JP4803084B2 - エンジンの圧力制御装置および圧力制御方法 - Google Patents

エンジンの圧力制御装置および圧力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの圧力制御装置および圧力制御方法に係り、特に、エンジンの減速時に発生する吸気管内の過負圧を防止すると共に、吸気管内の圧力の変動を抑制する圧力制御装置および圧力制御方法に関する。
エンジンオイルは、エンジンを構成する各部品の摩擦抵抗を減少させ、円滑にエンジンを運転させるための重要なものである。エンジンオイルは、基本的にエンジン内を循環するものであるが、その一部は、エンジンの運転に伴い、燃料と共に燃焼したり、エンジンを構成する部品の劣化によって漏洩したりして、次第に消費されていく。
このようなエンジンオイルの消費は、エンジン内の潤滑作用等に重大な影響を及ぼし、最終的にはエンジンの機能を麻痺させてしまう恐れがある。したがって、エンジンの設計や試作品の段階において、種々の走行パターンで長時間試験運転(以下、「運転モード」と称する)し、エンジンオイルの消費量を検査して、その設計に役立てることが必要である。
エンジンオイルの消費量は、スロットル弁が閉じた状態、すなわち、減速時において、スロットル弁の下流側とエンジンの燃焼室との間の吸気管内の負圧力が高くなるに従い、その消費量が増加することが知られている。このように、吸気管内の圧力とエンジンオイルの消費量とは密接な関係があり、エンジンオイルの消費量を検査する場合、前記吸気管内の圧力が過負圧になることを防ぐと共に、吸気管内の圧力の変動を極力抑制し、一定の圧力値となるようにして検査することが要求されている。
ところが、エンジンを長時間運転させると、エンジンの摺動部品(例えばピストンのオイルリング)の劣化などにより吸気管内の圧力の変動が大きくなり、吸気管内の圧力値を一定に保つことが難しいという問題がある。
そこで、例えば特許文献1のように、アクチュエーターを用いてスロットル弁の開度を増減させて吸気管内の圧力を調整する方法が提案されている。
特開昭61−116636号公報 しかしながら、このような方法では、吸気管内の圧力調整のためにスロットル弁の開度を増減させてしまうため、エンジンの回転数自体が変動してしまう。このため、所望する運転モードから外れてしまい、正確なエンジンオイルの消費量を検査することができないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するために成されたものであり、エンジンの減速時に吸気管内の圧力が過負圧になることを防止すると共に、前記吸気管内の圧力の変動を抑制することができるエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、エンジンのオイル消費試験を実行する際、エンジンの回転数自体を変動させることなく、一定の運転モードを維持することができるエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るエンジンの圧力制御装置は、エンジンに連通する吸気管内に当該吸気管内を通過する気体の流量を検出する流量計と前記吸気管内を通過する気体の流量を調整する電子制御スロットル弁とが設けられ、前記電子制御スロットル弁と前記流量計との間から当該電子制御スロットル弁の下流側に連通するバイパス手段と、前記バイパス手段を通過する気体の流量を調整する流量調整手段と、前記電子制御スロットル弁よりも下流側の前記吸気管内の圧力を検出する圧力検出手段と、検出した圧力に基づき前記流量調整手段を制御する制御手段と、を備え、前記エンジンは、所定の加減速サイクルを実行するものであって、前記制御手段は、前記圧力検出手段によって検出された圧力を前記サイクルごとに圧力データとして記憶する記憶手段を備え、当該制御手段は、前記記憶手段によって現在のサイクルの直前の前サイクルにおいて記憶された圧力データに基づき、現在のサイクルにおける前記流量調整手段を制御する一方、当該現在のサイクルにおいて検出された圧力データを前記前サイクルにおいて検出された圧力データにフィードバックして、当該現在のサイクルの直後の次サイクルの流量調整手段の制御に反映させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明に係るエンジンの圧力制御方法は、エンジンに連通する吸気管内に当該吸気管内を通過する気体の流量を検出する流量計と前記吸気管内を通過する気体の流量を調整する電子制御スロットル弁とが設けられ、前記電子制御スロットル弁と前記流量計との間から当該電子制御スロットル弁の下流側に連通するバイパス部と、を備えるエンジンの圧力制御方法であって、前記電子制御スロットル弁の下流側の前記吸気管内の圧力を検出する段階と、前記検出した圧力に基づき前記バイパス部に流入する気体の流量を調整する段階と、を含み、前記エンジンは、所定の加減速サイクルを実行するものであって、前記制御手段は、前記圧力検出手段によって検出された圧力を前記サイクルごとに圧力データとして記憶する記憶手段を備え、当該制御手段は、前記記憶手段によって現在のサイクルの直前の前サイクルにおいて記憶された圧力データに基づき、現在のサイクルにおける前記流量調整手段を制御する一方、当該現在のサイクルにおいて検出された圧力データを前記前サイクルにおいて検出された圧力データにフィードバックして、当該現在のサイクルの直後の次サイクルの流量調整手段の制御に反映させることを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係るエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法によれば、流量計と電子制御スロットル弁との間から、当該スロットル弁の下流側に連通するバイパス手段を用いて、当該スロットル弁とエンジンの燃焼室との間の吸気管内の圧力を調整するようにしている。この結果、吸気管内の圧力が過負圧になることを防止すると共に、前記吸気管内の圧力の変動を抑制することができる。また、吸気管内の圧力調整のためにエンジンの回転数自体を加減する必要がなく、一定の運転モードを維持することができる。
また、以上のように構成された本発明に係るエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法によれば、バイパス手段を含む総ての吸入気体量をエンジンコントロールユニットが掌握することになり、電子制御スロットル弁の開度以外は、排出ガス等の総ての制御に影響を及ぼさなくなる。この結果、エンジンオイルの消費量を精度良く検査することができる。
以下に、本発明の第1実施形態および第2実施形態に係るエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に係るエンジンの圧力制御装置およびその制御方法の説明に供する図である。図1は本実施形態に係る圧力制御装置の概略的な構成を示すブロック図を、図2および図3は図1に示したエンジンの圧力制御装置の動作フローチャートであり、このフローチャートは本実施形態に係るエンジンの圧力制御方法の手順に相当するものである。また、図4は本実施形態において取得した圧力波形を示す図を、図5は本実施形態における制御マップの一例を示したものである。
図1に示すように本実施形態に係るエンジンの圧力制御装置100は、エンジン本体111、電子制御スロットル弁113、流量計115、バイパス部117、流量調整部121、圧力検出部131、およびコントロール部141を備えている。
エンジン本体111は、吸気管119から流入する気体と、燃料気化器114が噴霧する燃料との混合気を燃焼させることによって発生する熱エネルギを、機械的エネルギに変換する原動機であり、例えば、内燃機関が該当する。なお、本発明は、ガソリンエンジンのような火花点火式内燃機関を例にとって説明するが、内燃機関の具体的な形態は特に制限されず、ディーゼルエンジンのような圧縮着火式内燃機関であっても良い。
電子制御スロットル弁113は、エンジン本体111の燃焼室に気体を案内する吸気管119に配置され、エンジンの動作全般の制御を司る制御装置、いわゆるエンジンコントロールユニット(図示はしていない。以下、「ECU」と称する)からの信号に基づき、吸気管119内を通過する気体の流量を調整するものである。ECUは、車両に取り付けられた種々のセンサからの情報に基づき燃料気化器114(例えば、インジェクタ)の燃料噴射量や噴射時間など、主として、エンジン本体111を所望する動作を実行させるための制御装置である。
流量計115は、電子制御スロットル弁113の上流側に配置され、吸気管119内を通過する気体の流量を検出し、検出した気体の流量をECUに送信するものである。流量計115は、エアクリーナー112の直後に配置されている。流量計115は、例えば、フラップ式、熱線式方式、カルマン渦式、または負圧感知方式などの流量計を使用することができる。
バイパス部117は、エアクリーナー112から流入した気体を電子制御スロットル弁119の上流側から下流側へとバイパスするものであり、バイパス手段として機能する。
流量調整部121は、後述するコントロール部141からの流量制御信号を受信し、受信した流量制御信号に基づきバイパス部117を通過する気体の流量を調整するものであり、流量調整手段として機能する。また、流量調整部121は、電空変換器121bと真空減圧弁121cとを含み、バイパス部117を通過する負圧の気体の流量を、正圧の気体で制御することができるように構成されている。
電空変換器121bは、後述するコントロール部141からの電気信号(流量制御信号)を受信して、受信した流量制御信号を気体圧力信号へと変換するものであり、電空変換手段として機能する。電空変換器121bは、外部から流入する高圧の気体(例えば、工場エアーなどの高圧の圧縮空気)を用いて後述する真空減圧弁121cを制御するものである。
真空減圧弁121cは、電空変換器121bからの気体圧力信号を受信し、受信した気体圧力信号に基づき、バイパス部117を通過する気体の流量を調整するものであり、バイパス流量調整手段として機能する。なお、真空減圧弁121cは真空リレー(図示はしていない)を含み、真空減圧弁121cの一次側の配管は、バイパス部117の一部であり、アダプタ117aによって電子制御スロットル弁113と流量計115との間に連結されている。この結果、バイパス部117を含む総ての吸入気体量をECUが掌握することになり、電子制御スロットル弁113の開度以外は、排出ガス等の総ての制御に影響を及ぼさなくなる。
圧力検出部131は、電子制御スロットル弁113とエンジン本体111の燃焼室との間の吸気管119a内に取り付けられた圧力センサによって、吸気管119a内の圧力を検出し、検出した圧力をその大きさに比例した電気信号(圧力信号)に変換してコントロール部141に送信するものであり、圧力検出手段として機能する。圧力センサとしては、例えば、電気式指圧計や圧力平衡形指圧計などの指圧計を使用することができる。また、吸気管119aは、電子制御スロットル弁113が閉じた状態に負圧が急激に上昇する領域であり、例えば、エンジン本体111の燃焼室に吸入させる気体を各気筒内に配分するためのインテークマニホールド(多岐管、集合管)が該当する。
コントロール部141は、圧力検出部131からの圧力信号を受信し、受信した圧力信号に基づき流量調整部121を制御したり、受信した圧力信号を記憶したりするものであり、制御手段として機能する。
コントロール部141は、図示はしていないが、例えば、コンピュータなどの電子計算機であり、中央演算処理装置(例えば、CPU)、演算に必要なデータを記憶する記憶装置(記憶手段、例えば、ROM、RAM、ハードディスク)、外部からの入力を受け付ける入力装置(例えば、キーボード)、および取得した各種情報を表示する画像表示装置(例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ)を備えている。
中央演算処理装置は、各種演算処理などを実行するものである。記憶装置(記憶手段)は、受信した圧力信号(圧力データ)を一時的に記憶するために用いられる領域、あるいは、流量調整部121を制御するためのプログラムを記憶するための領域、その他、各部を制御するプログラムなどが設定されている。なお、コントロール部141は、ECUが有する機能を含むことができ、圧力制御装置100の全体の制御を司る司令部としての機能を有していても良い。
次に、図2〜図5を参照して、本発明に係るエンジンの圧力制御方法について詳細に説明する。以下では、本発明に係るエンジンの圧力制御装置を用いて実施されるエンジンオイル消費試験を例に挙げて説明する。また、以下では、図4に示す「現在のサイクル」における処理内容に沿って説明する。
まず、エンジン本体111は、所定の運転モード、例えば、低加減速モード、中加減速モード、高減速モードなどの運転モードで運転されている。本実施形態では、図4に示すように、エンジンの回転数を一定の時間間隔で、600rpmから1600rpmまで上昇させた後、1600rpmから600rpmまで下降させるサイクルを実行するようにエンジンを運転させている。このような運転モードにおいて、現在サイクルの処理を開始する(S200)。
次に、圧力検出部131により、吸気管119a内の圧力が検出される。検出した圧力は、コントロール部141に送信される(S210)。ここで、吸気管119a内の圧力を検出する理由を説明しておく。
図4は、吸気管119a内の圧力波形を測定した結果を示すものである。図に示すように、吸気管119a内部では、電子制御スロットル弁113が閉じた状態、すなわち、減速時において、急激に負圧が上昇する。この負圧の上昇によって、エンジン本体111を構成する摺動部品、例えばピストンのオイルリングとシリンダとの間からエンジンオイルが漏洩して燃焼室で燃焼されてしまったり、排気管へ放出されてしまったりする現象が発生する。このように、吸気管119aの内部の圧力はオイル消費量と密接な関係があるため、吸気管119a内の圧力を検出し、その圧力を制御することが重要だからである。
次に、コントロール部141は、検出された圧力を圧力データとして記憶する(S211)。
次に、検出された圧力があらかじめ定められた第1の圧力を超えたか否かを判断する(S212)。検出された圧力があらかじめ定められた第1の圧力以下の場合、第1の圧力を超えると判断されるまでステップS211の処理を繰り返す(S212:NO)。なお、前記第1の圧力は、観測を開始するための基準となる圧力値b(図4参照。以下、「観測圧力」と称する)であり、この圧力は、実験結果のデータや作業員の経験則などにより決定される。
ここで、現在のサイクルにおける処理では、現在のサイクルの直前のサイクル(以下、「前サイクル」と称する)における処理で算出された各種の値を用いて制御される。以下、本発明の内容の理解を容易なものとするため、前サイクルにおける処理内容について詳細に説明しておく。
図4に示すように、時系列に従って、時間間隔tn−1におけるサイクルを「前サイクル」、時間間隔tにおけるサイクルを「現在のサイクル」、時間間隔tn+1におけるサイクルを「次サイクル」とする。前サイクルでは、図2と同様の処理のほかに、次のような割り込み処理を行っている。
図3は、図2の手順と並行して実行されている割り込み処理の内容を示すフローチャートである。
まず、圧力検出部131によって、吸気管119a内の圧力が検出される。検出された圧力は、コントロール部141に送信される(S300)。
次に、コントロール部141は、検出された圧力が観測圧力を超えたか否かを判断する(S310)。検出された圧力が観測圧力以下の場合、観測圧力を超えると判断されるまでステップS300の処理を繰り返す(S310:NO)。検出された圧力が観測圧力を超えたと判断した場合(S310:YES)、コントロール部141は、検出される圧力が観測圧力を超えている時間の測定を開始する(S320)。
次に、検出された圧力が観測圧力を超えている場合、再び、圧力が減少して観測圧力に達したと判断されるまでステップS320の処理を繰り返す(S330:NO)。検出された圧力が観測圧力に達したと判断した場合(S330:YES)、前サイクルにおける図2の流量制御信号出力(S216)の処理内容を強制的に終了させるように制御する(S340)。具体的には、現在実行されているサイクルの流量制御信号をOFFにして、現在実行されているサイクル(ここでは、「前サイクル」における処理を説明しているので、現在実行されているサイクルとは、「前サイクル」を意味する)の処理を強制的に終了させるように割り込み処理をかける(詳細は後述する)。
次に、測定した時間、すなわち、図2に示す‘tn−1’を64等分に分割する(S340)。本実施形態では、64分割した場合について説明しているが、これに限定されず、2の累乗数が好ましい。なお、複数に分割する理由は、電空変換器121bや真空減圧弁121cの作動遅れなどを考慮した数であり、実験結果からのフィードフォアードによって決定している。
ここで、本明細書中において、分割された一の間隔を「単位セクタ」と、分割された一の時間間隔を「単位セクタ時間」と称する。そして、この64等分に分割されたそれぞれの単位セクタ時間(時系列順に、第1セクタ、第2セクタ、・・・・、第63セクタ、第64セクタと称する)は、「前サイクル」の次のサイクルである、「現在のサイクル」の制御に反映される。測定した時間‘tn−1’は、現在のサイクルでは、前サイクルにおいて測定した時間‘tn−1’を、現在のサイクルの制御時間としている。
ところで、実際には、現在のサイクルの制御時間の‘tn−1’を経過する前に、検出される圧力が観測圧力を下回ってしまう場合がある。この場合、たとえ現在のサイクルの制御時間が‘tn−1’であったとしても、吸気管内119aの圧力を制御する必要がなくなるので、現在のサイクルの流量制御信号をOFFとして処理を強制的に終了させるようにしている。したがって、時間‘tn−1’と時間‘t’とは必ずしも一致してはいない。
再び、図2を参照して、ステップS212の処理内容の説明に戻る。
そして、検出された圧力が観測圧力を超えたと判断した場合(S212:YES)、「前サイクル」で設定された第1セクタの流量制御信号を、「現在のサイクル」の第1セクタ時間の流量制御信号として、流量調節部121に送信する(S213)。
ここで、ステップ212の処理内容を具体的に説明する。
「前サイクル」におけるそれぞれの単位セクタ時間内に検出された圧力は、圧力データとしてコントロール部141が備える記憶装置に記憶される。そして、この記憶された圧力に基づく流量制御信号は、一般的な手法により、コントロール部141が備える中央演算処理装置によって圧力と流量制御信号との関係を示す変換テーブルなどを用いて算出される。
そして、算出された流量制御信号は、図5に示すようなマップのような態様(以下、「制御マップ」と称する)で記憶装置に記憶される。コントロール部141は、この制御マップを参照して、「前サイクル」において設定された第1セクタの流量制御信号を「現在のサイクル」の第1セクタの流量制御信号として流量調節部121に送信する。なお、上記のような制御マップは、それぞれのセクタ時間に対応する流量制御信号が格納されているものであれば、どのような態様のものであっても良い。
ところで、上記のように「現在のサイクル」の一のセクタ時間の流量制御信号と、「前サイクル」の一のセクタ時間の流量制御信号とを同じ流量制御信号として処理する理由は、圧力センサのセンシング特性による反応遅れ、電空変換器121bや真空制御弁121cの反応遅れなどを補正することを目的としている。現在のサイクルの一の単位セクタ時間の流量制御信号と現在のサイクルの一のセクタに対応する前サイクルの単位セクタ時間の流量制御信号とを同じ流量制御信号として処理すれば、上記のような反応遅れに影響されることなく、リアルタイムにおけるフィードバック制御と比較し、吸気管119a内の圧力の変動を格段に抑制することができるようになるからである。
次に、流量調節部121は、バイパス部117を通過する気体の流量を調整する(S214)。具体的には、流量調節部121は、流量調節部121の電空変換器121bがコントロール部141からの信号を受信し、受信した信号に基づき真空減圧弁121c制御してバイパス部117を通過する気体の流量を調整する。このように、バイパス部117を介して所定量の気体を通過させることで、流量計115が検出した気体吸入量を用いて制御することができる。この結果、流量計115が検出した気体吸入量以外の気体量が吸気管119内に介在することがないので、ECU(または、コントロール部141)の制御に誤差を生じさせることなく、エンジン本来の特性に近いかたちでオイル消費試験を実施することができるようになる。
次に、第1セクタ時間を経過したか否かを判断する(S215)。第1セクタ時間を経過していないと判断した場合(S215:NO)、第1セクタ時間が経過するまで、ステップS215の処理を繰り返す。そして、第1セクタ時間を経過したと判断した場合(S215:YES)、「前サイクル」において設定された第2セクタの流量制御信号を、「現在のサイクル」の第2セクタ(図2のステップS216の処理において、n=2)の流量制御信号として、流量調節部121に送信する(S216)。
次に、流量調節部121は、コントロール制御部141から送信された流量制御信号に基づき、バイパス部117を通過する気体の流量を調整する(S217)。
次に、コントロール部141は、第2セクタ時間を経過したか否かを判断する(S218)。第2セクタ時間を経過していないと判断した場合(S218:NO)、第2セクタ時間を経過するまで、ステップS218の処理を繰り返す。そして、第2セクタ時間を経過したと判断した場合(S218:YES)、第2セクタ時間内で検出された圧力の平均値(以下、「平均圧力」と称する)を算出し、あらかじめ設定された第2の圧力と比較する(S219)。ここで、第2の圧力は、吸気管119a内の過負圧を抑制するため(所定の運転モード中における圧力波形が極力、理論上の圧力波形になるようにするため)の基準となる圧力値a(図4参照。以下、「目標圧力」と称する)であり、この目標圧力は、実験結果のデータや作業員の経験則によって決定される。
次に、比較した結果に基づき第1セクタ(図2のステップS220の処理において第‘n−1’セクタに該当する)の制御マップを更新し、記憶する(S220)。具体的には、図5に示す制御マップを更新する。図5を参照すれば、例えば、算出された圧力の平均値が目標圧力よりも高い場合、第1セクタの流量制御信号(図5に示す「流量制御電流」)を、例えば7mAから8mAに増加させて更新する。一方、算出された圧力の平均値が目標圧力よりも低い場合、第1セクタの流量制御信号は、例えば7mAから6mAに減少させて更新する。そして、更新したデータは、コントロール部141の記憶装置に記憶され、次サイクルの流量制御信号として反映される。また、算出された圧力の平均値が目標圧力と同じ場合には更新しなくても良いし、例えば7mAから7mAと同じ値に更新しても良い。なお、図5に示す制御マップは、重複記載を避けるため第4セクタまでの制御マップとして記載しているが、実際は、第64セクタまでの制御マップである。
このように、現在のサイクルの直前の前サイクルにおいて記憶された圧力データに基づき、現在のサイクルにおける前記流量調整手段を制御する一方、当該現在のサイクルにおいて検出された圧力データを前記前サイクルにおいて検出された圧力データにフィードバックして、当該現在のサイクルの直後の次サイクルの流量調整手段の制御に反映させることで、吸気管119a内の圧力の変動が少ない安定した圧力制御が可能になる。なお、本実施形態では第1セクタ時間経過後ではなく、第2セクタ時間の経過後に制御マップを更新するように処理しているが、これは、圧力センサのセンシング特性による反応遅れや各部の伝送遅れなどを考慮したためである。
次に、第63セクタ時間を経過したか否かを判断する(S221)。第63セクタ時間を経過していないと判断した場合(S221:NO)、ステップS215の処理に戻る。そして、第64セクタ時間を経過したと判断した場合(S221:YES)、処理を終了する。なお、以上の処理中に、図3に示す割り込み処理が実行されるとその時点(第64セクタ時間を経過していなくても)で処理が強制的に終了することになる。なお、図では、単に「n」と表記しているが、実際には、n=2、3、4・・・、61、62、63と順次、第2セクタ〜第63セクタまで処理が実行(既に説明した割り込み処理(図3参照)が入らない限り)されるようになっている。
以上のように構成された本発明に係るエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法によれば、流量計と電子制御スロットル弁との間から、当該スロットル弁の下流側に連通するバイパス手段を用いて、当該スロットル弁とエンジンの燃焼室との間の吸気管内の圧力を調整するようにしている。この結果、吸気管内の圧力が過負圧になることを防止すると共に、前記吸気管内の圧力の変動を抑制することができる。また、吸気管内の圧力調整のためにエンジンの回転数自体を加減する必要がなく、一定の運転モードを維持することができる。
また、本実施形態に係るエンジンの圧力制御装置およびその圧力制御方法によれば、バイパス手段を含む総ての吸入気体量をエンジンコントロールユニットが掌握することになり、電子制御スロットル弁の開度以外は、排出ガス等の総ての制御に影響を及ぼさなくなる。この結果、本発明に係わる圧力制御装置およびその圧力制御方法を用いたエンジンオイルの消費試験において、エンジンオイルの消費量を精度良く検査することができる。
また、加減速のサイクルを実行する運転モードにおいて、現在のサイクルの直前の前サイクルにおいて記憶された圧力データに基づき、現在のサイクルにおける前記流量調整手段を制御する一方、当該現在のサイクルにおいて検出された圧力データを前記前サイクルにおいて検出された圧力データにフィードバックして、当該現在のサイクルの直後の次サイクルの流量調整手段の制御に反映させることで、脈動の少ない安定した制御が可能となる。また、エンジン(エンジンの機種は問わない)の劣化等によりその特性が変化しても自動で圧力の制御が可能となる。
[第2実施形態]
図6および図7は、本発明の第2実施形態に係る圧力制御装置およびその制御方法の説明に供する図である。図6は本実施形態に係る圧力制御装置の概略的な構成を示すブロック図を、図7は図6に示した圧力制御装置の動作フローチャートを示し、このフローチャートは本実施形態に係る圧力制御方法の手順に相当するものである。
第1実施形態と第2実施形態とでは、図1に対応する図6において第1減圧弁121dおよび第2減圧弁121eが設けられている点だけが異なっている。その他の構成要素は、図2と全く同じであるので共通する構成要素の説明は省略する。また、図6において、図1に示した構成要素と対応する構成要素には、同じ参照番号を付してある。
また、図6において、図1と異なる構成要素を設けたことにより各制御部の機能が異なる点は、その異なる点のみ説明する。
図6に示すように本実施形態に係るエンジンの圧力制御装置110は、エンジン本体111、電子制御スロットル弁113、流量計115、バイパス部117、流量調整部121、圧力検出部131、およびコントロール部141を備えている。
流量調整部121は、後述するコントロール部141からの流量制御信号を受信し、受信した流量制御信号に基づきバイパス部117を通過する気体の流量を調整するものであり、第1流量調整手段および第2流量調整手段として機能する。流量調整部121は、電空変換器121b’、第1減圧弁121d、および第2減圧弁121eを含む。
電空変換器121b’は、コントロール部141からの電気信号(流量制御信号)を受信して、受信した電気信号を気体圧力信号へと変換するものであり、電空変換手段として機能する。電空変換器121b’は、電空変換器121bは、外部から流入する高圧の気体(例えば、工場エアーなどの高圧の圧縮空気)を用いて後述する真空減圧弁121cを制御するものである。電空変換器121b’は、第1減圧弁121dに対応する電空変換器と第2減圧弁121eに対応する電空変換器とを備えていても良い。この場合、後述するコントロール部141は、第1減圧弁121dを制御する電空変換器と第2減圧弁121eを制御する電空変換器とにそれぞれ流量制御信号を送信する。
第1減圧弁121dおよび第2減圧弁121eは、第1実施形態における真空減圧弁121cと同様の機能を有し、バイパス部117を通過する気体の流量を調整するものであり、第1減圧弁121dは第1バイパス流量調整手段として、第2減圧弁121eは第2バイパス流量調整手段として機能する。第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとは、バイパス部117を通過させる気体の流量の調整量が異なり、第1減圧弁121dは大流量調整用の真空減圧弁として、第2減圧弁121eは小流量調整用の真空減圧弁として構成されている。本実施形態では、大流量調整用の真空減圧弁と小流量調整用の真空減圧弁とを備えることで、大流量調整用の真空減圧弁である程度の流量を調整し、微調整は小流量調整用の真空減圧弁で行うことができるようにしている。
コントロール部141は、流量調整部121を制御する際、電空変換器121b’を介して、第1減圧弁121dおよび第2減圧弁121eを、それぞれ独立して制御する機能を有している。具体的には、コントロール部141は、バイパス部117を通過する気体の流量を制御するために、第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとにおける当該流量の分担比を決定している。前記流量の分担比とは、ある量の気体を通過させたい場合、それぞれの減圧弁が担当すべき調整量を、第1減圧弁121dの弁の開度率(弁の最大開度に対する割合)と第2減圧弁121eの弁の開度率とによって表したものである。
コントロール部141は、第1減圧弁121dおよび第2減圧弁121eをそれぞれ制御する際、第1減圧弁121dおよび第2減圧弁121eの性能に応じ、これら二つの真空減圧弁を組み合わせたときの流量調整特性が記憶された分担比テーブルによって制御するようになっている。
また、コントロール部141は、第1減圧弁121dおよび第2減圧弁121eを制御した結果、圧力検出部131によって検出される吸気管119a内の圧力が目標圧力と大きく離れている場合、これを失敗データとして認識して、次サイクルの制御に用いられる新たな分担比を選択して、記憶するようにしている。このように、コントロール部141が第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとにおける前記流量の分担比を学習する形で、セクタごとに適切な分担比を選択することができるようになっている。なお、前記失敗したデータを所定の記憶領域に記憶して、圧力を制御する際、失敗データを除くように、分担比を選択するように構成しても良い。
なお、コントロール部141に、バックアップ機能を有するバックアップ手段を含んで構成し、電源遮断時における処理に関する処理情報を記憶して、電源復旧時には、その記憶した処理情報に基づき、電源遮断時における処理状態から圧力制御装置110の動作を復旧させることができるように構成しても良い。前記バックアップ手段は、圧力制御装置110に供給されている電源が遮断された場合、その遮断時における処理情報を記憶するためのバックアップ領域(例えば、バックアップ用RAM)を含み、当該処理情報とは、制御マップなど、主として、コントロール部141における処理内容である。このように、バックアップ機能を持たせることで、初期状態から圧力制御を再開するよりも、制御効率を向上させることができるようになる。もちろん、前記バックアップ手段に記憶されている処理情報を作業者の手によって適宜読み出せるように構成しても良い(例えば、他のエンジンや他の運転モード試験を行う場合、バックアップした制御マップを読み出して、初期情報として利用することができる)。
次に、図7を参照して、本発明に係るエンジンの圧力制御方法について詳細に説明する。以下では、本発明に係るエンジンの圧力制御装置を用いて実施されるエンジンオイル消費試験を例に挙げて説明する。なお、図7において、図2および図3に示した処理内容と同一の処理内容は重複記載を避けるため省略する。また、以下では、「現在のサイクル」における処理内容に沿って説明する。なお、図では、単に「n」と表記しているが、実際には、n=2、3、4・・・、61、62、63と順次、第2セクタ〜第63セクタまで処理が実行(既に説明した割り込み処理(図3参照)が実行されない限り)される。
まず、エンジン本体111は、第1実施形態と同様に、所定の運転モード、例えば、低加減速モード、中加減速モード、高減速モードなどの運転モードで運転されている(S400)。
次に、圧力検出部131により、吸気管119a内の圧力が検出される。検出した圧力は、コントロール部141に送信される(S410)。
次に、コントロール部141は、検出された圧力を圧力データとして記憶する(S411)。
次に、検出された圧力があらかじめ定められた観測圧力を超えたか否かを判断する(S412)。検出された圧力があらかじめ定められた観測圧力以下の場合、観測圧力を超えると判断されるまでステップS411の処理を繰り返す(S412:NO)。そして、検出された圧力が観測圧力を超えたと判断した場合(S412:YES)、「前サイクル」において設定された第1セクタの流量制御信号を、「現在のサイクル」の第1セクタの流量制御信号として、流量調節部121’に送信する(S413)。
次に、流量調節部121’は、バイパス部117を通過する気体の流量を調整する(S414)。
次に、コントロール制御部141は、第1セクタ時間を経過したか否かを判断する(S415)。第1セクタ時間を経過していないと判断した場合(S415:NO)、第1セクタ時間が経過するまで、ステップS415の処理を繰り返す。そして、第1セクタ時間を経過したと判断した場合(S415:YES)、「前サイクル」において設定された第2セクタの流量制御信号を、「現在のサイクル」の第2セクタの流量制御信号として、流量調節部121に送信する(S416)。
次に、流量調節部121’は、コントロール制御部141から送信された流量制御信号に基づき、バイパス部117を通過する気体の流量を調整する(S417)。
次に、コントロール部141は、第2セクタ時間を経過したか否かを判断する(S418)。第2セクタ時間を経過していないと判断した場合(S418:NO)、第2セクタ時間が経過するまで、ステップS418の処理を繰り返す。そして、第2セクタ時間を経過したと判断した場合(S418:YES)、第2セクタ時間内で検出された圧力の平均値(平均圧力)を算出し、あらかじめ設定された目標圧力(圧力値a(図4参照))と比較する(S419)。そして、比較した結果に基づき、以下に示すステップS421〜S424の処理を実行する。
コントロール制御部141は、算出された平均圧力が目標圧力に近づくように、第1減圧弁121dによってバイパス部117を通過する気体の流量を調整し(ステップS420)、残りの流量は、第2減圧弁121eによって調整する(ステップS421)。ステップS420〜S421の処理では、大流量調整用の第2減圧弁121eで、あらかじめ設定された範囲まで目標圧力に近づけるようにし、微調整は第2減圧弁121e小流量調整用で行うようにしている。ここで、ステップS420〜S421の処理では、「前サイクル」の第2セクタにおける処理によって設定された制御マップを参照して、第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとが制御される。
次に、コントロール制御部141は、ステップS420〜S421の処理後の圧力値と目標圧力とを比較し、比較した結果に基づき、第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとの流量の分担比を決定する(ステップS422)。本処理では、ステップS420〜S421の処理後の圧力値が許容範囲内の場合、(前記処理後の圧力値と目標圧力との差が、許容できる範囲としてあらかじめその範囲がコントロール部141に設定されている)、そのまま「現在のサイクル」の第2セクタにおける第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとの流量の分担比を「次サイクル」の第1セクタに用いる分担比として決定し、一方、前記処理後の圧力値が許容範囲外の場合、分担比テーブルから新たな分担比を選択して、「次サイクル」の第1セクタに用いる分担比として決定する。
例えば、分担比テーブルには、第1減圧弁121dの弁の開度率が0%〜5%とし、第2減圧弁121eの弁の開度率が0〜70%とし、1%単位でこれらの組み合わせた分担比が設定されているとする。なお、上記各減圧弁の開度率の組み合わせは任意に設定することができるが、流量調整特性を実験等によってあらかじめ確認しておき、開度率の増減量と流量変化量のバランスを考慮して分担比を決定することが好ましい。また、大流量調整用の第1減圧弁121dの開度率の幅を小さく設定し、小流量調整用の第2減圧弁121eの弁の開度率を大きく設定するのは、大流量調整用の第1減圧弁121dよる流量調整よりも小流量調整用の第2減圧弁121eの弁による流量調整の方が、圧力の制御を安定させる上で好ましいからである。ここで、「現在のサイクル」における第2セクタの第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとの流量の分担比が、第1減圧弁121dの弁の開度率が2%、第2減圧弁121eの弁の開度率が67%で行われているとする。このとき、前記処理後の圧力値と目標圧力との差が許容範囲外であると判断され、より大きな流量を必要とし、第2減圧弁121eの弁の開度率のみをあと2%増加させた69%が必要であると判断された場合、第1減圧弁121dの弁の開度率が2%、第2減圧弁121eの弁の開度率69%のあらたな分担比を選択する。
一方、第2減圧弁121eの弁の開度率のみをあと5%増加させた72%が必要であると判断された場合、第2減圧弁121eの弁の最大開度率が70%であるので、この場合には、第1減圧弁121dの弁の開度率が2%、第2減圧弁121eの弁の開度率70%の流量調整特性に最も近く、目標圧力との差が許容範囲内になるような新たな分担比を分担比テーブルから選択する。例えば、第1減圧弁121dの弁の開度率が5%、第2減圧弁121eの弁の開度率が30%の分担比を選択する。なお、前記処理後の圧力値と目標圧力との差が許容範囲外であると判断した場合、これを失敗データとして、所定の記憶領域に記憶しても良い。この場合、既に説明したように、圧力を制御する際、失敗データを除くように、新たな分担比を選択するように構成しても良い。
次に、ステップS423の処理において選択された分担比を「次サイクル」の第1セクタ(図6のステップS420の処理において第‘n−1’セクタに該当する)の流量制御信号として制御マップを更新する(ステップS424)。なお、本処理における制御マップは、図示はしていないが、図5における制御マップと同様の機能を有するもので、第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとの分担比に基づく、単位セクタごとに、各減圧弁を制御する流量制御信号が一時的に記憶されているものである。
次に、第63セクタ時間を経過したか否かを判断する(S425)。第63セクタ時間を経過していないと判断した場合(S425:NO)、ステップS415の処理に戻る。そして、第64セクタ時間を経過したと判断した場合(S425:YES)、処理を終了する。なお、以上の処理中に、図3に示す割り込み処理が実行されるとその時点(第64セクタ時間を経過していなくても)で処理が強制的に終了することになる。
以上のように、本実施形態に係る圧力制御装置110は、大流量調整用の減圧弁121dと小流量調整用の減圧弁121eとを備えた流量調整部121を用い、コントロール部141が単位セクタごとに適切な分担比を選択して、次サイクルに反映させるようにしている。この結果、第1減圧弁121dと第2減圧弁121eとにおける前記流量の分担比を効率良く制御することができるようなり、単一の減圧弁を用いる場合よりも、特に、大排気量エンジン(例えば、4リッタークラスの大排気量エンジンが該当する)や高減速モードにおいて、バイパス部117を通過する気体の流量の制御効率を向上させ、吸気管内の圧力が過負圧になることをより効果的に防止すると共に、前記吸気管内の圧力の変動を格段に抑制することができるようになる。
エンジンの吸気管内の圧力を制御する技術分野に有用である。
本発明の第1実施形態に係るエンジンの圧力制御装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図1に示したエンジンの圧力制御装置の動作フローチャートである。 図2に示した動作フローチャートに対する割り込み処理のフローチャートである。 本発明の第1実施形態において取得した圧力波形を例示した参考図である。 本発明の第1実施形態に用いられる制御マップの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るエンジンの圧力制御装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図6に示したエンジンの圧力制御装置の動作フローチャートである。
符号の説明
111 エンジン本体、
113 電子制御スロットル弁、
114 燃料気化器
115 流量計、
119 吸気管、
119a 吸気管、
117 バイパス部、
121 流量調整部、
131 圧力検出部、
141 コントロール部。

Claims (10)

  1. エンジンに連通する吸気管内に当該吸気管内を通過する気体の流量を検出する流量計と前記吸気管内を通過する気体の流量を調整する電子制御スロットル弁とが設けられ、前記電子制御スロットル弁と前記流量計との間から当該電子制御スロットル弁の下流側に連通するバイパス手段と、
    前記バイパス手段を通過する気体の流量を調整する流量調整手段と、
    前記電子制御スロットル弁よりも下流側の前記吸気管内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    検出した圧力に基づき前記流量調整手段を制御する制御手段と、
    を備え
    前記エンジンは、所定の加減速サイクルを実行するものであって、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段によって検出された圧力を前記サイクルごとに圧力データとして記憶する記憶手段を備え、当該制御手段は、前記記憶手段によって現在のサイクルの直前の前サイクルにおいて記憶された圧力データに基づき、現在のサイクルにおける前記流量調整手段を制御する一方、当該現在のサイクルにおいて検出された圧力データを前記前サイクルにおいて検出された圧力データにフィードバックして、当該現在のサイクルの直後の次サイクルの流量調整手段の制御に反映させることを特徴とするエンジンの圧力制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記電子制御スロットル弁よりも下流側の前記吸気管内の圧力の変動を抑制するように前記流量調整手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの圧力制御装置。
  3. 前記現在のサイクルにおける流量調整手段を制御している時間は、前記前サイクルにおいてあらかじめ算出された時間であって、
    前記算出された時間は、前記検出した圧力が第1の圧力値を超えてから、再び当該第1の圧力値に達するまでの時間であること特徴とする請求項に記載のエンジンの圧力制御装置。
  4. 前記制御されている時間は、複数の単位セクタ時間に分割されているものであって、
    前記現在のサイクルの一の前記単位セクタ時間内に検出される圧力の平均値と目標とする第2の圧力値とを比較した結果に基づき、前記前サイクルの一の単位セクタ時間内に対応する前記現在のサイクルの一の単位セクタ時間の前のセクタ時間内の圧力データを、所定の圧力データに更新することを特徴とする請求項に記載のエンジンの圧力制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記単位セクタ時間内ごとに前記流量制御手段を制御することを特徴とする請求項に記載のエンジンの圧力制御装置。
  6. 前記複数の単位セクタは、2の累乗数、好ましくは、64であることを特徴とする請求項またはに記載のエンジンの圧力制御装置。
  7. 前記流量調整手段は、
    前記制御手段からの信号を気体圧力信号に変換する電空変換手段と、
    前記気体圧力信号に基づき、前記バイパス手段を通過する気体の流量を調整するバイパス流量調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの圧力制御装置。
  8. 前記流量調整手段は、
    第1流量調整手段と第2流量調整手段と、を備え、
    前記第1流量調整手段は、前記第2流量調整手段よりも、前記バイパス手段を通過する気体の流量を多く調整するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの圧力制御装置。
  9. 前記流量調整手段は、
    前記制御手段からの信号を気体圧力信号に変換する電空変換手段と、
    前記気体圧力信号に基づき、前記バイパス手段を通過する気体の流量を調整する第1バイパス流量調整手段と、
    前記気体圧力信号に基づき、前記バイパス手段を通過する気体の流量を調整する第2バイパス流量調整手段と、を備え、
    前記第1バイパス流量調整手段は、前記第2バイパス流量調整手段よりも、前記バイパス手段を通過する気体の流量を多く調整するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの圧力制御装置。
  10. エンジンに連通する吸気管内に当該吸気管内を通過する気体の流量を検出する流量計と前記吸気管内を通過する気体の流量を調整する電子制御スロットル弁とが設けられ、前記電子制御スロットル弁と前記流量計との間から当該電子制御スロットル弁の下流側に連通するバイパス部と、を備えるエンジンの圧力制御方法であって、
    前記電子制御スロットル弁の下流側の前記吸気管内の圧力を検出する段階と、
    前記検出した圧力に基づき前記バイパス部に流入する気体の流量を調整する段階と、
    を含み、
    前記エンジンは、所定の加減速サイクルを実行するものであって、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段によって検出された圧力を前記サイクルごとに圧力データとして記憶する記憶手段を備え、当該制御手段は、前記記憶手段によって現在のサイクルの直前の前サイクルにおいて記憶された圧力データに基づき、現在のサイクルにおける前記流量調整手段を制御する一方、当該現在のサイクルにおいて検出された圧力データを前記前サイクルにおいて検出された圧力データにフィードバックして、当該現在のサイクルの直後の次サイクルの流量調整手段の制御に反映させることを特徴とするエンジンの圧力制御方法。
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