はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技領域形成体(遊技盤30)と、
遊技領域形成体に設けられ、絵柄の可変表示を行う絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
絵柄表示装置を囲むように設けられたフレームユニット(センターフレーム43)と、
前記遊技領域形成体における前記フレームユニットの下方に設けられ、前記流下する遊技球が入球可能な入球部(作動口33)と、
前記フレームユニットの下部に設けられ、遊技球が転動する転動面(上面223,232,242)を有するステージ(上段ステージ222、下段ステージ231、後方ステージ241)と、
前記転動面に設けられ、前記転動する遊技球を前記入球部に向けて案内可能な案内部(山部224、誘導溝236)と、
前記フレームユニットに設けられ、前記ステージよりも上方位置に形成された入口(ワープ導入口179)に入った遊技球を流下させて前記転動面に誘導する誘導通路(側部誘導通路180a)とを備え、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させる遊技機において、
前記フレームユニットにおける前記誘導通路を形成する通路形成体(手前側通路部材181、奥側通路部材191)に設置され、誘導通路を流下する遊技球を衝突させて減速させる減速体(減速部材201)と、
減速体の通路形成体への設置に際して、その設置箇所へのスライド移動をガイドするガイド手段(延出壁199a、凹部198と減速側膨出部205、ボス200と挿通孔208)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、遊技領域を流下する遊技球が入球部に入球することにより、絵柄表示装置における絵柄の可変表示が開始される。絵柄表示装置はフレームユニットによりその周縁が囲まれており、絵柄表示装置に遊技球が衝突しないようになっている。この場合に、フレームユニットには、その下部にステージが設けられており、さらに当該ステージの転動面へ遊技球を誘導する誘導通路が設けられている。そして、転動面には案内部が設けられており、誘導通路により誘導されて転動面を転動する遊技球は案内部に到達することで入球部に向けて案内される。つまり、案内部に到達した遊技球は入球部に入球し易くなる。
また、誘導通路を流下する遊技球は、誘導通路を形成する通路形成体に設けられた減速体に衝突することで減速される。かかる構成において、減速体が通路形成体とは別体で設けられており、さらに減速体の通路形成体への設置に際してその設置箇所へのスライド移動をガイドするガイド手段が設けられている。これにより、遊技機の設計段階において減速体による遊技球の減速度合いの調整を簡易的に行うことができる。つまり、減速体が通路形成体とは別体で設けられているので減速体のみの設計変更が可能であり、通路形成体等の設計を変更することなく減速度合いの調整を行うことができるからである。さらに、ガイド手段によるガイドにより減速体の設置位置の調整を簡易的に行うことが可能であり、転動面における遊技球の挙動を確認しつつ減速体の設置位置の調整を繰り返し行うことができるからである。以上より、設計者の意図する遊技球の減速度合いを簡易的に実現することができる。そして、これに伴って転動面を転動する遊技球の案内部への到達頻度を設計者の意図するものへと簡易的に近付けることができる。遊技球の減速度合いに応じて転動面への遊技球の導出速度が変化し、当該導出速度に応じて転動面を転動する遊技球の案内部への到達頻度が変化するからである。
なお、ガイド手段が設けられていることにより、遊技機の製造段階において減速体の設置作業を簡易に行うことができる。
手段2.手段1において、前記減速体は、前記通路形成体に固定されるベース部(ベース部202)と、同ベース部から誘導通路内に突出し誘導通路を流下する遊技球が衝突する衝突部(突条部203、凹部204a〜204d)とを備え、
衝突部の前記ベース部からの突出方向と前記ガイド手段によってガイドされる前記スライド移動の方向とを同一としたことを特徴とする遊技機。
手段2の遊技機では、通路形成体にベース部を固定することで誘導通路内に衝突部が突出する。そして、誘導通路を流下する遊技球は衝突部に衝突することで減速される。この場合に、設計段階においては、減速体が通路形成体とは別体で設けられているので、通路形成体等の設計変更を行うことなく減速体の設計変更を行うだけで衝突部の形状や配置位置及び個数を変更することができる。さらに、ガイド手段によるガイドにより減速体をスライド移動させることで、衝突部の誘導通路に対する突出量を調整することができ、遊技球の衝突部に対する衝突箇所や衝突角度を適宜調整することができる。よって、設計者の意図する遊技球の減速度合いを簡易的に実現することができる。
なお、本手段2に関して、「減速体は、通路形成体の背面部に固定されるベース部と、同ベース部から前記誘導通路内に向けて前方に突出し誘導通路を流下する遊技球が衝突する衝突部とを備え、前記ガイド手段は、前記設置箇所に向けた前記減速体の前後方向のスライド移動をガイドする」構成としてもよい。
手段3.手段2において、前記通路形成体の内壁における前記衝突部と対向し且つ同衝突部と対応する位置に、前記誘導通路を流下する遊技球を衝突させて前記衝突部へ導く、又は前記衝突部に衝突して導かれた遊技球が衝突する形成体側衝突部(節部187a〜187d)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、誘導通路を流下する遊技球は、減速体に形成された衝突部(以下、減速体側衝突部ともいう)及び通路形成体に形成された形成体側衝突部に衝突することで減速される。この場合に、上記手段2の構成を備えていることにより、設計段階においては減速体の設置位置を調整することで減速体側衝突部の誘導通路に対する突出量を調整することができる。つまり、減速体の設置位置を調整することで減速体側衝突部と形成体側衝突部との間の遊技球の衝突態様が調整され、遊技球の減速度合いを調整することができる。
なお、本手段3に関して減速体が通路形成体の背面側から前後方向にスライド移動される場合には、「通路形成体は、少なくとも前記誘導通路の奥側通路壁を構成する奥側部材(奥側通路部材191)と、少なくとも前記誘導通路の手前側通路壁を構成する手前側部材(手前側通路部材181)とを備え、前記ベース部を前記奥側部材の背面部に固定する構成とし、前記手前側部材の内壁における前記衝突部と対応する位置に、前記誘導通路を流下する遊技球を衝突させて前記衝突部へ導く、又は前記衝突部に衝突して導かれた遊技球が衝突する形成体側衝突部(節部187a〜187d)を設けた」構成としてもよい。
手段4.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記減速体は、前記通路形成体に固定されるベース部(ベース部202)と、同ベース部から誘導通路内に突出し誘導通路を流下する遊技球が衝突する衝突部(突条部203、凹部204a〜204d)とを備え、
前記ガイド手段は、前記通路形成体における外面から前記減速体の前記スライド移動の方向に延出するように形成され、前記ベース部の周端面(周端面206a〜206c、周端面207a〜207c)に当接する又は近接した位置にて対向する延出壁(凹部198、延出壁199a)を備え、
前記減速体の前記通路形成体への設置に際して、前記ベース部の周端面が前記延出壁に対してその延出方向に沿って摺動されることで、前記設置箇所に向けた前記減速体のスライド移動がガイドされることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、通路形成体に延出壁を形成するだけでよいので、ガイド手段を簡易的に設けることができる。
なお、本手段4に関して減速体が通路形成体の背面側から前後方向にスライド移動される場合には、「ガイド手段は、前記通路形成体における背面部の周縁から後方へ延出するように形成され前記減速体のベース部の周端面に当接する又は近接した位置にて対向する延出壁を備え、前記減速体の前記通路形成体への設置に際して、前記ベース部の周端面が前記延出部に対してその延出方向に沿って摺動されることで、前記設置箇所に向けた前記減速体の前後方向のスライド移動がガイドされる」構成としてもよい。
手段5.手段4において、前記延出壁を、前記スライド移動の方向に対して交差する方向の前記ベース部の移動を同ベース部の周端面と当接することで規制するように形成したことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、減速体のスライド移動方向が延出壁によって確実に規制されるため、設計段階において減速体の設置位置の調整をより簡易的に行うことができる。
なお、本手段5に関して減速体が通路形成体の背面側から前後方向にスライド移動される場合には、「延出壁を、前記ベース部の上下及び左右の周端面と当接する又は近接した位置にて対向するよう設ける」構成とする。
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記誘導通路が上下方向の途中位置にて前後方向に段差状となるように前記通路形成体には手前側に膨出した段差形成部(膨出部196)を設け、
前記ガイド手段は、前記段差形成部の背面部に形成され、後方へ開放された凹部(凹部198)と、前記減速体に形成され、前記凹部の内壁(内壁198a)に当接する又は近接した位置にて対向するように前記内壁に沿う周端面(上部周端面206a、側部周端面206b,206c)を有する膨出部(減速側膨出部205)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、誘導通路が途中位置にて前後方向に段差状となっていることで誘導通路の通路長を長く確保することが可能となる。これにより、誘導通路から転動面への導出速度の減速体による変更幅が広くなる。よって、設計段階において減速体の設置位置の調整を行うことで設計者の意図する遊技球の導出速度を実現することが可能となる。
この場合に、通路形成体の段差形成部の背面部には後方へ開放された凹部が形成されており、さらに減速体には凹部の内壁に当接する又は近接した位置にて対向する周端面を有する膨出部が形成されている。つまり、減速体の通路形成体への設置に際して、膨出部を凹部内に収容することで減速体の設置箇所へのスライド移動がガイドされる。そして、かかる構成であることにより、設計段階においては膨出部が凹部内に収容されることで減速体のスライド移動方向が前後方向に規制され、減速体の設置位置の調整を簡易的に行うことができる。また、本構成によれば、段差形成部を利用してガイド手段を設けることができ、構成の簡素化を図ることができる。
手段7.手段6において、前記誘導通路の出口(出口180c)が入口(入口180b)よりも奥側に位置するように前記段差形成部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、誘導通路の出口が入口よりも奥側に位置している。ステージは遊技領域に対して奥側に位置しているのが一般的であるため、誘導通路の出口を入口よりも奥側に位置するように段差形成部を設けることで遊技領域を流下する遊技球のステージへの誘導を円滑なものとすることができる。また、当該効果を奏しつつ、誘導通路の通路長を長く確保することができ、誘導通路からの導出速度の減速体による変更幅を広く確保することができる。さらには、上記手段6の構成を備えていることにより、誘導通路の出口が入口よりも奥側に位置するようにした構成を利用してガイド手段を設けることができ、構成の簡素化を図ることができる。
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記フレームユニットは前記絵柄表示装置を囲む枠体(前ベース枠171、後ベース枠172)を備え、
前記通路形成体は着脱自在に装着される固定具によって前記枠体に固定される構成とし、
前記ガイド手段は、前記通路形成体に形成され前記スライド移動の方向に延び前記固定具が着脱自在に装着されるボス(ボス200)と、前記減速体に形成され前記ボスが挿通される挿通孔(挿通孔208)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、通路形成体を枠体に固定するための固定具が装着されるボスが減速体の挿通孔に挿通されることによって、減速体の通路形成体への設置に際して減速体の設置箇所へのスライド移動がガイドされる。そして、かかる構成であることにより、設計段階においてはボスが挿通孔に挿通されることで減速体のスライド移動方向が規制され、減速体の設置位置の調整を簡易的に行うことができる。また、本構成によれば、ボスを利用してガイド手段を設けることができ、構成の簡素化を図ることができる。
手段9.手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記通路形成体は、少なくとも前記誘導通路の奥側通路壁を構成する奥側部材(奥側通路部材191)と、少なくとも前記誘導通路の手前側通路壁を構成する手前側部材(手前側通路部材181)とを備え、
手前側部材を透明性材料により形成したことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、通路形成体の手前側部材が透明性材料により形成されているので、遊技者にとっては誘導通路を流下する遊技球を遊技機前方から視認することができる。また、設計段階においては、誘導通路を流下する遊技球の挙動を視認しながら、又は減速体が誘導通路内に突出する衝突部を備えた構成においては衝突部の突出度合いを確認しながら、減速体の設置位置の調整を行うことができ、調整作業の容易化を図ることができる。
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記誘導通路が上下方向の途中位置にて左右方向に曲がるように前記通路形成体を形成したことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、誘導通路が途中位置にて左右方向に曲がっているので誘導通路の通路長を長く確保することが可能となる。これにより、誘導通路から転動面への導出速度の減速体による変更幅が広くなる。よって、設計段階において減速体の設置位置の調整を行うことで設計者の意図する遊技球の導出速度を実現することが可能となる。
なお、誘導通路が左右方向に蛇行するように通路形成体を設けることで、誘導通路の通路長をより長く確保することが可能となり、誘導通路から転動面への導出速度の減速体による変更幅がより広くなる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用(リユース)が容易な構成となっている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機10には右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。ABS樹脂を用いることにより、比較的低コストで耐衝撃性の高い本体枠12を得ることができる。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12とにより遊技機本体が構成される。
上記開閉軸線が設けられた外枠11の側部には、貸球ユニットとしてのCRユニットYが設けられている。CRユニットYの前面側にはカード挿入口Hが設けられ、そのカード挿入口Hへの記録媒体としてのカードの挿入によりカードに記録された金額に相当する数の遊技球を遊技に使用できるようになっている。その具体的内容は後述する。
なお、遊技ホールでは、遊技者の利便性向上の観点から、CRユニットYの更に左側に現金サンドが設置されることも考えられる。この場合、現金サンドから後述する上皿23に遊技球を供給するためのノズルがパチンコ機10側に延びることになる。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。
遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。操作ハンドル18aは、ABS樹脂にて成形されており、その表面にメッキ処理が施されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。これらタッチセンサ、発射スイッチ、ダイヤル可変抵抗器及び止め打ちスイッチの信号線は、後述する電源及び発射制御装置313に接続されている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。球抜きレバー19には球抜き穴を塞ぐ側へ球抜きレバー19を付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられ、球抜きレバー19の操作が解除された際には付勢部材の付勢力によって閉鎖板が球抜き穴の開放位置に復帰する構成となっている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。なお、ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。
前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。前面板14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。前扉枠13はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構160側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
本パチンコ機10では、ガラス扉枠と前飾り枠とを個別に設けこれらを前面枠(本実施の形態の本体枠に相当)に対して各々開閉可能とすると共に前飾り枠に上皿を設けていた従来構成と異なり、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13とし、前扉枠13に対して一体的に上皿23を設ける構成としている。この場合、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13としたため、当該前扉枠13においてガラス支持構造の強度向上が実現できる。つまり、本パチンコ機10では、遊技領域の拡張を目的とし、その遊技領域拡張に伴い大きめのガラス137を前扉枠13に搭載している。従って、ガラス周囲の枠部分が幅狭になり、強度低下の問題が懸念されるが、ガラス下方に上皿一体の枠部分を設けること等によりガラス支持構造の十分な強度が確保できる。また、前扉枠13は、少なくともその開閉の際に遊技球発射ハンドル18と干渉しないようにして下方に拡張されている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10の後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、後述する遊技球発射機構160から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としての内レール部材51及び外レール部材52が取り付けられている。内レール部材51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部材52は内レール部材51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール部材51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。内レール部材51及び外レール部材52は、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。かかる場合、内レール部材51と外レール部材52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部材51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により手前側に開放した溝状の球案内通路が形成されている。遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はこの球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
内外レール部材51,52において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。
遊技盤30において外レール部材52よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
次に、遊技領域について説明する。遊技盤30の盤面は内外レール部材51,52により内外領域に区画され、略円形状に区画された内側領域が遊技領域とされている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て内レール部材51及び外レール部材52によって囲まれる領域のうち、内外レール部材51,52の対向部分である球案内通路の領域を除いた領域として説明する。つまり、遊技領域に球案内通路部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール部材52によってではなく内レール部材51によって特定される。また、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部材51によって特定され、遊技領域の下側限界位置はアウト口36が形成された遊技盤30の下端位置によって特定され、遊技領域の上側限界位置は外レール部材52によって特定される。
遊技盤30における遊技領域には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部左側に2個の一般入賞口31が配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。ここで、センターフレーム43の詳細について、図5及び図6に基づき説明する。図5はセンターフレーム43の正面図であり、図6はセンターフレーム43の分解斜視図である。なお、以下のセンターフレーム43の説明では、図5及び図6以外にも、前述の図4等を適宜用いることとする。
センターフレーム43の周縁部には前後方向に貫通した複数の取付孔170a〜170gが形成されている。センターフレーム43は取付孔170a〜170gを介し、ネジやビス等の固定具により遊技盤30に取り付けられている。センターフレーム43は、遊技盤30の前面側に配設される前ベース枠171と、その背面側に組み付け固定される後ベース枠172とを備えている。前ベース枠171及び後ベース枠172は合成樹脂製であり、それぞれ中央部が開口した枠状となっている。したがって、センターフレーム43は全体として前後方向に貫通した枠状となっている。
前ベース枠171の上部には、その中央に上飾り部173が取り付けられている。上飾り部173の左側には、上面が左方に下り傾斜となるように形成された左庇部174が設けられ、上飾り部173の右側には、上面が右方に下り傾斜となるように形成された右庇部175が設けられている。また、上飾り部173の上側には、右庇部175に連続するように中央庇部176が設けられている。これら庇部174〜176により、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない。
左庇部174は中央庇部176に対して下方に位置しており、左庇部174と中央庇部176との間は上下に離間されている。左庇部174の右端からは樋状の上部通路部材177が中央庇部176の下方位置にて右方向に下り傾斜となるように配設されている。上部通路部材177と中央庇部176との間には制限部材178が設けられており、当該制限部材178と上部通路部材177との間は遊技球1個分よりも若干大きく離間されている。つまり、制限部材178が設けられていることによりワープ導入口179が形成されており、当該導入口179を介して遊技領域における可変表示ユニット35の上方に位置する遊技球が上部通路部材177上に導入可能となっている。上部通路部材177上に導入された遊技球はその傾斜に沿ってフレームユニット43の右側部に誘導される。すなわち、上部通路部材177により上部誘導通路177aが形成されている。
フレームユニット43の右側部には、側部通路構成ユニット180が設けられており、側部通路構成ユニット180により上下方向に延びる側部誘導通路180aが形成されている。側部誘導通路180aは上部誘導通路177aに連通されており、上部誘導通路177aにより誘導された遊技球は、側部誘導通路180aを流下する。
ここで、側部通路構成ユニット180について、図7及び図8に基づき説明する。図7は側部通路構成ユニット180を前方から見た分解斜視図である。図8は側部通路構成ユニット180を後方から見た分解斜視図である。なお、以下の説明では、必要に応じて図5及び図6を参照する。
側部通路構成ユニット180は、手前側通路部材181と奥側通路部材191とを備えており、これら両通路部材181,191が組み付けられることにより1個の遊技球が通過可能な通路幅を有する側部誘導通路180aが形成されている。各通路部材181,191について詳細には、奥側通路部材191は、通路壁構成部192を有しており当該通路壁構成部192により側部誘導通路180aの奥側通路壁が構成されている。一方、手前側通路部材181は断面U字状に形成されており、当該手前側通路部材181により側部誘導通路180aの手前側及び左右両側の通路壁が構成されている。
手前側通路部材181は、左右方向に蛇行するように形成されている。これにより、側部誘導通路180aが左右方向に蛇行し、その通路長が極力長く確保されている。さらに、側部誘導通路180aを流下する遊技球は手前側通路部材181の両側壁部182,183に衝突し減速される。また、手前側通路部材181は、ポリカーボネート樹脂等といった透明性を有する合成樹脂により形成されており、側部誘導通路180aを流下する遊技球をパチンコ機10の前方から視認可能となっている。
手前側通路部材181は奥側通路部材191に対して位置決めされて固定されている。つまり、奥側通路部材191の通路壁構成部192には前後方向に貫通した位置決め孔193a,193bが上下に形成されており、これに対応させて手前側通路部材181には位置決めピン184a,184bが形成されている。また、通路壁構成部192には前後方向に貫通する貫通孔194a,194bが形成されており、これに対応させて手前側通路部材181にはネジやビス等の固定具が螺着される螺着部185a,185bが形成されている。以上の構成であることにより、位置決めピン184a,184bをそれぞれ対応する位置決め孔193a,193bに挿通させて位置決めさせた状態で、通路壁構成部192の背面側からネジやビス等の固定具が螺着部185a,185bに螺着されることで奥側通路部材191に対して手前側通路部材181が固定されている。
なお、奥側通路部材191には、通路壁構成部192の側方に取付基部195が一体形成されており、当該取付基部195を介して側部通路構成ユニット180が前ベース枠171に固定されている。
側部誘導通路180aはその入口180bよりも出口180cが奥側となるように、手前側通路部材181及び奥側通路部材191が形成されている。詳細には、奥側通路部材191にはその上端から上下方向の途中位置にかけて前方に膨出した膨出部196が形成されており、当該膨出部196により奥側通路部材191は上下方向の途中位置にて前後方向に段差形状となっている。また、手前側通路部材181は奥側通路部材191の段差形状に沿って形成されている。よって、側部誘導通路180aが上下方向の途中位置にて前後方向に段差状となっており、側部誘導通路180aの出口180cが入口180bよりも奥側に位置している。
以上のように側部誘導通路180aが形成されており、上部誘導通路177aから側部誘導通路180aに誘導された遊技球は当該側部誘導通路180aを流下することでセンターフレーム43の下部に導出される。この場合に、側部誘導通路180aを流下する遊技球は当該通路180aからの導出速度が低減されるように減速される構成となっている。そこで、以下にかかる減速に関する構成を、図9等を用いて以下に説明する。図9は側部誘導通路180aにおける減速の様子を説明するための説明図である。
側部通路構成ユニット180は減速部材201を備えている。減速部材201は、奥側通路部材191における通路壁構成部192の奥側に設けられており、当該通路壁構成部192の形状に対応させて上下方向に延びるように形成されたベース部202と、当該ベース部202から前方に突出するように一体形成され上下方向に延びる突条部203とを有している。そして、ベース部202の前面が通路壁構成部192の背面に当接されるようにして減速部材201が設置されていることにより、通路壁構成部192に前後方向に貫通するように形成された縦長孔197を介して突条部203が側部誘導通路180a内に突出している。この場合に、側部誘導通路180aの前後方向の通路幅は遊技球1個分よりも若干大きくなっており、突条部203が側部誘導通路180a内に突出した構成においても前後方向の通路幅は遊技球1個分よりも大きくなっている。
突条部203は、図9に示すように、ベース部202からの突出寸法が上下にわたって略同一となっている。ただし、上下方向に所定間隔離間されて4箇所に凹部204a〜204dが形成されている。また、手前側通路部材181における手前壁部186には、各凹部204a〜204dの前方であってそれぞれ対応した位置に後方へ突出した節部187a〜187dが設けられている。以上の構成であることにより、側部誘導通路180aを流下する遊技球は図9において一点鎖線で示す軌道で各凹部204a〜204d、及び各節部187a〜187dに衝突することで減速される。つまり、最上部の第1節部187aに衝突した遊技球Bは、その跳ね返りにより第1節部187aに対応する最上部の第1凹部204aに衝突する。その後、当該遊技球Bは第2〜第4節部187b〜187d、及びそれぞれに対応する第2〜第4凹部204b〜204dに衝突して跳ね返りながら流下する。
減速部材201は、上述のとおり、ベース部202の前面が通路壁構成部192の背面に当接されるようにして設置されている。この場合に、減速部材201の設置箇所への配置作業に際して、減速部材201のスライド移動がガイドされる構成となっている。そこで、かかるガイドの構成について以下に説明する。
通路壁構成部192には上述したとおり、前方に膨出した膨出部196が形成されている。当該膨出部196の背面側には、後方に開放された凹部198が形成されている。これに対応させて、減速部材201のベース部202にも前方に膨出した減速側膨出部205が形成されている。そして、当該減速側膨出部205は凹部198内に収容されている。この場合に、減速側膨出部205の上部周端面206a及び左右の側部周端面206b,206cは凹部198の内壁198aに当接している。よって、減速部材201の配置作業に際しては、各周端面206a,206b,206cを凹部198の内壁198aに対して摺動させることで、減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に規制されてガイドされる(以下、第1のガイド構造ともいう)。
また、奥側通路部材191の最背面側には、後方へ延出する延出壁199が一体形成されている。この場合に、通路壁構成部192に対応する延出壁199aは、ベース部202の上下及び右側の周端面207a,207b,207cと当接している。よって、減速部材201の配置作業に際しては、各周端面207a,207b,207cを延出壁199aに対して摺動させることで、減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に規制されてガイドされる(以下、第2のガイド構造ともいう)。
さらに、通路壁構成部192の背面における下寄りの位置には、後方へと突出したボス200が形成されている。当該ボス200には、側部通路構成ユニット180を後ベース枠172に固定するためのビスが装着されている。この場合に、ベース部202には、ボス200が挿通される挿通孔208が形成されている。よって、減速部材201の配置作業に際しては、挿通孔208にボス200を挿通させることで、減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に規制されてガイドされる(以下、第3のガイド構造ともいう)。
以上のように第1〜第3のガイド構造が設けられていることにより、減速部材201の配置作業に際しては、減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に確実に規制されてガイドされるため、減速部材201の配置作業を容易に行うことができる。
センターフレーム43の下部には、前ベース枠171と後ベース枠172とに挟まれるようにしてステージ部材221が設けられている。ステージ部材221には、上段ステージ222と下段ステージ231とが前後に並ぶように形成されており、側部誘導通路180aから導出された遊技球は上段ステージ222の上面223に案内される。
上段ステージ222の上面223は2個の遊技球が前後方向に並んで転動できる程度の幅を有しており、左右方向の中央が山部224となり、その左右両側が谷部225,226となるように、滑らかな流線形状に形成されている。山部224は後方へと下る傾斜面となっており、谷部225,226は前方へと下る傾斜面となっている。また、上段ステージ222の左側端部には到達した遊技球を前後に振り分ける振分通路227が形成されている。振分通路227により前方に振り分けられた遊技球は、下段ステージ231の上面232に到達する。一方、振分通路227により後方に振り分けられた遊技球は、後ベース枠172に設けられた後方ステージ241の上面242に到達する。
下段ステージ231の上面232は1個の遊技球のみが左右に転動できる程度の幅を有しており、左右方向の中央であって上段ステージ222の山部224の前方位置が下段側山部233となり、その左右両側であって上段ステージ222の各谷部225,226の前方位置が下段側谷部234,235となるように、滑らかな流線形状となっている。下段側山部233には誘導溝236が形成されており当該誘導溝236は前方に下り傾斜となっている。そして、遊技領域において誘導溝236の下方位置には作動口33が位置しており、誘導溝236に到達した遊技球は作動口33に入球し易くなっている。一方、各下段側谷部234,235も前方に下り傾斜となっており、十分に減速されて下段側谷部234,235に到達した遊技球はその傾斜に沿って下ることで遊技領域に排出される。この場合に、排出される遊技球は作動口33に入球し難くなっている。
後方ステージ241は左右方向の中央部を挟んで左右両側に設けられており、左側後方ステージ241a及び右側後方ステージ241bの上面242a,242bはそれぞれ中央部に向けて下り傾斜となっている。上段ステージ222の振分通路227によって後方に振り分けられた遊技球は左側後方ステージ241aの上面242aに到達し、中央部に向けて傾斜に沿って下る。中央部には、上下方向に延びる上下通路245が形成されている。当該上下通路245は有底となっており、さらに前ベース枠171の下部に形成された前後通路246に連通されている。前後通路246は、下段ステージ231の誘導溝236の直下に位置しており、前後通路246を通過した遊技球は作動口33に入球し易くなっている。また、前後通路246は、上段ステージ222の山部224の後方に位置しており、十分に減速されて山部224に到達した遊技球は最終的に前後通路246に誘導される。
なお、左側後方ステージ241aは第1特定ランプ収容部材251により形成されており、第1特定ランプ収容部材251の前面には第1特定ランプ部47が設けられている。また、右側後方ステージ241bは第2特定ランプ収容部材252により形成されており、第2特定ランプ収容部材252の前面には第2特定ランプ部48が設けられている。
次に、フレームユニット43における遊技球の挙動について説明する。ワープ導入口179に入った遊技球は、上部誘導通路177a及び側部誘導通路180aを流下して上段ステージ222の上面223に導出される。この場合に、導出される遊技球は側部誘導通路180aにて減速される。そして、上段ステージ222の上面223に導出された遊技球は当該上面223の傾斜に沿って転動する。そして、転動の結果、十分に減速されて山部224、又は左側後方ステージ241aの上面242aに到達した遊技球は、上下通路245及び前後通路246を介して作動口33に向けて案内される。また、十分に減速されて下段ステージ231の下段側山部233に到達した遊技球は誘導溝236の傾斜に沿って下ることで作動口33に向けて案内される。
一方、十分に減速されて上段ステージ222の谷部225,226、又は十分に減速されて下段ステージ231の下段側谷部234,235に到達した遊技球は、作動口33に向けて案内されることなく遊技領域に排出される。
図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。この図柄の変動表示については、後に詳細に説明することとする。なお、図柄表示装置41は、8インチ以外の10インチ,7インチ等の液晶ディスプレイを備えたもの、ワイドサイズのディスプレイを備えたもの、又はCRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部47には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口33への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口33への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部47には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には、大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と、最終的に緑色で停止表示された場合とで、大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生する(いわゆる、確変大当たり)。
一方、第2特定ランプ部48には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部48は、スルーゲート34の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート34を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、第2特定ランプ部48には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、大当たりが発生すると、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態となる。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
図3の説明に戻り、樹脂ベース25の窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射機構160が取り付けられている。遊技球発射機構160は、図10に示すように、ベース部材としての金属板161を備えており、金属板161には、電磁式のソレノイド162と、発射レール163とが取り付けられている。
ソレノイド162は、本体部162aと出力軸162bとを主要構成部品として備えており、本体部162aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸162bが伸縮方向に移動する。また、ソレノイド162は、通電時に出力軸162bが左斜め上方へ突出するように配置されている。発射レール163は、ソレノイド162により打ち出された遊技球を案内するものであり、その長手方向が出力軸162bの伸縮方向に延びるように配置されている。なお、発射レール163上には前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から1つずつ遊技球Bが供給されるが、当該遊技球Bを発射レール163上に保持するためのストッパ164が金属板161上に取り付けられている。
以上の構成において、遊技者により遊技球発射ハンドル18が操作されるのに基づいてソレノイド162が通電されると出力軸162bが突出し、発射レール163上においてストッパ164により保持されている遊技球が打ち出される。そして、当該遊技球は発射レール163上を移動し、遊技領域に打ち出される。
発射レール163と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射機構160から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。ファール球が球案内通路内を逆流してくる際、その多くは外レール部材52に沿って流れ、外レール部材52の下端部に到達した時点で下方に落下する。
また、本体枠12の前面において発射レール163の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図11に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図11を参照しつつ説明する。なお、図11は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になる形状であってもよい。
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。なお、環状電飾部102は、内外二重の樹脂カバー層とその内側に収容された発射板付き発光体(LED)とよりなり、樹脂カバー層の各々の内側面には各層で縦横に交差する向きに突条(又は波状の突起)が設けられている。外側の樹脂カバー層は透明であり、内側の樹脂カバー層は有色である。従って、環状電飾部102を発光させれば、多数に分散化された状態、又は立体感を伴った状態の電飾が実現できるようになる。樹脂カバー層には、ガラス粉末入りの樹脂材料を用いると良い。このような樹脂カバー層の構成は、他の電飾部(例えば中央電飾部103や賞球ランプ105)に適用することもできる。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。CRユニットYにカード等を挿入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、CRユニットYに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。
なお、CRユニットYが設けられていないパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、本パチンコ機10の前扉枠13の構成を、CRユニットYを備えたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機とで共通化することが可能となる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図11に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図11の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図11の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール163に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図11に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール163の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール163から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
前述した通り本実施の形態のパチンコ機10では、前扉枠13を閉じた状態にあっては、内外レール部材51,52間に形成された球案内通路の一部が前扉枠13により覆い隠される構成となっている。それ故、球案内通路では手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射機構160より発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らず戻ってくると、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部材52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前扉枠13に、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部材51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図11の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部材52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部材51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
以上説明したパチンコ機10には本体枠12の背面側に、遊技を統括管理する主制御装置271、図柄表示装置41などを制御する表示制御装置278、スピーカ20や各種電飾部102,103,104,105,106を制御する音声ランプ制御装置272、遊技球の払い出しを制御する払出制御装置311、動作電源の供給や遊技球の発射を制御する電源及び発射制御装置313、払出制御装置311に制御されて遊技球の払出を実行する払出機構部352、及び中継端子板276や各種接続基板314,381が設けられている。そこで、以下にこれらパチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板271aには、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源及び発射制御基板313aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電源が供給される。
主制御基板271aのCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御基板271aの入力側には、主制御装置271に設けられた電源監視基板271b、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視基板271bには電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御基板271aには電源監視基板271bを介して電源が供給される。また、CPU501に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、電源監視基板271bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
一方、主制御基板271aの出力側には、電源監視基板271b、払出制御基板311a及び中継端子板276が接続されている。中継端子板276を介して主制御基板271aから表示制御装置278に設けられた表示制御基板214aに対して各種コマンドなどが出力される。さらには、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプのスイッチや第2特定ランプ部48に配設されたLEDランプのスイッチも接続されている。これにより、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48は、主制御基板271aにより直接的に制御されることとなる。
電源監視基板271bは、主制御基板271aと電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号を主制御基板271aへ出力する。停電信号の出力によって、主制御基板271aは、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源及び発射制御基板313aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時における処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。詳細には、電源及び発射制御基板313aには、上述したデータ記憶保持用コンデンサとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからの放電により5ボルト電源が維持されるようになっている。よって、主制御基板271a及び払出制御基板311aは、停電時における処理を正常に実行し完了することができる。
払出制御基板311aは、賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのRAM513は、主制御基板271aのRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータをそのまま保持できる構成となっている。また、RAM513における各種のフラグ及びカウンタ等が記憶される作業エリアには、払出異常フラグ格納エリアやCR異常フラグ格納エリアなどといった各種フラグ格納エリアと共に、主制御基板271aから出力されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513aが設けられている。
コマンドバッファ513aは、主制御基板271aから出力されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513aにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、電源及び発射制御基板313aが接続されている。また、払出制御基板311aには、主制御基板271a、CRユニット接続基板314及び払出機構接続基板381が双方向受信可能にそれぞれ接続されている。この場合に、CRユニット接続基板314を介してCRユニットYが接続され、払出機構接続基板381を介して払出機構部352が接続されている。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部は、払出機構接続基板381を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMデータ記憶保持用のデータ記憶保持用電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びデータ記憶保持用電源を主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して供給する。なお、データ記憶保持用電源を生成するとは、データ記憶保持用コンデンサの充電を行うことをいう。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従ってソレノイド162の発射制御を担うものであり、ソレノイド162は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。具体的には、発射制御部には遊技球発射ハンドル18に設けられた発射スイッチ331、タッチセンサ332及び止め打ちスイッチ333が接続されており、発射スイッチ331及びタッチセンサ332がオン、止め打ちスイッチ333がオフの状態となった場合に限って発射許可信号を主制御基板271a(電源監視基板271bを介して)に出力する。主制御基板271aは、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期の発射制御信号を発射制御部(電源監視基板271bを介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従ってソレノイド162を駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル18にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいてソレノイド162による打ち出し速度を決定する。
なお、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられており、RAM消去スイッチのスイッチ信号を取り込み、そのスイッチの状態に応じて主制御基板271aのRAM503に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。即ち、RAM消去スイッチが押された際、RAM消去スイッチ回路は主制御基板271aに対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチが押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御基板271aにおいてRAM503のデータがクリアされる。また、この際、主制御基板271aから払出制御基板311aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板311aにおいてもRAM513のデータがクリアされる。
表示制御基板214aは、音声ランプ制御装置272及び図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示を制御するものである。表示制御基板214aは、CPU、ROM及びRAM等を備えており、CPUにはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。表示制御基板214aの入力側には中継端子板276に中継されて主制御基板271aが接続されており、主制御基板271aから出力される各種コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置272及び図柄表示装置41を制御する。
また本実施の形態では、上述したとおり、主制御基板271aと払出制御基板311aとが双方向受信可能となっている。その構成を図13により説明する。図13は、主制御基板271aと払出制御基板311aとの間の電気的接続に関する構成の概略図である。
図13において、主制御基板271aと払出制御基板311aとは、多数の信号線を束ねてなるハーネスHL1及び2本の信号線NL1,NL2により接続されている。この場合に、ハーネスHL1及び信号線NL1,NL2は、各基板271a,311a上に設けたコネクタにて接続されている。主制御基板271aに関して具体的に説明すると、主制御基板271a上にはコネクタS1〜S3が設けられており、各コネクタS1〜S3は基板ボックス273に形成された開口部273f〜273hを通じて露出されている。そして、コネクタS1にハーネスHL1が接続され、コネクタS2に信号線NL1が接続され、コネクタS3に信号線NL2が接続されている。当該構成は払出制御基板311aにおいても同様である。
払出制御基板311aは、ハーネスHL2を介して払出機構接続基板381が接続されており、ハーネスHL3を介してCRユニット接続基板314が接続されている。また、CRユニット接続基板314はハーネスHL4を介してCRユニットYが接続されている。なお、図示は省略するが、払出機構接続基板381には、信号線を介して払出装置などが接続されている。
上記構成において、主制御基板271aから払出制御基板311aへのコマンド(例えば、払出コマンド)の出力はハーネスHL1を介して行われる。この場合、ハーネスHL2を介して、払出制御基板311aから払出機構接続基板381に信号(例えば、払出モータ駆動信号)が出力される。
一方、払出制御基板311aから主制御基板271aへの信号の出力は信号線NL1,NL2を介して行われる。この場合に、払出制御基板311aから主制御基板271aへは基本的に異常信号が出力される。当該異常信号は、払出機構部352のタンク内に遊技球が貯留されていない場合(パターン1)、払出機構部352の払出装置が故障した場合(パターン2)、CRユニットYが未接続又はCRユニットYが故障した場合(パターン3)に出力される。
かかる場合に、異常信号が出力されるパターンが3種類あるのに対して、異常信号を出力するための信号線は2本であり、パターン1又はパターン2のいずれかの異常が発生すると信号線NL1を介して異常信号ESG1を出力し、パターン3の異常が発生すると信号線NL2を介して異常信号ESG2を出力する。ここで、異常パターンの組合せを上記のものとするのは、パターン1及びパターン2では遊技球の払出に関して異常が発生した旨を報知すれば足りるのに対して、パターン3では報知するだけでは足りず遊技球の発射を禁止する必要があるからである。即ち、本パチンコ機10では、CRユニットYが正常に接続されていることが、遊技球の発射許可の条件となっているからである。
以上の構成とすることにより、本実施の形態におけるCR機(CRユニットY及びCRユニット接続基板314を必要とするパチンコ機)の主制御装置271(主制御基板271a及び基板ボックス273)を、現金機(CRユニットY及びCRユニット接続基板314を必要としないパチンコ機)に対して、そのハード構成を変更することなく適用することができる(つまり、CR機と現金機とで主制御装置271のハード構成を共通化することができる)。
即ち、現金機ではCRユニットYが接続されないため、上記パターン3の異常を監視する必要はない。この場合に、本実施の形態における主制御装置271を現金機に対して適用する場合には、信号線NL1に対して設定されている異常パターンのうちの1の異常パターン(例えば、パターン2の異常パターン)を信号線NL2に割り当てることで、現金機において信号線NL2が不要なものとならないようにすることができる。例えば、信号線NL2が不要なものとなると、信号線NL2を接続するためのコネクタS3が余ってしまう。そうすると、当該コネクタS3に外部からリード線を接続したり、コネクタS3に対応した基板ボックス273の開口部273hを介して基板ボックス273にリード線を挿入することで、主制御基板271aに対する不正行為を行い易くなる。従って、現金機では、コネクタS3及び開口部273hをなくす必要が生じるため、CR機と現金機とで主制御装置271のハード構成を共通化することができない。これに対して、上記のとおり、本実施の形態では、現金機において信号線NL2が不要なものとならないので、主制御基板271aのハード構成の共通化及び基板ボックス273のハード構成の共通化を行うことができ、結果的に主制御装置271のハード構成を共通化することができる。
次に、図柄表示装置41の表示内容について、図14に基づいて説明する。
図柄表示装置41には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃うことで特別遊技状態たる大当たり状態に突入し、さらにその後、高確率時の状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃うことで大当たり状態に移行するが、かかる場合には高確率時の状態には移行しない。なお、高確率時とは、第1図柄の組み合わせが予め定められた確率変動図柄の組み合わせによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。また、第1特定ランプ部47においては、確変状態となる大当たりのときに赤色が表示され、通常状態となる大当たりのときに緑色が表示される。
そして、図柄表示装置41には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れ、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。図柄表示装置41には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置41には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置41には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置271内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部47の発光色の設定や、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図15に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置41の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1
回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしており、例えば、C2=0〜24が確変状態となる大当たりに該当し、C2=25〜49が通常状態となる大当たりに該当する。なお、大当たり種別カウンタC2により、図柄表示装置41の変動停止時の図柄の組合せ及び当該図柄の組合せを停止させる位置も決定される。即ち、本実施の形態では、図柄表示装置41において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個のカウンタ値によって全てのパターンが設定されていることとなる。そして、C2=0〜24のとき、即ち、確変状態となる大当たりのときには、奇数番号の図柄の組合せと当該図柄の組合わせを停止させる位置が決定される。一方、C2=25〜49のとき、即ち、通常状態となる大当たりのときには、偶数番号の図柄の組合せと当該図柄の組合わせを停止させる位置が決定される。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、図柄表示装置41の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置41の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置41の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置41においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置41に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置41による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、図示は省略するが、第2特定ランプ部48の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプカウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御基板271aのCPU501により実行される各制御処理を図16〜図22のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図16は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視基板271bから主制御基板271aのNMI端子に出力され、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM503に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電用の処理が実行される。当該処理については、後に詳細に説明する。
次に、主制御基板271aのCPU501により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、各種入賞スイッチや払出制御基板311aなどからの信号読み込み処理を実行する。すなわち、主制御基板271aに接続されている各種スイッチの状態や払出制御基板311aなどからの異常信号ESG1や異常信号ESG2などといった信号を読み込むと共に、当該スイッチや信号の状態を判定して検出情報を保存する(但し、RAM消去スイッチの状態や停電信号を除く)。なお、検出情報の保存は、RAM503内に設定された各検出情報に対応するフラグ格納エリアにフラグをセットすることにより行われる。例えば、異常信号ESG1又は異常信号ESG2のいずれかを読み込んだ場合には、RAM503内に設けられた払出異常フラグ格納エリアに払出異常フラグをセットする。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行した後に、本処理を終了する。ここで、この始動入賞処理を図18のフローチャートを用いて説明する。先ずステップS301では、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口33に設けられた作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が作動口33に入賞したと判別されると、続くステップS302では、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。作動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄表示装置41による第1図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、第1図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(ステップS304)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する第1図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、サブ側の制御基板(払出制御基板311a等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS402では、RAM503のアクセスを許可する。
その後、ステップS403では、電源及び発射制御装置313に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判別し、続くステップS404ではRAM503の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS405ではRAM判定値を算出し、続くステップS406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS409〜S411の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS409〜S411の処理に移行する。
ステップS409では、サブ側の制御基板となる払出制御基板311a(及び表示制御基板214a等)を初期化するために、払出初期化コマンド(及び表示初期化コマンド等)を出力する。続くステップS410ではRAM503の使用領域を0にクリアし、ステップS411ではRAM503の初期化処理を実行する。その後、ステップS412にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、停電フラグがセットされていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS407にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS408にてサブ側の制御基板(払出制御基板311a及び表示制御基板214a等)を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS412にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S508の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS510,S511のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを表示制御基板214aや払出制御基板311aに対して出力する。また、図柄表示装置41による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を表示制御基板214aに出力する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動態様コマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが出力されるようになっている。
次に、ステップS502では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS503では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判別し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したバッファ内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS504にてコマンド設定処理を実行する。このコマンド設定処理では、図21に示すように、ステップS601にてRAM503内に設けられた払出異常フラグ格納エリアに払出異常フラグがセットされているか否かを判別する。払出異常フラグは、払出制御基板311aから異常信号ESG1又は異常信号ESG2のいずれかを入力することによりセットされるフラグである。なお、異常信号ESG1は、上述のとおり、払出機構部352に関して異常が発生した場合に出力され、異常信号ESG2は、CRユニットYに関して異常が発生した場合に出力される。払出異常フラグがセットされていない場合には、そのままステップS603に進む。一方、払出異常フラグがセットされていた場合には、ステップS602にてエラーコマンドをセットする。エラーコマンドは上述した外部出力処理にて表示制御基板214aに向けて出力され、これにより表示制御基板214aはエラー表示ランプ106を所定の態様で点滅させるよう音声ランプ制御装置272を制御する。なお、当該エラーコマンドをセットした際に払出異常フラグを消去する。
その後、ステップS603では、RAM503内に設けられた入賞フラグ格納エリアに入賞フラグがセットされているか否かを判別する。入賞フラグは、一般入賞口31、可変入賞装置32又は作動口33のいずれかに遊技球が入賞することによりセットされるフラグである。但し、当該入賞フラグは、一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33のそれぞれに対応して設定されている。入賞した箇所に応じて賞球数が異なるからである。入賞フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、入賞フラグがセットされている場合には、入賞フラグの種類に対応した賞球コマンドをセットする。賞球コマンドは上述した外部出力処理にて払出制御基板311aに向けて出力する。払出制御基板311aは当該賞球コマンドに基づいて遊技球の払出を制御する。かかる制御については、後に詳細に説明する。
コマンド設定処理の後は、ステップS505にて第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置41による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判別された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されバッファ内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部47のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ制御処理の後は、ステップS506にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
その後、ステップS507では、第2特定ランプ部48に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。簡単に説明すると、遊技球がスルーゲート34を通過したことを条件に、その都度の第2特定ランプカウンタC4の値が取得されると共に第2特定ランプ部48に表示される色の切り替え処理が実施される。そして、第2特定ランプ乱数カウンタC4の値により表示される色の抽選が実施され、赤色が選択されると、作動口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2特定ランプカウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図17に示すタイマ割込み処理により更新されるようになっている。
ステップS507の後は、ステップS508にて、遊技球発射処理を実行する。遊技球発射処理では、図22に示すように、先ずステップS701にて発射カウンタHCを1加算し、続くステップS702にてその加算後の発射カウンタHCの値が150以上であるか否かを判別する。かかる場合に、通常処理の中では、遊技球発射処理は4msec毎に実行されるものであり、発射カウンタHCが0から150に達する間には0.6secの時間が必要となる。
ステップS702にて発射カウンタHCの値が150未満の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、発射カウンタHCの値が150以上の場合には、ステップS703にて発射カウンタHCを0クリアし、ステップS704に進む。ステップS704では、RAM503の発射許可フラグ格納エリアに発射許可フラグがセットされているか否かを判別する。発射許可フラグは、電源及び発射制御基板313aから発射許可信号が出力されることによりセットされるフラグである。その後、ステップS705では、RAM503のCR異常フラグ格納エリアにCR異常フラグがセットされているか否かを判別する。CR異常フラグは、払出制御基板311aから上述した異常信号ESG2が出力されることによりセットされるフラグである。そして、ステップS704にて肯定判定をし、さらにステップS705にて否定判定をした場合は、ステップS706にて電源及び発射制御基板313aに発射制御信号を出力し、それ以外の場合は、発射制御信号を出力することなく本処理を終了する。電源及び発射制御基板313aは1の発射制御信号を入力することにより、ソレノイド162を1回励磁し、遊技球を1個発射させる。
即ち、本パチンコ機10では、遊技者が遊技球発射ハンドル18を操作し、さらにCRユニットYが不良なく接続されていることを条件として遊技球の発射が行われる。また、上述のとおり、発射カウンタHCが0から150に達する間には0.6secの時間が必要となるため、基本的に、発射制御信号は1分間に100回出力され、1分間に100個の遊技球が発射される。
なお、以上のように、遊技球の発射許可を主制御基板271aが制御する構成とするのは、遊技球の打ち出しという当該パチンコ機10における遊技の主要な部分を主制御基板271aの管理下に置くためである。
通常処理(図20)の説明に戻り、遊技球発射処理の後はステップS509にて、RAM503内に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。停電フラグがセットされていない場合は、ステップS510にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS511,S512)。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS512では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS501〜S509の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に両変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS509にて、停電フラグがセットされていると判別した場合は、停電により電源が遮断されたことになるので、ステップS513以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS513では、各割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS514にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板(払出制御基板311aや表示制御基板214aなど)に対して出力する。そして、ステップS515にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS516にてRAM503のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板313aからRAM503のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM503に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
ここで、本通常処理では、ステップS501〜ステップS508の通常時における一連の処理の終了後に、停電フラグがセットされているか否か(停電が発生したか否か)を判別しているので、各処理の途中の状態で停電時処理が実行されることがない。これにより、停電発生時においてRAM503に記憶するデータ量を極力少なくすることができ、さらには電源遮断前の状態に復帰する場合には、処理の途中から開始する必要はなく、主制御基板271aの処理の負担を軽減することができる。
次に、払出制御基板311aのCPU511により実行される払出制御について説明する。図23は、入力時割込み処理を示すフローチャートであり、この入力時割込み処理は、主制御基板271aから出力されるコマンドを払出制御基板311aが入力した場合に後述する他の処理を中断して実行される。入力時割込み処理では、ステップS801にて主制御基板271aから出力されたコマンドをRAM513のコマンドバッファ513aに記憶し、その後、ステップS802にてRAM513に設けられたコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグをセットし、本処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファ513aに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に入力したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
次に、払出制御基板311aのメイン処理を、図24のフローチャートを用いて説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS902に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS903で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS904では、RAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS905ではRAM判定値を算出し、続くステップS906では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグがセットされていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合はRAM513の初期化処理(ステップS911〜S913)に移行する。つまり、ステップS911ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS912ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS913ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。
一方、停電フラグがセットされており、さらにRAM判定値(チェックサム値等)が正常である場合は、復電時の処理(停電による電源遮断後の復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS907にて停電フラグをクリアすると共に、ステップS908にて賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS909ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。なお、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。
ステップS909又はステップS913の処理の後は、ステップS910にて割込みを許可し、ステップS914にてRAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別し、停電フラグがセットされていなければ、停電フラグがセットされるまで待機する。
一方、停電フラグがセットされている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS915移行の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS915にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS916にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS917にてRAM513のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板313aからRAM513のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM513に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
ここで、本メイン処理では、ステップS901〜ステップS913の通常時における一連の処理の終了後に、停電フラグがセットされているか否か(停電が発生したか否か)を判別しているので、各処理の途中の状態で停電時処理が実行されることがない。これにより、停電発生時においてRAM513に記憶するデータ量を極力少なくすることができ、さらには電源遮断前の状態に復帰する場合には、処理の途中から開始する必要はなく、払出制御基板311aの処理の負担を軽減することができる。
次に、払出制御基板311aのCPU511により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図25のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS1001では、主制御基板271aから入力したコマンドの判定を行うコマンド判定処理を実行する。このコマンド判定処理では、図26に示すように、ステップS1101にて、RAM513のコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグがセットされているか否かを判別する。コマンド入力フラグがセットされていない場合は、新たなコマンドが主制御基板271aから出力されていないので、そのまま本処理を終了する。一方、コマンド入力フラグがセットされていた場合は、ステップS1102にてコマンド読出し処理を実行する。コマンド読出し処理では、入力したコマンドをRAM513のコマンドバッファ513aから読出し、さらにコマンド入力フラグをクリアする。
その後、読み出されたコマンドの種類を、ステップS1103、ステップS1105、ステップS1110及びステップS1111の各処理にて判別し、各コマンドに対応した処理を実行する。つまり、ステップS1103では、停電コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、ステップS1104にてRAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットして、本処理を終了する。
ステップS1105では、払出初期化コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、電源投入時に主制御基板271aからRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS1106〜ステップS1109の処理を実行した後に本処理を終了する。ステップS1106では、RAM513に設けられた払出許可フラグ格納エリアに払出許可フラグがセットされているか否かを判別し、当該フラグがセットされていない場合は、ステップS1107にてRAM513の作業領域を0にクリアし、さらにステップS1108にてRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS1109にて払出許可フラグをセットすることで、賞球の払出が許可される。
なお、ステップS1106において払出許可フラグがセットされている場合は、ステップS1107及びステップS1108の処理を行うことなく本処理を終了する。かかる構成とすることにより、RAM消去スイッチが押されていないにも関わらずノイズなどの原因で払出初期化コマンドの入力を認識したとしても、その際に残っている賞球が遊技者に払い出されることなく消去されることを防止できる。
ステップS1110では、復電コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、払出制御基板311aが停電による電源遮断の前の状態に復帰するので、ステップS1109にて払出許可フラグをセットした後に本処理を終了する。かかる構成とすることにより、電源遮断前に賞球が残っていた場合に当該賞球を即座に払い出すことができる。
ステップS1111では、賞球コマンドである否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS1112にて賞球コマンドに対応した賞球個数を総賞球個数に加算した後に、ステップS1109にて払出許可フラグをセットし本処理を終了する。
なお、コマンドバッファ513aから読み出したコマンドが、停電コマンド、払出初期化コマンド、復電コマンド又は賞球コマンドのいずれでもない場合は、当該コマンドはノイズ等により生じたコマンドと認識し、コマンドバッファ513aの読出ポインタを更新するだけで他の処理を行わずに本処理を終了する。
タイマ割込み処理(図25)の説明に戻り、コマンド判定処理を実行した後は、ステップS1002にて払出許可フラグがセットされているか否かを判別する。払出許可フラグがセットされていない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、払出許可フラグがセットされている場合は、ステップS1003にて状態復帰スイッチをチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
また、ステップS1004では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。かかる場合に、払出機構部352のタンク内に遊技球が貯留されていないという異常が発生することでタンク球無し状態が設定されるが、その際、主制御基板271aに対して異常信号ESG1を出力する。
また、ステップS1005では、CRユニット接続の状態の変化に応じてCRユニット異常状態又はCRユニット異常解除状態の設定を実行する。すなわち、CRユニット接続基板314からの入力信号によりCRユニット異常状態を判別し、CRユニット異常となった時、CRユニット異常状態の設定を実行し、CRユニット異常でなくなった時、CRユニット異常解除状態の設定を実行する。かかる場合に、CRユニットYが接続されていないという異常が発生することで、又はCRユニットYが故障することで、CRユニット異常状態が設定されるが、その際、主制御基板271aに対して異常信号ESG2を出力する。なお、CRユニットYに関する上記異常発生の有無は、CRユニットYから所定の電圧(例えば、5ボルト)がきているか否かにより判別することができる。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS1001のコマンド判定処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、図27に示した後述する賞球制御処理を開始する。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、ステップS1010〜S1012の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つCRユニットYからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、図28に示した後述する貸球制御処理を開始する。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチをチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出装置の払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本処理を終了する。
ここで、図27に示す賞球制御処理において、ステップS1201では、払出モータを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図25のタイマ割込み処理に戻る。ここで、かかるリトライ処理にてリトライを所定回数(例えば、3回)実行したにも関わらず払出モータの回転が正常でない場合は、払出装置に関して故障が発生したこととなる。かかる場合、主制御基板271aに対して異常信号ESG1を出力する。
また、払出モータの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図25のタイマ割込み処理に戻る。ここで、かかるリトライ処理にてリトライを所定回数(例えば、3回)実行したにも関わらず遊技球のカウントが正常でない場合は、払出装置358に関して故障が発生したこととなる。かかる場合、主制御基板271aに対して異常信号ESG1を出力する。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータの停止処理を実行し、その後、図25のタイマ割込み処理に戻る。
また、図28に示す貸球制御処理において、ステップS1301では、払出モータを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1302では、払出モータの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータの回転が正常でなければ、ステップS1303に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図25のタイマ割込み処理に戻る。ここで、かかるリトライ処理にてリトライを所定回数(例えば、3回)実行したにも関わらず払出モータの回転が正常でない場合に、主制御基板271aに対して異常信号ESG1を出力する。
また、払出モータの回転が正常であれば、ステップS1304に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1305に進み、払出モータを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータの停止処理を実行し、その後、図25のタイマ割込み処理に戻る。ここで、かかるリトライ処理にてリトライを所定回数(例えば、3回)実行したにも関わらず遊技球のカウントが正常でない場合に、主制御基板271aに対して異常信号ESG1を出力する。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1306に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1307で払出モータの停止処理を実行し、その後、図25のタイマ割込み処理に戻る。
以上説明したパチンコ機10は、設計段階においては、側部誘導通路180aを流下する遊技球の減速度合いを簡易的に調整できる構成となっている。そして、減速度合いの調整を行うことで側部誘導通路180aから上段ステージ222への遊技球の導出速度が調整され、結果的に作動口33への入球頻度を簡易的に調整することができる。そこで、以下にその調整作業について説明する。
調整作業の説明に先んじて、側部誘導通路180aを流下する遊技球の減速態様について再度説明する。側部誘導通路180aを流下する遊技球は、図9に示すように、先ず手前側通路部材181に形成された第1節部187aに衝突して奥側に跳ね返る。そして、この遊技球は減速部材201における突条部203の第1凹部204aに衝突して手前側に跳ね返る。その後、第2節部187b及び第2凹部204b、第3節部187c及び第3凹部204c、第4節部187d及び第4凹部204dにそれぞれ衝突しながら出口180cに向かう。これにより、側部誘導通路180aを流下する遊技球は減速される。また、側部誘導通路180aは左右に蛇行するように形成されていることにより、流下する遊技球は手前側通路部材181の左右の側壁部182,183に衝突することによっても減速される。
かかる構成において、側部誘導通路180aにおける減速度合いの調整は、減速部材201を前後方向にスライド移動させて突条部203の突出量を変更することにより行われる。つまり、突条部203の突出量を変更することにより、凹部204a〜204dに対する遊技球の衝突箇所や衝突角度が変化し、節部187a〜187dと凹部204a〜204dとの間での減速態様が変化するからである。この場合に、減速部材201の前後方向のスライド移動は、上述した第1〜第3のガイド構造によりガイドされるため簡易的に行うことができる。そして、上段ステージ222の上面223などでの遊技球の転動態様を確認しつつ減速部材201を前後方向にスライド移動させて突条部203の突出量を繰り返し調整することで、設計者の意図する遊技球の減速度合いを簡易的に実現することができる。
また、本構成においては、減速部材201の設計を変更することで、4つ形成されている凹部204a〜204dの個数を増減させたり、凹部204a〜204dの配置位置や形状を変更することによっても、側部誘導通路180aを流下する遊技球の減速度合いを調整することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
センターフレーム43には、当該センターフレーム43の上段ステージ222へ遊技球を導出する側部誘導通路180aを備えており、側部誘導通路180aを流下する遊技球は当該通路180a内にて減速されて上段ステージ222へ導出される。この場合に、遊技球を減速させる機能を有する減速手段を減速部材201として側部誘導通路180aを形成する手前側通路部材181及び奥側通路部材191とは別体で設けた。これにより、パチンコ機10の設計段階においては、減速部材201の設計変更を行うだけで減速度合いの調整を行うことができる。つまり、手前側通路部材181や奥側通路部材191の最試作を行うことなく、減速部材201のみを最試作して減速部材201に設けられた突条部203における凹部204a〜204dの形状や配置位置及び数を変更するだけで減速度合いの調整を行うことができる。
さらには、減速部材201の設置箇所へのスライド移動をガイドするガイド手段を設けた。ガイド手段としては、奥側通路部材191に設けられた延出壁199aがある。詳細には、延出壁199aは減速部材201の周端面207a〜207cと当接しているため、減速部材201の設置箇所への配置に際しては、減速部材201の周端面207a〜207cが延出壁199aに対してその延出方向に摺動されることで、設置箇所に向けた減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に規定されてガイドされる(第1のガイド構造)。
また、ガイド手段としては、奥側通路部材191に設けられた凹部198と、減速部材201に設けられた減速側膨出部205とがある。詳細には、凹部198の内壁198aは減速側膨出部205の周端面206a〜206cと当接しているため、減速部材201の設置箇所への配置に際しては、減速側膨出部205の周端面206a〜206cが凹部198の内壁198aに対して摺動されることで、設置箇所に向けた減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に規定されてガイドされる(第2のガイド構造)。
また、ガイド手段としては、奥側通路部材191に設けられたボス200と、減速部材201に設けられた挿通孔208とがある。詳細には、ボス200は挿通孔208に挿通されているため、減速部材201の設置箇所への配置に際しては、挿通孔208にボス200を挿通させることで、設置箇所に向けた減速部材201のスライド移動の方向が前後方向に規定されてガイドされる(第3のガイド構造)。
上記のとおり第1〜第3のガイド構造を設けたことにより、パチンコ機10の設計段階においては、減速部材201の設置位置の調整を簡易的に行うことが可能であり、それに伴って減速部材201における突条部203の側部誘導通路180aに対する突出量の調整を簡易的に行うことが可能である。突条部203のベース部202からの突出方向と減速部材201のスライド移動の方向とが同一だからである。よって、上段ステージ222や下段ステージ231の上面223,232における遊技球の挙動を確認しつつ減速部材201の設置位置の調整を繰り返し行うことで、減速部材201の再試作さえも行うことなく設計者の意図する遊技球の減速度合いに対する突条部203の突出量を把握することができる。
以上より、減速部材201を手前側通路部材181及び奥側通路部材191とは別体で設け、さらに第1〜第3のガイド構造を設けたことにより、パチンコ機10の設計段階において設計者の意図する遊技球の減速度合いを簡易的に実現することができる。そして、これに伴って上段ステージ222に到達した遊技球の山部224や誘導溝236等といった案内部への到達頻度を設計者の意図するものへと簡易的に近付けることができる。
上記第2のガイド構造を構成する凹部198は、奥側通路部材191の膨出部196に設けられている。そして、当該膨出部196によって側部誘導通路180aはその途中位置にて前後方向に段差状となっており、側部誘導通路180aの出口180cは入口180bに対して奥側に位置している。側部誘導通路180aによって遊技球が導出される上段ステージ222は遊技盤30の前面(遊技領域)に対して奥側に位置しているため、側部誘導通路180aの出口180cを入口180bに対して奥側とすることで、上段ステージ222への遊技球の導出を円滑なものとなっている。つまり、遊技球の導出を円滑なものとする構成を利用して第2のガイド構造が設けられている。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
上記第3のガイド構造を構成するボス200に対してビスが装着されることにより側部通路構成ユニット180が後ベース枠172に固定されている。つまり、かかる固定に関する構成を利用して第3のガイド構造が設けられている。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
手前側通路部材181を透明性材料により形成した。これにより、遊技者にとっては側部誘導通路180aを流下する遊技球を遊技機前方から視認することができる。また、設計段階においては、側部誘導通路180aを流下する遊技球の挙動を視認しながら、又は減速部材201における突条部203の突出量を確認しながら、減速部材201の設置位置の調整を行うことができ、調整作業の容易化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、奥側通路部材191の背面(側部誘導通路180aの奥側通路壁)に対して減速部材201を設置し、減速部材201の設置に際しては当該減速部材201を前後方向にスライド移動させる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、手前側通路部材181の側面(側部誘導通路180aの側部通路壁)に対して減速部材201を設置し、減速部材201の設置に際しては当該減速部材201を左右方向にスライド移動させる構成としてもよい。
(2)側部通路構成ユニット180の構成を変更してもよい。以下に、その変更例を図29(a)〜(c)に基づいて説明する。なお、以下の説明では、上記実施の形態との相違点のみを説明する。
図29(a)では、上記実施の形態における減速部材201に設けられていた突条部203が設けられておらず、その代わりに、減速部材551には、ベース部552から前方へ突出する突出部553a〜553dが一体形成されている。各突出部553a〜553dはそれぞれ、手前側通路部材181に設けられた節部187a〜187dに対応させて設けられている。したがって、側部誘導通路180aを流下する遊技球は節部187a〜187d及び突出部553a〜553dのそれぞれに衝突することで減速される。この場合に、パチンコ機10の設計段階においては、減速部材551のスライド移動が上記実施の形態と同様にガイド手段によってガイドされる。そして、減速部材551の設置箇所を調整することで、突出部553a〜553dの側部誘導通路180aに対する突出量が調整され、遊技球の減速度合いを調整することができる。
図29(b)では、側部誘導通路180aが上下方向の途中位置にて前後方向に段差状となっている構成については上記実施の形態と同様であるが、上記実施の形態とは異なり側部誘導通路180aの入口180bと出口180cとが前後方向にずれていない。つまり、奥側通路部材191の膨出部196は、側部誘導通路180aの上下方向の途中位置であって上端寄りの位置を上端とし、側部誘導通路180aの上下方向の途中位置であって下端寄りの位置を下端として形成されている。この場合に、減速部材561の減速側膨出部562は奥側通路部材191の膨出部196の位置に対応させて設けられている。そして、減速側膨出部562は上記実施の形態と同様に、膨出部196に形成された凹部198に収容されており、減速側膨出部562の周端面は凹部198の内壁198aに当接されている。以上のように側部誘導通路180aの入口180bと出口180cとを前後方向にずらさない構成においても側部誘導通路180aを前後方向に段差状となるよう形成することで、側部誘導通路180aの通路長を極力長く確保することが可能となり、側部誘導通路180aからの導出速度の減速部材561による変更幅が広くなる。また、凹部198と減速側膨出部562とがガイド手段としての機能を果たし、上記のように側部誘導通路180aを段差状とする構成を利用してガイド手段を設けることができる。
図29(c)では、側部誘導通路180aが前後方向に段差状となっていない。つまり、奥側通路部材191には膨出部196が設けられておらず、減速部材571にも減速側膨出部が設けられていない。かかる構成においても、奥側通路部材191には延出壁199aが形成されており、当該延出壁199aは減速部材571のベース部572における上下の周端面573a,573b及び左右の周端面573cに当接されている。これにより、パチンコ機10の設計段階においては、延出壁199aにベース部572の周端面573a〜573cを摺動させることで、減速部材571のスライド移動がガイドされ減速部材571の設置位置の調整を簡易的に行うことができる。
(3)上記実施の形態では、奥側通路部材191に形成された延出壁199aが、減速部材201におけるベース部202の周端面207a〜207cに当接される構成としたが、これに代えて、延出壁199aの壁面が周端面207a〜207cに近接した位置にて対向する構成としてもよい。かかる構成であっても、延出壁199aによって減速部材201のスライド移動がガイドされる。
(4)上記実施の形態では、奥側通路部材191の膨出部196に形成された凹部198の内壁198aが減速部材201における減速側膨出部205の周端面206a〜206cに当接される構成としたが、これに代えて、凹部198の内壁198aが周端面206a〜206cに近接した位置にて対向する構成としてもよい。かかる構成であっても、凹部198及び減速側膨出部205によって減速部材201のスライド移動がガイドされる。
(5)減速部材201の突条部203に形成された凹部204a〜204dの形状や配置位置及び数は任意である。つまり、設計者の意図する減速度合いに応じて凹部の形状や配置位置及び数は変更される。
(6)上記実施の形態では、凹部204a〜204dのそれぞれに対応させて手前側通路部材181に節部187a〜187dを設けたが、これら節部187a〜187dを設けない構成としてもよい。ただし、この場合、凹部204a〜204d(突条部203)に遊技球が確実に衝突するように手前側通路部材181の形状を変更するのが好ましい。
(7)上記実施の形態では、側部誘導通路180aが左右に蛇行するように手前側通路部材181を形成したが、これを変更してもよい。例えば、側部誘導通路180aが上下方向の途中位置にて左方又は右方にカーブするように手前側通路部材181を形成してもよい。また、側部誘導通路180aが左右方向にカーブしないように手前側通路部材181を形成してもよい。
(8)上記実施の形態では、側部通路構成ユニット180をセンターフレーム43の右側部に設けたが、これを変更してもよい。例えば、側部通路構成ユニット180をセンターフレーム43の左側部に設ける構成としてもよく、センターフレーム43の左右両側部に各々設ける構成としてもよい。
(9)上記実施の形態では、センターフレーム43には上段ステージ222及び下段ステージ231を備えたステージ部材221を設けたが、これを変更してもよい。例えば、1段のステージのみを備えたステージ部材を設ける構成としてもよい。また、3段以上のステージを備えたステージ部材を設ける構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、後ベース枠172に後方ステージ241が設けられていたが、当該後方ステージ241が設けられていなくてもよい。
(10)上記実施の形態では、後方ステージ241を形成する部材(第1特定ランプ収容部材251、第2特定ランプ収容部材252)に第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48が設けられていたが、これを変更してもよい。例えば、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48をセンターフレーム43に設けるのではなく、遊技領域の上部などに設ける構成としてもよい。この場合に、後方ステージ241を形成するステージ形成部材の前面に第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44を設ける構成としてもよい。
(11)上記実施の形態では、主制御装置271において、図柄表示装置41における停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定する構成であったが、これを変更してもよい。例えば、主制御装置271は、図柄表示装置41における停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定せずに、表示制御装置278がこれらを決定する構成であってもよい。この場合、主制御装置271は、確変状態となる大当たり、通常状態となる大当たり又は大当たり発生無しのうちのいずれが当該遊技回において発生するかの旨と、第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間とを含めた表示コマンドを表示制御装置278に対して出力する構成とする。そして、表示制御装置278は、この主制御装置271からの表示コマンドに基づいて、停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定し、切替表示時間の範囲内で図柄の変動表示を制御する。本構成であれば、上記実施の形態における効果を奏しつつ、さらに主制御装置271の処理負荷の軽減を図ることができる。
(12)上記実施の形態では、音声ランプ制御装置272が表示制御装置278に制御される構成としたが、これに代えて、音声ランプ制御装置272が表示制御装置278を制御する構成としてもよい。
(13)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機、例えば大当たり状態の開始条件が成立すると、予め定められた回数の大当たり状態が発生するまで高確率状態となる所謂「権利物」と称されるパチンコ機にも適用できる。
(14)遊技盤30は、板状であって釘などを配設することができれば、どのような構成であってもよく、例えば、ベニヤ板や合成樹脂板などであってもよい。また、遊技盤を透明板とし、その裏面に導光板などを設け遊技盤面において光の演出を行う構成としてもよい。さらには、遊技盤を透明板とし、その裏面のほぼ全体に液晶装置を設け遊技盤面において表示演出を行う構成としてもよい。