JP4826696B2

JP4826696B2 - Angiogenesis inhibitors

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Publication number: JP4826696B2
Application number: JP2003136601A
Authority: JP
Inventors: 崇高下; 明宏山下; 健夫石原
Original assignee: BHN Co Ltd
Current assignee: BHN Co Ltd
Priority date: 2003-04-07
Filing date: 2003-04-07
Publication date: 2011-11-30
Anticipated expiration: 2023-04-07
Also published as: JP2004307453A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は血管新生阻害剤に関する。より詳細には、担子菌類から得られるピログルタミン酸含有抽出物を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
血管新生とは、動物の組織又は器官においてプロテアーゼにより血管の基底膜が分解、破壊され、血管内皮細胞が遊走して増殖し、細胞外マトリックスへ接着し、血管内皮細胞が分化して血管腔を形成することにより新しい血管脈が生成する現象をいう。一般に、幼児期や成長期には新たな血管が形成され伸長するが、成長期を過ぎると体内で血管新生が起こる場面は限定される。すなわち、血管新生は黄体形成、排卵、胚発生、胎盤形成等の通常の生理条件下で観察され、損傷の治癒、炎症の修復過程でも起こる。このように、血管新生は健常な状態で発生し、組織の回復に重要な役割を担っているが、糖尿病をはじめ多くの慢性疾患において毛細血管が増加して組織に重篤な損傷をもたらすことも知られている。
【０００３】
血管新生が病因になり又は病態の悪化に関与している疾患として、悪性腫瘍の増大や転移、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、炎症性皮膚疾患、関節炎リウマチ、変形性関節症、粥状動脈硬化症、心筋梗塞等の閉塞性疾患等がある。
【０００４】
例えば、悪性腫瘍が増殖する際には、腫瘍細胞の増殖に必要な栄養や酸素を得るために腫瘍細胞が自ら血管新生促進因子による血管の新生を誘導し、新生された血管を通して栄養分を得て腫瘍細胞はさらに増殖する。他の臓器や部位への転移も血管新生を誘導し、血流にのって腫瘍細胞が移動する。又、糖尿病性網膜症の場合には、糖尿病による粘性血液よって毛細血管が詰まり障害を受け、網膜に出血や浮腫を生じ、これが慢性化すると網膜は酸素や栄養の不足を起こすため、網膜上や神経系乳頭上に新生血管が発生し、その周囲に繊維組織が形成される。この繊維組織によって網膜が引張り上げられたり（網膜剥離）、網膜の血管が引き裂かれて出血を起こし（硝子体出血）、やがて高度視力障害や失明に至る。
【０００５】
このように、血管新生は様々な疾病の発症や進行に深く関与しているため、これら疾病の治療と予防をねらいとして血管新生を抑制する物質の探索がこれまでに数多く行われ、現在も鋭意研究がすすめられている。血管新生を抑制する作用のある物質や薬剤として、硫酸化多糖体（例えば、特許文献１参照）、トラフェルミン、ヘパリン及びステロイド（例えば、特許文献２及び特許文献３参照）、アスコルビン酸エーテル及びこの関連化合物（例えば、特許文献４参照）、インターフェロンα又はインターフェロンβ（例えば、非特許文献１参照）、チアゾール誘導体（例えば、特許文献５参照）、鮫軟骨エキス（コンドロイチン及びムコ多糖類）（例えば、特許文献６参照）、ストレプトコッカス細菌由来のポリサッカライド（例えば、特許文献７参照）、Ｏ−置換フマギロール誘導体（例えば、特許文献８参照）、ネオアガロオリゴ糖（例えば、特許文献９参照）等が提案されている。
【０００６】
しかしながら、これまで血管新生を阻害する作用を示す物質として提案、検討された物質は、その効果が実用的ではない投与条件下での実験結果に基づくものであったり、副作用の懸念があったり、あるいは利用形態において多量に摂取しなければならず、実用面まで考慮するといずれも十分に満足できる効果を発揮し得るものではなかった。このため、血管新生をより強力に阻害し、安全性の点でも懸念のない物質を開発することが求められている。
【０００７】
【特許文献１】
特開昭６３−１１９５００号公報
【特許文献２】
米国特許第４，９９４，４４３号明細書
【特許文献３】
米国特許第５，００１，１１６号明細書
【特許文献４】
特開昭５８−１３１９７８号公報
【非特許文献１】
シドキー（Ｓｉｄｋｙ）ら，「キャンサー・リサーチ（ＣａｎｃｅｒＲｅｓｅａｒｃｈ）」，（米国），１９８７年，第４７巻，ｐ．５１５５−５１６１
【特許文献５】
特公平６−６２４１３号公報
【特許文献６】
特開平１０−１４７５３４号公報
【特許文献７】
特公平６−６２４２６号公報
【特許文献８】
特許第３１２０１８７号公報
【特許文献９】
特許第３０７１０６８号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明では、前記疾病の予防や治療に有効利用でき、血管新生を強力に抑制する新規な血管新生阻害剤を提供すること、又、これを産業上有効に活用できる態様の組成物として提供することを課題とした。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、多数の植物原料及びそのエキス類と血管新生阻害作用との関連性について鋭意検討を行った結果、ピログルタミン酸類が本発明の所望の効果を顕著に奏することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、ピログルタミン酸類、望ましくはピログルタミン酸を含む担子菌類の抽出物を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤が提供される。又、この血管新生阻害剤を配合してなる、血管新生の抑制、腫瘍の抑制、免疫の賦活等のための組成物、例えば、飲食品や医薬品が提供される。
【００１０】
本発明の血管新生阻害剤において、有効成分とするピログルタミン酸（２−ピロリドン−５−カルボン酸）は光学異性体のＬ体又はＤＬ体が好ましく、Ｌ体がより好ましい。又、ピログルタミン酸の誘導体は塩及び／又はアミドであることが好ましい。
【００１１】
本発明に係るピログルタミン酸及び／又はその誘導体は、その態様として天然物、その抽出物又は化学的合成物を採用することができるが、とりわけ担子菌類の子実体又は菌糸体の抽出物又は精製物を用いるものがよい。ここで、担子菌類はいわゆる茸類であり、シイタケ、エノキタケ、シメジ、ヒラタケ、アガリクス茸、メシマコブ茸、霊芝、ヤマブシ茸、カワラタケ、ハラタケ、マイタケ、ハナビラタケ、スエヒロタケ、シロキクラゲ、冬虫夏草からなる群から選ばれる１種又は２種以上を用いることが望ましい。
【００１２】
担子菌類の抽出物は、担子菌類から水で抽出し、次いで親水性有機溶媒を用いて抽出されたもの、あるいは、水及び／又は親水性有機溶媒と、疎水性有機溶媒とを用いて抽出されたものが望ましい。ここで、親水性有機溶媒はメタノール、エタノール、アセトン又はプロパノールがよく、疎水性有機溶媒はヘキサン又はクロロホルムが好ましい。
【００１３】
本発明によって提供される前述の血管新生阻害剤を配合してなる組成物は、血管新生を抑制するためのものであり及び／又は免疫を賦活するためのものであり、その望ましい態様は飲食品又は医薬品である。
【００１４】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の血管新生阻害剤及びその製造方法について詳述する。本発明の血管新生阻害剤が必須成分として含有するピログルタミン酸及びその誘導体において、ピログルタミン酸（２−ピロリドン−５−カルボン酸）は、グルタミン酸が分子内脱水して環状化した構造を有するものであり、化学的合成法、酵素法、あるいは天然物からの加水分解処理や抽出処理等によって得ることができる。いずれの方法から調製するにしろグルタミン酸の部分はＬ−グルタミン酸、Ｄ−グルタミン酸又はＤＬ−グルタミン酸の光学異性体を対象とすることができるが、本発明の効果の点からＬ−グルタミン酸又はＤＬ−グルタミン酸が好適であり、更にはＬ−グルタミン酸が最も好ましい。
【００１５】
ピログルタミン酸の誘導体としては塩及び／又はアミドが望ましい。この塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を例示でき、このうちナトリウム塩がより好適である。又、本発明のピログルタミン酸誘導体はエステルを対象にすることもでき、水及び／又は親水性有機溶媒に可溶かつ疎水性有機溶媒に不溶の性状を示すものが望ましく、その態様としてメタノール、エタノール、ｎ−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級一価アルコール類、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のヒドロキシ有機酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ショ糖、グルコース、ガラクトース、マルトース等の糖類との各エステルを例示することができる。
【００１６】
又、アミドとしては、各種アミノ酸とりわけ生体蛋白質を構成する中性アミノ酸（アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン、グルタミン）、酸性アミノ酸（アスパラギン酸、グルタミン酸）、塩基性アミノ酸（アルギニン、リジン）、ヒドロキシアミノ酸（セリン、スレオニン）、環状アミノ酸（ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン）、含硫アミノ酸（システイン、シスチン、メチオニン）等とのアミド類が好適であり、前記各種アミノ酸の組合わせからなるペプチドとのアミド類、前記各種アミノ酸とグルコース、ガラクトース等の糖類とからなるアミノ糖とのアミド類も対象にすることができる。
【００１７】
ピログルタミン酸及びその誘導体を化学的に合成するには公知の方法に従えばよく、その一例として、Ｌ−グルタミン酸と等重量の水とをオートクレーブ中で約１３０〜１５０℃程度に加熱処理するとＬ−ピログルタミン酸が得られ、又、約１９０〜２００℃程度まで強熱するとラセミ化してＤＬ−ピログルタミン酸を得ることができる。又、前記誘導体は、このＬ−ピログルタミン酸やＤＬ−ピログルタミン酸を出発物質として常法により前記各種誘導体を化学的あるいは酵素的に合成すればよい。
【００１８】
本発明に係るピログルタミン酸を天然物から調製するには、動植物や魚介類由来の蛋白質やペプチドを塩酸、プロテアーゼ等により加水分解し、更に分別精製する方法を利用できる。より望ましくは、担子菌類の子実体又は菌糸体を原料として用い、これを乾燥して粉末物となした後、抽出溶媒を用いて処理して抽出液となし、濃縮液となし、又、この抽出液や濃縮液を乾燥処理して抽出物となし、更には有機溶媒、吸着剤等を用いて分別、分画処理して高濃度の精製物となすことにより可能となる。本発明ではこれらをピログルタミン酸及び／又はその誘導体の好適な態様として利用する。
【００１９】
ここで、担子菌類としてはシイタケ、エノキタケ、シメジ、ヒラタケ、アガリクス茸、メシマコブ茸、霊芝、ヤマブシ茸、カワラタケ、ハラタケ、マイタケ、ハナビラタケ、スエヒロタケ、シロキクラゲ、冬虫夏草からなる群から選ばれる１種又は２種以上のものを用いることが望ましい。これらのキノコの子実体はいずれも人工的に栽培され又は多量に収穫されて流通しており、容易に入手可能であり、生のまま、乾燥物、その粉末や抽出エキス等として食用に供されている。また、シイタケ、カワラタケ、スエヒロタケのように抽出物に含まれる多糖体が医薬品として利用されているものもある。本発明では、所望の効果からみて、アガリクス茸、メシマコブ、霊芝、ヤマブシ茸及び冬虫夏草からなる群から選択される１種又は２種以上がより好適であり、アガリクス茸が最も望ましい。
【００２０】
アガリクス茸はハラタケ科のキノコで、アガリクス（Ａｇａｒｉｃｕｓ）属に属するものをいい、アガリクスブラゼイムリル（ＡｇａｒｉｃｕｓｂｌａｚｅｉＭｕｒｉｌｌ）、マッシュルーム（Ａｇａｒｉｃｕｓｂｉｓｐｏｒｕｓ）等を例示できる。前者は多糖体（β−Ｄ−グルカン）や多糖蛋白複合体を含み、抗腫瘍作用、血糖低下作用等があることが知られている。メシマコブ（Ｐｈｅｌｌｉｎｕｓｌｉｎｔｅｕｓ）はタバコウロコタケ科のキノコで、その熱水抽出物の多糖体が抗癌作用を示すといわれている。霊芝（Ｇａｎｏｄｅｒｍａｌｕｃｉｄｕｍ）はサルノコシカケ科のキノコでマンネンタケとも呼ばれ、テルペノイドや多糖体による抗アレルギー作用、抗腫瘍作用、血圧安定化作用、プロテオグリカンによる血糖低下作用等が知られている。ヤマブシ茸（Ｈｅｒｉｃｉｕｍｅｒｉｎａｃｅｕｍ）はサンゴハリタケ科に属し、ヘテロβ−Ｄ−グルカン成分による抗癌作用や活性酸素消去作用が知られている。
【００２１】
本発明では、前記担子菌類の子実体は生のままあるいは乾燥物のいずれも原料として使用できるが、取扱い上、保存性及び抽出効率等の点から乾燥物がよい。又、菌糸体は適当な炭素源と窒素源を含む培地を用いて種菌を培養して得られる生あるいは乾燥菌糸体を利用できるが、子実体同様に乾燥物が簡便である。
【００２２】
本発明においては、前記担子菌類の子実体又は菌糸体から本発明に係るピログルタミン酸含有抽出物を製造するために、水で抽出し、次いで親水性有機溶媒を用いて抽出すること、あるいは、水及び／又は親水性有機溶媒と、疎水性有機溶媒とを用いて抽出することを特徴とする。疎水性有機溶媒のみによる抽出物では本発明の所望の効果をほとんど発現しない。親水性有機溶媒はメタノール、エタノール、ｎ−プロパノール、イソプロパノール又はアセトンが好ましく、疎水性有機溶媒はヘキサン又はクロロホルムが好ましい。親水性有機溶媒は水との混合物でもよく、親水性有機溶媒及び疎水性有機溶媒の各々は単一物を用いても混合溶媒で使用しても差し支えない。又、両者を混合した形態も好適である。本発明の血管新生阻害剤の有効成分を抽出する上で重要なことは、水及び／又は親水性有機溶媒、あるいはこれと疎水性有機溶媒との混合溶媒を用いて水性成分を主体とする抽出物を得、ついで親水性有機溶媒で水溶性のより高い糖類、アミノ酸等の易溶性成分を分別して除去し、又、疎水性有機溶媒で脂質類等の油性成分を分別除去する点にある。
【００２３】
親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒を混合して用いる場合の混合比率（容量比）は、前者／後者＝９／１〜１／９、より好ましくは５／１〜１／５、最も好ましくは３／１〜１／１である。前記範囲を外れると本発明の必須成分の抽出効率が低下し又は所望の効果が得られないことがある。抽出溶媒は子実体や菌糸体の乾燥物、抽出物に対して３〜２０倍（重量基準）程度用いる。３倍未満では抽出物の収率が低く、逆に２０倍を超える多量を使用しても抽出効率がさらに向上することはない。
【００２４】
抽出処理は、担子菌類の子実体又は菌糸体と前記抽出溶媒とを接触させ、常圧ないし加圧下、より好ましくは１〜３気圧下で、室温ないし１００℃付近で適宜に攪拌しながら又は還流させて約１０分〜約１０時間抽出することにより抽出液を得ることができる。該抽出液を減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の処理に供して溶媒を除去し、担子菌類の抽出物を調製することができる。また、前記抽出物を親水性有機溶媒及び疎水性有機溶媒で分別処理することによって本発明の必須成分の含量がさらに高められた濃縮物とすることができ、さらにシリカゲル、活性アルミナ、ケイ酸マグネシウム、活性炭、セルロース、イオン交換樹脂等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーに供して分画処理することにより高濃度の精製物を製造することができる。
【００２５】
前述のように、化学的合成法又は担子菌類からの抽出法により調製されるピログルタミン酸及び／又はその誘導体、これを含有する抽出液、抽出物、濃縮物及び精製物は、これらをそのまま又は適当な担体、賦型剤、添加物等を併用して本発明の血管新生阻害剤となすことができる。本発明の血管新生阻害剤では、本発明の趣旨に反しないかぎり種々の原料や成分を併用して配合することができ、例えば、通常の食品や医薬品に使用される賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料等がよい。又、血管新生を抑制する作用をもつ公知の素材を併用することは本発明の望ましい態様のひとつである。
【００２６】
次に、本発明の血管新生抑制及び／又は免疫賦活のための組成物について説明する。この組成物は、前記のピログルタミン酸類、望ましくは前記担子菌類から得られるピログルタミン酸含有抽出物を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤を配合してなることを特徴とするものである。後述するように、本発明の血管新生阻害剤は、これを経口摂取することにより血管新生抑制作用を発現することに加えて、抗腫瘍作用すなわち腫瘍の増殖抑制作用及び転移抑制作用を示し、更には免疫増強作用をも発現する。したがって、かかる血管新生阻害剤は前記作用を有する組成物として活用でき、該組成物の具体的な態様としては飲食品、医薬品、ペットフード、家畜・家禽用飼料等を例示できる。とりわけ飲食品及び医薬品が好適である。
【００２７】
この飲食品の態様としては、前記の担子菌類の乾燥粉末、抽出物若しくは精製物等をそのまま又はこれを含む前記血管新生阻害剤を液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状の食品、例えば、果実飲料、清涼飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ケーキミックス、ふりかけ、味噌、醤油、ドレッシング、マヨネーズ、焼肉のたれ等の調味料、麺類、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ジャム、牛乳、クリーム、バターやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー等に添加した形態となすことができる。
【００２８】
また、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉又はその加工素材、セルロース末等の賦形剤、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、たん白質、糖質、色素、香料、その他の前記食用添加剤等と共に粉末、顆粒、ペレット、錠剤等に加工したり、ゼラチン等で被覆してカプセルに成形したり、あるいはドリンク類にして、栄養補助食品や健康食品として利用できる。このとき、血管新生阻害作用を有する公知の食用素材を併用した組成物は好適である。なお、本発明の飲食品は極めて多種類の形態にわたり、前記の例示に限定されるものではないが、前記の栄養補助食品や健康食品の形態が望ましい。
【００２９】
本発明では、飲食品における本発明の血管新生阻害剤の配合量は、当該飲食品の種類、形態、利用目的や配合する血管新生阻害剤の種類、形態等により一律に規定し難いが、一般の加工食品類に添加する場合では、ピログルタミン酸ベースで概ね０．０１〜５０重量％、より好ましくは０．１〜３０重量％である。この範囲を外れて少ないと経口摂取による本発明の所望効果が小さく、逆に多すぎると飲食品の種類によっては風味を損ねたり、当該飲食品を調製することが不可能になる場合がある。なお、本発明の血管新生阻害剤はそのまま食用に供しても差し支えない。
【００３０】
本発明の医薬品としての態様は、前記の血管新生阻害剤に本発明の趣旨に反しない公知の賦形剤や添加剤を必要に応じて加え、常法により加工して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤等の製剤となしたものである。これを経口投与あるいは経腸投与、血管投与又は皮内投与して、血管新生の抑制、腫瘍の抑制、免疫賦活のうちの少なくとも１つの作用効果を発現させるために利用でき、及び、血管の新生、腫瘍の増殖や転移、免疫能の低下等にともなう各種疾病の予防又は治療のために適用することができる。本発明の血管新生阻害剤の配合量はその形態や前記医薬用製剤の種類、形態、用法及び用量等により一律に設定し難いが、ピログルタミン酸ベースで概ね０．０１〜７０重量％である。経口投与する場合の摂取量は特に限定されるものではないが、ピログルタミン酸をベースとして、成人（体重５０Ｋｇ）１日あたり０．０１〜２０ｇ、より好ましくは０．１〜１０ｇである。この範囲を外れて少ないと所望の効果が低下し、逆に多すぎても更に顕著な効果を期待できない。
【００３１】
【実施例】
実施例１
アガリクス茸（アガリクスブラゼイムリル）の乾燥子実体を粗砕し、クロロホルム／メタノール＝１／１混液を加えて５０℃に加温して１時間抽出処理し、クロロホルム／メタノール＝１／１抽出物を得た。該抽出物にメタノールを加えてマンニトールを含むメタノール不溶物を除きメタノール可溶部を分取し、このメタノール可溶部にさらにヘキサンを添加してヘキサン不溶部（試料１）を採取した。次に、ヘキサン不溶部をシリカゲルカラムクロマトグラフィ（ｓｉｌａｎｉｓｅｄＳｉｌｉｃａｇｅｌ６０ＰＦ２５４：Ｍｅｒｃｋ７７５１、水／メタノール＝７／３）に供してニンヒドリン反応陽性画分（フラクションＮｏ．５、６）を分取した。ついで、該画分をＨＰＬＣ（ＳｈｉｍａｄｚｕＬＣ−８Ａシステム：ＳｈｉｍｐａｋＰＲＥＰ−ＯＤＳ（Ｍ）、カラム：２０φ×２５０ｍｍ、Ｓｈｉｍａｄｚｕ、ＲＴ、６ｍｌ／ｍｉｎ、水／メタノール＝５／１）に供してニンヒドリン反応陽性画分（Ｒｔ＝６〜１２ｍｉｎ）を分取した。更に該画分をＨＰＬＣ（ＳｈｉｍａｄｚｕＬＣ−８Ａシステム：ＳｈｉｍｐａｋＰＲＥＰ−ＯＤＳ（Ｍ）、カラム：２０φ×２５０ｍｍ、Ｓｈｉｍａｄｚｕ、ＲＴ、６ｍｌ／ｍｉｎ、水）に供してニンヒドリン反応陽性画分（Ｒｔ＝８〜２２ｍｉｎ）を分取した。このニンヒドリン反応陽性画分を更にＴＬＣ（Ｓｉｌｉｃａｇｅｌ６０ＰＦ２５４：Ｍｅｒｃｋ７７４７、水／メタノール＝１／１００）に供して精製し、次の物質が含まれていることを確認した。
【００３２】
すなわち、ＴＬＣ（Ｓｉｌｉｃａｇｅｌ６０、プレコートＴＬＣ：Ｍｅｒｃｋ５７１５、水／メタノール＝１／１００）分析の結果、アラニン（Ｒｆ＝０．２７付近、ニンヒドリン陽性）、プロリン（Ｒｆ＝０．２０付近、ニンヒドリン陽性）、ガンマアミノ酪酸（Ｒｆ＝０．１５付近、ニンヒドリン陽性）及び未知物質（Ｒｆ＝０．４０付近、ニンヒドリン陰性）が４９：５：２５：２１（重量比）の割合で存在することを認めた。次いで、該未知物質をＮＭＲスペクトル分析（装置：ＶａｒｉａｎＵｎｉｔｙＩｎｏｖａ５００）及び質量スペクトル分析（装置：日立製作所（株）製、Ｍ−４０００Ｈ）に供し、^１Ｈ−ＮＭＲスペクトル（δｐｐｍ，Ｄ_２Ｏ）：２．０９、２．３９（それぞれ１Ｈ，ｍ，Ｈ−３）、２．５０（２Ｈ，ｍ，Ｈ−４）、４．２２（１Ｈ，ｄｄ，Ｊ＝５．２及び９．０Ｈｚ）であり、^１３Ｃ−ＮＭＲスペクトル（δ ｐｐｍ，Ｄ_２Ｏ）：１８４（ＣＯＯＨ又は−Ｃ＝Ｏ−）、１８２（−Ｃ＝Ｏ−）、５７（−ＣＨ−）、３２（−Ｏ＝Ｃ−ＣＨ_２−）、２８（−ＣＨ_２−ＣＨ_２−）であり、質量スペクトル（ｍ／ｚ）：４２、８４及び１２９（Ｍ＋）である結果を得た。又、旋光分散（ＯＲＤ）スペクトル分析（日本分光（株）製、ＯＲＤ／ＵＶ−

から、前記未知物質をＬ−ピログルタミン酸と同定した。
【００３３】
実施例２
１０リットル容培養装置を用い、グルコース：５重量％、酵母エキス：０．５重量％、ポリペプトン：１．５重量％を含む培地で、メシマコブの種菌培養液（１リットル）を２６℃にて７日間、通気（２ｖｖｍ）しながら撹拌（１５０ｒｐｍ）培養して培養菌糸体（２００ｇ）を採取した。これを乾燥及び粉砕処理して菌糸体粉末とし、ヘキサン／エタノール／水＝３／４／１混合溶媒を加え４０℃に加温して３０分間抽出処理して可溶物（試料２）を得た。該可溶物を更にエタノールで分別処理してエタノール可溶部を分取し、該エタノール可溶部をヘキサンで分別処理してヘキサン不溶部を採取した。ついで、実施例１と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィ、ＨＰＬＣ、ＴＬＣによる分画・精製処理を行い、質量分析及びＮＭＲ分析等の結果からＬ−ピログルタミン酸の存在を確認した。
【００３４】
実施例３
常法によりＬ−ピログルタミン酸ナトリウムを調製した。すなわち、撹拌機付きフラスコに３０重量％Ｌ−ピログルタミン酸水溶液を仕込み、室温でゆるやかにかきまぜながら０．５Ｎ水酸化ナトリウム水溶液をＰＨ変動がなくなるまで添加し、ついで塩析処理した後、乾燥してＬ−ピログルタミン酸ナトリウム（試料３）を得た。
【００３５】
実施例４
実施例３において、原料のＬ−グルタミン酸をＤＬ−グルタミン酸に置換えることを除き同様に処理し、ＤＬ−ピログルタミン酸ナトリウム（試料４）を調製した。
【００３６】
実施例５
アガリクスブラゼイムリルの乾燥子実体を粗砕して水を加え、常法により８０〜９５℃で熱水抽出処理し、該抽出液を減圧下に乾燥処理してアガリクス茸熱水抽出物を調製し、該抽出物の４０重量％水溶液に３倍（重量）のエタノールを加えて混合した後エタノール層を採取し、減圧乾燥してエタノール可溶物を得、該可溶物を５倍（重量）のヘキサンで洗浄後減圧乾燥してヘキサン不溶物（試料５）を調製した。
【００３７】
比較例１
アガリクスブラゼイムリルの乾燥子実体を粗砕して水を加え、常法により８０〜９５℃で熱水抽出処理し、該抽出液を減圧下に乾燥処理して市販品に相当するアガリクス茸熱水抽出物（比較試料１）を調製した。
【００３８】
試験例１
本発明に係るピログルタミン酸、その誘導体、これらを含有する各種加工処理物の血管新生阻害作用を、Ｐａｓｓａｎｉｔｉらの方法（ＬａｂｏｒａｔｏｒｙＩｎｖｅｓｔ．、第６７巻、第５１９頁〜第５２８頁、１９９２年）により、マトリゲル^ＴＭマトリックス（ＭＡＴＲＩＧＥＬ^ＴＭｍａｔｒｉｘ、ＢｅｃｔｏｎＤｉｋｉｎｓｏｎＬａｂｗａｒｅ社製、細胞培養基材、以下ＭＡＴＲＩＧＥＬと略記する。）によって誘導される血管新生の度合いから調べた。
【００３９】
すなわち、５週齢のＣ５７ＢＬ／６雌性マウス（日本チャールスリバー（株）から購入）を１週間予備飼育後、健常なマウス（１群５匹）を用い、以下に示す試験物を前記マウスの腹部皮下に冷却しながら０．５ｍｌずつ移植し、移植後６日目にＭＡＴＲＩＧＥＬを取り出して血管新生の状態を観察した。又、それを凍結乾燥して重量を測定した。更に、取り出したＭＡＴＲＩＧＥＬに純水１ｍｌを加え、ポリトロンでホモジネートして２０００ｒｐｍで５分間遠心分離した後、上清を０．２μｍのフィルターで濾過し、ヘモグロビン−テストワコー^ＴＭ（和光純薬（株）製）を用いてヘモグロビン量を測定した。
【００４０】
・通常群：Ｍａｔｒｉｇｅｌ
・対照群：Ｍａｔｒｉｇｅｌ＋ヘパリン（６４ユニット）＋酸性線維芽細胞増殖因子（以下、ａ−ＦＧＦと略す。）（１ｎｇ／ｍｌ）
・試験物添加群１：対照群の組成物＋試料３（８００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群２：対照群の組成物＋試料３（４００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群３：対照群の組成物＋試料３（２００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群４：対照群の組成物＋試料４（８００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群５：対照群の組成物＋試料１（６００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群６：対照群の組成物＋試料２（８００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群７：対照群の組成物＋試料１及び試料３（各２００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群８：対照群の組成物＋試料５（６００μｇ／ｍｌ）
・試験物添加群９：対照群の組成物＋比較試料１（８００μｇ／ｍｌ）
【００４１】
試験結果を表１に示した。表中の数値はｎ＝５、平均値±標準誤差で表示した。同表から明らかなように、対象群では通常群と比較して、血管新生が著しく促進され、ＭＡＴＲＩＧＥＬの重量及びヘモグロビン量が増加した。これに対して、試験物添加群では、試料３（Ｌ−ピログルタミン酸塩）のとき濃度依存的にＭＡＴＲＩＧＥＬの重量及びヘモグロビン量の増加が抑えられ、血管新生が抑制されることが認められ、試料４（ＤＬ−ピログルタミン酸塩）でもやや低いが同様の血管新生抑制作用が認められた。又、試料１（アガリクス茸抽出物の精製物）、試料２（メシマコブの抽出物）でも強力な血管新生抑制効果があることが明らかになった。なお、比較試料１（アガリクス茸の熱水抽出物）では血管新生抑制効果は小さかった。又、アラニン、プロリン及びガンマアミノ酪酸についても同様に血管新生阻害作用の有無を試験したが、これらの物質には血管新生阻害作用は認められなかった。
【００４２】
【表１】

【００４３】
試験例２
本発明に係わる各種試料について、腫瘍の増殖抑制作用及び転移抑制作用を以下の方法で試験し評価した。すなわち、理化学研究所から分譲を受けたルイス肺癌（以下、ＬＬＣと略す。）細胞をリン酸・生理食塩緩衝液（ｐＨ７．４）に懸濁させた。一方、６週齢のＣ５７ＢＬ／６Ｊ雌性マウス（日本クレア（株）から購入。）を１週間予備飼育後、健康なマウス（１群８匹）をネンブタール麻酔下に小切開を加え、脾臓を露出させてＬＬＣ細胞懸濁液（ＬＬＣ細胞数：１×１０^５）を注入した後、直ちに小切開を縫合した。ＬＬＣ細胞移植１２時間後から、アガリクス茸抽出物（試料１）１００ｍｇ／Ｋｇ（体重）又は３００ｍｇ／Ｋｇ（体重）を１日１回、３０日間連続して経口投与した。正常群及び対照群（ＬＬＣ担癌マウス）には試料１の代わりに蒸留水を投与した。この試験期間中、癌細胞の増殖度は３〜５日毎に癌組織容積量（長径×短径^２／２で算出）を測定した。癌移植後３１日目に各群のマウスをエーテル麻酔下、ヘパリン加静脈採血し、血中の白血球数、赤血球数及びヘモグロビン量を血球コールカウンターで測定し、又、マウスを採血屠殺後、癌組織、肝臓、肺、脾臓及び胸腺を摘出して各組織の重量を測定し、併せて肺組織に転移した癌細胞コロニー数を実体顕微鏡下で計測した。
【００４４】
ＬＬＣ細胞移植マウスにおける腫瘍組織の容積量を表２に、癌組織及び各臓器の重量を表３に、又、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン量及び肺への転移コロニー数を表４にそれぞれ示した。なお、各表中の数値は平均値±標準誤差で示し、有意差検定はＦｉｓｈｅｒ‘ｓＰｒｏｔｅｃｔＬＳＤＴｅｓｔで実行してＰ＜０．０５を有意差とした。
【００４５】
【表２】

【００４６】
【表３】

【００４７】
【表４】

【００４８】
表２のデータから、ＬＬＣ細胞の移植により腫瘍の容積は、対照群（担癌マウス）では経時的に増大するが、試験物（試料１：ピログルタミン酸を含むアガリクス茸抽出物）を経口摂取させた群では濃度依存的に増加が阻害されており、ＬＬＣ細胞の増殖が抑制されていることが明らかになった。
【００４９】
表３から、腫瘍の重量は、試験物の摂取によって明らかに増加が抑制されており、最終体重及び脾臓を除く各臓器の重量は、正常群、ＬＬＣ細胞移植群（対照群）及び試験物投与群間において有意な差異は認められなかった。脾臓重量は、対照群では増加するが、試験物投与群では増加の抑制が認められ（Ｐ＜０．０５で有意差あり）、試験物（試料１）の経口摂取によりＬＬＣ細胞の増殖抑制を裏付ける知見を得た。
【００５０】
表４のデータから、白血球数は、対照群では正常群に比べて有意に増加するが、試験物投与群との間では有意差は認められなかった。赤血球数及びヘモグロビン量は、対照群において著しく低下して貧血状態を示したが、試験物投与群では有意に増加し（Ｐ＜０．０５）、アガリクス茸抽出物（試料１）の経口投与によって貧血状態が正常付近まで回復したことが明らかになった。又、肺臓におけるＬＬＣ細胞の転移コロニー数は、対照群と比較して試験物投与群で有意に減少しており、ピログルタミン酸を含有するアガリクス茸抽出物（試料１）の経口摂取により癌細胞の転移が抑制されることを認めた。
【００５１】
試験例３
本発明に係わる試料について免疫機能に及ぼす影響を以下の方法で試験し評価した。すなわち、試験例２で摘出した脾臓から脾細胞を分離し、該脾細胞をリンパ球分離液（大日本製薬（株）製「リンパ球分離溶液」）に重層し、２０００ｒｐｍで３０分間遠心分離してリンパ球を分離した。又、混在する赤血球は低張溶液で処理し除去した。次に、リンパ球数を計測し、１×１０^６細胞数／１００μＬに調整し、各種細胞表面抗原の抗体（大日本製薬（株）製の「ＣＤ４、抗マウス、ＦＩＴＣ標識」、「ＣＤ８、抗マウス、ＦＩＴＣ標識」及び「ＮＫ１．１、抗マウス、Ｒ−ＰＥ標識」）１０μＬを加え、４℃で３０分間反応させた後、リン酸緩衝液（和光純薬（株）製、生化学分析用試薬）で２回洗浄し、該リン酸緩衝液を加えて１ｍＬとしフローサイトメトリーを用いてＣＤ４^＋、ＣＤ８^＋及びＮＫ１．１^＋Ｔ各細胞数を測定した。この結果を表５に示した。
【００５２】
【表５】

【００５３】
表５のデータから、脾臓中のリンパ球数は、対照群（担癌マウス）において、正常群と比較して有意に低下したが、試験物投与群ではこの低下が抑制された。又、脾臓中のＣＤ４^＋Ｔ細胞及びＣＤ８^＋Ｔ細胞も、対照群では正常群と比べて有意に低下したが、試験物（試料１）の摂取により両細胞数の減少が阻害され、ＮＫ１．１^＋Ｔ細胞数が増加することが認められた。これらの知見から、ピログルタミン酸を含むアガリクス茸抽出物の経口摂取により免疫機能が増強されることが明らかになった。
【００５４】
実施例６
試料５：ウーロン茶葉粉末：グアバ葉熱水抽出物＝３：２：１（重量比）からなる本発明の血管新生阻害剤１０Ｋｇを化工澱粉（松谷化学（株）製、商品名：「パインフロー」）７．０Ｋｇ、第三リン酸カルシウム０．５Ｋｇ、ビタミンＢ_１０．４Ｋｇ、ビタミンＢ_２０．４Ｋｇ、ビタミンＢ_６０．５Ｋｇ及びビタミンＣ１．２Ｋｇとともに配合機に仕込み１０分間攪拌混合した。該混合物を直打式打錠機に供給して１粒あたり直径７ｍｍ、高さ４ｍｍ、重量１５０ｍｇのタブレットを作成した後、コーティング機でシェラック薄膜をコーティングして錠剤形状の食品を試作した。この錠剤は、体内の免疫力を高めたり、糖尿病や癌等の生活習慣病の予防を目的として利用できる。
【００５５】
実施例７
家庭用ホイッパーにバター１２０ｇ、ショートニング１００ｇ、上白糖１００ｇ及び牛乳１００ｍＬを入れ、攪拌しながら鶏卵１個を加えて十分に混合した後、薄力粉２００ｇ、ベーキングパウダー２ｇとともに試料１：試料２：試料３＝２：２：１（重量比）の混合物からなる本発明の血管新生阻害剤３０ｇを添加して十分に捏ねあわせた。これを３０分間ねかせた後、金型で５０個に分割し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作した。
【００５６】
実施例８
市販の野菜ジュース１Ｌに、試料３：試料５：葡萄種子エキス（インターヘルス社製、商品名：「アクティビン」）＝１：２：１（重量比）からなる本発明の血管新生抑制剤２０ｇを加えて混合し、体内組織の酸化防止、悪性腫瘍、関節リウマチ、糖尿病等の予防のための野菜ジュースを試作した。これは原料に用いた野菜ジュースと比較して何ら遜色のない風味を有していた。
【００５７】
実施例９
試料１／試料５＝１／１（重量比）の混合物１００Ｋｇ、イチョウ葉エキス２０Ｋｇ、鮫軟骨エキス３０Ｋｇ、ミツロウ１０Ｋｇ及びコーン油１４０Ｋｇの割合の原料を８０℃に加温しながら十分に混合して均質な混合物とした。これをカプセル充填機に供給して１粒内容量が２５０ｍｇのゼラチン被覆カプセル製剤を試作した。この製剤は経口摂取が可能な食用組成物（飲食品）又は医薬用組成物（医薬品）として利用できる。
【００５８】
【発明の効果】
本発明によれば、ピログルタミン酸及び／又はその誘導体を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤が提供される。ここで、ピログルタミン酸がＬ型であり、ピログルタミン酸誘導体が塩又はアミドであり、ピログルタミン酸及び／又はその誘導体が化学的合成物や、アガリクス茸、メシマコブ等の担子菌類の子実体又は菌糸体から得られる抽出物であるとき、さらに顕著な血管新生阻害効果を発現する。又、本発明によれば、前記血管新生阻害剤による抗腫瘍及び免疫賦活等の作用が確認され、これを配合してなる組成物が提供される。該組成物は生体免疫機能の増強や病因となる血管新生をともなう各種疾病の治療や予防のための医薬品、飲食品等として利用できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an angiogenesis inhibitor. More specifically, pyroglutamic acid obtained from basidiomycetes Contained extract The present invention relates to an angiogenesis inhibitor comprising as an active ingredient.
[0002]
[Prior art]
Angiogenesis refers to the degradation and destruction of the vascular basement membrane by proteases in animal tissues or organs, migration and proliferation of vascular endothelial cells, adhesion to the extracellular matrix, and differentiation of vascular endothelial cells into vascular spaces. This is a phenomenon in which a new blood vessel is generated. In general, new blood vessels are formed and stretched during infancy and growth, but the scenes in which angiogenesis occurs in the body after the growth phase are limited. That is, angiogenesis is observed under normal physiological conditions such as luteinization, ovulation, embryogenesis, and placenta formation, and also occurs in the process of healing wounds and repairing inflammation. In this way, angiogenesis occurs in a healthy state and plays an important role in the recovery of tissues, but in many chronic diseases including diabetes, the increase of capillaries causes serious damage to tissues. Is also known.
[0003]
Diseases that cause angiogenesis or are associated with worsening pathological conditions include growth and metastasis of malignant tumors, diabetic retinopathy, neovascular glaucoma, inflammatory skin diseases, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, and sagittal artery There are occlusive diseases such as sclerosis and myocardial infarction.
[0004]
For example, when a malignant tumor grows, in order to obtain nutrients and oxygen necessary for the growth of the tumor cells, the tumor cells themselves induce the formation of blood vessels by angiogenesis-promoting factors and obtain nutrients through the newly formed blood vessels. Tumor cells grow further. Metastasis to other organs or sites also induces angiogenesis, and tumor cells move along the bloodstream. In the case of diabetic retinopathy, capillaries are clogged by the viscous blood due to diabetes, resulting in bleeding and edema in the retina. When this becomes chronic, the retina causes a lack of oxygen and nutrients. New blood vessels develop on the nervous system papillae, and fibrous tissue is formed around them. This fiber tissue pulls up the retina (retinal detachment), tears the blood vessels of the retina, causes bleeding (vitreous hemorrhage), and eventually leads to severe visual impairment and blindness.
[0005]
As described above, angiogenesis is deeply involved in the onset and progression of various diseases. Therefore, many substances have been searched for to suppress angiogenesis with the aim of treating and preventing these diseases. Research is being promoted. Examples of substances and drugs having an action of inhibiting angiogenesis include sulfated polysaccharides (see, for example, Patent Document 1), trafermin, heparin and steroids (for example, see Patent Documents 2 and 3), ascorbic acid ether and Related compounds (for example, see Patent Document 4), interferon α or interferon β (for example, see Non-Patent Document 1), thiazole derivatives (for example, see Patent Document 5), shark cartilage extract (chondroitin and mucopolysaccharide) (for example, Patent Document 6), polysaccharides derived from Streptococcus bacteria (for example, see Patent Document 7), O-substituted fumagillol derivatives (for example, see Patent Document 8), neoagaro-oligosaccharides (for example, see Patent Document 9) and the like have been proposed. ing.
[0006]
However, the substances that have been proposed and studied as substances exhibiting the action of inhibiting angiogenesis so far are based on experimental results under administration conditions where the effect is not practical, there are concerns about side effects, Alternatively, it must be ingested in a large amount in the form of use, and none of them can exhibit a sufficiently satisfactory effect when considering practical use. For this reason, it is required to develop a substance that more strongly inhibits angiogenesis and has no safety concerns.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-63-119500
[Patent Document 2]
US Pat. No. 4,994,443
[Patent Document 3]
US Pat. No. 5,001,116
[Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 58-131978
[Non-Patent Document 1]
Sidky et al., “Cancer Research”, (USA), 1987, 47, p. 5155-5161
[Patent Document 5]
Japanese Examined Patent Publication No. 6-62413
[Patent Document 6]
JP-A-10-147534
[Patent Document 7]
Japanese Patent Publication No. 6-62426
[Patent Document 8]
Japanese Patent No. 3120187
[Patent Document 9]
Japanese Patent No. 3071068
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the current situation, the present invention provides a novel angiogenesis inhibitor that can be effectively used for the prevention and treatment of the above-mentioned diseases, and that strongly suppresses angiogenesis, and is an aspect in which this can be effectively utilized industrially. It made it the subject to provide as a composition.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have conducted extensive studies on the relationship between a large number of plant raw materials and their extracts and angiogenesis inhibitory action, and as a result, pyroglutamic acids have the desired effects of the present invention. As a result, the present invention has been completed. That is, according to the present invention, pyroglutamic acid , Preferably an extract of basidiomycetes containing pyroglutamic acid Is provided as an active ingredient. In addition, compositions for inhibiting angiogenesis, suppressing tumors, stimulating immunity, and the like, for example, foods and drinks and pharmaceuticals, which are formulated with this angiogenesis inhibitor, are provided.
[0010]
In the angiogenesis inhibitor of the present invention, pyroglutamic acid (2-pyrrolidone-5-carboxylic acid) as an active ingredient is preferably an L-isomer or DL-isomer, more preferably an L-isomer. The pyroglutamic acid derivative is preferably a salt and / or an amide.
[0011]
The pyroglutamic acid and / or derivative thereof according to the present invention can adopt a natural product, an extract thereof, or a chemically synthesized product as its embodiment, but particularly an extract or purified product of a fruiting body or mycelium of a basidiomycete fungus. The one using is good. Here, basidiomycetes are so-called mosses, selected from the group consisting of shiitake mushrooms, enokitake mushrooms, shimeji mushrooms, agaricus mushrooms, rice mushroom mushrooms, reishi, yamabushi mushrooms, kawaratake mushrooms, agaric mushrooms, maitake mushrooms, agaric mushrooms, mushrooms mushrooms, mushrooms It is desirable to use one kind or two or more kinds.
[0012]
Basidiomycetes extracts are derived from basidiomycetes Extracted with water and then with a hydrophilic organic solvent Alternatively, those extracted using water and / or a hydrophilic organic solvent and a hydrophobic organic solvent are desirable. Here, the hydrophilic organic solvent is preferably methanol, ethanol, acetone or propanol, and the hydrophobic organic solvent is preferably hexane or chloroform.
[0013]
The composition comprising the aforementioned angiogenesis inhibitor provided by the present invention is for suppressing angiogenesis and / or for stimulating immunity, and a desirable embodiment thereof is a food or drink product. Or it is a medicine.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the angiogenesis inhibitor of this invention and its manufacturing method are explained in full detail. In the pyroglutamic acid and derivatives thereof contained as essential components in the angiogenesis inhibitor of the present invention, pyroglutamic acid (2-pyrrolidone-5-carboxylic acid) has a structure in which glutamic acid is cyclized by intramolecular dehydration. It can be obtained by a chemical synthesis method, an enzymatic method, a hydrolysis treatment or extraction treatment from a natural product, or the like. Regardless of which method is used, the glutamic acid moiety can be directed to the optical isomer of L-glutamic acid, D-glutamic acid or DL-glutamic acid. From the viewpoint of the effects of the present invention, L-glutamic acid or DL-glutamic acid. Are preferred, and L-glutamic acid is most preferred.
[0015]
Pyroglutamic acid derivatives are preferably salts and / or amides. Examples of the salt include sodium salt, potassium salt, calcium salt, magnesium salt, etc. Among them, sodium salt is more preferable. In addition, the pyroglutamic acid derivative of the present invention can also be an ester, and it is desirable to exhibit properties that are soluble in water and / or a hydrophilic organic solvent and insoluble in a hydrophobic organic solvent. , Lower monohydric alcohols such as n-propanol, isopropanol and butanol, hydroxy organic acids such as lactic acid, malic acid, tartaric acid, citric acid and gluconic acid, polyhydric alcohols such as ethylene glycol, propylene glycol, glycerin, erythritol and sorbitol Examples thereof include esters with saccharides such as sucrose, glucose, galactose, maltose and the like.
[0016]
As amides, various amino acids, particularly neutral amino acids (alanine, glycine, valine, leucine, isoleucine, asparagine, glutamine), acidic amino acids (aspartic acid, glutamic acid), basic amino acids (arginine, lysine) Amides with hydroxy amino acids (serine, threonine), cyclic amino acids (histidine, tryptophan, tyrosine, phenylalanine, proline, hydroxyproline), sulfur-containing amino acids (cysteine, cystine, methionine) and the like are preferred, Amides with peptides composed of combinations and amides with amino sugars composed of various amino acids and sugars such as glucose and galactose can also be targeted.
[0017]
In order to chemically synthesize pyroglutamic acid and its derivatives, a known method may be followed. As an example, when L-glutamic acid and an equal weight of water are heat-treated in an autoclave at about 130 to 150 ° C., L- Pyroglutamic acid can be obtained, and DL-pyroglutamic acid can be obtained by racemization when heated to about 190 to 200 ° C. The derivatives may be synthesized chemically or enzymatically by conventional methods using the L-pyroglutamic acid or DL-pyroglutamic acid as a starting material.
[0018]
In order to prepare pyroglutamic acid according to the present invention from a natural product, a method of hydrolyzing proteins and peptides derived from animals and plants and seafood with hydrochloric acid, protease, etc., and further fractionating and purifying can be used. More preferably, a fruiting body or mycelium of a basidiomycete is used as a raw material, which is dried to form a powder. After , Treated with an extraction solvent to give an extract, no concentrate, or dried to give an extract and an extract, and further separated using an organic solvent, an adsorbent, etc. This can be achieved by fractionation to obtain a high-concentration purified product. In this invention, these are utilized as a suitable aspect of pyroglutamic acid and / or its derivative (s).
[0019]
Here, the basidiomycetous fungi are one or two selected from the group consisting of shiitake mushroom, enokitake mushroom, shimeji mushroom, agaricus mushroom, meshimakobu mushroom, ganoderma mushroom, mushroom mushroom, agaric mushroom, agaric mushroom, maitake mushroom, agaricus mushroom, a white jellyfish, and a cordyceps. It is desirable to use more than seeds. All of these mushroom fruit bodies are artificially cultivated or harvested and distributed in large quantities, are readily available, and are used edible as raw materials, dried products, powders and extracts, etc. ing. In some cases, polysaccharides contained in the extract are used as pharmaceuticals, such as shiitake mushroom, kawaratake, and suhirotake. In the present invention, from the viewpoint of a desired effect, one or more selected from the group consisting of Agaricus moth, Meshimakobu, Reishi, Yamabushi moth and Cordyceps are more preferred, and Agaricus moth is most desirable.
[0020]
Agaricus mushroom is a mushroom belonging to the family Agaricaceae and belongs to the genus Agaricus, and examples thereof include Agaricus blazei Murill and mushroom (Agaricus bisporus). The former includes a polysaccharide (β-D-glucan) and a polysaccharide protein complex, and is known to have an antitumor action, a blood glucose lowering action, and the like. Phellinus linteus is a mushroom belonging to the family Agaricaceae, and it is said that the polysaccharide of the hot water extract shows an anticancer effect. Ganoderma lucidum is a mushroom of the Sarnosidaceae family and is also called mannentake, and is known to have anti-allergic action, anti-tumor action, blood pressure stabilization action, blood glucose lowering action by proteoglycan, etc. due to terpenoids and polysaccharides. Yamabushi persimmon (Hericiuminaceum) belongs to the coral family, and is known to have an anticancer effect and an active oxygen scavenging action due to a hetero β-D-glucan component.
[0021]
In the present invention, the fruiting bodies of the basidiomycetes can be used as raw materials, either raw or dried, but are preferably dried from the viewpoints of storage and extraction efficiency. The mycelium can be a raw or dried mycelium obtained by culturing inoculum using a medium containing an appropriate carbon source and nitrogen source, but a dried product is as simple as a fruit body.
[0022]
In the present invention, pyroglutamic acid according to the present invention is obtained from the fruiting body or mycelium of the basidiomycete fungus. Contained extract To manufacture Extract with water and then with a hydrophilic organic solvent Alternatively, extraction is performed using water and / or a hydrophilic organic solvent and a hydrophobic organic solvent. An extract using only a hydrophobic organic solvent hardly exhibits the desired effect of the present invention. The hydrophilic organic solvent is preferably methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol or acetone, and the hydrophobic organic solvent is preferably hexane or chloroform. The hydrophilic organic solvent may be a mixture with water, and each of the hydrophilic organic solvent and the hydrophobic organic solvent may be used alone or as a mixed solvent. Moreover, the form which mixed both is also suitable. What is important in extracting the active ingredient of the angiogenesis inhibitor of the present invention is extraction mainly using an aqueous component using water and / or a hydrophilic organic solvent or a mixed solvent of this and a hydrophobic organic solvent. Then, a highly soluble component such as saccharides and amino acids having higher water solubility is separated and removed with a hydrophilic organic solvent, and oily components such as lipids are separated and removed with a hydrophobic organic solvent.
[0023]
The mixing ratio (volume ratio) in the case of using a mixture of a hydrophilic organic solvent and a hydrophobic organic solvent is the former / the latter = 9/1 to 1/9, more preferably 5/1 to 1/5, most preferably 3/1 to 1/1. If it is out of the above range, the extraction efficiency of the essential components of the present invention may be lowered or the desired effect may not be obtained. The extraction solvent is used in an amount of about 3 to 20 times (weight basis) with respect to the dried fruit body and mycelium. If the amount is less than 3 times, the yield of the extract is low. Conversely, even if a large amount exceeding 20 times is used, the extraction efficiency is not further improved.
[0024]
The extraction treatment is performed by bringing the fruiting body or mycelium of the basidiomycetes into contact with the extraction solvent, under normal pressure or under pressure, more preferably under 1 to 3 atm, with appropriate stirring at room temperature to around 100 ° C. or refluxing. The extract can be obtained by extracting for about 10 minutes to about 10 hours. The extract can be subjected to treatments such as vacuum drying, freeze drying, spray drying and the like to remove the solvent and prepare an extract of basidiomycetes. In addition, the extract can be fractionated with a hydrophilic organic solvent and a hydrophobic organic solvent to obtain a concentrate with a further increased content of essential components of the present invention, and further silica gel, activated alumina, magnesium silicate. A purified product with a high concentration can be produced by subjecting it to column chromatography using an adsorbent such as activated carbon, cellulose, or an ion exchange resin, followed by fractionation.
[0025]
As described above, pyroglutamic acid and / or a derivative thereof prepared by a chemical synthesis method or an extraction method from basidiomycetes, an extract, an extract, a concentrate, and a purified product containing the same may be used as they are or appropriately. An angiogenesis inhibitor of the present invention can be prepared by using a combination of a suitable carrier, excipient, additive and the like. In the angiogenesis inhibitor of the present invention, various raw materials and ingredients can be used in combination as long as they do not contradict the gist of the present invention. For example, excipients, moisture-proofing agents, Preservatives, reinforcing agents, thickeners, emulsifiers, antioxidants, sweeteners, acidulants, seasonings, colorants, flavors and the like are preferred. Moreover, it is one of the desirable aspects of this invention to use together the well-known raw material which has the effect | action which suppresses angiogenesis.
[0026]
Next, the composition for angiogenesis suppression and / or immunostimulation of the present invention will be described. This composition comprises the aforementioned pyroglutamic acid , Preferably a pyroglutamic acid-containing extract obtained from the basidiomycetes It is characterized by comprising an angiogenesis inhibitor containing as an active ingredient. As will be described later, the angiogenesis inhibitor of the present invention exhibits an anti-angiogenic action, that is, an anti-tumor action, that is, an anti-tumor action and a metastasis-suppressing action, by ingesting the angiogenesis inhibitor. Also exerts an immunopotentiating effect. Therefore, such an angiogenesis inhibitor can be used as a composition having the above-mentioned action, and specific examples of the composition include food and drink, pharmaceuticals, pet food, livestock and poultry feed. In particular, foods and beverages and pharmaceuticals are suitable.
[0027]
As an aspect of this food or drink, the basidiomycetous dry powder, extract or purified product as it is or the angiogenesis inhibitor containing the same is used as a liquid, gel, powder or solid food, for example, fruit Beverages, soft drinks, tea, soup, jelly, yogurt, pudding, cake mix, sprinkle, miso, soy sauce, dressing, mayonnaise, yakiniku sauce, etc. It can be made into a form added to powdered, solid or liquid dairy products such as milk, cream, butter and cheese, margarine, bread, cakes, cookies and the like.
[0028]
If necessary, dextrin, lactose, starch or processed materials thereof, excipients such as cellulose powder, vitamins, minerals, fats and oils of animals and plants and seafood, proteins, sugars, pigments, flavors, and other edible additives It can be processed into powders, granules, pellets, tablets, etc. together with agents, etc., coated with gelatin or the like to form capsules, or used as a drink or as a dietary supplement or health food. At this time, a composition in which a known edible material having an angiogenesis inhibitory action is used in combination. In addition, although the food / beverage products of this invention are not limited to the said illustration over very many types of forms, the said form of the dietary supplement or health food is desirable.
[0029]
In the present invention, the amount of the angiogenesis inhibitor of the present invention in the food and drink is difficult to prescribe uniformly depending on the type and form of the food and drink, the purpose of use, the type and form of the angiogenesis inhibitor to be blended, etc. In the case of adding to the processed foods, it is generally 0.01 to 50% by weight, more preferably 0.1 to 30% by weight based on pyroglutamic acid. If it is less than this range, the desired effect of the present invention by ingestion is small. Conversely, if it is too much, depending on the type of food or drink, the flavor may be impaired, or the food or drink may not be prepared. The angiogenesis inhibitor of the present invention may be used for food as it is.
[0030]
According to the aspect of the present invention as a pharmaceutical, tablets, capsules, granules, and the like can be processed by a conventional method by adding known excipients and additives that do not contradict the gist of the present invention to the above-mentioned angiogenesis inhibitor as necessary. Preparations such as powders, powders and injections. It can be used for oral administration or enteral administration, vascular administration or intradermal administration to develop at least one action effect of angiogenesis inhibition, tumor inhibition, immunostimulation, and , Applicable for the prevention or treatment of various diseases associated with neovascularization, tumor growth and metastasis, and decreased immunity be able to . The compounding amount of the angiogenesis inhibitor of the present invention is difficult to set uniformly depending on the form and the type, form, usage, dosage and the like of the pharmaceutical preparation, but is generally 0.01 to 70% by weight based on pyroglutamic acid. The amount of intake in the case of oral administration is not particularly limited, but based on pyroglutamic acid, it is 0.01 to 20 g, more preferably 0.1 to 10 g per day for an adult (body weight 50 kg). If it is less than this range, the desired effect will be reduced, and conversely if it is too much, a further remarkable effect cannot be expected.
[0031]
【Example】
Example 1
Crush the dried fruit body of Agaricus koji (Agarix brazei murril), add chloroform / methanol = 1/1 mixture, heat to 50 ° C. and extract for 1 hour. Chloroform / methanol = 1/1 extract Obtained. Methanol was added to the extract to remove methanol-insoluble matter containing mannitol, and the methanol-soluble portion was separated. Hexane was further added to the methanol-soluble portion to collect a hexane-insoluble portion (sample 1). Next, the hexane insoluble part was subjected to silica gel column chromatography (silanized Silicagel 60 PF254: Merck 7751, water / methanol = 7/3) to fractionate ninhydrin reaction positive fractions (fraction Nos. 5 and 6). Subsequently, the fraction was subjected to HPLC (Shimadzu LC-8A system: Shimpak PREP-ODS (M), column: 20φ × 250 mm, Shimadzu, RT, 6 ml / min, water / methanol = 5/1) and positive for ninhydrin reaction. Fractions (Rt = 6-12 min) were collected. Further, the fraction was subjected to HPLC (Shimadzu LC-8A system: Shimpak PREP-ODS (M), column: 20φ × 250 mm, Shimadzu, RT, 6 ml / min, water) to give a ninhydrin reaction positive fraction (Rt = 8 to 22 min). This ninhydrin-positive fraction was further purified by TLC (Silicagel 60 PF254: Merck 7747, water / methanol = 1/100), and it was confirmed that the following substances were contained.
[0032]
That is, as a result of TLC (Silicagel 60, pre-coated TLC: Merck 5715, water / methanol = 1/100) analysis, alanine (Rf = 0.27, ninhydrin positive), proline (Rf = 0.20, ninhydrin positive) , Gamma aminobutyric acid (Rf = 0.15, ninhydrin positive) and unknown substance (Rf = 0.40, ninhydrin negative) were present at a ratio of 49: 5: 25: 21 (weight ratio). . Then, the unknown substance was subjected to NMR spectrum analysis (apparatus: Varian Unity Inova 500) and mass spectrum analysis (apparatus: manufactured by Hitachi, Ltd., M-4000H). ¹ H-NMR spectrum (δ ppm, D ₂ O): 2.09, 2.39 (1H, m, H-3, respectively), 2.50 (2H, m, H-4), 4.22 (1H, dd, J = 5.2 and 9. 0 Hz) ¹³ C-NMR spectrum (δ ppm, D ₂ O): 184 ( C OOH or -C = O-), 182 (- C = O-), 57 (- C H-), 32 (-O = C- C H ₂ -), 28 (-CH ₂ − C H ₂ -) And mass spectra (m / z): 42, 84 and 129 (M +) were obtained. Optical rotatory dispersion (ORD) spectrum analysis (manufactured by JASCO Corporation, ORD / UV-

Thus, the unknown substance was identified as L-pyroglutamic acid.
[0033]
Example 2
Using a 10-liter culture device, a medium containing 5% by weight of glucose, 0.5% by weight of yeast extract, and 1.5% by weight of polypeptone and 1.5% by weight of seedling culture solution of Meshimakobu (1 liter) at 26 ° C. Cultured mycelium (200 g) was collected by agitation (150 rpm) with aeration (2 vvm) for a day. This is dried and pulverized to obtain mycelium powder, mixed solvent of hexane / ethanol / water = 3/4/1 is added, heated to 40 ° C. and extracted for 30 minutes to obtain a soluble material (sample 2). It was. The soluble matter was further fractionated with ethanol to separate the ethanol soluble part, and the ethanol soluble part was fractionated with hexane to collect a hexane insoluble part. Subsequently, fractionation / purification treatment by silica gel column chromatography, HPLC, and TLC was performed in the same manner as in Example 1, and the presence of L-pyroglutamic acid was confirmed from the results of mass spectrometry and NMR analysis.
[0034]
Example 3
Sodium L-pyroglutamate was prepared by a conventional method. That is, a 30% by weight L-pyroglutamic acid aqueous solution was charged into a flask equipped with a stirrer, and 0.5N sodium hydroxide aqueous solution was added until the pH fluctuation disappeared while gently stirring at room temperature. Sodium L-pyroglutamate (sample 3) was obtained.
[0035]
Example 4
In Example 3, the same treatment was performed except that the starting L-glutamic acid was replaced with DL-glutamic acid to prepare sodium DL-pyroglutamate (Sample 4).
[0036]
Example 5
Crush the dried fruit body of Agaricus blazei murril, add water, extract with hot water at 80-95 ° C. by a conventional method, and dry the extract under reduced pressure to prepare an Agaricus soot extract. 3 times (weight) of ethanol was added to and mixed with a 40% by weight aqueous solution of the extract, and then the ethanol layer was collected and dried under reduced pressure to obtain an ethanol-soluble material. The soluble material was 5 times (weight). After washing with hexane, the residue was dried under reduced pressure to prepare a hexane insoluble matter (Sample 5).
[0037]
Comparative Example 1
Agaricus brazeimuril dried fruit body is roughly crushed, water is added, hot water extraction is performed at 80 to 95 ° C. by a conventional method, the extract is dried under reduced pressure, and Agaricus 茸 hot water corresponding to a commercial product is obtained. An extract (Comparative Sample 1) was prepared.
[0038]
Test example 1
The anti-angiogenic action of pyroglutamic acid, derivatives thereof, and various processed products containing them according to the present invention was determined by the method of Passaniti et al. (Laboratory Invest., 67, 519-528, 1992). Matrigel ^TM Matrix (MATRIGEL ^TM matrix, manufactured by Becton Dickinson Labware, a cell culture substrate, hereinafter abbreviated as MATRIGEL. The degree of angiogenesis induced by
[0039]
That is, 5 weeks old C57BL / 6 female mice (purchased from Nippon Charles River Co., Ltd.) were preliminarily raised for 1 week, then healthy mice (5 mice per group) were used, and the following test products were used as the abdomen of the mice. 0.5 ml each was transplanted while cooling under the skin, and MATRIGEL was taken out on the 6th day after the transplantation to observe the state of angiogenesis. Moreover, it was freeze-dried and the weight was measured. Further, 1 ml of pure water was added to the removed MATRIGEL, homogenized with polytron and centrifuged at 2000 rpm for 5 minutes, and then the supernatant was filtered with a 0.2 μm filter, and hemoglobin-test wako ^TM The amount of hemoglobin was measured using Wako Pure Chemical Industries, Ltd.
[0040]
・ Normal group: Matrigel
Control group: Matrigel + heparin (64 units) + acidic fibroblast growth factor (hereinafter abbreviated as a-FGF) (1 ng / ml)
Test article addition group 1: Control group composition + Sample 3 (800 μg / ml)
Test article addition group 2: Control group composition + Sample 3 (400 μg / ml)
Test article addition group 3: composition of control group + sample 3 (200 μg / ml)
Test article addition group 4: composition of control group + sample 4 (800 μg / ml)
Test article addition group 5: composition of control group + sample 1 (600 μg / ml)
Test article addition group 6: composition of control group + sample 2 (800 μg / ml)
Test article addition group 7: composition of control group + sample 1 and sample 3 (200 μg / ml each)
Test article addition group 8: Control group composition + Sample 5 (600 μg / ml)
Test article addition group 9: composition of control group + comparative sample 1 (800 μg / ml)
[0041]
The test results are shown in Table 1. The numerical values in the table are expressed as n = 5, average value ± standard error. As is clear from the table, in the subject group, angiogenesis was remarkably promoted, and the weight of MATRIGEL and the amount of hemoglobin increased in comparison with the normal group. On the other hand, in the test substance addition group, when Sample 3 (L-pyroglutamate) was used, the increase in the weight of MATRIGEL and the amount of hemoglobin was suppressed in a concentration-dependent manner, and angiogenesis was suppressed. 4 (DL-pyroglutamate) showed a similar angiogenesis inhibitory effect, although it was slightly lower. Further, it was revealed that Sample 1 (purified product of Agaricus koji extract) and Sample 2 (Meshima Kobu extract) also have a strong anti-angiogenic effect. In Comparative Sample 1 (Agaricus koji hot water extract), the angiogenesis inhibitory effect was small. Alanine, proline, and gamma aminobutyric acid were similarly tested for the anti-angiogenic activity, but no anti-angiogenic activity was observed for these substances.
[0042]
[Table 1]

[0043]
Test example 2
Various samples according to the present invention were tested and evaluated for tumor growth inhibitory effect and metastasis inhibitory effect by the following methods. That is, Lewis lung cancer (hereinafter abbreviated as LLC) cells that were sold by RIKEN were suspended in a phosphate / saline buffer (pH 7.4). On the other hand, 6 weeks old C57BL / 6J female mice (purchased from Japan Claire Co., Ltd.) were preliminarily raised for 1 week, then healthy mice (8 mice per group) were subjected to small incision under Nembutal anesthesia to expose the spleen LLC cell suspension (LLC cell number: 1 × 10 ⁵ The small incision was sutured immediately after injection. From 12 hours after LLC cell transplantation, Agaricus sputum extract (Sample 1) 100 mg / Kg (body weight) or 300 mg / Kg (body weight) was orally administered once a day for 30 consecutive days. Instead of sample 1, distilled water was administered to the normal group and the control group (LLC tumor-bearing mice). During this test period, the degree of proliferation of cancer cells is determined every 3-5 days by volume of cancer tissue (major axis x minor axis). ² / 2) was measured. On the 31st day after cancer transplantation, blood was collected from each group of mice under ether anesthesia and heparinized blood, and the number of leukocytes, red blood cells and hemoglobin in the blood were measured with a blood cell counter. Tissue, liver, lung, spleen and thymus were removed and the weight of each tissue was measured, and the number of cancer cell colonies that had metastasized to lung tissue was counted under a stereoscopic microscope.
[0044]
Table 2 shows the volume of tumor tissue in mice transplanted with LLC cells, Table 3 shows the weight of cancer tissues and organs, and Table 4 shows the number of white blood cells, red blood cells, hemoglobin, and the number of colonies metastasized to the lung. It was. In addition, the numerical value in each table | surface is shown by the average value +/- standard error, the significant difference test was performed by Fisher's Protect LSD Test, and P <0.05 was made into the significant difference.
[0045]
[Table 2]

[0046]
[Table 3]

[0047]
[Table 4]

[0048]
From the data in Table 2, the tumor volume increases with time in the control group (cancer-bearing mice) by transplantation of LLC cells, but the test article (sample 1: Agaricus sputum extract containing pyroglutamic acid) was orally ingested. In other groups, the increase was inhibited in a concentration-dependent manner, indicating that the proliferation of LLC cells was suppressed.
[0049]
From Table 3, the increase in the tumor weight was clearly suppressed by ingestion of the test substance, and the final body weight and the weight of each organ excluding the spleen were the normal group, the LLC cell transplantation group (control group), and the test substance administration. There was no significant difference between groups. Although the spleen weight increases in the control group, suppression of the increase is observed in the test substance administration group (P <0.05 is significant), and oral administration of the test substance (sample 1) suppresses the proliferation of LLC cells. I gained supporting knowledge.
[0050]
From the data in Table 4, the white blood cell count was significantly increased in the control group as compared with the normal group, but no significant difference was observed between the test substance administration group and the control group. The number of red blood cells and the amount of hemoglobin decreased significantly in the control group to show anemia, but increased significantly in the test substance administration group (P <0.05), and by oral administration of Agaricus sputum extract (sample 1) It became clear that the anemia was recovered to near normal. In addition, the number of colonies of LLC cells metastasized in the lung is significantly reduced in the test substance administration group compared to the control group, and the cancer cells are ingested by oral ingestion of Agaricus sputum extract (sample 1) containing pyroglutamic acid. It was found that metastasis was suppressed.
[0051]
Test example 3
The sample according to the present invention was tested and evaluated for the effect on immune function by the following method. That is, spleen cells were separated from the spleen removed in Test Example 2, and the spleen cells were layered on a lymphocyte separation solution (“Lymphocyte Separation Solution” manufactured by Dainippon Pharmaceutical Co., Ltd.) and centrifuged at 2000 rpm for 30 minutes. Lymphocytes were isolated. The mixed red blood cells were removed by treatment with a hypotonic solution. Next, the number of lymphocytes was counted and 1 × 10 ⁶ Cell number / 100 μL, various cell surface antigen antibodies (Dainippon Pharmaceutical Co., Ltd. “CD4, anti-mouse, FITC labeled”, “CD8, anti-mouse, FITC labeled” and “NK1.1, anti-mouse” , R-PE-labeled ”) 10 μL was added and reacted at 4 ° C. for 30 minutes, and then washed twice with a phosphate buffer (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., biochemical analysis reagent). Add the solution to 1 mL and use flow cytometry to obtain CD4 ⁺ , CD8 ⁺ And NK1.1 ⁺ The number of each T cell was measured. The results are shown in Table 5.
[0052]
[Table 5]

[0053]
From the data in Table 5, the number of lymphocytes in the spleen was significantly reduced in the control group (cancer-bearing mice) compared to the normal group, but this decrease was suppressed in the test substance administration group. CD4 in the spleen ⁺ T cells and CD8 ⁺ T cells were also significantly reduced in the control group compared to the normal group, but the decrease in the number of both cells was inhibited by ingestion of the test substance (sample 1), and NK1.1 ⁺ An increase in the number of T cells was observed. From these findings, it became clear that the ingestion of Agaricus koji extract containing pyroglutamic acid enhances immune function.
[0054]
Example 6
Sample 5: Oolong tea leaf powder: guava leaf hot water extract = 3: 2: 1 (weight ratio) of the angiogenesis inhibitor 10Kg of the present invention was converted into a modified starch (manufactured by Matsutani Chemical Co., Ltd., trade name: “Pine Flow”) ]) 7.0 kg, tribasic calcium phosphate 0.5 kg, vitamin B ₁ 0.4Kg, vitamin B ₂ 0.4Kg, vitamin B ₆ The mixture was charged into a blender together with 0.5 kg and vitamin C 1.2 kg and mixed with stirring for 10 minutes. The mixture was supplied to a direct tableting machine to prepare tablets with a diameter of 7 mm, a height of 4 mm, and a weight of 150 mg, and then a shellac thin film was coated with a coating machine to produce a tablet-shaped food product. This tablet can be used for the purpose of enhancing immunity in the body or preventing lifestyle-related diseases such as diabetes and cancer.
[0055]
Example 7
120g of butter, 100g of shortening, 100g of white sugar and 100ml of milk are put into a household whipper, and after adding one egg with stirring, the mixture is mixed thoroughly, and then sample 1: sample 2: sample 3 = 30 g of the angiogenesis inhibitor of the present invention consisting of a mixture of 2: 2: 1 (weight ratio) was added and kneaded sufficiently. This was allowed to stand for 30 minutes, then divided into 50 pieces with a mold and baked in an oven to produce a butter cookie.
[0056]
Example 8
20 g of an angiogenesis inhibitor of the present invention consisting of sample 3: sample 5: camellia seed extract (trade name: “Activin”, manufactured by Inter Health) = 1: 2: 1 (weight ratio) in 1 L of commercially available vegetable juice Was added and mixed to produce a vegetable juice to prevent oxidation of body tissues, malignant tumors, rheumatoid arthritis, diabetes and the like. This had a flavor comparable to the vegetable juice used as the raw material.
[0057]
Example 9
Sample 1 / sample 5 = 1/1 (weight ratio) 100Kg, Ginkgo biloba extract 20Kg, shark cartilage extract 30Kg, beeswax 10Kg and corn oil 140Kg raw materials were mixed well while heating to 80 ° C. A homogeneous mixture was obtained. This was supplied to a capsule filling machine, and a gelatin-coated capsule preparation having a content per grain of 250 mg was prepared. This preparation can be used as an edible composition (food or drink) or a pharmaceutical composition (medicine) that can be taken orally.
[0058]
【The invention's effect】
According to the present invention, an angiogenesis inhibitor comprising pyroglutamic acid and / or a derivative thereof as an active ingredient is provided. Where pyroglutamic acid L When the pyroglutamic acid derivative is a salt or an amide, and the pyroglutamic acid and / or derivative thereof is a chemical compound, an extract obtained from the fruiting body or mycelium of a basidiomycete such as Agaricus spp. In addition, it exerts a more significant anti-angiogenic effect. In addition, according to the present invention, the antiangiogenic and immunostimulating effects of the angiogenesis inhibitor are confirmed, and a composition comprising the same is provided. The composition can be used as pharmaceuticals, foods and drinks, etc., for the treatment and prevention of various diseases associated with enhancement of biological immune functions and angiogenesis as a pathogenesis.

Claims

Fruiting of mushroom, obtained by subjecting to the processing of the following processes (a), pyroglutamic acid containing extract comprising as an active ingredient an anti-angiogenic agent (except where the anti-cancer applications.) .
(A) A step of extracting with water and then extracting the water extract with a hydrophilic organic solvent.
Here, the hydrophilic organic solvent is ethanol.