JP4825750B2 - 繊維強化複合材部品を用いた構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化複合材構造体を迅速かつ低廉に製造可能な繊維強化複合材部品及びそれを用いた構造体の製造方法に関する。
従来、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の繊維強化複合材からなる複数の部品を組み合せて、航空機の胴体、翼等の構造体を製造する場合、各部品を所定の位置に配置し、接合している。しかし各部品を精確な位置に配置するために、大型の組立治具を使用したり、光学的位置決め装置(例えば部品の孔等を基準として部品同士の位置関係を検出し、予め記憶した位置関係と検出した位置関係との差に基づいて部品を移動し、位置決めする装置)を使用したりすること等が必要であり、製造コストが高いという問題がある。
そこで米国特許第5560102号(特許文献1)は、位置合わせ用孔を基準にして、各部品の配置を決定する自己配置型部品(self-locating detail parts)を用いて、航空機胴体を製造する方法を提案している。具体的には、CADにより構造体におけるリベット接合用孔の位置を予め決定し、得られた各リベット接合用孔の位置を各部品に設ける孔の位置としてCAD/CAM用メーンフレームに記憶させ、CAD/CAMメーンフレームからダウンロードした接合位置情報(各部品に応じて接合用孔の位置情報が異なる)に基づいてNCドリルを制御することにより、各部品に貫通孔(位置合わせ用孔)を設け、位置合わせ用孔を基準として各部品を配置する。この方法では、少ない工程で、精度の高い構造体を製造できる。しかし航空機用構造体を製造する場合、多数の部品を組み合せるので、接合する部品同士の組合せ及び配置位置を迅速に認識できなければ、効率的に製造できない。特許文献1の方法では、位置合わせ用孔を設けるのみであるので、接合する部品同士の組合せ及び配置位置を迅速に認識できないことがある。
米国特許第5560102号明細書
従って、本発明の目的は、繊維強化複合材構造体を迅速かつ低廉に製造することができる繊維強化複合材部品を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、かかる繊維強化複合材部品を含む構造体の製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、繊維強化複合材部品に、接合する他の部品の識別情報及び接合位置情報を有する突起を設けると、維強化複合材構造体を迅速かつ低廉に製造できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の繊維強化複合材部品は、接合する他の部品の識別情報及び接合位置情報を有する突起が設けられていることを特徴とする。
繊維強化複合材部品と他の部品を接合して繊維強化複合材構造体を製造する本発明の方法は、少なくとも一つの繊維強化複合材部品に、接合する他の部品の識別情報及び接合位置情報を有する突起を設け、前記突起を用いて前記繊維強化複合材部品に前記他の部品を位置合わせすることを特徴とする。
前記情報は、前記突起の形状、サイズ、数及び配置、並びに前記突起に設けられたマークからなる群から選ばれた少なくとも一つであるのが好ましい。前記突起の形状、サイズ、数及び配置は、前記他の部品の接合部と係合するように設定するのが好ましい。かかる突起を有する繊維強化複合材部品に前記他の部品を位置合わせするには、前記突起と前記他の部品の接合部とを係合させればよい。前記他の部品の接合部に、繊維強化複合材部品の突起と係合する段部又は凹部を設けるのが好ましい。前記突起及び前記他の部品にそれぞれ対応するマークが設けても良い。
本発明の好ましい一実施形態では、前記繊維強化複合材部品は一対以上のI字状突起を有し、前記他の部品は前記I字状突起と係合する矩形板状接合部を有し、前記I字状突起に前記矩形板状接合部を係合させることにより、前記他の部品を前記繊維強化複合材部品に対して予め設定した接合位置に合わせる。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記繊維強化複合材部品は一対以上のL字状突起を有し、前記他の部品は前記L字状突起と係合する矩形板状接合部を有し、前記L字状突起に前記矩形板状接合部を係合させることにより、前記他の部品を前記繊維強化複合材部品に対して予め設定した接合位置に合わせる。
本発明によれば、繊維強化複合材部品に接合する他の部品を迅速に識別でき、部品同士の位置合せも精確かつ迅速に行うことができるので、少ない工程で精度の高い構造体を製造できる。そのため本発明の繊維強化複合材部品を用いると、航空機の胴体、翼等に使用する繊維強化複合材構造体を、迅速かつ低廉に製造することができる。
[1] 繊維強化複合材部品
図1は本発明の一実施形態によるビーム状の繊維強化複合材部品を示す。この繊維強化複合材部品1は、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸したプリプレグを硬化させてなり、台形状の平板部10と、その両側縁部から両側に突出したフランジ部11,11'と、平板部10の両面に設けられたI字状の突起12,12,13,13とを有する。一方のフランジ部11は平板部10に対して垂直に突出しており、他方のフランジ部11'はフランジ部11に対して傾斜した方向に突出している。突起12及び13は、繊維強化複合材部品1に接合する他の部品の識別情報及び接合位置情報を有する。この実施形態では、他の部品を識別するために、突起12,12の外端部間の長さL1及び突起13,13の外端部間の長さL2を、図2(a)〜2(e)及び図3に示す第一の他の部品2及び第二の他の部品3の矩形板状接合部23及び33の長手方向の長さL3及びL4と同じにしている。
図2(e)に示すように、第一の他の部品2は、平板部20と、その両側縁部から両側に突出したフランジ部21,21'と、平板部20の各端部から垂直に延びる矩形板状接合部23とを有する。一方のフランジ部21は平坦であり、他方のフランジ部21'は曲面状である。矩形板状接合部23の両端部に突起12と同じ長さを有する段部23a,23aが設けられている。図2(a)〜2(d)に示すように、突起12,12と段部23a,23aとが係合するように繊維強化複合材部品1の平板部10に第一の他の部品2の接合部23を当接させると、繊維強化複合材部品1に対する他の部品2のX方向及びY方向の位置が決まり、他の部品2を繊維強化複合材部品1に対して予め設定した接合位置に配置することができる。
図3に示すように、第二の他の部品3は、平板部30と、その両側縁部から両側に突出したフランジ部31,31'と、平板部30の各端部から垂直に延びる矩形板状接合部33とを有する。一方のフランジ部31は平坦であり、他方のフランジ部31'は曲面状である。第二の他の部品3の矩形板状接合部33も、第一の他の部品2と同様に、両端部に突起13,13と係合する段部33b,33bを有するので、第二の他の部品3は繊維強化複合材部品1に対して予め設定した接合位置に配置される。
図4に示すように、突起12,12の外端部間の間隔L1と矩形板状接合部23の長さL3が同じであれば、第一の他の部品2の接合部23は段部を有さなくてもよい。突起12,12の外端部の位置と矩形板状接合部23の両端部の位置とが一致するように接合部23を平板部10に当接させると、繊維強化複合材部品1に対して第一の他の部品2を予め設定した接合位置に配置することができる。後述するように、垂直方向及び水平方向の位置合せは、繊維強化複合材部品1及び他の部品2を、各々の平坦なフランジ部11及び21を下にして定盤上に置いた状態で行うのが好ましい。繊維強化複合材部品1及び他の部品2を予め設定した接合位置に配置すると、フランジ部11及び21は単一の平面を形成する。第二の他の部品3の接合についても同様である。
突起12及び13の形状、サイズ、数及び配置は、第一の他の部品2及び第二の他の部品3を予め設定した位置に配置できる限り、任意に設定できる。また部品2及び3の接合部23及び33の形状及びサイズは図2〜図4に示すものに限定されない。図5(a)及び図5(b)に示すように、第一の他の部品2の接合部23の縁部に、突起12,12と同じ長さのコの字状凹部23b,23bを突起12,12と係合する位置に設けてもよい。
図6は本発明の別の実施形態による繊維強化複合材部品を示す。図6において図1と同じ部品及び部分には同じ参照番号を付してある。この繊維強化複合材部品1は、I字状突起12及び13にマークとしてそれぞれ「A」及び「B」の文字が設けられている以外、図1に示すものと同じである。突起12及び13に設けるマークは文字に制限されず、他の部品の番号、材質等を示す数字、記号、又はそれらを含む組合せでも良い。
図6に示す繊維強化複合材部品1に接合する他の部品を識別するには、図7に示すように、第一の他の部品2に文字「A」からなるマーク24を設け、第二の他の部品3(図3参照)に文字「B」からなるマークを設ける。図6に示す繊維強化複合材部品1に第一の他の部品2及び第二の他の部品3を配置する方法は上記と同じでよい。
図8は本発明のさらに別の実施形態による繊維強化複合材部品を示す。図8において図1と同じ部品及び部分には同じ参照番号を付してある。この繊維強化複合材部品は、突起12及び13がL字状である以外、図1に示す繊維強化複合材部品と同じである。図8及び図9に示すように、L字状突起12及び13の形状、サイズ、数及び配置は、第一の他の部品2の接合部23の形状及びサイズに適合し、L字状突起12,12の平行部の間隔L5は接合部23の長さL3と同じである。そのため、接合部23の両角部はL字状突起12,12の内側角部と正確に係合し、部品1及び2を予め設定した接合位置に合わせることができる。このように突起12,12をL字状とすると、第一の他の部品2の接合部23に段部23aや凹部23bを設けなくても、繊維強化複合材部品1と第一の他の部品2とを、予め設定した接合位置に容易に合わせることができる。突起13,13の互いに平行した部分の間隔L6は第二の他の部品3(図3参照)の接合部33の長さL4と同じであり、L字状突起13,13の内側の角部は接合部33の両角部とフィットする。
図10は本発明のさらに別の実施形態による繊維強化複合材部品を示す。図10において図1と同じ部品及び部分には同じ参照番号を付してある。この繊維強化複合材部品1は、L字状突起12が4個設けられた以外、図8に示す繊維強化複合材部品と同じである。L字状突起12の形状、サイズ、数及び配置は第一の他の部品2の矩形板状接合部23の形状及びサイズに適合しているので、接合部23の4つの角部は4つのL字状突起12の内側角部に係合し、部品1及び2を予め設定した接合位置に精確に合わせることができる。
[2] 繊維強化複合材構造体の製造方法
繊維強化複合材構造体は、繊維強化複合材部品1に他の部品を位置合わせし、リベット、ボルト等のファスナにより接合するか接着することにより製造する。限定的ではないが、図11に示すように、部品1及び2を平坦なフランジ部11及び21を下にして定盤5の上で位置合わせすると、部品1と部品2のX方向及びY方向の位置を容易に精確に定めることができる。繊維強化複合材部品1に他の部品3を位置合わせするときも同様である。
図12は本発明の繊維強化複合材部品を用いた航空機胴体用構造体の一例を示す。L字状突起12,13を有する繊維強化複合材部品1の平板部10に繊維強化複合材部品2,3がファスナ50により接合するとともに、繊維強化複合材部品2,3のL字状突起22,32の間に接合部43を有する繊維強化複合材部品4がファスナ50により接合する。ただし本発明の繊維強化複合材部品に接合する他の部品は繊維強化複合材部品に限定されず、アルミニウム合金製部品等でもよい。従って、繊維強化複合材構造体は繊維強化複合材部品のみからなる構造体に限定されず、繊維強化複合材部品以外の部品を有していても良い。図12に示す構造体は航空機の床に使用することができる。
[3] 繊維強化複合材部品の製造方法
図1に示すビーム状繊維強化複合材部品1を例に取り、本発明の繊維強化複合材部品の製造方法を以下説明する。
(1) 成形型
(a) 形状
図13及び図14は、図1に示すビーム状繊維強化複合材部品1を成形する型の一例を示す。この成形型は、繊維強化複合材部品1の平板部10及びフランジ部11,11'を形成するキャビティ60,70を有する上型及び下型6,7と、上型及び下型6,7と密着する側型8,8とを有する。
図13(a)及び図13(b)に示すように、上型6のキャビティ60は、繊維強化複合材部品1の平板部10を形成する水平部60aと、繊維強化複合材部品1のフランジ部11を形成する垂直部60bと、フランジ部11'を形成する傾斜部60cとを有する。上型6にはピン90の頭部90aを挿入する孔66が複数設けられている。キャビティ60の外周に沿って樹脂漏れ防止用シール91を収容する溝61が形成されており、キャビティ60と溝61との間がフランジ部62となっている。水平部60aには、繊維強化複合材部品1の突起12,12,13,13を形成するための凹部63,63,64,64が設けられている。
図14(a)に示すように、成形した繊維強化複合材部品1を上型6から取り外すために、上型6のフランジ部62の内側面(キャビティ60の端面60d)にマイナスドライバ等の平坦な工具を差し入れるための浅い溝65が適宜設けられている。
図13(a)及び図13(c)に示すように、下型7は上型6に対応する形状を有する。下型7のキャビティ70は、繊維強化複合材部品1の平板部10を形成する水平部70aと、繊維強化複合材部品1のフランジ部11を形成する垂直部70bと、フランジ部11'を形成する傾斜部70cとを有する。各矩形状凸部77aにはピン90を挿入する孔76が複数設けられている。ピン頭部90aを上型6の孔66に挿入し、ピン90の本体を下型7の孔76に挿入すると、上型6と下型7が精確に位置決めされる。キャビティ70の外周に沿って樹脂漏れ防止用シール91を収容する溝71が形成されており、キャビティ70と溝71との間がフランジ部72となっている。水平部70aには、繊維強化複合材部品1の突起12,12,13,13を形成するための凹部73,73,74,74が設けられている。
図14(b)に示すように、下型7のフランジ部72の内側面(キャビティ70の端面70d)にも、成形した繊維強化複合材部品1を下型7から取り外す平坦な工具を差し入れるための浅い溝75が設けられている。
硬化した繊維強化複合材部品1は型開き後に約0.1 mmだけ厚くなる傾向があるので、上型6及び下型7のキャビティ60,70の合計厚さを約0.1 mmだけ繊維強化複合材部品1の目標厚さより小さくするのが好ましい。
(b) 材料
上型6及び下型7を構成する材料としては、例えば鋳鉄、鋼鉄(例えばJIS SS400等)、炭素鋼(例えばJIS S45C-H等)等が挙げられる。鋳鉄としては、株式会社榎本鋳工所から「ノビナイト」の商品名で市販されている低線膨張係数を有するものが好ましい。側型8を構成する材料としては、例えばアルミニウム等が挙げられる。
ピン90用の材料としては合金鋼(例えばJIS SCM435H等)が挙げられる。シール91の材料は硬化温度に耐える耐熱性を有するゴムが好ましく、例えばポリテトラフロロエチレン(PTFE)等の含フッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。PTFE製シールの市販品として、GORE-TEX No.3300(ジャパンゴアテックス株式会社製)が挙げられる。
(2) 製造工程
(a) プリプレグ積層工程
上型6の孔63,64及び下型7の孔73,74に予め樹脂を充填する。この樹脂はプリプレグのマトリックス樹脂と同じものを使用するのが好ましい。台形状の複数の布状プリプレグを、上型6及び下型7に積層する。図15(a)に示すように、上型6及び下型7上のプリプレグ積層体1a,1bはそれぞれ余肉を有する。
プリプレグは強化繊維からなる布にマトリックス樹脂を含浸させてなる。強化繊維は特に制限されず、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等から用途に応じて適宜選択する。マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂等から用途に応じて適宜選択する。パネル状繊維強化複合体1を航空機胴体用部品として使用する場合、強化繊維としては炭素繊維が好ましく、マトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましい。
(b) 余肉のトリミング工程
図15(b)に示すように、カッター等のトリミング工具92により、上型6のキャビティ60の端面60dに沿ってプリプレグ積層体1aのフランジ部11aの余肉をトリミングし、下型7のキャビティ70の端面70dに沿ってプリプレグ積層体1bのフランジ部11bの余肉をトリミングする。トリミングは通常室温で行う。上型6の溝61及び下型7の溝71にシール91を装着する。上型6の溝65、及び下型7の溝75にシリコーン片を詰める。図15(c)に示すように、下型7の孔76にピン90を挿入し、それらの頭部90aを上型6の孔66に挿入し、プリプレグ積層体1a,1bが接するように下型7に上型6を載置する。
本発明ではトリミングの容易な未硬化のプリプレグ積層体1a,1bから余肉をトリミングするので、硬化プリプレグ成形体をトリミングする従来の方法に比べて、良好な切断面を有する繊維強化複合体を簡便に製造できる。
(c) フランジ部用プリプレグの積層工程
図15(d),(e)に示すように、フランジ部11,11'を強化するために、帯状プリプレグ1c,1cを、強化繊維及びマトリックス樹脂からなる充填材1dを介して、プリプレグ積層体1a,1bのフランジ部11a,11b、及びフランジ部11'a,11'bに積層する。このようにしてプリプレグ積層体1a,1b、帯状プリプレグ1c及び充填材1dを一体化したプリプレグ組立体1'が得られる。
(d) 硬化工程
図16に示すように、組合せた上型6及び下型7の側面に側型8,8を付着し、プリプレグ組立体1'のフランジ部を支持する。図17に示すように、型全体を基盤93上に載置し、バッグフィルム94で被覆する。バッグフィルム94内を真空ポンプに接続した管95より減圧する。真空状態を保持できるように、バッグフィルム94と基盤93との間に粘着シール96を載置する。
バッグフィルム94内を真空状態に保持したまま加熱し(図18参照)、マトリックス樹脂を硬化させる。加熱はオーブン等の中で行うことができるが、オートクレーブ中で加圧しながら行うのが好ましい。加熱温度は、熱硬化性樹脂の種類によって若干異なるが、120〜180℃が好ましい。オートクレーブを使用する場合、3〜6MPa程度に加圧するのが好ましい。
(e) 脱型工程
得られた繊維強化複合材部品1から型6〜8を取り外す。図19に示すように、上型6の孔66にはネジ山が設けられている。ネジ山付き孔66にボルト97を螺入し、その先端でピン90の頭部90aを押すことにより、上型6と下型7を容易に分離することができる。上型6のフランジ部62に設けた溝65に、マイナスドライバ等の平坦な工具98を差し入れ、上型6から繊維強化複合材部品1を分離する。図20に示すように、下型7のフランジ部72に設けた溝75にも平坦な工具98を差し入れ、下型7から繊維強化複合材部品1を持ち上げることにより分離する。
(3) 成形型の寸法設定
加熱硬化時の熱膨張による寸法精度の低下を防止するために、繊維強化複合材部品1(プリプレグ組立体1')と成形型とはできるだけ近い線膨張係数を有するのが好ましい。具体的には、繊維強化複合材部品1に用いるCFRPの線膨張係数は約2.6×10-6/℃であるので、ノビナイトのグレードCS-5[線膨張係数:2.5×10-6/℃(200℃)]、又はCN-5[線膨張係数:2.7×10-6/℃(200℃)]を用いるのが好ましい。しかし、両者の線膨張係数の差が比較的大きい場合、硬化温度において繊維強化複合材部品1と同じ寸法となるように、型6,7のキャビティの室温寸法を定めるのが好ましい。
繊維強化複合材部品1のうち平板部10の寸法の精度が重要であるので、その設計長さをW1とし、その設計長さが得られるキャビティの長さをW2とする。室温から硬化温度に上昇すると、図21に示すように、平板部10の長さW1はW1+ΔW1(=α1・W1・ΔT)となり、キャビティの長さW2はW2+ΔW2(=α2・W2・ΔT)となる。ここで、α1は繊維強化複合材部品1の線膨張係数であり、α2は下型7の線膨張係数であり、ΔTは室温と硬化温度の差(℃)である。硬化温度では、平板部10の長さとキャビティの長さは同じになるので、W1+α1・W1・ΔT=W2+α2・W2・ΔTが成り立つ。従って、W2は下記式(1) により表される。
W2=W1×(1+α1・ΔT)/(1+α2・ΔT)・・・(1)
繊維強化複合材部品1を型6,7から取り出すと、繊維強化複合材部品1の平板部10とフランジ部11,11'の角度が僅かに減少する傾向があるため、減少分(例えば約0.5〜1.5°)だけキャビティ60,70の水平部60a,70aと垂直部60b,70bがなす角度、及び水平部60a,70aと傾斜部60c,70cがなす角度を、最終製品における角度より大きくしておくのが好ましい。
本発明の一実施形態による繊維強化複合材部品を示す斜視図である。 繊維強化複合材部品に対する他の部品の接合例を示す部分斜視図である。 接合すべき繊維強化複合材部品及び他の部品を示す部分断面拡大図である。 図2(b)の繊維強化複合材部品及び他の部品を接合した状態を示す部分断面拡大図である。 接合した繊維強化複合材部品と他の部品を示す部分平面図である。 図2(a)における他の部品の接合部を示す部分拡大図である。 図1の繊維強化複合材部品に他の部品を配置した別の例を示す部分斜視図である。 図1の繊維強化複合材部品に他の部品を配置したさらに別の例を示す部分斜視図である。 本発明の別の実施形態による繊維強化複合材部品に他の部品を配置した一例を示す部分斜視図である。 図5(a)の他の部品の接合部を示す部分拡大図である。 本発明のさらに別の実施形態による繊維強化複合材部品を示す斜視図である。 図6の繊維強化複合材部品に他の部品を配置した状態を示す部分斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態による繊維強化複合材部品を示す斜視図である。 図8の繊維強化複合材部品に他の部品を配置した一例を示す部分斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態による繊維強化複合材部品に他の部品を配置した一例を示す部分斜視図である。 定盤上で図1の繊維強化複合材部品に位置合せした他の部品を示す部分斜視図である。 本発明の繊維強化複合材部品を用いた航空機胴体用構造体の一例を示す斜視図である。 図1の繊維強化複合材部品の成形用型の一例を示す斜視図である。 図13(a) の上型を種々の方向から示す図である。 図13(a) の下型を種々の方向から示す図である。 図13(a)のA部分を示す拡大斜視図である。 図13(a)のB部分を示す拡大斜視図である。 上型(下型)にプリプレグ積層体を載置した状態を示す側面図である。 上型(下型)に載置したプリプレグ積層体の余肉を切除する様子を示す側面図である。 上型及び下型のキャビティに、余肉を切除したプリプレグ積層体が収容された状態を示す斜視図である。 余肉をトリミングしたプリプレグ積層体を収容した上型及び下型を合わせた状態を示す側面図である。 上型及び下型を合わせた後でプリプレグ積層体のフランジ部に帯状プリプレグを積層する様子を示す断面図である。 合わせた上型及び下型に側型を取り付けた状態を示す側面図である。 プリプレグ組立体を成形型とともにバッグフィルムで被覆し、脱気する様子を示す断面図である。 プリプレグ組立体を真空下に保持した状態を示す断面図である。 上型と下型を分離するために、上型の孔にボルトを螺入する様子を示す部分断面図である。 下型から繊維強化複合材部品を分離するために下型のフランジ部に設けた溝に平坦な工具を差し入れる様子を示す部分斜視図である。 下型及び繊維強化複合体の硬化温度における寸法を示す断面図である。 繊維強化複合材部品及び成形型の温度変化による寸法変化を示すグラフである。
符号の説明
1・・・繊維強化複合材部品
10・・・平板部
11,11'・・・フランジ部
12,13・・・突起
1a,1b・・・プリプレグ積層体
10a,10b・・・平板部
11a,11a',11b,11b'・・・フランジ部
1c・・・帯状プリプレグ
1d・・・充填材
1'・・・プリプレグ組立体
2,3,4・・・他の部品
20,30・・・平板部
21,21',31,31'・・・フランジ部
22,32・・・突起
23,33,43・・・接合部
23a,33a・・・段部
23b・・・凹部
24・・・マーク
5・・・定盤
50・・・ファスナ(リベット)
6・・・上型
60・・・キャビティ
60a・・・水平部
60b・・・垂直部
60c・・・傾斜部
60d・・・端面
61・・・溝
62・・・フランジ部
63,64・・・凹部
65・・・溝
66・・・孔
7・・・下型
70・・・キャビティ
70a・・・水平部
70b・・・垂直部
70c・・・傾斜部
70d・・・端面
71・・・溝
72・・・フランジ部
73,74・・・凹部
75・・・溝
76・・・孔
8・・・側型
90・・・ピン
90a・・・頭部
91・・・樹脂漏れ防止用シール
92・・・トリミング工具
93・・・基盤
94・・・バッグフィルム
95・・・吸引管
96・・・粘着シール
97・・・ボルト
98・・・平坦な工具

Claims (2)

  1. 繊維強化複合材部品と他の部品を接合して繊維強化複合材構造体を製造する方法において、少なくとも一つの繊維強化複合材部品に、接合する他の部品の識別情報及び接合位置情報を有する一対以上のL字状突起を設け、前記他の部品に前記一対のL字状突起と係合する矩形板状接合部を設け、前記接合部の両角部が前記一対のL字状突起の各内側角部と正確に係合するように、前記一対のL字状突起の間隔と、対応する前記接合部の一辺の長さとを同一にし、前記一対のL字状突起に前記矩形板状接合部を係合させることにより、前記他の部品を前記繊維強化複合材部品に対して予め設定した接合位置に合わせることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の繊維強化複合材構造体の製造方法において、前記一対のL字状突起に、前記他の部品の番号又は材質を示す、文字、数字、記号、又はそれらの組合せからなるマークが設けられており、前記他の部品にも前記マークと同一のマークが設けられていることを特徴とする方法。
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