JP4801525B2 - 最適解探索システム、およびそれに用いられるサーバ、最適解探索プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Description
また、作業を行う装置等の設備を「リソース」という。例えば、電子機器において、基板へ部品を差し込む等の作業を行う装置が「リソース」となる。また、この装置によって差し込まれる部品も「リソース」に含まれる。
そして、部品を基板に差し込む作業を行う装置に装填された機器等の交換や、装置の設定変更等の作業が、前記した「段取り替え」の作業に相当する。
そのため、製造計画の立案者は、同じリソースで加工できるロットを可能な限りまとめて(ロットグルーピング)、リソース(製造装置)に割付ける。それにより、1つのリソース(製造装置)で連続した製造を実現できる。ここで、「ロットをリソースに割付ける」とは、ロットをどのリソース(製造装置)で加工するかを決定することをいう。
この方法では、ロットをまとめて、実際に計画立案時の制約条件を満たすいくつかのグループを生成する。そして、生成したグループを繰り返し評価することで、最も良い評価を得たグループを最適解として求める。評価は、どのグループにもまとまらなかったロットの数が少ない方をより良い評価とする。製造計画の立案者は、まとまらなかったロットの数を最小にするようにグループを作り、生成したグループ単位でリソースに割付けることで、段取り替え作業の少ない、効率的な計画が立案できる。
特許文献2は、遺伝的アルゴリズムの求解演算における染色体操作において、染色体を構成する一部分を固定化して最適解の探索空間を小さくすることで、演算を短時間で行う技術を開示している。
(1)部分集合内で、所定のロットが複数のグループ候補に所属する場合に、当該ロットが単独で所属するグループ候補
(2)所定のロットが、部分集合内のグループ候補に単独で所属し、当該ロットを含む複数ロットではグループ候補に所属しない場合に、当該ロットが単独で所属する全てのグループ候補
(3)部分集合内で、2つ以上のロットからなるロットグルーピングの一致するグループ候補が複数存在する場合、前記存在する複数のグループ候補の中で、ロットグルーピングのリソース割付けに関する複数指標の評価値に基づき選択した、パレート最適でないグループ候補
その他の手段については、後記する実施の形態で述べる。
本実施形態では、電子機器を組み立てる製造ラインにおいて、電子基板に部品を差し込む工程の計画の立案に本発明を適用した例を用いて説明する。なお、本実施形態では、「ロット」は、基板の同じ種類かつ一定個数の集まりを示し、「リソース」は製造ライン内で基板への部品差し込みの作業を実行する製造装置(差し込まれる部品を含む)を示す。
図1は、本実施形態における最適解探索システムの、ハードウェアおよびネットワークの構成例を示す図である。
本実施形態における最適解探索システムは、サーバ1、サーバ1に所定の回線で接続されるデータベース2、製造工場内のLAN(Local Area Network)等のネットワーク9で接続されるクライアント5から主に構成される。
サーバ1は、制御部11、送受信部13、記憶部15を備える。
データベース2のハードディスクドライブには、ロット情報21、リソース情報22、最適解情報23を備える。
なお、データベース2のハードディスクドライブ内に備えられるロット情報21、リソース情報22、および最適解情報23をサーバ1内に備える構成とした場合には、データベース2は不要となる。
図3(a)は、生産設備リソースとしての「製造装置1」が、原材料リソースとしての部品「A1」を、基板に対して差し込む作業を行う作業工程を示している。つまり、「製造装置1」は、部品「A1」を基板に差し込む作業を行う。同様に、図3(b)は、生産設備リソースとしての「製造装置2」が、原材料リソースとしての部品「A2」を基板に差し込む作業を行う作業工程を示し、図3(c)は、生産設備リソースとしての「製造装置3」が、原材料リソースとしての部品「A3」を基板に差し込む作業を行う作業工程を示している。
つまり、図3(a)〜(c)では、部品「A1」を差し込む「製造装置1」には「Lot1」が割付け可能であり、部品「A2」を差し込む「製造装置2」には、「Lot1」,「Lot2」が、それらをまとめたグループとして割付け可能であり、部品「A3」を差し込む「製造装置3」には、「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」が、それらをまとめたグループとして割付け可能であることが示されている。
ここで、本実施形態におけるサーバ1による、グループ候補の分割処理および除外処理の概要を、図4〜図6を用いて説明する。
図4に示すように、各グループ候補は、グループ候補を一意に識別するためのグループ候補番号、リソース名、リソースに割付けられる所属ロット、等の項目から構成される。図4には7つのグループ候補が例示されており、この各行が、最適解を探索するためにグルーピングされたロット(所属ロット)と、前記グルーピングされたロットに割付けられたリソース(リソース名)を示している。例えば、グループ候補番号「1」は、リソース「製造装置1」にロット「Lot1」を割付ける、という候補であり、グループ候補番号「2」は、ロット「Lot1」およびロット「Lot2」をグルーピングしてリソース「製造装置2」に割付ける、という候補である。サーバ1は、このグループ候補の全体の集合に対し、以下に説明する分割処理を行う。
サーバ1は、制約条件等の条件下でロットグルーピングとリソースとの組み合わせとして可能な全てのグループ候補を含んでなる全体集合において、前記全体集合を、1つ以上のグループ候補を要素として持つ複数の部分集合として、かつ、ある部分集合内のグループ候補内に所属する各ロットが他の部分集合内のグループ候補には所属しないように分割する。なお、ここでの制約条件とは、例えば、ロットの(工程)納期を満たすようにリソースに割付ける、複数存在するロットを割付け可能なリソースの中から選択する、製造コストを少なくするようにロットをまとめる、等の条件が考えられる。
分割処理を具体的に説明すると、サーバ1は、まず、あるグループ候補を、部分集合N1として取得する。そして、取得した部分集合N1のグループ候補に所属するロットの情報を取得し、そのロットが属しているグループ候補で、現在取得している部分集合N1に存在しないグループ候補があれば部分集合N1に追加して、部分集合N2とする。前記処理を、新たに取得されるロットがなくなるまで繰り返す。それによって、全てのロットがグループ候補の部分集合Nk(k=正整数)の中で閉じる(当該部分集合以外のグループ候補には所属しない)状態のグループ候補の集合(部分集合N)が得られる。
部分集合N2に、新たに追加されるロットがなくなったら、サーバ1は部分集合N2(グループ候補番号「1」,「2」,「3」)を部分集合Nk(N)とする。
次に、サーバ1は、得られたグループ候補の部分集合Nに所属しないロットを選択し、同様の方法で別のグループ候補の集合を生成する。図4では、前記生成した部分集合N以外に、グループ候補番号「4」,「5」からなる部分集合M、グループ候補番号「6」,「7」からなる部分集合L、が生成される。
以上説明した方法により、グループ候補全体の集合を分割する。
これによれば、異なる部分集合のグループ候補に属するロット同士は、同じリソースに割付けられることがないため、部分集合毎に独立して最適解を探索することが可能である。なお、グループ候補全体の最適解は、各部分集合で求めた部分最適解を合わせて求める。これにより、分割したグループ候補の集合毎に最適解を探索するので、最適解探索に伴うグループ候補同士の組み合わせの数が減少し、探索時間を短縮することができる。
以下、サーバ1における、分割したグループ候補の集合の分割処理を、図5を参照しながら説明する。
部分集合内で、あるロットが複数のグループ候補に所属する場合に、当該ロットが単独で所属するグループ候補を除外する。つまり、あるロットが所属している複数のグループ候補の中で、当該ロットのみ所属するグループ候補が存在する場合、そのグループ候補を部分集合から除外する、ということである。その理由は、まとまらないロット数を減少させるためには、複数のロットが所属するグループ候補のいずれかでそのロットを含めてグルーピングした方が効率的なためである。
具体的には、図5の部分集合Nのグループ候補番号「1」がこれに該当するので、除外する。
部分集合内で、あるロットが複数のグループ候補に単独で所属し、当該ロットを含む複数ロットではグループ候補に所属しない場合、当該ロットが単独で所属する全てのグループ候補をグループ候補の集合から除外する。その理由は、これらのグループ候補は単独のロットでグルーピングするので、ロットが所属するグループ候補をどれに選択しても、解の評価は、他ロットのグループ候補の選択の影響を受けないためである。これにより、複数グループ候補の中のどれを選択して、単独のロットをリソースに割付けるかは、最適解の探索処理とは独立して別処理で実施できる。
具体的には、図5の部分集合Mのグループ候補番号「4」,「5」がこれに該当するので、除外して別処理で解を探索する。なお、詳しい説明は後記するが、この別処理では、例えば、該当するグループ候補の中からパレート最適なグループ候補を1つ選択することによって、単独ロットをまとめるグループ候補を決定する。パレート最適なグループ候補とは、単独ロットをリソースに割付ける際の複数指標の評価値に基づいて探索された最適なグループ候補であり、ある1つの指標でより最適なグループ候補を探索すると、別の指標で最適でなくなるようなグループ候補の集合を指す。
図6は、パレート最適解のイメージをグラフで示す図である。つまり、ロットをいくつかのグループ候補でグルーピングした場合の、製造コストとリソースの作業時間に関して、それぞれのグループ候補の評価値をグラフで示したものである。このグラフでは、左下ほど評価値が良いことを示している。
例えば、部分集合Mのように2つのグループ候補が存在する場合には、パレート最適な方のグループ候補を選択する。2つのグループ候補が共にパレート最適な場合には、グループ候補番号の若い方、等のように1つのグループ候補を適宜選択する。
部分集合内で、2つ以上のロットからなるロットグルーピングの一致するグループ候補が複数存在する場合、それら(存在する複数のグループ候補)の中で、ロットグルーピングをリソースに割付けるときの複数指標の評価値に関してパレート最適でないグループ候補を選択して、除外する。その理由は、パレート最適でないグループ候補を選択してロットをまとめるよりも、パレート最適なグループ候補を選択してロットをまとめた方が、より効率性の高い解(グループ)が得られるためである。例えば、製造コストのできる限り小さいグルーピングを計画するためには、部品コストとリソースの作業時間という2つの指標に関してパレート最適なグループ候補を選択した方が、効率性は高いということである。つまり、図6のグラフでは、破線で示された曲線上に評価値が示されたグループ候補がパレート最適なグループ候補なので、このパレート最適なグループ候補に該当しないグループ候補を除外する。
サーバ1は、パレート最適でないグループ候補(図5では、部分集合Lのグループ候補番号「7」とする)を除外する。
グループ候補生成部111は、ロット情報21およびリソース情報22を用いて、グループ候補情報151を生成する。
グループ候補分割部112は、グループ候補情報151を用いて、前記<分割処理>を行うことで部分集合としての分割済グループ候補情報152を生成する。図7では、分割済グループ候補情報152が複数生成されたことが示されている。
グループ候補除外部113は、分割済グループ候補情報152に対して、前記<除外処理1>,<除外処理2>,<除外処理3>を行うことで、除外後グループ候補情報153および別処理用グループ候補情報154を生成する。
最適解探索部114は、除外後グループ候補情報153を用いて最適解を探索して、部分最適解情報155a(155)を生成する。
一方、前記した<除外処理2>によって生成される別処理用グループ候補情報154については、グループ決定部115がパレート最適なグループ候補を探索する処理を行い、部分最適解情報155b(155)を生成する。
なお、前記したとおり、分割済グループ候補情報152はグループ候補分割部112によって複数生成されており、それぞれの分割済グループ候補情報152から部分最適解情報155(155a,155b)が複数生成される。
最適解出力部116は、生成された複数の部分最適解情報155を合わせて最適解情報23を生成し、データベース2に出力する。
ロット情報21は、電子基板等のロットの属性情報を示すものであり、ロットを識別するためのロット名、工程の納期、ロットを構成する基板に差し込み可能な部品、基板に(最低限)要求される性能、等の情報が格納される。
本実施形態において、前記したとおり、差込部品「A1」,「A2」,「A3」は同じ種類のシリーズ部品の「部品Aシリーズ」であり、同じ機能を持つがそれぞれ性能は異なる。部品「B」,「C」についても同様である。
図9では、「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」には、「部品Aシリーズ」が差し込み可能となっている。そして、例えば、符号901で示す「Lot1」は、納期が「2/1」で、「部品Aシリーズ」が差し込み可能であり、要求される性能は「低」以上であることが示されている。他のロットについても同様である。
リソース情報22は、リソース(製造装置)の属性情報が格納されており、リソースを識別するためのリソース名、当該リソースが差し込む部品、差し込む部品の性能、部品を差し込む作業に要するコスト、差し込み作業が開始できる日にちを示す投入可能日、差し込み作業が完了するまでの標準時間(1つのロットあたり)を示す作業時間、等の情報が格納される。なお、実際の製造ラインでは、1つの基板に多くの種類の部品が差し込まれるが、本実施形態では、各ロットの基板には1種類の部品を差し込む場合を例として説明する。また、部品についても、リソース毎にあるシリーズの1つの部品が差し込まれるものとして説明する。
例えば、図10の符号1001で示す「製造装置1」は、部品「A1」をロットに差し込む作業を行うよう設定されており、差し込まれる部品の性能は「低」、コストは「100」、ロットの投入可能日は「1/15」以降、作業時間は「60」分であることが示されている。他のリソースについても同様である。
図11のグループ候補を生成する処理を説明する。
例えば、図9の「Lot1」の基板については、「部品Aシリーズ」が差し込み可能であり、要求性能は「低」以上、納期は「2/1」であるため、割付可能なリソースは、図10より「製造装置1」,「製造装置2」,「製造装置3」となる。よって、「Lot1」は、グループ候補番号「1」,「2」,「3」のグループ候補に所属することとなる。
また、「Lot2」の基板については、「部品Aシリーズ」が差し込み可能であり、要求性能は「中」以上、納期は「2/2」であるため、割付可能なリソースは「製造装置2」,「製造装置3」となる。よって、「Lot2」はグループ候補番号「2」,「3」のグループ候補に所属する。他のロットについても同様である。
続いて、サーバ1は、グループ候補番号「2」に所属する全ロット情報を取得する。ここでは「Lot1」,「Lot2」がこれに該当する。「Lot1」は取得済みのため、サーバ1は、「Lot2」の所属する他のグループ候補を検索する。グループ候補番号「3」が検出されるが、既に部分集合N2に追加されているので、そのまま次の処理に進む。
続いて、サーバ1は、グループ候補番号「3」に所属する全ロット情報を取得する。ここでは、「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」がこれに該当する。「Lot1」,「Lot2」は取得済みのため、サーバ1は、「Lot3」の所属する他のグループ候補を検索する。グループ候補番号「3」は既に部分集合N2に追加されているので、サーバ1はそのまま次の処理に進む。サーバ1は、新たに取得されるロットがなくなるまで前記処理を続ける。
部分集合N2に、新たに追加されるロットがなくなったら、サーバ1は部分集合N2(グループ候補番号「1」,「2」,「3」)を部分集合Nとする。
次に、サーバ1は、得られたグループ候補の部分集合Nに所属しないロット(例えば「Lot4」)を選択し、同様の方法で別のグループ候補の集合を生成する。図11では、前記生成したグループ候補番号「1」,「2」,「3」からなる部分集合N以外に、グループ候補番号「4」,「5」からなる部分集合M、グループ候補番号「6」,「7」からなる部分集合L、等が生成される。
サーバ1は、分割した各部分集合N,M,Lを、分割済グループ候補情報152としてそれぞれ出力する。図12は、グループ候補分割部によって出力される分割済グループ候補情報の例を示す図である。
本実施形態では、部品のコストと作業時間に関してパレート最適なリソースにロットを割付けた方が、より効率性の高い解(グループ)が得られる。図10によれば、「製造装置7」に割付けるよりも「製造装置6」に割付けた方が、コストおよび作業時間が小さくなることから、パレート最適でないグループ候補番号「7」を除外する。なお、部分集合Lにおいて、<除外処理1>、<除外処理2>で除外されるグループ候補はない。
具体的には、図12に示されたグループ候補番号「2」,「3」からなる部分集合、およびグループ候補番号「6」からなる部分集合は、それぞれ除外後グループ候補情報153として出力される。
また、<除外処理2>で除外されたグループ候補番号「4」,「5」からなる部分集合は、別処理用グループ候補情報154として出力される。
例えば、図13の部分集合Naでは、グループ候補番号「2」,「3」に所属するロットである「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」について、グループ候補番号「2」を用いた場合と、グループ候補番号「3」を用いた場合との、グループ候補毎の評価値を比較し、最も良い評価値のグループ候補を最適化手法によって求める。なお、評価値とはグループとしてまとまらないロットの数を用いて算出した値であるので、良い評価値とは、まとまらないロットの数が少ないことを意味する。部分集合Naでは、グループ候補番号「2」を用いた場合、「Lot3」がまとまらないロットとなってしまう。一方、グループ候補番号「3」のグループ候補で「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」をグルーピングして「製造装置3」に割付ければ、まとまらないロットが発生しないので、最良の評価となる。したがって、サーバ1は、評価値の良いグループ候補として、部分集合Naではグループ候補番号「3」を、部分最適解情報155aに出力する。
また、サーバ1は、部分集合Laでは評価するグループ候補が1つしかないので、グループ候補番号「6」をそのまま部分最適解情報155aに出力する。
例えば、図14の部分集合Mbでは、グループ候補番号「4」,「5」に対して、パレート最適なグループ候補を選択し、単独ロットをグルーピングするグループ候補を決定する。本実施形態では、部品のコストと作業時間に関してパレート最適なグループ候補にロットを所属させて単独でグルーピングするので、この場合、部品コスト、作業時間ともに小さい方が評価は良い。図10によれば、「Lot4」は、グループ候補番号「5」よりも、グループ候補番号「4」のグループ候補を選択した方が、部品コスト、作業時間ともに小さくなる。したがって、パレート最適なグループ候補はグループ候補番号「4」であり、サーバ1はグループ決定部115により、グループ候補番号「4」のグループ候補を部分最適解情報155bとして出力する。
図15は、最適解出力部116により出力される最適解(グループ)の例を示す図である。図15によれば、「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」をまとめて1つのグループとして「製造装置3」に割付け(グループ番号「1」)、「Lot4」を1つのグループとして「製造装置4」に割付け(グループ番号「2」)、「Lot5」,「Lot6」をまとめて1つのグループとして「製造装置6」に割付ける(グループ番号「3」)ことを表している。
つまり、この最適解によれば、製造ライン稼動時に、「Lot1」,「Lot2」,「Lot3」の基板を連続して「製造装置3」に投入して部品「A3」を差し込み、「Lot4」の基板を「製造装置4」に投入して部品「B1」を差し込み、「Lot5」と「Lot6」の基板を連続して「製造装置6」に投入して部品「C1」を差し込むように実行すれば効率的である、ということを示している。
指定された条件下でロットグルーピングとリソースとの組み合わせとして可能な全てのグループ候補を含んでなる全体集合において、前記生成した全体集合を、1つ以上のグループ候補を要素として持つ複数の部分集合として、かつ、ある部分集合内のグループ候補に所属する各ロットが他の部分集合内のグループ候補には所属しないように分割する。これにより、前記全体集合を、1つ以上のそれぞれ独立した前記部分集合に分割する。
それによれば、分割した探索空間(部分集合)毎に最適解を探索できるので、組み合わせの数が減少され、探索時間が短縮される。
(1)部分集合内で、所定のロットが複数のグループ候補に所属する場合に、当該ロットが単独で所属するグループ候補
(2)所定のロットが、部分集合内のグループ候補に単独で所属し、当該ロットを含む複数ロットではグループ候補に所属しない場合に、当該ロットが単独で所属する全てのグループ候補
(3)部分集合内で、2つ以上のロットからなるロットグルーピングの一致するグループ候補が複数存在する場合、前記存在する複数のグループ候補の中で、ロットグルーピングのリソース割付けに関する複数指標の評価値に基づき選択した、パレート最適でないグループ候補
これによれば、グループ候補を除外することで探索空間が削減されるので、最適解を得るまでの時間をさらに短縮することができる。
公知の方法で最適解を探索する場合には、例えば図11では、「Lot1」から「Lot6」までのロットに対して、所属するグループ候補の全ての場合に対応するロットグルーピングを、繰り返し評価する必要がある。この場合、ロットグルーピングの数nは、各グループ候補に所属するロット数の積になるので、n=3×2×1×2×2×2=48となる。
よって、評価する際の繰返し数が減少するので、最適解探索システムは、より少ない時間で最適解を探索することが可能となる。また、これにより、最適解探索システムを利用するユーザの利便性が向上する。
また、本実施形態において例として説明した電子機器の製造ラインは、それに限るものではなく、ロット単位で製造を行う様々な製造業に対して生じる生産計画立案に応用が可能である。
11 制御部
111 グループ候補生成部
112 グループ候補分割部
113 グループ候補除外部
114 最適解探索部
115 グループ決定部
116 最適解出力部
13 送受信部
15 記憶部
151 グループ候補情報
152 分割済グループ候補情報
153 除外後グループ候補情報
154 別処理用グループ候補情報
155 部分最適解情報
2 データベース
21 ロット情報
22 リソース情報
23 最適解情報
5 クライアント
9 ネットワーク
Claims (10)
- 1つ以上のロットをグルーピングして生成したロットグルーピングを、製造ライン工程の各リソースに割付ける際の、前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせであるグループ候補の最適解を探索する処理を行うサーバを含んで構成される最適解探索システムであって、前記サーバが、
指定された条件下で前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせとして可能な全てのグループ候補を含んでなる全体集合を生成する機能、
前記生成した全体集合を、1つ以上のグループ候補を要素として持つ複数の部分集合として、かつ、ある部分集合内のグループ候補に所属する各ロットが他の部分集合内のグループ候補には所属しないように分割する機能、
前記部分集合毎に探索して、前記探索した部分集合内のグループ候補のうち所定のロットが単独で所属するグループ候補の数を最小化する部分最適解にはなり得ないグループ候補を除外する機能、
前記部分集合毎の最適解に相当するグループ候補を探索して、前記探索したグループ候補を前記部分最適解として決定する機能、
前記決定した部分集合毎の部分最適解について、各部分最適解を合わせて、前記全体集合の最適解として出力する機能
を有することを特徴とする最適解探索システム。 - 前記全体集合を分割する機能は、
(a)前記全体集合において、所定のグループ候補を部分集合として取得し、
(b)現在取得している部分集合内のグループ候補に所属するロットを取得し、前記取得したロットが所属するグループ候補で、前記現在取得している部分集合に存在しないグループ候補があれば、前記現在取得している部分集合に追加し、
(c)前記(b)を、新たに取得されるロットがなくなるまで繰り返すことで、前記部分集合を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の最適解探索システム。 - 前記サーバは、
後記(1)〜(3)の少なくともいずれか1つに該当するグループ候補を、前記部分集合毎に探索して、前記部分集合から除外する機能を有し、
前記除外後の部分集合毎に、前記部分最適解を決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の最適解探索システム。
(1)前記部分集合内で、所定のロットが複数のグループ候補に所属する場合に、当該ロットが単独で所属するグループ候補
(2)所定のロットが、前記部分集合内のグループ候補に単独で所属し、当該ロットを含む複数ロットではグループ候補に所属しない場合に、当該ロットが単独で所属する全てのグループ候補
(3)前記部分集合内で、2つ以上のロットからなるロットグルーピングの一致するグループ候補が複数存在する場合、前記存在する複数のグループ候補の中で、ロットグルーピングのリソース割付けに関する複数指標の評価値に基づき選択した、パレート最適でないグループ候補 - 1つ以上のロットをグルーピングして生成したロットグルーピングを、製造ライン工程の各リソースに割付ける際の、前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせであるグループ候補の最適解を探索する処理を行うサーバであって、
指定された条件下で前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせとして可能な全てのグループ候補を含んでなる全体集合を生成するグループ候補生成部、
前記生成した全体集合を、1つ以上のグループ候補を要素として持つ複数の部分集合として、かつ、ある部分集合内のグループ候補に所属する各ロットが他の部分集合内のグループ候補には所属しないように分割するグループ候補分割部、
前記部分集合毎に探索して、前記探索した部分集合内のグループ候補のうち所定のロットが単独で所属するグループ候補の数を最小化する部分最適解にはなり得ないグループ候補を除外するグループ候補除外部、
前記部分集合毎の最適解に相当するグループ候補を探索して、前記探索したグループ候補を前記部分最適解として決定する最適解探索部、
前記決定した部分集合毎の部分最適解について、各部分最適解を合わせて、前記全体集合の最適解として出力する最適解出力部
を有することを特徴とするサーバ。 - 前記サーバの前記グループ候補分割部は、前記全体集合を分割する場合に、
(a)前記全体集合において、所定のグループ候補を部分集合として取得する機能
(b)現在取得している部分集合内のグループ候補に所属するロットを取得し、前記取得したロットが所属するグループ候補で、前記現在取得している部分集合に存在しないグループ候補があれば、前記現在取得している部分集合に追加する機能
(c)前記(b)を、新たに取得されるロットがなくなるまで繰り返すことで、前記部分集合を生成する機能
を有することを特徴とする請求項4に記載のサーバ。 - 前記サーバは、
後記(1)〜(3)の少なくともいずれか1つに該当するグループ候補を、前記部分集合毎に探索して、前記部分集合から除外するグループ候補除外部を有し、
前記最適解探索部が、前記除外後の部分集合毎に、前記部分最適解を決定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のサーバ。
(1)前記部分集合内で、所定のロットが複数のグループ候補に所属する場合に、当該ロットが単独で所属するグループ候補
(2)所定のロットが、前記部分集合内のグループ候補に単独で所属し、当該ロットを含む複数ロットではグループ候補に所属しない場合に、当該ロットが単独で所属する全てのグループ候補
(3)前記部分集合内で、2つ以上のロットからなるロットグルーピングの一致するグループ候補が複数存在する場合、前記存在する複数のグループ候補の中で、ロットグルーピングのリソース割付けに関する複数指標の評価値に基づき選択した、パレート最適でないグループ候補 - 1つ以上のロットをグルーピングして生成したロットグルーピングを、製造ライン工程の各リソースに割付ける際の、前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせであるグループ候補の最適解を探索する処理を行う最適解探索プログラムであって、前記最適解探索プログラムは、コンピュータを、
指定された条件下で前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせとして可能な全てのグループ候補を含んでなる全体集合を生成し、
前記生成した全体集合を、1つ以上のグループ候補を要素として持つ複数の部分集合として、かつ、ある部分集合内のグループ候補に所属する各ロットが他の部分集合内のグループ候補には所属しないように分割し、
前記部分集合毎に探索して、前記探索した部分集合内のグループ候補のうち所定のロットが単独で所属するグループ候補の数を最小化する部分最適解にはなり得ないグループ候補を除外し、
前記部分集合毎の最適解に相当するグループ候補を探索して、前記探索したグループ候補を前記部分最適解として決定し、
前記決定した部分集合毎の部分最適解について、各部分最適解を合わせて、前記全体集合の最適解として出力する機能
として動作させることを特徴とする最適解探索プログラム。 - 前記最適解探索プログラムは、前記全体集合を分割する場合に、
(a)前記全体集合において、所定のグループ候補を部分集合として取得するステップ
(b)現在取得している部分集合内のグループ候補に所属するロットを取得し、前記取得したロットが所属するグループ候補で、前記現在取得している部分集合に存在しないグループ候補があれば、前記現在取得している部分集合に追加するステップ
(c)前記(b)を、新たに取得されるロットがなくなるまで繰り返すことで、前記部分集合を生成するステップ
として前記コンピュータを動作させることを特徴とする請求項7に記載の最適解探索プログラム。 - 前記最適解探索プログラムは、
後記(1)〜(3)の少なくともいずれか1つに該当するグループ候補を、前記部分集合毎に探索して、前記部分集合から除外し、
前記除外後の部分集合毎に、前記部分最適解を決定する機能
として前記コンピュータを動作させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の最適解探索プログラム。
(1)前記部分集合内で、所定のロットが複数のグループ候補に所属する場合に、当該ロットが単独で所属するグループ候補
(2)所定のロットが、前記部分集合内のグループ候補に単独で所属し、当該ロットを含む複数ロットではグループ候補に所属しない場合に、当該ロットが単独で所属する全てのグループ候補
(3)前記部分集合内で、2つ以上のロットからなるロットグルーピングの一致するグループ候補が複数存在する場合、前記存在する複数のグループ候補の中で、ロットグルーピングのリソース割付けに関する複数指標の評価値に基づき選択した、パレート最適でないグループ候補 - 請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の最適解探索プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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