JP4824712B2 - 動き推定精度推定方法、動き推定精度推定装置、動き推定精度推定プログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、高フレームレート映像に対する効率的な符号化を実現する映像符号化で用いられる動き推定精度推定方法およびその装置と、その動き推定精度推定方法の実現に用いられる動き推定精度推定プログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とに関する。
近年、臨場感あふれる大画面のスポーツ映像やデジタルシネマに代表される超高画質映像への期待が高まっている。これを受けて、映像の高画質化に関する研究が精力的に行われている。
超高画質映像の実現には次の四要素が必要である。すなわち、空間解像度、画素値深度、色再現性、時間解像度である。これを受けて、前者の三要素については、デジタルシネマ等の応用およびナチュラルビジョンプロジェクトにおいて検討が進められている。
しかし、被写体の自然な動きを表現するために不可欠な時間解像度の向上、即ち、映像の高フレームレート化については、充分な検討がなされていない。
Spillmannらによれば、網膜の出力細胞である神経節細胞が出力するパルス数の上限は毎秒300〜400個程度であるとする生理学的な知見が示されている。このため、人の視覚系は最も短くて1/150〜1/200秒程度までの発光の違いを知覚できると推察される。これは、知覚可能なフレームレートの検知限が150〜200[フレーム/秒]であることを意味する。現行映像のフレームレートである30,60[フレーム/秒]は、フリッカーの検知限から定められたものであり、自然な動きを表現するに十分な値ではない。
一方、映像の超高画質化はデータ量の爆発的な増加を招くため、ネットワークの帯域制限等の理由により符号量が制限される場合には、効率的な符号化方法が必要となる。
高フレームレート映像の場合、フレーム間相関が増加することから、動き補償によるフレーム間予測が効果的である。動き補償のパラメータの一つに動き推定精度がある。例えば、MPEG−2準拠の符号化器における動き推定精度は1/2画素精度となる。
高フレームレート映像の場合、フレーム間隔が短くなることから、変移量に高い精度が求められるため、フレームレートと動き推定精度との関係を把握することが重要となる。直感的には、フレームレートの増加に伴い、高い動き推定精度が必要となることが予想される。
しかし、従来の研究では、フレームレートの影響は考慮されておらず、フレームレートと動き推定精度との関係についての定量的な性質は把握されていない(例えば、非特許文献1参照)。このため、アドホックな方法で動き推定精度を設定することになり、動き推定精度が不足した場合、符号化効率が低下する。
一方、設定可能な範囲における動き推定精度に対して、総当りで符号化を行い、最も符号化効率の高い動き推定精度を選択する方法もある。しかし、この場合には、符号化処理の時間が増大してしまう。
J.Ribas-Corbera and D.L.Neuhoff. Optimizing motion-vector accuracy in block-based video coding. IEEE CSVT, Vol.11, No.4, pp.497-511, 2001.
前述したように、被写体の自然な動きを表現するためには、映像の高フレームレート化を実現する必要がある。
映像の高フレームレート化を実現するためには、フレーム間隔が短くなることから、変移量に高い精度が求められるため、フレームレートと動き推定精度との関係を把握することが重要となる。
しかし、従来の研究では、フレームレートと動き推定精度との関係についての定量的な性質は把握されておらず、アドホックな方法で動き推定精度を設定するようにしているのが実情である。
これから、従来技術に従っていると、高フレームレート映像を符号化するときに、動き推定精度が不足した場合には、符号化効率が低下するという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、高フレームレート映像に対する符号化処理において、フレームレートと動き推定精度との関係を表す解析的な理論モデルを構築して、その理論モデルを利用してフレームレート毎の適切な動き推定精度を推定することで、高フレームレート映像に対する効率的な符号化を実現する新たな動き推定精度推定技術を確立することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の動き推定精度推定装置は、非整数画素精度の動き推定を行うフレーム間予測を伴う映像符号化で用いられて、映像を符号化する際に、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定することを実現するために、(イ)フレームレートを入力するフレームレート入力手段と、(ロ)あるフレームレートで符号化を行う場合におけるフレーム間予測の予測誤差電力の推定に用いられる関数に記述される4個のモデルパラメータを入力するモデルパラメータ入力手段と、(ハ)モデルパラメータ入力手段の入力した4個のモデルパラメータに基づいて、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度の推定に用いられる、フレームレートの逆数を変数とする二次関数を決定する決定手段と、(ニ)決定手段の決定した二次関数に対して、フレームレート入力手段の入力したフレームレートの値を代入することで、フレームレート入力手段の入力したフレームで符号化を行う場合に発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定する推定手段と、(ホ)推定手段の推定した動き推定精度を出力する出力手段とを備えるように構成する。
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の動き推定精度推定方法はコンピュータプログラムでも実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、適当なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供されたり、ネットワークを介して提供され、本発明を実施する際にインストールされてCPUなどの制御手段上で動作することにより本発明を実現することになる。
このように構成される本発明の動き推定精度推定装置では、処理対象となるフレームレートを入力すると、続いて、例えば、(1)参照フレームにおける隣接画素間の差分値の二乗和から導出されるモデルパラメータα1 と、(2)フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差と参照フレームにおける隣接画素間差分値との積の和から導出されるモデルパラメータα2 と、(3)原信号に重畳している雑音と参照フレームにおける補間誤差との和の二乗和の近似値から導出されるモデルパラメータα3 と、(4)フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差の二乗和から導出されるモデルパラメータα4 という4個のモデルパラメータを入力する。
ここで、4個のモデルパラメータを入力してから、処理対象となるフレームレートを入力することもある。
続いて、フレームレートをFで表し、動き補償の単位となるセグメントの数をMで表し、係数をκで表すならば、入力した4個のモデルパラメータα1,α2,α3,α4 に基づいて、例えば、
(α1 -2+α2 -1+α3 +α4 )/κα1(M−1)
という関数を決定することで、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度の推定に用いられる、フレームレートの逆数を変数とする二次関数を決定する。
この二次関数が、フレームレートとそのフレームレートで符号化を行う場合に発生することになる符号量を最小化する動き推定精度との関係について記述するモデルとなる。
これから、続いて、決定した二次関数に対して、入力したフレームレートの値を代入することで、前記入力したフレームで符号化を行う場合に発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定して、その推定した動き推定精度を出力する。
本発明によれば、フレームレートが与えられた場合に、歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を最小化する動き推定精度を推定することができるようになる。
すなわち、本発明によれば、フレームレートに応じた適切な動き推定精度を設定することが可能となり、動き推定精度の不足に伴う符号化効率の低下を回避できるようになる。また、一般に、高い動き推定精度が必要とされる高フレームレート映像の符号化において、適切な動き推定精度を予め見積もることが可能となり、符号化処理を高速化できることが見込める。
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
前述したように、本発明では、高フレームレート映像に対する符号化処理において、フレームレートと動き推定精度との関係を表す解析的な理論モデルを構築して、その理論モデルを利用してフレームレート毎の適切な動き推定精度を推定することで、高フレームレート映像に対する効率的な符号化を実現するものである。
次に、まず最初に、『[1]フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係』で、フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係について説明し、続いて、『[2]パラメータ推定』で、フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係に記述されるパラメータの推定について説明し、続いて、『[3]変移量推定誤差とフレームレートとの関係』で、フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係の導出にあたって必要となる変移量推定誤差とフレームレートとの関係について説明し、最後に、『[4]動き推定精度の最適化』で、フレームレートと動き推定精度との関係を表す解析的な理論モデルを構築して、その理論モデルを利用してフレームレート毎の適切な動き推定精度を推定する構成について説明する。
[1]フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係
フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係を解析的に導出する。ここでは、簡単のため1次元信号を例にとり説明する。
Xサンプルを有する時刻tの位置xにおける観測信号をgt (x)(0≦x≦X−1)として、LサンプルからなるセグメントB[i](i=1,2,... ,X/L)を単位として動き補償(推定変位量^d[i])を行い、そのセグメント内の動き補償後の予測誤差を評価する。
ここで、観測信号gt (x)は、画像信号ft (x)に雑音nt (x)が重畳して構成されているものとする。すなわち、
t (x)=ft (x)+nt (x)
とする。
なお、以下の表記において、「^X」(Xは文字)における記号^は、「X」の上に付く記号を示している。また、以下では、位置xにおける真の変位量をd(x)としている。
推定変移量^d[i]が小数画素精度の場合、参照画素値を補間処理により生成する。補間対象の信号をst (x)とすると、補間処理は下記の式(1)で表されるフィルタリングとなる。なお、以下では、下記の式(1)式の左辺の演算子を「I」で表記することがある。
Figure 0004824712
ここで、δは動き推定の精度である。例えば、MPEG−2準拠の符号化器の場合、δ=1/2に設定される。また、補間係数ψj [k]は下記の式(2)を満たすものとする。
Figure 0004824712
前述の補間フィルタを用いて、参照位置の画素値は、I(〜gt-1 (x+^d[i])(q) )として近似される。
なお、以下の表記において、「〜X」(Xは文字)における記号〜は、「X」の上に付く記号を示している。
ここで、〜gt-1 (x+^d[i])(q) は、gt-1 (x+^d[i])に対して、量子化ステップ幅qでの量子化を行った場合の復号信号であり、下記の式(3)のように表せる。
Figure 0004824712
この式(3)におけるvt-1 (x+^d[i])qは、量子化に伴い発生する誤差を表しており、vt-1 (x+^d[i])は信号ft-1 (x+^d[i])に依存するパラメータである。
参照位置の画素値ft-1 (x+^d[i])と補間により生成した値Ι(〜gt-1 (x+^d[i])(q) )との差は、前述の式(3)を使い、下記の式(4)のように表せる。
Figure 0004824712
ここで、et-1 int (x+^d[i])は、
t-1 int (x+^d[i])
=ft-1 (x+^d[i])−I(ft-1 (x+^d[i]))
の通りである。
このとき、セグメント内の動き補償後の予測誤差は、“gt (x)=ft (x)+nt (x)”と前述の式(3)とを使うことで、下記の式(5)のように表せる。
Figure 0004824712
ここで、φ(x)は、テイラー展開の2次以降の項である。
また、N(x)は、参照フレームにおける補間誤差Nt-1 ref (x)と原信号に重畳している雑音nt (x)との和であり、
N(x)=nt (x)−I(nt-1 (x+^d[i]))
+et-1 int (x+^d[i])−I(vt-1 (x+^d[i]))q
のように表せる。
また、ζ[i](x)は、推定変移量^d[i]とxにおける真の変移量d[i](x)との推定誤差であり、
ζ[i](x)=d[i](x)−^d[i]
のように表せる。
後述する『[3]変移量推定誤差とフレームレートとの関係』で説明するように、変移量推定誤差をフレームレートFの関数として、下記の式(6)(7)ように近似できる。
Figure 0004824712
ここで、κ1 ,κ1 ’およびκ2 は映像信号に依存する定数である。また、δは動き推定の精度である。例えば、MPEG−2準拠の符号化器の場合、δ=1/2に設定される。
全セグメント(B[i](i=1,2,... ,X/L))に対するσ[i]2 の和を算出する。このとき、N(x)の各項の独立性を仮定することで、下記の式(8)に示すような近似式を得る。
Figure 0004824712
ここで、〜N(x)2 は下記の式(9)に示す通りである。
Figure 0004824712
さらに、変移量推定誤差ζ[i](x)と画素値の微分値とが統計的に独立だと仮定して、式(6)および式(7)を式(8)に代入すると、予測誤差電力について下記の式(10)に示す近似式を得る。
Figure 0004824712
ここで、モデルパラメータα1,α2,α3,α4,α5 は、それぞれ下記の式(11)の通りである。
Figure 0004824712
この式から分かるように、モデルパラメータα1 は、参照フレームにおける隣接画素間の差分値の二乗和から導出されることになる。また、モデルパラメータα2 は、フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差と参照フレームにおける隣接画素間差分値との積の和から導出されることになる。また、モデルパラメータα3 は、原信号に重畳している雑音nt (x)と参照フレームにおける補間誤差Nt-1 ref (x)との和として定義されるN(x)の二乗値の近似値として導出されることになる。また、モデルパラメータα4 は、フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差の二乗和から導出されることになる。
[2]パラメータの推定
次に、モデルパラメータα3 を定義する前述の式(9)の推定について説明する。前述の式(9)の各項は以下のように推定する。
前述の式(9)の第一項のnt (x)2 は、カメラの熱雑音等に起因する雑音成分の電力である。
この推定には、まず、フレーム内の静止領域を同定する。静止領域の同定方法については外部から与えられる。例えば、フレームをブロックに分割し、ブロック毎に動き推定を行い動きベクトルを求め、その動きベクトルがゼロベクトルとなった領域を静止領域とする。静止領域と同定されたブロックに対して、フレーム間差分を求める。そのフレーム間差分信号の二乗和を求め、その二乗和の画素平均値nt (x)2 を推定値とする。
前述の式(9)の第二項のI(nt-1 (x+^d[i]))2 は、補間フィルタ通過後の雑音成分の電力である。
雑音成分nt (x)2 が無相関であると仮定し、jδ(j=1,... ,δ-1−1)画素位置での補間フィルタ通過後の雑音電力を下記の式(12)のように近似する。
Figure 0004824712
さらに、jδ(j=1,... ,δ-1−1)画素位置での補間フィルタ処理が、ほぼ同程度の頻度で行われたと仮定すると、I(nt-1 (x+^d[i]))2 は下記の式(13)のように近似できる。
Figure 0004824712
前述の式(9)の第三項のet-1 int (x+^d[i])2 は、小数画素位置の画素値の補間に伴う推定誤差である。
t (x)に対して、ダウンサンプリング処理を行い、解像度をδに縮小した画像信号ht (x)を得る。ダウンサンプリング処理に用いるフィルタは外部から与えられるものとする。例えば、前述の補間フィルタの逆フィルタ、あるいは、sinc関数に基づく帯域制限フィルタ等が考えられる。このht (x)に対して、前述の補間フィルタにより、解像度をδ-1倍に拡大した信号ft (x)’を得る。同補間フィルタに伴う補間誤差の推定値として、下記の式(14)により近似する。
Figure 0004824712
前述の式(9)の第四項のI(vt-1 (x+^d[i]))2 2 は、参照信号の量子化に伴う誤差である。
参照信号として原信号を用いた場合の予測誤差電力と参照信号として量子化・逆量子化により得られる復号信号を用いた場合の予測誤差電力との差分値(画素平均)を、vt-1 (x+^d[i])2 2 の推定値“−εq ”とする。ここで、“−εq ”における記号“−”は“εq ”の上に付く記号を示している。さらに、この推定値“−εq ”を用いて、I(vt-1 (x+^d[i]))2 2 を下記の式(15)のように近似する。
Figure 0004824712
[3]変移量推定誤差とフレームレートとの関係
次に、前述の式(6)(7)が成立することについて説明する。
[3−1]式(6)の導出
連続値として表した場合の変移量^dF [i]を離散した場合の離散値を〜dF [i]とする。このときの離散化誤差をε[i]とすると、〜dF [i]は下記の式(16)のようにあらわせる。
Figure 0004824712
ε[i]は平均が零値、分散が動き推定精度の二乗値に比例する一様分布に従うものと仮定する。二乗誤差規範に基づくブロックマッチングでは、各ブロックに対する推定変移量は、ブロック中央位置の画素の変移量を用いて近似的にあらわすことができる。xc [i]をセグメントB[i]の中央位置の座標とすると、これにより、フレームレートF=F0 の場合の推定変移量は下記の式(17)のように近似できる。
Figure 0004824712
さらに、^xにおける変移量と^x’における変移量との差分は平均がゼロ、分散が両座標位置の差分値に比例する正規分布としてモデル化できる。ここで、^xおよび^x’は、セグメントB[i](i=1,2,... ,X/L)内での座標位置を示す。つまり、下記の式(18)のような近似が可能となる。
Figure 0004824712
ここで、E[・]は期待値演算を表し、^ch は信号依存のパラメータである。同モデルは、全セグメントB[i](i=1,2,... ,X/L)における変移量の差分値(dF0[i](^x)−dF0[i](^x’))に対する集合平均の良好な近似値を与える。
式(17)(18)により、下記の式(19)を得る。
Figure 0004824712
ここで、ch 2 =(X/L)^ch 2 である。ξはセグメントB[i]の中央位置を原点とする座標系での座標値であり、ξはx−x0 [i]と表すことができる。つまり、ξはセグメントB[i]の中央位置からの距離である。
異なるフレームレートにおける2つの変移量の関係を導く。隣接フレーム間での物体の移動は、等速運動に従うものと仮定する。この場合、物体の変移量はフレーム間隔に比例する。つまり、変移量はフレームレートに反比例するといえる。これにより、下記の式(20)の関係を得る。
Figure 0004824712
式(16)、式(20)およびε[i]がフレームレートに依存しないという仮定を用いて、下記の式(21)を得る。
Figure 0004824712
式(21)およびε[i]が統計的に変移量と独立であるとする仮定を用いることで、下記の式(22)を得る。
Figure 0004824712
ここで、ξ=x−xc [i]、また、δは動き推定精度を表す。例えば、MPEG−2の符号化器の場合、δ=1/2に設定され、MPEG−4ASP(Advanced Simple Profile) の符号化器の場合、δ=1/4に設定される。
式(22)において、F0 2h 2 Σξ2 をκ1 と表し、XY/12をκ1'と表すことにより、式(6)を得る。
[3−2]式(7)の導出
ε[i]がゼロ平均の一様分布に従うと仮定すると、下記の式(23)を得る。
Figure 0004824712
ζF [i](x)を、
ζF [i](x)=dF [i](x)−^dF [i]
のように定義する変移量の推定誤差とする。
このとき、{ΣΣζF [i](x)}2 について、下記の式(24)の通り表すことができる。
Figure 0004824712
式(24)の第一項は、式(22)により近似することができる。また、第二項はシュワルツの不等式より下記の式(25)の関係をみたす。
Figure 0004824712
ここで、ξ=x−xc [i]、ξ’=x’−xc [i]である。この式(25)の不等式により、下記の式(26)の近似式を得る。
Figure 0004824712
ここで、βは−1から1の範囲の値をとるパラメータである。式(26)および式(22)を式(24)に代入することにより下記の式(27)を得る。
Figure 0004824712
したがって、下記の式(28)を得る。
Figure 0004824712
ここで、γは1か−1である。式(28)に記述される下記の式(29)をκ2 とおくことにより、式(7)を得る。
Figure 0004824712
[4]動き推定精度の最適化
歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を評価関数として考える。以下では、量子化ステップ幅が与えられた場合に、その評価関数を最小化する動き推定精度を算出する方法について詳述する。
量子化ステップ幅q、フレームレートF、動き推定精度δが与えられた場合、フレーム間予測誤差の符号量は、
c (q,F,δ)=(1/2)log2 γc (P(F,δ)/q2
・・・ 式(30)
のようにモデル化できる。
ここで、γc は信号依存の定数パラメータである。また、P(F,δ)は、
P(F,δ)=Σσ[i]2 但し、Σはi=1〜X/Lについての総和
であり、フレーム内の予測誤差電力和を示す。
一方、フレームレートF、動き推定精度δが与えられた場合、変移量の符号量は、
mv(F,δ)=(X/L)log2 (2U(F)/δ) ・・・ 式(31)
のようにモデル化できる。
ここで、U(F)はフレームレートがFの場合の動き推定の探索範囲を表しており、変移量^dは−U(F)≦^d≦U(F)−1の範囲をとりうるものとする。したがって、2U(F)/δは探索範囲内における推定変移量の候補数を表す。
変移量はフレーム間隔に比例して減少するため、符号量削減の観点から、U(F)はFに反比例するように、
U(F)=U0 0 /F
というように設定する。ここで、U0 はフレームレートがF0 の場合の動き推定の範囲を表すパラメータである。
このとき、予測誤差信号と変移量の符号量の総和は、
R(q,F,δ)=Rc (q,F,δ)+Rmv(F,δ) ・・・ 式(32)
となる。
この式(32)が歪み量を一定(量子化ステップ幅qを固定)とした場合の符号量を与えている。
このようにフレームレートF、量子化ステップ幅qが与えられた場合に、R(q,F,δ)を最小化する動き推定精度δ* (F)を算出する。求めるべきδ* (F)は、
∂R(q,F,δ)/∂δ
=∂Rc (q,F,δ)/∂δ+∂Rmv(F,δ)/∂δ=0
・・・ 式(33)
という式を満たす。
この式(33)を満たすδ* (F)は、下記の式(34)のように表せる。
Figure 0004824712
ここで、この式(34)の値は、下記の式(35)および式(36)の関係を満足する。
Figure 0004824712
式(35)は、フレームレートの増加と共に動き推定精度を小さくする必要があることを示している。さらに、式(36)は、フレームレートが極限まで大きくなると、動き推定精度の減少は収束することを示している。なお、ここでは、モデルパラメータα4 はF-1の4次以上の項からなることを考慮している。
モデルパラメータα3 における〜N(x)は、推定変移量^dが小数画素精度の場合、参照に必要な補間位置の画素値を生成することに伴う誤差、撮像系の熱雑音等に起因する成分からなる誤差項である。フレームレートが極限まで大きくなり、フレーム間隔が極限まで小さくなると、フレーム間予測誤差内において、その誤差項に起因する成分が支配的になる。こうした状況では、動き推定精度を高めても、それに見合う予測誤差の低減は得られない。このことを式(36)は示しており、映像信号の物理的な性質に符合する。
このようにして、本発明によれば、フレームレートFが与えられた場合に、式(34)に従って、歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を最小化する動き推定精度δ* (F)を算出することができるようになる。
次に、本発明の実施例について説明する。
図1に、本発明を具備する映像符号化装置1の装置構成を図示する。
この図に示すように、本発明の映像符号化装置1は、符号化対象となる映像を格納する映像ファイル10と、非整数画素精度の動き推定を行うフレーム間予測を使って、映像ファイル10に格納される映像を符号化する符号化部11と、符号化部11がフレーム間予測を行う上で必要となる動き推定精度を算出して符号化部11に与える動き推定精度算出部12と、符号化部11の符号化した符号化データを格納する符号化データファイル13とを備える。
図2および図3に、動き推定精度算出部12の実行するフローチャートを図示する。次に、このフローチャートに従って、本発明の実行する処理について詳細に説明する。
動き推定精度算出部12は、図2のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS101で、符号化対象フレームを読み込み、続くステップS102で、参照フレームを読み込む。
続いて、ステップS103で、参照フレームにおける隣接画素間の差分値を算出する。すなわち、式(11)のα1 の定義式に記述される「d/dx(ft-1(x))」を算出するのである。
続いて、ステップS104で、ステップS103で算出した隣接画素間差分値の二乗和を算出する。すなわち、式(11)のα1 の定義式に記述される「ΣΣ(d/dx(ft-1(x)))2 」を算出するのである。
続いて、ステップS105で、フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差を算出する。すなわち、式(11)のα2,α4 の定義式に記述される「φ(x)」を算出するのである。
続いて、ステップS106で、ステップS105で算出したテイラー展開の近似誤差とステップS103で算出した隣接画素間差分値との積の和を算出する。すなわち、式(11)のα2 の定義式に記述される「ΣΣ(φ(x)×d/dx(ft-1(x)))」を算出するのである。
続いて、ステップS107で、ステップS105で算出したテイラー展開の近似誤差の二乗和を算出することでモデルパラメータα4 を算出する。すなわち、式(11)のα4 の定義式に記述される「ΣΣ(φ(x)2 )」を算出することで、モデルパラメータα4 を算出するのである。
続いて、ステップS108で、式(11)のα3 の定義式に記述される「ΣΣ(〜N(x)2 )」を算出することでモデルパラメータα3 を算出する。このステップS108で実行するモデルパラメータα3 の算出処理の詳細については、図3のフローチャートで後述する。
一方、ステップS109で、フレームレートFを読み込み、続くステップS110で、読み込んだフレームレートの逆数F-1を算出し、続くステップS111で、算出したフレームレートの逆数の二乗値F-2を算出する。
続いて、ステップS112で、フレーム内の画素数Xを読み込み、続くステップS113で、セグメント内の画素数Lを読み込む。すなわち、『[1]フレームレートとフレーム間予測誤差電力との関係』で説明したXサンプルのXの値とLサンブルのLの値とを読み込むのである。
続いて、ステップS114で、ステップS112で読み込んだ画素数XをステップS113で読み込んだ画素数Lで除算することで、セグメント数(X/L)を算出する。
このようにして、ステップS101〜ステップS114の処理を終了すると、続いて、ステップS115で、ステップS104の算出値にF-2と定数パラメータκ1 を乗じた値を算出することで、式(34)に記述されるα1 -2を算出する。
すなわち、ステップS104の算出値に定数パラメータκ1 を乗ずることで、式(11)のα1 の定義式に従ってモデルパラメータα1 を算出して、それにF-2を乗ずることで、式(34)に記述されるα1 -2を算出するのである。
続いて、ステップS116で、ステップS106の算出値にF-1と定数パラメータκ2 の2倍値(2×κ2 )を乗じた値を算出することで、式(34)に記述されるα2 -1を算出する。
すなわち、ステップS106の算出値に定数パラメータκ1 の2倍値(2×κ2 )を乗ずることで、式(11)のα2 の定義式に従ってモデルパラメータα2 を算出して、それにF-1を乗ずることで、式(34)に記述されるα2 -1を算出するのである。
続いて、ステップS117で、ステップS107,S108,S115,S116の算出値の和を算出することで、式(34)の分子の値を算出する。
すなわち、ステップS107の算出値であるα4 と、ステップS108の算出値であるα3 と、ステップS115の算出値であるα1 -2と、ステップS116の算出値であるα2 -1との和を算出することで、式(34)の分子の値
α1 -2+α2 -1+α3 +α4
を算出するのである。
続いて、ステップS118で、ステップS114の算出値から1を減算した値にステップS104の算出値と定数パラメータκ1,κ1'を乗じた値を算出することで、式(34)の分母の値を算出する。
すなわち、ステップS114の算出値から1を減算した値である(X/L−1)に、ステップS104の算出値である「ΣΣ(d/dx(ft-1(x))2 」と定数パラメータκ1 との乗算値として定義されるモデルパラメータα1 を乗じて、さらにそれに定数パラメータκ1'を乗ずることで、式(34)の分母の値
(X/L−1)α1 κ1'
を算出するのである。
続いて、ステップS119で、ステップS117の算出値をステップS118の算出値で除算した値を算出することで、歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を最小化する動き推定精度δ* (F)を算出する。
すなわち、式(34)の定義に従い、ステップS117の算出値であるα1 -2+α2 -1+α3 +α4 を、ステップS118の算出値である(X/L−1)α1 κ1'で除算することで、歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を最小化する動き推定精度δ* (F)を算出するのである。
このようにして、動き推定精度算出部12は、フレームレートが与えられた場合に、式(34)に従って、歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を最小化する動き推定精度δ* (F)を算出するのである。
次に、図3のフローチャートに従って、ステップS108で実行するモデルパラメータα3 の算出処理の詳細について説明する。
ここで、モデルパラメータα3 は、式(11)に記載するように、式(9)で定義される〜N(x)2 の総和として定義されるものである。
動き推定精度算出部12は、図2のフローチャートのステップS108の処理に入ると、図3のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS201で、符号化対象フレームを読み込み、続くステップS202で、参照フレームを読み込む。
続いて、ステップS203で、補間フィルタの伝達関数(前述の式(2)に記述される補間係数ψj [k])を算出する。
続いて、ステップS204で、原信号に重畳する雑音電力(式(9)の右辺の第一項)を推定する。
続いて、ステップS205で、補間フィルタ通過後の原信号に重畳する雑音電力(式(9)の右辺の第二項)を推定する。
続いて、ステップS206で、補間位置の画素値の推定誤差電力(式(9)の右辺の第三項)を推定する。
一方、ステップS207で、量子化パラメータを読み込み、続くステップS208で、読み込んだ量子化パラメータに対応する量子化ステップ幅を算出する。
続いて、ステップS209で、補間フィルタ通過後の参照画像の量子化誤差電力(式(9)の右辺の第四項)を推定する。
このようにして、ステップS201〜ステップS209の処理を終了すると、最後に、ステップS210で、ステップS204,S205,S206,S209で求めた電力の和を算出することで、式(11)および式(9)で定義されるモデルパラメータα3 を算出して、図2のフローチャートのステップS108の処理を終了する。
図4に、以上に説明した処理を実行する動き推定精度算出部12の装置構成を図示する。
動き推定精度算出部12は、この図に示すように、符号化対象フレーム記憶部101と、参照フレーム記憶部102と、画素間差分値算出部103と、画素間差分値記憶部104と、二乗和算出部105と、テイラー展開近似誤差算出部106と、テイラー展開近似誤差記憶部107と、積算値加算処理部108と、修正テイラー展開近似誤差記憶部109と、二乗和算出部110と、テイラー展開近似誤差二乗和記憶部111と、残差成分算出部112と、残差成分記憶部113と、フレームレート記憶部114と、逆数算出部115と、フレームレート逆数記憶部116と、二乗値算出部117と、フレームレート逆数二乗値記憶部118と、セグメント数算出部119と、セグメント数記憶部120と、減算処理部121と、セグメント数記憶部122と、パラメータ記憶部123と、パラメータ記憶部124と、積算処理部125と、画素間差分値二乗和記憶部126と、積算処理部127と、積算処理部128と、加算処理部129と、加算値記憶部130と、積算処理部131と、積算値記憶部132と、除算処理部133とを備える。
このように構成される動き推定精度算出部12では、符号化対象フレーム記憶部101は、符号化対象フレームを記憶する。参照フレーム記憶部102は、参照フレームを記憶する。
画素間差分値算出部103は、図2のフローチャートのステップS103の処理を実行するものであって、参照フレームにおける隣接画素間の差分値を算出する。画素間差分値記憶部104は、画素間差分値算出部103の算出した隣接画素間差分値を記憶する。二乗和算出部105は、図2のフローチャートのステップS104の処理を実行するものであって、画素間差分値算出部103の算出した隣接画素間差分値の二乗和を算出する。
テイラー展開近似誤差算出部106は、図2のフローチャートのステップS105の処理を実行するものであって、フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差を算出する。テイラー展開近似誤差記憶部107は、テイラー展開近似誤差算出部106の算出したテイラー展開の近似誤差を記憶する。
積算値加算処理部108は、図2のフローチャートのステップS106の処理を実行するものであって、テイラー展開近似誤差算出部106の算出したテイラー展開の近似誤差と画素間差分値算出部103の算出した隣接画素間差分値との積の和を算出する。修正テイラー展開近似誤差記憶部109は、積算値加算処理部108の算出値(修正テイラー展開近似誤差と称している)を記憶する。
二乗和算出部110は、図2のフローチャートのステップS107の処理を実行するものであって、テイラー展開近似誤差算出部106の算出したテイラー展開近似誤差の二乗和を算出することでモデルパラメータα4 を算出する。テイラー展開近似誤差二乗和記憶部111は、二乗和算出部110の算出したモデルパラメータα4 を記憶する。
残差成分算出部112は、図2のフローチャートのステップS108の処理を実行するものであって、図3のフローチャートの処理を実行することで、モデルパラメータα3 を算出する。残差成分記憶部113は、残差成分算出部112の算出したモデルパラメータα3 を記憶する。
フレームレート記憶部114は、フレームレートFを記憶する。逆数算出部115は、図2のフローチャートのステップS110の処理を実行するものであって、フレームレートの逆数F-1を算出する。フレームレート逆数記憶部116は、逆数算出部115の算出したフレームレートの逆数F-1を記憶する。二乗値算出部117は、図2のフローチャートのステップS111の処理を実行するものであって、フレームレートの逆数の二乗値F-2を算出する。フレームレート逆数二乗値記憶部118は、二乗値算出部117の算出したフレームレートの逆数の二乗値F-2を記憶する。
セグメント数算出部119は、図2のフローチャートのステップS114の処理を実行するものであって、セグメント数X/Lを算出する。セグメント数記憶部120は、セグメント数算出部119の算出したセグメント数X/Lを記憶する。減算処理部121は、セグメント数算出部119の算出したセグメント数から1を減算した値(X/L−1)を算出する。セグメント数記憶部122は、減算処理部121の算出したセグメント数(X/L−1)を記憶する。
パラメータ記憶部123は、定数パラメータκ1,κ1'を記憶する。パラメータ記憶部124は、定数パラメータκ2 を記憶する。
積算処理部125は、二乗和算出部105の算出した隣接画素間差分値の二乗和と定数パラメータκ1 とを乗算することで、式(11)で定義されるモデルパラメータα1 を算出する。画素間差分値二乗和記憶部126は、積算処理部125の算出したモデルパラメータα1 を記憶する。
積算処理部127は、図2のフローチャートのステップS115の処理に相当する処理を実行するものであって、積算処理部125の算出したモデルパラメータα1 と二乗値算出部117の算出したフレームレートの逆数の二乗値F-2とを乗算することで、式(34)に記述されるα1 -2を算出する。
積算処理部128は、図2のフローチャートのステップS116の処理を実行するものであって、積算値加算処理部108の算出値と定数パラメータκ2 の2倍値と逆数算出部115の算出したフレームレートの逆数F-1とを乗算することで、式(34)に記述されるα2 -1を算出する。
加算処理部129は、図2のフローチャートのステップS117の処理を実行するものであって、積算処理部127の算出したα1 -2と、積算処理部128の算出したα2 -1と、二乗和算出部110の算出したモデルパラメータα4 と、残差成分算出部112の算出したモデルパラメータα3 とを加算することで、式(34)の分子の値を算出する。加算値記憶部130は、加算処理部129の算出した値を記憶する。
積算処理部131は、図2のフローチャートのステップS118の処理を実行するものであって、積算処理部125の算出したモデルパラメータα1 と、定数パラメータκ1'と、減算処理部121の算出したセグメント数(X/L−1)とを乗算することで、式(34)の分母の値を算出する。積算値記憶部132は、積算処理部131の算出値を記憶する。
除算処理部133は、図2のフローチャートのステップS119の処理を実行するものであって、加算処理部129の算出値を積算処理部131の算出値で除算することで、式(34)で定義される動き推定精度δ* (F)を算出する。
このようにして、動き推定精度算出部12は、この図4に示す装置構成に従って、図2および図3のフローチャートを実行することで、フレームレートが与えられた場合に、式(34)に従って、歪み量を一定(量子化ステップ幅を固定)とした場合の符号量を最小化する動き推定精度δ* (F)を算出するのである。
本発明は、非整数画素精度の動き推定を行うフレーム間予測を伴う映像符号化に適用できるものであり、本発明によれば、フレームレートが与えられた場合に、歪み量を一定とした場合の符号量を最小化する動き推定精度を推定することができるようになる。
本発明の映像符号化装置の装置構成図である。 動き推定精度算出部の実行するフローチャートである。 動き推定精度算出部の実行するフローチャートである。 動き推定精度算出部の装置構成図である。
符号の説明
101 符号化対象フレーム記憶部
102 参照フレーム記憶部
103 画素間差分値算出部
104 画素間差分値記憶部
105 二乗和算出部
106 テイラー展開近似誤差算出部
107 テイラー展開近似誤差記憶部
108 積算値加算処理部
109 修正テイラー展開近似誤差記憶部
110 二乗和算出部
111 テイラー展開近似誤差二乗和記憶部
112 残差成分算出部
113 残差成分記憶部
114 フレームレート記憶部
115 逆数算出部
116 フレームレート逆数記憶部
117 二乗値算出部
118 フレームレート逆数二乗値記憶部
119 セグメント数算出部
120 セグメント数記憶部
121 減算処理部
122 セグメント数記憶部
123 パラメータ記憶部
124 パラメータ記憶部
125 積算処理部
126 画素間差分値二乗和記憶部
127 積算処理部
128 積算処理部
129 加算処理部
130 加算値記憶部
131 積算処理部
132 積算値記憶部
133 除算処理部

Claims (6)

  1. 非整数画素精度の動き推定を行うフレーム間予測を伴う映像符号化で用いられて、映像を符号化する際に、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定する動き推定精度推定方法であって、
    フレームレートを入力する過程と、
    あるフレームレートで符号化を行う場合におけるフレーム間予測の予測誤差電力の推定に用いられる関数に記述される4個のモデルパラメータを入力する過程と、
    前記入力した4個のモデルパラメータに基づいて、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度の推定に用いられる、フレームレートの逆数を変数とする二次関数を決定する過程と、
    前記決定した二次関数に対して、前記入力したフレームレートの値を代入することで、前記入力したフレームで符号化を行う場合に発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定する過程と、
    前記推定した動き推定精度を出力する過程とを有し、
    前記入力する過程では、(1)参照フレームにおける隣接画素間の差分値の二乗和から導出されるモデルパラメータと、(2)フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差と参照フレームにおける隣接画素間差分値との積の和から導出されるモデルパラメータと、(3)原信号に重畳している雑音と参照フレームにおける補間誤差との和の二乗和の近似値から導出されるモデルパラメータと、(4)フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差の二乗和から導出されるモデルパラメータという4個のモデルパラメータを入力することを、
    特徴とする動き推定精度推定方法。
  2. 請求項1に記載の動き推定精度推定方法において、
    前記決定する過程では、フレームレートをFで表し、前記4個のモデルパラメータをα1,α2,α3,α4 で表し、動き補償の単位となるセグメントの数をMで表し、係数をκで表すならば、前記二次関数として、
    (α1 -2+α2 -1+α3 +α4 )/κα1(M−1)
    という関数を決定することを、
    特徴とする動き推定精度推定方法。
  3. 非整数画素精度の動き推定を行うフレーム間予測を伴う映像符号化で用いられて、映像を符号化する際に、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定する動き推定精度推定装置であって、
    フレームレートを入力するフレームレート入力手段と、
    あるフレームレートで符号化を行う場合におけるフレーム間予測の予測誤差電力の推定に用いられる関数に記述される4個のモデルパラメータを入力するモデルパラメータ入力手段と、
    前記モデルパラメータ入力手段の入力した4個のモデルパラメータに基づいて、歪み量を一定とする符号化の条件下において、その符号化で発生することになる符号量を最小化する動き推定精度の推定に用いられる、フレームレートの逆数を変数とする二次関数を決定する決定手段と、
    前記決定手段の決定した二次関数に対して、前記フレームレート入力手段の入力したフレームレートの値を代入することで、前記フレームレート入力手段の入力したフレームで符号化を行う場合に発生することになる符号量を最小化する動き推定精度を推定する推定手段と、
    前記推定手段の推定した動き推定精度を出力する出力手段とを備え、
    前記モデルパラメータ入力手段は、(1)参照フレームにおける隣接画素間の差分値の二乗和から導出されるモデルパラメータと、(2)フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差と参照フレームにおける隣接画素間差分値との積の和から導出されるモデルパラメータと、(3)原信号に重畳している雑音と参照フレームにおける補間誤差との和の二乗和の近似値から導出されるモデルパラメータと、(4)フレーム間予測誤差に対するテイラー展開の近似誤差の二乗和から導出されるモデルパラメータという4個のモデルパラメータを入力することを、
    特徴とする動き推定精度推定装置。
  4. 請求項3に記載の動き推定精度推定装置において、
    前記決定手段は、フレームレートをFで表し、前記4個のモデルパラメータをα1,α2,α3,α4 で表し、動き補償の単位となるセグメントの数をMで表し、係数をκで表すならば、前記二次関数として、
    (α1 -2+α2 -1+α3 +α4 )/κα1(M−1)
    という関数を決定することを、
    特徴とする動き推定精度推定装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の動き推定精度推定方法をコンピュータに実行させるための動き推定精度推定プログラム。
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