JP4831467B2 - ヨーネ病診断用プライマーおよびウロコルチン遺伝子の発現量測定によるヨーネ病の診断法 - Google Patents
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ELISA法による抗体検出法(免疫学的診断):家畜法定伝染病に定められている公式の診断法にはまず、特異抗体の検出をELISA法により行う技術がある。この方法は、被検動物から血清を得て、血清中のヨーネ菌に対する特異抗体を高感度化した抗原抗体反応により検出する技術である。現在、伝染病予防法に沿って、キットが市販されて使用されている。
しかし、この方法で診断可能な感染動物は、感染後期のステージに至り、特異抗体の上昇しているものに限定される。よって、抗体の上昇していない不顕性感染時期の感染動物には無効である。また、抗体のレベルは感染の経過により増減があり、検出時期とタイミングが適切でないと的確な診断が行われない。特に、感染前期〜中期には、ELISA法による診断は困難である点が問題である。
この方法は、抗体の検出される時期や、それ以前の感染ステージの不顕性感染動物の診断に有効であるが、不顕性感染後期以前には糞便中への排菌数も少なく、不定期であるため、頻回の検査でも検出されないことが多い。また、ヨーネ菌の菌分離には最低2〜3カ月要し、時には培養をより長く行わなければ最小の菌塊(コロニー)を見つけることができないほど超遅発育性の抗酸菌であるため、培養で確認する期間にも感染動物が排菌を続けて農場の汚染が進んでしまう可能性があるという大きな問題がある。
しかし、この方法も、感染動物が一定程度の菌を糞便に排菌するステージでないと診断ができず、感染初期〜前期の感染動物の診断は困難である。また、排菌は持続的に起こらないことや、感染前期以前には感染動物体内での菌増殖が著しくはなく、そのため排菌自体が激しく起こらないため、PCR法によっても診断できない個体はかなり多いと推定される。
しかし、抗原の接種と測定の2度にわたって技術者が農場に出向く必要があるため、手間がかかるという問題がある。また、細胞性免疫反応は感染の進行とともに低下するため、感染初期以外のステージでは有効でない。本方法は、同じく細胞性免疫診断技術である次項のIFNγ/ELISA法に比べて、感度が低いことが知られている。
しかし、ヨーニン反応と同様、細胞性免疫反応の比較的低い時期の感染動物では判定が困難である。
さらに、このプライマーをもって、リアルタイムRT-PCR法を正常ウシおよびヨーネ病感染ウシの細胞において実施したところ、ウシUcnがヨーネ病感染ウシに特徴的な発現動態を示すことが明らかとなった。そこで本発明者らは、これらの知見をもとに、Ucnの発現変動をヨーネ病の診断指標として利用可能であることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
(A):ヨーネ菌感染動物の血液細胞をヨーネ菌抗原非存在下で培養すると、ウロコルチン遺伝子発現量が増加する。
(B):ヨーネ菌感染動物の血液細胞をヨーネ菌抗原存在下で培養すると、ウロコルチン遺伝子発現量が減少する。
〔請求項2〕記載の本発明は、前記被検動物がウシである、請求項1に記載の診断方法である。
〔請求項3〕記載の本発明は、前記ウロコルチン遺伝子の発現量の測定が、配列番号2に記載の塩基配列のプライマー, および, 配列番号3に記載の塩基配列のプライマー、からなる1対のプライマーを用いて、定量性のあるRNA検出法により行うものである、請求項1又は2に記載の診断方法である。
〔請求項4〕記載の本発明は、前記ヨーネ菌感染の有無の判定が、以下の式(1)によって求めたC値が0.3以上の場合はヨーネ菌に感染していると判定するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の診断方法である。
〔請求項5〕記載の本発明は、前記定量性のあるRNA検出法が、リアルタイムRT-PCR法である請求項3又は4に記載の診断方法である。
公開されたヒトゲノム・データベースの検索によって、ヒト、ラット、マウスのUcnとかなりの配列相同性を有するウシUcn遺伝子が同定された。ウシのマクロファージをリポ多糖(LPS)により刺激して得たmRNAをもとに、cDNAの全長配列が増幅され、上記により同定されたウシUcnの配列情報をもとに、当該遺伝子のcDNA配列(配列表の配列番号1参照)が決定された。このcDNA配列は遺伝子バンクに登録された(DDBJ Accession No. AB201710)。既知のヒト・マウス・ラットのUcnとの配列相同性比較を行ったところ、この新しい配列がウシに特異的な配列を含むことが分かり、ウシウロコルチンと命名された新しいウシの神経ペプチドをコードする遺伝子であることが明らかになった。
なお、上述のmRNAの取得、cDNAの増幅、塩基配列の決定などは、常法により行うことができる。
このプライマーは、以下に説明するヨーネ病の診断法において、定量性のあるRNA検出法によりUcnのmRNAの発現量を測定するために用いられる。したがって、このプライマーは、定量性のあるRNA検出法により配列表の配列番号1記載の塩基配列またはその相補鎖から選択された領域を増幅できるものであれば特に限定されない。
なお、これらのプライマーを遺伝子の増幅に用いる場合は、配列番号2、4〜8から選ばれた1のプライマーと、配列番号3、9〜12から選ばれた1のプライマーとを組み合わせて用いる。特に、配列番号2および3の組み合わせが好ましい。
被検動物とは、ヨーネ菌に感染する可能性があり、本発明の診断法の対象となる動物を意味する。動物としては、我が国におけるヨーネ病汚染が拡大傾向にある牛の他、めん羊、山羊、水牛等の反芻動物が挙げられる。また、ヨーネ菌感染が報告されている野生の鹿や牛の仲間(偶蹄類)等の反芻動物以外の動物が挙げられる。更に、被検動物としてヒトを対象とすることにより、ヒトのクローン病(厚生労働省指定難病)におけるヨーネ菌抗原の関与をも明らかにすることができる。
ヨーネ菌PPDは、例えば、Manual of Standards for Diagnostic Protocols(Office International des Epizooties(OIE).2000.Manual of standards for diagnostic tests and vaccines.Paratuberculosis (Johne's disease).http://www.oie.int/eng/normes/mmanual/A 00043.htm.)に記載の方法に従って調製することができる。
即ち、ヨーネ菌(例えば、KAG-1)を、Middlebrook 7H9液体培地等で培養後、得られる菌液から菌体を除去して得られる培養液を、限外濾過により濃縮する。濃縮された液に対し、40w/v%トリクロール酢酸水溶液を加えて、十分混和した後、生じた沈殿を遠心により集め、洗浄する。洗浄後の沈殿をリン酸緩衝液に溶解して、透析によりトリクロール酢酸を除去後、濾過滅菌したものを、ヨーネ菌PPDとして用いる。
尚、すぐに使用しない場合は、-10〜-30℃にて冷凍保存する。
即ち、ヨーネ菌生菌は、ヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis、ATCC 10698株)をMiddlebrook OACD Enrichmentとマイコバクチンを添加したMiddlebrook 7H9 broth(Difco Laboratories,USA)で37℃、15 日間培養した後、遠心により菌を集め、リン酸緩衝液にて洗浄後,0.01% Tween 80を添加したリン酸緩衝液に浮遊し、適当な濃度に調整して用いることができる。
一方、ヨーネ菌加熱死菌可溶化抗原は、上記ヨーネ菌生菌と同様にして調製した菌体を65℃、30分間加熱殺菌し、微細なビーズ(直径0.5mmのジルコニウムとシリカの混合物)とともに密閉チューブに入れ、Mini-Bead beater (Biospec社)を用い、高速振動(毎分5000回)することにより破砕(ビーズビーダー法)し、これを4℃、14,000(×g)にて遠心して、上清を採取し、0.45μmのフィルターを通して滅菌したものを用いることができる。
尚、すぐに使用しない場合は、-20℃以下で保存する。
なお、対照として上記血液細胞をヨーネ菌抗原を添加せずに同様に培養を行う。
培養は培地を使用せずに行うことができるが、培地を使用する場合は、ペニシリン、ストレプトマイシンおよび10%FCSを添加したRPMI1640培地、ダルベッコMEM培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)、ハムF12培地(Ham's Nutrient Mixture F12)、イーグルMEM培地Minimum Essential Medium(EMEM)等の動物細胞用基本培地の中から適宜選択して使用することができるが、中でも、ペニシリン、ストレプトマイシンおよび10%FCSを添加したRPMI1640培地が好ましい。
尚、培養後は、必要に応じて細胞を遠心分離して、得られる上清(タンパク質)を、Ucnのタンパク質発現量の定量に供することもできる。
Ucn遺伝子の発現量の測定は、mRNA量や蛋白質量を常法で測定することにより行うことができ、具体的には、リアルタイムRT-PCR法、RT-PCR法といった定量RT-PCR法や、RT-LAMP法、DNAマイクロアレイ法、ELISA法等を用いることができる。中でも、細胞からのmRNA抽出やリアルタイムRT-PCR法は、上記プライマー以外は市販のキットを用いて行うことが可能であるため、再現性の高い検査が実施できるという点で、リアルタイムRT-PCR法が好ましい。
得られた測定値を、正常牛から採取した血液細胞について上記と同様に処理して測定して得た発現量の標準線と対比して判定することができる。
まず、ウシの末梢血液を頚静脈から採取し、48wellの組織培養プレートに1mlずつ分注する。次に、血液をヨーネ菌ライセート(10μl)の存在下ないし非存在下で、37℃、5%CO2下で24時間培養する。培養後、血液細胞からトリゾール法(Gibco, BRL, Life Technologies)などの方法によりtotal RNAを分離する。
続いて、得られたTotal RNA、配列表の配列番号2および3記載のプライマー対、および、サイバーグリーンリアルタイムRT-PCRキットにより、UcnのmRNAの発現量を定量する。内部標準にはGAPDHのプライマーを用いてmRNAの測定を行う。標準線作成のための対照には、ウシ末梢血単球を6時間LPS刺激して得たtotal RNAを用いた。
たとえば、UcnのmRNA発現量の測定結果を用いたヨーネ病感染の有無の判定は、下記の数1により行うことができる。
(A−B)/A=C
式中、Aはヨーネ菌抗原無添加培養した場合の測定値(Control)、Bはヨーネ菌抗原添加培養した場合の測定値を示す。
(1)ウシ抹消血球単核細胞(PBMC)の単離と培養
頸部血液サンプルからのウシ抹消血球単核細胞の単離は、Ficoll-Paque PLUS(スウェーデン、ウプサラのアマーシャムバイオサイエンス社製)を用いた密度勾配遠心分離により、該キット添付の指示に従って行った。得られた細胞は10%ウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地(米国、ミズーリ州セントルイス、シグマ社製)に再懸濁し、3×106cell/100mm直径組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジ、コスター社製)となるようにして1時間培養した。次いで、該細胞を10μg/mlの大腸菌由来リポポリサッカライド(LPS、シグマ製)で刺激し、6時間培養した。
上記によりLPS刺激を行ったPBMCから、トリゾール試薬(メリーランド州ロックヴィル、ライフテクノロジーズ社製)を添付のプロトコルに従って用いて、Total RNAを単離した。
ウシウロコルチン(Ucn)mRNAの塩基配列を決定するため、cDNAのクローニングを、5’-及び3’-rabid amplification of cDNA ends (RACE)と関連した逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法により、SMART(登録商標)RACE cDNA増幅キット(米国、BDバイオサイエンシスクローンテック社製)を用いて、添付のプロトコルに従って行った。次いで、上記のtotal RNAにPowerScript(登録商標)逆転写酵素を用いてfirst-strand cDNAを合成した。
2本鎖DNA配列の決定は、DNAシークエンスアナライザー(ABI PRISM-3100、米国、アプライドバイオシステムズ社製)に関連してABI PRISM BigDye(登録商標)ターミネーターサイクルシークエンシングキット(米国、アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、北海道システムサイエンス株式会社により行われた。RACEによって起こり得る配列決定の間違いを避けるため、DNA配列の決定は5’-、3’-RACEそれぞれの4つのPCR反応による8つの独立したクローンについて行った。これらの配列の重複領域を結合することによりcDNA配列を得た(配列表の配列番号1)。DNA及び推定タンパク配列の分析と比較は、GENETYX-WINソフトウェアVer.7(日本国、ソフトウェアデベロップメント株式会社製)を用いて行った。
ウシウロコルチン(bUcn)およびヒト(hUcn)、マウス(mUcn)、ラット(rUcn)のアミノ酸配列の比較結果を図1に示す。図中の枠内は、Ucnとしての活性を示す成熟ペプチド(Mature peptide)を示す。この部分の相同性は特に高くなっている。
後述のリアルタイムRT-PCRで用いるプライマーは、ウシゲノム情報に基づいてPrimer Express version1.5ソフトウェア(カリフォルニア州フォスターシティ、アプライドバイオシステムズ社製)を用いて設計された(配列表の配列番号2〜12)。なお、これらのプライマーを用いてリアルタイムRT-PCR法をウシ末梢血細胞に対して実施したところ、ウシUcnのmRNAが特異的に増幅されることが確認できた。
(1)ヨーネ病感染ウシと非感染健康対照ウシについて
被検動物のヨーネ病感染ウシとしては、生後1週目に20.7×108CFUのヨーネ菌(M.avium subsp. paratuberculosis)を経口投与され、その後去勢された雄のホルスタイン(採血時には25ヶ月齢)を5頭用いた。この被検動物は、前述のIFN-γ/ELISA法による診断ではヨーネ菌感染に陽性であったが、現在の公定法である前述の抗体検出法や、PCR法及び細菌分離法による排泄物中への排菌の検出結果では陰性であった。
一方、非感染健康対照ウシとしては、ヨーネ病感染ウシと年齢の一致する去勢された雄のホルスタイン5頭を用いた。
ヨーネ菌ライセートを以下のようにして調製した。
すなわち、ヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis、ATCC 10698株)をMiddlebrook OACD Enrichmentとマイコバクチンを添加したMiddlebrook 7H9 broth(Difco Laboratories,USA)で37℃、15 日間培養した後、遠心により菌を集め、リン酸緩衝液にて洗浄後、0.01% Tween 80を添加したリン酸緩衝液に浮遊し、適当な濃度に調整した。このようにして調製した菌体を65℃、30分間加熱殺菌し、微細なビーズ(直径0.5mmのジルコニウムとシリカの混合物)とともに密閉チューブに入れ、Mini-Bead beater (Biospec社)を用い、高速振動(毎分5000回)することにより破砕(ビーズビーダー法)し、これを4℃、14,000(×g)にて遠心して、上清を採取し、0.45μmのフィルターを通して滅菌してヨーネ菌ライセートを得た。
次に、ヨーネ病感染ウシおよび非感染健康対照ウシの末梢血液を頚静脈から、ヘパリン加真空採血管(Venoject II、テルモ製)により採取した。この末梢血液を24-well組織培養プレート(スミロン社製)に1mlずつ分注し、以下の異なる刺激剤を添加して刺激した。
すなわち、非特異的な刺激物であるCon-A(Nacarai tesque, Kyoto, Japan)、大腸菌由来LPS(シグマ社製)、又は(2)で調製したヨーネ菌ライセートをそれぞれ10μg/mlとなるように各wellに添加して、湿潤条件下、37℃、5%CO2で24時間培養した。
なお、対照として、上記刺激剤の代わりに等量のPRMI1640培地を添加して同様に培養した。
0,1,3,6,12及び24時間の各培養時間経過後、血液細胞からトリゾール試薬(Gibco, BRL, Life Technologies)によりtotal RNAを分離した。
続いて、上記の各刺激剤による刺激条件下での経時的に得られたTotal RNA、実施例1で得られたプライマー、および、SYBR Green リアルタイムRT-PCRキット(東京、Qiagen社製)を用いたリアルタイムRT-PCRにより、UcnのmRNAの発現量を測定した。
なお、同じTotal RNAに対して内部標準としてGAPDHのプライマー(配列表の配列番号17、18)を用いてRNAの定量を行った。
SYBR Green リアルタイムRT-PCRキットに含まれる25-μlワンステップRT-PCR mixtureは、マスターミックス12.5μl、フォワード及びリバースプライマー各1.25μlずつ、RT mix 0.25μl、RNase-free水8.75μl、及び鋳型RNA1μl(50〜200ng含有)から構成される。リアルタイムサイクラーの条件は、50℃で30分間、95℃で15分間の後、94℃で15秒間、60℃で30秒間、72℃で30秒間を40サイクルである。
ウロコルチンmRNAの相対的発現量は、10倍ずつ段階希釈した参照mRNAサンプル(6時間LPS刺激抹消血単核細胞)におけるUcnとGAPDHのmRNA発現量から作成した標準曲線(http://www.ambion.com./techlib/tn/85/857.html)を基に標準化された。データは繰り返し測定し、分散分析を行った。P値<0.05は有意と思われる。
図2−4において、ヨーネ病感染ウシ(a)および非感染健康ウシ(b)におけるUcnのmRNA発現量(平均値)の変化を経時的に示す。図中、横軸は、ヨーネ菌抗原(ライセート)の共存下(−○−)あるいは非共存下(−●−)での培養時間(h)を示し、縦軸は、同サンプル中の変動しない内部標準であるGADPH mRNA発現量と比較したUcn mRNAの発現量を示す。なお、星印は、抗原添加時の測定値と無添加時の測定値の間で有意差(p<0.05)があることを示す。
また、図2(a)から分かるように、感染ウシでは、無刺激培養(抗原無添加)ではUcn発現量が高まり、逆に抗原刺激培養下ではUcn発現量が低下傾向にあった。この発現量の差は、どの培養時間においても有意なものであった。
一方、図2(b)から分かるように、非感染健康ウシ(対照)では、無刺激培養時でもUcnの発現量の顕著な上昇は見られなかったが、抗原添加培養時では、無刺激培養時に比して若干上昇するものの、統計学的有意差は観察されなかった。
また、図4においても図3と同様の傾向が見られた。
(A−B)/A=C
式中、Aはヨーネ菌抗原無添加培養した場合の測定値、Bはヨーネ菌抗原添加培養した場合の測定値を示す。
また、ウロコルチンは、ストレス制御に関与する重要な分子であるばかりか、免疫制御においても重要な役割を持っていることが分かりつつある。それゆえ、本発明に係るプライマーは、ヨーネ病の診断だけでなく、創薬のターゲット遺伝子を検出あるいは単離する手段などとして、家畜衛生、獣医領域において広く応用可能であると思われる。
Claims (5)
- 被検動物(ヒトを除く)から採取した血液細胞を、ヨーネ菌抗原の存在下および非存在下でそれぞれ培養した後、各培養物におけるウロコルチン遺伝子の発現量を測定して、両者の測定値を比較し、;以下(A)および(B)の現象を利用してヨーネ菌感染の有無を判定することを特徴とする、ヨーネ病の診断方法。
(A):ヨーネ菌感染動物の血液細胞をヨーネ菌抗原非存在下で培養すると、ウロコルチン遺伝子発現量が増加する。
(B):ヨーネ菌感染動物の血液細胞をヨーネ菌抗原存在下で培養すると、ウロコルチン遺伝子発現量が減少する。 - 前記被検動物がウシである、請求項1に記載の診断方法。
- 前記ウロコルチン遺伝子の発現量の測定が、配列番号2に記載の塩基配列のプライマー, および, 配列番号3に記載の塩基配列のプライマー、からなる1対のプライマーを用いて、定量性のあるRNA検出法により行うものである、請求項1又は2に記載の診断方法。
- 前記定量性のあるRNA検出法が、リアルタイムRT-PCR法である請求項3又は4に記載の診断方法。
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