JP4804177B2 - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されている光学素子、およびその製造方法に関する。
本発明は屈折率分布を利用する光学素子(例えば、レンズ、プリズム、ミラー、フィルター等)に特に制限なく適用可能であるが、説明の便宜上、以下では光学素子の典型的な態様の一つである「レンズ」に関する背景技術について、主に説明する。
レンズは集光・拡散機能を有し、最も広く使われている光学素子の一つである。
近年、いわゆる軽薄短小の一般的な傾向に沿って、光学分野においても、デバイスの小型軽量化が望まれている。このため、例えば、マイクロメーター(μm)オーダーのレンズが注目されており、このようなレンズの作製方法が数多く報告されている。
このような注目技術の一つに、液晶材料を用いる方法が挙げられる。液晶材料を用いた場合には、液晶分子の配向を精密に制御することにより、マイクロレンズ作製に応用することができるからである。
マイクロレンズ作製に関しては、特に、光ピックアップ、光通信機器等に使用すべきμmオーダーのマイクロレンズや、それらを周期的に配列したマイクロレンズアレイが注目されており、数多くの作製方法が提案されている。例えば、佐藤ら(Masuda、S.;Fujioka、S.;Honma、m.;Nose、T.;Sato、S.Jpn.J.Appl.Phys.1996、35、4668;非特許文献1)は液晶材料と不均一電界を用いることにより、開口数の大きな焦点可変型平板マイクロレンズの作製に成功している。
しかしながら、喩えレンズ等の光学素子に適した液晶分子の配向が得られたとしても、このような「好ましい分子の配向」は一時的なものであり、電界等のエネルギーの供給が無くなると、次第に元の分布に戻ってしまっていた。上記液晶分子の配向に関連する種々の現象の詳細は、非特許文献2〜4に記載されている。
Masuda、S.; Fujioka、S.;Honma、m.; Nose、T.; Sato、S. Jpn. J. Appl. Phys. 1996,35,4668 Zhang、 H. et al. Adv. Mater. 2000,12,1336. Yaegashi、 M. et al. Chem. Mater. 2005,17,4304. Nose、 T.; Sato、 S. Liq. Cryst. 1989,5,1425.
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消することが可能な光学素子、およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されている光学素子、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、液晶材料と、色素とを少なくとも含み、且つ重合性を有する組成物に光照射して、該光照射に基づき液晶分子を配向させることが、上記目的の達成のために極めて効果的なことを見出した。
本発明の光学素子は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、少なくとも液晶材料と色素とを含む光学素子であって、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されていることを特徴とするものである。
電界を用いる場合においては、下記の特徴がある。
(1)液晶の誘電率異方性と電場との相互作用により配向が変化する。
(2)誘電率異方性材料が必須である。
(3)電極を用いるため所望のレンズを作製するには、予めパターニングが必須である。
(4)偏光レンズを作製するためには、配向膜が必須である。
他方、光を用いる光学素子の作製においては、下記の特徴がある。
(1)光照射に基づき色素の配向変化による系全体(液晶)の配向が変化する。
(2)光物理配向する色素が必須である。
(3)照射光源の偏光方向を任意の方向に変えるだけで、所望の偏光レンズを作製可能である。
(4)光を用いるので遠隔から非接触的にレンズを作製できる。
したがって、光照射を用いる場合にはプロセスの工程数を簡便化できるだけでなく、容易に偏光レンズアレイ等の光学素子の作製が可能である。
上述したように本発明によれば、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されている光学素子、およびその製造方法が提供される。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(光学素子)
本発明の光学素子は、少なくとも液晶材料と色素とを含む光学素子であって、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されていることが特徴である。
(色素)
光照射に基づく配向が可能である限り、色素の種類は特に制限されない。このような光照射に基づく配向が可能な色素としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(好適な例)
ターチオフェン系液晶性共役色素。例えば下記式に示すものが挙げられる。
(液晶材料)
光照射に基づく色素分子の配向に基づき、該色素分子周囲の液晶分子が配向可能であり限り、液晶材料の種類は特に制限されない。このような光照射に基づく配向が可能な液晶材料としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(好適な例)
(屈折率分布)
本発明の光学素子は、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されている。この場合の液晶分子の配向のメカニズムは、光学素子に好適な配向が得られる限り、特に制限されない。
(屈折率分布の固定化)
本発明の光学素子においては、上記した屈折率分布が固定化されている。この固定化は、該光学素子の作製時のポリマー形成によって得ることができるが、その該ポリマー形成のメカニズムは特に制限されない。ポリマー形成に寄与すべき重合性材料は、上記した色素および/又は液晶材料自体が重合性を有していてもよく、また、色素ないし液晶材料とは別の重合性材料により、上記ポリマー形成が達成されてもよい。
(好適な一態様)
本発明の光学素子形成の好適な一態様として、後述する「実施例1」の系について詳細に説明する。
(色素分子の配向)
すなわち、この系においては、(特定の色素+ネマチック液晶分子+重合モノマー)の系に、レーザ光(偏光)を照射することにより、色素分子が光照射に応じて配向する。この場合、光が比較的に強い部分においては、セル(すなわち、ネマチック液晶材料の分子の層を挟む一対の基板)に平行に色素分子が配向し、他方、光が比較的に弱い部分においては、セルに垂直に色素分子が配向する。この結果、上記の光照射により、屈折率分布に基づくレンズ形状が形成される。本発明においては、このような屈折率分布に基づくレンズ形状の形成を基本とするが、必要に応じて、形状(例えば、凸レンズ等)のように、形状に基づく屈折率分布を組み合わせてもよい。
(液晶分子の配向)
上記した色素分子の配向の結果、色素分子の周囲に存在する液晶分子も、この色素分子の配向に「つられて」配向するようになる。すなわち、セルの中央に強い光を照射すると、そのセルの中央の屈折率が大となる。このようにして、内部屈折率分布に基づくレンズが形成される。本発明において内部屈折率分布に基づくレンズが形成される場合、該レンズ材料の厚さは一定であってもよい。
(屈折率分布の固定化)
上記したような色素分子(および液晶分子)の配向に基づく屈折率分布は、通常は一時的なものであって、配向の原因となった光照射が無くなると、次第に元の分布に戻る。本発明においては、光照射に基づく屈折率分布を固定することが特徴である。
(構成材料)
以下、本発明の光学素子を構成する(ないしは、その製造方法に使用する)各構成要素ないし材料に関して詳細に説明する。
(液晶分子+色素の組合せ)
本発明の製造方法においては、液晶材料と、色素とを少なくとも含み、且つ重合性を有する重合性組成物に光を照射することが特徴である。後述する実施例1の系においては、(ネマチック液晶分子+色素)+重合モノマー=本発明の新しい系である。液晶材料は、上述したように、ネマチック液晶材料には限定されない。
上述したように、本発明においては、ポリマー形成に寄与すべき重合性材料は、上記した色素および/又は液晶材料自体が重合性を有していてもよく、また、色素ないし液晶材料とは別の重合性材料により、上記ポリマー形成が達成されてもよい。
(重合性材料)
本発明において、色素ないし液晶材料とは別の重合性材料を使用する場合には、該重合性材料の種類、重合メカニズム、量比等は、目的とする光学素子の形成が可能である限り、特に制限されない。重合性材料は、重合性基を有することが必須であり、系全体(色素+液晶材料+重合性材料)として液晶性を有しているものであればとくに限定されない。本発明においては、重合性材料としては、下記のもの(例えばビニル基を有する化合物)が好適に使用可能である。
(好適な例)
(重合性組成物)
本発明において使用すべき重合性組成物においては、下記のような各要素の量比が好適に使用可能である。
液晶材料:100部(基準)
色素:0.0001〜10部(更には0.001〜1部)
重合性材料(使用する場合):1〜100部(更には5〜30部)
上述したように、本発明においては、液晶材料が重合性材料を兼ねてもよい。
(副材料ないし添加剤)
上記した以外に、必要に応じて、種々の副材料ないし添加剤を本発明において使用すべき重合性組成物に添加しても良い。このような副材料ないし添加剤としては、例えば、下記に示すようなものが挙げられる。
(好適な重合性組成物)
本発明において光学素子の形成に用いるべき重合性組成物は、例えば、以下のような性質を有していることが好ましい。
本発明においては、重合性組成物は、光照射時に、系全体(色素+液晶材料+重合性材料)で液晶を示すことが必須である。例えば、後述する実施例では、室温付近にネマチック液晶相を示すものを用いている。
上記系全体の液晶温度範囲は広ければ広いほど好ましい。取扱いの容易性の点からは室温(20℃)近くで液晶相を発現するものが好ましい(液晶相の種類は特に制限されない)。
より具体的には例えば−50〜50℃程度(更には−20〜40℃程度)で液晶相を発現するものが好ましい。後述する実施例においては、室温20℃でネマチック液晶相を発現するものを使用している。
液晶および相の同定に関しては、「液晶便覧」、第1〜448頁、液晶便覧編集委員会編(丸善、2000)を必要に応じて参考に参照することができる。
(形成された光学素子)
本発明により形成された光学素子(レンズ等)は、通常は、色素分子の配向に基づく異方性(すなわち、偏光性)を有する。すなわち、本発明により形成された光学素子は、通常は、偏光光学素子(例えば、偏光レンズ)となる。照射する光の偏光の向きを変えることにより、種々の偏光の向きを有する偏光光学素子の製造が可能である。本発明において、円偏光または無指向性の光を使用すれば、通常の「異方性が無い」光学素子を形成することも可能である。
(液晶分子の協同効果)
液晶分子は、通常は協同効果があるため、ある液晶分子が配向すれば、その周囲の液晶分子も配向する傾向がある。よって、重合性組成物に照射すべき光強度が強くなれば、液晶分子配向の範囲も広がる(すなわち、レンズ径等の光学素子の径も大きくなる)。
(好適な光学素子の形状)
本発明の光学素子は、その素子内部に屈折率分布を持つことから、該光学素子の表面が平坦な形状であっても、平凸レンズ、両凸レンズ、平凹レンズ、両凹レンズ、フレネルレンズ等のレンズの光学機能を有する光学素子とすることができる。本発明によれば、平坦な形状であっても、薄くて、焦点距離が短い光学素子を得ることができ、加工性、デザイン性の点で有用である。
また本発明の発光装置は、本発明の光学素子と発光素子とを有することを特徴とする。発光素子としては、有機EL素子、無機EL素子、化合物半導体発光素子が挙げられ、また発光色の観点では、白色LED、青色LED、赤色LED、緑色LED等が挙げられる。発光素子として有機EL素子を用いる場合、本発明の発光装置は、有機EL素子が発する光の全反射を抑制しつつ、効率的に外部に取出すことができ、好ましい態様である。本発明の発光装置において、光学素子は、発光素子の内部に存在していてもよいし、外部に配置されていてもよい。発光素子として、有機EL素子を用いる場合の発光装置の例を図1、図2に示す。
(好適な光学素子、光学素子アレイ)
本発明によれば、種々の光学素子を作成できる。本発明を発光装置の部材として使用する点からは、光学素子の直径は0.5μm〜3mmであることが好ましく、さらに好ましくは直径1μm〜0.5mmである。直径が0.5μmより小さいと、上記の光学機能が得られない場合があり、また3mmを超えると、得られる光学的な像が視野角に依存し、像が均一とならない場合がある。また、ある範囲に複数の光学素子を規則的に配置した態様、すなわち、光学素子アレイ(例えばレンズアレイ)の形態とする際にも、本発明は好適に適用可能である。該アレイ中の光学素子の集積度は1cm×1cmの範囲内に、10〜4×10個の光学素子が規則的に配置されていることが好ましく、さらに好ましくは400〜1×10個である。
(好適な光学素子の特性)
本発明の光学素子は、以下の(1)〜(3)の物性を有する場合が好ましい。
(1)全光線透過率
発光装置の部材として用いる場合、発光を効率的に外部に取出す観点で、全光線透過率が70%以上であることが好ましく、さらに好ましくは80%以上である。
(2)表面の平坦性
本発明の光学素子は、発光装置の部材として用いる観点から、光学素子の表面が平坦な形状であることが好ましく、表面が平坦な形状である度合いを示す中心線平均粗さ(Ra)が100nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50nm以下である。
(3)厚み
発光装置の部材として用いる場合、軽量かつコンパクトである点では、厚みは5mm以下が好ましく、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
(アルゴンイオンレーザー/水銀灯を用いるマイクロレンズ作製)
本実施例において用いた化合物を、図3に示す。
図3を参照して、ネマチック液晶材料(ホスト液晶材料)5CBに、類似した骨格を有するアクリレートモノマーA6CBおよび架橋剤(HDDAおよびHDDMA)を下記表1に示す割合(組成比)で混合し、液晶材料/モノマー混合物(13種類)を調製した。
なお、これ以後の記載においては、5CB:A6CB:架橋剤をX:Y:Zの組成比で混合したサンプルをX/Y/Zと表記する)。語尾につくAならびにMは重合基の種類を表し、それぞれアクリレート(HDDA)、メタクリレート(HDDA)を意味する。
上記した液晶材料/モノマー混合物のそれぞれに、オリゴチオフェンTD(ゲスト色素)を0.1mol%、光重合開始剤イルガキュア(Irgacure)184を0.5mol%添加し、垂直配向処理したセル厚60μmのセルに封入して測定サンプルとした(なお、上記表1中の「サンプルNo.84/12/4A」の透明点は28.3°Cであった)。
ここで用いた実験系を、図4の模式斜視図に示す。より詳しい光学系を、図5(a)のブロック図に示す。
図5(a)を参照して、集光したアルゴンイオンレーザーの波長488nmの水平偏光をサンプルに照射し、液晶材料の再配向を誘起した。サンプルを透過した光がスクリーン上に干渉模様を形成することを確認した後、高圧水銀灯の366nmの輝線を光強度0.5mW/cmで照射し、光重合を行った。
この図5(a)における、各記号の意味は、以下の通りである。
BS: ビームスプリッター
CF: カラーフィルター (505 nm以下を除く)
L: レンズ (f = 200、 60)
M: ミラー
ND: NDフィルター
P: 偏光板
PH: ピンホール
WP: 1/2波長版 (水平偏光)
上記手順によりマイクロレンズ作製できたか否かは、以下の方法にて判別した。
すなわち、図5(a)に示すように、プローブ光としてヘリウム―ネオンレーザーの波長633nmの水平偏光を用いた。このプローブ光を、アルゴンイオンレーザー光と同軸でサンプル中に入射し、サンプルを透過したプローブ光を遠方のスクリーンにて観察を行なった。
サンプルはこの波長領域に吸収帯を持たないため、ヘリウム―ネオンレーザー光をサンプルに入射してもマイクロレンズ作製に何も影響を与えない。したがって、より簡略化した光学系(図5(b))を使用した場合においても、マイクロレンズ作製は可能である。
アルゴンイオンレーザー光照射によりマイクロレンズが形成されると、スクリーン(図5(a)または図5(b))上には干渉模様が現れる。アルゴンイオンレーザー光照射を止めた10分後にその干渉模様を観察し、マイクロレンズが作製できたか否かを判別した。
実施例2
(光学的性質の確認)
サンプルに光照射をおこなうと、サンプルを透過した光はスクリーン上にこのような環状の干渉模様を形成する。形成された干渉模様を図6の写真に示す。
この環状の干渉模様は、液晶の再配向に基づき形成する屈折率勾配を光が透過することで現れる。すなわち、干渉縞が現れることは、液晶分子が再配向し、マイクロレンズを形成したことを示す。観察される干渉縞の数はこの式で表されるように、光により誘起された屈折率変調度、すなわちスポット中心と端の屈折率差に依存する(このような測定に関しては、必要に応じて、文献Durbin、 S. D. et al. Opt. Lett. 1981、6、411を参照することができる)。
Δn:屈折率差
N:リングの個数
d:セル厚さ
λ:レーザビームの波長
本発明ではこの干渉縞を光によって誘起された屈折率差の度合いとして評価した。干渉縞の数と光強度の関係を示す。マイクロレンズ形成には一定以上の光強度が必要であり、しきい値が存在することが判明した。光強度が8W/cm以下の領域においては、光強度に依存して干渉縞の数が大きく変化する、すなわち大きく屈折率差が変化していることを示している。一方、光強度の大きな領域では、その変化は小さくなった。
実施例3
(固定化されたことの確認)
マイクロレンズが形成されたときに紫外光照射を行い、光重合を試みた。5CBと色素のみからなるサンプルにおいてアルゴンイオンレーザー光照射を行い、レンズを形成させた後、紫外光を照射し、その後アルゴンイオンレーザー光、紫外光を切り、室温暗所で10分間放置した。そして再びしきい値以下の微弱なアルゴンイオンレーザー光照射したところ先の干渉縞は消失した(図7)。
これは配向緩和が起こり、初期状態に戻るためである。続いてモノマーを分散させたサンプルについても同様の操作を行い、再びしきい値以下の微弱なアルゴンイオンレーザー光を照射したところ、光照射を止める直前とほぼ同様の干渉縞が現れた。連続的な光照射なしでも同様の干渉縞が現れることから、光重合によりマイクロレンズを固定化できることが明らかとなった。
実施例4
(偏光性の確認)
図8に、得られたマイクロレンズの偏光顕微鏡写真を示す。アルゴンイオンレーザー光の強度に依存せず、偏波面に対して、偏光子・検光子がプラスマイナス45度となるとき明瞭なスポットが見られた。一方、偏光子・検光子が0度・90度となるとき、スポット上に暗視野が観察された。これは、アルゴンイオンレーザー光照射により誘起された一軸配向状態を保持したまま、マイクロレンズが固定化していることを示唆している。
実施例5
(光強度依存性の確認)
続いて、アルゴンイオンレーザー光の強度に対して、得られたマイクロレンズの直径をプロットし、光強度依存性を調べた(図9)。その結果、マイクロレンズの直径は光強度の増加に伴い大きくなることが判明した。これは、液晶のもつ性質の一つである、協同効果に基づき、光未照射部分においても配向変化が誘起されているためと考えている。
実施例6
(焦点距離の確認)
得られたマイクロレンズの焦点距離を、偏光顕微鏡ならびにCCDカメラを用いて測定した。焦点距離の光強度依存性を示す。光強度が8W/cm以下の領域においては光強度が大きくなるに従って、焦点距離が短くなることが判明した。一方光強度が8W/cm以上の領域においては光強度が大きくなるに従って、焦点距離が長くなることが判明した(図10)。液晶レンズの焦点距離はレンズの半径r、厚さd、および中心と端の屈折率差Δnに依存し、下記式のような関係で表される。
すなわち、レンズ半径が大きくなれば焦点距離が長くなり、屈折率差が大きくなれば焦点距離が短くなる。先にも述べたように、マイクロレンズの直径は光強度の増加によって大きくなる。一方屈折率差Δnすなわち、干渉縞の数は光強度が8W/cm以下の領域においてはわずかな光強度の差でも大きく変化する。したがって、ここの領域においては、レンズ径の増加分よりも屈折率差の増加分の寄与が大きいため、焦点距離が短くなると考えている。一方光強度の大きな領域においては、光強度に対して屈折率差の変化が小さいため、レンズ径の増加分の寄与が大きくなり焦点距離が長くなると考えている。
以上のように、色素ドープ液晶の光誘起再配向と光重合を組み合わせることによって、液晶の分子配向を損なうことなく固定化し、マイクロレンズを作製できることが明らかとなった。しかしながら、この方法では、光重合をサンプル全面に対しておこなうため、マイクロレンズ一つ得るには、サンプル一枚が必要となる。アルゴンイオンレーザー光の照射スポットのみで、レンズ形成と光重合を同時におこなうことができれば、簡便な方法で一つのサンプルに対して複数のマイクロレンズを作製でき、さらにマイクロレンズを自在に配置したマイクロレンズアレイへ展開できる。
実施例7
(液晶分子の再配向と光重合)
そこでアルゴンイオンレーザー光照射のみでマイクロレンズの作製を目指し、このような方法を試みた。先と同様の材料に、可視域にも吸収をもつ光重合開始剤イルガキュア369を0.5mol%加え、サンプルとした(図11)。同じ光学系を用い、光強度8.3W/cmで55秒間光照射した。光照射をやめ20分後に再び微弱な光を入射したところ、光照射を止める直前とほぼ同様の干渉縞が観察できた。これは、アルゴンイオンレーザー光照射に伴い、液晶の再配向と光重合が同時に起こる結果マイクロレンズ部分のみ固定化できるためと考えている。
実施例8
(マイクロレンズアレイの形成)
次に、55秒間の光照射およびサンプルの周期的な移動、この2つの操作を数回繰り返し、最後に一面に紫外光照射をして、残存する光重合開始剤をクエンチした。得られたサンプルを偏光顕微鏡で観察したところ、マイクロレンズが六方格子状に配列したマイクロレンズアレイが形成されていることが明らかとなった(図12)。また、偏光子・検光子を回転させると、45度おきに明・暗を示すことから、全てのマイクロレンズ内において液晶分子が一軸配向していることが判明した。
実施例9
(マイクロレンズアレイの偏光特性)
続いて、マイクロレンズアレイの偏光特性を調べた。アルゴンイオンレーザー光の偏波面に対して平行な光を入射して顕微鏡で観察したところ、このようにレンズとして働くことが判明した(図13)。一方、アルゴンイオンレーザー光の偏波面に対して垂直な光を入射した場合レンズ効果は現れず、偏光選択性を有するマイクロレンズアレイであることが明らかとなった。
実施例10
(種々のマイクロレンズアレイ形成)
最後に作製した種々のマイクロレンズアレイの顕微鏡写真を示す。この方法を用いれば、先の六方格子状のみならず、周期的にサンプルを移動させることで面心長方形格子状、正方形格子状と種々の格子状に並ぶマイクロレンズアレイを光照射のみで作製できることが明らかとなった(図14)。さらに、このサンプルにおいては、1、3、5段目は水平偏光を用いて、2、4段目は垂直偏光を用いて作製した。その結果、それぞれの偏波面に対して垂直な光を入射するとレンズとして働かないことが判明した。すなわちアルゴンイオンレーザー光の偏波面を変えることで、マイクロレンズアレイの偏光特性を制御できることを明らかにした。このような特性をもつマイクロレンズアレイは、偏光板フリーな液晶パネル用素子などへ応用できると考えられる。
実施例11
(紫外光照射時間の検討)
上記表1に示す重合性組成物サンプル「85:12:3M」を用い、紫外光照射時間を変えて、光重合条件を検討した。
この実験系においては、紫外光照射時間が3−5分であるとき、アルゴンイオンレーザー光照射時の配向を固定化できず、液晶材料は初期状態へ戻った(図15(a)、(b))。他方、紫外光照射時間が6分以上のとき、アルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができた(図15(c))。また照射時間が8分以上であると、徐々に光散乱が生じた(図15(d))。
以上のことより、本実施例で使用した実験系においては、マイクロレンズを作製するには一定時間以上の紫外光照射が必要であり、さらに照射時間が長すぎるとレンズ特性が低下することが判明した。したがって重合性組成物サンプル「85:12:3M」を用いた場合、紫外光照射時間6分が適切であると判断した。
実施例3
(モノマー組成比の検討)
表1に示す組成比で混合したサンプルについて、任意の時間で光照射を行いモノマー組成比の影響を検討した。
重合性組成物サンプル「90/10/0」を用いた場合、60分間光照射を行っても配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。
重合性組成物サンプル「90/8/2M」を用いた場合、60分間光照射することでわずかにアルゴンイオンレーザー光照射時の配向を固定化することができたが、不安定で、光散乱を生じていた。
重合性組成物サンプル「89/8/3M」を用いた場合、8分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向を固定化することができたが、不安定で、光散乱を生じていた。照射時間がそれ以下の場合では固定化はできず、またそれ以上長く行っても安定なマイクロレンズは得られなかった。
重合性組成物サンプル「87/10/3M」を用いた場合、7分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「84/12/4M」を用いた場合、5.5分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「82/14/4M」を用いた場合、5分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
以上のことより、モノマーならびに架橋剤含有量が多ければ、短時間の紫外光照射でマイクロレンズを作製できることが判明した。
実施例4
(架橋剤における重合基の影響)
重合基としてアクリレートを有する架橋剤を添加し、マイクロレンズ形成挙動を検討した。
重合性組成物サンプル「90/8/2A」を用いた場合、5分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「9/8/3A」を用いた場合、3.5分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「87/10/3A」を用いた場合、3分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「85/12/3A」を用いた場合、2.5分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「84/12/4A」を用いた場合、2分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
重合性組成物サンプル「82/14/4A」を用いた場合、1.5分間光照射することでアルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができ、照射時間がそれ以下の場合では得られなかった。
以上のことより架橋剤にHDDAを用いることで短時間の光照射でマイクロレンズを得られることが判明した。一方、上記の照射時間よりも数十秒長く光照射をすると光散乱が生じる、得られるマイクロレンズが不安定である、ということが判明した。
上記した実施例1〜4で得られた結果から、アルゴンイオンレーザー/水銀灯を用いてマイクロレンズを作製する場合、重合性組成物サンプル「85:12:3M」を用い、6分間の紫外光照射を行う条件が最も適切であると判断した。したがって、得られたマイクロレンズの物性評価には、この条件で作製したものを用いた。
実施例5
(アルゴンイオンレーザー光照射によるマイクロレンズアレイ作製)
上記表1に示す組成比で混合した液晶材料/モノマー混合物のそれぞれに、色素TDを0.1mol%、光重合開始剤イルガキュア(Irgacure)369を0.5mol%添加し、垂直配向処理したセル厚60μmのセルに封入して測定サンプルとした。用いた光学系を図16(a)に示す。集光したアルゴンイオンレーザーの波長488nmの水平偏光をサンプルに照射した。マイクロレンズ作製判定は先と同様の方法を用いた。したがって、より簡略化した光学系(図16(b))においてもマイクロレンズ作製は可能である。
実施例6
(光照射時間の検討)
重合性組成物サンプル「85:12:3M」を用い、任意の光強度、任意の光照射時間で光重合条件を検討した。
得られた結果を、下記表2にまとめる。
上記表2における記号の意味は、以下の通りである。
○: マイクロレンズとして得られた;
×: 初期状態へ戻った;
光散乱: 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない;
-: 実施していない
以上の実験結果より、マイクロレンズを作製するには一定強度以上で一定時間以上の光照射が必要であり(図17(a))、さらに照射時間が長すぎるとレンズ特性が低下することが判明した(図17(b))。したがって重合性組成物サンプル「85:12:3M」を用いた場合、光強度8.3W/cmで55秒間光照射する条件が適切であると判断した。
実施例7
(モノマー組成比の検討)
上記表1に示す組成比で混合したサンプルについて、任意の光強度、任意の時間で光照射を行いモノマー組成比の影響を検討した。
重合性組成物サンプル「90/10/0」を用いた場合、光強度11W/cmで45分間光照射を行ったところ配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。
重合性組成物サンプル「90/8/2M」を用いた場合、光強度7.0−9.8W/cmで3−10分間のアルゴンイオンレーザー光照射を行ったところ、マイクロレンズを得ることができなかった。
得られた結果の詳細を、下記表3にまとめる。光強度に関わらず短時間の光照射では配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。一方長時間光照射を行った場合、光散乱を生じることが判明した。
上記表3における記号の意味は、以下の通りである。
×、 初期状態へ戻った;
光散乱、 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない;
-: 実施していない
重合性組成物サンプル「89/8/3M」を用いた場合、光強度7.0−9.8W/cmで90−210秒間のアルゴンイオンレーザー光照射を行ったところ、マイクロレンズを得ることができなかった。
得られた結果の詳細を、下記表4にまとめる。短時間の光照射では配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。一方長時間光照射を行った場合、光散乱を生じることが判明した。
上記表4における記号の意味は、以下の通りである。
×: 初期状態へ戻った;
光散乱: 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない;
-: 実施していない
重合性組成物サンプル「87/10/3M」を用いた場合、光強度5.6−9.8W/cmで50−90秒間のアルゴンイオンレーザー光照射を行ったところ、マイクロレンズを得ることができなかった。
得られた結果の詳細を、下記表5にまとめる。短時間の光照射では配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。一方長時間光照射を行った場合、光散乱を生じることが判明した。
上記表5における記号の意味は、以下の通りである。
×: 初期状態へ戻った;
××:マイクロレンズが形成されなかった
光散乱: 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない; -: 実施していない
重合性組成物サンプル「84/12/4M」を用いた場合、光強度5.6−9.8W/cmで30−60秒間のアルゴンイオンレーザー光照射を行った。
得られた結果の詳細を下記の表6にまとめる。光強度が小さい場合、マイクロレンズが形成されなかった。光強度を大きくしていくとマイクロレンズが形成され、短時間の光照射では配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。一方長時間光照射を行った場合、光散乱を生じることが判明した。このサンプルを用いた場合、精密に光照射時間を制御する必要がある。
上記表6における記号の意味は、以下の通りである。
○: マイクロレンズとして得られた;
×: 初期状態へ戻った;
××:マイクロレンズが形成されなかった
光散乱: 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない; -: 実施していない
重合性組成物サンプル「82/14/4M」を用いた場合、光強度7.0−14W/cmで20−60秒間のアルゴンイオンレーザー光照射を行った。
得られた結果の詳細を表7にまとめる。光強度が小さい場合、マイクロレンズが形成されなかった。光強度を大きくしていくとマイクロレンズが形成され、短時間の光照射では配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。一方長時間光照射を行った場合、光散乱を生じることが判明した。このサンプルを用いた場合、精密に光照射時間を制御する必要がある。
上記表7における記号の意味は、以下の通りである。
○: マイクロレンズとして得られた;
×: 初期状態へ戻った;
××:マイクロレンズが形成されなかった
光散乱: 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない; -: 実施していない
以上の結果より、マイクロレンズ作製には一定以上のモノマーならびに架橋剤が必要であり、含有量が多ければ、短時間の光照射でマイクロレンズを作製できることが判明した。一方、モノマーならびに架橋剤含有量が多い場合、光散乱を生じやすくなるため、精密に光照射時間を制御する必要がある。
実施例8
(架橋剤における重合基の影響)
重合基としてアクリレートを有する架橋剤を添加し、マイクロレンズ形成挙動を検討した。
重合性組成物サンプル「90/8/2A」を用いた場合、光強度5.6−17W/cmで90−150秒間のアルゴンイオンレーザー光照射を行った。
得られた結果を、下記の表8にまとめる。光強度が小さい場合、マイクロレンズが形成されなかった。光強度を大きくしていくとマイクロレンズが形成され、短時間の光照射では配向の固定化はできず、液晶材料は初期状態へ戻った。一方長時間光照射を行った場合、光散乱を生じることが判明した。さらに得られたマイクロレンズは不安定であった。
上記表8における記号の意味は、以下の通りである。
○: マイクロレンズとして得られた;
×: 初期状態へ戻った;
××:マイクロレンズが形成されなかった
光散乱: 配向がわずかに固定化されるが光散乱を生じマイクロレンズとして使えない; -: 実施していない
重合性組成物サンプル「89/8/3A」を用いた場合、光強度5.6−17W/cmでアルゴンイオンレーザー光照射を行ったところ、マイクロレンズが形成せず、得ることができなかった。
重合性組成物サンプル「87/10/3A」を用いた場合、光強度5.6−14W/cmでアルゴンイオンレーザー光照射を行ったところ、マイクロレンズが形成せず、得ることができなかった。
重合性組成物サンプル「85/12/3A」を用いた場合、光強度4.2−12W/cmでアルゴンイオンレーザー光照射を行ったところ、マイクロレンズが形成せず、得ることができなかった。
以上の結果より、架橋剤にHDDAを用いた場合、モノマー含有量が少ない場合においてのみマイクロレンズを得られることが判明した。モノマー含有量が多いときは、アルゴンイオンレーザー光照射によりマイクロレンズを形成することができなかった。
アルゴンイオンレーザー光照射によりマイクロレンズを作製する場合、85:12:3Mを用い、光強度8.3W/cmで55秒間光照射を行う条件が最も適切であると判断した。
得られた知見を基に、この条件での光照射、サンプルの周期的な移動、これら二つの操作を数十回繰り返し、一面に紫外光照射を行い残存する光重合開始剤をクエンチすることでマイクロレンズアレイを作製した。
本発明の光学素子と、発光素子(この例では有機EL素子)とを有する発光装置の一例を示す模式断面図である。 本発明の光学素子と、発光素子(この例では有機EL素子)とを有する発光装置の他の例を示す模式断面図である。 実施例1において用いた化合物材料を示す図である。 実施例1において用いた実験系を示す模式斜視図である。 図4の光学系を、より詳細に示すブロック図(a)、および、この(a)の光学系を、より簡略化した光学系示すブロック図(b)である。 スクリーン上に形成された環状の干渉模様を示す写真の一例である。 干渉縞の消失を示す写真の一例である。 実施例4で得られたマイクロレンズの偏光顕微鏡写真の一例である。 マイクロレンズ直径の光強度依存性の一例を示すグラフである。 光強度と焦点距離との関係の一例を示すグラフである。 実施例7で用いた実験系を示す模式図である。 実施例8で形成された六方格子状配列のマイクロレンズアレイの一例を示す写真である。 実施例9で形成されたマイクロレンズアレイの偏光特性の一例を示す写真である。 実施例10で形成された種々のマイクロレンズアレイの例を示す顕微鏡写真である。 初期状態へ戻ったマイクロレンズの干渉縞((a)、(b))、アルゴンイオンレーザー光照射時の配向が固定化され、マイクロレンズとして得ることができたレンズの干渉縞(c)、および徐々に光散乱が生じたレンズの干渉縞(d)を示す写真である。 実施例5における用いた光学系を示すブロック図(a)、および、この(a)の光学系を、より簡略化した光学系示すブロック図(b)である。 マイクロレンズの作製に成功した場合の干渉縞(a)、照射時間が長すぎてレンズ特性が低下した場合の干渉縞(b)を示す写真である。

Claims (7)

  1. 液晶分子と、光照射に基づく配向が可能な色素とを含む重合性組成物に、偏光レーザー光を照射することによって液晶材料を配向させて、液晶分子の配向に基づく屈折率分布を形成するとともに、当該偏光レーザー光によって前記重合性組成物を重合させて、前記屈折率分布を固定化する、レンズの製造方法であって;
    前記液晶分子は、前記色素の配向に基づき、該色素周囲の液晶分子が配向可能であり、且つ、
    前記色素が、下記式に示すものであるレンズの製造方法。
  2. 前記重合性組成物は、前記色素と液晶分子自体が重合性を有する前記液晶分子とを含む重合性化合物;または前記色素と、前記液晶分子と、重合性材料とを含む重合性組成物である、請求項1記載のレンズの製造方法。
  3. 偏光レーザー光は、アルゴンイオンレーザー光である、請求項1または2記載のレンズの製造方法。
  4. 前記偏光レーザー光の照射と、前記重合性組成物からなるサンプルの周期的な移動との、2つの操作を複数回繰り返す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズの製造方法。
  5. 前記偏光レーザー光を照射した後に、紫外光を照射する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズの製造方法。
  6. 前記色素が、ターチオフェン系液晶性共役色素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズの製造方法。
  7. 偏波面に対して平行な光を入射するとレンズとして働き、偏波面に対して垂直な光を入射するとレンズとして働かないレンズであって、
    該レンズが液晶材料と、光照射に基づく配向が可能な色素とを含み;偏光レーザー光の照射によって配向した液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、且つ、該屈折率分布が固定化されており;且つ、
    前記色素が、下記式に示すものであることを特徴とするレンズ。
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