JP4829732B2 - 電子秤 - Google Patents
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また、計量法に基づき、電子秤の計量部は1つのケース内に収められ検定を受けた後、封印されている(特許文献2)。
特に、起歪体はアルミのインゴッドを削り出して形成され、ベースや起歪体の固定部および可動部は歪の生じない堅牢な構造とするために厚肉のアルミダイキャストで形成されているので、前記電荷を逃がす十分な体積を持つ。
しかも、金属プレートや金属フィルムの追加は導電性樹脂で本体ケースを形成するのと異なり、差程コストアップしない上、分解能や精度の高い電子秤など必要な機種についてのみ導電性部材を装着することがでる。
この態様によれば、計量皿に対面する部位に電荷が蓄積されるのを防止できるから、計量精度の信頼性が更に高まる。
この態様によれば、雄ネジ部材の軸力により本体ケースとプレートとの接触圧が得られ、電荷を確実に、かつ、瞬時にベースに逃がすことが可能となる。
電子秤1:
図1に示すように、電子秤1は、樹脂製の本体ケース2と、被計量物を載置するための計量皿3とを備えている。本体ケース2には、表示部4および操作ボタン5などが設けられており、オペレータが操作ボタン5に所定の操作を行った後、計量皿3の上に被計量物を載置すると、該被計量物の重量が表示部4に表示される。
図4に示すように、重量検出器8は起歪体30を備えている。前記起歪体30には、略H字状の中空部34が形成されている。起歪体30の両端部には、固定部31および可動部32が形成されている。固定部31および可動部32には、それぞれ、ベース10の立上部11および取付部材42がボルト12を介して締結されている。図3においては、前記ベース10に網点を施している。
前記起歪体30の上下には、一対のビーム33が形成されており、前記中空部34は、ビーム33の内側に形成されている。ビーム33の両端部には、4箇所の薄肉の起歪部35が形成されている。各起歪部35に対応する起歪体30の上下の位置には、検出素子36がそれぞれ設けられている。検出素子36は、前記制御基板9(図3)にそれぞれ接続されている。
図3に示す制御基板9には、図示しないアナログ回路やA/Dコンバータ、演算回路、表示部4および操作ボタン5などが実装されている。前記演算回路は、たとえば、マイクロコンピュータなどからなるデジタル回路で構成されている。
前記検出素子36(図4)からの電気信号は、A/Dコンバータによりデジタル値化された後、演算回路により重量が算出され、当該重量が表示部4に表示される。
ここで、摩擦などにより、樹脂製の本体ケース2が帯電し、静電気の逃げ場がないと、前記アナログ回路に対する外乱となり計量精度が低下するおそれがある。特に、図1の本体ケース2の帯電により、金属製の計量皿3が本体ケース2に引き付けられて計量精度が低下するおそれがある。
そこで、本電子秤1では、図3の本体ケース2に取り付けた金属プレート7から、該本体ケース2に帯電した静電気をベース10や起歪体30に逃がしている。
図4に示すように、前記金属プレート7は、上ケース21の第2貫通孔21hが形成された上板部21uの表面に接触している。
したがって、摩擦等により本体ケース2に電荷が発生しても、該電荷が金属プレート7から雄ネジ部材部材16aおよび接続板15を介して、起歪体30やベース10に逃がすことができる。
したがって、両雄ネジ部材16a,16bの軸力により、本体ケース2と金属プレート7との接触圧が得られ、金属プレート7が上ケース21の上板部21uに密着することにより、本体ケース2の電荷を確実に、かつ、瞬時にベース10や起歪体30に逃がすことができる。
さらに、前述のように、金属プレート7は、計量皿3に対面して設けられているので、計量皿3に対面する部位に電荷が蓄積されるのを防止できるから、計量皿3が本体ケース2側に引き付けられるのが防止され、計量精度の信頼性が向上する。
図3に示す電子秤1は、本体ケース2の封印空間2S内に前記重量検出器8および制御基板9が収められた後、図5の破線で示す組付ネジ28により、上下のケース21,22が互いに組立てられる。この組立後、検定を受けた後に、前記検定に合格した電子秤1には、組付ネジ28の上に封印テープ29が貼付されて封印される。
ところで、図6に示すように、本電子秤1には、たとえば通信カード60のような、通信用の電子機器をオプション機器として、前記封印後の電子秤1に必要に応じて取り付けることが可能である。
図3に示すように、下ケース22には、該下ケース22の封印空間2Sに向って突出した収納部23が、図5に示す下ケース22の外面側22uに形成されている。
図3に示す下ケース22には、収納部23と封印空間2Sとを連通させる連通孔24が前記収納部23の収納部壁23bを貫通して設けられている。連通孔24には、制御基板9の電子回路から引き出された通信線(信号線の一例)51が連通孔24を介して収納部23内に導出されている。
図3および図6に示すように、電子秤1の組立時において、第1コネクタ50は、制御基板9と第1コネクタ50とが通信線51を介して結線された状態で、連通孔24から収納部23の凹所23aに向って押し込まれる。
前記連通孔24の形状および大きさは、第1コネクタ50に通信線51が結線された状態で、第1コネクタ50を封印空間2Sから連通孔24を介して収納部23内に挿入可能で、かつ、通信線51を本体ケース2の封印空間2Sに向って引っ張ると、第1コネクタ50が連通孔24のまわりの下ケース22の部分に係合して封印空間2Sに入り込まないように形成されている。たとえば、図6の連通孔24の長さL1および幅W1は、図5の第1コネクタ50の長さL2および幅W2よりも各々大きく、かつ、第1コネクタ50の長さL2は連通孔24の幅W1よりも大きい。
下ケース22には、通信カード60の接続時において、該通信カード60の第2コネクタ61が嵌合する挿入孔26が形成されている。挿入孔26は、前記カバー25を設けた面に概ね直交する該下ケース22後方の外側面に形成されている。
通信カード60を電子秤1に取り付けるには、図5に示すようにカバー25を開け、第1コネクタ50を凹所23aから引き出した後、図6に示すように、第1コネクタ50に通信カード60を接続する。該接続後、通信カード60の第2コネクタ61の端部を挿入孔26に対向させると共に、通信カード60を収納部23の凹所23aに収納する。その後、カバー25を下ケース22に装着する。前記第2コネクタ61は挿入孔26を介して本体ケース2の外方に臨み、外部機器からの通信ケーブル(図示せず)を該第2コネクタ61に接続することが可能となる。
また、カバー25が装着されている面と、通信カード60の第2コネクタ61の挿入孔26を設けた面とが概ね直交しいてるので、該第2コネクタ61に接続する通信ケーブルの差し込みや取り外し時に、カバー25に負荷がかかることがないので、カバー25が傷みにくい。
ここで、カバー25には、通信カード60の一方の側面を固定するための第1位置決め部25aが形成されている。一方、収納部23には、通信カード60の他方の側面を固定するための第2位置決め部25bが形成されている。第2位置決め部25bは、通信カード60の他方の側面が嵌合する溝と、第2コネクタ61部分が嵌り込む溝により構成されている。
したがって、通信カード60を両位置決め部25a,25bに合わせて装着することにより、通信カード60が収納部23内でガタつくことなく収納される。
ところで、最近の電子秤1は、付加機能である集計や販売管理機能などのアプリケーシションソフトウエア機能が日々進化している。一方、基本となる計量に関わる部分のソフトウエアについては、検定によって変更することができない。
そこで、本電子秤1では、検定に関するソフトウエアを改ざんから守り、かつ、アプリケーシションソフトウエアのバージョンアップを可能とするために、検定に関するソフトウエア部分を暗号化して改ざんを防止している。
前記メモリカード70としては、たとえば、市販のセキュリティ機能付きのメモリカードSDカード(登録商標)やメモリースティック(登録商標)などを用いることができる。
プロテクト領域71は、専用の機器でのみ、読み書きが可能である。プロテクト領域71には暗号ファイルF1が記憶される。
一方、通常領域72には、暗号化された検定対象ファイルF2および暗号化されていない非検定対象ファイルF3が記憶される。
検定対象ファイルF2には、暗号ファイルF1のシードにより暗号化(スクランブル)された検定に関するソフトウエアからなる検定対象ファイルが記憶される。前記検定対象ファイルは、電子秤1の暗号解読手段により、前記暗号ファイルに基づいて解読されて実行される。なお、電子秤1は、前記暗号ファイルや検定対象ファイルの修正や書き込みを行う機能を有していない。
非検定対象ファイルF3には、検定対象以外のアプリケーシションソフトウエアが記憶される。
そのため、従来では、検定対象以外のソフトウエアのバージョンアップを行うには、本体ケース2の封印を解除し、制御基板をバージョンアップされたソフトウエアが搭載された新たな制御基板に取り替えた後、再び検定を受ける必要があるが、本電子秤1では、メモリカード70の差し替えにより、本体ケース2の封印を解除することなく、極めて容易に検定対象以外のソフトウエアのバージョンアップを行うことができる。
したがって、メンテナンス性が極めて容易になると共に、基板の在庫を大幅に減らすことができる。
また、金属プレート7を上ケース21の上板部21uの裏面に設けてもよい。
さらに、導電性部材としては、金属プレート7の他に、たとえば導電性の金属フィルムや金属シート、金属シールなどであってもよい。
また、金属プレート7は、製品の外観デザインを損なうことのないように、計量皿3よりも直径やサイズを小さくしてもよい。
また、計量皿3は円形でなくてもよく、たとえば方形であってもよい。かかる場合には、金属プレート7を計量皿3の形状と同様な形状にするのが好ましい。
2:本体ケース
2S:封印空間
3:計量皿
7:金属プレート(導電性部材の一例)
8:重量検出器
9:制御基板
10:ベース
16a:雄ネジ部材部材
21h:第2貫通孔
21u:上板部
23:収納部
24:連通孔
25:カバー
25a,25b:位置決め部
26:挿入孔
30:起歪体
31:固定部
32:可動部
42:取付部材
50:第1コネクタ50
51:通信線(信号線の一例)
60:通信カード(通信用の電子機器)
61:第2コネクタ
Claims (3)
- 被計量物を載置するための計量皿と、
前記計量皿に載った前記被計量物の重量が取付部材および可動部を介して負荷される起歪体と、
前記起歪体の固定部を支持する金属製のベースと、
前記取付部材が挿通される貫通孔を有し、前記ベースを収容する樹脂製の本体ケースとを備えた電子秤において、
前記本体ケースにおける前記貫通孔が形成された上板部の表面または裏面に接触する金属プレートまたは金属フィルムからなる導電性部材が設けられ、
前記本体ケースの電荷が前記導電性部材を介して、前記ベースに逃げるように構成された電子秤。 - 請求項1において、前記導電性部材が、前記計量皿に対面する前記本体ケースの上面に設けられている電子秤。
- 請求項1において、前記導電性部材は、前記計量皿に対面する前記本体ケースの上面に設けられた金属プレートからなり、
該金属プレートは前記本体ケースおよび金属プレートを貫通する金属製の雄ネジ部材により前記本体ケースに圧接した状態で固定されていると共に、前記金属製の雄ネジ部材を介して前記金属プレートが前記ベースに電気的に接続されている電子秤。
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