以下に、本発明に係る画像表示装置および画像表示方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。画像表示装置101は、光源(光源部1x)から出射した光を所定のレンズで集光した後に光束断面内の照度の均一化を行い、その後、光を空間的に変調するとともに拡大してスクリーンに投射(投影)する投射型の画像表示装置(ディスプレイ装置など)である。本実施の形態では、画像表示装置101の光路内を伝播する光の強度(光量)の変化量に基づいて、光源から出射させる光量を制御(点灯の維持または消灯)する。
画像表示装置101は、画像表示に用いる光を伝播させる光学系Ax、光学系Axなどを制御する電気制御系Bp、光学系Axを伝播する光量の変化量を観測する光量観測系Cxを有している。
まず、光学系Axについて説明をする。本実施の形態の光学系Axは、光源部1x、集光レンズ部2x、光伝播部3x、照度均一化部4x、リレーレンズ部5x、光変調部6x、投射レンズ部7、スクリーン部8を備えている。
光源部1xは、集光レンズ部2xと光伝播部3xを介して照度均一化部4xに光を送り、照度均一化部4xは、リレーレンズ部5xを介して光変調部6xに光を送る。光変調部6xは、投射レンズ部7を介してスクリーン部8に光を照射する。
光源部1xは、赤色、青色、緑色などの光を時分割で集光レンズ部2x側へ順次出射する。集光レンズ部2xは、光源部1xから出射された光を並行光に整えて光伝播部3x側へ送るレンズである。
光伝播部3xは、集光レンズ部2xと照度均一化部4xとの間に配置されるとともに光量検出部10xを配置している。光量検出部10xは、光伝播部3xの照度均一化部4xの終端部近傍(照度均一化部4xの直前)に配置されている。光伝播部3xの光量検出部10xは、光量観測系Cx(後述の微分係数算出部50x)と接続されている。
光伝播部3xは、集光レンズ部2xを介して送られてくる光を伝播して照度均一化部4xに入射させる。光伝播部3xは、必要に応じてプリズム(図示せず)やミラー(図示せず)によって、集光レンズ部2xから出射した光の光路を曲げられながら空間伝播させる。
照度均一化部4xは、カレイドスコープなどのロッド型の光インテグレータであり、入射した光をロッドの側面で反射を繰り返し出射する。照度均一化部4xは、光伝播部3xからの光をリレーレンズ部5x側へ出射する。
リレーレンズ部5xは、照度均一化部4xからの光を拡大などして、光変調部6x側へ像(実像または虚像)を転送するレンズである。照度均一化部4xを出射した光は、リレーレンズ部5xを通って光変調部6xに入射する。
光変調部6xは、例えばDMD(Digital Micro-mirror Device)(登録商標)などの反射型光変調素子である。DMD(登録商標)は、何十万個もの小さい傾斜ミラーのアレイを有しており、ミラーの各々は画像のうちの1つのピクセルに対して光を発生するよう構成されている。これらのミラーは、後述の光変調制御部80Pから送られる信号に基づいて制御されている。光変調部6xから出射する光が、画像表示装置101に入力された映像信号を画像として表示したものとなる。
投射レンズ部7は、光変調部6xで変調された光を拡大してスクリーン部8に投射するレンズである。スクリーン部8は、投射レンズ部7によって投射された光を画像として表示する。
つぎに、電気制御系Bpについて説明をする。電気制御系Bpは、光源制御部(光量制御部)60P、映像信号処理部70、光変調制御部80Pを有している。映像信号処理部70は、光変調制御部80Pに接続し、光変調制御部80Pは、光源部1xと光変調部6xに接続している。また、光源制御部60Pは、光量観測系Cx(後述の微分係数比較部51x)と光源部1xに接続している。
光源制御部60Pは、微分係数比較部51xから出力される制御信号CDLに基づいて、所定の出力電流(後述のランプ11を点灯させるか消灯させるかを制御するための電流)を光源部1xへ出力する。
映像信号処理部70は、外部装置から送られてくる映像信号を入力する。映像信号処理部70は、例えばNTSC信号を入力した場合、A/Dコンバート、Y/C分離、クロマデコード、IP変換などを行なう。
また、映像信号処理部70は、映像信号を光変調部6xの解像度に応じたサイズに拡大する。光変調部6xの解像度が1980画素×1080ラインである場合、映像信号処理部70は、映像信号が1980画素×1080ラインとなるよう映像信号を拡大処理する。
さらに、映像信号処理部70は、映像信号を色変換によって赤、青、緑の形式に変換する。映像信号処理部70は、画像処理(拡大や変換)した映像信号を光変調制御部80Pに出力する。
光変調制御部80Pは、映像信号処理部70からの映像信号をフレームメモリ(図示せず)に記憶する手段を有している。光変調制御部80Pは、光源部1xから送られるタイミング信号CTに基づいて、光源部1xから放射されている光の色を特定し、特定した色に対応する映像信号をフレームメモリから読み出して光変調部6xへ出力する。例えば、光源部1xから放射されている光が赤色である場合、光変調制御部80Pは、フレームメモリから赤色の映像信号を読み出して光変調部6xへ出力する。
つぎに、光量観測系Cxについて説明する。光量観測系Cxは、微分係数算出部(変動量算出部)50xと微分係数比較部51xを備えている。微分係数算出部50xは、光量検出部10x、微分係数比較部(変動量比較部)51xと接続し、微分係数比較部51xは光源制御部60Pに接続している。
微分係数算出部50xは、光伝播部3x内を伝播する光強度(光量検出信号)の変動量を検出する手段である。微分係数算出部50xは、光強度の変化量(光量検出信号の差分量の絶対値)を微分係数信号DDとして微分係数比較部51xに送る。
微分係数比較部51xは、予め記憶させておいた閾値TDDと、微分係数算出部50xの絶対値処理部55から送られてくる微分係数信号DDとを比較し、比較結果に基づいて制御信号CDL(光源の点灯を維持させる信号または消灯させる信号)(比較結果情報)を光源制御部60Pへ送る。
つぎに、光源部1xの内部構成を詳細に説明する。図2は、光源部の内部構成を示す図である。光源部1xは、ランプ11と、カラーホイール12を備えている。ランプ11は、電源から供給される電力を用いて白色光を出射する高圧水銀ランプなどである。ランプ11から出射される光はカラーホイール12側へ送られる。
カラーホイール12は、例えば円盤状に配置されたカラーフィルタ、カラーフィルタを配置した円盤を回転させるモータなどを含んで構成されている。カラーフィルタは、例えば3原色(赤色、青色、緑色)などの複数色のフィルタで構成されている。なお、以下では、カラーフィルタが、赤色、青色、緑色の3原色で構成されている場合を例にとって説明する。
カラーホイール12は、映像の垂直同期信号周期の整数倍の速さで回転するモータによって、上記カラーフィルタを配置した円盤を回転させ、ランプ11から出射された白色光を濾波する。これにより、光源部1xは、赤色、青色、緑色の光を時分割で集光レンズ部2x側へ順次出射する。光源部1xは、赤色光、青色光、緑色光のそれぞれの出射タイミングを示すタイミング信号CTを光変調制御部80Pに出力する。
つぎに、光量検出部10xの構成を詳細に説明する。図3は、光量検出部の構成を示す図である。光量検出部10xは、ハーフミラー15、集光レンズ16、フォトダイオード17を含んで構成されている。光量検出部10xは、集光レンズ部2xから照度均一化部4xに伝播する光の一部を、ハーフミラー15によって分離するとともに、分離した光を集光レンズ16によって集め、フォトダイオード17に照射する。フォトダイオード17では、照射された光の強度に応じた光量検出信号DL(光量検出情報)を微分係数算出部50xに出力する。
つぎに、照度均一化部4xの動作を説明する。図4は、照度均一化部の動作を説明するための図である。照度均一化部4xは、一方の端部(光伝播部3x側)(前段)に入射面41を有し、他方の端部(リレーレンズ部5x側)(後段)に出射端面43を有している。
光伝播部3xからの光は、光軸42に対して所定の角度で入射面41に入射する。この入射光は、ロッドの側面で反射を繰り返して伝播され、出射端面43から出射される。ロッドの側面での光の反射回数は、ロッドに対する入射角度によって異なる。これにより、反射回数が異なる光がロッド内で交じり合うこととなり、出射端面43では一様な出射光となる。この一様な出射光は、リレーレンズ部5x側へ送られる。
つぎに、実施の形態1に係る画像表示装置101の微分係数算出部50xの構成について説明する。図5は、実施の形態1に係る画像表示装置の微分係数算出部の構成を示す図である。微分係数算出部50xは、A/D変換部52、データ保持部53、差分演算部54、絶対値処理部55を含んで構成されている。
A/D変換部52は、データ保持部53と差分演算部54に接続し、データ保持部53は差分演算部54に接続している。また、差分演算部54は、絶対値処理部55に接続している。また、A/D変換部52は、光量検出部10xに接続し、絶対値処理部55は微分係数比較部51xに接続している。
A/D変換部52は、時間tNのタイミング(第1のタイミング)で光量検出部10xから出力された光量検出信号DLNをデジタル信号に変換してデータ保持部53に送る。また、A/D変換部52は、時間tNから微小単位時間(例えば、0.1秒)を経過した後の時間tN+1のタイミング(第2のタイミング)で光量検出部10xから出力された光量検出信号DLN+1をデジタル信号に変換して差分演算部54に送る。データ保持部53は、A/D変換部52からの光量検出信号DLNを保持しておくメモリなどの記憶手段である。
差分演算部54は、データ保持部53が保持しておいた時間tNでの光量検出信号DLNと、A/D変換部52からの時間tN+1での光量検出信号DLN+1の差分量を算出し、算出した差分量を絶対値処理部55に送る。絶対値処理部55は、差分演算部54からの差分量の絶対値をり、微分係数信号DDとして微分係数比較部51xに送る。
つぎに、実施の形態1に係る画像表示装置101の微分係数比較部51xの構成について説明する。図6は、実施の形態1に係る画像表示装置の微分係数比較部の構成を示す図である。微分係数比較部51xは、差分閾値記憶部(微分係数閾値記憶部)56、比較部57を含んで構成されている。差分閾値記憶部56は、比較部57に接続している。また、比較部57は微分係数算出部50xと光源制御部60Pに接続している。
差分閾値記憶部56は、光量検出信号DLNと光量検出信号DLN+1の差分量(微分係数)の閾値TDDを記憶しておくメモリなどの記憶手段である。比較部57は、差分閾値記憶部56に予め記憶させておいた閾値TDDと、微分係数算出部50xの絶対値処理部55から送られてくる微分係数信号DDとを比較し、比較結果に基づいて制御信号CDLを出力する。比較部57からの制御信号CDLは、光源制御部60Pへ送られる。
なお、ここでは説明の便宜上、閾値TDDを差分閾値記憶部56に予め記憶させておく場合について説明したが、マイクロコンピュータ等から比較部57へ閾値TDDを指示してもよい。
ここで、光量検出信号DL、微分係数信号DD、制御信号CDLの一例について説明する。図7は、光量検出信号DLの一例を説明するための図である。図7において、横軸は時間を示し、縦軸は光量検出部10xから出力される光量検出信号を示している。図7では、時間tN(通常状態)のタイミングでの光量検出信号が光量検出信号DLNであるのに対し、時間tN+1のタイミングでの光量検出信号が光量検出信号DLN+1に変動(減少)している場合を示している。
図8は、微分係数信号DDの一例を説明するための図である。図8において、横軸は時間を示し、縦軸は微分係数算出部50xから出力される微分係数信号を示している。図7のように時間tNと時間tN+1の間に光量検出信号が変動した場合、図8に示すように時間tN+1のタイミングで、両者(光量検出信号DLN、光量検出信号DLN+1)の差分を絶対値処理した微分係数信号の値としてabs(DLN+1−DLN)が算出される。
光伝播部3xに異常がなければ微分係数信号DDは0となるはずである。本実施の形態では、光量検出信号DDのノイズや光源部1xの不安定な動作などを考慮して、0よりも僅かに大きな値を閾値TDDとして設定しておく。そして、微分係数比較部51xは、この閾値TDDを超えるた微分係数信号DDを観測した場合に、光伝播部3xに障害が発生したと判断する。
図9は、制御信号CDLの一例を説明するための図である。図9において、横軸は時間を示し、縦軸は微分係数比較部51xの比較部57から出力される制御信号CDLを示している。
微分係数比較部51xは、通常状態(異常のない状態)では制御信号CDLとして「1」を出力する。そして、図8に示したように微分係数信号DDが閾値TDDを超えた際(時間tN+1の後)に制御信号CDLとして「0」を出力する。図9では、微分係数信号DDが閾値TDDを超えた時間tN+1の後の時間tN+2のタイミングで微分係数比較部51xが制御信号CDL「0」を出力した場合を示している。
換言すると、差分量abs(DLN+1−DLN)が、閾値TDDよりも小さい場合、比較部57から出力される制御信号CDLは「1」であり、差分量abs(DLN+1−DLN)が、閾値TDD以上の場合、比較部57から出力される制御信号CDLは「0」である。制御信号CDLの「1」は、光源部1xから出射する光を制御(消灯)する必要がないことを示す信号であり、制御信号CDLの「0」は、光源部1xから出射する光を制御(消灯)する必要があることを示す信号である。
つぎに、実施の形態1に係る画像表示装置101の光源制御部60Pの構成について説明する。図10は、実施の形態1に係る画像表示装置の光源制御部の構成を示す図である。光源制御部60Pは、電流指示値記憶部61x、定電流生成部62x、出力スイッチ63xを含んで構成されている。定電流生成部62xは、電流指示値記憶部61xと出力スイッチ63xに接続されている。出力スイッチ63xは、微分係数比較部51xと光源部1xに接続されている。
電流指示値記憶部61xは、予め電流指示値AIを記憶するメモリなどの記憶手段である。定電流生成部62xは、外部から供給される電力をもとに、電流指示値記憶部61xが記憶している電流指示値AIに対応する電流量IOを出力スイッチ63xに送る。
出力スイッチ63xは、微分係数比較部51xから出力された制御信号CDLに基づいて、光源部1xへ出力する出力電流IO’を制御する。出力スイッチ63xは、制御信号CDLが「1」の場合、IO’=IOとして出力電流IO’を光源部1xへ出力する。これにより、光源部1xではランプ11を点灯させたままの状態を維持する。出力スイッチ63xは、制御信号CDLが「0」の場合、IO’=0として出力電流IO’を光源部1xへ出力する。これにより、光源部1xではランプ11を消灯させる。
つぎに、実施の形態1に係る画像表示装置101の動作手順について説明する。図11は、本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の動作手順を示すフローチャートである。画像表示装置101において画像の表示を開始すると、光量検出部10xは、所定のタイミング(時間tN)で光伝播部3xの光の強度を検出し、この光の強度に応じた光量検出信号DLNを微分係数算出部50xに送る(ステップS100)。また、光量検出部10xは、時間tNから微小単位時間(所定時間)を経過した後の時間tN+1のタイミングで光伝播部3xの光の強度を検出し、この光の強度に応じた光量検出信号DLN+1を微分係数算出部50xに送る(ステップS110)。
具体的には、光量検出部10xは、集光レンズ部2xから照度均一化部4xに伝播させる光(光伝播部3x内を伝播する光)の一部を、ハーフミラー15によって分離する。そして、分離した光を集光レンズ16によって集め、フォトダイオード17に照射する。フォトダイオード17では、照射された光の強度に応じた光量検出信号DLN,DLN+1を光量算出部50xに出力する。
画像表示装置101において画像の表示を行なっている間、光量検出部10xは、所定のタイミングで検出した光量検出信号を微分係数算出部50xに送るとともに、この所定のタイミングから微小単位時間を経過した後のタイミングで検出した光量検出信号を微分係数算出部50xに送る処理を繰り返す。
微分係数算出部50xのA/D変換部52は、光量検出部10xから出力された光量検出信号DLNをデジタル信号に変換してデータ保持部53に送る。データ保持部53は、A/D変換部52からの光量検出信号DLNを記憶しておく。
この後、微分係数算出部50xのA/D変換部52は、光量検出部10xから出力された光量検出信号DLN+1をデジタル信号に変換してデータ保持部53と差分演算部54に送る。データ保持部53は、A/D変換部52からの光量検出信号DLN+1を記憶しておく。
差分演算部54は、A/D変換部52からの光量検出信号DLN+1とデータ保持部53で記憶しておいた光量検出信号DLNとの差分量を算出し、算出した差分量を絶対値処理部55に送る(ステップS120)。絶対値処理部55は、差分演算部54からの差分量の絶対値をとって微分係数比較部51xに入力する(ステップS130)。
微分係数算出部50xでは、画像表示装置101において画像の表示を行なっている間、所定のタイミングで検出した光量検出信号と、この所定のタイミングから微小単位時間を経過した後のタイミングで検出した光量検出信号との差分量(絶対値)を算出する処理を繰り返す。このため、本実施の形態では、A/D変換部52は、光量検出部10xから出力された光量検出信号をデジタル信号に変換してデータ保持部53と差分演算部54に送る処理を繰り返す。
具体的には、A/D変換部52は、光量検出部10xからの光量検出信号DLMをデジタル信号に変換してデータ保持部53と差分演算部54に送り、微小単位時間の経過後に光量検出部10xからの光量検出信号DLM+1をデジタル信号に変換してデータ保持部53と差分演算部54に送る。さらに、微小単位時間の経過後に、A/D変換部52は、光量検出部10xからの光量検出信号DLM+1をデジタル信号に変換してデータ保持部53と差分演算部54に送る。
データ保持部53では、A/D変換部52からの光量検出信号DLM,DLM+1,DLM+1を記憶しておく。差分演算部54は、A/D変換部52からの光量検出信号DLM+1とデータ保持部53の記憶する光量検出信号DLMの差分量を算出して絶対値処理部55に入力する。さらに、差分演算部54は、A/D変換部52からの光量検出信号DLM+2とデータ保持部53の記憶する光量検出信号DLM+1の差分量を算出して絶対値処理部55に入力する。そして、絶対値処理部55は、差分演算部54から送られてくる各差分量の絶対値を順番に算出して微分係数比較部51xに送る。
微分係数比較部51xの比較部57は、差分閾値記憶部56に予め記憶させておいた差分量の閾値TDDと、絶対値処理部55から送られてくる光量検出信号DLN、光量検出信号DLN+1の差分量(絶対値)とを比較する(ステップS140)。
光量検出信号DLN、光量検出信号DLN+1の差分量(絶対値)が、差分量の閾値TDD以上である場合(ステップS150、Yes)、比較部57は制御信号CDL「0」を光源制御部60Pへ送る(ステップS160)。
そして、光源制御部60Pの定電流生成部62xは、電流指示値記憶部61xが記憶している電流指示値AIに対応する電流量IOを出力スイッチ63xに出力する。出力スイッチ63xは、微分係数比較部51xから出力された制御信号CDL「0」に対応する出力電流IO’(IO’=0)を光源部1xへ出力する(ステップS170)。これにより、光源部1xのランプ11は消灯する(ステップS180)。
一方、光量検出信号DLN、光量検出信号DLN+1の(絶対値)が、差分量の閾値TDDよりも小さい場合(ステップS150、No)、比較部57は制御信号CDL「1」を光源制御部60Pへ送る(ステップS190)。
そして、光源制御部60Pの定電流生成部62xは、電流指示値記憶部61xが記憶している電流指示値AIに対応する電流量IOを出力スイッチ63xに出力する。出力スイッチ63xは、微分係数比較部51xから出力された制御信号CDL「1」に対応する出力電流IO’(IO’=IO)を光源部1xへ出力する(ステップS200)。これにより、光源部1xはランプ11を点灯したままの状態を維持する(ステップS210)。
微分係数比較部51xでは、画像表示装置101において画像の表示を行なっている間、所定のタイミングで検出された2つの光量検出信号の差分量(絶対値)と、閾値TDDとを比較する処理を繰り返す。そして、微分係数比較部51x(比較部57)は、光量検出信号の差分量と閾値TDDとの比較結果に基づいた制御信号CDLを、光源制御部60Pへ送る処理を繰り返す。
なお、本実施の形態では、光量検出部10xが図3に示したようにハーフミラー15、集光レンズ16を備える場合について説明したが、光量検出部10xの構成は図3の構成に限られない。
図12は、光量検出部の他の構成例を示す図である。図3で説明した光量検出部10xは、光伝播部3xがプリズムやミラーによって光軸を曲げながら光を伝播させる場合の例であった。本実施の形態では、光伝播部3x(光路の一部)に光ファイバ45を用いてもよい。
光ファイバ45は、石英ガラスやプラスチックで形成されている。光ファイバ45は、コアと、コアを覆うクラッドとの屈折率の差を利用して、コアとクラッドの境界で光を全反射させながら光を伝送する。このとき、光ファイバ45に働く応力等の影響によって光ファイバ45から微弱な光が漏れ光46として出射される。
図12に示す光量検出部10xは、例えば光ファイバ45の出射端付近に配置され、光ファイバ45からの漏れ光46をフォトダイオード17によって検出する。そして、フォトダイオード17は、照射された光の強度に応じた光量検出信号DLを微分係数算出部50xに出力する。これにより、光伝播を光ファイバ45を用いて行う場合であっても、例えば光ファイバ45が折れた場合などに発生する光伝播の障害を検知することが可能となる。また、本実施の形態では、光伝播に障害が発生した場合に、光源部1xを消灯させる場合について説明したが、光源部1xから出射する光の光量を減少させてもよい。
このように、微分係数算出部50xが、時間tNのタイミングで光量検出部10xから出力された光量検出信号DLNと、時間tNから微小単位時間を経過した後の時間tN+1のタイミングで光量検出部10xから出力された光量検出信号DLN+1との差分値を算出している。そして、微分係数比較部51xが、光量検出信号の差分値と閾値TDDとの比較結果に基づいて、光伝播部3xでの光伝播(光路上の障害)の障害を判断している。これにより、画像表示装置101は、光伝播部3xで光伝播に障害が発生した場合(ミラー反射面の劣化や故障、光ファイバの劣化や故障等)に光伝播の障害を検知することが可能となる。
また、光伝播部3xで、光伝播に障害が発生した場合、ランプ11の発光を停止させるので、光伝播に障害が発生した場合に、スクリーン部8に予期しない映像(画像)を表示させることを防止できる。
このように実施の形態1によれば、所定のタイミング(時間tNと時間tN+1)で検出された光量検出信号の差分値(絶対値)と閾値TDDとの比較結果に基づいて、光伝播の障害を検出するので光路上の障害を容易に検出することが可能となる。
また、光量検出信号の差分値と閾値TDDとの比較結果に基づいて、光源部1xに送る出力電流IO’を制御するので、光源部1xから光変調部6xに至る光路上で不具合が発生した場合に迅速にスクリーン部8に映像を表示させなくすることが可能となる。
また、光路上の障害を検出した際に、光源部1xから出射する光を消灯させているので、光路上の障害が発生した場合にスクリーン部8への画像表示を確実に防止できるとともに光源部1xによる無駄な電力の消費を抑制することが可能となる。
また、光伝播部3xに光ファイバ45を用いた場合であっても、光ファイバ45の漏れ光46をフォトダイオード17によって検出するので、光伝播部3xの障害を容易に検出することが可能となる。
実施の形態2.
つぎに、図13〜図15を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、複数の光伝播部3a〜3cが配設される場合に、光伝播の障害を検知して光量を制御する。
図13は、本発明の実施の形態2に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。図13の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像表示装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態2に係る画像表示装置102は、複数個の光学系Aa〜Acを有するとともに、これら複数の光学系Aa〜Acで生成された映像を合成する光合成部30を有している。換言すると、画像表示装置101と画像表示装置102との違いは、画像表示装置102が光源部1xから光変調部6xに至る光学系Aa,Ab,Acを複数有しており、かつ光合成部30が画像表示装置101に追加されている点である。また、画像表示装置102は、光学系Aa〜Acに対応する光量観測系Ca〜Ccを有している。そして、光学系Aaと光量観測系Ca、光学系Abと光量観測系Cb、光学系Acと光量観測系Ccの各組が1組の光学機構を構成している。
図13に示すように、画像表示装置102は、光学系Aa〜Ac、光学系Aa〜Acなどを制御する電気制御系Bq、各光学系Aa〜Acを伝播する光量の変化を比較して検出する光量観測系Ca〜Cc、光合成部30、投射レンズ部7、スクリーン部8を有している。光合成部30は、光変調部6a〜6cで生成された映像を合成して投射レンズ部7側に送る手段を有している。
実施の形態2の光学系Aaは、光源部1a、集光レンズ部2a、光伝播部3a、照度均一化部4a、リレーレンズ部5a、光変調部6aを備えている。また、光学系Abは、光源部1b、集光レンズ部2b、光伝播部3b、照度均一化部4b、リレーレンズ部5b、光変調部6bを備えている。また、光学系Acは、光源部1c、集光レンズ部2c、光伝播部3c、照度均一化部4c、リレーレンズ部5c、光変調部6cを備えている。
光源部1a〜1cは、光源部1xと同様の機能を有し、集光レンズ部2a〜2cは、集光レンズ部2xと同様の機能を有している。また、光伝播部3a〜3cは、光伝播部3xと同様の機能を有している。光伝播部3a〜3cには、それぞれ光量検出部10a〜10cが配置されている。照度均一化部4a〜4cは、照度均一化部4xと同様の機能を有している。また、リレーレンズ部5a〜5cは、リレーレンズ部5xと同様の機能を有し、光変調部6a〜6cは光変調部6xと同様の機能を有している。
また、光量観測系Caは、微分係数算出部50aと微分係数比較部51aを備え、光量観測系Cbは、微分係数算出部50bと微分係数比較部51bを備え、光量観測系Ccは、微分係数算出部50cと微分係数比較部51cを備えている。
微分係数算出部50a〜50cは、微分係数算出部50xと同様の機能を有し、微分係数比較部51a〜51cは、微分係数比較部51xと同様の機能を有している。微分係数算出部50a〜50cは、それぞれ光量検出部10a〜10cと、微分係数比較部51a〜51cとに接続し、微分係数比較部51a〜51cはそれぞれ後述の光源制御部60Qに接続している。
電気制御系Bqは、光源制御部60Q、映像信号処理部70、光変調制御部80Qを有している。光源制御部60Qは、光源制御部60Pと同様の機能を有しており、微分係数比較部51a〜51cに接続している。また、光変調制御部80Qは、光変調制御部80Pと同様の機能を有しており、光変調部6a〜6cと接続している。なお、本実施の形態の画像表示装置102では、光変調制御部80Qと各光源部1a〜1cとを接続する必要はない。
本実施の形態では、例えば、画像表示装置102の光源部1a〜1cを、それぞれ光の波長が異なる赤色、青色、緑色のLED(Light Emitting Diode)で構成しておく。光学系Aaは赤色の光を伝播して光変調部6aで変調し、光学系Abは青色の光を伝播して光変調部6bで変調し、光学系Acは緑色の光を伝播して光変調部6cで変調する。
つぎに、光合成部30の構成を説明する。図14は、光合成部の構成の一例を示す図である。光合成部30は、ミラー33、ハーフミラー34、ハーフミラー35を有している。光学系Aa(光変調部6a)から出射された赤色光はミラー33で光軸を曲げられた後、ハーフミラー34にて、光学系Ab(光変調部6b)から出射された青色光と重ね合わされる。ハーフミラー34で生成された、赤色と青色の混合光はハーフミラー35によって、光学系Ac(光変調部6c)から出射された緑色光と重ね合わされ、投射レンズ部7に出射される。
つぎに、光源制御部60Qの構成について説明する。図15は、実施の形態2に係る光源制御部の構成を示す図である。光源制御部60Qは、電流指示値記憶部61a〜61c、定電流生成部62a〜62c、出力スイッチ63a〜63c、判定部64を含んで構成されている。
光源制御部60Pの構成と光源制御部60Qの構成とで異なる点は、光源制御部60Qが電流指示値記憶部、定電流生成部、出力スイッチを複数組み配置している点と、微分係数比較部51a〜51cの出力である制御信号CDLa〜CDLcを判定部64に入力し、判定部64の出力側を、それぞれ出力スイッチ63a〜63cに接続している点である。その他の構成は、図10に示した実施の形態1の光源制御部60Pと同様であり、詳細な説明は省略する。
電流指示値記憶部61a〜61cは、電流指示値記憶部61xと同様の機能を有している。また、定電流生成部62a〜62cは、定電流生成部62xと同様の機能を有しており、出力スイッチ63a〜63cは出力スイッチ63xと同様の機能を有している。
各出力スイッチ63a〜63cは、それぞれ定電流生成部62a〜62cと判定部64に接続されるとともに、光源部1a〜1cに接続されている。判定部64は、微分係数比較部50a〜50cに接続されており、微分係数比較部50a〜50cの出力である制御信号CDLa〜CDLcを入力する。
出力スイッチ63aは出力側が赤色の光源部1aに接続されており、出力スイッチ63bは出力側が青色の光源部1bに接続されており、出力スイッチ63cは出力側が緑色の光源部1cに接続されている。各出力スイッチ63a〜63cは、各光源部1a〜1cのそれぞれの光源であるLEDに電流を供給する。
例えば、微分係数比較部51a〜51cから出力される制御信号CDLa〜CDLcのうち、任意の1つの制御信号が「0」であった場合、判定部64は各出力スイッチ63a〜63cに制御信号「0」を出力する。これにより、各出力スイッチ63a〜63cは、光源部1a〜1cへの電流供給を停止(例えば同時停止)するので全ての光源部1a〜1cからの光が消える。
なお、本実施の形態では、光源部1a〜1cを、それぞれ赤色、青色、緑色のLEDで構成しているので各光源部1a〜1cにおいてカラーホイールは不要となる。また、本実施の形態では、光源としてLEDを用いた場合について説明したが、半導体レーザや固体レーザ等の他の光源を用いてもよい。この場合も光源としてLEDを用いた場合と同様の効果が得られる。また、光源の数は3個に限られるものではなく、2個または4個以上の光源を用いてもよい。この場合も、光源が3個である場合と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、光学系Aa〜Acが、それぞれ照度均一化部4a〜4c、リレーレンズ部5a〜5c、光変調部6a〜6cを備えている場合について説明したが光学系Aa〜Acを他の構成としてもよい。
図16は、本発明の実施の形態2に係る画像表示装置の他の構成を示すブロック図である。図16の各構成要素のうち図13に示す画像表示装置102と同一機能を達成する構成要素や図1に示す画像表示装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
図16に示すように、画像表示装置103は、光学系Aa〜Ac、電気制御系Br、光量観測系Ca〜Cc、光合成部30、照度均一化部4x、リレーレンズ部5x、光変調部6x、投射レンズ部7、スクリーン部8を有している。
そして、画像表示装置103の光学系Aaを光源部1a、集光レンズ部2a、光伝播部3aで構成し、光学系Abを光源部1b、集光レンズ部2b、光伝播部3bで構成し、光学系Acを光源部1c、集光レンズ部2c、光伝播部3cで構成している。
画像表示装置103では、光学系Aa〜Acの光伝播部3a〜3cを光合成部30に接続し、光合成部30を照度均一化部4xに接続している。電気制御系Brは、光源制御部60R、映像信号処理部70、光変調制御部80Rを有している。光変調制御部80Rは、光変調制御部80P,80Qと同様の機能を有しており、光変調部6xと光源制御部60Rに接続している。
画像表示装置103と画像表示装置102との違いは、画像表示装置103が、複数の光源から出射された光を集光レンズ部2a〜2c、光伝播部3a〜3cを経由して光合成部30に送るとともに、この光を光合成部30で合成して白色光にした後に、照度均一化以降の処理を行なう点と、光変調制御部80Rから光源制御部60Rにタイミング信号を送る点である。
つぎに、各光源部1a〜1cの発光タイミングについて説明する。図17は、各光源部による発光タイミングの一例を示す図である。図17では、1フレーム内で光源部1a〜1cがそれぞれ2回ずつ点灯する場合を示している。各光源部1a〜1cでは、垂直同期信号に基づいて、光源部1a、光源部1b、光源部1cの順番で光源(LED)から光を発光させていく。光変調部6xが1つである場合、光変調部6xに入射させて変調を行う光は、実施の形態1の画像表示装置101と同様に色毎に時分割させておく。
換言すると、光変調部6xが1つであり、光源部1a〜1cが色ごとに分かれている場合、それぞれの光源部1a〜1cの発光タイミングをずらしておく必要がある。光源制御部60Rは、光変調部6xにて光変調を行う色のタイミングに合わせて、対応する光源部1a〜1cを発光させるために、光変調制御部80Rからタイミング信号をもらい、各光源部1a〜1cの制御を行う。
つぎに、光源制御部60Rの構成について説明する。図18は、実施の形態2に係る光源制御部の他の構成を示す図である。光源制御部60Rは、電流指示値記憶部61a〜61c、定電流生成部62a〜62c、出力スイッチ63a〜63c、判定部64に加えて、点灯タイミング生成部65a〜65cを含んで構成されている。
光源制御部60Rでは、定電流生成部62a〜62cが、それぞれ点灯タイミング生成部65a〜65cを介して出力スイッチ63a〜63cに接続されている。また、点灯タイミング生成部65a〜65cへは、光変調制御部80Rから送られてくるタイミング信号CT’が入力される。
光源制御部60Rの構成と光源制御部60Qの構成とで異なる点は、光源制御部60Rが光変調制御部80Rから出力されるタイミング信号CT’を入力している点と、点灯タイミング生成部65a〜65cが配置されている点である。点灯タイミング生成部65a〜65cでは、光変調制御部80Rから送られてくるタイミング信号CT’に基づいて定電流生成部62a〜62cで生成される電流の出力スイッチ63a〜63c側への出力タイミングを制御する。これにより、光源部が複数で光変調部が1つの場合にも、光路上の障害を容易に検出することが可能となる。
なお、本実施の形態では、光伝播路3a〜3cごとに光量観測系Ca〜Cc(微分係数算出部50a〜50c、微分係数比較部51a〜51c)を配設したが、1つの光量観測系に光量観測系Ca〜Ccの機能を備えさせてもよい。この場合、1つの光量観測系Ca〜Ccでは光変調制御部80Rから送られてくるタイミング信号CT’に基づいて、光伝播路3a〜3cの何れから光量検出信号DLを受信したかを識別し、光伝播路3a〜3cごとの光路の障害を検出する。
このように、実施の形態2によれば、各光量観測系Ca〜Ccが、それぞれ光源部1a〜1cに対応する光路(光伝播部3a〜3cなど)の障害を検出するので、複数の光伝播部3a〜3cが配設される場合であっても、光伝播に障害が発生した場合には、光伝播の障害を容易に検知することが可能となる。
また、光伝播部3a〜3cで、光伝播に障害が発生した場合、全ての光源部の発光を停止させることができるので、光伝播に障害が発生した場合に、スクリーン部8に予期しない映像を表示することを防ぐことが可能となる。
実施の形態3.
つぎに、図19および図20を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、光伝播に障害が発生した場合に光源部1xから出射される光をシャッターで遮蔽する。
図19は、本発明の実施の形態3に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。図19の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像表示装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態3に係る画像表示装置104は、光学系Ay、電気制御系Bs、光量観測系Cxを有している。光学系Ayは、光源部1x、集光レンズ部2x、光伝播部3x、照度均一化部4x、リレーレンズ部5x、光変調部6x、投射レンズ部7、スクリーン部8に加えて、シャッター部40を備えている。本実施の形態では、光源部1xが、集光レンズ部2x、シャッター部40、光伝播部3xを介して照度均一化部4xに光を送る。
電気制御系Bsは、光源制御部60S、映像信号処理部70、光変調制御部80Sを有している。光源制御部60Sは、光源部1xに接続し、光変調制御部80Sは光源部1xと光変調部6xに接続している。また、微分係数比較部51xは、シャッター部40と接続し、微分係数算出部50xは、光量検出部10xと接続している。
実施の形態3に係る画像表示装置104と実施の形態1に係る画像表示装置101との違いは、画像表示装置104が集光レンズ部2xの直後(集光レンズ部2xと光伝播部3xの間)(光伝播部3xの初め)にシャッター部40を配設している点である。
シャッター部40は、光を遮断するシャッターを備えて構成されている。シャッターが開いている場合は、光源部1xを出射した光を光伝播部3xに通過させ、シャッターが閉じている場合は、光源部1xを出射した光を遮断して光伝播部3xに光を送らない。本実施の形態では、シャッター部40は、微分係数比較部51xから出力される制御信号CDLに基づいて、シャッターの開閉を行なう。
ここで、実施の形態3に係る画像表示装置104の光源制御部60Sの詳細構成について説明する。図20は、実施の形態3に係る画像表示装置の光源制御部の構成を示す図である。画像表示装置104の光源制御部60Sは、電流指示値記憶部61xと定電流生成部62xを含んで構成されている。
電流指示値記憶部61xは、電流指示値AIを記憶するメモリなどの記憶手段であり、定電流生成部62xに接続されている。定電流生成部62xは、外部から供給される電力をもとに、電流指示値記憶部61xが記憶している電流指示値AIに対応する電流量IOを光源部1xに出力する。
つぎに、実施の形態3に係る画像表示装置104の動作手順について説明する。なお、実施の形態1で説明した画像表示装置101の動作手順と同様の手順については、その説明を省略する。
光源部1xから出射された光は、集光レンズ部2cを通ってシャッター部40に入射する。シャッター部40では、微分係数比較部51xから出力される制御信号CDLに基づいて、シャッターの開閉を制御する。具体的には、微分係数比較部51xからの制御信号CDLが「1」の場合は、シャッターを開けておき、制御信号CDLが「0」の場合はシャッターを閉じる。
制御信号CDLが「1」の場合、シャッター部40のシャッターが開いているので、光源部1xを出射した光は、シャッター部40から光伝播部3xを経て照度均一化部4xに入射する。
一方、制御信号CDLが「0」の場合、シャッター部40のシャッターが閉ざされるので、光源部1xを出射した光は、シャッター部40で遮られ、光伝播部3xへは送られない。
なお、本実施の形態では、光源に光源部1x(ランプ11とカラーホイール12)を用いた場合を一例として説明したが、シャッター部40を用いて光を遮蔽する方法を、実施の形態2や実施の形態3で説明したような光源部1a〜1c(複数のLEDやレーザの光源)を用いた場合に適用してもよい。
このように、実施の形態3によれば、光伝播に障害が発生した場合に光源部1xから出射される光をシャッター部40で遮蔽するので、光伝播に障害が発生した場合に光源部1xから出射される光を容易かつ確実に遮断でき、スクリーン部8に予期しない映像を表示することを防ぐことが可能となる。
実施の形態4.
つぎに、図21および図22を用いてこの発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4では、光伝播に障害が発生した場合に光源部1xから出射される光をシャッターで遮蔽する。
図21は、本発明の実施の形態4に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。図21の各構成要素のうち図13に示す実施の形態2の画像表示装置102と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態4に係る画像表示装置105は、光学系Aa〜Ac、電気制御系Bq、光量観測系Ca〜Ccを有している。本実施の形態では、各光学系Aa〜Acの光伝播部3a〜3cが、それぞれ2つずつの光量検出部を配置している。光伝播部3aは、光量検出部9a,10aを配置し、光伝播部3bは、光量検出部9b,10bを配置し、光伝播部3cは、光量検出部9c,10cを配置している。
光量検出部9a,10aは、それぞれ光伝播部3aの端部に配置され、光量検出部9b,10bは、それぞれ光伝播部3bの端部に配置され、光量検出部9c,10cは、それぞれ光伝播部3cの端部に配置されている。光量検出部(前段光量検出部)9a〜9cは、それぞれ集光レンズ部2a〜2cの直後(光伝播部3a〜3cの前段)に配置され、光量検出部(後段光量検出部)10a〜10cは、それぞれ照度均一化部4a〜4cの直前(光伝播部3a〜3cの後段)に配設されている。
また、本実施の形態では、光量観測系Ca〜Ccがそれぞれ2つずつの微分係数算出部を有している。さらに、光量観測系Ca〜Ccは、それぞれ微分係数差分算出部91a〜91cを有している。
光量観測系Caは、光量検出部10aに接続する微分係数算出部50dと光量検出部9aに接続する微分係数算出部50eを有している。また、光量観測系Cbは、光量検出部10bに接続する微分係数算出部50fと光量検出部9bに接続する微分係数算出部50gを有している。また、光量観測系Ccは、光量検出部10cに接続する微分係数算出部50hと光量検出部9cに接続する微分係数算出部50iを有している。
そして、微分係数算出部50dと微分係数算出部50eが微分係数差分算出部91aに接続し、微分係数差分算出部91aが微分係数比較部51aに接続している。また、微分係数算出部50fと微分係数算出部50gが微分係数差分算出部91bに接続し、微分係数差分算出部91bが微分係数比較部51bに接続している。また、微分係数算出部50hと微分係数算出部50iが微分係数差分算出部91cに接続し、微分係数差分算出部91cが微分係数比較部51cに接続している。
画像表示装置105と図13に示した画像表示装置102との違いは、光伝播部3a〜3cの照度均一化部4a〜4c側の光量検出部10a〜10cに加え、集光レンズ部2a〜2c側にそれぞれ新たな光量検出部9a〜9cが追加されている点と、それぞれの光量検出部9a〜9c,10a〜10cの出力に対して微分係数算出部50d〜50iを備えている点と、微分係数差分算出部91a〜91cを備える点である。光量検出部9a〜9cは、光量検出部10a〜10cと同様の機能を有し、微分係数算出部50d〜50iは、微分係数算出部50a〜50cと同様の機能を有している。
微分係数差分算出部91aは、微分係数算出部50dから出力される微分係数信号DD1と微分係数算出部50eから出力される微分係数信号DD2との差分量を算出し、差分量を微分係数比較部51aに送る。
微分係数差分算出部91bは、微分係数算出部50fから出力される微分係数信号DD1と微分係数算出部50gから出力される微分係数信号DD2との差分量を算出し、差分量を微分係数比較部51bに送る。
微分係数差分算出部91cは、微分係数算出部50hから出力される微分係数信号DD1と微分係数算出部50iから出力される微分係数信号DD2との差分量を算出し、差分量を微分係数比較部51cに送る。
つぎに、実施の形態4に係る画像表示装置105の微分係数算出部50d〜50iの構成および動作手順と、微分係数差分算出部91a〜91cの構成および動作手順について説明する。なお、光量観測系Ca〜Ccは、はそれぞれ同様の構成および動作手順を有するので、ここでは光量観測系Caの微分係数算出部50d,50eと微分係数差分算出部91aの構成および動作手順について説明する。
図22は、実施の形態4に係る画像表示装置の微分係数算出部と微分係数差分算出部の構成を示す図である。微分係数算出部50d,50eは、それぞれ微分係数算出部50aと同様にA/D変換部52、データ保持部53、差分演算部54、絶対値処理部55を含んで構成されている。
微分係数算出部(前段変動量算出部)50dのA/D変換部52は、時間t1Nのタイミングで光量検出部10aから出力された光量検出信号DL1N(前段光量検出情報)をデジタル信号に変換してデータ保持部53に送る。また、微分係数算出部50dのA/D変換部52は、時間t1Nから所定の微小単位時間を経過した後の時間t1N+1のタイミングで光量検出部10aから出力された光量検出信号DL1N+1(後段光量検出情報)をデジタル信号に変換して差分演算部54に送る。
微分係数算出部50dの差分演算部54は、データ保持部53が保持しておいた時間t1Nでの光量検出信号DL1Nと、A/D変換部52からの時間t1N+1での光量検出信号DL1N+1の差分量を算出し、算出した差分量を絶対値処理部55に送る。微分係数算出部50dの絶対値処理部55は、差分演算部54からの差分量の絶対値をとり、微分係数信号DD1として微分係数差分算出部91aに送る。
また、微分係数算出部(後段変動量算出部)50eのA/D変換部52は、時間t2Nのタイミングで光量検出部9bから出力された光量検出信号DL2Nをデジタル信号に変換してデータ保持部53に送る。また、微分係数算出部50eのA/D変換部52は、時間t2Nから所定の微小単位時間を経過した後の時間t2N+1のタイミングで光量検出部10aから出力された光量検出信号DL2N+1をデジタル信号に変換して差分演算部54に送る。
微分係数算出部50eの差分演算部54は、データ保持部53が保持しておいた時間t2Nでの光量検出信号DL2Nと、A/D変換部52からの時間t2N+1での光量検出信号DL2N+1の差分量を算出し、算出した差分量を絶対値処理部55に送る。微分係数算出部50eの絶対値処理部55は、差分演算部54からの差分量の絶対値をとり、微分係数信号DD2として微分係数差分算出部91aに送る。
微分係数差分算出部(変動量変化値比較部)91aは、微分係数算出部50eの絶対値処理部55から送られてくる微分係数信号DD1(光量の変動量)と、微分係数算出部50eの絶対値処理部55から送られてくる微分係数信号DD2(光量の変動量)との差分値を算出する。微分係数差分算出部91aは、算出結果(変動量変化値)を、微分係数信号DDとして微分係数比較部51aに送出する。微分係数比較部(変化値判定部)51aは、微分係数差分算出部91aからの微分係数信号DDと閾値TDDとを比較し、比較結果に基づいて制御信号CDLを光源制御部60Qへ送る。
なお、本実施の形態では、光量観測系Caの光伝播部3aに2つの光量検出部9a,10aを配設する場合について説明したが、光伝播部3aに3つ以上の光量検出部を配設してもよい。光量観測系Caには、光量検出部と同数の微分係数算出部を配置し、各微分係数算出部から微分係数信号を微分係数差分算出部91aに送出する。微分係数差分算出部91aでは、各微分係数算出部から送られてくる微分係数信号の標準偏差、最大値と最小値の差分などを算出し、算出結果を微分係数比較部51aに送る。微分係数比較部51aへは、予め標準偏差の閾値、最大値と最小値の差分の閾値などを設定しておく。そして、微分係数比較部51aは予め設定しておいた閾値と微分係数差分算出部91aからの算出結果を比較し、比較結果に基づいて制御信号CDLを光源制御部60Qに出力する。
また、本実施の形態では、複数の光源部1a〜1cを有した画像表示装置105の各光伝播部3a〜3cに2つの光量検出部を配置した場合について説明したが、1つの光源部1xを有した画像表示装置101,104の光伝播部3xに2つの光量検出部を配置してもよい。
このように実施の形態4によれば、画像表示装置105は、光量検出部9a,10aによって検出された光量検出信号に変動があった場合(光量に対する微分係数が一定の閾値以上となった場合)であっても、同一光路中の複数の微分係数の間に差がない場合には光路中の光量の変動とみなさない。これにより、光源部1aの光量に意図的な変更(例えば電源投入等)が行われた場合は、光伝播部3aの異常とみなすことなく、不必要な光源制御を行わないようにさせることができる。