JP4814846B2 - 対象物衝突模擬装置、その方法、そのプログラム、及びその記録媒体 - Google Patents

対象物衝突模擬装置、その方法、そのプログラム、及びその記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、対象物同士が衝突をする際、衝突による変形や変位をリアルに模擬する対象物衝突模擬装置、その方法、そのプログラム、及びその記録媒体に関する。
衝突は日常生活にてよく発生する物理現象である。対象物同士が衝突を起こすと、当該対象物同士は運動量交換を行う。当該運動量交換による各対象物における運動量の増減は、衝撃量(Impulse)としてそれぞれの対象物に作用する。衝撃量からなる衝撃力(Impulse Force)は、各対象物の運動状態を変動させ、衝突前後にて各対象物の加速度は不連続に変わる。
図1Aに、剛体同士の衝突の様子を示し、図1Bに弾性体同士の衝突の様子を示す。弾性体とは、人間や動物の皮膚組織、木材、ゴム、など弾性を有する連続体である。以下では、連続弾性体という場合もある。対象物を剛体と仮定した場合、図1Aに示すように、剛体同士が衝突すると、衝突によって加速度の不連続転移のみが発生する。対象物を弾性体と仮定した場合、図1Bに示すように、弾性体同士が衝突すると、剛体衝突のような衝突前後における加速度の不連続転移に加え、衝突による弾性変形ももたらされる。衝突による弾性変形は、対象物が柔らかいほど、すなわち剛性が低いほど著しくなる。また、衝突前後における加速度の不連続転移は、衝突直前の速度及び対象物の材質によって決まる。この不連続転移における衝突前速度や対象物の材質の影響は運動力学にて定義され、いわば反発係数(Coefficient of Restitution)として定量化し、表現できる。
連続弾性体の動的挙動を計算力学的手法で模擬する際、連続弾性体を複数の離散質点に網状の弾性要素を張って構成した離散要素近似力学系としてモデル化し、解析を行う場合がある。離散要素近似力学系は、例えば有限要素法(FEM)などと比べて、モデル化が容易で、計算時間が短いなどの利点がある。
弾性体の衝突の模擬方法については、コンピュータグラフィックスの分野から、非特許文献1〜3に示すように、いくつかの手法が提案されている。
R. Keiser, M. Muller, B. Heidelberger, M. Teschner, and M. Gross, "Contact Handling for Deformable Point-Based Objects," Proc. of Vision, Modeling, Visualization VMV'04, pp. 339-347, Stanford, USA, Nov. 2004 J. Spillmann and M. Teschner, "Contact Surface Computation for Coarsely Sampled Deformable Objects," Proc. of Vision, Modeling, Visualization VMV'05, pp. 289-296, Erlangen, Germany, Nov. 2005 G. Hirota, S. Fisher, and M. C. Lin "Simulation of non-penetrating Elastic Bodies Using Distance Fields," Technical Report TR00-018, University of North Carolina at Chapel Hill, 2000
非特許文献1〜3記載の対象物の衝突の模擬方法では、対象物同士の衝突をリアルに模擬できないという問題があった。本発明は、複数の対象物の衝突の挙動を衝突の際に行われる対象物間の運動量交換を考慮することで、自然にかつリアルに模擬する対象物衝突模擬装置を提供することを目的とする。
この発明は、複数の対象物をそれぞれ離散質点(以下、「質点」という。)及び粘弾性要素による離散系モデルに近似して、当該対象物同士の衝突を模擬する対象物衝突模擬装置である。当該対象物衝突模擬装置は、衝突確認部と、衝突後等価速度計算部と、全系衝突衝撃力計算部と、弾性衝撃力計算部と、剛性衝撃力計算部と、衝突衝撃力計算部と、適用部と、を備える。衝突確認部は、対象物同士が衝突状態かを確認する。衝突後等価速度計算部は、対象物の衝突後の等価速度ベクトルveq−I(ただし、Iは対象物を示す値)を求める。全系衝突衝撃力計算部は、等価速度ベクトルve−Iを用いて、全系衝突衝撃力ベクトルFを求める。弾性衝撃力計算部は、質点の質量mI,i(ただし、iは質点を示す値)と、前記全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、質点の法線ベクトルnI,iを用いて、質点ごとの弾性衝撃力ベクトルfID,iを求める。剛性衝撃力計算部は、全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、衝突後の対象物の等価加速度ベクトルaeq−Iを用いて、質点ごとの剛性衝撃力ベクトルfIR,iを求める。衝突衝撃力計算部は、弾性衝撃力ベクトルfID,iと、剛性衝撃力ベクトルfIR,iを加算して、質点ごとの衝突衝撃力ベクトルfI,iを求める。適用部は、衝突衝撃力ベクトルfID,iから、あらかじめ定めた時間Δt後の質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを求める。
また、衝突後速度計算部は、反発係数を用いて、衝突後の速度ベクトルを計算してもよい。
更に、質点が貫入増加状態にある場合には、貫入防止部を備えても良い。貫入防止部は、適用部で求めた質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを、貫入解消状態となるように調整する。
当該貫入防止部は、貫入増加状態質点探索手段と、貫入解消速度計算手段と、置き換え手段と、を備えても良い。貫入増加状態質点探索手段は、質点の速度ベクトルvI,i(p)と、質点の法線ベクトルnを用いて、全ての前記衝突した質点の中から、貫入増加状態にある質点を探索する。貫入解消速度計算手段は、貫入増加状態にある質点に対して、速度ベクトルvI,i(p)との内積が負となる貫入解消速度ベクトルv’’I,i(p)を求める。置き換え手段は、適用部で求めた質点の速度ベクトルvI,i(p)を、前記貫入解消速度ベクトルv’’I,i(p)に置き換える。
上記の構成により、衝突の際に各対象物に加わる全系衝突衝撃力を、弾性衝撃力と剛性衝撃力とに分けて考える。弾性衝撃力とは、対象物を弾性体と仮定した場合に弾性変形に寄与する成分である。剛性衝撃力とは、対象物を剛性体と仮定した場合に、衝突前後にわたる加速度の不連続転移を引き起こす成分である。このように、各対象物に加わる衝撃力を弾性衝撃力と剛性衝撃力とに分けて考えることで、リアルで自然に、対象物同士の衝突を模擬できる。
以下に、発明を実施するための最良の形態を示す。なお、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
図2は、実施例1の対象物衝突模擬装置2などの機能構成例を示すブロック図であり、図3は、主な処理の流れを示すフローチャートである。対象物衝突模擬装置2は衝突確認部8、衝突後等価速度計算部10、全系衝突衝撃力計算部12、弾性衝撃力計算部14、剛性衝撃力計算部16、衝突衝撃力計算部18、適用部20、とで構成されている。この実施例1では、2つの対象物の衝突について考える。当該2つの対象物を人間の上唇、下唇と仮定する。上唇を対象物Aとし、下唇を対象物Bとする。上唇、下唇は、人間の皮膚組織の一部であり、ゲル状のものとして一定の比重をもち、弾性、粘性を有する連続弾性体である。対象物は剛性体でもよい。
まず対象物入力部4に対象物が電子的に変換されて入力される(ステップS1)。当該入力は、例えば、ステレオカメラなどの、光学計測装置などで、対象物を読み取る手法や、図面がある場合、図面から直接読み取る手法などで入力される。図4は上唇と下唇を示した図である。図4には、2つの対象物A、Bとしての上唇、下唇、これらの境界線と共に示されている。電子的に入力された対象物A、Bは、対象物近似部6に入力される。
対象物近似部6は入力された対象物を複数の質点と粘弾性要素とに近似する(ステップS2)。図5に近似された上唇、下唇を示す。図5の記載では、黒丸が質点であり、質点同士を結ぶ線が粘弾性要素であり、質点、粘弾性要素で構成したいわゆる離散要素近似力学系モデルである。次に、離散時刻pの初期値を例えば、「0」と設定する。pは整数である。また離散時刻pの時の対象物の質点の速度vI、i(p)の初期値、対象物の質点の位置xI、i(p)の初期値を設定する(ステップS3)。ここで、左側の添え字は対象物を示す記号であり、右側の添え字は質点を示す記号である。この実施例の説明では、対象物が2つ(上唇と下唇)であるので、Iの値は「1」もしくは「2」とする。このことは以下の説明でも同様である。
衝突確認部8は対象物A、B同士が衝突状態か否かを確認する(ステップS4)。以下に、確認処理の一例を説明する。ステップS4は、「対象物A、Bの共有領域Rがあるか否かを判定する過程(ステップS5)」と「対象物A、Bが衝突しているか否かを判定する過程(ステップS6)」とを有する。
対象物A、B同士が衝突状態か否かを確認するためには、例えば、上記非特許文献1等に記載されているAABB(Axis-Aligned Bounding Boxes (AABB:座標軸と平行な辺を持つ直方体)を用いる。AABBにより、衝突を起こす可能性のある衝突候補の質点群を検知する。図6に、対象物A、対象物B、それぞれのAABBを示す。ただしIは対象物を示す値(この説明では、I=1、2)である。図6に示すように、AABB、AABBの共有領域Rにある質点が、衝突候補の質点である。衝突候補の質点が存在するか、つまり、対象物A、Bの共有領域Rがあるか否かを判定する(ステップS5)。
次に、対象物A、Bが衝突しているか否かを判定する(ステップS6)。図7A、Bに共有領域R内にある質点、つまり、衝突候補の質点を示す。図7Aは対象物A、Bが衝突していない状態を示し、図7Bは対象物A、Bが衝突している状態を示す。白丸が対象物Aの質点であり、黒丸が対象物Bの質点である。対象物Aの共有領域R内にある任意の質点を質点iとする。質点iから最も近い対象物Bの質点jを質点iの投影点と定義する。質点i、質点jの位置ベクトルをそれぞれx、xとする。質点iと質点jの位置ベクトルの差を差ベクトルzji(=x−x)とする。質点における法線ベクトルは、対象物の領域から外側向きのものを用いる。そして、以下の式(1)を満たす質点iと質点jとを衝突質点とし、衝突質点が存在すれば、対象物Aと対象物Bとは衝突していると判断する(図7B参照)。
(x−x)・n=zji・n<0 (1)
ただし、zji・nはベクトルzjiとベクトルnとの内積を示す。式(1)を満たすということは、差ベクトルzjiと投影点の法線ベクトルnとが90度より大きい内角をなしているということである。
説明を図2、図3に戻す。衝突確認部8が、対象物A、Bが衝突していると確認すると、衝突後等価速度計算部10は、対象物A、Bの衝突後の等価速度ベクトルveq−Iを求める(ステップS8)。以下、求め方の一例を示す。
まず、対象物A、Bの運動量L、Lを求める。対象物A、Bの運動量L、Lは、対象物A、Bを構成している全質点の運動量の和とできる。つまり、以下の式(2a)(2b)により求める。
=Σi=1 1、i1、i(p) (2a)
=Σi=1 2、i2、i(p) (2b)
ただし、P、Qはそれぞれ、対象物A、Bの質点の総数であり、m1、i、m2、iはそれぞれ、対象物Aの質点iの質量、対象物Bの質点iの質量であり、v1、i(p)、v2、i(p)はそれぞれ、離散時刻p(p番目)の対象物Aの質点iの速度ベクトル、離散時刻pの対象物Bの質点iの速度ベクトルである。また、対象物A、Bの運動量は、以下の式(3a)(3b)を用いても、求めることができる。
=Σi=1 1、iI、i(p)=veq−1(p)Σi=1 1、i
=M・veq−1(p) (3a)
=Σi=1 2、i2、i(p)=veq−2(p)Σj=1 2、i
=M・veq−2(p) (3b)
ただし、veq−1(p)、veq−2(p)はそれぞれ、離散時刻pの対象物A、Bの等価速度ベクトルで、対象物内の全質点は、同一の等価速度を持つ。M、Mはそれぞれ対象物A、Bの総質量である。従って、対象物A、Bの等価速度veq−1(p)、veq−2(p)は、以下の式(4a)(4b)で求めることができる。
eq−1(p)=L/M (4a)
eq−2(p)=L/M (4b)
式(3a)(3b)、式(4a)(4b)において、対象物A、Bの等価速度veq−1(p)、veq−2(p)は、連続弾性体と同じ質量、同じ運動量を持つ剛体の移動速度、すなわち、連続弾性体を剛体に置き換えた場合、両者が力学的に等価の状態にあるための必要速度として解釈できる。
また、運動量保存の法則より、衝突前後の対象物A、Bの運動量を以下の式(5)で表現できる。
eq−1(p)+Meq−2(p)=Mv’eq−1(p)+Mv’eq−2(p) (5)
ただし、v’eq−1(p)、v’eq−2(p)はそれぞれ、対象物A、Bの衝突後の等価速度である(以下、衝突後等価速度という)。左辺が衝突前の対象物A、Bの運動量の和であり、右辺が衝突後の対象物A、Bの運動量の和である。対象物A、Bの衝突を考慮する際、反発係数を考慮することが好ましい。当該反発係数eは以下の式(6)で表すことができる。
e=(veq−1(p)−veq−2(p))/(v’eq−2(p)−v’eq−1(p)) (6)
対象物の材質を考慮して反発係数eの値を与え、式(5)、(6)を連立して解けば、対象物A、Bの離散時刻pにおける衝突後等価速度v’eq−1(p)、v’eq−2(p)を以下の式(7a)、(7b)で表現できる。
v’eq−1(p)=
{Meq−1(p)+Meq−2(p)+Me(veq−2(p)−veq−1(p))}/(M+M) (7a)
v’eq−2(p)=
{Meq−1(p)+Meq−2(p)+Me(veq−1(p)−veq−2(p))}/(M+M) (7b)
全系衝突衝撃力計算部12は、衝突後等価速度ベクトルv’eq−1(p)、v’eq−2(p)を用いて、全系衝突衝撃力ベクトルFを求める(ステップS10)。運動量保存の法則により、以下の式(8a)、(8b)が成り立つ。
eq−1(p)+FΔt=Mv’eq−1(p) (8a)
eq−2(p)+FΔt=Mv’eq−2(p) (8b)
ただし、Fは対象物Aが対象物Bから与えられる全系衝突衝撃力であり、Fは対象物Bが対象物Aから与えられる全系衝突衝撃力である。また、Δtは予め定められた時間であるが、式(8a)、(8b)ではΔtを衝突による運動量変換が行われる時間(衝突時間)に近似して用いている。式(8a)、(8b)より、全系衝突衝撃力F、Fは、以下の式(9a)、(9b)で表現できる。
=M(v’eq−1(p)−veq−1(p))/Δt (9a)
=M(v’eq−1(p)−veq−1(p))/Δt (9b)
全系衝突衝撃力F、Fの質点ごとの衝突衝撃力をf1、i、f2、i、とすれば、fI、iを質点ごとの弾性衝撃力fID,iと、質点ごとの剛体衝撃力fIR,iとに分けて考える。弾性衝撃力fID,iとは、対象物を弾性体と仮定した場合に弾性変形に寄与する成分である。剛性衝撃力fIR,iとは、対象物を剛性体と仮定した場合に、衝突前後にわたる加速度の不連続転移を引き起こす成分である。
弾性衝撃力計算部14は、質点の質量mI,iと、全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、質点の法線ベクトルnI,iを用いて、質点ごとの弾性衝撃力ベクトルfID,iを求める(ステップS12)。人間の唇のように高い柔軟性を持つゲル状のものは、流体と同様に圧力変動に対して、境界面変形がもたらされる。こういう柔軟性の高い連続弾性体同士が衝突を起こした場合、衝突による運動量変換から発生する衝突衝撃力は、衝突境界面における衝突体の移動速度を急激に減少させ、衝突体の運動エネルギーもその分、減少してしまう。運動エネルギーの減少は流体におけるエネルギー保存則から内部圧力の上昇を誘発し、この内部圧力の上昇が、境界面変形を引き起こす原因である。以上のように柔軟性の高い連続弾性体の衝突にて、全系衝突衝撃力Fは軟組織の内部圧力に変換され、それによる境界面変形がもたらされている。従って、この実施例では、全系衝突衝撃力Fを上唇(対象物A)及び下唇(対象物B)の境界面を構成する質点に対して、法線方向、すなわち境界面に垂直した方向に作用させ、衝突による弾性変形を実現する。従って、上唇(対象物A)の境界面質点iの弾性衝撃力ベクトルf1D,i、下唇(対象物B)の境界面質点iの弾性衝撃力ベクトルf2D,iはそれぞれ以下の式(10a)、(10b)で求めることができる。
1D,i=k1,i│F│n1,i (10a)
2D,i=k2,i│F│n2,i (10b)
ただし、n1,iは対象物A側から見て、物体領域の外側方向に向く、質点iの法線ベクトル(図7A参照)であり、n2,iは、対象物2側から見て物体領域の外側方向に向く、質点iの法線ベクトルであり、kは比例定数であり、│F│はベクトルFのスカラー値である。
一方、剛性衝撃力計算部16は、全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、衝突後の対象物の等価加速度ベクトルaeq−Iを用いて、質点ごとの剛性衝撃力ベクトルfIR,iを求める(ステップS14)。対象物A、Bが衝突した場合の運動量保存の法則の適用の際、対象物A、Bの運動学的状態を等価速度veq−1、veq−2を用いていることから、衝突が対象物A、Bにもたらす加速度も以下の式(11a)、(11b)の様に等価加速度ベクトルaeq−1、aeq−2として、表すことができる。
eq−1=(v’eq−1(p)−veq−1(p))/Δt (11a)
eq−2=(v’eq−2(p)−veq−2(p))/Δt (11b)
剛体衝撃力は、上述のように、連続弾性体の衝突の問題にて、加速度の不連続転移といった剛体衝突特性の寄与分を意味している。従って、剛体衝撃力ベクトルf1R,i、f2R,iは、その方向は加速度ベクトルaeq−1、aeq−2の方向に従わせ、以下の式(12a)(12b)で求めることができる。
1R,i=k│F│ua1 (12a)
2R,i=k│F│ua2 (12b)
ただし、ua1、ua2はそれぞれ、aeq−1、aeq−2の単位ベクトルであり、kは比例定数である。
衝突衝撃力計算部18は、弾性衝撃力ベクトルfID,iと、剛性衝撃力ベクトルfIR,iを加算して、質点ごとの衝突衝撃力ベクトルfI,iを求める(ステップS16)。つまり、対象物Aの質点iに作用させる衝突衝撃力ベクトルf1,i、対象物2の質点iに作用させる衝突衝撃力ベクトルf2,iを以下の式(13a)、(13b)により求める。
1,i=f1D,i+f1R,i (13a)
2,i=f2D,i+f2R,i (13b)
適用部20は、衝突衝撃力ベクトルfI,iから、あらかじめ定めた時間Δt後の質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを求める(ステップS17)。まず、対象物A、Bの質点iにそれぞれf1,i、f2,iを加えた場合、離散時刻pの次の離散時刻p+1の速度v1、i(p+1)、v2、i(p+1)を以下の式(14a)、(14b)により求める。
1,i1、i(p)+f1,iΔt=m1,i1、i(p+1) (14a)
2,i2、i(p)+f2,iΔt=m2,i2、i(p+1) (14b)
そして、全質点の位置xI、i(p+1)について、対象物Aの質点の速度ベクトルv1、i(p)をv1、i(p+1)に更新し、対象物2の質点の速度ベクトルv2、i(p)をv2、i(p+1)に更新する(ステップS18)。現在の離散時刻pが「1」進み、p+1になる(ステップS20)。次に、離散時刻p+1の対象物A、Bの質点の位置ベクトルx1,i(p+1)、x2,i(p+1)を以下の式(15a)(15b)により求め、更新する(ステップS22)。
1,i(p+1)=x1,i(p)+v1、i(p)Δt (15a)
2,i(p+1)=x2,i(p)+v2、i(p)Δt (15b)
そして、更新されたv1、i(p)、v2、i(p)が衝突確認部8に入力され、衝突確認部8、衝突後等価速度計算部10、全系衝突衝撃力計算部12、弾性衝撃力計算部14、剛性衝撃力計算部16、衝突衝撃力計算部18、適用部20の処理が繰り返される。また、更新された位置ベクトルx1,i(p)、x2,i(p)に対応する情報が表示部26に表示される。表示部26は例えばモニタである。このようにして、表示部26に質点の挙動が表示され、総合的に対象物A、Bの挙動が表示される。
ステップS5において対象物同士の共有領域Rがないと判断された場合、および、ステップS6において対象物同士が衝突していないと判断された場合、対象物A、Bについて何らの処理を行わず、対象物A、Bの質点の位置(挙動)を表示部26に表示する。
この実施例1の対象物模擬装置2のように、全系衝突衝撃力Fを、弾性衝撃力fID,iと剛性衝撃力fIR,iとに分けて考えることで、リアルで自然な対象物同士の衝突を模擬できる。
実施例1の対象物衝突模擬装置2の構成で、対象物の衝突を模擬すると、対象物A、Bの質点が貫入するという現象が生じる。貫入現象を簡単に説明する。例えば、対象物Aと対象物2とが衝突を起こした場合、この衝突に伴って発生する境界面の付近の質点を衝突境界面付近質点とする。貫入現象とは、当該衝突により、例えば、対象物Aの衝突境界面付近質点が対象物2の領域に入り込む現象である(図7B参照)。上記非特許文献1〜3には、この貫入現象を防ぐ手法が記載されている。その手法とは、交差が生じた対象物の境界面同士の間に、擬似的に新たな擬似的境界面を1つ生成する。そして、2つの対象物が擬似的境界面で互いに接触していると仮定して、境界面付近質点を強制的に擬似的境界面に移動させて模擬する。
しかし、この手法では、境界面貫入の防止には有効であるが、衝突による時間経過に伴う弾性変形を模擬できない。従って、対象物が高い柔軟性をもつ弾性体である場合、自然な衝突を模擬できない。また、この手法では、擬似擬的境界面の設定では、その位置を直接指定して衝突境界面の変位を形成している。しかし、衝突境界面付近質点から離れたところに位置する質点に時間領域にて運動方程式から逐次に運動状態が発生し、不自然な衝突しか模擬できない。これらの欠点については非特許文献3にも記載されている。
この実施例2の対象物衝突模擬装置30により、貫入防止を達成し、かつ、対象物が弾性体であっても、衝突を自然に模擬できる。図2を用いて、対象物衝突模擬装置30(参照番号を括弧書きで示す)を説明し、図3を用いて主な処理の流れを説明する。対象物衝突模擬装置30は、破線で示す貫入防止部22を有する点で対象物衝突模擬装置2と異なる。また、図8に貫入防止部22の機能構成例を示し、図9に貫入防止部22の主な処理の流れを示す。貫入防止部22は、貫入増加状態にある質点に対して、適用部20で求めた質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを、貫入が解消するように調整する。貫入防止部22は貫入増加状態質点探索手段222、貫入解消速度計算手段224、置き換え手段226により構成される。以下、貫入を解消させる一例を示す。衝突している対象物の領域内に貫入している質点は、当該質点の速度ベクトルと質点位置における境界面の法線ベクトルとの相対方位から、以下の2つに分類できる。
貫入増加状態・・・衝突質点が更に、衝突している対象物の領域内部に進み、より深い貫入へ移行しようとしている状態
貫入解消状態・・・衝突質点が衝突している対象物の内部から離れ、貫入を解消する方向へと進もうとしている状態
ステップS18において、離散時刻p+1の全ての質点の速度ベクトルvI、i(p+1)を求めた後に、貫入増加状態質点探索手段222は、質点の速度ベクトルvI,i(p+1)と、質点の法線ベクトルnを用いて、全ての衝突した質点の中から、貫入増加状態にある質点(以下、「貫入増加状態質点」という。)を探索する(ステップS262)。具体的には、質点の速度ベクトルvI,i(p+1)と、質点の法線ベクトルnの内積を用いて探索する。図10は、対象物Aと対象物Bとが衝突を起こした場合の、対象物Aと対象物Bとの境界線付近の質点を示した図である。質点iにおける速度ベクトルvI,i(p+1)と法線ベクトルnの内積が正(vI,i(p+1)・n>0)、つまり、vI,i(p+1)とnのなす内角θが90度未満の場合、質点iは貫入増加の状態にあると判断する。また、速度ベクトルvI,i(p+1)と法線ベクトルnの内積が0以下(vI,i(p+1)・n≦0)、つまり、θが90度以上の場合、質点iは貫入解消の状態にあると判断する。例えば、図10に示すように、質点1や質点2は貫入増加状態にあり、質点3や質点4は貫入解消状態にある。
貫入解消速度計算手段224は、貫入増加状態質点に対して、速度ベクトルvI,i(p+1)との内積が負となる貫入解消速度ベクトルv’’I,i(p+1)を求める(ステップS263)。ステップS263は、速度ベクトルの向きを変更する過程(ステップS264)と、速度ベクトルのゲインを調整する過程(ステップS266)とを有する。まず、貫入解消状態になるように、速度ベクトルの向きを変更させる。具体的には、以下の式(16)が成り立つ速度ベクトルv’I,i(p+1)を求める。
v’I,i(p+1)・vI,i(p+1)≦0 (16)
ここで、計算量を削減するため、v’I,i(p+1)=−vI,i(p+1)とすることが好ましい。
次に、速度ベクトルv’I,i(p+1)のゲインを調整して、貫入解消速度ベクトルv’’I,i(p+1)を求める(ステップS266)。具体的には、以下の式(17)により調整する。
v’’I,i(p+1)=cvI,i’(p+1) (17)
ただし、cは比例定数である。cの値は、計算結果が不自然にならない限り1でよい。不自然になる場合は、適切な挙動が得られるように、cを調整する。cが大きいほど、すばやい貫入解消が実現する。しかし、極端に大きなcは不自然な衝突挙動を誘発する。そこで、cの値は0.5<c<1.5にするのがよい。
置き換え手段226は、適用部20で求めた質点の速度ベクトルvI,i(p+1)を、貫入解消速度ベクトルv’’I,i(p+1)に置き換える(ステップS268)。この置き換え処理により、貫入増加状態質点は貫入解消状態に向かう。ステップS268の後はステップS20(図3参照)に進む。
ステップS262において、貫入増加状態質点がない場合は、速度ベクトルvI,i(p)の向きを変更する過程(ステップS264)に進まず、速度ベクトルvI,i(p+1)のゲインを調整する過程(ステップS268)に進む。
そして、貫入解消速度ベクトルv’’I,i(p+1)は、衝突確認部8に入力され、衝突確認部8、衝突後等価速度計算部10、全系衝突衝撃力計算部12、弾性衝撃力計算部14、剛性衝撃力計算部16、衝突衝撃力計算部18、適用部20の処理が繰り返される。
この実施例2の対象物衝突模擬装置30のように、貫入防止部22を設けることで、貫入防止を達成し、かつ、対象物が弾性体であっても、自然な衝突を模擬できる。実施例1、2では、対象物が2つの場合を説明したが、対象物が3つ以上の場合であっても、対象物衝突模擬装置2、30を適用できる。
[実験結果]
図11A〜Dは対象物衝突模擬装置2、30を用いていない離散要素近似力学系モデルを用いた、上唇と下唇との閉口運動シミュレーションの結果である。図12A〜Dは対象物衝突模擬装置30を用いた上唇と下唇との閉口運動シミュレーションの結果である。図13A〜Dはそれぞれ、図11A〜Dの中央縦断面を示した図であり、図14A〜Dはそれぞれ、図12A〜Dの中央縦断面を示した図である。また、対象物衝突模擬装置30において、反発係数e=0とする。図11A、図12Aはt=0.00秒、図11B、図12Bはt=0.04秒、図11C、図12Cはt=0.16秒、図11D、図12Dはt=0.42秒、の口唇の挙動を示している。t=0.00秒、t=0.04秒、t=0.16秒、t=0.42秒、はそれぞれ初期状態、衝突開始、衝突展開中及びシミュレーション終了の時刻に対応する。このことは以下の図15〜図20についても同様である。
図11A〜D、図13A〜Dより理解されるように、口唇間衝突のモデルが設けられていない各口唇にて衝突相手、すなわち反対側口唇の存在の検知がされておらず、上唇と下唇が相手口唇の領域内に、ひどく貫入していることが分かる。
一方、図12A〜D、図14A〜Dより理解されるように、対象物衝突模擬装置30を用いると、衝突検知及び衝突挙動のモデリングを設けてから行ったシミュレーションによる衝突挙動で、有効な衝突検知はもちろん、衝突後挙動では、境界面における貫入が防止され、更に衝突に伴う弾性変形も、自然に実現されていることが分かる。
図15〜図17は、それぞれ対象物衝突模擬装置30を用いて、反発係数e=0.0、e=0.5、e=1.0、に設定した場合の、口唇間の衝突挙動シミュレーション結果である。図18〜図20は、図15〜図17の中央縦断面を示した図である。
e=0.0の反発係数を持つモデル(図15、図18)にて最後まで上唇と下唇の相互接触状態が維持している。これに対して、e=0.5の反発係数を持つモデル(図16、図19)においては、衝突後、上唇と下唇が跳ね返るような挙動でお互いに遠ざかり、最後は開口の状態に戻っていることが分かる。また、e=1.0の反発係数を持つモデル、つまり、図16、図19に示すように、反発係数の増加につれ更に著しくなる。これは反発係数が大きいほど速い速度で跳ね返ってくるという、反発係数の力学的定義とも合致する結果である。
Aは剛体同士の衝突を示した図であり、Bは弾性体同士の衝突を示した図である。 対象物衝突模擬装置2、30の機能構成例を示したブロック図である。 対象物衝突模擬装置2、30の主な処理の流れを示した図である。 上唇、下唇を示した図である。 上唇、下唇を離散質点及び粘弾性要素で構成される離散系モデルに近似した図である。 対象物A、BのAABBを示した図である。 Aは対象物A、Bが衝突していない場合の共有領域R中の質点を示した図であり、Bは対象物A、Bが衝突している場合の共有領域R中の質点を示した図である。 貫入防止部22の機能構成例を示した図である。 貫入防止部22の主な処理の流れを示した図である。 貫入増加状態質点を示した図である。 従来の技術を用いた上唇と下唇との衝突模擬の実験結果(以下、衝突模擬実験結果という)であり、Aはt=0.00秒の時を示し、Bはt=0.04秒の時を示し、Cはt=0.16秒の時を示し、Cはt=0.42秒の時を示す。なお、A〜Dの時刻については図12〜図20についても同様である。 対象物衝突模擬装置30を用いた場合の衝突模擬実験結果を示す図。 図11の中央縦断面を示した図である。 図12の中央縦断面を示した図である。 対象物衝突模擬装置30を用い、反発係数e=0.0の場合の衝突模擬実験結果を示す図である。 対象物衝突模擬装置30を用い、反発係数e=0.5の場合の衝突模擬実験結果を示す図である。 対象物衝突模擬装置30を用い、反発係数e=1.0の場合の衝突模擬実験結果を示す図である。 図15の中央縦断面を示した図である。 図16の中央縦断面を示した図である。 図17の中央縦断面を示した図である。

Claims (10)

  1. 複数の対象物をそれぞれ離散質点(以下、「質点」という。)及び粘弾性要素による離散系モデルで近似して、当該対象物同士の衝突を模擬する対象物衝突模擬装置であって、
    対象物同士が衝突状態かを確認する衝突確認部と、
    前記対象物の衝突後の等価速度ベクトルveq−I(ただし、Iは対象物を示す値)を運動量保存の法則により求める衝突後等価速度計算部と、
    前記等価速度ベクトルveq−Iを用いて、全系衝突衝撃力ベクトルF運動量保存の法則により求める全系衝突衝撃力計算部と、
    質点の質量mI,i(ただし、iは質点を示す値)と、前記全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、質点の法線ベクトルnI,iを用いて、運動量保存の法則と弾性体の衝突を同時に考慮した質点ごとの弾性衝撃力ベクトルfID,iを求める弾性衝撃力計算部と、
    前記全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、衝突後の対象物の等価加速度ベクトルaeq−Iを用いて、質点ごとの剛性衝撃力ベクトルfIR,i =k |F |u aI (但し、k は比例定数であり、u aI は等価加速度ベクトルa eq−I の単位ベクトル)を求める剛性衝撃力計算部と、
    前記弾性衝撃力ベクトルfID,iと、前記剛性衝撃力ベクトルfIR,iを加算して、質点ごとの衝突衝撃力ベクトルfI,iを求める衝突衝撃力計算部と、
    前記衝突衝撃力ベクトルf I,から、あらかじめ定めた時間Δt後の質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを求める適用部と、
    を備えることを特徴とする対象物衝突模擬装置。
  2. 請求項1記載の対象物衝突模擬装置であって、
    前記衝突後等価速度計算部は、反発係数を用いて、衝突後の等価速度ベクトルを計算することを特徴とする対象物衝突模擬装置。
  3. 請求項1または2記載の対象物衝突模擬装置であって、
    衝突質点が更に、衝突している対象物の領域内部に進み、より深い貫入へ移行しようとしている貫入増加状態にある場合には、
    前記適用部で求めた質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを、
    衝突質点が衝突している対象物の内部から離れ、貫入を解消する方向へと進もうとしている貫入解消状態となるように調整する貫入防止部も備えることを特徴とする対象物衝突模擬装置。
  4. 請求項3記載の対象物衝突模擬装置であって、
    前記貫入防止部は、
    質点の速度ベクトルvI,iと、質点の法線ベクトルnを用いて、全ての前記衝突した質点の中から、貫入増加状態にある質点を探索する貫入増加状態質点探索手段と、
    前記貫入増加状態にある質点に対して、速度ベクトルvI,iとの内積が負となる貫入解消速度ベクトルv’’I,iを求める貫入解消速度計算手段と、
    前記適用部で求めた質点の速度ベクトルvI,iを、前記貫入解消速度ベクトルv’’I,iに置き換える置き換え手段と、
    を備えることを特徴とする対象物衝突模擬装置。
  5. 複数の対象物をそれぞれ離散質点(以下、「質点」という。)及び粘弾性要素による離散系モデルで近似して、当該対象物同士の衝突を模擬する対象物衝突模擬方法であって、
    衝突確認部が、対象物同士が衝突状態かを確認する衝突確認過程と、
    衝突後等価速度計算部が、前記対象物の衝突後の等価速度ベクトルveq−I(ただし、Iは対象物を示す値)を運動量保存の法則により求める衝突後等価速度計算過程と、
    全系衝突衝撃力計算部が、前記等価速度ベクトルveq−Iを用いて、全系衝突衝撃力ベクトルF運動量保存の法則により求める全系衝突衝撃力計算過程と、
    弾性衝撃力計算部が、質点の質量mI,i(ただし、iは質点を示す値)と、前記全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、質点の法線ベクトルnI,iを用いて、運動量保存の法則と弾性体の衝突を同時に考慮した質点ごとの弾性衝撃力ベクトルfID,iを求める弾性衝撃力計算過程と、
    剛性衝撃力計算部が、前記全系衝突衝撃力ベクトルのスカラー量│F│と、衝突後の対象物の等価加速度ベクトルaeq−Iを用いて、質点ごとの剛性衝撃力ベクトルfIR,i =k |F |u aI (但し、k は比例定数であり、u aI は等価加速度ベクトルa eq−I の単位ベクトル)を求める剛性衝撃力計算過程と、
    衝突衝撃力計算部が、前記弾性衝撃力ベクトルfID,iと、前記剛性衝撃力ベクトルfIR,iを加算して、質点ごとの衝突衝撃力ベクトルfI,iを求める衝突衝撃力計算過程と、
    適用部が、前記衝突衝撃力ベクトルf I,から、あらかじめ定めた時間Δt後の質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを求める適用過程と、
    を有することを特徴とする対象物衝突模擬方法。
  6. 請求項5記載の対象物衝突模擬方法であって、
    前記衝突後等価速度計算過程は、反発係数を用いて、衝突後の等価速度ベクトルを計算することを特徴とする対象物衝突模擬方法。
  7. 請求項5または6記載の対象物衝突模擬方法であって、
    衝突質点が更に、衝突している対象物の領域内部に進み、より深い貫入へ移行しようとしている貫入増加状態にある場合には、
    前記適用過程で求めた質点の速度ベクトルvI,iと位置ベクトルxI,iとを、衝突質点が衝突している対象物の内部から離れ、貫入を解消する方向へと進もうとしている貫入解消状態となるように調整する貫入防止過程も有することを特徴とする対象物衝突模擬方法。
  8. 請求項7記載の対象物衝突模擬方法であって、
    前記貫入防止過程は、
    貫入増加状態質点探索手段が、質点の速度ベクトルvI,iと、質点の法線ベクトルnを用いて、全ての前記衝突した質点の中から、貫入増加状態にある質点を探索する貫入増加状態質点探索ステップと、
    貫入解消速度計算手段が、前記貫入増加状態にある質点に対して、速度ベクトルvI,iとの内積が負となる貫入解消速度ベクトルv’’I,iを求める貫入解消速度計算ステップと、
    置き換え手段が、前記適用部で求めた質点の速度ベクトルvI,iを、前記貫入解消速度ベクトルv’’I,iに置き換える置き換えステップと、
    を有することを特徴とする対象物衝突模擬方法。
  9. 請求項5〜8何れかに記載の対象物衝突模擬方法の各過程をコンピュータに実行させるための対象物衝突模擬プログラム。
  10. 請求項9記載の対象物衝突模擬プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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