JP4803529B2 - マイクロ波を用いたマンモグラフィの方法、およびマンモグラフィ装置 - Google Patents

マイクロ波を用いたマンモグラフィの方法、およびマンモグラフィ装置 Download PDF

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Description

本発明は、乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化する方法(マンモグラフィの方法)、およびその装置(マンモグラフィ装置)に関するものである。
近年、女性がかかる癌は、乳癌が最も多くなっている。このような現状において、乳癌は、早期発見早期治療により治癒率の高い癌であるため、集団検診が勧められる。
例えば、米国では、早くから乳癌検診に視触診とX線マンモグラフィとの併用が行われている。また、我国においても、「50歳以上の女性は視触診に加え2年に1度、X線マンモグラフィを受診すること」とする指針が、2000年に厚生労働省から示された。さらに、2003年には、厚生労働省の研究班が、「X線マンモグラフィの対象者を40歳代に引き下げること」とする基本指針を示した。
X線マンモグラフィは、臨床的に目に見えない乳癌検出をするための方法として、現時点で最も効果的な診断方法(集団検診での診断方法)と言われている。
しかしながら、X線を用いる方法(X線マンモグラフィ)は、極めて初期の微小石灰化を示していない腫瘍や乳腺の発達した乳房組織に対しては感度が低いため、この方法(X線マンモグラフィ)による乳癌検診を行ったとしても、乳癌の約15%は見逃されている(偽陰性)という問題がある。また、X線マンモグラフィにて得られるレントゲン写真は、二次元投影像であるため、その判読には経験を積んだ専門医が必要である。
さらに、上述したX線マンモグラフィにて使用するX線(電離放射線)は、胎児への影響が強く、癌遺伝子の活性化、癌抑制遺伝子の不活性化に寄与すると言われる。したがって、X線マンモグラフィは、妊娠中あるいは妊娠の可能性のある女性や、乳癌家族歴を持つ女性に対して使用することは望ましくないという問題がある。
また、マンモグラフィ判読がつかない場合、あるいはより詳細な検査を行う場合には、針生検を行うことがあるが、この針生検の結果、実際には腫瘍でないこと(偽陽性)も多い。このような針生検は、詳細な検査等を行うために必要ではあるが、乳癌検診を行うという精神的苦痛に加え、乳房に針を刺すという身体的苦痛をも伴うため、可能であれば避けたいところである。
特開平08−186762号公報
上述したように、従来技術にかかるX線マンモグラフィは、(1)初期微小石灰化していない腫瘍は感度が低く見つけ難い、(2)乳腺密度の高い乳房内の腫瘍を見つけ難い、(3)電離放射線であるため妊娠中あるいは妊娠の可能性のある女性に対しては不向き、(4)二次元画像であるため画像診断に熟練が必要、等の問題がある。また、従来技術においては、X線マンモグラフィで判読できない場合や詳細な検査を行う場合には、(5)痛みを伴う針生検を行わなければならない、という問題もある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、X線を用いることなく(すなわち上記(1)〜(4)の問題をなくし)、マイクロ波を用いることによって、より安全で痛みがなく高い感度と識別能力を有し(上記(5)の問題をなくし)、低コストで取扱いが容易な、マンモグラフィの方法、およびマンモグラフィ装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィの方法であって、乳房にマイクロ波パルスを照射する照射工程と、前記乳房からの散乱波の時間領域データを計測する計測工程と、前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化工程とを備えたことを特徴としている。
また、本発明にかかるマンモグラフィの方法は、前記映像化工程において、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、前記計測工程にて得られた計測された受信データと、前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップとを有する構成であることが好ましい。
また、本発明にかかるマンモグラフィの方法は、前記映像化工程において、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、前記計測工程にて得られた計測された受信データと、前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データと、電気定数の推定分布とを用いて、正則化項を組み込んだ汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップとを有する構成であることが好ましい。
また、本発明にかかるマンモグラフィの方法は、前記映像化工程において、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、フィルタの設定を行うフィルタ設定ステップと、前記計測工程にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第一フィルタリングステップと、前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データをフィルタに通す第二フィルタリングステップと、前記第一フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後の計測された受信データと、前記第二フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後の計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記フィルタリング後の計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、フィルタ段数の判定ステップに進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、前記第二フィルタリングステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップと、前記判定ステップの後、前記フィルタの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、フィルタの更新ステップ、前記第一フィルタリングステップ、前記順伝播計算ステップ、前記第二フィルタリングステップ、前記汎関数計算ステップ、前記判定ステップ、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、および推定値更新ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うフィルタ段数判定ステップとを有する構成であることが好ましい。
また、本発明にかかるマンモグラフィの方法は、前記映像化工程において、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、マルチグリッドの設定を行うマルチグリッド設定ステップと、前記計測工程にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第三フィルタリングステップと、前記照射工程にて照射されたマイクロ波パルスをフィルタに通す第四フィルタリングステップと、前記第四フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後のマイクロ波パルスを入射波として前記初期推定値を有する物体に対して照射し、数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データと、前記第三フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後の計測された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、マルチグリッド段数判定ステップに進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップと、前記判定ステップの後、前記マルチグリッドの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、グリッド間隔の延長補間処理ステップ、グリッドの更新ステップ、前記第三フィルタリングステップ、前記第四フィルタリングステップ、順伝播計算ステップ、前記汎関数計算ステップ、前記判定ステップ、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、および推定値更新ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うマルチグリッド段数判定ステップとを有する構成であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィ装置であって、乳房にマイクロ波パルスを照射する照射手段と、前記乳房からの散乱波を受信する受信手段と、前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化手段とを備えたことを特徴としている。
また、本発明にかかるマンモグラフィ装置は、前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、前記パーソナルコンピュータを、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、前記受信手段にて得られた計測された受信データと、前記計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算手段、前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、および前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段として機能させる構成であることが好ましい。
また、本発明にかかるマンモグラフィ装置は、前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、前記パーソナルコンピュータを、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、前記受信手段にて得られた計測された受信データと、前記計算された受信データと、電気定数の推定分布とを用いて、正則化項を組み込んだ汎関数の値を計算する汎関数計算手段、前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、および前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段として機能させる構成であることが好ましい。
また、本発明にかかるマンモグラフィ装置は、前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、前記パーソナルコンピュータを、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、フィルタの設定を行うフィルタ設定手段、前記受信手段にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第一フィルタリング手段、前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、前記計算された受信データをフィルタに通す第二フィルタリング手段、前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記フィルタリング後の計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算手段、前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記フィルタリング後の計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、フィルタ段数の判定に進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、前記第二フィルタリング、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段、および前記判定処理の後、前記フィルタの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、フィルタの更新処理、前記第一フィルタリング、前記順伝播計算、前記第二フィルタリング、前記汎関数計算、前記判定処理、前記逆伝播計算、前記勾配計算、および推定値更新を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うフィルタ段数判定手段として機能させる構成であることが好ましい。
また、本発明にかかるマンモグラフィ装置は、前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、前記パーソナルコンピュータを、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、マルチグリッドの設定を行うマルチグリッド設定手段と、前記受信手段にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第三フィルタリング手段、前記照射手段にて照射されたマイクロ波パルスをフィルタに通す第四フィルタリング手段、前記フィルタリング後のマイクロ波パルスを入射波として前記初期推定値を有する物体に対して照射し、数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、前記計算された受信データと、前記フィルタリング後の計測された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算手段、前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、マルチグリッド段数の判定に進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段と、および前記判定処理の後、前記マルチグリッドの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、グリッド間隔の延長補間処理、グリッドの更新、前記第三フィルタリング、前記第四フィルタリング、前記順伝播計算、前記汎関数計算、前記判定処理、前記逆伝播計算、前記勾配計算、および推定値更新を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うマルチグリッド段数判定手段として機能させる構成であることが好ましい。
本発明によれば、X線を用いることなく、マイクロ波を用いることによって、より安全で痛みがなく高い感度と識別能力を有し、低コストで取扱いが容易な、マンモグラフィの方法、およびマンモグラフィ装置を得ることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態にかかるマンモグラフィ装置の概略図を示したものである。この図1に示すように本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、乳房Tに対してマイクロ波パルスを照射すると共に、乳房Tからの散乱波を受信するアレイ・アンテナ計測部1、このアレイ・アンテナ計測部1に対しパルス波の送受信を行うパルス波送受信部2、およびパルス波送受信部2の制御、受信された信号の波形解析、得られた信号等に基づいて画像を表示する画像表示部として機能する、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)3等を用いて構成されている。
このアレイ・アンテナ計測部1(本発明の「照射手段」「受信手段」に相当)は、乳房Tを収容可能である円筒型のアンテナ設置部11と、このアンテナ設置部11に設けられた複数のアンテナ素子12と、このアンテナ素子12とパルス波送受信部2とを電気的に接続する接続線13とを用いて構成されている。アンテナ設置部11は、例えば、四フッ化エチレン樹脂グラスファイバ、ポリスチレングラス、ポリイミド、ガラスエポキシ、ポリエステル、TMM等の絶縁性材料を用いて構成されている。アンテナ素子12は、例えば、銅、銀、アルミナ等を用いて構成されている。
パルス波送受信部2(本発明の「照射手段」「受信手段」に相当)は、PC3にて制御されており、予め定められたアンテナ素子12から定められたタイミングでマイクロ波パルスの照射を行うように構成されている。また、このパルス波送受信部2は、マイクロ波パルスを照射した後には(あるいはマイクロ波パルスを照射しながら)、予め定められたアンテナ素子12を用いて、乳房Tからの透過・散乱パルスを受信すべく構成されている。
次に、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置における計測方法について二次元モデルを用いて説明する。ここで、図2は、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置を構成するアレイ・アンテナ計測部1の二次元モデル概略図を示したものである。この図2においては、内側の円が乳房Tを示し、外側の円がアンテナ設置部11を示している。そして、このアンテナ設置部11に、複数のアンテナ素子(第一アンテナ素子12a,第二アンテナ素子12b,…第八アンテナ素子12h)が設けられた状態が示されている。なお、図2(a)は、第一アンテナ素子12aを送信アンテナ(「○」にて表示)とした場合を示す概略図、図2(b)は、第二アンテナ素子12bを送信アンテナ(「○」にて表示)とした場合を示す概略図である。
本実施形態においては、アレイ・アンテナ計測部1を構成する複数のアンテナ素子12のうち、一つのアンテナ素子を送信アンテナとしてマイクロ波パルスの照射を行い、残りのアンテナ素子を受信アンテナとして透過・散乱パルスの計測処理を行うべく構成されている。
具体的には、図2(a)に示すように、第一アンテナ素子(#1)12aを送信アンテナ(「○」にて表示)として、この第一アンテナ12aから乳房Tに対してマイクロ波パルスを照射し、残りのアンテナ素子12b〜12hを受信アンテナ(「●」にて表示)として、これらのアンテナ素子12b〜12hを用いて乳房Tからの透過・散乱パルスを受信する(計測する)。この際、第一アンテナ素子12aから照射されるマイクロ波パルスと、残りのアンテナ素子12b〜12hにて計測される透過・散乱パルスとは、パルス波送受信部2を介し、関連付けされた送受信データ(計測データ)としてPC3内に記憶される。
次に、図2(b)に示すように、第二アンテナ素子(#2)12bを送信アンテナ(「○」にて表示)として、この第二アンテナ12bから乳房Tに対してマイクロ波パルスを照射し、残りのアンテナ素子12c〜12aを受信アンテナ(「●」にて表示)として、これらのアンテナ素子12c〜12aを用いて乳房Tからの透過・散乱パルスを受信する(計測する)。この場合も、第二アンテナ素子12bから照射されるマイクロ波パルスと、残りのアンテナ素子12c〜12aにて計測される透過・散乱パルスとは、パルス波送受信部2を介し、関連付けされた送受信データ(計測データ)としてPC3内に記憶される。
本実施形態にかかる計測方法においては、上述した第一アンテナ素子12aや第二アンテナ素子12bを送信アンテナとした場合と同様の処理を、他のアンテナ素子12c〜12hについても行う。つまり、それぞれのアンテナ素子を送信アンテナとし、それ以外の残りのアンテナ素子を受信アンテナとして、それぞれの場合におけるマイクロ波パルスと透過・散乱パルスとを関連付けた送受信データ(計測データ)としてPC3内に記憶させる。
次に、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置における乳房内の映像化方法(像再構成アルゴリズム)について説明する。
像再構成アルゴリズムとは、上述した図2の方法に基づいて計測された受信データを用いて、乳房内部の電気定数(誘電率、導電率)分布を映像化する計算手順のことである。マイクロ波領域では、乳房の正常組織と腫瘍との電気定数のコントラストが非常に高いため、上記のようにして得られた受信データの電気定数分布を映像化すれば、乳房内部の組織構造を三次元視覚化することが可能となる。
本実施形態にかかる像再構成アルゴリズムは、まず、対象物体である乳房内の電気定数分布として適当な分布を与える。そして、この分布に対して、図2に示した計測方法と同じ手順を計算機(PC3)上で数値的に行い、受信データを数値的に求める(ここで得られたデータを、以下「計算された受信データ」という。)。「適当に与えた電気定数分布」は、実際の乳房の「真の電気定数分布」とは、一般に異なっているため、「計算された受信データ」は実際に計測されたデータ(以下「計測された受信データ」という。)とは異なっている。「計算された受信データ」と「計測された受信データ」との差は、「適当に与えた電気定数分布」が「真の電気定数分布」とどれくらい異なっているかの情報を含んでいる。したがって、この情報を用いて、「適当に与えた電気定数分布」を更新して「真の電気定数分布」に近づけていくことが考えられ、この更新方法が像再構成アルゴリズムである。
本実施形態にかかる像再構成アルゴリズムは、「計算された受信データ」と「計測された受信データ」との差をもとに定義される汎関数を最小化する方法である。汎関数の引数は空間的に変化する誘電率分布関数と導電率分布関数である。汎関数は非線形であり、その具体例を以下に示す。
ここでは、まず汎関数を定義するにあたって、図3に示すような自由空間中に置かれた無損失誘電体Dの再構成問題を考える。電流源Jを仮定すると、規格化されたMaxwell(マクスウエル)の方程式は、演算子Lを用いて次の数1のように表される。
Figure 0004803529
ここで、演算子Lは、次の数2のように表される。
Figure 0004803529
数1および数2中の、v,J,A,B,C,F,Gは、次の数3のように表される。
Figure 0004803529
また、c(=1/(√(εμ)))は自由空間中の光速、η(=√(μ/ε))は自由空間中の固有インピーダンスであり、ε,μ,σはそれぞれ誘電体の比誘電率、比透磁率、導電率である。入射パルスは時刻t=0で励振されるものとし、電磁界はt≦0で零とする。すなわち順問題はマクスウエルの方程式(数1)をt=0での初期条件である、次の数4のもとで解く。
Figure 0004803529
次に汎関数F(p)を次式数5で定義する。
Figure 0004803529
ここで、v’(r ,t)は、m番目の送信点r に位置する波源から電磁波を照射し、n番目の観測点r で観測した(受信した)電磁界であり、v(p;r ,t)は、推定媒質ベクトル関数(以下の数6)を用いて計算した推定電磁界である。
Figure 0004803529
また、Tは観測時間長、Kmn(t)はt=Tのときに零となる負でない重み関数であり、上付添字“t”は転置を表す。
計測データに雑音がない理想的な場合は、推定媒質ベクトル関数pが真の媒質ベクトル関数と一致すれば、汎関数F(p)は最小値零となる。したがって、ここで考察している逆散乱問題は、汎関数F(p)の最小化問題とみなすことができる。
本実施形態においては、汎関数F(p)の最小化は勾配法を用いて行う。汎関数F(p)のフレシェ微分F’δpは、次式数7で与えられる。
Figure 0004803529
ここで、δpは推定媒質ベクトル関数pの微分であり、次の数8で表される。
Figure 0004803529
また、δv(p;r ,t)は、v(p;r ,t)のpにおけるフレシェ微分であり、次の数9で表される連立微分方程式、および次の数10で表されるt=0での初期条件を満たす解δv(p;r,t)の観測点r=r での値である。
Figure 0004803529
Figure 0004803529
さらに、数9中のδF,δGは,次の数11のように表される。
Figure 0004803529
フレシェ微分F’δpは、リースの表現定理よりδpと勾配ベクトルg(r)との内積で表すことができ、次式数12の通りとなる。
Figure 0004803529
ここで、3次元ベクトル関数a=(a,a,aとb=(b,b,bとの内積は、次式数13で表される。ただし、Vは再構成領域である。
Figure 0004803529
また、勾配g(r)は、次式数14,数15,数16で与えられる。
Figure 0004803529
Figure 0004803529
Figure 0004803529
ここで6次元随伴ベクトル関数W(p;r,t)=(Wm1,Wm2,Wm3,Wm4,Wm5,Wm6は、数17の方程式を、条件式数18の下で解いたときの解である。
Figure 0004803529
Figure 0004803529
ただし、随伴演算子Lは、次式数19で与えられる。
Figure 0004803529
また、δ(r−r )はデルタ関数であり、uは次式数20である。
Figure 0004803529
なお、随伴ベクトル関数Wは、数17をFDTD法(有限差分時間領域法)を用いて、t=Tから時間を遡って数値的に計算することができる。
本実施形態においては、以上のような考えの下、汎関数Fを定義し、共役勾配法によってこの汎関数Fの最小化を行う。具体的には、汎関数Fの最小化を行うべく、計測データに基づいた種々の計算(最終的には電気定数分布の画像化)を実施する。
以下、図4のフローチャートに基づいて、本実施形態のアルゴリズムを説明する。図4は、本実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。
この図4に示すように、まず、本実施形態においては、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている「計測された受信データ」が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、「計測された受信データ」に関する入力処理が行われる(ステップS401)。
次に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている入射パルス(乳房Tに対して照射されたマイクロ波パルス)が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、入射パルスに関する入力処理が行われる(ステップS402)。具体的には、入射パルスの形状(波形)が入力される。
次に、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値が与えられる(ステップS403)(本発明の「初期設定値ステップ」に相当)。つまり、乳房Tに対して、適当な初期推定値が与えられる。ここで、適当な初期推定値としては、例えば、拡張ボルン近似法、逆伝播法、パルスの受信時間を利用した電気定数の簡易推定法等により与えられる推定値が用いられる。
次に、推定電気定数分布を持つ物体(ここでは乳房T)に対して、数値計算により受信アンテナにおける散乱電磁界を計算する。つまり、PC3上で、適当な初期推定値が与えられた乳房Tに対して、マイクロ波パルスの照射を行ったと仮定して(実際の測定と同様の照射を行ったと仮定して)、その際に得られる透過・散乱パルスを計算し、「計算された受信データ」を得る(ステップS404)(本発明の「順伝播計算ステップ」に相当)。
次に、「計算された受信データ」(数5の「v(p;r ,t)」に相当)と「計測された受信データ」(数5の「v’(r ,t)」に相当)とを用いて、汎関数Fの値が計算される(ステップS405)(本発明の「汎関数計算ステップ」に相当)。
次に、汎関数Fが予め与えられた値以下となっているか否かの判断(収束判定)、および電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数になったか否かの判断(反復回数判定)が行われる(ステップS406)(本発明の「判定ステップ」に相当)。汎関数Fが予め与えられた値以下となっている場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していた場合(S406にて「Yes」の場合)には、次いで、ステップS410以降の処理が行われる。また、汎関数Fが予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S406にて「No」の場合)には、次いで、ステップS407以降の処理が行われる。
収束および反復回数の判定(S406)の結果、汎関数Fが予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S406にて「No」の場合)には、「計算された受信データ」と「計測された受信データ」との差を用いて、随伴電磁界の計算が行われる(ステップS407)(本発明の「逆伝播計算ステップ」に相当)。つまり、受信点での残差(数式17のu)を等価波源とする電磁波を時間t=Tから零までの間、逆伝播させる。
ステップS406の逆伝播の計算が行われた後には、次いで、随伴電磁界から汎関数Fの勾配の計算が行われる(ステップS408)(本発明の「勾配計算ステップ」に相当)。つまり、推定電気定数における汎関数Fの勾配ベクトルの計算が行われる。
ステップS408の勾配の計算が行われた後には、次いで、計算された勾配を用いて、勾配法(例えば共役勾配法)によって定まっている更新方法により、電気定数分布の推定値を更新し(探索方向に沿って電気定数を更新し)(ステップS409)(本発明の「推定値更新ステップ」に相当)、さらに、ステップS404以降の処理が繰り返して行われる。
収束および反復回数の判定(S406)の結果、汎関数Fが予め与えられた値以下であった場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していた場合((S406にて「Yes」の場合)には、得られた推定電気定数分布を画像化し(ステップS410)、本実施形態にかかる一連のアルゴリズムを終了する。
以上説明したように、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、X線ではなく、マイクロ波を用いることによって、乳房T内部の組織構造を三次元視覚化可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、電離放射線被曝の心配が無いため、安全性が高く、被検者が安心して受信可能なマンモグラフィ装置を得ることができる。また、電離放射線被曝の心配が無いため、検査技師に対しても安全であり、検査技師は計測中も被検者の傍らで装置の操作を行うことができる。
また、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、マイクロ波を用いた時間領域法を採用しているため、次のような効果を有する。
例えば、周波数領域法と比較すれば、周波数領域法は単一周波数(正弦波)か数種類の周波数をそれぞれ単独に用いる方法にすぎないが、本実施形態にかかるマイクロ波を用いた時間領域法は、使用するパルスのスペクトル帯域幅内の全ての周波数を用いている。また、周波数領域法は正弦波を対象物体(例えば乳房)に照射し、正弦波状の散乱界を計測するにすぎないが、本実施形態にかかる時間領域法は、パルス波を対象物体に照射しパルス状の散乱界を計測するため、散乱界のパルスの大きさ、遅延時間、および波形の歪に対象物体の情報が含まれている。すなわち、本実施形態にかかるマイクロ波を用いた時間領域法における散乱界データは、周波数領域法における散乱界データよりも、対象物体に関する情報をより多く有することとなる。
このことから、本実施形態によれば、散乱界データの計測に用いる送受信アンテナの数をより少ない数にて構成することができるため、マンモグラフィ装置を低コストにて得ることが可能となる。
また、計測時間を短縮することができる。
さらに、多くのデータを得ることが可能となるため、アルゴリズムがより安定化され、より明確な三次元画像を得ることができることとなる。したがって、様々な方向から腫瘍の位置、形状、大きさを容易に読み取ることができる。また、このように電気定数分布の明確な三次元画像を得ることができるため、組織の特定(正常組織か腫瘍かの特定)が専門家でなくとも容易に行うことが可能となる。さらに、明確な三次元画像を得られるため、偽陽性(誤診)による心理的・身体的不利益や、偽陰性による悪性腫瘍の見逃し等を避けることができる。
また、タイム・ゲートを適用することにより、計測装置(マンモグラフィ装置)の外部からのクラッターの除去が可能である。
すなわち、本実施形態によれば、以上のような構成等を有するため、X線を用いることなく、マイクロ波を用いることによって、より安全で痛みがなく高い感度と識別能力を有し、低コストで取扱いが容易な、マンモグラフィ装置を得ることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態にかかるマンモグラフィ装置について説明する。この第二実施形態にかかるマンモグラフィ装置の基本構成(図1に示した構成、および図2にて説明した計測方法等)は、先に説明した第一実施形態にかかるマンモグラフィ装置と同様であるため、ここでは、その具体的構成については割愛し、必要に応じ、図1等を参照しながら説明を行う。
この第二実施形態にかかるマンモグラフィ装置と、第一実施形態にかかるマンモグラフィ装置との違いは、乳房内の映像化方法(像再構成アルゴリズム)である。つまり、得られたデータ(計測された受信データ)を用いて、乳房T内部の映像化を行う際の像再構成アルゴリズムが異なる。
以下、第一実施形態と同様の部分(構成および方法等)については説明を省略し、主に、第一実施形態と異なる部分(第二実施形態の特徴部分)について具体的に説明する。
散乱データから対象物体(ここでは乳房T)内部の電気定数分布を推定する問題は非適切な逆散乱問題であるため、数値的に不安定である。これを避けるためには、電気定数分布はある程度滑らかな変化であるという条件を与える必要がある。このような条件を与える手法は、「正則化の手法」と呼ばれる。
しかしながら、通常の正則化手法を用いると、組織が急に異なる境界(エッジ)(例えば、乳房Tと空気との境界)がぼやけてしまうので、このような「エッジ」のシャープさを保存する「エッジ保存正則化法」が知られている。そこで、本実施形態においては、この「エッジ保存正則化法」における「エッジ保存正則項」(以下、単に「正則化項」という。)を組み込んで、像再構成アルゴリズムが構成されている。
本実施形態にかかる正則化項を組み込んだ汎関数FTOTAL(p)は、以下の数21で与えられる。
Figure 0004803529
ここで、FRES(p)は、「計算された受信データ」と「計測された受信データ」との差をもとに定義される汎関数であり、FREG(p)は、正則化項である。
正則化項を組み込んだ汎関数FTOTAL(p)の勾配は、FRES(p)の勾配とFREG(p)の勾配の和で与えられる。正則化項FREG(p)に含まれている正則化パラメータの増減により、汎関数FTOTAL(p)への寄与量が増減する。本実施形態においては、勾配法により汎関数FTOTAL(p)を逐次的に最小化する際、初期段階では正則化項FREG(p)は残差の汎関数FRES(p)と同程度の大きさにしておき、反復過程が進むにつれて正則化パラメータを徐々に小さくしていき、収束段階では、正則化項FREG(p)の寄与を消し去るべく演算処理を行う。
以下、図5のフローチャートに基づいて、本実施形態のアルゴリズムを説明する。図5は、本実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。
この図5に示すように、第二実施形態においては、先に説明した第一実施形態と同様に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている「計測された受信データ」が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、「計測された受信データ」に関する入力処理が行われる(ステップS501)。
次に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている入射パルス(乳房Tに対して照射されたマイクロ波パルス)が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、入射パルスに関する入力処理が行われる(ステップS502)。具体的には、入射パルスの形状(波形)が入力される。
次に、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値が与えられる(ステップS503)(本発明の「初期推定値ステップ」に相当)。つまり、乳房Tに対して、適当な初期推定値が与えられる。ここで、適当な初期推定値としては、例えば、拡張ボルン近似法、逆伝播法、パルスの受信時間を利用した電気定数の簡易推定法等により与えられる推定値が用いられる。
次に、推定電気定数分布を持つ物体(ここでは乳房T)に対して、数値計算により受信アンテナにおける散乱電磁界を計算する。つまり、PC3上で、適当な初期推定値が与えられた乳房Tに対して、マイクロ波パルスの照射を行ったと仮定して(実際の測定と同様の照射を行ったと仮定して)、その際に得られる透過・散乱パルスを計算し、「計算された受信データ」を得る(ステップS504)(本発明の「順伝播計算ステップ」に相当)。
次に、「計算された受信データ」、「計測された受信データ」、および電気定数の推定分布を用いて、正則化項を組み込んだ汎関数(数21参照)の値が計算される(ステップS505)(本発明の「汎関数計算ステップ」に相当)。
次に、数21にて示される汎関数FTOTAL(p)が予め与えられた値以下となっているか否かの判断(収束判定)、および電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数になったか否かの判断(反復回数判定)が行われる(ステップS506)(本発明の「判定ステップ」に相当)。汎関数が予め与えられた値以下となっている場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達している場合(S506にて「Yes」の場合)には、次いで、ステップS510以降の処理が行われる。また、汎関数が予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S506にて「No」の場合)には、次いで、ステップS507以降の処理が行われる。
収束および反復回数の判定(S506)の結果、汎関数が予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S506にて「No」の場合)には、「計算された受信データ」と「計測された受信データ」との差を用いて、随伴電磁界の計算が行われる(ステップS507)(本発明の「逆伝播計算ステップ」に相当)。
ステップS507の逆伝播の計算が行われた後には、次いで、随伴電磁界から汎関数の勾配の計算が行われる(ステップS508)(本発明の「勾配計算ステップ」に相当)。つまり、推定電気定数における汎関数の勾配ベクトルの計算が行われる。
ステップS508の勾配の計算が行われた後には、次いで、計算された勾配を用いて、勾配法(例えば共役勾配法)によって定まっている更新方法により、電気定数分布の推定値を更新し(探索方向に沿って電気定数を更新し)(ステップS509)(本発明の「推定値更新ステップ」に相当)、さらに、ステップS504以降の処理が繰り返して行われる。
収束および反復回数の判定(S506)の結果、汎関数が予め与えられた値以下であった場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達している場合(S506にて「Yes」の場合)には、得られた推定電気定数分布を画像化し(ステップS510)、本実施形態にかかる一連のアルゴリズムを終了する。
以上説明したように、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、X線ではなく、マイクロ波を用いることによって、乳房T内部の組織構造を三次元視覚化可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、第一実施形態にて説明した種々の効果を全て得ることができる。
加えて、この第二実施形態によれば、ステップS505において、正則化項を含んだ汎関数の計算が行われている。また、ステップS507およびステップS508においても正則加項の寄与がある。したがって、本実施形態によれば、第一実施形態と比較して、安定した演算結果を得ることができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態にかかるマンモグラフィ装置について説明する。この第三実施形態にかかるマンモグラフィ装置の基本構成(図1に示した構成、および図2にて説明した計測方法等)は、先に説明した第一実施形態にかかるマンモグラフィ装置と同様であるため、ここでは、その具体的構成については割愛し、必要に応じ、図1等を参照しながら説明を行う。
この第三実施形態にかかるマンモグラフィ装置と、第一および第二実施形態にかかるマンモグラフィ装置との違いは、乳房内の映像化方法(像再構成アルゴリズム)である。つまり、得られたデータ(計測された受信データ)を用いて、乳房T内部の映像化を行う際の像再構成アルゴリズムが異なる。
より具体的には、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、「正則化」の方法が、第二実施形態と異なる。以下、第二実施形態と同様の部分(構成および方法等)については説明を省略し、主に、第二実施形態と異なる部分(第三実施形態の特徴部分)について具体的に説明する。
この第三実施形態にかかるマンモグラフィ装置においては、周波数フィルタを用いた「正則化」が行われる。具体的には、異なった遮断周波数を有するいくつかの低域周波数フィルタが用いられる。
そして、まずは、最も低い遮断周波数を有するフィルタに「計測された受信データ」の時間波形を通して高域部をカットする。このフィルタのかかった受信データを用いると、SN比(信号対雑音比)が改善されるだけでなく、像をより安定に再構成することができる。このとき得られる電気定数分布は、空間的変化の滑らかな像となる。
上記のようにして得られた像を初期推定値として、さらに高い遮断周波数を有するフィルタに通した受信データを用いて像再構成を行うと、得られる像はより鮮明になる。本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、周波数フィルタを用いたこの工程を繰り返すことにより、分解能の高い像を得ることができる。
以下、図6のフローチャートに基づいて、本実施形態のアルゴリズムを説明する。図6は、本実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。
この図6に示すように、第三実施形態においては、先に説明した第一および第二実施形態と同様に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている「計測された受信データ」が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、「計測された受信データ」に関する入力処理が行われる(ステップS601)。
次に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている入射パルス(乳房Tに対して照射されたマイクロ波パルス)が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、入射パルスに関する入力処理が行われる(ステップS602)。具体的には、入射パルスの形状(波形)が入力される。
次に、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値が与えられる(ステップS603)(本発明の「初期推定値ステップ」に相当)。つまり、乳房Tに対して、適当な初期推定値が与えられる。ここで、適当な初期推定値としては、例えば、拡張ボルン近似法、逆伝播法、パルスの受信時間を利用した電気定数の簡易推定法等により与えられる推定値が用いられる。
次に、フィルタの設定が行われる(ステップS604)(本発明の「フィルタ設定ステップ」に相当)。具体的には、フィルタの段数N、遮断周波数f(n=1,2,…,N)の設定等が行われる。遮断周波数fはnとともに増加する。
次に、計測された受信データのフィルタリングが行われる(ステップS605)(本発明の「第一フィルタリングステップ」に相当)。具体的には、遮断周波数f(この時点ではn=1)のフィルタに、計測された受信データが通される。
次に、推定電気定数分布を持つ物体(ここでは乳房T)に対して、数値計算により受信アンテナにおける散乱電磁界を計算する。つまり、PC3上で、適当な初期推定値が与えられた乳房Tに対して、マイクロ波パルスの照射を行ったと仮定して(実際の測定と同様の照射を行ったと仮定して)、その際に得られる透過・散乱パルスを計算し、「計算された受信データ」を得る(ステップS606)(本発明の「順伝播計算ステップ」に相当)。
次に、計算された受信データのフィルタリングが行われる(ステップS607)(本発明の「第二フィルタリングステップ」に相当)。具体的には、遮断周波数fのフィルタに、計算された受信データが通される。
次に、汎関数の計算が行われる(ステップS608)(本発明の「汎関数計算ステップ」に相当)。具体的には、フィルタリングされた「計算された受信データ」とフィルタリングされた「計測された受信データ」とを用いて、汎関数の値が計算される。
次に、汎関数が予め与えられた値以下となっているか否かの判断(収束判定)、および電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達しているか否かの判断(反復回数判定)が行われる(ステップS609)(本発明の「判定ステップ」に相当)。汎関数が予め与えられた値(この値はフィルタ毎に異なってよい)以下となっている場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数(この回数はフィルタ毎に異なってよい)に達している場合(S609にて「Yes」の場合)には、次いで、ステップS613以降の処理が行われる。また、汎関数が予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S609にて「No」の場合)には、次いで、ステップS610以降の処理が行われる。
収束および反復回数の判定処理(S609)の結果、汎関数が予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S609にて「No」の場合)には、逆伝播の計算が行われる(ステップS610)(本発明の「逆伝播計算ステップ」に相当)。具体的には、フィルタリングされた「計算された受信データ」とフィルタリングされた「計測された受信データ」との差を用いて、随伴電磁界の計算が行われる。
ステップS610の逆伝播の計算が行われた後には、次いで、随伴電磁界から汎関数の勾配の計算が行われる(ステップS611)(本発明の「勾配計算ステップ」に相当)。つまり、推定電気定数における汎関数の勾配ベクトルの計算が行われる。
ステップS611の勾配の計算が行われた後には、次いで、計算された勾配を用いて、勾配法(例えば共役勾配法)によって定まっている更新方法により、電気定数分布の推定値を更新し(探索方向に沿って電気定数を更新し)(ステップS612)(本発明の「推定値更新ステップ」に相当)、さらに、ステップS606以降の処理が繰り返して行われる。
収束および反復回数の判定処理(判定ステップ)(S609)の結果、汎関数が予め与えられた値以下となっている場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達している場合(S609にて「Yes」の場合)には、次いで、フィルタ段数の判定処理が行われる(ステップS613)(本発明の「フィルタ段数判定ステップ」に相当)。具体的には、フィルタの段数が最大(遮断周波数が信号パルスの最大周波数と同じ)になっているか否かが判断される。フィルタの段数が最大になっている場合(S613にて「Yes」の場合)には、次いで、ステップS614以降の処理が行われる。フィルタの段数が最大になっていない場合(S613にて「No」の場合)には、フィルタを現時点のフィルタナンバーnよりも1だけ大きなフィルタ(次に高い遮断周波数を持つフィルタ)に更新し(ステップS615)(本発明の「フィルタの更新ステップ」に相当)、さらに、ステップS605以降の処理が繰り返して行われる。
フィルタ段数の判定処理(S613)の結果、フィルタの段数が最大になっている場合(S613にて「Yes」の場合)には、得られた推定電気定数分布を画像化し(ステップS614)、本実施形態にかかる一連のアルゴリズムが終了する。
以上説明したように、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、X線ではなく、マイクロ波を用いることによって、乳房T内部の組織構造を三次元視覚化可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、第一実施形態にて説明した種々の効果を全て得ることができる。
また、この第三実施形態は、上述したように、まずは、測定電磁界を信号成分の最大周波数よりも十分に低いカットオフ周波数を有する低域通過フィルタに通し、低い周波数成分のみを用いて再構成を行う。そして、低周波成分のみを用いて再構成を行った結果を初期値とし、カットオフ周波数の高いフィルタに通して再構成を行い、この工程を一番高いカットオフ周波数のフィルタまで繰り返して行っている。つまり、この第三実施形態によれば、計算を行う際にフィルタリング処理(S605,S607等)を繰り返し行った後に、像の再構成を行っている。したがって、第三実施形態によれば、第一実施形態と比較して、像の再構成をより安定して実施することが可能となって、より鮮明な分解能の高い「像」を得ることができる。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態にかかるマンモグラフィ装置について説明する。この第四実施形態にかかるマンモグラフィ装置の基本構成(図1に示した構成、および図2にて説明した計測方法等)は、先に説明した第三実施形態にかかるマンモグラフィ装置と同様であるため、ここでは、その具体的構成については割愛し、必要に応じ、図1等を参照しながら説明を行う。
この第四実施形態にかかるマンモグラフィ装置と、第三実施形態にかかるマンモグラフィ装置等との違いは、乳房内の映像化方法(像再構成アルゴリズム)である。つまり、得られたデータ(計測された受信データ)を用いて、乳房T内部の映像化を行う際の像再構成アルゴリズムが異なる。
より具体的には、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、「マルチグリッド」を用いた像再構成アルゴリズムを採用している点が、第三実施形態とは異なる。以下、第三実施形態と同様の部分(構成および方法等)については説明を省略し、主に、第三実施形態と異なる部分(第四実施形態の特徴部分)について具体的に説明する。
逆散乱問題は一般に悪条件であり、雑音が存在する場合や未知のパラメータ数が多くなると像の再構成が不安定になる。また、再構成領域が大きくなると再構成が不安定になるだけでなく,解析に多大な時間を要することとなる。本実施形態においては、これらの問題を改善すべく、「マルチグリッド」を用いた像再構成アルゴリズムを採用している。以下、グリッド段数が2段の場合を例にとり像再構成の2次元モデルを用いて、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態にかかるアルゴリズムは、図7(a)のようにΔuで分割した再構成領域Dをそのまま解析せずに、図7(b)のようにΔu’=2Δuに分割幅を変更した「粗い格子」で解析を行うべく構成されている。このとき粗い格子での再構成に必要な観測電磁界(計測された受信データ)「(v’(r ,t))’」は入射パルスに対する観測電磁界「v’(r ,t)」をカットオフ周波数fmax/2のLPF1(低域通過フィルタ1)に通すことで得ることができる。ここで、fmaxは、入射パルスの最高周波数である。また、入射パルスを同じLPF1に通して得られた低周波成分だけを有するパルスを入射波として、粗い格子での推定電磁界(計算された受信データ)「(v(p;r ,t))’」を得ることができる。
本実施形態においては、これらの新たな観測電磁界「(v’(r ,t))’」と推定電磁界「(v(p;r ,t))’」とを用いて、先に説明した数5における汎関数F(p)の最小化を行い、再構成処理を行う。
次いで、この分割幅Δu’の粗い格子による結果を分割幅Δuの細かい格子の初期値として、細かい格子における再構成処理を行う。この際、観測電磁界「v’(r ,t)」をカットオフ周波数fmaxのLPF2に通すことで、入射パルスの最高周波数よりも高い雑音の高周波成分を除去している。
また、本実施形態においては、分割幅Δu’の粗い格子の再構成結果を分割幅Δuに変換するために、以下の数22の延長補間を用いている。図8に、延長補間の図を示す。
Figure 0004803529
以下、図9のフローチャートに基づいて、本実施形態のアルゴリズムを説明する。図9は、本実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。
この図9に示すように、第四実施形態においては、先に説明した第三実施形態等と同様に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている「計測された受信データ」が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、「計測された受信データ」に関する入力処理が行われる(ステップS901)。
次に、PC3等の入力装置(キーボード等)を用いて、PC3内のメモリ等に記憶されている入射パルス(乳房Tに対して照射されたマイクロ波パルス)が、演算処理部(CPU等)に与えられる。つまり、入射パルスに関する入力処理が行われる(ステップS902)。具体的には、入射パルスの形状(波形)が入力される。
次に、推定したい電気定数分布に適当な初期推定値が与えられる(ステップS903)(本発明の「初期推定値ステップ」に相当)。つまり、乳房Tに対して、適当な初期推定値が与えられる。ここで、適当な初期推定値としては、例えば、拡張ボルン近似法、逆伝播法、パルスの受信時間を利用した電気定数の簡易推定法等により与えられる推定値が用いられる。
次に、マルチグリッドの設定が行われる(ステップS904)(本発明の「マルチグリッド設定ステップ」に相当)。具体的には、マルチグリッドの段数N、グリッド間隔Δu(n=1,2,…,N)、グリッド間隔に対応したフィルタの遮断周波数f(n=1,2,…,N)等の設定が行われる。
次に、計測された受信データのフィルタリングが行われる(ステップS905)(本発明の「第三フィルタリングステップ」に相当)。具体的には、遮断周波数f(この時点ではn=1)のフィルタに、計測された受信データが通される。
次に、入射パルス(照射されたマイクロ波パルス)のフィルタリングが行われる(ステップS906)(本発明の「第四フィルタリングステップ」に相当)。具体的には、遮断周波数f(この時点ではn=1)のフィルタに、入射パルスが通される。
次に、順伝播の計算が行われる(ステップS907)(本発明の「順伝播計算ステップ」に相当)。具体的には、フィルタリングされた入射パルスを入射波として、推定電気定数分布を有する物体(ここでは乳房T)に対して照射し、グリッド間隔Δu(この時点ではn=1)上での数値計算により受信アンテナにおける散乱電磁界(透過・散乱パルス)を計算して「計算された受信データ」を得る(S907)。
次に、汎関数の計算が行われる(ステップS908)(本発明の「汎関数計算ステップ」に相当)。具体的には、ステップS907にて「計算された受信データ」とステップS905にてフィルタリングされた「計測された受信データ」とを用いて、汎関数の値が計算される。
次に、汎関数が予め与えられた値以下となっているか否かの判断(収束判定)、および電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達しているか否かの判断(反復回数判定)が行われる(ステップS909)(本発明の「判定ステップ」に相当)。汎関数が予め与えられた値(この値はグリッド毎に異なってよい)以下となっている場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数(この回数はグリッド毎に異なってよい)に達している場合(S909にて「Yes」の場合)には、次いで、ステップS913以降の処理が行われる。また、汎関数が予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S909にて「No」の場合)には、次いで、ステップS910以降の処理が行われる。
収束および反復回数の判定(判定ステップ)(S909)の結果、汎関数が予め与えられた値以下でなく、且つ電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達していない場合(S909にて「No」の場合)には、逆伝播の計算が行われる(ステップS910)。具体的には、「計算された受信データ」とフィルタリングされた「計測された受信データ」との差を用いて、随伴電磁界の計算が行われる(S910)(本発明の「逆伝播計算ステップ」に相当)。
ステップS910の逆伝播の計算が行われた後には、次いで、随伴電磁界から汎関数の勾配の計算が行われる(ステップS911)(本発明の「勾配計算ステップ」に相当)。つまり、推定電気定数における汎関数の勾配ベクトルの計算が行われる。
ステップS911の勾配の計算が行われた後には、次いで、計算された勾配を用いて、勾配法(例えば共役勾配法)によって定まっている更新方法により、電気定数分布の推定値を更新し(探索方向に沿って電気定数を更新し)(ステップS912)(本発明の「推定値更新ステップ」に相当)、さらに、ステップS907以降の処理が繰り返して行われる。
収束および反復回数の判定(判定ステップ)(S909)の結果、汎関数が予め与えられた値以下となっている場合、あるいは電気定数推定値の更新回数が予め与えられた回数に達している場合(S909にて「Yes」の場合)には、次いで、マルチグリッド段数の判定処理が行われる(ステップS913)(本発明の「マルチグリッド段数判定ステップ」に相当)。具体的には、グリッド間隔が、ステップS904にて設定された最小値よりも小さくなっているか否かが判断される。そして、グリッド間隔が最小値より小さくなっている場合(S913にて「Yes」の場合)には、次いでステップS916以降の処理が行われる。また、グリッド間隔が最小値より小さくなっていない場合(S913にて「No」の場合)には、次いでステップS914以降の処理が行われる。
マルチグリッド段数の判定処理(S913)の結果、グリッド間隔が最小値より小さくなっていない場合(S913にて「No」の場合)には、延長補間処理が行われる(ステップS914)(本発明の「グリッド間隔の延長補間処理ステップ」に相当)。具体的には、グリッドの間隔を1/2にし、現在のグリッドによる推定電気定数から細かいグリッドに対する電気定数の分布を延長補間(図8参照)により求める。
延長補間の処理(S914)が行われた後には、グリッドの更新処理が行われ(ステップS915)(本発明の「グリッドの更新ステップ」に相当)、その後、ステップS905以降の処理が繰り返し行われる。このステップS915においては、遮断周波数fの値の更新が行われる。
マルチグリッド段数の判定処理(S913)の結果、グリッド間隔が最小値と等しくなっている場合(S913にて「Yes」の場合)には、得られた推定電気定数分布を画像化し(ステップS916)、本実施形態にかかる一連のアルゴリズムが終了する。
以上説明したように、本実施形態にかかるマンモグラフィ装置は、X線ではなく、マイクロ波を用いることによって、乳房T内部の組織構造を三次元視覚化可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、上述した他の実施形態にて説明した種々の効果を全て得ることができる。
また、この第四実施形態にかかるマンモグラフィ装置(像再構成アルゴリズム)においては、フィルタリング処理にマルチグリッドを組み合わせることによって、再構成像の改善と解析の高速化を図ることが可能となる。具体的には、再構成像をより明確化することが可能となることに加え、解析時間を大幅に短縮することが可能となる。
さらに、この第四実施形態にかかるマンモグラフィ装置(像再構成アルゴリズム)においては、グリッドの更新の際にグリッドの間隔を必ずしも1/2にする必要はない。グリッドの間隔が1/2以外の場合には,グリッド間隔の更新に応じた延長補間と、遮断周波数を適用することにより、第四実施形態にかかるマンモグラフィ装置(像再構成アルゴリズム)をそのまま実行できる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、図1に示したように、アレイ・アンテナ計測部1が、乳房Tを収容可能な円筒型のアンテナ設置部11を用いて構成された場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、必要に応じて、図10に示すような種々の形態のアレイ・アンテナ計測部1A,1B,1Cを採用してもよい。なお、この図10においては、各アンテナ素子に接続される接続線の記載は省略されている。
図10(a)は、二枚の板状のアンテナ設置部11A1,11A2を用いて構成された、並行パネル型のアレイ・アンテナ計測部1Aを示したものである。このアレイ・アンテナ計測部1Aを用いる場合には、二枚のアンテナ設置部11A1,11A2にて乳房Tを挟み込んだ状態で、アンテナ素子12によるマイクロ波パルスの照射処理および透過・散乱パルスの計測処理が行われる。その後の乳房内部の映像化方法(像再構成アルゴリズム)については、必要に応じて、上述したいずれかの実施形態にかかる方法が採用される。
図10(b)は、一枚の板状のアンテナ設置部11Bを用いて構成された、単一パネル型のアレイ・アンテナ計測部1Bを示したものである。このアレイ・アンテナ計測部1Bを用いる場合には、アンテナ設置部11Bを乳房T上部に押し当てた状態で、アンテナ素子12によるマイクロ波パルスの照射処理および反射・散乱パルスの計測処理が行われる。その後の乳房内部の映像化方法(像再構成アルゴリズム)については、必要に応じて、上述したいずれかの実施形態にかかる方法が採用される。
図10(c)は、乳房に密着し得るカップ状の第一アンテナ設置部11C1と、乳房に連続した胸部に密着し得る板状の第二アンテナ設置部11C2とを用いて構成された、密着型のアレイ・アンテナ計測部1Cを示したものである。このアレイ・アンテナ計測部1Cを用いる場合には、カップ状の第一アンテナ設置部11C1で乳房を包み込んだ状態で、アンテナ素子12によるマイクロ波パルスの照射処理および透過・散乱パルスの計測処理が行われる。その後の乳房内部の映像化方法(像再構成アルゴリズム)については、必要に応じて、上述したいずれかの実施形態にかかる方法が採用される。なお、このような場合には、被検者の乳房の大きさや形状に合わせて、カップ状の第一アンテナ設置部11C1を取替え可能に構成してもよい。この図10(c)に示した密着側のアレイ・アンテナ計測部1Cであれば、通常のブラジャーのように被検者に装着させることが可能である。この密着側のアレイ・アンテナ計測部1Cは、乳房に密着する構成であるため、他の方法と比較して、より良好な再構成像を得ることができる。
また、上記実施形態においては、アレイ・アンテナ計測部1を用いて得られる受信データを用いて乳房内部の映像化を行う構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて、各アンテナ素子と乳房との位置関係を計測等して、これらのデータをも加えて乳房内部の映像化を行うように構成してもよい。より具体的には、例えば、アンテナ設置部が変形可能なシート等(例としては、導電性布を用いたマイクロストリップアンテナ等)を用いて構成されている場合には、乳房の形状やアンテナ設置部の装着状態に応じて各アンテナ素子の位置関係が変化するので、各アンテナ素子と乳房との位置関係等をCCDカメラ等の撮像手段にて撮影し、ここで得られた情報(乳房の形状、その乳房におけるアンテナ素子の位置等)をも像再構成アルゴリズムに加える。このような構成であれば、乳房外形の三次元情報等を組み込んだ状態で、乳房内部の電気定数分布像の再構成を実施可能であるため、像質の改善および計算時間の短縮化を図ることができる。
また、他の実施形態として、図11のような構成を採用してもよい。図11は、整合液容器を備えたアレイ・アンテナ計測部1Dの概略図を示したものである。
アンテナ設置部11に設けられたアンテナ素子12からマイクロ波パルスを効率よく乳房Tに入射させるためには、アンテナ素子12を配置しているアンテナ設置部11を、整合液16にて覆うことが好ましい。そこで、図11は、かかる構成を開示している。つまり、この図11は、図1にて示した円筒型のアンテナ設置部11を整合液16で満たすべく、アンテナ設置部11の周囲に整合液容器15を備えた構成を示している。この図11に示した構成においては、アンテナ設置部11および乳房Tは、整合液16で満たされた整合液容器15内に入れられる。そして、この際には、乳房Tが整合液16に直接触れることを防止するために、乳房Tを薄いフィルムで覆うか、アンテナ設置部11の乳房Tが挿入される部分に乳房Tの形状に変形可能なシートを予め設けてもよい。また、この図11のように整合液16を用いる場合には、乳房Tの大きさ等によって整合液容器15内の整合液16の量を調節する必要があるため、乳房Tをアンテナ設置部11内に挿入した後に、整合液容器15内に整合液16を注入する。
上記図11のような構成によれば、マイクロ波パルスを効率よく乳房Tに入射させることが可能となり、整合液を使わない場合に比べてアンテナ素子を小型化することが可能となる。また、図11に示した整合液16を用いる構成については、円筒型のアンテナ設置部11だけではなく、例えば、図10(c)に示した密着型のアンテナ設置部11Cを用いることも可能である。
また、整合液16としては、例えば、純水、生理食塩水、あるいはアルコール等を用いることができる。さらに、整合液16としては、例えば、純水、食塩、砂糖、グリセリン、アルコール等を混ぜた混合溶液等を用いることが可能である。
さらに、整合液容器15は、その全体が電波吸収材シートで覆われた構成であってもよい。このような構成であれば、外部からの不要電波を減衰させるという効果を得ることができる。
さらに、本発明においては、他の実施形態として、図12に示すような構成のアレイ・アンテナ計測部1Eを用いてもよい。なお、この図12においては、各アンテナ素子に接続される接続線の記載は省略されている。
ここで、図12(a)は、他の実施形態にかかるアレイ・アンテナ計測部1Eの断面図を示しており、図12(b)は、図12(a)のX部拡大図を示している。これらの図に示すように、本実施形態にかかるアレイ・アンテナ計測部1Eは、全体がカップ状に形成されており、このカップ状に形成されたアレイ・アンテナ計測部1Eの中央部断面図が図12(a)である。このアレイ・アンテナ計測部1Eは、その外側は金属層19で覆われ、内側は二層の高誘電率の誘電体層(第一誘電体層17,第二誘電体層18)で覆われている。そして、これらの第一誘電体層17と第二誘電体層18との間に、複数枚規則正しく並べられた金属ストリップから成るアンテナ素子12Eが設けられている。このアンテナ素子12Eは、これまで説明した他の実施形態と同様の機能を有している。
図12に示したようなアレイ・アンテナ計測部1Eであれば、アンテナ素子部12Eが二層の誘電体層17,18間に設けられているため、乳房内部へのパルス入射効率を高め、アンテナ素子12Eの小型化を図ることができる。また、アンテナ素子が乳房に直接触れるのを避けることができる。すなわち、本実施形態においては、二層の誘電体層17,18が先に図11にて説明した整合液と同様の機能を有することとなる。また、本実施形態においては、乳房の大きさに応じて、異なる曲率半径を有するアレイ・アンテナ計測部1Eを用意してもよい。
また、上述した実施形態においては、図2にて示したように、それぞれのアンテナ素子12が順番に送信アンテナあるいは受信アンテナとして機能する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、全てのアンテナ素子ではなく、予め選択された幾つかのアンテナ素子のみに送信アンテナとしての機能を持たせるような構成としもよい。また、例えば、送信アンテナとして用いられるアンテナ素子以外のアンテナ素子全てを受信アンテナとして用いるのではなく、適当に選択された幾つかのアンテナ素子を受信アンテナとして使用するような構成としてもよい。さらに、単一のアンテナ素子を送信アンテナとして用いるのではなく、幾つかのアンテナ素子を送信アンテナとして用い、同時にパルス波を放射させて乳房に対する照射を行うような構成としてもよい。また、必要に応じて、上述した種々の方法を適宜組み合わせて、送信アンテナや受信アンテナを設定してもよい。
本発明の第一実施形態にかかるマンモグラフィ装置の概略図を示したものである。 本実施形態にかかるマンモグラフィ装置を構成するアレイ・アンテナ計測部の二次元モデル概略図を示したものである。 本実施形態にかかる汎関数を定義する際の説明に用いられる無損失誘電体柱等を示した概略図である。 本発明の第一実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の第二実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の第三実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の第四実施形態にかかる像再構成アルゴリズムにおけるマルチグリッドの「細かい格子」と「粗い格子」とを説明するための図である。 本発明の第四実施形態にかかる像再構成アルゴリズムにおけるマルチグリッドの「延長補間」を説明するための図である。 本発明の第四実施形態にかかる像再構成アルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態にかかるアレイ・アンテナ計測部の概略図を示したものである。 本発明の他の実施形態にかかるアレイ・アンテナ計測部(整合液容器を備えたアレイ・アンテナ計測部)の概略図を示したものである。 本発明の他の実施形態にかかるアレイ・アンテナ計測部(二層の誘電体層を有するアレイ・アンテナ計測部)の概略図を示したものである。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D、1E…アレイ・アンテナ計測部
2…パルス波送受信部
3…PC(パーソナルコンピュータ)
11、11A1、11A2、11B、11C1、11C2…アンテナ設置部
12、12a〜12h、12E…アンテナ素子
13…接続線
15…整合液容器
16…整合液
17…第一誘電体層
18…第二誘電体層
19…金属層

Claims (8)

  1. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィの方法であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射工程と、
    前記乳房からの散乱波の時間領域データを計測する計測工程と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化工程とを備え、
    前記映像化工程において、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、
    前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、
    前記計測工程にて得られた計測された受信データと、前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、
    前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、
    前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップとを有する
    ことを特徴とするマンモグラフィの方法。
  2. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィの方法であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射工程と、
    前記乳房からの散乱波の時間領域データを計測する計測工程と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化工程とを備え、
    前記映像化工程において、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、
    前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、
    前記計測工程にて得られた計測された受信データと、前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データと、電気定数の推定分布とを用いて、正則化項を組み込んだ汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、
    前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、
    前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップとを有する
    ことを特徴とするマンモグラフィの方法。
  3. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィの方法であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射工程と、
    前記乳房からの散乱波の時間領域データを計測する計測工程と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化工程とを備え、
    前記映像化工程において、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、
    フィルタの設定を行うフィルタ設定ステップと、
    前記計測工程にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第一フィルタリングステップと、
    前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、
    前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データをフィルタに通す第二フィルタリングステップと、
    前記第一フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後の計測された受信データと、前記第二フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後の計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、
    前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記フィルタリング後の計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、
    前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、フィルタ段数の判定ステップに進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、前記第二フィルタリングステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップと、
    前記判定ステップの後、前記フィルタの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、フィルタの更新ステップ、前記第一フィルタリングステップ、前記順伝播計算ステップ、前記第二フィルタリングステップ、前記汎関数計算ステップ、前記判定ステップ、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、および推定値更新ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うフィルタ段数判定ステップとを有する
    ことを特徴とするマンモグラフィの方法。
  4. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィの方法であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射工程と、
    前記乳房からの散乱波の時間領域データを計測する計測工程と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化工程とを備え、
    前記映像化工程において、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値ステップと、
    マルチグリッドの設定を行うマルチグリッド設定ステップと、
    前記計測工程にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第三フィルタリングステップと、
    前記照射工程にて照射されたマイクロ波パルスをフィルタに通す第四フィルタリングステップと、
    前記第四フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後のマイクロ波パルスを入射波として前記初期推定値を有する物体に対して照射し、数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算ステップと、
    前記順伝播計算ステップにて得られた前記計算された受信データと、前記第三フィルタリングステップにて得られたフィルタリング後の計測された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算ステップと、
    前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算ステップと、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算ステップと、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新ステップと、
    前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、マルチグリッド段数判定ステップに進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、前記推定値更新ステップ、前記順伝播計算ステップ、および前記汎関数計算ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定ステップと、
    前記判定ステップの後、前記マルチグリッドの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、グリッド間隔の延長補間処理ステップ、グリッドの更新ステップ、前記第三フィルタリングステップ、前記第四フィルタリングステップ、順伝播計算ステップ、前記汎関数計算ステップ、前記判定ステップ、前記逆伝播計算ステップ、前記勾配計算ステップ、および推定値更新ステップを繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うマルチグリッド段数判定ステップとを有する
    ことを特徴とするマンモグラフィの方法。
  5. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィ装置であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射手段と、
    前記乳房からの散乱波を受信する受信手段と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化手段とを備え、
    前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、
    前記パーソナルコンピュータを、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、
    前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、
    前記受信手段にて得られた計測された受信データと、前記計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算手段、
    前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、
    および前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段として機能させる
    ことを特徴とするマンモグラフィ装置。
  6. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィ装置であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射手段と、
    前記乳房からの散乱波を受信する受信手段と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化手段とを備え、
    前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、
    前記パーソナルコンピュータを、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、
    前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、
    前記受信手段にて得られた計測された受信データと、前記計算された受信データと、電気定数の推定分布とを用いて、正則化項を組み込んだ汎関数の値を計算する汎関数計算手段、
    前記計測された受信データと前記計算された受信データとの差を用いて随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、
    および前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段して機能させる
    ことを特徴とするマンモグラフィ装置。
  7. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィ装置であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射手段と、
    前記乳房からの散乱波を受信する受信手段と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化手段とを備え、
    前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、
    前記パーソナルコンピュータを、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、
    フィルタの設定を行うフィルタ設定手段、
    前記受信手段にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第一フィルタリング手段、
    前記初期推定値を有する物体に対して数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、
    前記計算された受信データをフィルタに通す第二フィルタリング手段、
    前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記フィルタリング後の計算された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算手段、
    前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記フィルタリング後の計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、
    前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、フィルタ段数の判定に進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、前記第二フィルタリング、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段、
    および前記判定処理の後、前記フィルタの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、フィルタの更新処理、前記第一フィルタリング、前記順伝播計算、前記第二フィルタリング、前記汎関数計算、前記判定処理、前記逆伝播計算、前記勾配計算、および推定値更新を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うフィルタ段数判定手段として機能させる
    ことを特徴とするマンモグラフィ装置。
  8. 乳房内部の組織構造をマイクロ波を用いて三次元可視化するマンモグラフィ装置であって、
    乳房にマイクロ波パルスを照射する照射手段と、
    前記乳房からの散乱波を受信する受信手段と、
    前記散乱波の時間領域データに基づいて、前記乳房内の電気定数分布を映像化する映像化手段とを備え、
    前記映像化手段がパーソナルコンピュータを用いて構成されており、
    前記パーソナルコンピュータを、
    推定したい電気定数分布に適当な初期推定値を与える初期推定値計算手段、
    マルチグリッドの設定を行うマルチグリッド設定手段と、
    前記受信手段にて得られた計測された受信データをフィルタに通す第三フィルタリング手段、
    前記照射手段にて照射されたマイクロ波パルスをフィルタに通す第四フィルタリング手段、
    前記フィルタリング後のマイクロ波パルスを入射波として前記初期推定値を有する物体に対して照射し、数値計算により計算された受信データを得る順伝播計算手段、
    前記計算された受信データと、前記フィルタリング後の計測された受信データとを用いて汎関数の値を計算する汎関数計算手段、
    前記フィルタリング後の計測された受信データと、前記計算された受信データとの差を用いて、随伴電磁界を計算する逆伝播計算手段、
    前記随伴電磁界から汎関数の勾配を計算する勾配計算手段、
    前記勾配を用いて前記電気定数分布の推定値を更新する推定値更新手段、
    前記汎関数に関する収束判定および前記推定値の更新回数に関する反復回数判定の結果が予め与えられた条件を満たす場合には、マルチグリッド段数の判定に進み、前記結果が予め与えられた条件を満たさない場合には、前記逆伝播計算、前記勾配計算、前記推定値更新、前記順伝播計算、および前記汎関数計算を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行う判定手段と、
    および前記判定処理の後、前記マルチグリッドの段数が予め与えられた条件を満たす場合には、電気定数分布の画像化を行うべく処理を進め、前記条件を満たさない場合には、グリッド間隔の延長補間処理、グリッドの更新、前記第三フィルタリング、前記第四フィルタリング、前記順伝播計算、前記汎関数計算、前記判定処理、前記逆伝播計算、前記勾配計算、および推定値更新を繰り返し行うべく処理を進めるように、判定処理を行うマルチグリッド段数判定手段として機能させる
    ことを特徴とするマンモグラフィ装置。
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