JP4809905B2 - 真菌において形態を促進する単離されたポリヌクレオチド及び方法 - Google Patents

真菌において形態を促進する単離されたポリヌクレオチド及び方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、真菌において形態を促進する、単離されたポリヌクレオチド、組換えポリヌクレオチド構築物及び方法に関する。
発明の背景
真菌は、多数の市販されている有用な製品の生産のための利用が増加しつつある。「繊維状」真菌として知られる種類の真菌は、現在、代謝物、例えば抗生物質(ペニシリン及びセファロスポリン、例えば)、及び有機酸(クエン酸及びフマル酸、例えば)の工業規模の生産に用いられる。繊維状真菌はさらに酵素、例えばプロテアーゼ及びリパーゼの工業生産に有用である。
所望の化合物の生産のための繊維状真菌種の利用は、しばしば、真菌の液内培養の生育を含む。繊維状真菌は液内培養において多数の形態を呈し得るが、そのうちの一つは繊維状形態である。培養物中の真菌が繊維状形態を呈する場合、繊維状の生育が培養培地の粘度を増加させ得る。増加した粘度は、培養物の大量の移動及び通気特性に影響し、バイオリアクターにおいて混合された問題を引き起こし、そして典型的には低下した生産性を伴い得る。
或いは、「繊維状」真菌は沈殿物の形態を呈し得る。繊維状形態を呈する真菌の培養とは対照的に、沈殿物の形態を呈する真菌の培養物の粘度は相対的に低く、そして培養物の混合及び通気に利用される力は少なくて済み得る。多くの製品、例えばクエン酸、イタコン酸、スタチン、ペニシリン、及び様々な酵素に関して、繊維状形態を呈する真菌との比較の上で、沈殿形態を呈する真菌を利用することにより、生産性を増強することができる。
真菌において形態を促進させる方法を開発すること及び生産性を最大にするために培養において真菌により呈される形態を左右するか又は制御する方法を開発することが望まれる。
発明の概要
一つの側面において、本発明は、繊維状形態を呈する天然の真菌との比較の上で、沈殿形態を呈する天然の真菌中で特異に(differentially)発現される単離されたポリヌクレオチド分子を包含する。
一つの側面において、本発明は、真菌を利用するバイオプロセスを増強する方法を包含する。組換えポリヌクレオチド分子により真菌を形質転換することにより、形質転換された真菌が生成される。当該組換えポリヌクレオチド分子は、プロモーターに作動可能に連結された単離されたポリヌクレオチド配列を含む。当該ポリヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを発現することにより、沈殿物の形態を促進させる。形質転換された真菌の沈殿物の形態は、形態転換された真菌の繊維状形態を利用するバイオプロセスと比較すると、バイオプロセスを増強する。
一つの側面において、本発明は、真菌の形態を促進し、そしてバイオプロセスの生産性を増強する方法を包含する。真菌は、遺伝子配列の相補なアンチセンスに配列されたポリヌクレオチド配列により形質転換される。当該ポリヌクレオチド配列の転写産物はmRNAにハイブリダイズして、それにより当該遺伝子の発現を抑圧する。遺伝子の抑圧は、形態を促進させて、別の真菌の形態におけるバイオプロセスに比較して、バイオプロセスを増強する。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、天然の真菌において特異な発現を有することができるポリヌクレオチドを包含する。本記載のためには、ポリヌクレオチド配列の「発現」なる用語は、転写と翻訳の組み合わされたプロセスを意味し得るか、又は組み合わされた転写及び翻訳のプロセスの一部を意味し得る。用語「特異な発現(differential expression)」は、発現の2つ又はそれ以上の特異なレベルを意味し得るか、又は第2の例における発現の存在に比較した第1の例の発現の不在を意味し得る。
本発明は、天然の真菌により呈された特異な形態にて特異に発現されたポリヌクレオチド配列を含み得る、単離されたポリヌクレオチド分子を含む。本記載のためには、用語「天然」は、遺伝子操作されなかった生物を意味し得る。用語「単離された」は、天然に生じる分子、例えばそれを生産した生物から回収されたポリヌクレオチド又はポリペプチドを意味し得るか、又は別に合成分子を意味し得る。
本発明による単離されたポリヌクレオチド分子は、沈殿形態を呈する真菌の、当該真菌の繊維状形態にての低レベルの発現又は発現の不在に比較して増加した発現を有するポリヌクレオチド配列を含み得る。或いは、本発明によるポリヌクレオチド分子は、天然真菌の繊維状形態における、沈殿形態にての低レベルの発現又は発現の不在に比較して増加した発現を有するポリヌクレオチド配列を含み得る。
本発明により包含される単離されたポリヌクレオチドは、繊維状形態及び沈殿形態を呈することができるあらゆる源の真菌から単離され得る。源の真菌は特定の種の真菌に限定されず、3つの主要な真菌群のいずれかのメンバーであり得る。担子菌鋼(Basidiomycetes)群の例示のメンバーは、ファネロキーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)である。子嚢菌鋼(Ascomycetes)及び不完全な真菌の例示のメンバーは、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、エメリセラ・ニジュランス(Emericella nidulans)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、ペニシリウム・クリソジェナム(Penicillium chrysogenum)、及びトリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)を含む。接合菌鋼(Zygomycetes)群の例示のメンバーはリゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)及びリゾパス・オリゼー(Rhizopus oryzae)を含む。
本発明により包含される例示の単離されたポリヌクレオチド分子は、天然アスペルギルス・ニガーの繊維状形態において天然アスペルギルス・ニガーの沈殿形態に比較して特異に発現されたアスペルギルス・ニガーから単離されたポリヌクレオチド配列を含み得る。特異に発現されたポリヌクレオチド配列は、例えば、SEQ ID NOs.:1,4,6,8,12,16,18,22,24,26,28,33,36及び37の何れかに示される配列を含み得るか、又はそれらの配列のいずれかに相補な配列を含み得る。SEQ ID NOs.:1,4,6,8,12,16,18,22,24,26,28,33,36及び37に示されるポリヌクレオチド配列の各々は、以下に論じられる方法に従い製造される完全長のcDNA分子から決定された配列に相当し、SEQ ID NOs.:36及び37は完全長のcDNAから決定された部分配列である。本明細書にて論じられる単離方法及び技術は例示であること、及び本発明の単離されたポリヌクレオチド分子を生成するために多数の慣用の技術が利用可能であることは、認識されるべきである。
SEQ ID NOs.:1,4,6,8,12,16,18,22,24,26,28,33,36及び37に示されるポリヌクレオチド配列を含む完全長のcDNA分子は、アスペルギルス・ニガー株ATCC11414から、サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション技術(Diatchenko et al.,Proceedings National Academy of Science U.S.A.Vol.93,pp.6025−6030.1996)を、PCR−SELECT(商標)cDNAサブトラクションキット(CLONTECH,Palo Alto,California)と共に利用して、得ることができる。2つのサプレッションサブトラクティブcDNAライブラリーが構築される。第1のcDNAライブラリーは、沈殿タイプの形態を呈するアスペルギルス・ニガーから得たcDNAをテスターとして、そして繊維状形態を呈するアスペルギルス・ニガーから得たcDNAをドライバーとして利用することにより、構築される。ドライバー/テスター比は、サブトラクションキットマニュアルに示唆された比よりも3倍に増加させる。
第2のサプレッションサブトラクティブcDNAライブラリーは、繊維状形態を呈するアスペルギルス・ニガーから得たcDNAをテスターとして、そして沈殿形態を呈するアスペルギルス・ニガーから得たcDNAをドライバーとして利用することにより、創製される。第1のcDNAプールを第1ライブラリーから生成し、そして第2cDNAライブラリーを第2ライブラリーから生成する。沈殿形態において特異に存在するか又は増強される特異に発現されるcDNAを、第1cDNAプールをプローブとして利用するハイブリダイゼーション及び第2のcDNAプールをプローブとして利用する個別のハイブリダイゼーションにより、第1cDNAライブラリーから単離する。アスペルギルス・ニガーの繊維状形態に対して増強されたか又は特異なcDNAの単離は、第1cDNAプール及び第2cDNAプールをプローブとして利用することにより第2cDNAライブラリーを別個にハイブリダイゼーションすることにより達成する。
サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーションにより単離される特異に発現されるcDNAのセグメントを、DNA配列決定のために選択する。当該セグメントの配列決定は、T7−2プライマーによる単一通過配列決定を利用して実施される。サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーションにより単離されたDNA断片を使用して、完全長のcDNAsの単離のための利用のために、遺伝子特異的プライマーの対をデザインする。
完全長のcDNAの単離は、マラソンcDNA増幅キット及びADVANTAGE(登録商標)、cDNAポリメラーゼ(CLONTECH,Palo Alto,CA)を利用して達成される。サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーションクローンからデザインされた遺伝子特異的プライマーは、cDNAエンドPCR(RACE−PCR)の迅速な増幅を実施するために利用される。火炎長のcDNAsの配列を慣用の自動化DNA配列決定法を用いて決定する。
12の完全長cDNAクローン及び2つの部分長cDNAクローンを生成して、上で論じた方法により配列決定する。結果の配列を以下に提示する。Balu−4のcDNAの配列はSEQ ID NO.:1に示され;Balu−42のcDNAの配列はSEQ ID NO.:4に示され;Brsa−25のcDNAの配列はSEQ ID NO.:6に示され;Brsa−43のcDNAの配列はSEQ ID NO.:8に示され;Brsa−47のcDNAの配列はSEQ ID NO.:12に示され;Brsa−109のcDNAの配列はSEQ ID NO.:16に示され;Brsa−118のcDNAの配列はSEQ ID NO.:18に示され;Arsa−7のcDNAの配列はSEQ ID NO.:22に示され;Arsa−48のcDNAの配列はSEQ ID NO.:24に示され;A−37のcDNAの配列はSEQ ID NO.:26に示され;A−90のcDNAの配列はSEQ ID NO.:28に示され;Arsa−43のcDNAの配列はSEQ ID NO.:33に示され;Arsa−10のcDNAの部分配列はSEQ ID NO.:36に示され;そしてArsa−27のcDNAの部分配列はSEQ ID NO.:37に示される。
上記の14の決定されたポリヌクレオチド配列の各々のアミノ酸配列は、公知の遺伝コードを利用して予測される。ホモロジー検索はBLASTPを利用して実施され、予測されたアミノ酸配列とNCBI非重複のジェンバンクのCDS中の配列の間でホモロジーを調査する。全てのホモロジー検索は、E=0.005の閾値E値を利用して処理される。従って、各BLASTホモロジー検索の結果(以下に論じられる)は、この最初の閾値に基づく。
ノーザンブロット分析を利用して、14のcDNAクローンの各々に相当する天然のアスペルギルス・ニガー内の遺伝子の発現レベルを分析する。繊維状形態を呈するアスペルギルス・ニガーによる各遺伝子の発現を、沈殿形態を呈するアスペルギルス・ニガー内の同じ遺伝子の発現と比較する。発現分析のために、アスペルギルス・ニガーを最初に約12部/100万(ppb)Mn2+より低いか又は等しいものを含む培養培地中で12時間生育させる。生育の最初の12時間の後に、培養物を半分に2分し、最初の半分を低Mn2+濃度(約12ppbよりも低いか又は等しい)にし、そして別の半分を約1000ppbのMn2+(又は幾つかの場合には約15ppb Mn2+より高いか又は等しい最終濃度に)の最終濃度にする。アスペルギルス・ニガーはMn2+の濃度に極度に敏感であり得る。約12ppbの濃度か又はそれより低いMn2+濃度においては、天然のアスペルギルス・ニガーは沈殿形態を呈し、約12ppbの濃度か又はそれより高いMn2+濃度においては、天然のアスペルギルス・ニガーは繊維状形態を呈する。本記載を単純化するため、培養物を半分に2分する点(最初の生育の12時間後)をタイムゼロ(t=0)と呼び得る。さらに、上記12ppbの最終濃度までのMn2+の添加は繊維状形態を促進し、そしてMn2+の添加は繊維状誘導と呼ぶことができる。
培養サンプルを、非誘導培養物(沈殿形態)及び誘導培養物(繊維状形態)の両方から、タイムゼロ後20、40、60及び120分目に回収する。サンプルを遠心分離することにより、培養沈殿物を形成させ、液体窒素により凍結させ、そして以後の全RNA抽出のために−80℃に保存する。
全RNAは、慣用の方法を利用して凍結した培養沈殿物から単離することができる。慣用のゲル電気泳動技術及び続くブロッティング膜への転写による全RNAサンプルのサイズ分画の後に、各時間点において回収された全RNAサンプルを、単離されたサプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーションcDNA断片を無作為にプライミングするか又は制限エンドヌクレアーゼにより消化した完全長のcDNAの断片を無作為にプライミングすることにより合成されたプローブのハイブリダイゼーションを用いて分析する。プローブ合成は[32P]−α−dCTPの取り込みを含む。ノーザンブロットのハイブリダイゼーションの結果は、ブロットをx線フィルムに暴露することにより、可視化することができる。
図1は、Balu−4のSEQ ID NO.:1に相当するアスペルギルス・ニガー遺伝子の発現のノーザンブロット分析のx線フィルム暴露を示す。増加するハイブリダイゼーションは、沈殿形態において生成されるmRNAに比較して(レーン1−3)、繊維状培養物から採取されたmRNAサンプルにおいて(レーン4、5及び6)、明らかであった。15マイクログラム(μg)の全RNAを各レーンに用いた。利用されたRNAサンプルは、出発t=0沈殿培養のt=20分(レーン1)、t=40分(レーン)及びt=120分(レーン3);及び誘導後の繊維状培養t=20分(レーン4)、t=40(レーン5)及びt=120分(レーン6)から得られる。各レーンに使用された全RNA及び以下に考察されるノーザンブロットの各々のレーンの同定は、図1に示されたのと同じである。図1に示される結果は、Balu−4が天然アスペルギルス・ニガーにおいては異なって発現され、増加された発現レベルが繊維状形態において検出される。
Balu−4の演繹されたアミノ酸配列をSEQ ID NO.:20に示す。Balu−4のアミノ酸配列はBalu−4のcDNA(SEQ ID NO.:1)から予測される。図2に示すとおり、BLASTPを利用したアミノ酸配列ホモロジー検索は、SEQ ID NO.:2(上の配列)がエメリセラ・ニジュランスのG−プロテインのベータサブユニットのアミノ酸配列であるSEQ ID NO.:3(下の配列)と97%の同一性を有することを示す。配列同一性の位置を、SEQ ID NO.:(上)とSEQ ID NO.:3(下)の間の対応する同一アミノ酸の記号の位置により示す。SEQ ID NO.:2とSEQ ID NO.:3の中間に示された記号「+」は、保存されたアミノ酸の相違を示す。本発明のために、保存されたアミノ酸の相違又は保存されたアミノ酸の置換は、類似に化学特性を有する別のアミノ酸による一つのアミノ酸の置換を意味し得る。さらに、用語「ホモロジー」は、いくつかの例において、同一又は保存されたアミノ酸を意味する。
SEQ ID NO.:2とSEQ ID NO.:3の対応する位置の間のオープンスペースの出現は、2つの並べられた配列の間の非保存アミノ酸相違を示す。SEQ ID NO.:3と相対的に最少の同一性を有するSEQ ID NO.:2の3つのセクションをSEQ ID NOs.:30,31及び32に示す。SEQ ID NO.:30は、SEQ ID NO.:2のアミノ酸28−49に相当する。SEQ ID NO.:31は、SEQ ID NO.:2のアミノ酸194−209に相当する。SEQ ID NO.:32は、SEQ ID NO.:2のアミノ酸260−288に相当する。
図3は、Balu−42,SEQ ID NO.:4に対応する点天然遺伝子の発現のノーザンブロット分析の結果を示す。繊維状形態のBalu−42に対応するmRNAの検出の増加は、Balu−42が、天然アスペルギルス・ニガーの沈殿形態に比較して、繊維状においては発現が増加して異なって発現されることを示す。
SEQ ID NO.:5はSEQ ID NO.:4から予測されたBalu−42のアミノ酸配列に相当する。BLASTPホモロジー検索は、SEQ ID NO.:5と検索されたデータベースの如何なる配列の間にもホモロジーを同定することができない。
図4は、SEQ ID NO.:6に示すBrsa−25のcDNAに相当する天然遺伝子の発現のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Brsa−25が、沈殿形態に比較して、天然のアスペルギルス・ニガーの繊維状形態においては発現が増加して異なって発現されることを示す。
Brsa−25 SEQ ID NO.:6の予測されたアミノ酸配列をSEQ ID NO.:7に示す。BLASTPホモロジー検索は、SEQ ID NO.:7と検索されたデータベースの如何なる配列の間にもホモロジーを同定することができない。
図5は、SEQ ID NO.:8に示すBrsa−43のcDNAに相当する天然遺伝子の発現のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Brsa−43が、沈殿形態に比較して、天然のアスペルギルス・ニガーの繊維状形態においては発現が増加して異なって発現されることを示す。
SEQ ID NO.:8から予測されたBrsa−43のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:9に示す。SEQ ID NO.:10はSEQ ID NO.:9のアミノ酸29−594に相当する。図6は、ヒトトリペプチジルペプチダーゼI前駆体(リソソームペプスタチン非感受性プロテアーゼ)のアミノ酸配列、SEQ ID NO.:11と31%同一性を有するBrsa−43 SEQ ID NO.:10(上の配列)のBLASTPアラインメント及び比較を示す。配列の間の同一性及びホモロジーの表示は、図2に関して上で考察されたとおりである。
図7は、SEQ ID NO.:12に示されたcDNA配列に相当する天然Brsa−47遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Brsa−47が異なって発現され;アスペルギルス・ニガーの沈殿形態に比較して、繊維状形態においては増加した発現レベルが明らかであることを示す。
SEQ ID NO.:12から演繹されたBrsa−47のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.:13に示される。図8は、SEQ ID NO.:13のアミノ酸26−530に相当するSEQ ID NO.:14(上の配列)のBLASTPホモロジー検索結果を示す。BLASTPの結果は、SEQ ID NO.:14がセサマム・インディカム(Sesamum indicum)からのMyo−イノシトール1−ホスフェートシンターゼのアミノ酸配列と56%の同一性を有することを示す。
SEQ ID NO.:16に示されるcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのBrsa−109遺伝子の発現のノーザンブロット分析を示す。結果は、Brsa−109遺伝子が異なって発現され、沈殿形態に比較して、繊維状形態においては増加した発現が検出されることを示す。
SEQ ID NO.:16から予測されたBrsa−109のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:17に示す。BLASTPホモロジー検索は、SEQ ID NO.:19と検索されたデータベースの如何なる配列の間にもホモロジーを同定することができない。
図10は、SEQ ID NO.:18に示されたcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのBrsa−118遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Brsa−118遺伝子が異なって発現され、沈殿形態に比較して、繊維状形態においては増加した発現が検出されることを示す。
SEQ ID NO.:18から予測されたBrsa−118のアミノ酸配列を、SEQ ID NO.:19において示す。図11は、Brsa−118のBLASTPホモロジー検索の結果を示す。結果は、Brsa−118の予測されたアミノ酸配列、SEQ ID NO.:20(上の配列)が、ニューロスポラ・クラッサからの推定のヒドロキシメチルグルタリル−CoAシンターゼのアミノ酸配列、SEQ ID NO.:21(下の配列)と66%の同一性を有することを示す。
図12は、SEQ ID NO.:22に示されたcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのArsa−7遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Arsa−7遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現レベルであることを示す。
SEQ ID NO.:22から予測されたArsa−7のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:23において示す。BLASTPホモロジー検索の結果は、Arsa−7の予測されたアミノ酸配列とのホモロジーを有する如何なる配列も同定できなかった。
図13は、SEQ ID NO.:24に示されたcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのArsa−48遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Arsa−48遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現レベルであることを示す。
SEQ ID NO.:24から予測されたArsa−48のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:25において示す。BLASTPホモロジー検索の結果は、Arsa−48の予測されたアミノ酸配列とのホモロジーを有する如何なる配列も同定できなかった。
図14は、SEQ ID NO.:26に示されたcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのA−37遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、A−37遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現が生じることを示す。
SEQ ID NO.:26から予測されたA−37のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:27において示す。BLASTPホモロジー検索の結果は、A−37の予測されたアミノ酸配列とのホモロジーを有する如何なる配列も同定できなかった。
図15は、SEQ ID NO.:28に示されたcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのA−90遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、A−90遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現が生じることを示す。
SEQ ID NO.:28から予測されたA−90のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:29において示す。BLASTPホモロジー検索の結果は、A−90の予測されたアミノ酸配列とのホモロジーを有する如何なる配列も同定できなかった。
図16は、SEQ ID NO:33に示すcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのArsa−43遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Arsa−43遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現が生じることを示す。
SEQ ID NO.:33から予測されたArsa−43のアミノ酸配列をSEQ ID NO.:34において示す。図17は、Arsa−43のBLASTPホモロジー検索の結果を示す。結果は、Arsa−43の予測されたアミノ酸配列、SEQ ID NO.:34(上の配列)が、アスペルギルス・ニジュランスからのポリユビキチン蛋白質のアミノ酸配列,SEQ ID NO.:35(下の配列)と96%の同一性を有することを示す。
図18は、SEQ ID NO:36に示すcDNA部分配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのArsa−10遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Arsa−10遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現を伴う。ホモロジー検索は、SEQ ID NO.:36と検索されたデータベース中の他のポリヌクレオチド配列の間に如何なるホモロジーも検出できない。
図19は、SEQ ID NO:37に示すcDNA部分配列に相当する天然アスペルギルス・ニガーのArsa−27遺伝子のノーザンブロット分析の結果を示す。結果は、Arsa−43遺伝子が異なって発現され、繊維状形態の発現レベルに比較して、沈殿形態においては増加した発現を伴う。ホモロジー検索は、SEQ ID NO.:37と検索されたデータベース中の他のポリヌクレオチド配列の間に如何なるホモロジーも検出できない。
図20及び21を参照すると、様々なアスペルギルス・ニガーの遺伝子の異なる発現のバー−チャート比較を示す。図20は、遺伝子Balu−4,Brsa−25,Brsa−43,Brsa−47,Brsa−109及びBrsa−118の転写レベルを示し、繊維状のアスペルギルス・ニガーにおいて増加した発現を示す。図21は、遺伝子Arsa−7,Arsa−10,Arsa−27,A−37,Arsa−43,及びArsa90の転写レベルをレベルを示し、アスペルギルス・ニガーの沈殿形態において増加した発現を示す。
追加の発現分析は、t=0後5日まで成長させた培養物を利用する(上で定義したとおり)。図22を参照すると、沈殿条件にて生育させたアスペルギルス・ニガーにおける転写レベルに比較して(パネルA)、繊維状条件にて生育させたアスペルギルス・ニガーにおいて(パネルB)、遺伝子遺伝子Balu−4,Brsa−25,Brsa−43,Brsa−47,Brsa−109及びBrsa−118の転写レベルが増加したことを示す。図23を参照すると、繊維状条件にて生育させたアスペルギルス・ニガーにおける転写レベルに比較して(パネルB)、沈殿条件にて生育させたアスペルギルス・ニガーにおいて(パネルA)、遺伝子Arsa−7,Arsa−10,Arsa−27,A−37,Arsa−43,及びArsa−90の転写レベルが増加したことを示す。
特定の態様において、本発明は、SEQ ID NOs.:2,5,7,9,13,17,19,23,25,27,29及び34の何れかに示されるアミノ酸配列及びそれらの機能上の均等物を含む単離されたポリペプチド分子を包含する。本発明のためには、機能上の均等物なる用語は、非末端削除ポリペプチド、非置換ポリペプチドに比較して、実質上均等な機能特性及び/又は生物学特性を有するアミノ酸配列の、末端削除バージョン又は保存された置換バージョンを意味し得る。当業者には理解されるとおり、配列表に示されたアミノ酸配列を末端削除するか又は保存アミノ酸置換を導入するためには慣用の方法を利用することができる。本発明の単離されたポリペプチドを生成するために利用できる慣用の方法が利用可能である。
上で論じられた単離されたポリヌクレオチド分子に加えて、本発明は、SEQ ID NOs.:2,5,7,9,13,17,19,23,25,27,29及び34の何れかに示されるアミノ酸配列をコードするか又はそれらのアミノ酸配列の機能上の均等物をコードする別のポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを包含する。発明は、SEQ ID NOs.:36及び37及び機能上の均等物、及びSEQ ID NOs.:36及び37によりコードされるアミノ酸配列をコードする別のポリヌクレオチド配列も包含する。当業者には理解されるとおり、遺伝コードの縮重性質のため、結果のアミノ酸配列に影響することなくポリヌクレオチド配列に様々な修飾を導入することができる。
様々な組換えポリヌクレオチド構築物が本発明に包含される。特定の態様において、本発明による組換えポリヌクレオチド構築物は、上で論じられた単離されたポリヌクレオチド配列の何れかを含み得る。本明細書にて論じられたポリヌクレオチド配列の何れかの全部又は一部を、プロモーターに連結することができ、好ましくは、プロモーターに作動可能に連結され得る。組換えポリヌクレオチド構築物を形成するためのポリヌクレオチドのプロモーターへの作動な連結は、ポリヌクレオチド配列の発現をプロモーターにより制御可能とさせ得る。或いは、SEQ ID NOs.:1,4,6,8,12,16,18,22,24,26,28,33,36及び37の何れか一つの示される配列の少なくとも一部に相補な配列を利用することにより、組換えポリヌクレオチドを形成させることができるか、又はアンチセンス配置にて取り込ませることができる。
特定の側面において、上記相補配列は、サプレッションハイブリダイゼーションを可能にさせるのに十分長い相補配列の一部を含み得る(下で論じられる)。30ヌクレオチド未満のポリヌクレオチド配列の利用を意図するが、サプレッションハイブリダイゼーションは30ヌクレオチドより長いか又は30ヌクレオチドに等しい長さを有する一つ又は複数のポリヌクレオチドの利用を、典型的には含み得る。従って、発明は、SEQ ID NOs.:1,4,6,8,12,16,18,22,24,26,28,33,36及び37の何れか一つに示される配列の何れかの断片及び相補断片を含むポリヌクレオチド配列を包含する。そのような断片は、好ましくは、少なくとも30ヌクレオチドの長さの、相当する配列又は相補配列を含み得る。
発明は、上で論じられた単離されたポリヌクレオチド配列の何れかを含むベクターも包含する。本発明により包含されるベクターは、特定の種類のベクターに限定されず、例えば、プラスミド、コスミッド又はウイルスベクターであり得る。本発明によるベクターは、論じられた単離ポリヌクレオチド分子を一つ又は複数、宿主細胞に導入するのに利用することができる。宿主細胞は特定の種類の細胞に限定されず、例えば、細菌、真菌、又は高等真核細胞であり得る。さらに、本発明により包含されるベクターは、クローニングベクター、発現ベクター及び/又は組込み型ベクターであり得る。
発明は、上で論じられた単離ポリヌクレオチド分子の何れかを含むように形質転換された、形質転換宿主細胞及び細胞培養物も包含する。単離されたポリヌクレオチドを所望の宿主細胞に導入するための慣用の形質転換技術を利用することができる。
本発明は、真菌において形態を促進させる方法を包含する。真菌において形態を促進させるプロセスは、図24のフローチャートに関して記載される。最初の工程100において、単離されたポリヌクレオチドが用意される。工程100からの単離されたポリヌクレオチドは、上で論じられた単離ポリヌクレオチドの何れかを含み得る。
工程100からの単離ポリヌクレオチドを用いて、工程110にて組換えポリヌクレオチドを形成させることができる。上で論じられたとおり、組換えポリヌクレオチドの形成は、プロモーターを単離されたポリヌクレオチド配列と作動可能なように連結することを含み得る。さらに、組換えヌクレオチド工程110の形成は、工程120において真菌を形質転換するのに利用可能なベクターの形成を含み得る。形成転換工程120において利用可能な真菌は多数存在する。好ましくは、形質転換される真菌は、繊維状形態を呈することができ、且つ沈殿形態を呈することもあらに可能である。工程120のための例示の真菌は、例えば、源の真菌に関して上で論じられた真菌の何れかであり得る。
形質転換工程120の後に、上記組換えポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチドが工程130において形質転換された真菌から発現され得る。工程130の発現は、真菌の特定の形態を促進することができる。発現により促進される特定の形態は、工程100において用意された単離されたポリヌクレオチドの配列により決定され得る。例えば、繊維状形態は、SEQ ID NOs.:2,5,7,9,13,17,19,23,25,27,29及び34の何れかに示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを又はそれらの機能上均等物をコードする単離されたポリヌクレオチドを用意することにより促進され得る。或いは、沈殿形態は、SEQ ID NOs.:23,25,27,29,及び34の何れか一に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はポリヌクレオチドSEQ ID NOs.:36又は37又はその機能上の均等物によりコードされるアミノ酸配列をコードする、工程100の単離されたポリヌクレオチドを用意することにより促進され得る。
本発明の別の態様において、アンチセンス配置の相補配列を含む組換えポリヌクレオチド(上で論じられた)を形質転換工程120に利用することができる。抑圧工程140においては、上記アンチセンスRNAの転写から生成されるRNAが天然mRNAとRNA二重鎖(dsRNA)を形成して、それによりRNA分解を促進し、及び/又はmRNAの翻訳を阻害又は遮断し得る。従って、工程120において導入された組換えアンチセンス構築物は所望の形態を促進するために相補遺伝子の発現を抑圧又は遮断することができる。例えば、SEQ ID NOs.:1,4,6,8,12,16又は18の何れかの断片又は全体に相補な配列を含むポリヌクレオチド構築物が工程120において導入され得る。工程140においては、アンチセンス相補配列から生成された転写物を、遺伝子Balu−4,Brsa−25,Brsa−43,Brsa−47,Brsa−109又はBrsa−118から転写されたmRNAにそれぞれハイブリダイズさせることができ、そして相当する蛋白質産物の生成を阻害又は遮断することができる。本発明に従う方法によるBalu−4,Brsa−25,Brsa−43,Brsa−47,Brsa−109又はBrsa−118の一つ又は複数の抑圧は、形質転換宿主において沈殿形態を促進することができる。同様に、SEQ ID NOs.:22,24,26,28,33,36,及び37の何れかの断片又は全体に相補な一つ又は複数の配列を含むポリヌクレオチドを工程120において導入でき、相当する遺伝子Arsa−7,Arsa−10,Arsa−27,A−37,Arsa−43,及びArsa90の発現を阻害又は遮断することができる。本発明に従う方法による工程140においての遺伝子Arsa−7,Arsa−10,Arsa−27,A−37,Arsa−43,及びArsa90の一つ又は複数の抑圧は、形質転換された宿主において繊維状形態を促進することができる。
図24に示すプロセスは工程100において単一の単離ポリヌクレオチドを用意することに関して論じられたが、発明は上で論じられた二つ又はそれより多い単離ポリヌクレオチド配列を用意することを包含することは、認識されるべきである。さらに、発現されたときに少なくとも一つの提供された単離ポリヌクレオチドが沈殿形態を促進することができ、且つ発現されたときに他の一つの用意された単離ポリヌクレオチドが繊維状形態を促進し得るように、工程100において単離されたポリヌクレオチド配列が用意され得ることは、認識されるべきである。工程110において異なる誘導可能なプロモーターに異なる単離ポリヌクレオチドを作動可能なように連結し、且つ工程120における形質転換のために複数の組換えポリヌクレオチドを使用することにより、工程130又は140において発現を誘導することにより、繊維状形態又は沈殿形態の何れかを選択的に促進することが可能であり得る。
特定の真菌の形態の利用は真菌の培養においてバイオプロセスを増強し得るから、真菌において特定の形態を促進することは有利であり得る。例えば、沈殿形態の真菌の利用は、様々なバイオプロセス、例えば、ヘミセルラーゼを発現すること、セルラーゼを発現すること、リグナーゼを発現すること、バイオマスをアルコールに変換すること、有機酸を生成すること、グルコアミラーゼを生成すること、ペニシリンを生成すること、及びロバスタチンを生成することを増強することができる。或いは、繊維状真菌の培養物の利用は、フマル酸生成又はペプチド酵素の生成のようなバイオプロセスを増強し得る。
図24に示されたプロセスは、形質転換された真菌を生成すること及び他には同一の条件下での非形質転換真菌培養物に比較して形質転換された真菌を含む培養物において所望の生成物の生成を増強するために利用され得る形質転換された真菌において沈殿形態を促進させるために利用可能である。或いは、上記プロセスは、形質転換された真菌を生成するため及び形質転換された真菌において繊維状形態を促進するために利用することができる。促進された繊維状形態は、、他には実質上同一の条件下での非形質転換培養物に比較して、形質転換された真菌を含む培養物において想うの生成物の生成を増強することができる。
発明は上で論じられた形態促進構築物と共に、興味のある一つ又は複数の蛋白質をコードする一つ又は複数のポリヌクレオチドを同時導入することも意図する。興味のある蛋白質は、宿主に対して天然であるか又は異なる真菌又は非真菌種からであり得る。興味のある蛋白質が、第1の形態において、第2の形態に比較して増加した発現及び/又は活性を有する場合、同時導入された形態促進構築物は、好ましくは第1の形態を促進することができる。興味のある蛋白質は培養物から回収され得る蛋白質であってよいか、又は所望の生成物又は化合物を生成するバイオプロセスに関与する蛋白質であり得る。
実施例
実施例1:DNAの単離及び機能分析の一般法
エシェリヒアコリ(E.coli)株DH5α及びJM109をクローニング実験の宿主として使用する。サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)による形態に関連する遺伝子の単離のために、Chomczynski and Sacch(Anal.Biochem.162:156−159(1987))に記載された修飾された酸−フェノールグアニジウムイソチオシアネート抽出法に従い、アスペルギルス・ニガーから全RNAを単離した。SSHは、製造者により記載されたとおりに、PCR−SELECTTMcDNAサブトラクションキット(CLONTECH,Palo Alto CA)を利用して実施したが、試験されたテスターに比例してドライバーのcDNAの量を第1のハイブリダイゼーション及び第2のハイブリダイゼーションの各々に関して三重にした。
SSH cDNAライブラリーの別のスクリーニングにより、形態に関連するクローンを同定する。2つのオリゴヌクレオチドを、各々の新規に単離されたクローン配列に対してデザインする。cDNAの迅速な増幅及びPCR(RACE−PCR)を実施することにより、各cDNAクローンの5’末端及び3’末端を単離する。
真菌の形質転換は、pAN7−1(Punt and van der Hondel,Methods in Enzymol.216:447−57(1992))中のBgl II/Xba I pGpdA−hph−TtrpC断片を二元ベクター(An et al.,Binary Vectors”in Plant Molecular Biology Manual,Gelvin and Schilerolands(1988),pp A3/1−19)に挿入して利用することにより達成する。pGA482に基づく構築物のアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株AGL0への導入は、凍結及び乾燥方法(Ebert et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 84:5745−5749(1987))を利用して行う。プラスミドを、形質転換されたアグロバクテリウム・チュメファシエンスから単離し、様々な制限酵素により消化し、そしてアガロースゲル電気泳動を利用して分析することにより形質転換を確認する。真菌の形質転換は、Groot et al.(Nat.Biotechnol.18:839−42(1998)に記載されたとおりに実施する。少なくとも15の独立の形質転換された真菌が選択され、そして250μg/mlのハイグロマイシン及び250μg/mlのセフォタキシンを各々のトランスジェニック事象に関して含む寒天最小培地上で生育させる。
実施例2:アンチセンス発現を用いた形態の促進
以下の一つ:Balu−42(SEQ ID NO.:4);Brsa(SEQ ID NO.:6);Brsa−118(SEQ ID NO.:18);Arsa−7(SEQ ID NO.:22);A−37(SEQ ID NO.:26);及びA−90(SEQ ID NO.:28)に相補なポリヌクレオチド配列を含むように、個々のトランス遺伝子発現ベクターを構築する。相補配列を、アスペルギルス・ニジュランスのホスホグリセラルデヒドロゲナーゼ(gpdA)プロモーター及びアスペルギルス・ニジュランスのtrpCターミネーターの制御下にてアンチセンス配置にて上記ベクター中に取り込む。構築されたベクターを別個に、アグロバクテリウム・チュメファシエンス媒介形質転換を利用してアスペルギルス・ニガーに導入する。アンチセンス配列を取り込まない二元ベクターの形質転換により対照のアスペルギルス・ニガーを用意する。
図25を参照すると、同一条件下で培養された対照のアスペルギルス・ニガーとの比較において、アンチセンスBrsa−42,Brsa−25及びBra−118(右)を発現するトランスジェニックなアスペルギルス・ニガーにおいて沈殿形態の促進を示す。図26は、同一条件下で培養された対照のアスペルギルス・ニガーとの比較において、アンチセンスArsa−7,A−37及びA−90(右)を発現するトランスジェニックなアスペルギルス・ニガーにおいて繊維状形態の促進を示す。
実施例3:形態増強されたバイオ生産
アンチセンス相補Balu−42(株2805)又はBrsa−118(株2808)を含むトランスジェニックなアスペルギルス・ニガーを実施例1のとおりに調製する。各株の複数の別個の形質転換された培養物及び複数の対照培養物(上記のとおりに調製)を30℃において約50時間生育させた。図26を参照すると、パネルAは、形質転換された株2805(Balu−42)及び2808(Brsa−118)の個々の培養物及び対照のアスペルギルス・ニガーのクエン酸の生産を示す。パネルBは、対照の培養物に比較した、株2805及び2808の培養物の平均のクエン酸の生産を示す。
結果は、本発明の方法及び配列を利用することにより真菌において形態を促進することが可能なことを示す。発明の方法論による形態の促進は、蛋白質の生産を増強するため、及び/又は、トランスジェニックな真菌を利用するバイオプロセスを増強するために、使用することができる。
規則に従い、発明は多かれ少なかれ構造上の特徴及び方法論上の特徴に特異な用語にて記載されてきた。しかしながら、示され且つ記載された特定の特徴に発明を限定されるべきではなく、何故ならば、本明細書に開示された手段は発明を有効にするのに好ましい形態を含むからである。発明は、よって、均等の原理に従い適切に解釈された請求の範囲の正確な範囲内でその形態又は修飾の何れかにて請求される。
本発明の好ましい態様は以下において以下の図面を参照することにより記載される。
図1は、SEQ ID NO:1に示されたBalu−4のcDNA配列に相当する天然A.niger遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図2は、アスペルギルス・ニガーのBalu−4の演繹されるアミノ酸配列、SEQ ID NO.:2(上の配列)と、エメリセラ・ニジュランスのG−プロテインのベータサブユニットのアミノ酸配列、SEQ ID NO.:3(下の配列)、のアラインメント及び比較を示す。 図3は、SEQ ID NO:4に示されたBalu−42のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図4は、SEQ ID NO:6に示されたBrsa−25のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図5は、SEQ ID NO:8に示されたBrsa−43のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図6は、アスペルギルス・ニガーのBrsa−43の演繹されるアミノ酸配列、SEQ ID NO.:10(上の配列)と、ホモ・サピエンスのリソソームペプスタチン非感受性プロテアーゼのアミノ酸配列、SEQ ID NO.:11(下の配列)、のアラインメント及び比較を示す。 図7は、SEQ ID NO:12に示されたBrsa−47のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図8は、アスペルギルス・ニガーのBrsa−47の演繹されるアミノ酸配列、SEQ ID NO.:14(上の配列)と、セサマム・インディカムのミオ−イノシトール1−リン酸合成酵素のアミノ酸配列、SEQ ID NO.:15(下の配列)、のアラインメント及び比較を示す。 図9は、SEQ ID NO:16に示されたBrsa−109のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図10は、SEQ ID NO:18に示されたBrsa−118のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図11は、アスペルギルス・ニガーのBrsa−118の演繹されるアミノ酸配列、SEQ ID NO.:20(上の配列)と、セサマム・インディカムのミオ−イノシトール1−リン酸合成酵素のアミノ酸配列、SEQ ID NO.:21(下の配列)、のアラインメント及び比較を示す。 図12は、SEQ ID NO:22に示されたArsa−7のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図13は、SEQ ID NO:24に示されたArsa−48のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図14は、SEQ ID NO:26に示されたA−37のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図15は、SEQ ID NO:28に示されたA−90のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図16は、SEQ ID NO:33に示されたArsa−43のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図17は、アスペルギルス・ニガーのArsa−43の演繹されるアミノ酸配列、SEQ ID NO.:34(上の配列)と、アスペルギルス・ニジュランスのポリユビキチン蛋白質のアミノ酸配列、SEQ ID NO.:35(下の配列)、のアラインメント及び比較を示す。 図18は、SEQ ID NO:36に示されたArsa−10のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図19は、SEQ ID NO:37に示されたArsa−27のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。レーン1、2及び3は沈殿物の形態の転写レベルを反映する。繊維状形態の転写レベルは、繊維状形態を誘導してから20分後(レーン4)、40分後(レーン5)及び120分後(レーン6)を示す。 図20は、Balu−4,Brsa−25,Brsa−43,Brsa−47,Brsa−109,及びBrsa−118遺伝子の各々に関して、天然のアスペルギルス・ニガーの沈殿形態(左)に比較した、繊維状形態(右)の増強された発現レベルの比較を示す。 図21は、Arsa−7,Arsa−10,Arsa−27,A−27,Arsa−43及びA−90遺伝子の各々に関して、天然のアスペルギルス・ニガーの沈殿形態(左)に比較した、繊維状形態(右)の増強された発現レベルの比較を示す。 図22は、それぞれ、SEQ ID NOs.:1,4,6,12,16及び18に示されるBalu−4,Balu−42,Brsa−25,Brsa−47,Brsas−109,及びBrsa−118のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。パネル(A)は、10ppb Mn2+中で生育させた天然アスペルギルス・ニガー遺伝子(沈殿形態)中の14時間(レーン1)、24時間(レーン2)、48時間(レーン3)、72時間(レーン4)、96時間(レーン5)及び120時間(レーン6)における転写レベルを示す。パネル(B)は、1000ppb Mn2+中で生育させた天然アスペルギルス・ニガー遺伝子(繊維状形態)中の1時間(レーン1)、2時間(レーン2)、24時間(レーン3)、36時間(レーン4)、72時間(レーン5)及び108時間(レーン6)における転写レベルを示す。 図23は、それぞれ、SEQ ID NOs.:22,24,26及び28に示されるArsa−7,A−37,Arsa−48,及びArsa−90のcDNA配列に相当する天然アスペルギルス・ニガー遺伝子の転写レベルのノーザンブロット分析の結果を示す。パネル(A)は、10ppb Mn2+中で生育させた天然アスペルギルス・ニガー遺伝子(沈殿形態)中の14時間(レーン1)、24時間(レーン2)、48時間(レーン3)、72時間(レーン4)、96時間(レーン5)及び120時間(レーン6)における転写レベルを示す。パネル(B)は、1000ppb Mn2+中で生育させた天然アスペルギルス・ニガー遺伝子(繊維状形態)中の1時間(レーン1)、2時間(レーン2)、24時間(レーン3)、36時間(レーン4)、72時間(レーン5)及び108時間(レーン6)における転写レベルを示す。 図24は、本発明の特定の側面を例示するフローチャートダイアグラムである。 図25は、Balu−42(パネルA)、Brsa−25(パネルB)及びBrsa−118(パネルC)に相補なアンチセンスに配列されたポリヌクレオチド配列により形質転換されたアスペルギルス・ニガーの抑圧の結果を示す。各パネルは、15ppbのMn2+培地中で生育された、対照のアスペルギルス・ニガー(左)及び対応するアンチセンスDNA構築物を含む形質転換されたアスペルギルス・ニガー(右)の形態を比較する。 図26は、Arsa−7(パネルA)、A−37(パネルB)及びA−90(パネルC)に相補なアンチセンスに配列されたポリヌクレオチド配列により形質転換されたアスペルギルス・ニガーの抑圧の結果を示す。各パネルは、12ppbのMn2+培地中で生育された、対照のアスペルギルス・ニガー(左)及び形質転換されたアスペルギルス・ニガー(右)の形態を比較する。 図27は、対照のアスペルギルス・ニガー及びBalu−42(株2805)に相補又はBrsa−118(株2808)に相補なアンチセンスに配列されたポリヌクレオチド配列を含む形質転換されたアスペルギルス・ニガーのクエン酸の生産を示す。パネル(A)は、個々の形質転換実験の測定されたクエン酸の生産を示す。パネル(B)はパネル(A)において描写されたデータの平均化された値を示す。

Claims (6)

  1. 真菌において形態を促進させる方法であって、
    繊維状形態を呈する天然の真菌に比較して沈殿形態を呈する天然真菌において特異に発現される遺伝子コード領域に相補なアンチセンス配置の配列を含む組換えポリヌクレオチド配列を用意するが、上記相補配列はSEQ ID NO:26の全体に対して相補性であり;
    アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)を当該組換えポリヌクレオチドにより形質転換し;
    アンチセンス配置の配列を転写することにより遺伝子コード配列転写産物にハイブリダイズするのに十分な長さの転写産物を生成させて翻訳を遮断し;そして
    組換えポリヌクレオチドの発現により生成される転写産物を利用して遺伝子コード領域の発現を抑圧するが、当該抑圧はその天然形態の真菌により予測され得る沈殿形態を促進すること
    を含む方法。
  2. 真菌を利用したバイオプロセスを増強する方法であって、
    プロモーターに作動可能に連結された、SEQ ID NO:26の全体に対して相補性のポリヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチド分子によりアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)を形質転換することにより生成された形質転換真菌を用意するが、ポリヌクレオチド配列はアンチセンス配置であり;
    ポリヌクレオチド配列を転写することによりポリヌクレオチド転写物を生成し;そして
    当該転写物をmRNAにハイブリダイズさせることにより遺伝子発現を抑圧し、かつ沈殿形態を促進させるが、当該沈殿形態は、形質転換された真菌の繊維状形態を利用するバイオプロセスに比較して、バイオプロセスを増強し、そしてバイオプロセスはクエン酸の生産を含むこと
    を含む方法。
  3. 真菌において形態を促進させる方法であって、
    繊維状形態を呈する天然の真菌に比較して沈殿形態を呈する天然真菌において特異に発現される遺伝子コード領域に相補なアンチセンス配置の配列を含む組換えポリヌクレオチド配列を用意するが、上記相補配列はSEQ ID NO:1、6、8、12、16、18、22、24、28、33、36及び37の何れか一つの全体に対して相補性であり;
    アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)を当該組換えポリヌクレオチドにより形質転換し;
    アンチセンス配置の配列を転写することにより遺伝子コード配列転写産物にハイブリダイズするのに十分な長さの転写産物を生成させて翻訳を遮断し;そして
    組換えポリヌクレオチドの発現により生成される転写産物を利用して遺伝子コード領域の発現を抑圧するが、当該抑圧はその天然形態の真菌により予測され得る沈殿形態を促進すること
    を含む方法。
  4. 真菌を利用したバイオプロセスを増強する方法であって、
    プロモーターに作動可能に連結された、SEQ ID NO:1、6、8、12、16、18、22、24、28、33、36及び37の何れか一つの全体に対して相補性のポリヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチド分子によりアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)を形質転換することにより生成された形質転換真菌を用意するが、ポリヌクレオチド配列はアンチセンス配置であり;
    ポリヌクレオチド配列を転写することによりポリヌクレオチド転写物を生成し;そして
    当該転写物をmRNAにハイブリダイズさせることにより遺伝子発現を抑圧し、かつ沈殿形態又は繊維状形態を促進させるが、促進された形態は、形質転換された真菌の相対する繊維状形態又は沈殿形態を利用するバイオプロセスに比較して、バイオプロセスを増強すること
    を含む方法。
  5. 促進される形態が繊維状形態である、請求項4記載の方法。
  6. 促進される形態が沈殿形態である、請求項4記載の方法。
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