JP4820609B2 - 圧電共振器を用いたフィルタモジュール、共用器及び通信機器並びにその製造方法 - Google Patents

圧電共振器を用いたフィルタモジュール、共用器及び通信機器並びにその製造方法 Download PDF

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本発明は、圧電共振器を用いたフィルタに関し、特に、携帯電話及び無線LAN等の移動体通信端末の高周波回路に用いる基板上に形成されたフィルタモジュールに関する。
携帯電話や無線LAN等の移動体通信端末に内蔵される部品は、小型化及び軽量化と共に高性能化することが要求されており、小型軽量で且つ高性能なフィルタが求められている。このような要求を実現することを目的として圧電体によって構成される圧電共振器を用いたフィルタが提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2を参照。)。この圧電共振器として薄膜バルク音響共振器(FBAR)等の圧電体の厚さ方向の縦振動を利用する共振器を用いることによりより小形で且つ高性能なフィルタを得ることができる可能性がある。
このようなフィルタを小型化且つ高性能化するためには、1枚の基板の上に複数の圧電共振器を形成しなければならない。また、高い周波数において使用できるフィルタを得るためには、個々の圧電共振器の特性を向上させる必要があるばかりでなく、圧電共振器の配置、圧電共振器間の配線さらにはフィルタと外部の回路との接続等について最適化する必要がある。
1枚の基板の上に複数の圧電共振器を形成する技術は特許文献3に開示されている。これによれば、複数の圧電共振器を単一の基板上に形成し、ウエハ上にパターニングされた電気的接続部によって各圧電共振器が電気的に接続されるため、フィルタを小型化することができる。
特許第2800905号明細書 米国特許第5373268号 特開平9−64683号明細書
しかしながら、従来のフィルタにおいては、基板の上に複数の共振器を形成し、フィルタを小型化することについては考慮されているが、共振器間の接続及びフィルタと外部の回路との接続については考慮されていない。このため、従来のフィルタ構成及び製造方法においては、圧電体層をエッチングして圧電体層を跨いで上部電極と下部電極とを接続する立体配線を形成したり、外部との信号をやり取りする入出力端子及び接地端子等の外部接続端子が圧電体層の上部と下部の両方に形成され、フィルタと外部の回路との間に複雑で立体的な配線を形成したりする必要があるという問題がある。
従って、プロセスが複雑になると共に製造バラツキが増加して共振器の高周波数における特性が悪化する。さらには、非常に精密なエッチングを行う必要があり、エッチング時に圧電共振器として必要な部分までエッチングされる恐れがある。また、圧電共振器の上部電極の表面粗度が悪化し圧電共振器の共振特性が劣化する恐れもある。
また、エッチングを避けるためにマスクを用いて圧電体層の形状を制御し、下部電極の一部を露出させることは可能ではあるが、工程が非常に複雑になる。また、いずれにしても圧電体層の厚さに相当する段差を有する立体配線を形成することになるので、圧電体層の膜厚が厚くなるとパターニングされた電極の導通不良等が発生し、共振器の抵抗損失の増加、さらには共振器としての共振特性が悪化する。
一方、外部接続端子を圧電体層の上側と下側の両方に設けることは可能であるが、この場合には、フィルタモジュールと外部回路とを接続する際に立体配線を形成する必要がある。従って、フィルタモジュールを機器に組み込む際に複雑な配線を形成しなければならない。高周波回路においてはわずかな配線のとりまわしが機器全体の性能の低下を招く恐れがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決し、フィルタモジュール内に圧電体層を跨ぐ立体的な配線がなく小型で高性能であると共に、すべての外部接続端子が同一の平面上に存在し機器への組み込みが容易な、圧電体の厚さ方向の縦振動を利用する圧電共振器を用いたフィルタを実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、フィルタモジュールと外部の回路との接続をすべて圧電体層の一の面において行う構成とする。
具体的に本発明に係るフィルタモジュールは、基板と、それぞれが基板の上に形成され、基板の主面上に該主面に沿って保持された圧電体層を有し、該圧電体層の厚さ方向の縦振動を利用する複数の共振器と、圧電体層の上側又は下側に設けられ、外部の回路と電気的に接続される複数の外部接続端子と、圧電体層の外部接続端子と同一の側に設けられ、各外部接続端子を複数の共振器のうちのいずれかと電気的に接続する複数の第1の配線とを備えていることを特徴とする。
本発明のフィルタモジュールによれば、圧電体層の外部接続端子と同一の側に設けられ、各外部接続端子を複数の共振器のうちのいずれかと電気的に接続する複数の第1の配線外部接続端子と共振器とを接続する立体配線を形成する必要がなく、立体配線形成のために圧電体層をエッチングする必要がない。このため、圧電体層にエッチングによるダメージが加えられることがないので、高周波領域における特性劣化のないフィルタが得られる。また、フィルタモジュール内の配線が単純化できるためフィルタモジュールの占有面積を小さくすることが可能となる。さらに、フィルタモジュールと外部の回路との接続も容易となる。
本発明のフィルタモジュールは、複数の共振器のうち所定の共振器同士を電気的に接続する複数の第2の配線をさらに備え、各共振器は、圧電体層の下面及び上面にそれぞれ形成された下部電極及び上部電極からなる複数対の電極を有し、各第1の配線は、下部電極及び上部電極のうち圧電体層の外部接続端子が形成されている側の面に形成された電極とそれぞれ電気的に接続され、各第2の配線は、下部電極同士をそれぞれ電気的に接続するか又は上部電極同士をそれぞれ電気的に接続することが好ましい。
このような構成とすることにより、フィルタモジュール内に圧電体層を跨ぐ立体配線を形成する必要がなく、立体配線形成のために圧電体層をエッチングする必要がない。従って、圧電体層にエッチングによるダメージが加えられることがないので、高周波領域における特性劣化のないフィルタが得られる。また、フィルタモジュール内の配線が単純化できるためフィルタモジュールの占有面積を小さくすることが可能となる。さらに、フィルタモジュールと外部の回路との接続も容易となる。
本発明のフィルタモジュールにおいて、各下部電極の下には、空洞部が設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、圧電体の厚さ方向の縦振動を用いる圧電共振器を基板上に確実に形成することができる。
また、各下部電極の下には、複数の音響多層膜が設けられており、音響多層膜は、第1の薄膜と、該第1の薄膜と比べて音響インピーダンスが高い第2の薄膜とが交互に積層され、且つ、最上層が第1の薄膜であることが好ましい。このような構成であっても圧電体の厚さ方向の縦振動を用いる圧電共振器を基板上に確実に形成することができる。
本発明のフィルタモジュールにおいて、複数の外部接続端子は、圧電体層の上側に設けられていても、圧電体層の下側に設けられていてもよい。このような構成とすることにより外部接続端子と外部の回路との接続が容易となる。
本発明のフィルタモジュールは、ラダー型フィルタであり、外部接続端子は、フィルタモジュールに信号を入出力する2個の入出力端子を含み、入出力端子の間には少なくとも1つの共振器ユニットが接続され、共振器ユニットは、複数の共振器のうち入出力端子の間に電気的に直列に接続された共振器からなる直列要素と、複数の共振器のうち入出力端子と接地との間に電気的に接続された共振器からなる少なくとも1つの並列要素とを含むことが好ましい。
本発明のフィルタモジュールにおいて、直列要素は、順に電気的に直列に接続された第1の共振器及び第2の共振器であり、並列要素は直列要素の両端部及び直列要素における第1の共振器と第2の共振器とが接続された接続部のうちの少なくとも1つと接地との間に接続されており、並列要素のうちの接続部と接続される並列要素は第3の共振器であり、並列要素のうち直列要素の両端部の少なくとも一方に接続される並列要素は、入出力端子側から直列に接続された第4の共振器及び第5の共振器であることが好ましい。このような構成であれば、フィルタモジュール内の配線形成を単純化でき、高性能のフィルタを確実に実現できる。
また、並列要素のうち直列要素の両端部の少なくとも一方に接続される並列要素は、第5の共振器と並列に接続された1個又は2個以上の第6の共振器を有していてもよく、並列要素のうち直列要素の両端部の少なくとも一方に接続される並列要素は、第5の共振器と並列に接続された1個又は2個以上の容量素子を有していてもよい。この場合において、容量素子は、圧電体層の所定の領域を容量絶縁膜として用いて形成されていることが好ましい。
本発明のフィルタモジュールにおいて、圧電体層は、成膜用基板の上に成膜され且つ基板の上に貼り合わされた膜であることが好ましい。このような構成とすることにより、Q値及び結合係数が高い高品質な圧電膜を備えており、低損失で且つ広帯域のフィルタモジュールを確実に実現できる。
本発明に係る共用器は、第1のフィルタと第2のフィルタと移相回路とを備え、第1のフィルタ及び第2のフィルタは、それぞれ本発明のフィルタモジュールからなることを特徴とする。
本発明の共用器によれば、本発明のフィルタモジュールを用いているため、配線パターンを単純化できるので、小型で且つ高性能の共用器を得ることができる。
本発明に係る第1の通信機器は、本発明のフィルタモジュールを備えることを特徴とする。第1の通信機器によれば本発明のフィルタモジュールを用いているため、配線パターンを単純化できるので、小型で且つ高性能の通信機器を得ることができる。
本発明に係る第2の通信機器は、本発明の共用器を備えることを特徴とする。第2の通信機器によれば本発明の共用器を用いているため、配線パターンを単純化できるので、小型で且つ高性能の通信機器を得ることができる。
本発明に係る第1のフィルタモジュールの製造方法は、基板の上に形成された複数の共振器からなるフィルタモジュールの製造方法を対象とし、第1の基板の上に圧電体層を形成する工程と、圧電体層の上に複数の下部電極を形成する工程と、圧電体層における該圧電体層を挟んで各下部電極と対向する領域に上部電極をそれぞれ形成する工程と、第2の基板の上に複数の凹部を備えた保持構造を形成する工程と、第1の基板と第2の基板とを、複数の下部電極が形成された圧電体層と複数の凹部が形成された保持構造とを対向させて貼り合わせることにより、各下部電極の下に空洞部がそれぞれ設けられた貼り合わせ構造を形成する工程と、貼り合わせ構造を形成した後に、第1の基板を剥離する工程と、圧電体層の上側又は下側に、外部の回路と接続される複数の外部接続端子を形成する工程と、各外部接続端子と複数の共振器のうちいずれかの共振器とを電気的に接続する複数の第1の配線を形成する工程と複数の共振器のうち所定の共振器同士を電気的に接続する第2の配線を形成する工程とを備え、各第1の配線は、圧電体層の外部接続端子が形成されている側の面に設けられた下部電極又は上部電極と電気的に接続され、第2の配線は、下部電極同士を接続するか又は上部電極同士を接続することを特徴とする。
第1の製造方法によれば、第1の基板と第2の基板とを、複数の下部電極が形成された圧電体層と複数の凹部が形成された保持構造とを対向させて貼り合わせることにより、各下部電極の下に空洞部を形成し、且つ、各第1の配線は、圧電体層の外部接続端子が形成されている側の面に設けられた下部電極又は上部電極と電気的に接続され、第2の配線は、下部電極同士を接続するか又は上部電極同士を接続するため、フィルタモジュールを形成する際に圧電体層をエッチングする必要がないので、圧電体層がエッチングにより劣化することがない。また、空洞部を容易に精度よく形成できるため、基板上に形成する各共振器の特性をそろえることが可能であり、その結果、高性能のフィルタを容易に得ることができる。さらに、圧電体層の上側又は下側の一方に、フィルタモジュールと外部の回路とを接続する複数の外部接続端子を形成するため、外部の回路との接続の際に配線のとりまわしをする必要がなく、高周波特性が劣化しにくいフィルタが得られる。
第1の製造方法において、上部電極は第1の基板を剥離した後に形成することが好ましい。
また、第1の製造方法は、貼り合わせ構造を形成する工程よりも前に、下部電極の上に第1の接着層を形成する工程及び保持部材の上に第2の接着層を形成する工程のうち少なくとも一方を備えていることが好ましい。このような構成とすることにより、圧電体層と保持構造とを確実に貼り合わせることが可能となる。また、この場合において、第1の接着層及び第2の接着層は、金又は金を含む合金であることが好ましい。
本発明に係る第2のフィルタモジュールの製造方法は、基板の上に形成された複数の共振器からなるフィルタモジュールの製造方法を対象とし、基板の上に複数の凹部を形成する工程と、各凹部を犠牲層により埋める工程と、基板の各犠牲層が形成された領域の上に下部電極をそれぞれ形成する工程と、下部電極が形成された基板の上に圧電体層を形成する工程と、各犠牲層を除去して、各下部電極の下に空洞部を形成する工程と、圧電体層における該圧電体層を挟んで各下部電極と対向する領域に上部電極をそれぞれ形成する工程と、圧電体層の上側又は下側に、外部の回路と接続される複数の外部接続端子を形成する工程と、各外部接続端子と複数の共振器のうちいずれかの共振器とを電気的に接続する複数の第1の配線を形成する工程と複数の共振器のうち所定の共振器同士を電気的に接続する第2の配線を形成する工程とを備え、各第1の配線は、圧電体層の外部接続端子が形成された側の面に設けられた下部電極又は上部電極と電気的に接続され、第2の配線は、下部電極同士を接続するか又は上部電極同士を接続することを特徴とする。
第2の製造方法によれば、圧電体層の上側又は下側の一方に、複数の外部接続端子を形成し、各第1の配線は、圧電体層の外部接続端子が形成された側の面に設けられた下部電極又は上部電極と電気的に接続され、第2の配線は、下部電極同士を接続するか又は上部電極同士を接続するため、圧電体層をエッチングして立体配線を形成することなく、すべての外部接続端子を圧電体層の同一の面に形成することができる。従って、エッチングによるダメージがなく、小型で高性能なフィルタユニットを容易に得ることが可能となる。
本発明の圧電共振器を用いたフィルタモジュールによれば、フィルタモジュール内に圧電体層を跨ぐ立体的な配線がなく小型で高性能であると共に、すべての外部接続端子が同一の平面上に存在し機器への組み込みが容易な、圧電体の厚さ方向の縦振動を利用する圧電共振器を用いたフィルタを実現できる。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュール用いたフィルタの回路図である。図1に示すように、6つの共振器からなるラダー型のフィルタモジュール101の入出力端子115A及び入出力端子115Bにそれぞれインダクタ113A及びインダクタ113Bが接続され、接地端子116A及び接地端子116Bがそれぞれインダクタ113C及びインダクタ113Dを介して接地されてフィルタが形成されている。
フィルタモジュール101は、3個の共振器がT字型に接続された共振器のユニット114A及びユニット114Bが直列に接続されて形成されている。ユニット114Aを構成する共振器のうち共振器111Cは、一端が接地端子116Aに接続され、さらにインダクタ113Cを介して接地されており、入出力端子115A及び入出力端子115Bに対して並列に接続された並列要素である。また、共振器111A及び共振器111Bは、入出力端子115A及び入出力端子115Bに対して直列に接続された直列要素であり、同様に、ユニット114Bにおいては、共振器111D及び共振器111Eが直列要素であり、共振器111Fが並列要素である。
図2は図1の回路図に示されたフィルタモジュールが形成された基板の平面構成の一例を示している。また、図3は図2に示す基板の断面構成を示しており図3(a)はIIIa−IIIa線における断面を示し、図3(b)はIIIb−IIIb線における断面を示している。
図2及び図3に示すように、基板160の上にはユニット114Aを構成する共振器111A、共振器111B及び共振器111C並びにユニット114Bを構成する共振器111D、共振器111E及び共振器111Fの6個の共振器が形成されている。
各共振器の断面構造はほぼ同一であり、例えば共振器111Cにおいては、図3(b)の左側に示すように、空洞部161が設けられたシリコンからなる基板160の上に酸化珪素(SiO2)からなる絶縁体層162が堆積されている。絶縁体層162の空洞部161に対向する領域の上にはモリブデン(Mo)からなる下部電極151Cが形成され、下部電極151Cの上には窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電体層163が形成されている。さらに、圧電体層163を挟んで下部電極151Cと対向する領域には上部電極152Cが形成されている。なお、絶縁体層162及び圧電体層163は、一体に形成されており各共振器に共通である。
基板160の上に形成された6個の共振器のうち、ユニット114Aを構成する共振器111Aの下部電極151Aと共振器111Bの下部電極151Bと共振器111Cの下部電極151Cとは互いに配線153により電気的に接続されている。また、ユニット114Bを構成する共振器111Dの下部電極151Dと共振器111Eの下部電極151Eと共振器111Fの下部電極151Fとは互いに配線153により電気的に接続されている。さらに、共振器111Bの上部電極152Bと共振器111Dの上部電極116Dとは配線154により電気的に接続されており、ユニット114Aとユニット114Bとは直列に接続されている。なお、本実施形態においては各配線は電極と一体に形成されている。
このように、フィルタモジュール内の各共振器は、上部電極同士又は下部電極同士が接続されており、上部電極と下部電極との間を接続するために圧電体層を跨ぐ立体的な配線は設けられていない。
また、本実施形態のフィルタモジュールには、フィルタモジュールと外部の回路とを接続する外部接続端子として、入出力端子115A、入出力端子115B、接地端子116A及び接地端子116Bが設けられているが、これらの外部接続端子はすべて圧電体層163の上面に設けられている。
さらに、入出力端子115A及び入出力端子115Bは共振器111Aの上部電極152A及び共振器111Eの上部電極152Eとそれぞれ配線155を介して電気的に接続されている。また、接地端子116A及び接地端子116Bは共振器111Cの上部電極152C及び共振器111Fの上部電極152Fとそれぞれ配線155を介して電気的に接続されている。従って、各外部接続端子と各共振器とを接続する配線もすべて平面的な配線であり、立体配線は設けられていない。
なお、本実施形態において、入出力端子115Aと上部電極152A、入出力端子115Bと上部電極152E、接地端子116Aと上部電極152C及び接地端子116Bと上部電極152Fとはそれぞれ一体に形成されている。
以上のように、本実施形態のフィルタモジュールには、圧電体層を跨ぐ立体配線が設けられていない。従って、立体配線を形成するために圧電体層をエッチングする必要がなく、エッチングによる圧電体層の劣化を防止することができる。また、外部接続端子がすべて圧電体層の上面に設けられており、すべての外部接続端子が同一平面上にある。従って、機器にフィルタモジュールを組み込む際にも立体的な配線を行う必要がなく、機器に組み込む際に高周波特性が劣化することを防止できる。さらに、機器の構成を簡略化することができるので機器の小型化及び高性能化を図ることができる。
本実施形態においては、外部接続端子の下部には支持部が形成されていなかったが、図4に示すように支持部材164を入出力端子115A、入出力端子115B、接地端子116A及び接地端子116Bの下に形成してもよい。この場合には、外部接続端子が形成された領域が下側から支持されるため、端子の強度が上昇し、フィルタモジュールの信頼性が向上する。
この場合において、支持部材164には絶縁材料を用いてもよいし、各下部電極と同じ材料を用いてもよい。各下部電極と同じ材料を用いた場合、各下部電極の形成工程において支持部材を一体に形成できるため製造工程を簡略化することが可能となる。また、支持部材を容量として形成することで、フィルタのインピーダンス整合を行うことも可能であり、フローティングとすれば、浮遊容量の影響を低減することができる。
本実施形態においては、圧電体層の上部に外部接続端子を設けたが、圧電体層の下側に外部接続端子を設けることも可能である。
図5は図1の回路構成のフィルタモジュールの平面構成の別の例を示している。また、図6は図1の回路構成のフィルタモジュールの断面構成の別の例を示しており、図6(a)は図5のVIa−VIa線における断面を示し、図6(b)はVIb−VIb線における断面を示している。
図5及び図6に示すように、電極の取り出しを上下逆にした場合にも、圧電体層をエッチングして立体的な配線を形成する必要がない。さらに、外部接続端子を圧電体の下側に配置することが可能であるため、外部接続端子を基板で保持することができる。そのため、接続端子の強度が高くなり、高信頼性を実現することが可能である。
本実施形態においては圧電共振器を組み合わせたユニットを2つ直列に接続したが、ユニットは1つであっても、3つ以上を直列に接続してもよい。
また、本実施形態においては3個の圧電共振器をT字型に組み合わせたユニットを用いたが、図7(a)〜(e)に示すような、共振器を組み合わせた種々のユニットを用いることができ、さらにこれらのユニットを任意に組み合わせることが可能である。
フィルタユニットを組み合わせる際に、例えば、図7(f)に示すように並列要素の接地側の端子同士の間に2個の共振器を直列に接続してもよい。このような構成とすることにより、帯域外減衰極を設定することが可能となり、通過帯域内の特性のみならず、通過帯域外の特性についても改善することができる。
なお、本実施の形態では、フィルタの構成要素として、インダクタを配置したが必ずしも外部の回路との接続点にインダクタを挿入する必要はない。また、複数の並列要素に対して、インダクタを共通とすることもできる。
(第2の実施形態)
図8は第2の実施形態の一変形例に係るフィルタモジュールを用いたフィルタの回路構成を示す。図8に示すように本実施形態のフィルタモジュール102は、共振器のユニット114C及びユニット114Dが直列に接続されて形成されている。
ユニット114Cは1つの直列要素と2つの並列要素とから構成されており、直列要素は、入出力端子115A及び入出力端子115Bに対して直列に接続された共振器111A及び共振器111Bである。また、第1の並列要素は、一端が共振器111Aと共振器111Bとの間に接続され、他端が接地端子116Aに接続されている共振器111Cであり、第2の並列要素は、共振器111Aと圧電共振器111Bを挟んで反対側に一端が接続された共振器111Dと、共振器111Dの他端に一端が接続され他端が接地端子116Bに接地されている共振器111Eとからなる。また、ユニット114Dは共振器111F、共振器111G及び共振器111HがT字型に接続されており、第1の実施形態におけるユニット114Bと同一の構成である。
図9は図8に回路図が示された本実施形態のフィルタモジュールを形成した基板の平面構成の一例を示している。図9に示すように、本実施形態のフィルタモジュールは基板の上に形成された8個の共振器からなる。8個の共振器のうち、ユニット114Cを構成する共振器111Aの下部電極151A、共振器111Bの下部電極151B及び共振器111Cの下部電極151C並びに共振器111Dの下部電極151D及び共振器151Eの下部電極151Eはそれぞれ配線153と一体に形成されて電気的に接続されている。また、ユニット114Dを構成する共振器111Fの下部電極151F、共振器111Gの下部電極151G及び共振器111Hの下部電極151Hは、配線153と一体に形成され電気的に接続されている。
さらに、共振器111Bの上部電極152B、共振器111Dの上部電極152D及び共振器111Fの上部電極152Fは配線154と一体に形成されて電気的に接続されている。なお、本実施形態においては各配線は各電極と一体に形成している。
このように、フィルタモジュール内の各共振器は、上部電極同士又は下部電極同士が接続されており、上部電極と下部電極との間を接続する立体的な配線は設けられていない。
一方、本実施形態のフィルタモジュールには、フィルタモジュールと外部の回路とを接続する外部接続端子として、入出力端子115A、入出力端子115B、接地端子116A、接地端子116B及び接地端子116Cが設けられているが、これらの外部接続端子はすべて圧電体層163の上面に設けられている。
また、入出力端子115A及び入出力端子115Bは共振器111Aの上部電極152A及び共振器111Gの上部電極152Gと電気的に接続されている。また、接地端子116A、接地端子116B及び接地端子116Cは共振器111Cの上部電極152C、共振器111Eの上部電極152E及び共振器111Hの上部電極152Hとそれぞれ電気的に接続されている。従って、各外部接続端子と各共振器とを接続する配線155もすべて平面的な配線であり、立体配線は設けられていない。
なお、本実施形態においては、入出力端子115Aと上部電極152A、入出力端子115Bと上部電極152G、接地端子116Aと上部電極152C、接地端子116Bと上部電極152E及び接地端子116Cと上部電極152Hとはそれぞれ一体に形成されている。
このように、本実施形態のフィルタモジュールにおいてもフィルタモジュール内の電気的接続はすべて同一の平面内において行われている。従って、立体的な配線を形成するために、圧電体層をエッチングする必要がなく、エッチングによる圧電共振器の特性の劣化は生じない。
また、外部の回路と接続される外部接続端子は、すべて圧電体層163の上に形成されており且つ上部電極と接続されている。このため、外部接続端子を設けるために引き出し電極を設ける必要がない。従って、引き出し電極を設けるために圧電体層をエッチングする必要がなく、エッチングによる共振器の特性の劣化が生じない。
また、外部接続端子がすべて同一の平面に設けられているため、機器にフィルタモジュールを組み込む際にも立体的な配線を行う必要がなく、機器に組み込む際に高周波特性が劣化することを防止できる。さらに、機器の構成を簡略化することができるので機器の小型化及び高性能化を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、第2の並列要素を共振器が2つ直列に接続された回路としている。このため、直列に接続された2つの共振器の構成を変化させることによりインピーダンス整合を容易に行うことができる。また、直列に接続された2つの共振器の共振周波数がわずかに異なるように設定することにより、所望の周波数に減衰極を形成することが可能となる。
(第2の実施形態の一変形例)
図10は第2の実施形態の一変形例に係るフィルタモジュールを用いたフィルタの回路構成を示す。図10に示すように本実施形態のフィルタモジュール102は、共振器のユニット114E及びユニット114Fが直列に接続されて形成されており、ユニット114Eの共振器111Eと並列に共振器111F及び共振器111Gが接続されている。
このように、並列要素を構成する共振器111Eと並列に共振器を接続することにより、並列要素を構成する共振器のインピーダンスを下げることができ、所望の減衰極において減衰量の確保が容易に行えるようになる。
図11は図10に示した回路を基板上に形成した場合の平面構成の一例を示している。図11に示すように、このような回路構成とした場合にも、立体配線を形成するために圧電体層をエッチングする必要がなく、また外部の回路とのすべての接続を圧電体層の同一の面において行うことが可能である。
なお、本実施形態においては、共振器111Eと並列に接続する共振器を2個としたが、1個でもよく又は3個以上でもよい。また、共振器111F及び共振器111Gはそれぞれ共振器111C及び共振器111Jと共に接地する構成としたが、それぞれ独立して接地してもよく、共振器111Eと共通に接地してもよい。
さらに、インピーダンスの整合等においては圧電効果は寄与しないため、図12に示すように共振器に代えて容量素子112A及び容量素子112Bを接続してもよい。この場合には、縦振動を確保するための空洞部を基板に設けずに共振器を形成すればコンデンサが得られる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係るフィルタモジュール及びその製造方法について図を参照しながら説明する。なお、本実施形態のフィルタモジュールの等価回路は図1と同一であり、平面構成は図2と同一である。また、以下においては共振器111B及び共振器111Dの形成について説明するが、共振器111A、共振器111C、共振器111E及び共振器111Fも同様にして基板上に一体に形成する。
図13は本実施形態に係るフィルタモジュールの製造方法について工程ごとに図2のIIIa−IIIa線における断面の状態を示したものである。
図13(a)に示すようにシリコンからなる基板160をエッチングして凹部170を形成する。続いて図13(b)に示すように凹部170にモリブデン及びタングステンシリサイドからなる膜を下から順に積層することにより、犠牲層171を形成する。
次に、図13(c)に示すように酸化珪素(SiO2)又は窒化珪素(Si34)等からなる絶縁体層162を犠牲層171を覆うように基板160の全面に形成する。なお、絶縁体層162は省略することも可能である。
次に、図13(d)に示すように金(Au)からなる導電膜を絶縁体層162の上に形成した後、パターニングして下部電極151B及び下部電極151Dを形成する。この際に、下部電極151Bは共振器111Aの下部電極151A及び共振器111Cの下部電極151Cと、下部電極151Dは共振器111Eの下部電極151E及び共振器111Fの下部電極151Fと電気的に接続されるようにパターニングする。
次に、図13(e)に示すように下部電極151B及び下部電極151Dを覆うように窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電体層163を有機金属気相エピタキシャル成長(MOCVD)法により基板160上の全面に形成する。MOCVD法は窒素雰囲気において1200℃の温度で行う。本実施形態においては、犠牲層171、絶縁体層162、下部電極151B及び下部電極151Dに高融点の材料を用いているため、高温の条件下においてMOCVD法により圧電体層163を成膜してもプロセス上問題は生じない。
このように、MOCVD法を用いることにより、膜質に優れた圧電体層163を形成することができるため、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を得ることができるので、高性能のフィルタモジュールを製造することができる。
次に、犠牲層171をエッチングにより除去して圧電体層163の厚さ方向の縦振動を確保するための空洞部161を形成する。
なお、本実施形態においては犠牲層171は、モリブデン膜及びタングステンシリサイド膜が下から順次積層された積層体である。このため、例えば過酸化水素水(H22)をウェットエッチャントとして用いた場合には、モリブデンのエッチングレートの方がタングステンシリサイドのエッチングレートよりも早いので、モリブデンの方がタングステンシリサイドよりも早くエッチングされる。これにより、犠牲層171の下層のモリブデンが先に除去されて、犠牲層171の上層であるタングステンシリサイドの下側にも過酸化水素水が進入する。従って、上層のタングステンシリサイドは、横方向及び縦方向からエッチングされるので、犠牲層171のエッチングに要する時間を短縮することができる。
次に、圧電体層163の上に、例えば金(Au)からなる導電体層を形成した後、パターニングを行い上部電極152B及び上部電極152Dを形成する。この際、上部電極152Bと上部電極152Dとが電気的に接続されるようにパターニングを行う。
同様にして共振器111A、共振器111C、共振器111E及び共振器111Fを同時に形成し、基板160の上に6個の共振器を一体に形成し図1に示す回路構成のフィルタを形成する。
また、圧電体層163の上に形成した導電膜をパターニングする際に、入出力端子115A、入出力端子115B、接地端子116A及び接地端子116Bの4つの外部接続端子を形成し、それぞれが共振器111Aの上部電極152A、共振器111Eの上部電極152E、共振器111Cの上部電極152C及び共振器111Fの上部電極152Fと電気的に接続されるようにする。
なお、圧電体層163を基板160の全面に形成し、基板160の上に形成するすべての共振器に共通とすることにより基板の上に一体に共振器を形成できるため、各共振器の特性をそろえることが容易になり、高周波特性に優れたフィルタモジュールを得ることができる。
また、犠牲層171エッチングは、圧電体層163を貫通するにビアホールを形成して行えばよい。この場合において、圧電体層163を保護するための保護層を圧電体層163の上に形成してもよい。このようなビアホールの形成は、圧電体層163のごく一部をエッチングするに過ぎないため、引き出し電極を形成する場合のエッチングと異なり圧電体層163にほとんどダメージを与えない。
また、犠牲層171の一部が表面に露出するように絶縁体層162、下部電極151Aから下部電極151F、圧電体層163及び上部電極152Aから上部電極152Fを配置して形成すれば、犠牲層171をエッチングするためにビアホールを形成する必要がなく、工程を簡略化することができる。
また、本実施形態において圧電体層163の厚さ方向の縦振動を確保するための空洞部161は、方形の開口部を有する形状としたが、多角形、円形又は楕円形等のいかなる形状であってもよい。また、空洞部161の側壁はテーパを有していてもよい。
さらに、空洞部161は、基板160を貫通していてもよい。凹部170を形成することなく、絶縁体層162、下部電極151Aから下部電極151F、圧電体層163及び上部電極152Aから上部電極152Fを形成し、最後に基板160の裏面から絶縁体層162の下部にまで至る貫通孔を形成することにより空洞部161を形成すればよい。この場合も同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態において、凹部170は基板160をエッチングすることにより形成したが、基板160の上に形成した絶縁体層162をエッチングして形成してもよい。
本実施形態においては犠牲層171をモリブデン及びタングステンシリサイドの積層体としたが、その他の金属、誘電体及び絶縁体のいずれかであってもよい。
また、犠牲層を成膜後に化学的機械研磨(CMP)プロセス等を用いて平坦化を行ってもよい。平坦化を行うことにより、フィルタモジュールの上下面の平行が維持され、厚さ方向の縦振動を励振させる場合に、所望の周波数による励振の強制がより容易となる。
以上のように、本実施形態のフィルタモジュールの製造方法によれば、圧電体層をエッチングしなければならない立体配線及び引き出し電極の形成工程がないため、圧電体層をほとんどエッチングする必要がない。従って圧電体層にダメージを与えることなくフィルタモジュールを形成することができるので、高周波特性に優れたフィルタモジュールを得ることができる。
また、本実施形態においては、圧電体層をMOCVD法を用いて成膜する例を示したが、スパッタ法を用いて成膜することも可能である。スパッタ法を用いた場合には、成膜温度を400℃〜500℃程度とすることができ、MOCVD法と比べて低温で圧電体層を成膜することができる。これにより、基板と圧電体層との熱膨張係数の差による応力の発生を緩和することができる等の効果が得られる。
なお、本実施形態においては図1に示す回路構成のフィルタを製造する場合について説明したが、他の回路構成のフィルタについても同様に製造することができる。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係るフィルタモジュール及びその製造方法について図を参照しながら説明する。なお、本実施形態のフィルタモジュールの回路構成は図1と同一であり、平面構成は図2と同一である。また、以下においては共振器111B及び共振器111Dの形成について説明するが、共振器111A、共振器111C、共振器111E及び共振器111Fも同様にして基板上に一体に形成する。
本実施形態においては、凹部を形成した保持基板と圧電体層を形成した形成基板とを貼り合わせることにより複数の共振器を備えたフィルタモジュールを形成している。
図14は保持基板に凹部を形成する工程を示しており、図14(a)は凹部が形成された保持基板の平面構成を示しており、図14(b)から図14(e)はそれぞれ図14(a)のXIV−XIV線における断面の状態を各工程順に示したものである。
まず図14(b)に示すように、シリコンからなる基板160の上に、酸化珪素(SiO2)又は窒化窒化珪素(Si34)等からなる絶縁体層162を形成する。次に図14(c)に示すように絶縁体層162の上にレジスト膜173を用いて格子状のマスクパターンを形成する。続いて、図14(d)に示すようにマスクパターンを用いて金を格子状に蒸着した後、レジストを除去することにより図14(e)に示すように金からなる保持部材175に囲まれた凹部174を形成する。図14(a)に示すように、凹部174は基板160の上に形成する各共振器の位置に対応させて形成する。
図15は形成基板に圧電体層を形成する工程について工程ごとに断面の状態を示している。まず、図15(a)に示すように、サファイアからなる形成基板182の上にGaNからなるバッファ層183を成膜する。バッファ層183は、後述する貼り合わせ工程の後にサファイア基板182を剥離するために設ける。
次に、図15(b)に示すように、バッファ層183の上に窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電体層163を有機金属気相エピタキシャル成長(MOCVD)法を用いて成膜する。このように、MOCVD法を用いることにより、膜質に優れた圧電体層を形成することができる。このため、広帯域、高Q値で、且つ信頼性の高い共振器を製造することができる。また、MOCVD法は、1200℃という高温下で行われるが、本実施形態においては、高融点材料であるGaNをバッファ層として用いていており、1200℃という高温に十分に耐えられる。従って、圧電体層の成膜にMOCVD法を用いることは、製造プロセス上何ら問題とならない。
次に、図15(c)に示すように圧電体層163の上に、金(Au)からなる導電体層を形成した後、パターニングして下部電極151B及び下部電極151Dを形成する。この際に、下部電極151Bは共振器111Aの下部電極151A及び共振器111Cの下部電極151Cと、下部電極151Dは共振器111Eの下部電極151E及び共振器111Fの下部電極151Fと電気的に接続されるように一体に形成する。
図16は保持基板と形成基板とを貼り合わせる工程について工程ごとに断面の状態を示している。まず、図16(a)に示すように、絶縁膜163及び保持部材175が形成された基板160とバッファ層183、圧電体層163、下部電極151B及び下部電極151Dが形成された形成基板182とを貼り合わせる。本実施形態においては、保持部材175並びに下部電極151B及び下部電極151Dに金を用いており、2枚の基板を対向させて1N/cm2の圧力を加えた状態で、375℃の温度を10分間加えることにより貼り合わせを行う。
次に、図16(b)に示すように、サファイアからなる形成基板182の裏面からイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)レーザを照射することでバンドギャップの小さいGaNからなるバッファ層183の接合を切ることにより、サファイアからなる形成基板182を剥離する。ここで、剥離にはYAGレーザを用いたが、使用する形成基板182及びバッファ層183の膜厚や種類に応じてレーザの波長を選択することにより、バッファ層183の厚さによるバンドギャップの変化や、他の材料を選択した場合にも対応が可能である。
次に、図16(c)に示すように圧電体層163の上に金からなる導電膜を形成した後、パターニングすることにより上部電極152B及び上部電極152Dを形成する。この際、上部電極152Bと上部電極152Dとが電気的に接続されるようにパターニングを行う。
以上説明したプロセスにおいて共振器111A、共振器111C、共振器111E及び共振器111Fを同時に形成し、基板160の上に空洞部161を有する6個の共振器を一体に形成し図1に示す回路構成のフィルタを形成する。
また、圧電体層163の上に形成した導電膜をパターニングする際に、入出力端子115A、入出力端子115B、接地端子116A及び接地端子116Bの4つの外部接続端子を形成し、それぞれが共振器111Aの上部電極152A、共振器111Eの上部電極152E、共振器111Cの上部電極152C及び共振器111Fの上部電極152Fと電気的に接続されるようにする。
以上のように本実施形態のフィルタモジュールの製造方法によれば、空洞部の形成に犠牲層を用いないため、犠牲層をエッチングにより除去する必要がなく、極めて容易に1枚の基板の上に空洞部を有する複数の共振器を形成することができる。また、圧電体層をエッチングする工程がないため、圧電体層のエッチングによる劣化がなく高性能のフィルタを得ることができる。
本実施形態においては、保持部材175及び下部電極151Aから下部電極151Fに金を用いたが、金スズ等の合金を用いてもよい。また、保持部材175と下部電極151Aから下部電極151Fとを別の材料により形成してもよい。さらに、保持部材175は、樹脂材料等の絶縁体により形成してもよい。
本実施形態においては、保持部材175を絶縁体層162の上に導電膜を堆積することにより形成したが、絶縁体層162又は基板160自体をエッチングすることにより保持部材175を形成してもよい。
また、基板160と形成基板182との貼り合わせにおいて、保持部材175及び下部電極151B等の材質並びにフィルタの構造に応じて温度、時間及び応力等の条件を変更することにより、貼り合わせ部の信頼性をより高めることができる。
なお、本実施形態において基板160と形成基板182とを貼り合わせる際に、保持部材175と下部電極151B等とを直接貼り合わせたが、保持部材175及び下部電極151B等の少なくとも一方の上に接着層を設けてもよい。例えば図17(a)に示すように、保持部材175の上に金スズ合金からなる第1の接着層184を形成する。また、図17(b)に示すように下部電極151B等の上には金スズ合金からなる第2の接着層185を形成する。この状態において図17(c)に示すように基板160と形成基板182とを対向させて1N/cm2の圧力を加えた状態で、375℃の温度を20分間加えることにより金スズの共晶接合を用いて貼り合わせを行う。このように接着層184及び接着層185を設けることにより下部電極151B等の材質として導電性が高いアルミニウムを用いたり、音響インピーダンスが高いモリブデンを用いたりすることが可能となる。
本実施形態においては、形成基板182としてサファイアからなる基板を用いたが、圧電体層163が成膜可能であればシリコン基板、酸化膜を形成したシリコン基板又は炭化珪素(SiC)基板等を用いてもよい。シリコン単結晶基板等の高平坦性及び高結晶性を有する基板を用いた場合には、高品質の圧電体膜を得ることが可能となる。その結果、高周波特性に優れたフィルタモジュールを得ることができる。
また、バッファ層183としてGaNからなる層を用いたが、基板から容易に剥離することができ、圧電体層が成膜可能な材料を用いることができる。例えば、モリブデンをバッファ層として用いることにより過酸化水素水により容易に形成基板から剥離することができる。なお、本実施形態のフィルタモジュールの製造方法において、形成基板の除去をエッチング等により行う場合には、バッファ層をなくすことも可能である。
また、圧電体層163には、MOCVD法により形成されたAlNの他、高温スパッタ法より形成された酸化亜鉛、高温処理が施されたチタン酸鉛(PbTiO3)又はチタン酸ジルコン酸鉛(PbTiZrO:PZT)等の材料を用いてもよい。但しこれらの膜を形成する際には酸素雰囲気下で800℃程度の高温の処理を行わなければならないため、バッファ層に用いる材料には、耐熱性の材料を用いる必要がある。
また、低温のスパッタ法により圧電膜を形成することも可能である。この場合には、成膜温度を400℃から500℃程度とすることができるので、MOCVD法又は高温スパッタ法の場合と比べて低温で圧電膜を成膜することができる。これにより、基板と圧電体層との熱膨張係数の差による応力の発生を緩和することができる等の効果が得られる。
(第5の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係るフィルタモジュールについて図を参照しながら説明する。なお、本実施形態のフィルタモジュールの等価回路は図1と同一であり、平面構成は図2と同一である。
図18は本実施形態に係るフィルタモジュールの共振器111Aを取り出して示している。図18に示すように、1対の上部電極152Aと下部電極151Aとに挟まれた圧電体層163により形成された振動部166が、音響多層膜169の上に形成されている。音響多層膜169は基板160の上に交互に積層された、厚さが目的とする共振周波数の4分の1波長であり、音響インピーダンスが低い低インピーダンス層167と音響インピーダンスが高い高インピーダンス層168とにより形成されている。振動部166から見て音響多層膜169の1層目を低インピーダンス層167とすることにより、圧電体層163に対する負荷インピーダンスを十分に小さくすることができ、圧電体層163と基板160とを音響的にアイソレートすることができる。
このような構造とすることにより、振動部166は基板160の上に固定されているにも拘わらず、何にも保持されていない自由振動の状態に近づくため、振動部166に弾性振動を保持することが可能となる。この低インピーダンス層167及び高インピーダンス層168の積層数は、多ければ多いほど振動部166が基板160から音響的にアイソレートされるが少なくとも2周期分積層されていれば振動部166を基板160から音響的にアイソレートすることができ、共振器として機能させることができる。
なお、低インピーダンス層167には、酸化珪素(SiO2 )又は窒化珪素(Si34)等の材料を用いればよく、高インピーダンス層168には、窒化アルミニウム(AlN)、窒化亜鉛(ZnO)、モリブデン(Mo)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化チタン(TiO2)及び酸化ジルコニウム(ZrO2)等のうちいずれかの材料を用いればよい。
このような構成の共振器を基板上に複数形成し、各上部電極及び下部電極を所定の回路構成となるようにパターニングすることによりフィルタモジュールとすることができる。
以上のように、本実施形態のフィルタモジュールによれば、共振器を形成する際に空洞部を形成する必要がないため、信頼性の高いフィルタモジュールを形成することができる。
(第6の実施形態)
以下に、第6の実施形態に係る共用器について図を参照しながら説明する。図19は本実施形態の共用器の等価回路を示している。
図19に示すように、本実施形態の共用器201は送信フィルタ(Txフィルタ)202と、受信フィルタ(Rxフィルタ)203と、移相回路204とから構成されている。Txフィルタ及びRxフィルタには第1の実施形態のフィルタモジュールが用いられており、移相回路は、例えば2つの伝送線路205から構成される。また、Txフィルタ202、Rxフィルタ203及び移相回路204は1枚のシリコンからなる配線基板の上に一体に形成されている。
本実施形態の共用器は、第1の実施形態で示したフィルタモジュールを用いており、共用器を一体に形成する際に、Txフィルタ202、Rxフィルタ203及び移相回路204を接続する電気的配線はすべて基板内の同一平面に形成することが可能である。従って、配線パターンを簡略化することができ、その結果、共用器の小型化を実現することができる。また、立体的な配線を作るためのエッチング工程が不要であり、エッチングによる素子の劣化を防止することができるので、低損失の共用器を実現することができる。
さらに、共用器のTx端子207、Rx端子208及びアンテナ端子209を、基板の同一平面に設けることが可能であり、共用器を装置に組み込む際の工程を簡略化することが可能となる。
なお、本実施形態ではTxフィルタ202及びRxフィルタ203として第1の実施形態のフィルタモジュールを用いたが、第2の実施形態のフィルタモジュールをはじめとする本発明のフィルタモジュールを同様に用いることができる。
(第7の実施形態)
以下に、第7の実施形態に係る通信機器について図を参照しながら説明する。図20は本実施形態の通信機器の構成を示している。
図20に示すように、第7の実施形態に係る通信機器は、アンテナ311と、分波器312と、共用器301A及び共用器301Bとから構成される。共用器301A及び共用器301Bのうち少なくとも一方は、第6の実施形態に係る共用器が用いられる。また、分波器312は、2つの周波数信号を分離するために用いられる。
本実施形態の通信機器は、低損失で且つ基板の同一平面に入出力端子を有する第6の実施形態の共用器を用いているため、共用器を組み込む際の配線パターンを簡略化することができると共に、低損失で小型の通信機器を実現することができる。また、共用器を組み込む工程を簡略化することもできる。
(第8の実施形態)
以下に、第8の実施形態に係る通信機器について図を参照しながら説明する。図21は本実施形態の通信機器の構成を示している。
図21に示すように、第8の実施形態に係る通信機器は、2つのアンテナ411及びアンテナ411Bと、スイッチ412と、2つのフィルタ401A及びフィルタ401Bとから構成される。フィルタ401A及びフィルタ401Bには第1の実施形態に示したフィルタを用いた。なお、他の実施形態において示したフィルタを用いてもよい。
このような構成とした場合にも、フィルタを組み込む際の配線パターンを簡略化することができると共に、低損失で小型の通信機器を実現することができる。また、フィルタを組み込む工程を簡略化することもできる。
本発明の圧電共振器を用いたフィルタモジュールは、フィルタモジュール内に立体的な配線がなく小型で高性能であると共に、すべての外部接続端子が同一の平面上に存在し機器への組み込みが容易な、圧電体の厚さ方向の縦振動を利用する圧電共振器を用いたフィルタを実現できるため、圧電共振器を用いたフィルタモジュール、特に、携帯電話及び無線LAN等の移動体通信端末の高周波回路に用いる基板上に一体に形成されたフィルタモジュール等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュールを示す回路図である。 本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュールの平面構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュールを示す断面図であり、(a)は図2のIIIa−IIIa線における断面図であり、(b)は図2のIIIb−IIIb線における断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュールの他の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュールの別の例を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るフィルタモジュールの別の例を示す断面図であり、(a)は図5のVIa−VIa線における断面図であり、(b)は図5のVIb−VIb線における断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る共振器のユニットの例を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係るフィルタモジュールを示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係るフィルタモジュールの平面構成を示す上面図である。 本発明の第2の実施形態の一変形例に係るフィルタモジュールを示す回路図である。 本発明の第2の実施形態の一変形例に係るフィルタモジュールの平面構成を示す上面図である。 本発明の第2の実施形態の一変形例に係るフィルタモジュールの他の例を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係るフィルタモジュールの製造工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るフィルタモジュールの製造工程のうち保持部材の形成工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るフィルタモジュールの製造工程のうち圧電体層の形成工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るフィルタモジュールの製造工程のうち貼り合わせ工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るフィルタモジュールの製造工程の他の例を工程順に示す断面図である 本発明の第5の実施形態に係るフィルタモジュールを構成する共振器を示す断面図である。 本発明の第6実施の形態に係る共用器の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第7実施の形態に係る通信機器を示すブロック図である。 本発明の第8の実施形態に係る通信機器を示すブロック図である。
符号の説明
101 フィルタモジュール
102 フィルタモジュール
103 フィルタモジュール
111A 共振器
111B 共振器
111C 共振器
111D 共振器
111E 共振器
111F 共振器
111G 共振器
111H 共振器
111I 共振器
111J 共振器
112A 容量素子
112B 容量素子
113A インダクタ
113B インダクタ
113C インダクタ
113D インダクタ
113E インダクタ
115A 入出力端子
115B 入出力端子
114 共振器ユニット
114A 共振器ユニット
114B 共振器ユニット
114C 共振器ユニット
114D 共振器ユニット
114E 共振器ユニット
114F 共振器ユニット
116A 接地端子
116B 接地端子
116C 接地端子
151A 下部電極
151B 下部電極
151C 下部電極
151D 下部電極
151E 下部電極
151F 下部電極
151G 下部電極
151H 下部電極
151I 下部電極
151J 下部電極
151A 上部電極
151B 上部電極
151C 上部電極
151D 上部電極
151E 上部電極
151F 上部電極
151G 上部電極
151H 上部電極
151I 上部電極
151J 上部電極
153 配線
154 配線
155 配線
160 基板
161 空洞部
162 絶縁体層
163 圧電体層
164 支持部材
166 振動部
167 低インピーダンス層
168 高インピーダンス層
169 音響多層膜
170 凹部
171 犠牲層
173 レジスト材
174 凹部
175 保持部材
182 形成基板
183 バッファ層
184 接着層
185 接着層
201 共用器
202 送信フィルタ
203 受信フィルタ
204 移相回路
207 Tx端子
208 Rx端子
209 アンテナ端子
301A 共用器
301B 共用器
311 アンテナ
312 分配器
401A フィルタ
401B フィルタ
411A アンテナ
411B アンテナ
412 スイッチ

Claims (16)

  1. 基板と、
    それぞれが前記基板の上に形成され、前記基板の主面上に該主面に沿って保持された圧電体層を有し、該圧電体層の厚さ方向の縦振動を利用する複数の共振器と、
    前記圧電体層の上側又は下側に設けられ、外部の回路と電気的に接続される複数の外部接続端子と
    前記圧電体層の前記外部接続端子と同じ側に設けられた第1の配線と、
    前記圧電体層を挟んで前記第1の配線と反対側に設けられた第2の配線と、
    前記圧電体層を容量絶縁膜とする容量素子とを備え、
    前記圧電体層は、前記複数の共振器及び前記容量素子に跨って一体に形成され、
    前記複数の共振器及び前記容量素子は、前記圧電体層の前記外部接続端子と同じ側に形成された第1の電極と、前記圧電体層を挟んで前記第1の電極と反対側に形成された第2の電極とを有し、
    前記第1の配線は、前記第1の電極同士及び前記外部接続端子と前記第1の電極とを接続し、
    前記第2の配線は、前記第2の電極同士を接続し、
    2つの前記外部接続端子の間に直列に接続されている前記共振器及び前記容量素子の数の和は偶数であることを特徴とするフィルタモジュール。
  2. 前記第1の電極及び前記第2の電極の一方は、前記圧電体層よりも前記基板側に設けられた下部電極であり、
    記下部電極の下には、空洞部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のフィルタモジュール。
  3. 前記第1の電極及び前記第2の電極の一方は、前記圧電体層よりも前記基板側に設けられた下部電極であり、
    記下部電極の下には、音響多層膜が設けられており、
    前記音響多層膜は、第1の薄膜と、該第1の薄膜と比べて音響インピーダンスが高い第2の薄膜とが交互に積層され、且つ、最上層が第1の薄膜であることを特徴とする請求項に記載のフィルタモジュール。
  4. 前記複数の外部接続端子は、前記圧電体層の上側に設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
  5. 前記複数の外部接続端子は、前記圧電体層の下側に設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
  6. 第1のフィルタと第2のフィルタと移相回路とを備え、
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは、それぞれ請求項1からのいずれか1項に記載のフィルタモジュールからなることを特徴とする共用器。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のフィルタモジュールを備えていることを特徴とする通信機器。
  8. 請求項6に記載の共用器を備えていることを特徴とする通信機器。
  9. 基板の上に形成された複数の共振器からなるフィルタモジュールの製造方法であって、
    第1の基板の上に圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層の上に複数の下部電極を形成する工程と、
    前記圧電体層における該圧電体層を挟んで前記各下部電極と対向する領域に上部電極をそれぞれ形成する工程と、
    第2の基板の上に複数の凹部を備えた保持構造を形成する工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記複数の下部電極が形成された前記圧電体層と前記複数の凹部が形成された前記保持構造とを対向させて貼り合わせることにより、前記各下部電極の下に空洞部がそれぞれ設けられた貼り合わせ構造を形成する工程と、
    前記貼り合わせ構造を形成した後に、前記第1の基板を剥離する工程と、
    前記圧電体層の前記上部電極と同じ側又は前記下部電極と同じ側に、外部の回路と接続される複数の外部接続端子を形成する工程と、
    前記圧電体層の前記上部電極と同じ側に、前記上部電極同士を接続する第1の配線を形成する工程と
    前記圧電体層の前記下部電極と同じ側に、前記下部電極同士を接続する第2の配線を形成する工程とを備え、
    前記上部電極と前記第1の配線とは一体に形成し、
    前記下部電極と前記第2の配線とは一体に形成し、
    前記外部接続端子は、前記圧電体層における前記外部接続端子と同じ側に形成されている、前記上部電極及び前記第1の配線と、前記下部電極及び前記第2の配線とのいずれか一方と一体に形成されていることを特徴とするフィルタモジュールの製造方法。
  10. 前記上部電極は、前記第1の基板を剥離した後に形成することを特徴とする請求項9に記載のフィルタモジュールの製造方法。
  11. 前記貼り合わせ構造を形成する工程は、共晶接合を用いて前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせることを特徴とする請求項又は10に記載のフィルタモジュールの製造方法。
  12. 前記貼り合わせ構造を形成する工程よりも前に、
    前記下部電極の上に第1の接着層を形成する工程及び前記保構造の上に第2の接着層を形成する工程のうち少なくとも一方をさらに備えていることを特徴とする請求項から11のいずれか1項に記載のフィルタモジュールの製造方法。
  13. 前記第1の接着層及び前記第2の接着層は、金又は金を含む合金であることを特徴とする請求項12に記載のフィルタモジュールの製造方法。
  14. 前記複数の凹部を備えた保持構造は、前記第2の基板上に格子状の開口部を有するマスクパターンを形成し、前記開口部を埋めるように保持部材を形成した後、前記マスクパターンを除去することにより形成することを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載のフィルタモジュールの製造方法。
  15. 前記複数の下部電極の一部の下には前記空洞部が形成されておらず、
    前記空洞部の上に位置する前記上部電極、前記圧電体層及び前記下部電極は共振器を構成し、
    前記空洞部以外の部分の上に位置する前記上部電極、前記圧電体層及び前記下部電極は容量素子を構成し、
    2つの前記外部接続端子の間に直列に接続されている前記共振器及び前記容量素子の数の和は偶数であることを特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載のフィルタモジュールの製造方法。
  16. 基板の上に形成された複数の共振器からなるフィルタモジュールの製造方法であって、
    前記基板の上に複数の凹部を形成する工程と、
    前記各凹部を犠牲層により埋める工程と、
    前記基板の前記各犠牲層が形成された領域を含む複数の領域の上に下部電極をそれぞれ形成する工程と、
    前記下部電極が形成された前記基板の上に圧電体層を形成する工程と、
    前記各犠牲層を除去して、前記複数の下部電極の一部の下に空洞部を形成する工程と、
    前記圧電体層における該圧電体層を挟んで前記各下部電極と対向する領域に上部電極をそれぞれ形成する工程と、
    前記圧電体層の前記上部電極又は前記下部電極と同じ側に、外部の回路と接続される複数の外部接続端子を形成する工程と、
    前記圧電体層の前記上部電極と同じ側に、前記上部電極同士を接続する第1の配線を形成する工程と
    前記圧電体層の前記下部電極と同じ側に、前記下部電極同士を接続する第2の配線を形成する工程とを備え、
    前記上部電極と前記第1の配線とは一体に形成し、
    前記下部電極と前記第2の配線とは一体に形成し、
    前記外部接続端子は、前記圧電体層における前記外部接続端子と同じ側に形成されている、前記上部電極及び前記第1の配線と、前記下部電極及び前記第2の配線とのいずれか一方と一体に形成し、
    前記空洞部の上に位置する前記上部電極、前記圧電体層及び前記下部電極は共振器を構成し、
    前記空洞部以外の部分の上に位置する前記上部電極、前記圧電体層及び前記下部電極は容量素子を構成し、
    2つの前記外部接続端子の間に直列に接続されている前記共振器及び前記容量素子の数の和は偶数であることを特徴とするフィルタモジュールの製造方法。

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