JP4809296B2 - 動画像符号化装置及び動画像復号装置 - Google Patents
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pmvx = median( mv1x, mv2x, mv3x )
pmvy = median( mv1y, mv2y, mv3y )
dmvx = mvx - pmvx
dmvy = mvy - pmvy
ここでmedian(A,B,C)はA、B、Cのメジアンを表し、3近傍ブロックの動きベクトルのメジアンを予測ベクトルpmvとして用いる。
(条件1) abs(mv1x-mv2x) > TH1 かつ
abs(mv1x-mv3x) > TH1 かつ
abs(mv2x-mv3x) > TH1
(条件2) abs(mv1y-mv2y) > TH1 かつ
abs(mv1y-mv3y) > TH1 かつ
abs(mv2y-mv3y) > TH1
ここでTH1は予め定められた閾値である。
また特許文献2に記載の技術の場合、符号化ブロックの近傍ブロックの動きベクトルが一様か否かで、予測ベクトルの精度を推定し、可変長符号表を切り替えることで差分ベクトルの符号化効率を高める。
しかしながら、近傍ブロックの動きベクトルの乱雑さを指標とするため、各動きベクトルの絶対値は小さくても方向がばらばらであれば、前述の条件1および2を満たすことがある。また動きベクトルの精度はどちらの可変長符号表を用いても同じ(0.5画素精度)であるため、動きベクトルの大きさに応じて精度を変更しておらず、視覚特性を利用した符号量削減は行っていない。
また本発明によれば、動きベクトルを複数段階に分けて符号化・復号することで、動きベクトルの精度の変更をより正確に行うことができる。
さらに本発明によれば、動きベクトルと差分ベクトルの符号化に必要な符号量に基づいて符号化対象を切り替えることで、効率のよい符号化・復号が可能となる。
図1は、本発明の実施例1に係る動画像符号化装置の構成例を示すブロック図で、図中、10は動画像符号化装置を示す。図中、動画像符号化装置10は、入力画像とピクチャ内あるいはピクチャ間予測画像(予測ブロック)との差分値(予測誤差データ)を計算する予測誤差計算部11と、予測誤差データを直交変換する直交変換部12と、予測誤差データの直交変換係数を量子化する量子化部13と、量子化係数,差分ベクトル等の符号化に必要な情報を可変長符号化する可変長符号化部14と、量子化係数を逆量子化する逆量子化部15と、逆量子化された直交変換係数を逆直交変換する逆直交変換部16と、逆直交変換された予測誤差データとピクチャ内あるいはピクチャ間予測ブロックとを加算する加算部17と、加算部17から出力される復号画像を格納するフレームメモリ18と、ピクチャ間予測ブロックを作成する動き補償部19と、ピクチャ内予測ブロックを作成するピクチャ内予測部20と、符号化ブロックに対応する参照ピクチャ内の予測ブロックを探索し、両者の位置関係を動きベクトルとして計算する動き検出部21と、動き補償部19あるいはピクチャ内予測部20で求めた予測ブロックのうち一方を選択する予測モード選択部22と、動きベクトルから差分ベクトルを計算する差分ベクトル計算部23とで構成される。
pmvx = median( mv1x, mv2x, mv3x ) …式(1)
pmvy = median( mv1y, mv2y, mv3y ) …式(2)
dmvx = mvx - pmvx …式(3)
dmvy = mvy - pmvy …式(4)
図3(A)は従来技術と等価な処理の場合であり、差分ベクトルの入力値dmvinと出力値dmvoutは同じである。これに対応する可変長符号と差分ベクトルの値を、図4の符号と“従来技術dmvout”の列に示す。
図3(B)は本発明の処理の一例を表し、図5に示す精度変更処理を施したときの差分ベクトルの入力値dmvinと出力値dmvoutの関係を示す。なお図5において、floor(x)は、xを超えない最大の整数を表す。
図3においては、差分ベクトルの精度を変更する指標を差分ベクトルの入力値dmvinとしたが、これを予測ベクトルpmvとすることも可能である。つまり予測ベクトルpmvの水平方向および垂直方向成分の値をもとに、差分ベクトルdmvoutの精度を変更する。図7に予測ベクトルpmvと精度を変更した差分ベクトルdmvout、および精度の関係の一例を示す。ここでpmvは予測ベクトルpmvの水平方向成分pmvxあるいは垂直方向成分pmvyを表す。
本発明の実施例2について以下に説明する。
図9は、本発明の実施例2に係る差分ベクトル計算部23の構成例を示すブロック図である。この差分ベクトル計算部23以外の構成要素は実施例1と同じである。ここで予測ベクトル計算部231、差分計算部232a、およびベクトル精度変更部233aは、図2に示した予測ベクトル計算部231、差分計算部232、およびベクトル精度変更部233と同じものなので、説明を省略する。以降では、ベクトル精度変更部233aは実施例1で説明した方法のうち、予測ベクトルを指標として差分ベクトルの精度を変更する方法(可変長符号表は図8に対応)に基づいて説明する。差分計算部232bでは、ベクトル精度変更部233aで精度を変更した差分ベクトルdmvoutと予測ベクトルpmvから動きベクトルmv’を下記式から復元する。
mv’ = pmv + dmvout …式(5)
dmv2 = mv - mv’ …式(6)
図14は、本発明の実施例3に係る動画像符号化装置の構成例を示すブロック図で、図中、30は動画像符号化装置を示す。動画像符号化装置30が備える予測誤差計算部31、直交変換部32、量子化部33、可変長符号化部34、逆量子化部35、逆直交変換部36、加算部37、フレームメモリ38、動き補償部39、ピクチャ内予測部40、動き検出部41、及び予測モード選択部42は、図1に示した予測誤差計算部11、直交変換部12、量子化部13、可変長符号化部14、逆量子化部15、逆直交変換部16、加算部17、フレームメモリ18、動き補償部19、ピクチャ内予測部20、動き検出部21、予測モード選択部22と同じ構成要素であるため、説明は省略する。
図15に示す予測ベクトル計算部431,差分計算部432は、図2に示した予測ベクトル計算部231、差分計算部232と同じ構成であるため、説明を省略する。ベクトル符号化方法判定部433は、予測ベクトル計算部431、差分計算部432で計算した予測ベクトルpmvと差分ベクトルdmvを用いて、可変長符号化部34で動きベクトルmvを符号化するか、差分ベクトルdmvを符号化するかを決定する。
図17のB1,B2では、予測ベクトルpmvが閾値THC以下なので、従来技術と同様、差分ベクトルdmvを符号化する。一方、A1,A2では、予測ベクトルpmvが閾値THCより大きいので、各々動きベクトルmvと差分ベクトルdmvの符号量を比較し、1ビットのフラグと符号量の小さいベクトル、A1では動きベクトルmv、A2では差分ベクトルdmvを可変長符号化部34に出力する。
またmv、dmvの可変長符号化においては、実施例1(図4の本発明、図8)あるいは実施例2の方法(図8、図12)を用いることにより、さらに符号化効率を高めることができる。
図18は、本発明の実施例4に係る動画像復号装置の構成例を示すブロック図で、図中、50は動画像復号装置を示す。本例の動画像復号装置50は実施例1の復号側を説明するものである。図中、逆量子化部52、逆直交変換部53、加算部54、ピクチャ内予測部55、動き補償部56、フレームメモリ58は、図1に示した逆量子化部15、逆直交変換部16、加算部17、ピクチャ内予測部20、動き補償部19、フレームメモリ18と同じ構成要素であるため、説明は省略する。
可変長復号部51では、差分ベクトルdmvを図4あるいは図8を用いて復号する。動画像符号化装置がdmvの絶対値をもとに差分ベクトルdmvoutを計算した場合は、図4を用いて差分ベクトルを復号し、これを動きベクトル計算部57で予測ベクトルpmvと加算することによって、動きベクトルmv’を計算する。この動きベクトルmv’は動き補償部56で予測ブロックを作成するために使用される。
動画像符号化装置が予測ベクトルpmvの絶対値をもとに差分ベクトルdmvoutを求めた場合は、図8を用いて差分ベクトルを復号し、これを動きベクトル計算部57で予測ベクトルpmvと加算することによって、動きベクトルmv’を計算する。ここでは、図7に示す予測ベクトルpmvの絶対値に応じて、図8のケース1〜4の中から適切な差分ベクトルdmvoutを復号しなければならない。この動きベクトルmv’は動き補償部56で予測画像を作成するために使用される。
本発明の実施例5は本発明の実施例2の復号側を説明するものである。
前述の図18は実施例5の動画像復号装置を説明するためのブロック図でもあり、動きベクトル計算部57の一例を図19に基づいて説明する。
図19において、動きベクトル計算部57は、予測ベクトル計算部571、ベクトル計算部572a,572b、及び判定部573を備える。予測ベクトル計算部571は図2の予測ベクトル計算部231と同じ構成要素であるため、説明を省略する。ベクトル計算部572aは、下式に示すように、可変長復号部51で復号した差分ベクトルdmvを予測ベクトル計算部571で求めた予測ベクトルpmvと加算して、動きベクトルmv’を計算する。なお、可変長復号部51では、実施例2と同じく図8に示す可変長符号表を用いるものとする。
mv’ = pmv + dmv …式(7)
abs(pmv) ≦ THA1 …式(8)
を満たす場合は、追加の差分ベクトルの復号は行わず、動きベクトルmv’が動きベクトル計算部57の出力となる。そうでない場合、ベクトル計算部572aで計算した動きベクトルmv’とあらかじめ定められた閾値THB3を比較し、
abs(mv’) ≦ THB3 …式(9)
を満たす場合は、可変長復号部51に追加の差分データdmv2の復号を要求する(この要求は図18に図示されていない)。上記式を満たさない場合、動きベクトルmv’が動きベクトル計算部57の出力となる。ここでTHB3は実施例2と同じ値を用いる。
mv’’ = mv’ + dmv2 …式(10)
本発明の実施例6は実施例3の復号側を説明するためのものである。
前述の図18は実施例6の動画像復号装置を説明するためのブロック図でもあり、動きベクトル計算部57の一例を図21に基づいて説明する。
図21において、予測ベクトル計算部571は図15の予測ベクトル計算部431と同じ構成であるため、説明を省略する。復号方法判定部574は予測ベクトル計算部571で求めた予測ベクトルpmvに基づいて、動きベクトルの復号方法を判定する。予測ベクトルpmvの絶対値があらかじめ定められた閾値THC以下の場合、可変長復号部51に対し、差分ベクトルdmvを復号するよう要求を出す(ケース6−1)。また、予測ベクトルpmvの絶対値があらかじめ定められた閾値THCより大きい場合、可変長復号部51に対し、1ビットのフラグflgと差分ベクトルdmvを復号するよう要求を出す(ケース6−2)(これらの要求は図18には図示されていない)。なおTHCは実施例3と同じ値を用いる。
mv’ = pmv + dmv …式(11)
mv’ = dmv …式(12)
また、フラグflgが“0”であれば、予測ベクトルpmvと差分ベクトルdmvを加算して動きベクトルmv’を計算する。
mv’ = pmv + dmv …式(13)
すなわち、ステップS43は上記ケース6−1の場合、また、ステップS44〜S46は上記ケース6−2の場合におけるベクトル計算部572の動作である。これらの処理を行うことで、差分ベクトルの符号量が大きいと予想される予測ベクトルの大きい場合に、動きベクトルと差分ベクトルのうち符号量の小さい方を選択することで符号量を削減する実施例3の符号化データを復号することができる。
またmv、dmvを実施例1あるいは実施例2の方法を用いて可変長符号化した場合、復号側でこれに対応する実施例4あるいは実施例5の方法で復号することで、さらに高効率の符号化データを可変長復号することができる。
Claims (8)
- 動画像の各ピクチャを分割したブロック単位で動きベクトルを検出して符号化する動画像符号化装置であって、
符号化対象ブロックの近傍ブロックの動きベクトルから予測ベクトルを計算する予測ベクトル計算手段と、前記動きベクトルと前記予測ベクトルから差分ベクトルを計算する差分計算手段と、該差分ベクトルの精度を変更するベクトル精度変更手段と、該精度を変更した差分ベクトルを可変長符号化する可変長符号化手段とを備え、
前記ベクトル精度変更手段は、前記予測ベクトルの値と予め定められた閾値とを比較し、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた閾値以下の場合、前記差分ベクトルの精度を細かくし、また、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた閾値より大きい場合、前記差分ベクトルの精度を粗くするように変更し、
前記可変長符号化手段は、前記ベクトル精度変更手段により精度を変更した差分ベクトルを符号化するための可変長符号表を備えたことを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1に記載に動画像符号化装置において、前記差分計算手段は、第1の差分計算手段と第2の差分計算手段で構成され、前記ベクトル精度変更手段は、第1のベクトル精度変更手段と第2のベクトル精度変更手段で構成され、
前記第1の差分計算手段は、前記符号化対象ブロックの第1の動きベクトルと前記予測ベクトルから第1の差分ベクトルを計算し、
前記第1のベクトル精度変更手段は、前記予測ベクトルの値と予め定められた第1の閾値とを比較し、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた第1の閾値以下の場合、前記第1の差分ベクトルの精度を細かくし、また、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた第1の閾値より大きい場合、前記第1の差分ベクトルの精度を粗くするように変更し、
前記第2の差分計算手段は、前記第1のベクトル精度変更手段により精度を変更した第1の差分ベクトルと前記予測ベクトルを加算して第2の動きベクトルを計算し、該第2の動きベクトルと前記第1の動きベクトルから第2の差分ベクトルを計算し、
前記第2のベクトル精度変更手段は、前記第2の動きベクトルと予め定められた第2の閾値とを比較し、前記第2の動きベクトルの値が前記予め定められた第2の閾値以下の場合、前記第2の差分ベクトルの精度を前記第1の差分ベクトルの精度よりも細かくするように変更し、
前記可変長符号化手段は、前記第1の差分ベクトルと前記第2の差分ベクトルを符号化するための可変長符号表を備えたことを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項1に記載の動画像符号化装置において、前記動きベクトルと前記差分ベクトルの符号化に必要な符号量を計算する手段と、前記動きベクトルと前記差分ベクトルのいずれを符号化するか選択する選択手段とを備え、
前記選択手段は、前記予測ベクトルと予め定められた閾値とを比較し、前記予測ベクトルが閾値以下の場合には前記差分ベクトルの符号化を選択し、前記予測ベクトルが閾値より大きい場合には前記動きベクトルの符号量と前記差分ベクトルの符号量の比較結果に基づいて選択結果を示すフラグを付加し、
前記可変長符号化手段は、前記選択手段で選択された差分ベクトルあるいは動きベクトルを可変長符号化することを特徴とする動画像符号化装置。 - 請求項3に記載の動画像符号化装置において、前記選択手段は、前記予測ベクトルが閾値より大きい場合、前記動きベクトルの符号量が前記差分ベクトルの符号量以下であれば、前記動きベクトルの符号化を選択し、一方、前記動きベクトルの符号量が前記差分ベクトルの符号量より大きければ、前記差分ベクトルの符号化を選択することを特徴とする動画像符号化装置。
- 動画像の各ピクチャを分割したブロック単位で動きベクトルを復号する動画像復号装置であって、
可変長符号化され且つ精度が変更された差分ベクトルを復号する可変長復号手段と、復号対象ブロックの近傍ブロックの動きベクトルから予測ベクトルを計算する予測ベクトル計算手段と、前記差分ベクトルと前記予測ベクトルから前記復号対象ブロックの動きベクトルを計算する動きベクトル計算手段とを備え、
前記可変長符号化され且つ精度が変更された差分ベクトルは、予測ベクトルの値と予め定められた閾値とを比較し、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた閾値以下の場合、前記差分ベクトルの精度を細かくし、また、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた閾値より大きい場合、前記差分ベクトルの精度を粗くするように変更されたものであり、
前記可変長復号手段は、前記可変長符号化され且つ精度が変更された差分ベクトルを復号するための可変長符号表を備えたことを特徴とする動画像復号装置。 - 請求項5に記載の動画像復号装置において、前記動きベクトル計算手段は、前記可変長復号手段で復号した第1の差分ベクトルと予測ベクトルを加算し、前記復号対象ブロックの第1の動きベクトルを計算する第1のベクトル計算手段と、前記予測ベクトルの値と予め定められた第1の閾値とを比較し、前記予測ベクトルの値が前記予め定められた第1の閾値より大きい場合、前記第1の動きベクトルと予め定められた第2の閾値とを比較し、前記第1の動きベクトルが前記予め定められた第2の閾値以下の場合、第2の差分ベクトルの復号が必要と判定し、前記可変長復号手段に対し前記第2の差分ベクトルの復号を要求する判定手段と、前記第2の差分ベクトルが復号された場合、前記第1の動きベクトルと前記第2の差分ベクトルを加算して第2の動きベクトルを計算する第2のベクトル計算手段とを備え、
前記可変長復号手段は、前記第1の差分ベクトルおよび前記第2の差分ベクトルを復号するための可変長符号表を備えたことを特徴とする動画像復号装置。 - 請求項5に記載の動画像復号装置において、前記動きベクトル計算手段は、前記予測ベクトルと予め定められた閾値とを比較し、前記予測ベクトルが閾値以下の場合には前記可変長復号手段に前記差分ベクトルの復号を要求し、前記予測ベクトルが閾値よりも大きい場合には前記可変長復号手段に対して、前記差分ベクトルあるいは前記動きベクトルを示すフラグと前記差分ベクトルの復号を要求し、
前記可変長復号手段は、前記フラグおよび前記差分ベクトルを復号することを特徴とする動画像復号装置。 - 請求項7に記載の動画像復号装置において、前記動きベクトル計算手段は、前記予測ベクトルが閾値以下の場合、前記差分ベクトルに基づいて前記復号対象ブロックの動きベクトルを計算し、一方、前記フラグが前記差分ベクトルを示す場合、前記復号対象ブロックの動きベクトルを計算し、前記フラグが前記動きベクトルを示す場合、前記差分ベクトルを前記復号対象ブロックの動きベクトルとすることを特徴とする動画像復号装置。
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