JP4813732B2 - 製品の残存駆動期間の算出方法及び装置 - Google Patents

製品の残存駆動期間の算出方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
従来技術
本発明は,独立請求項の上位概念に記載されている,製品の残存駆動期間の算出方法及び装置に関する。その場合に,本発明は,さらに,製品が技術的に機能しなくなるまでの駆動期間を検出する方法及び装置及び製品の信頼性を監視するために所定の時間可変の駆動量に従って製品の駆動期間しきい値を定める方法に関するものであって,そして最後に本発明は,その信頼性が監視されるべき製品内に配置されている,製品の実際の駆動期間を駆動期間しきい値と比較するための装置にも関する。
【0002】
DE19516481A1からは,寿命決定法が既知である。車両のための制御装置が記載され,その制御装置は駆動データメモリを有しており,その駆動データメモリ内に,制御装置の故障確率について,あるいは未来の信頼性についての説明を与えることのできる車両の駆動量が格納される。駆動データメモリ内には,必要な場合に,制御装置の信頼性に関して説明できるようにするために,制御装置の履歴の重要なデータが格納される。
【0003】
本発明の課題と利点
本発明の課題は,駆動データメモリを有し,あるいは駆動データメモリへのアクセスを有する任意の製品について,可能な限り正確な,モデル支援されない寿命評価を可能にすることである。他の課題設定は,メモリを最適に利用することができるようにするため,特にメモリスペースを節約するために,データの最適な検出と駆動データメモリへの格納である。
【0004】
これらの課題を解決するために,本発明は,製品が技術的に機能しなくなるまでの駆動期間を検出する方法に基づいて,所定の駆動量の値が検出され,個々の駆動量の値領域がクラスに分割されて,駆動量の検出された値が属するクラスに従って,駆動期間が検出されることを,提案する。
【0005】
その他,本発明は,課題を解決するために,技術的に機能しなくなるまでの製品の残存駆動期間の算出方法及び装置を提案し,その場合に製品の少なくとも1つの駆動量の値領域の値が検出され,その場合駆動量の値領域がクラスに分割され,各クラスについて製品の駆動期間が求められて,製品に付設されている駆動データメモリに格納され,その場合に駆動期間に予め設定可能な重み付け係数が割り当てられ,それによって製品について少なくとも1つの重み付けされた,累積駆動期間が求められ,その場合に重み付けされ,累積駆動期間が,少なくとも1つの予め設定可能な駆動期間しきい値と比較されて,そこから製品の残存駆動期間が求められる。
【0006】
その技術的に機能しなくなるまでの駆動期間が検出される,製品は,例えば車両の制御装置又は部分システム(例えばブレーキ,エンジン,トランスミッション,操舵装置など)として形成されている。製品は,駆動データメモリを有しており,あるいは駆動データメモリに対応付けられており,その駆動データメモリ内に検出された駆動量あるいは駆動期間が格納されて,必要な場合に再び呼び出すことができる。駆動データメモリは,好ましくは不揮発性メモリ(例えばEEPROM又はフラッシュメモリ)及び駆動量あるいは駆動期間を検出する手段を有している。車両の場合には,駆動データメモリは,例えば1つ又は複数の制御装置内で実現することができる。
【0007】
駆動データメモリによって,ディスクリートなシステム状態(例えば始動プロセスの数,非常始動の数,熱遮断の数など)と時間可変の駆動量が検出される。駆動量として,例えば温度,電流,電圧,圧力などのような,センサデータが検出される。
【0008】
駆動条件の元で許容される,駆動量の値領域内で,値領域が複数のクラスに線形又は非線形に分割される。製品の直接の破壊をもたらす極値は,許容される値領域の外部にある。クラス対応付けは,値領域全体を重要な負荷グループに分割することに基づいている。個々のクラスは,製品の老化/損耗に異なる影響を有している。駆動データメモリ内で,各クラス内の各駆動量について,製品の駆動期間が検出される。
【0009】
本発明によれば,製品の個々の技術的な駆動期間の決定と,損耗度の計算は,任意の各時点でクラスに分割された(いわゆる分類された)駆動量に基づいて実施される。分類された駆動量に基づいて,製品の駆動期間の特に確実で正確な決定が可能であり,その場合に駆動データメモリのためのメモリ需要が減少される。というのは,駆動量の時間的な推移の検出を省略することができるからである。それによって,技術的駆動期間の最後に達する直前に,特に確実な予防的保守/修理が可能となる。
【0010】
本発明の好ましい展開によれば,駆動量の値が規則的な時間間隔で検出されて,検出された駆動量が所定のクラスに属する場合には,このクラスのクラスカウンタが増分されることが,提案される。従って所定の製品の各駆動量に,駆動期間の検出後に駆動期間ヒストグラムが割り当てられ,その駆動期間ヒストグラムから所定のクラス内部の駆動量について,製品の駆動期間が得られる。駆動データ記憶に必要とされる,駆動データメモリのバイトの大きさは,
−駆動量の数,
−駆動量当たりのクラスの平均的な数,及び
−クラスカウンタ当たりの平均的なバイト数,
の積から得られる。
【0011】
分類された駆動量に基づいて駆動期間を検出する,本発明にかかる方法は,特に製品の信頼性を監視するために,製品の駆動期間しきい値を決定する場合に,特別な利点を有している。従って本発明の好ましい展開によれば,冒頭で挙げた種類の駆動期間しきい値を定める方法が提案され,その方法は,
−駆動量のクラスについて,製品が技術的に機能しなくなるまでの,製品の駆動期間が,請求項1又は2に記載の方法を使用して定められ;
−駆動量のクラスに,重み付け係数が割り当てられ;
−重み付け係数は,個々の駆動量の間の相関を考慮して,最適化問題の解
min{f(x)},但しx={a_ij,t_ijk},
から求められ;
−製品について,式
Figure 0004813732
から,個々の駆動量について臨界的な,累積駆動期間が求められ;かつ
−個々の製品について,駆動期間しきい値が,式
min{P_iz_krit},但しi=1…N,
又は,
Figure 0004813732
から求められることを,特徴としている。
【0012】
個々のクラスは,製品の老化/損耗に異なる影響を有している。従って駆動量のクラスに,重み付け係数が割り当てられ,その重み付け係数は,所定の駆動量の所定のクラスが製品の老化あるいは損耗に与える相対的な影響を表現する。本発明においては,重み付け係数は製品の部分量Kから求められ,その重み付け係数が製品の部分量Zに使用される。それによって,部分量Sからなる製品について,シリーズ使用のための駆動量の臨界的な,重み付けされた累積駆動期間が定められ,その駆動期間に達した場合に技術的な駆動期間の最後と推定することができる。
【0013】
重み付け係数は,最適化問題の解
min{f(x)},但しx={a_ij,t_ijk},
から,個々の駆動量間の相関を考慮して求められ,その場合にa_ijは,駆動量iのクラスjに割り当てられた重み付け係数であって,t_ijkは,駆動量iのクラスjについての製品kの駆動期間である。駆動量間の相関は,例えば,重み付け係数が方程式システムから定められ,その方程式システム内で各駆動量について重み付けされた,累積された駆動量が演算によって互いに結合されることによって,考慮することができる。演算は,例えばアンド結合(積形成),オア結合(合計形成)又はファジー結合(例えばアンドとオアの中間状態)とすることができる。
【0014】
重み付け係数が適当な数学的最適化アルゴリズムを有する最適化問題の解によって求められた後に,個々の駆動量について臨界的な累積駆動期間が決定され,その駆動期間に達した場合に,技術的な駆動期間の最後であると推定することができる。そのためにKの製品を用いてZの数の製品が技術的に機能しなくなるまで駆動され,その場合にKの製品から計算された重み付け係数が,Zの製品の分類された駆動量に使用される。
Figure 0004813732
が,全ての駆動量について,及びZの製品全てについて求められ,その場合にP_iz_kritは,駆動量iの製品zの臨界的な累積駆動期間であって,t_ijzは,駆動量iのクラスjについての製品zの駆動期間である。従って,重み付けされ,累積駆動期間のZのベクトル
Y_z=(P_1z_krit,P_2z_krit,…,P_Nz_krit),但しz=1…Z,
が得られる。
【0015】
個々の製品について,それに達した場合にまもなく製品の技術的寿命が尽きると推定することのできる駆動期間しきい値は,マトリクスY_zのコラム最小値から,式
min{P_iz_krit},但しi=1…N,
に従って,あるいはマトリクスY_zのコラムエレメントの平均から,i=1…Nとして,式
Figure 0004813732
に従って求められる。それは,個々のコラムエレメントが十分な密度で互いに並べられている場合,即ちコラムエレメントの標準偏差が大き過ぎない場合に,要請された信頼性をもって機能する。コラム最小値を選択する場合に,アウトライナーを考慮する必要はない。
【0016】
個々の駆動量について臨界的な累積駆動期間が求められた後に,駆動データメモリを搭載している全てのシリーズ製品において,臨界しきい値に達する直前に,修理,交換又は保守の必要性を製品によって信号化することができる。あるいは,製品内に記憶されている駆動量が,規則的な製品保守の範囲内で評価される。
【0017】
従って要約すると,まず,重み付け係数a_ijを求めることができるようにするために,k=1…Kの製品が技術的に機能しなくなるまで駆動される。その後,重み付け係数a_ijがz=1…Zの製品の駆動データメモリに内蔵され,その製品がまた技術的に機能しなくなるまで駆動され,それによって臨界的な累積駆動期間P_iz_krit及び臨界的な累積駆動期間P_iz_kritの最小値選択又は平均を介して駆動期間しきい値が求められる。その後,シリーズ使用においてs=1…Sの製品の信頼性の監視が行われ,その場合に製品sの実際の駆動期間がしきい値と比較される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば,重み付け係数は,不等式条件a_ij>0として,最適化問題の解
Figure 0004813732
但し,不等式条件a_ij>0,
から求められ,その場合にa_ijは,駆動量iのクラスjに割り当てられた重み付け係数であって,t_ijkは,駆動量iのクラスjについての製品kの駆動期間であることが,提案される。この実施形態によれば,重み付け係数を計算する場合に,個々の駆動量間の相関は考慮されない。従って各駆動量は他の駆動量の値とは関係なく,製品の技術的破壊をもたらすことができるという仮定に基づいている。
【0019】
個々の駆動量間の相関が重み付け係数を定めるための基礎にされない場合には,駆動量の臨界しきい値に対する,駆動量のための重み付けされた,累積駆動期間の最大の比を,損耗度と解釈することができる。その場合には,残存残留寿命(%)は,
残留寿命[%]=1−損耗度[%]
に従って計算される。
【0020】
本発明の他の実施形態によれば,重み付け係数は,最適化問題の解
Figure 0004813732
但し不等式条件a_ij>0,
から求められることが,提案される。この実施形態においては,個々の駆動量間の相関が考慮される。従って,複数の駆動量は一緒になって製品の技術的な破壊をもたらす,という仮定に基づいている。この実施形態によれば,駆動量は純粋なアンド結合(積形成)によって互いに結合される。重み付け係数は,各製品の,アンド演算器によって結合された,重み付けされたクラス合計が,互いに対して最小の「間隔」を有するように定められる。
【0021】
他の第3の実施形態によれば,個々のクラスの平面上で複数の駆動量の結合が考えられる。その場合に,所定のクラス内部の複数の駆動量が製品の技術的な破壊をもたらす,という仮定に基づいている。
【0022】
本発明の課題を解決するために,製品が技術的に機能しなくなるまでの駆動期間を検出する装置に基づいて,さらに,装置は,規則的な時間間隔で所定の駆動量の値を検出する第1の手段を有しており,個々の駆動量の値領域はクラスに分割され,かつ装置は,駆動量の検出された値が属するクラスに従って,駆動期間を検出するための第2の手段を有していることが,提案される。
【0023】
本発明の好ましい展開によれば,第2の手段は,検出された駆動量が所定のクラスに属する場合に,このクラスのクラスカウンタを増分させることが,提案される。
【0024】
分類された駆動量に基づいて駆動期間を検出するための,本発明にかかる装置は,特に,製品の信頼性を監視するために,製品の駆動期間しきい値を定める場合に,特別な利点を有している。従って本発明の好ましい展開によれば,装置は請求項5から8のいずれか1項に記載の方法を実施するための手段を有していることを特徴とする,冒頭で挙げた種類の駆動期間しきい値を定める装置が提案される。
【0025】
本発明の課題を解決するために,監視すべき製品内に配置された,冒頭で挙げた種類の装置に基づいて,駆動期間しきい値が請求項5から8のいずれか1項に記載の方法に基づいて求められることが,提案される。装置の駆動データメモリは,特に小形に形成することができる。というのは,本発明に基づいて駆動期間しきい値を求める場合には,駆動量の時間的な推移のメモリ内部の検出を省略することができるからである。
【0026】
クラス内の駆動データ検出は,さらに,メモリを最適に利用することができ,従って特にわずかなメモリスペースしか必要としない,という利点を有している。というのは,全時間軸にわたって,あるいは時間軸に関して,駆動量の面倒な検出を実施する必要がないからである。それによって本発明,特に駆動データ検出は,好ましくは付加機能性として制御装置内で,あるいはそのために設けられた専用の装置内で実現することができる。
【0027】
他の利点と好ましい実施形態は,詳細な説明と請求項の特徴から明らかにされる。
【0028】
実施例の説明
図1には,好ましい実施形態に基づく,製品kが技術的に機能しなくまるまでの製品k=1…Kの駆動期間t_ijkを検出するための,本発明にかかる方法のフローチャートが示されている。その駆動期間t_ijkが検出される,製品kは,例えば車両の制御装置又は部分システム(例えばブレーキ,エンジン,トランスミッション,操舵装置など)として形成されている。製品kは,駆動データメモリを有しており,その中に検出された駆動量i=1…Nあるいは駆動期間t_ijkが格納されて,必要な場合に再び呼び出すことができる。駆動データメモリは,好ましくは不揮発性メモリ(例えばEEPROM又はフラッシュメモリ)と駆動量あるいは駆動期間を検出するための手段を有している。車両の場合には,駆動データメモリは,例えば1つの駆動装置又は複数の駆動装置内で実現することができる。
【0029】
駆動データメモリによって,ディスクリートなシステム状態(例えば始動プロセスの数,非常始動の数,熱遮断の数など)と時間可変の駆動量iが検出される。駆動量iとして,例えば温度,電流,電圧,圧力などのセンサデータが検出される。
【0030】
方法は,機能ブロック10で開始される。機能ブロック11においては,検出すべき個々の駆動量iの,駆動条件の元で許容される値領域が,クラスj=1…M_1に線形又は非線形に分割される。製品kの直接的な破壊をもたらす極値は,許容される値範囲の外側にある。クラス対応付けは,値領域全体を重要な負荷グループに分割することに基づいている。個々のクラスjは,製品kの老化/損耗に異なる影響を有する。
【0031】
次の機能ブロック12においては,規則的な時間間隔で駆動量iの値が検出される。駆動期間t_ijkは,駆動量の検出された値が属するクラスjに従って検出される。そのために,機能ブロック13において,検出された駆動量iの値が所定のクラスjに属する場合には,このクラスjのクラスカウンタが増分される。従って所定の製品kの各駆動量iには,駆動期間k_ijkの検出後,駆動期間−ヒストグラムが割り当てられ,その駆動期間−ヒストグラムから所定のクラスjの内部における駆動量iについての製品kの駆動期間t_ijkが得られる。クラスカウンタの状態と駆動量iの検出された値の時間的な間隔の積から,駆動期間t_ijkが得られる。
【0032】
次の機能ブロック14においては,駆動期間t_ijkの検出が終了しているか,が調べられる。終了していない場合には,再び機能ブロック12へ分岐する。駆動期間t_ijkの検出が終了している場合には,機能ブロック15において方法の最後へ分岐する。
【0033】
図2には,好ましい実施形態に基づく,製品の駆動期間しきい値zを定めるための,本発明にかかる方法のフローチャートが示されている。本発明にかかる方法は,機能ブロック20で開始される。その後まず,図1に示す方法を使用することによって,製品が技術的に機能しなくなるまでの,駆動量iのクラスjについての製品kの駆動期間t_ijkが定められる。
【0034】
次に,機能ブロック21において,駆動量iのクラスに,重み付け係数a_ijが割り当てられる。個々のクラスjは,製品kの老化/損耗に異なる影響を有するので,駆動量iのクラスjには,製品kの老化あるいは損耗に与える,所定の駆動量iの所定のクラスjの重要な影響を表現する重み付け係数a_ijが割り当てられる。
【0035】
次の機能ブロック22においては,重み付け係数a_ijが,最適化問題の解 min{f(x)},但しx={a_ij,t_ijk}
から,個々の駆動量i間の相関を考慮して,求められる。重み付け係数a_ijは,例えば最適化問題の解
Figure 0004813732
但し,不等式条件a_ij>0,
から求めることができる。その場合に個々の駆動量の間の相関は考慮されず,各駆動量iは他の駆動量iの値に関係なく,製品kの技術的な破壊をもたらす可能性がある,という仮定に基づいている。
【0036】
あるいは,重み付け係数a_ijを,不等式条件a_ij>0で,最適化問題の解
Figure 0004813732
但し,不等式条件a_ij>0,
から求めることもできる。個々の駆動量i間の相関が考慮され,複数の駆動量iが一緒になって製品kの技術的破壊をもたらす可能性がある,という仮定に基づいている。駆動量iは,実施例においては,純粋なアンド−結合(積形成)を用いて互いに結合される。
【0037】
第3の選択肢によれば,個々のクラスjの平面上での複数の駆動量iの結合が考えられる。その場合に,所定のクラスjの内部の複数の駆動量iが製品kの技術的な破壊をもたらす,という仮定に基づいている。
【0038】
本発明においては,重み付け係数a_ijは製品kの部分量Kから求められ,それがその後製品zの部分量Zに使用される。それによってシリーズ使用のための駆動量iの臨界的な累積駆動期間P_iz_kritを定めることができ,それに達した場合には,技術的な駆動期間の最後であると推定することができる。
【0039】
その後機能ブロック23において,製品zについて,製品zが技術的に機能しなくなるまで駆動されることによって,個々の駆動量iのための臨界的な累積駆動期間P_iz_kritが,式
Figure 0004813732
から求められる。従って,重み付けされた,累積駆動期間のZベクトルが得られる。
Y_Z=(P_1z_krit,P_2z_krit,…P_Nz_krit),但しz=1…Z,
個々の製品zについて,最終的に機能ブロック24において,それが達成された場合にまもなく製品の技術的寿命が尽きると推定することのできる,駆動期間しきい値は,式
min{P−iz_krit},但しi=1…N,
に基づいて,マトリクスY_zのコラム最小値から,
あるいは,式
1 N
−xSUM{P_iz_krit},但しi=1…N
N i=1
に基づいて,マトリクスY_zのコラムエレメントの平均から,求めることができる。それは,個々のコラムエレメントが互いに対して十分に密に並んでいる場合,即ちコラムエレメントの標準偏差が小さい場合に,必要とされる信頼性をもって機能する。
【0040】
従ってアウトライナーは(存在する場合に),コラム最小値を選択する場合に考慮する必要はない。機能ブロック25において,製品zの駆動期間しきい値を定める方法は終了される。駆動期間しきい値を定めるために,絶対的又は相対的な最小値選択と簡単な平均値形成の他に,移動的又は経験的あるいは調和的な平均値形成又は子午線形成などのような他の方法又は処置方法を使用することもできる。
【0041】
個々の駆動量iについて臨界的な累積駆動期間P_iz_kritが求められた後に,駆動データメモリを搭載している全てのシリーズ製品sにおいて,臨界しきい値に達する直前に,補修,交換又は保守の必要性を,製品sによって信号で知らせることができる。これは,特に,シリーズ製品の自己診断の形式で行うこともできる。あるいは,製品sに格納されている駆動量が,規則的な製品保守の範囲内で評価される。その場合にこの製品保守は,例えば車両の部分製品又は車両自体において,駆動自体の中でオンボード診断の形式で実施することができる。
【0042】
図3は,さらに,可能な本発明にかかる装置を概略的に示している。Pは,製品自体を示している。製品は,通信システムKS,特に導線システム又はバスシステムによって,製品外部の駆動データメモリBSeと接続されている。あるいは,製品自体の中に,内部の駆動データメモリBSiを設けることもできる。また,両メモリを同時に設けて,例えばBSeとBSiからバーチャルメモリを形成することもできる。M内には,上述したような本発明にかかる方法を実施するために使用される手段が,マイクロコンピュータ又はマイクロコントローラの形式で設けられている。これらの手段は,例えば車両の制御装置内に設けること,あるいは取り付けることができる。
【0043】
その駆動期間が検出される,製品Pは,例えば,車両の制御装置又は部分システム(例えばブレーキ,エンジン,トランスミッション,操舵装置など)として形成されている。製品Pは,駆動データメモリBSiを有し,あるいはこの種の駆動データメモリに対応付けられており(BSe),その中には検出された駆動量あるいは駆動データが格納され,必要な場合には再び呼び出すことができる。駆動データメモリは,好ましくは不揮発メモリ(例えばEEPROM又はフラッシュメモリ)及び駆動量あるいは駆動データを検出するための手段EMを有している。車両の場合には,駆動データメモリは,例えば1つ又は複数の制御装置内で実現することができる。検出手段EMは,その情報を,例えば通信システムKS又は製品の,例えばその他のセンサ装置あるいはアクチュエータ装置への,他のインターフェイスを介して入手する。評価,駆動期間検出,しきい値比較により駆動期間を求めることなどは,特に手段Mによって実施され,その手段はまた信号化又は他の方策の導入を導入し,あるいは実施する。検出手段EMと手段Mは,組み合わせて,従って一体化して設けることもでき,同様に駆動データメモリに所望に対応付け,あるいはその中に統合することもできる。
【0044】
駆動データメモリによって,ディスクリートなシステム状態(例えば始動プロセスの数,非常始動の数,熱遮断の数など)と時間可変の駆動量が検出される。駆動量として,例えば温度,電流,電圧,圧力などのセンサデータが検出される。そのために必要なセンサ装置は,例えば通信システムKSを介して結合され,あるいは他のインターフェイスを介して製品と結合されている。各々製品に従って,センサ装置も一部又は全体を製品内に統合することもできる。同じことは,特に本発明にかかる情報を提供するアクチュエータ装置についても当てはまる。
【0045】
従って駆動データメモリを搭載している全てのシリーズ製品sにおいて,臨界しきい値に達する直前に修理,交換又は保守の必要性を製品sによって信号で知らせることができる。これは特に,例えば一体化された手段Mあるいは検出手段EMを有する駆動データメモリによって,シリーズ製品sの自己診断の形式においても,行うことができる。
【図面の簡単な説明】
図面
本発明の好ましい実施例を,以下で図面を用いて詳細に説明する。
【図1】 好ましい実施形態に基づく,製品の,技術的に機能しなくなるまでの駆動期間を求めるための,本発明にかかる方法を説明するフローチャートである。
【図2】 好ましい実施形態に基づく,製品の駆動期間しきい値を定めるための本発明にかかる方法を説明するフローチャートである。

Claims (8)

  1. 駆動期間をしきい値と比較することによって製品の信頼性を監視するための製品の駆動期間しきい値の算出方法において,
    前記製品の各駆動量の値は少なくとも1つのクラスに分類されて、
    前記値及び/又は前記駆動期間が,前記製品に対応付けられている駆動データメモリに、クラス別に格納され,かつ
    前記製品の第1の部分セットが技術的に機能しなくなるまで駆動され,それによって前記製品の各駆動量のクラス別の駆動期間が求められ,それに基づいて各クラスと駆動量ごとに,前記製品が技術的に機能しなくなるまでの影響を反映する重み付け係数が求められ,
    かつ前記製品の第2の部分セットが技術的に機能しなくなるまで駆動され,前記第1の部分セットから求められた重み付け係数が前記第2の部分セットに適用され,前記製品の第2の部分セットにおいては,駆動量ごとに全てのクラスにわたって臨界駆動期間が求められて,全ての駆動量の全てのクラスにわたる臨界駆動期間から駆動期間しきい値が求められる,ことを特徴とする製品の駆動期間しきい値の算出方法。
  2. 前記駆動量(i)のクラス(j)ごとに割り当てられる重み付け係数(a_ij)は、個々の駆動量の間の相関を考慮した最適化問題の解
    min{f(x)},但しx={a_ij,t_ijk}、t_ijkは駆動期間、から求められ;
    −製品(z)について,式
    M_i
    P_iz_krit=SUM{a_ijxt_ijz}
    j=1
    から個々の駆動量(i)について臨界累積駆動期間(P_iz_krit)が求められ;かつ
    −個々の製品(z)について,式
    min{P_iz_krit},但しi=1…N,
    あるいは、式
    1 N
    −xSUM{P_iz_krit},但しi=1…N
    N i=1
    から、駆動期間しきい値が求められる,ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記重み付け係数(a_ij)は,最適化問題の解
    N K M_i
    min{SUM SUM ABS{SUM{a_ijxt_ijk}−1}},
    i=1 K=1 j=1
    但し,不等式条件a_ij>0,
    から求められることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 重み付け係数(a_ij)は,最適化問題の解
    K K N M_i N M_i
    min{SUM SUM ABS{PROD{SUM{a_ijxt_ijμ}}-...{PROD{SUM{a_ijxt_ijv}}}},
    v=1 μ=1 i=1 j=1 i=1 j=1
    μ≠v
    但し,不等式条件a_ij>0,
    から求められる,ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 駆動期間をしきい値と比較することによって製品の信頼性を監視するための製品(k)の駆動期間(t_ijk)しきい値の算出装置において,
    製品の少なくとも1つの駆動量の値を,規則的な時間間隔で検出する第1の手段と、
    駆動量の値は少なくとも1つのクラス(j=1…M_i)に分類され,検出された駆動量の値が属するクラス別に、製品が技術的に機能しなくなるまで駆動して駆動期間を検出する第2の手段と、
    各駆動量のクラス別に検出された製品の駆動期間を,製品に対応付けられている駆動データメモリに格納する第3の手段と、
    各クラスと駆動量ごとに,前記製品が技術的に機能しなくなるまでの影響を反映する重み付け係数を割り当てて,全ての駆動量の全てのクラスにわたる臨界駆動期間から駆動期間しきい値を求める第4の手段を有する,ことを特徴とする製品(k)の駆動期間(t_ijk)しきい値の算出装置。
  6. 前記重み付け係数(a_ij)は、個々の駆動量の間の相関を考慮した最適化問題の解
    min{f(x)},但しx={a_ij,t_ijk}から求められ;
    −製品(z)について,式
    M_i
    P_iz_krit=SUM{a_ijxt_ijz}
    j=1
    から個々の駆動量(i)について臨界累積駆動期間(P_iz_krit)が求められ;かつ
    −個々の製品(z)について,式
    min{P_iz_krit},但しi=1…N,
    あるいは、式
    1 N
    −xSUM{P_iz_krit},但しi=1…N
    N i=1
    から、駆動期間しきい値が求められる,ことを特徴とする請求項5に記載の算出装置
  7. 前記重み付け係数(a_ij)は,最適化問題の解
    N K M_i
    min{SUM SUM ABS{SUM{a_ijxt_ijk}−1}},
    i=1 K=1 j=1
    但し,不等式条件a_ij>0,
    から求められることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 重み付け係数(a_ij)は,最適化問題の解
    K K N M_i N M_i
    min{SUM SUM ABS{PROD{SUM{a_ijxt_ijμ}}-...{PROD{SUM{a_ijxt_ijv}}}},
    v=1 μ=1 i=1 j=1 i=1 j=1
    μ≠v
    但し,不等式条件a_ij>0,
    から求められる,ことを特徴とする請求項5に記載の算出装置
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