態で設けられている。すなわち、本実施形態の風速計1bは、風車1に対して風の上流に設けられており、風車1に到達する直前の風の風速cを検出して安定制御用コンピュータ5に出力する。また、風車1は、自らの回転数bを安定制御用コンピュータ5に出力するように構成されている。
【0022】
安定化制御装置2は、図示するように、フライホイール装置3とインバータ装置4と安定制御用コンピュータ5とから構成されている。フライホイール装置3は、例えば誘導機の軸に所定質量のイナーシャを装着したものであり、自らの回転に応じて発電出力aの一部を充放電する。このフライホイール装置3は、回転速度dを安定制御用コンピュータ5に出力する。
【0023】
インバータ4は、上記電力系統とフライホイール装置3との間に設けられ、安定制御用コンピュータ5から供給される操作量eに基づいてフライホイール装置3を回転駆動するものである。すなわち、上記操作量eに応じてフライホイール装置3の回転速度dが制御されて、発電出力aのフライホイール装置3への充放電状態が調節される。
【0024】
安定制御用コンピュータ5は、上記発電出力a、風車1の回転数b、風速c、回転速度d、フライホイール装置3の回転速度d、及び上記フライホイール装置3の作用による発電出力aの補正後電力f(最終的に電力系統に送出される電力)に基づいて、フライホイール装置3を駆動するために必要な駆動トルクを上記操作量eとして算出し、インバータ4に出力する。
【0025】
図2は、このような安定制御用コンピュータ5のブロック図である。この図に示すように、当該安定制御用コンピュータ5は、周波数分析部5a、高周波変動推定部5b、高周波補償出力演算部5c、目標値演算部5d、減算器5e,5f、補償出力演算部5g、回転数補正部5h、制御演算部5i、減算器5j及び補正値演算部5kから構成されている。
【0026】
ここで、発電出力aの変動には、風の強弱に起因して生じる低周波成分hと、高周波成分gとからなる。この高周波成分gの主成分は、上述したように風車1の回転面内における風力偏差が風車1の各羽根1aに作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hである。特定周期T(周波数)は、例えば風車1の回転数を27(回/分)、羽根1aの枚数を3、これにより羽根1枚が1点を通過する周期は、1.35Hz(=27×3/60(sec))となる。まお、この場合における低周波成分hは、1Hz以下の周波数帯となる。
【0027】
周波数分析部5aは、発電出力aに含まれる変動の周波数成分を分析するFFT(fast fourier transform)であり、上記特定周期Tの高周波成分gを高周波変動推定部5bに出力すると共に、この高周波成分gよりも低い低周波成分hを目標値演算部5dに出力する。高周波変動推定部5bは、風車1の回転数b、風速c及び高周波成分gに基づいて高周波成分gによって生じる特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを推定し、その推定値iを高周波補償出力演算部5cに出力する。
【0028】
高周波変動推定部5bは、安定制御用コンピュータ5内に予め記憶された発電特性Cと相関関係Sとに、風車1の回転数b、風速c及び高周波成分gを適用することにより発電出力変動Hの振幅Vを推定する。発電特性Cは、風力fと発電出力aとの関係を示すものであり、風車1固有の特性である。また、上記相関関係Sは、発電出力aと上記特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関を示すものであり、実験的に予め求めたものである。高周波補償出力演算部5cは、このようにして得られた推定値iに所定係数を乗算することにより高周波補正値jを算出して減算器5fに出力する。
【0029】
目標値演算部5dは、上記低周波成分hの重み付平均値AJnを算出し、制御目標値kとして減算器5eに出力する。減算器5eは、上記制御目標値kから回転補正値mを減算すると共に高周波補正値jを減算し、補正目標値nとして減算器5f及び減算器5jに出力する。減算器5fは、発電出力aから補正目標値n及び電力補正値pを減算し、制御誤差量qとして補償出力演算部5gに出力する。補償出力演算部5gは、制御誤差量qとフライホイール装置3の回転速度dとを用いてトルク量に該当する操作量eを算出してインバータ4に出力する。
【0030】
回転数補正部5hは、回転速度dに基づいてフライホイール装置3の平均回転数を算出すると共に、この平均回転数と予め記憶された目標回転数との回転偏差をフライホイール装置3の充放電電力に換算し、該充放電電力をフライホイール装置3の回転電力偏差rとして制御演算部5iに出力する。制御演算部5iは、所定比例係数及び積分係数を備えた比例積分制御器であり、上記回転電力偏差rに比例係数及び積分係数に基づく比例積分処理を施した後、フライホイール装置3の回転異常を是正する回転補正値mとして減算器5eに出力する。
【0031】
減算器5jは、減算器5eから出力される補正目標値nから発電出力aの補正後電力fを減算し、電力偏差sとして補正値演算部5kに出力する。この補正値演算部5kは、上記電力偏差sに所定係数を乗算することにより補正後電力fの異常を是正する電力補正値pを算出して減算器5fに出力する。
【0032】
次に、このように構成された風力発電装置の動作について、図3及び図4をも参照して補足説明する。
【0033】
上記構成から容易に解るように、安定制御用コンピュータ5では、減算器5fによって発電出力aから高周波補正値j、補正目標値n及び電力補正値pを減算することにより制御誤差量qを生成し、この制御誤差量qとフライホイール装置3の回転速度dとを用いて補償出力演算部5gで操作量eを算出し、この操作量eをインバータ4に供給することによりフライホイール装置3の回転つまり発電出力aの充放電量を制御している。
【0034】
本実施形態の主な特徴は、このようなフライホイール装置3の回転制御(発電出力aの充放電制御)における上記制御誤差量qの生成にある。すなわち、周波数分析部5aを介挿することにより発電出力aの周波数成分を特定周期Tの高周波成分gと当該高周波成分gよりも低い低周波成分hとに分離し、高周波成分gと低周波成分hとを各々個別に処理することにより、上記高周波補正値j、制御目標値k及び電力補正値pを生成する。
【0035】
まず、高周波補正値jの生成において、高周波変動推定部5bは、発電特性Cと相関関係Sとに外部から入力された風車1の回転数b、風速c及び高周波成分gを適用することにより、発電出力変動Hの振幅Vを推定する。
【0036】
発電特性Cは、例えば図3に示すように、風速cの上昇に従って発電出力aが徐々に増加し、ある風速cを超えると逆に発電出力aが徐々に低下するものであり、風車1固有の特性である。一方、相関関係Sは、発電出力aと特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関を示すものであり、図示しないが実験的に求め得るものである。これら発電特性Cと相関関係Sを用いることにより、高周波変動推定部5bは、現在時刻の風速cに対する発電出力変動Hの振幅Vを特定する。
【0037】
本実施形態では、風速計1bは風の方向に対して風車1の上流に位置するように設けられているので、現在時刻の風速cは、風が実際に風車1の各羽根1aに作用する前の時刻である。したがって、上述したように特定された発電出力変動Hの振幅Vに基づいて算出された高周波補正値jは、フライホイール装置3の回転制御系が固有に有する「制御遅れ」に抗して、特定周期Tの発電出力変動Hを効果的に抑制するように作用する。
【0038】
ここで、風速計1bと風車1との距離は、上記「制御遅れ」との兼ね合いで最適な位置に設定しても良いが、ある程度適当な位置に設定して置き、かつ、現在時刻から過去一定期間の風速cを順次記憶しておくことにより特定周期Tの発電出力変動Hを最も効果的に抑制する過去時刻を特定して、当該過去時刻の風速cに対応する発電出力変動Hの振幅Vに基づいて高周波補正値jを算出するようにしても良い。
【0039】
また、風速計1bは風の方向に対して風車1の上流に配置することは必須条件ではなく、下流に配置しても良い。この場合、高周波変動推定部5bは、現在時刻の風速cに対応する発電出力変動Hの振幅Vと過去一定期間の発電出力変動Hの振幅変化及び当該発電出力変動Hが特定周期Tの周期性を有することに基づいて、現在時刻の風速cとして風速計1bによって計測された風が風車1に作用する前の未来時刻における風速cに対応する発電出力変動Hの振幅Vを予測推定する。
【0040】
この予測推定の方法としては、例えば図4に示す方法が考えられる。すなわち、現在時刻tnの風速cに対応する発電出力変動Hの振幅Vnと過去一定期間の発電出力変動Hの振幅変化R(太い曲線)とに基づいて現在時刻tnにおける当該振幅Vnの変化率(微分係数)を算出する。そして、この微分係数を傾きとすると共に現在時刻tnの風速cに対応する発電出力変動Hの振幅Vnを通過する直線Lを設定し、この直線Lから上記未来時刻teの風速cに対応する発電出力変動Hの振幅Veを特定(予測)する。
【0041】
一方、このような高周波補正値j以外の補正目標値n及び電力補正値pは以下のように生成される。
【0042】
まず、補正目標値nは、制御目標値kから回転補正値mを減算することにより生成される。一方の制御目標値kは、下式(1)に基づいて低周波成分hの重み付平均値AJnとして算出される。
AJn=Sn/Bn (1)
ただし、Sn=Sn-1・J+Pn、Bn=Bn-1・J+1であり、Jは0〜1の範囲の任意の値を取る重付係数、nは発電出力aのサンプリング順序を示す整数である。なお、初期条件として、S1=P1、かつ、B1=1とする。
【0043】
なお、制御目標値kの算出方法として、下式(2)に示す移動平均AMnを用いても良い。このような移動平均AMnも比較的簡単な演算によって算出することができる。ただし、以下のMはnより小さな任意の整数である。
AMn=(Pn-M+Pn+1-M+……+Pn)/M (2)
【0044】
このように低周波成分hの重み付平均値AJnあるいは移動平均AMnを制御目標値kとすることによって、低周波成分hに起因する電力変動に対して追従性良くフライホイール装置3の回転を制御することができる。
【0045】
また、もう一方の回転補正値mは、フライホイール装置3の平均回転数と目標回転数との回転偏差に基づいて算出されるので、フライホイール装置3の回転は目標回転数を維持するように制御される。
【0046】
このように、本実施形態によれば、高周波補正値jによって、発電出力aに含まれる電力変動のうち、風車1の回転面内における風力偏差が風車1の各羽根1aに作用して生じる特定周期T(=1.35Hz)の発電出力変動Hを効果的に抑制することができる。また、回転補正値mによって、フライホイール装置3の回転を正常回転に維持すると共に、電力補正値p によって、補正後電力fの電力異常が異常電力となることを防止することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる風力発電装置及び方法によれば、風速計と、風車の回転面内における風力偏差が風車の各羽根に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを抑制するものであって、風車の発電出力aに含まれる出力変動の周波数成分を分析する周波数分析部を備え、該周波数分析部から出力される特定周期Tの発電出力変動Hと風速計から出力される風速cとを、予め記憶された風力fと発電出力aとの関係を示す発電特性C及び発電出力aと特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関関係Sに適用することにより上記振幅Vの推定値iを算出し、この推定値iに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する安定化制御装置とを具備するので、発電出力aの変動のうち、特に風車の回転面内における風力偏差が風車の各羽根に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の概要構成を示すシステム系統図である。
【図2】 本発明の一実施形態における安定制御用コンピュータ5の機能構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の一実施形態における発電特性Cを示す特性図である。
【図4】 本発明の一実施形態において、特定周期Tの発電出力変動Hの予測推定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1……風車
2……安定化制御装置
3……フライホイール装置(電力貯蔵装置)
4……インバータ
5……安定制御コンピュータ
5a……周波数分析部
5b……高周波変動推定部
5c……高周波補償出力演算部
5d……目標値演算部
5e,5f……減算器
5g……補償出力演算部
5h……回転数補正部
5i……制御演算部
5j……減算器
5k……補正値演算部
a……発電出力
b……回転数(風車)
c……風速
d……回転速度(フライホイール装置)
e……操作量
f……補正後電力
g……高周波成分
h……低周波成分
i……推定値
j……高周波補正値
k……制御目標値
m……回転補正値
n……補正目標値
p……電力補正値
q……制御誤差量
s……電力偏差
Claims (12)
- 風速計(1b)と、
風車(1)の回転面内における風力偏差が風車(1)の各羽根(1a)に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを抑制するものであって、風車(1)の発電出力aに含まれる変動の周波数成分を分析する周波数分析部(5a)を備え、該周波数分析部(5a)から出力される前記特定周期Tの発電出力変動Hと前記風速計(1b)から出力される風速cとを、予め記憶された風力と発電出力aとの関係を示す発電特性C及び前記発電出力aと前記特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関関係Sに適用することにより前記振幅Vの推定値iを算出し、この推定値iに基づいて前記特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する安定化制御装置(2)と、を具備することを特徴とする風力発電装置。 - 安定化制御装置(2)は、発電出力aと風車(1)の回転数bと風速cとに基づいて操作量eを演算する安定化制御装置(5)と、
前記操作量eに基づいて制御されるインバータ(4)と、
該インバータ(4)によって駆動されることにより発電出力aの一部を充放電する電力貯蔵装置(3)と、
からなることを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。 - 風車(1)に対して風の上流に風速計(1b)を設置し、この風速計(1b)から得られた風速cに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを推定する、ことを特徴とする請求項1または2記載の風力発電装置。
- 風車(1)に対して風の下流に風速計(1b)を設置し、この風速計(1b)から得られた風速cと発電出力変動Hの周期性とに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを予測推定する、ことを特徴とする請求項1または2記載の風力発電装置。
- 電力貯蔵装置(3)は、自らの回転数に応じて電力を充放電するフライホイール装置(3)であり、安定化制御装置(2)は、特定周期Tよりも低い周波数成分より求めた制御目標値kと回転補正値m及び特定周期Tより求めた高周波補正値jより補正目標値nを算出し、この補正目標値n、発電電力a及び電力補正値pより制御誤差量qを算出し、この制御誤差量qによりフライホイール装置(3)の回転を制御することで発電出力変動を抑制する、ことを特徴とする請求項2〜4いずれかに記載の風力発電装置。
- 安定化制御装置(2)は、補正目標値nと発電出力aとの差異に基づいて制御誤差量qを算出し、当該制御誤差量q及びフライホイール装置(3)の回転速度dに基づいて算出されたトルクを操作量eとしてインバータ(4)を制御する、ことを特徴とする請求項5記載の風力発電装置。
- 安定化制御装置(2)は、フライホイール装置(3)の目標回転数に対する回転速度dの平均値の偏差に基づいてフライホイール装置(3)の回転異常を是正するように補正目標値nを補正する、ことを特徴とする請求項5または6記載の風力発電装置。
- 安定化制御装置(2)は、補正後電力fと補正目標値nとの差異に基づいて、補正後電力fの異常を是正するように制御誤差量qを補正する、ことを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載の風力発電装置。
- 風車(1)の回転面内における風力偏差が風車(1)の各羽根(1a)に作用して生じる特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する風力発電方法であって、風車(1)の発電出力aに含まれる変動の周波数成分を分析し、この分析の結果得られた前記特定周期Tの発電出力変動Hと実際に計測された風速cとを、予め記憶された風力と発電出力aとの関係を示す発電特性C及び前記発電出力aと前記特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vとの相関関係Sに適用することにより前記振幅Vの推定値iを算出し、この推定値iに基づいて前記特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する、ことを特徴とする風力発電方法。
- 発電出力aと風車(1)の回転数bと風速cとに基づいて操作量eを演算し、前記操作量eに基づいてインバータ(4)を制御することにより発電出力aの一部を電力貯蔵装置(3)に充放電して前記特定周期Tの発電出力変動Hを抑制する、ことを特徴とする請求項9記載の風力発電方法。
- 風車(1)に対して風の上流に風速計(1b)を設置し、この風速計(1b)から得られた風速cに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを推定する、ことを特徴とする請求項9または10記載の風力発電方法。
- 風車(1)に対して風の下流に風速計(1b)を設置し、この風速計(1b)から得られた風速cと発電出力変動Hの周期性とに基づいて特定周期Tの発電出力変動Hの振幅Vを予測推定する、ことを特徴とする請求項9または10記載の風力発電方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001208361A JP4834929B2 (ja) | 2001-07-09 | 2001-07-09 | 風力発電装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001208361A JP4834929B2 (ja) | 2001-07-09 | 2001-07-09 | 風力発電装置及び方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003021047A JP2003021047A (ja) | 2003-01-24 |
JP4834929B2 true JP4834929B2 (ja) | 2011-12-14 |
Family
ID=19044199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001208361A Expired - Fee Related JP4834929B2 (ja) | 2001-07-09 | 2001-07-09 | 風力発電装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4834929B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2010281738B2 (en) * | 2010-06-16 | 2012-11-15 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Control device of wind turbine generator and control method thereof |
JP2012089749A (ja) * | 2010-10-21 | 2012-05-10 | Toshiba Corp | 自然エネルギー発電設備の発電量予測方法 |
KR101358397B1 (ko) | 2012-09-27 | 2014-02-05 | 주식회사 가온솔루션 | 가속도 센서 및 출력 전력에 기반하는 풍력 발전기의 고장진단장치 및 고장 진단 방법 |
JP6220241B2 (ja) * | 2013-01-11 | 2017-10-25 | 株式会社東芝 | 可変速揚水発電システムの制御装置および制御方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63289270A (ja) * | 1987-05-22 | 1988-11-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 風力発電装置の回転制御方法 |
JP3912911B2 (ja) * | 1998-08-21 | 2007-05-09 | 三菱重工業株式会社 | 風力発電装置 |
-
2001
- 2001-07-09 JP JP2001208361A patent/JP4834929B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003021047A (ja) | 2003-01-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8332077B2 (en) | Controller and control method for a wind farm including a plurality of wind turbine generators | |
KR101024791B1 (ko) | 풍력 발전 장치, 풍력 발전 시스템 및 풍력 발전 장치의 발전 제어 방법 | |
US11105315B2 (en) | Method and device for controlling output power of a wind turbine | |
US9835136B2 (en) | System and method for extending the operating life of a wind turbine gear train based on energy storage | |
JP4879319B2 (ja) | 周波数測定装置 | |
CN110318947B (zh) | 风力发电机组的偏航控制方法、设备及系统 | |
US5289041A (en) | Speed control system for a variable speed wind turbine | |
KR102128848B1 (ko) | 등가 풍속을 결정하는 방법 | |
CN106481507A (zh) | 考虑风湍流的风电机组模型预测控制器与控制方法 | |
US20140139169A1 (en) | Reduction Of Periodic Disturbances | |
EP2420806A1 (en) | Method and device for determining a phase value of a phase associated with an oscillatory tower movement of a tower of a wind turbine and method of operating a wind turbine | |
US9825562B2 (en) | Drive control device using PWM control of synchronous rectification type | |
JP4834929B2 (ja) | 風力発電装置及び方法 | |
JP2005155509A (ja) | 風力発電制御方法及び装置、風力発電装置並びに風力発電制御方法のプログラム | |
EP2541052B1 (en) | Controlling a wind turbine using a neural network function | |
KR20170052339A (ko) | 고풍속 고난류에서의 풍력발전기 피치제어 방법 | |
EP2923078B1 (en) | System and method for extending the operating life of a wind turbine gear train based on energy storage | |
JP5439039B2 (ja) | 電力変換装置 | |
US20110006528A1 (en) | Method for operating a wind turbine | |
JP2001339995A (ja) | 風力発電出力安定化装置及び方法 | |
KR101375768B1 (ko) | 풍력발전기의 개별 블레이드 피치 제어 방법 및 제어 시스템 | |
JP3228168B2 (ja) | 回転速度検出装置及びタイヤ発生力検出装置 | |
JP2010283904A (ja) | 電力変換装置,電力変換システム及び電力変換装置の制御方法 | |
JP4790072B1 (ja) | 舶用エンジンの制御装置および方法 | |
Hackl et al. | Non-ideal feedforward torque control of wind turbines: Impacts on annual energy production & gross earnings |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080528 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101109 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110830 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110912 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |