JP4798575B2 - 業務の進捗を管理するシステム、方法、およびプログラム - Google Patents

業務の進捗を管理するシステム、方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、業務の進捗を管理するシステム、および、その方法に関する。特に、本発明は、複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステム、および、その方法に関する。
自動車をはじめとする製造業やIT産業の製品開発の業務においては、開発期間を短縮するために、各工程の作業者は、開発途中段階の成果物(例えば、部品の設計情報)を他の工程の作業者と共有する。図1は、自動車の開発業務において、複数の作業者が成果物を共有する具体例を示す。本図の横方向は時間の進行方向を示す。即ち製品計画の工程が最初に開始され、エクステリア/インテリア・スタイリングや構造計画などの工程がそれに続く。本図の例において、ある業務工程の下流工程は、その業務工程の完了を待って開始されるとは限らない。例えば本図において、エクステリア/インテリア・スタイリングの工程は、製品計画が完了する前に開始される。この際、上流工程の成果物は、開発途中段階で下流工程に対して提供される。
従来、このような業務において、各作業者は、その作業者の個人的な連絡手段によって成果物を他の作業者に提供する。例えば、個人的な連絡手段とは、直接会って話す、電話やFAX、または、電子メールなどである。また、各作業者は、その上流工程が完了していなくても自己の業務を開始してもよいか否かを、その作業者の意思に基づいて判断している。例えばすなわち、各作業者は、上流工程の成果物がどこまで詳細に作られているかや、上流工程の成果物の今後の変更に伴う自らの作業の繰り返しの危険性を判断し、業務を開始してもよいか否かを場当たり的に判断している。
しかしながら、このような判断は作業者の洞察力や経験に大きく依存する。このため、経験の浅い作業者は見積もりを誤り、大きな繰り返し作業の発生を招く場合がある。また、上流工程の成果物はさらに上流の工程の成果物にも依存する。このため、自動車のように膨大な数の部品が複雑な依存関係を持つ製品開発の場合には、熟練した作業者にとっても、上流工程の成果物が設計変更される可能性を判断しにくい。
これに対して、業務の進捗管理を支援するシステムが提案されている(非特許文献1および2を参照。)。非特許文献2は、PDM(Product Data Management)と呼ばれる種類のソフトウェアに関する。また、非特許文献1は、MS Projectと呼ばれるソフトウェアに関する。これらのソフトウェアにおいては、各々の作業工程において生成される成果物に成熟度という概念が導入されている。そして、作業工程の作業者は、自己の作業工程における成果物の成熟度を情報処理装置に入力する。入力された成熟度は、他の作業者やプロジェクトマネージャによって参照可能となる。
MS Project (http://www.microsoft.com/japan/office/project/prodinfo/default.mspx) ENOVIA (http://www-6.ibm.com/jp/manufacturing/prod/pdm/enovia/) Terwiesch C. et al: "Exchanging Preliminary Information in Concurrent Engineering: Alternative Coordination Strategies", INFORMS, Vol. 13, No. 4, July-August 2002, pp. 402-419
しかしながら、上記の技術において、成熟度が示す意味の解釈は、各作業者に委ねられている。例えば、成熟度を、成果物がどこまで詳細に作られているかという詳細度(例えば、長さや重さの精度など)であると解釈することができる。一方で、成熟度を、設計変更により作業をやり直す可能性の低さ(安定度:Stability)であると解釈することもできる(例えば、非特許文献3を参照。)。従って、下流工程の作業者は、独自の判断により、または、その上流工程の作業者と個人的な連絡手段によって連絡を取ることにより、成熟度の意味を解釈しなければならなかった。
更に、既に設計した成果物を設計変更する可能性は、その成果物を生成する業務工程の直前の業務工程のみならず、その業務工程の更に上流の業務工程にも依存する。上記の技術においては、このような依存関係を適切に取り扱うことはできなかった。また、非特許文献3においても、詳細度や安定度を適切に利用する方法については言及されていない。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるシステム、方法、および、プログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するために、本発明においては、複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムであって、複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、他の業務工程に対応する他の自責確率に基づいて伝播確率と他の自責確率との積を算出し、一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、CPUの動作により、一の工程情報が変更される確率を、一の業務工程に対応して記録部に記録された一の自責確率と他責確率とに基づいて算出する算出部と、算出された確率に基づいて、業務の進捗状況を評価する評価部とを備え、複数の業務工程は、同一の設計対象を設計する工程を、設計対象を設計する内容の詳細さを示す詳細度によって分類した複数の業務工程を含み、記録部は、複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程に直接に工程情報を提供する他の業務工程の工程情報を変更する場合において、当該変更が原因で当該業務工程の工程情報を変更する確率である直接伝播確率を更に記録しており、更に、複数の業務工程の各々を示すノードと、当該業務工程の上流工程を示すノードとを、業務工程の間で工程情報を提供する関係を示す有向エッジで接続することにより生成される有向非循環グラフを記録しており、取得部は、CPUの動作により、一の業務工程から有向非循環グラフを遡る経路上の複数の上流工程の各々について、当該上流工程から一の業務工程に対する伝播確率を、有向非循環グラフを一の業務工程から当該上流工程に対して遡る経路上の各々の有向エッジに対応して記録部に記録された直接伝播確率に基づいて取得し、更に、複数の上流工程の各々に対応する他責確率を、当該上流工程について取得された伝播確率、および、当該上流工程に対応して記録部に記録された自責確率に基づいて取得するシステム、当該システムを用いて業務の進捗を管理する方法、および、そのプログラムを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明によれば、業務の進捗を適切に管理することで、作業者の負担をこれまでよりも軽減することができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図2は、情報処理システム10の全体構成を示す。情報処理システム10は、管理者端末20と、利用者端末25−1〜Nと、業務管理システム30とを備える。管理者端末20は、業務全体を管理する管理者によって操作される情報処理装置である。利用者端末25−1〜Nの各々は、業務の作業を担当する複数の作業者の各々に対応して設けられ、各々の作業者に対して情報を出力し、または、各々の作業者から操作を受ける。業務管理システム30は、各々の作業者から利用者端末25−1〜Nを介して入力された情報に基づいて、業務全体の進捗状況を評価して管理者端末20に表示する。また、業務管理システム30は、ある作業者から入力された情報に基づいて、その下流工程の作業者に対し、その下流工程を開始するべき旨を通知する。
本実施例にかかる業務管理システム30は、このような処理により、業務全体の管理を容易とし、また、業務を開始するべきタイミングを指示して業務を円滑に進行させることを目的とする。
図3は、業務管理システム30の機能構成を示す。業務管理システム30は、記録部300と、表示部310と、更新部320と、取得部330と、算出部340と、検出部350と、業務管理部360と、評価部370とを有する。記録部300は、複数の業務工程の各々に対応付けて、その業務工程の責任で、その業務工程において既に生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している。即ち例えば、自責確率は、ある業務工程Aにおいて、既に生成された部品を、その業務工程Aの都合によって設計変更し、更に設計しなおす確率である。
また、記録部300は、複数の業務工程の各々に対応付けて、その業務工程に直接に工程情報を提供する他の業務工程の工程情報を変更する場合において、その変更が原因でその業務工程の工程情報を変更する確率である直接伝播確率を記録している。即ち例えば、直接伝播確率は、ある業務工程Aにおいて既に生成された部品を、その業務工程Aに直接に工程情報を提供する業務工程Bにおける設計変更が原因で設計変更しなければならない確率である。
ここで、工程情報とは、業務工程における作業の結果として得られる成果物をいう。例えば、ある部品を設計する業務工程においては、その部品の設計図などの情報が工程情報となる。即ち、工程情報は、その部品の各部のサイズのデータや形状の情報等の集合である。例えば、ある業務工程の作業者は、これらのデータを格納したファイルを工程情報として他の作業者に受け渡す。また、工程情報は、複数のファイルを含むフォルダであってもよい。
また、記録部300は、複数の業務工程の各々を示すノードと、その業務工程の直接の上流工程を示すノードとを、業務工程の間で工程情報を提供する関係を示す有向エッジで接続することにより生成される有向非循環グラフを記録している。即ち、業務工程Aに工程情報を提供する業務工程Bがあれば、業務工程Bを示すノードから業務工程Aを示すノードに対する有向エッジが記録される。
表示部310は、ある業務工程の作業者の端末(例えば、利用者端末25−1)において、その業務工程に対応付けて、その業務工程に含まれる複数の作業の一覧を、それら複数の作業の各々が完了したか否かを示すチェックボックスに対応付けて表示する。更新部320は、各々の業務工程について、その業務工程に対応する複数のチェックボックスのうち、作業の完了した旨が入力されたチェックボックスの数に応じ、その業務工程の自責確率を記録部300において更新する。例えば、更新部320は、完了した旨が入力されたチェックボックスの数が増加する毎に、対応する業務工程の自責確率を低下させる。即ち、部品を製造する業務工程において、その部品の設計が完了すれば、その設計を変更しなければならない確率は低下し、また、その部品に対する試験や検査などの作業が完了すれば、その設計を変更しなければならない確率が更に低下する。
取得部330は、ある一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で、その一の業務工程に対応する一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する。例えば、取得部330は、当該他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合においてその変更が原因で当該一の業務工程の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、当該他の業務工程に対応する他の自責確率に基づいて他責確率を取得する。伝播確率は、最も単純な場合には、当該他の業務工程から当該一の業務工程に至る経路上の直接伝播確率の積となる。
算出部340は、指定された業務工程において既に生成された工程情報を変更する確率である変更確率を算出する。この変更確率は、指定されたその業務工程に対応する自責確率、および、取得された他責確率に基づいて算出される。具体的には、算出部340は、業務に含まれる複数の業務工程の各々を当該一の業務工程として、これら複数の業務工程の各々の変更確率を算出してもよい。
検出部350は、最初に開始される業務工程から順に下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、業務の完了時期に支配的な業務工程の経路であるクリティカルパスを検出する。業務管理部360は、複数の業務工程の各々について、その業務工程の期限管理に関する情報を記録している。検出部350は、業務管理部360に記録されている情報に基づいてクリティカルパスを検出してもよい。評価部370は、算出部340によって算出された確率に基づいて業務の進捗状況を評価する。例えば、評価部370は、業務に含まれる複数の業務工程の各々について算出部340によって算出された変更確率を、業務全体の進捗状況として評価してもよい。一例として、評価部370は、各々の業務工程における変更確率の平均値などの統計量を、業務全体の進捗状況として評価してもよい。また、評価部370は、クリティカルパス上の各々の業務工程について算出された変更確率の平均値などの統計量を進捗状況として評価してもよい。
図4は、記録部300が記録している業務工程間の依存関係の概念図である。記録部300は、複数の業務工程の各々をノードとし、業務工程の間で工程情報を提供する関係を有向エッジとして示した有向非循環グラフを記録している。即ち、業務工程Aは業務工程Cおよび業務工程Dにその工程情報を直接に提供する関係にある。また、業務工程Bは業務工程Dにその工程情報を直接に提供する関係にある。また、業務工程Cおよび業務工程Dの各々は、業務工程Eに工程情報を直接に提供する関係にある。また、業務工程Eは、業務工程Aおよび業務工程Bの各々から、その工程情報を間接に提供される関係にある。
ここで、複数の業務工程は、同一の設計対象を設計する工程を、その設計対象を設計する内容の詳細さを示す詳細度によって分類した複数の業務工程を含む。例えば、ここでいう複数の業務工程は、ある部品をその寸法が±1cmの精度となるように設計する業務工程と、その部品をその寸法が±5mmの精度となるように設計する業務工程との何れをも含んでよい。このように業務工程を細分化することにより、業務工程の間に循環した依存関係が生じることを防ぐことができる。
記録部300は、更に、複数の業務工程の各々(即ちノード)に対応付けて、その業務工程の自責確率を記録している。例えば、業務工程Cの自責確率はq(C)である。本図では説明の都合上、自責確率をq(X)のように業務工程を示すシンボルXを入力とする関数によって示すが、実際には、記録部300は、80%や25%などの確率値を記録している。
また、記録部300は、複数の業務工程の各々に対応付けて、その業務工程に直接に工程情報を提供する他の業務工程の工程情報を変更する場合において、その変更が原因でその業務工程の工程情報を変更する確率である直接伝播確率を記録している。例えば、業務工程Cにおける工程情報の変更が原因で、業務工程Eの工程情報を変更する確率は、d(C,E)となる。
図5は、業務管理部360が記録しているデータのデータ構造を示す。業務管理部360は、複数の業務工程の各々について、その業務工程の期限管理に関する情報を記録している。具体的には、業務管理部360は、各々の業務工程について、その識別情報(ID)と、その業務工程を完了させる標準的な期間である基準期間と、その業務工程に対応して予め定められた余裕期間とを記録している。ある業務工程の余裕期間とは、その業務工程における業務が遅延した場合にその業務工程を継続して実行させる目的で予め設けられた期間である。
更に、業務管理部360は、各業務工程の作業者からの入力に基づいて、その業務工程の開始時期、および、終了時期を取得する。そして、業務管理部360は、その開始時期に基づいて、各業務工程が開始してから現在までに経過した経過期間を算出して記録している。また、業務管理部360は、各業務工程の作業期間が基準期間を超過している期間である超過期間を算出して、その超過期間の余裕期間に対する割合である超過割合を算出して記録している。これにより、計画よりも遅延している業務工程を、他の業務工程よりも優先して進捗管理の対象とすることができる。
例えば、IDが1351の業務工程について、基準期間は16日であり、余裕期間は2日であり、経過期間は17日である。従って、超過期間は1日となり、超過期間の余裕期間に対する割合は50%となる。一方で、IDが2015の業務工程について、基準期間は26日であり、余裕期間は3日であり、経過期間は28日である。従って、超過期間は2日となり、超過期間の余裕期間に対する割合は66%である。
検出部350は、本図に示すこの超過割合に基づいてクリティカルパスを検出してもよい。具体的には、検出部350は、各々の業務工程の下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、その経路上の各々の業務工程に対応する超過割合が予め定められた基準値よりも大きい経路を、クリティカルパスとして検出してもよい。例えば、当該基準値が30%であれば、検出部350は、超過割合が30%よりも大きい業務工程のみを選択することによって最終の業務工程に到達する経路をクリティカルパスとして検出してもよい。これに代えて、検出部350は、各々の業務工程における超過割合の合計または平均などの統計量が最も大きい経路をクリティカルパスとして検出してもよい。これにより、計画よりも遅延している業務工程を、他の業務工程よりも優先して進捗管理の対象とすることができる。
また、業務管理部360は、複数の業務工程の各々に対応付けて、その業務工程の工程情報の完成に必要な工数を更に記録してもよい。この場合には、検出部350は、この工数に基づいてクリティカルパスを検出してもよい。具体的には、検出部350は、各々の業務工程の下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、それに含まれる各々の業務工程の工数の合計や平均が最大の経路をクリティカルパスとして検出してもよい。更に好ましくは、検出部350は、既に開始された業務工程についてはそれに対応する工程情報を変更する確率と当該業務工程に対応する工数との積として算出される追加作業工数の期待値に基づいて、未だ開始されていない業務工程についてはそれに対応する工数に基づいて、クリティカルパスを検出してもよい。これにより、業務開始前であっても業務進行中であっても妥当なクリティカルパスを検出することができる。
図6は、業務管理システム30が自責確率を更新する処理の処理フローを示す。図7は、表示部310によって表示される作業の一覧の具体例を示す。業務管理システム30は、利用者の要求に応じ、または、定期的に、以下の処理を行う。まず、表示部310は、少なくとも1つの業務工程に対応付けて、その業務工程に含まれる複数の作業の一覧を、それら複数の作業の各々が完了したか否かを示すチェックボックスに対応付けて表示する。
例えば、図7に示すように、表示部310は、ある業務工程Aに対応付けて、その業務工程Aに含まれる複数の作業を項目毎に表示する。その項目とは、例えば、概要設計、詳細設計、または、図面化、などの実質的な設計作業のみならず、A試験、B試験、または、総合試験などの試験作業を含む。また、作業の項目は、管理者承認といった管理事務的な作業を含む。表示部310は、このような作業の一覧を、各々の業務工程について表示する。
更新部320は、チェックボックスに対する入力が更新または完了したか否かを判断する(S610)。例えば、更新部320は、図7に示す「チェック完了」ボタンがクリックされたか否かによって、入力が更新または完了したと判断してもよい。更新部320は、これら複数のチェックボックスの状態に応じてその業務工程の自責確率を算出する(S620)。例えば、更新部320は、これらのチェックボックスうち、作業の完了した旨が入力されたチェックボックスの数に応じて、その業務工程の自責確率を算出する。図7において、一覧表示された7つの作業のうち、チェックボックスに対して入力されている作業は、「概要設計」、「詳細設計」および「図面化」の3つであり、その他の4つの作業についてはチェックボックスに対して入力が為されていない。従って、更新部320は、4/7(約57%)を自責確率として算出する。更新部320は、算出した自責確率によって記録部300を更新する(S630)。更新部320は、以上の処理を各々の業務工程について繰り返す。また、チェックボックスの項目に重みをつけて、自責確率を算出してもよい。
図8は、各業務工程における工程情報の変更確率に基づいて業務の進捗を管理する処理の処理フローを示す。本図の処理は、例えば、業務全体を管理する管理者に対し、業務の進捗状況や、業務が現在抱えているリスクなどを評価して表示することを目的とする。まず、検出部350は、最初に開始される業務工程から順に下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、業務全体の完了時期に支配的な業務工程の経路であるクリティカルパスを検出する(S800)。
次に、算出部340は、業務に含まれる複数の業務工程の各々について、その業務工程において既に生成された工程情報を変更する確率である変更確率を算出する(S810)。変更確率の算出方法の詳細については後述する。そして、評価部370は、クリティカルパス上の各々の業務工程について算出された変更確率に基づいて、クリティカルパスの進捗状況を評価する(S820)。例えば、評価部370は、クリティカルパス上の各々の業務工程について、既に開始された業務工程についてはそれに対応する工程情報を変更する確率と当該業務工程に対応する前記工数との積として算出される追加作業工数の期待値を、未だ開始されていない業務工程についてはそれに対応する工数を、合計したものをクリティカルパス上の残り工数として、進捗状況を評価してもよい。これに代えて、評価部370は、ある1つの業務工程において、その工程情報を変更することによって生じる追加工程を評価してもよい。追加工程の評価については図12で述べる。
図9は、S810における処理の詳細を示す。算出部340は、業務工程間の依存関係を示す有向非循環グラフの全ノードに対応付けて、そのノードの変更確率を既に求めたか否かを示すフラグを用意する。以降、変更確率を求めることを「訪問」と呼び、このフラグを訪問済みフラグと呼ぶ。まず、算出部340は、全ノードの訪問済フラグをリセットする(S900)。次に、算出部340は、各々のノードについて以下の処理を繰り返す(S910)。
まず、算出部340は、当該ノードの訪問済フラグが既にセットされているか否かを判断する(S920)。セットされていないことを条件に、算出部340は、このノードの変更確率を算出する(S930)。算出部340は、この算出処理を繰り返す(S940)。
図10は、S930における処理の詳細を示す。算出部340は、変更確率を算出する対象となるノード(以降、対象ノードと呼ぶ)の親ノード(ノードAからノードBに向かうエッジがあるとき、ノードBをノードAの親ノードと呼ぶ)の各々について、以下の処理を繰り返す(S1000)。まず、算出部340は、その親ノードの訪問済フラグがセットされているか否かを判断する(S1010)。セットされていないことを条件に(S1010:NO)、算出部340は、その親ノードの変更確率を算出する(S1020)。この算出処理は、S930を再帰的に実行することによって実現される。算出部340は、以上の算出処理を、各々の親ノードについて繰り返し行う(S1030)。
次に、算出部340は、対象ノードよりも上流側に位置するノードである祖先ノードを全て検出する(S1040)。例えば、算出部340は、対象ノードから順に順次有向非循環グラフを遡ることによって選択される全てのノードを、祖先ノードとして検出する。次に、取得部330は、検出された各々の祖先ノードから対象ノードへの伝播確率を取得する(S1050)。具体的には、取得部330は、ある祖先ノードから対象ノードに対する伝播確率を、有向非循環グラフを対象ノードからその祖先ノードに対して遡る経路上の各々の有向エッジに対応する直接伝播確率に基づいて取得する。
伝播確率を取得するための計算式は、例えば、以下のように表される。
Figure 0004798575
ここで、Zは祖先ノードを、Xは対象ノードを示す。また、Parent[X]は、対象ノードの親ノードの集合を示す。また、Ancestor[Y]は、親ノードYの祖先ノード集合を示す。d(Y,X)は、親ノードYから対象ノードXに対する直接伝播確率であり、これは、記録部300に予め記録されている。r(Z,Y)は、祖先ノードZから親ノードYに対する伝播確率であり、これは、その親ノードYの変更確率を算出する処理において既に算出されている。なお、S1000からS1030までの処理によって、全ての親ノードの変更確率が既に算出されていることが保証されている。
Πは、続いて記述される式の積を求める演算子である。即ち、Π以下の式によって求められるのは、ある祖先ノードにおいて工程情報が変更されたとしても、その祖先ノードから対象ノードに至る何れの経路においてもその変更の影響が伝播しない確率である。これを1から差し引くことにより、その祖先ノードにおいて工程情報が変更された場合において対象ノードの工程情報を変更する確率(即ち伝播確率)が求められる。
続いて、取得部330は、以上の処理によって取得した伝播確率を、下流側のノードにおける伝播確率を算出するために記憶装置に一時的に記録する(S1060)。次に、取得部330は他責確率を取得し、算出部340は、それに基づいて変更確率を算出する(S1070)。具体的には、取得部330は、対象ノードの上流工程を示す複数の上流ノードの各々に対応する他責確率を、その上流ノードについて取得された伝播確率、および、上流ノードに対応する自責確率に基づいて取得する。変更確率は、対象ノードから有向非循環グラフを遡る経路上の各々のノードについて取得された他責確率に基づいて算出される。詳細には、例えば、以下の式(2)によって算出される。
Figure 0004798575
ここで、q(X)は、対象ノードXの自責確率を示し、これは、記録部300に予め記録され、チェックボックスに対する入力などによって更新される。また、p(Z)は、祖先ノードZの変更確率を示す。S1000からS1030までの処理によって、全ての祖先ノードの変更確率が既に算出されていることが保証されている。その他の項の意味は、式(1)と同様である。
Π以下の式によって求められるのは、何れの祖先ノードにおいて工程情報が変更されたとしても、その変更が原因で対象ノードにおける工程情報の変更が必要とならない確率である。また、(1−q(X))は、対象ノードXが示す業務工程の責任によっては、その業務工程の工程情報の変更が必要とならない確率を示す。即ち、(1−q(X))以下の式によれば、対象ノードXにおいて工程情報を変更する必要が生じない確率が求められる。これを1から差し引くことによって、対象ノードXの変更確率を算出することができる。
算出部340は、対象ノードについて算出した変更確率を、その下流側のノードにおける変更確率を算出するために記憶装置に一時的に記録する(S1075)。そして、算出部340は、対象ノードXの訪問済フラグをセットする(S1080)。
図11は、ある業務工程における変更確率が、その上流工程における変更確率に基づいて算出される状態を示す図である。算出部340は、対象ノードEの変更確率p(E)を、ノードEの自責確率q(E)と、各々の祖先ノードから対象ノードEに対する伝播確率と、各々の祖先ノードの変更確率とに基づいて算出する。ここで、伝播確率は、当該祖先ノードが当該対象ノードに対して一段階上流の工程の場合には、当該祖先ノードの工程情報の変更が直接的な原因で当該対象ノードの工程情報が変更される確率を示す直接伝播確率である。一方で、伝播確率は、当該祖先ノードが当該対象ノードに対して多段階上流の工程の場合には、当該祖先ノードの工程情報の変更が間接的な原因で当該対象ノードの工程情報が変更される確率を示す間接伝播確率である。
算出部340は、祖先ノードAについて、祖先ノードAから対象ノードEへの伝播確率r(A,E)を算出する。伝播確率は、祖先ノードAにおける工程情報の変更が、ノードCまたはノードDの何れかを経由してノードEに伝播する確率となる。そして、算出部340は、この伝播確率に、祖先ノードAの変更確率p(A)を乗じた確率を、祖先ノードAの工程情報を変更したことによってノードEの工程情報を変更する確率として算出する。
また、算出部340は、祖先ノードBについて、祖先ノードBから対象ノードEへの伝播確率r(B,E)を算出する。伝播確率は、ノードBからノードDへの伝播確率r(B,D)と、ノードDからノードEへの直接伝播確率d(D,E)の積となる。そして、算出部340は、この伝播確率に、祖先ノードBの変更確率p(B)を乗じた確率を、祖先ノードBの工程情報を変更したことによってノードEの工程情報を変更する確率として算出する。
また、算出部340は、祖先ノードCの工程情報を変更したことによってノードEの工程情報を変更する確率を算出する。この確率は、祖先ノードDからノードEへの直接伝播確率と、祖先ノードDの自責確率との積となる。同様に、算出部340は、祖先ノードDの工程情報を変更したことによってノードEの工程情報を変更する確率を算出する。この確率は、祖先ノードCからノードEへの直接伝播確率と、祖先ノードCの自責確率との積となる。
以上の計算により、式(2)の最も右側の項が算出される。これらを式(2)に代入することによって、対象ノードEの変更確率を算出することができる。
以上、図10および図11において説明したように、算出部340は、指定された業務工程が工程情報を変更する確率を、有向非循環グラフにおいて当該業務工程の親ノードとして示される直接の上流工程が工程情報を変更する確率に基づき再帰的に順次算出していく。さらに、訪問済みフラグを利用することで、伝播確率や変更確率の重複した計算処理を省くことができ、処理を効率化することができる。
図12は、ある工程情報を変更した場合にその下流工程で発生する追加工数を求める処理の概念図である。評価部370は、進捗状況を評価する処理の一例として、クリティカルパス上の業務工程において、その工程情報を変更することによって生じる追加工程を評価してもよい。具体的には、まず、評価部370は、変更する候補となる工程情報を利用者に指定させる。
本図の例において、工程情報を変更する候補の業務工程を業務工程Aとする。また、この例では、自責確率を、当該業務工程における全作業量に対する未完の作業量の割合と定義する。したがって、いま、業務工程Aの作業の80%が完了しているので、業務工程Aの自責確率は20%である。また、業務工程の下流工程である業務工程Bにおいて、作業の40%が完了しているので、業務工程Bの自責確率は60%である。また、業務工程Bの更に下流側の業務工程Cにおいて、作業の20%が完了しているので、業務工程Cの自責確率は80%である。
また、上述のS810において説明したように、取得部330は、各業務工程と他の業務工程との間の伝播確率を取得する。いま、業務工程Aから業務工程Bへの伝播確率をP1とする。また、業務工程Aから業務工程Cへの伝播確率をP2とする。即ち、業務工程Aの責任で業務工程Bの工程情報を変更する確率は、業務工程Aの自責確率20%と、伝播確率P1との積となる(P1×0.2)。従って、業務工程Bの変更確率は、1−(1−0.6)×(1−P1×0.2)となる。また、業務工程Aの責任で業務工程Cの工程情報を変更する確率は、業務工程Aの自責確率20%と、伝播確率P2との積となる(P2×0.2)。従って、業務工程Cの変更確率は、1−(1−0.8)×(1−P2×0.2)となる。
そして、算出部340は、変更する候補の工程情報が指定されたことに応じ、指定されたその工程情報を生成する業務工程に対応する自責確率を1に上昇させた場合において、他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率が上昇する上昇幅を算出する。本図の例において、業務工程Aに対応する自責確率を1に上昇させた結果、業務工程Aの責任で業務工程Bの工程情報を変更する確率は、P1×1に上昇する。従って、業務工程Bの変更確率は、1−(1−0.6)×(1−P1)となり、変更確率の上昇幅は、0.32×P1となる。また、業務工程Aの責任で業務工程Cの工程情報を変更する確率は、P1×1に上昇する。従って、業務工程Cの変更確率は、1−(1−0.8)×(1−P2)となり、変更確率の上昇幅は、0.16×P2となる。
続いて、評価部370は、各業務工程について算出部340によって算出された上昇幅、および、その業務工程に対応付けて記録された工数の積を算出する。本図の例において、業務工程Bの工数は10であり、業務工程Cの工数は20である。従って、評価部370は、業務工程Bについて、上昇幅である0.32×P1と工数10とを乗じた3.2×P1を算出する。また、評価部370は、業務工程Cについて、上昇幅である0.16×P2と工数20とを乗じた3.2×P2を算出する。
そして、評価部370は、これらの積を、複数の業務工程について合計した値に基づいて、業務工程Aを変更することにより必要な合計の工数を評価する。たとえば、評価部370は、3.2×P1と3.2×P2との合計を追加工数として評価してもよい。この追加工数は、現時点で業務工程Aの工程情報を変更した場合において追加で必要となる工数の期待値である。これにより、工程情報を変更することにより変更時点から追加で必要となる工数を評価することができる。
これに代えて、評価部370は、各々の業務工程について算出部340によって算出された上昇幅、および、その業務工程において既に行われた作業の工数の積を算出してもよい。即ち例えば、業務工程Bにおいて既に行われた作業の工数は4であるから、評価部370は、0.32×P1と工数4とを乗じた1.28×P1を算出してもよい。同様に、業務工程Cにおいて既に行われた作業の工数は4であるから、評価部370は、0.16×P2と工数4とを乗じた0.64×P2を算出してもよい。
この場合、評価部370は、これらの積を、複数の業務工程について合計した値に基づいて、業務工程Aを変更することにより必要な合計の工数を評価する。例えば、評価部370は、1.28×P1と0.64×P2との合計を追加工数として評価してもよい。この追加工数は、業務工程Aの工程情報を変更した場合において、業務全体として追加で必要となる工数の合計を示す。これにより、工程情報の変更により業務全体として増加する作業量を適切に評価することができる。
図13は、各業務工程における工程情報の変更確率に基づいてその下流工程の作業開始を通知する処理の処理フローを示す。本図の処理は、下流工程の作業者を支援することを目的とし、例えば、その上流工程の工程情報が完成していない場合であっても下流工程を先行して開始してもよいか否かの判断を支援することを目的とする。
まず、算出部340は、業務に含まれる複数の業務工程の各々について、その業務工程において既に生成された工程情報を変更する確率である変更確率を算出する(S1300)。この処理は、図8のS810と略同一の処理であるから説明を省略する。次に、評価部370は、各々の業務工程について以下の処理を繰り返す(S1310)。
評価部370は、当該業務工程について算出部340によって算出された変更確率が、予め定められた基準値よりも低いか否かを判断する(S1320)。その変更確率が基準値よりも低いことを条件に、評価部370は、当該業務工程の下流工程の担当者に対し、当該業務工程が完了したか否かに関わらずその下流工程を開始する旨を通知する(S1330)。この通知は、何れの上流工程についても変更確率が基準値未満である場合に通知されてもよいし、何れかの上流工程のみについて変更確率が基準値未満である場合に通知されてもよい。
また、この基準値は、工程毎に異なってもよい。例えば、ある業務工程について、その業務工程に対して直接に工程情報を提供する上流工程については基準値が30%であり、それ以外の上流工程については基準値が50%であってもよい。即ち例えば、S1320において、評価部370は、ある一の業務工程の上流工程において工程情報を変更する確率を、予め定められた第1の基準値と比較し、かつ、当該一の業務工程の一の工程情報を変更する確率を、予め定められた第2の基準値と比較してもよい。
この場合、第1の業務工程の変更確率が第1の基準値よりも低く、かつ、第2の業務工程の変更確率が第2の基準値よりも低く、かつ、第2の基準値が第1の基準値よりも低いことを条件に、評価部370は、それらの下流工程の作業者に対して業務工程の開始を通知する。これにより、影響の大きいことが予想される上流工程については評価基準を厳しくし、影響の軽微なことが予想される上流工程については評価基準を緩和して、通知のタイミングを適切に定めることができる。
業務管理システム30は、以上の処理を各業務工程について繰り返す(S1340)。
図14は、業務管理システム30として機能する情報処理装置500のハードウェア構成の一例を示す。情報処理装置500は、ホストコントローラ1082により相互に接続されるCPU1000、RAM1020、及びグラフィックコントローラ1075を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1084によりホストコントローラ1082に接続される通信インターフェイス1030、ハードディスクドライブ1040、及びCD−ROMドライブ1060を有する入出力部と、入出力コントローラ1084に接続されるBIOS1010、フレキシブルディスクドライブ1050、及び入出力チップ1070を有するレガシー入出力部とを備える。
ホストコントローラ1082は、RAM1020と、高い転送レートでRAM1020をアクセスするCPU1000及びグラフィックコントローラ1075とを接続する。CPU1000は、BIOS1010及びRAM1020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1075は、CPU1000等がRAM1020内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1080上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1075は、CPU1000等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ1084は、ホストコントローラ1082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス1030、ハードディスクドライブ1040、及びCD−ROMドライブ1060を接続する。通信インターフェイス1030は、ネットワークを介して外部の装置と通信する。ハードディスクドライブ1040は、情報処理装置500が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ1060は、CD−ROM1095からプログラム又はデータを読み取り、RAM1020又はハードディスクドライブ1040に提供する。
また、入出力コントローラ1084には、BIOS1010と、フレキシブルディスクドライブ1050や入出力チップ1070等の比較的低速な入出力装置とが接続される。BIOS1010は、情報処理装置500の起動時にCPU1000が実行するブートプログラムや、情報処理装置500のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ1050は、フレキシブルディスク1090からプログラム又はデータを読み取り、入出力チップ1070を介してRAM1020またはハードディスクドライブ1040に提供する。入出力チップ1070は、フレキシブルディスク1090や、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
情報処理装置500に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク1090、CD−ROM1095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、入出力チップ1070及び/又は入出力コントローラ1084を介して、記録媒体から読み出され情報処理装置500にインストールされて実行される。プログラムが情報処理装置500等に働きかけて行わせる動作は、図1から図13において説明した業務管理システム30における動作と同一であるから、説明を省略する。
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1090、CD−ROM1095の他に、DVDやPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムを情報処理装置500に提供してもよい。
以上、本実施例にかかる業務管理システム30によれば、各々の業務工程において設計変更が生じる確率を正確に評価して、業務全体の進捗管理に役立てることができる。更に、各業務工程が上流工程の完了を待たずに業務を開始してもよいかを、後に設計変更が生じる確率に基づいて適切に判断して、作業者に通知することができる。これにより、追加工数が生じる可能性を低減し、或いは、追加工数発生のリスクを認識したうえで、業務全体を効率化することができる。
これにより、以下のようなサービスが実現される。このサービスにおいて管理対象となる業務工程は、自動車の部品を設計する工程である。また、このサービスにおいて工程情報は、部品の設計情報である。まず、サービス提供の担当者は、業務工程を担当する従業員に対してインタビューすることにより、自責確率及び/又は伝播確率を調査する。伝播確率とは、典型的には直接伝播確率であるが、間接伝播確率であってもよい。また、伝播確率に代えて他責確率を調査してもよい。次に、担当者は、業務管理システム30に対して複数の機能のうち少なくとも1つの機能を実装する。
この複数の機能は、各業務工程に対応する工程情報の入力を受け付ける機能と、一の業務工程に対応する一の工程情報が、その一の業務工程の責任で変更される確率である一の自責確率を記録する機能と、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で、その一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する機能と、その一の工程情報が変更される確率を、その一の自責確率と他責確率とに基づいて算出する機能とを含む。担当者は、これらの機能のうち業務管理システム30に既に実装されていない機能のみを実装してもよい。
また、担当者は、上記機能の実装に先立って、または、実装の後に、調査により判明した自責確率および/または伝播確率を業務管理システム30に記憶させてもよい。更に、担当者は、自動車のモデルチェンジに応じて、実装されたこれらの機能の少なくとも一部を修正してもよい。具体的には、上記の自責確率および/または他責確率を修正してもよい。これにより、自動車が次々にモデルチェンジされる場合であっても、前回のモデルの工程フローを参考に、新たなモデルの進捗を効率よく管理でき、業務効率化を効果的に支援することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
図1は、自動車の開発業務において、複数の作業者が成果物を共有する具体例を示す。 図2は、情報処理システム10の全体構成を示す。 図3は、業務管理システム30の機能構成を示す。 図4は、記録部300が記録している業務工程間の依存関係の概念図である。 図5は、業務管理部360が記録しているデータのデータ構造を示す。 図6は、業務管理システム30が自責確率を更新する処理の処理フローを示す。 図7は、表示部310によって表示される作業の一覧の具体例を示す。 図8は、各業務工程における工程情報の変更確率に基づいて業務の進捗を管理する処理の処理フローを示す。 図9は、S810における処理の詳細を示す。 図10は、S930における処理の詳細を示す。 図11は、各業務工程における変更確率が順次算出される状況を示す図である。 図12は、ある工程情報を変更した場合にその下流工程で発生する追加工数を求める処理の概念図である。 図13は、各業務工程における工程情報の変更確率に基づいてその下流工程の作業開始を通知する処理の処理フローを示す。 図14は、業務管理システム30として機能する情報処理装置500のハードウェア構成の一例を示す。
符号の説明
10 情報処理システム
20 管理者端末
25 利用者端末
30 業務管理システム
300 記録部
310 表示部
320 更新部
330 取得部
340 算出部
350 検出部
360 業務管理部
370 評価部
500 情報処理装置

Claims (19)

  1. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムであって、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と
    を備え、
    前記複数の業務工程は、同一の設計対象を設計する工程を、前記設計対象を設計する内容の詳細さを示す詳細度によって分類した複数の業務工程を含み、
    前記記録部は、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程に直接に工程情報を提供する他の業務工程の工程情報を変更する場合において、当該変更が原因で当該業務工程の工程情報を変更する確率である直接伝播確率を更に記録しており、更に、
    前記複数の業務工程の各々を示すノードと、当該業務工程の上流工程を示すノードとを、業務工程の間で工程情報を提供する関係を示す有向エッジで接続することにより生成される有向非循環グラフを記録しており、
    前記取得部は、前記CPUの動作により、前記一の業務工程から前記有向非循環グラフを遡る経路上の複数の上流工程の各々について、当該上流工程から前記一の業務工程に対する前記伝播確率を、前記有向非循環グラフを前記一の業務工程から当該上流工程に対して遡る経路上の各々の有向エッジに対応して前記記録部に記録された前記直接伝播確率に基づいて取得し、更に、
    前記複数の上流工程の各々に対応する他責確率を、当該上流工程について取得された前記伝播確率、および、当該上流工程に対応して前記記録部に記録された前記自責確率に基づいて取得するシステム。
  2. 前記算出部は、前記一の工程情報が変更される確率を、前記記録部に記録された前記有向非循環グラフにおいて前記一の業務工程の親ノードとして示される直接の上流工程が工程情報を変更する確率に基づき再帰的に順次算出していく
    請求項1に記載のシステム。
  3. 少なくとも1つの前記業務工程に対応付けて、当該業務工程に含まれる複数の作業の一覧を、前記複数の作業の各々が完了したか否かを示すチェックボックスに対応付けて端末に表示する表示部と、
    前記CPUの動作により、各々の前記業務工程について、当該業務工程に対応する複数のチェックボックスの状態に応じ、当該業務工程の自責確率を前記記録部において更新する更新部と
    を更に備える請求項1に記載のシステム。
  4. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムであって、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と、
    前記一の業務工程から直接にまたは間接に一の工程情報の提供を受ける他の業務工程を下流工程として、前記算出部により算出された前記確率が予め定められた基準値よりも低いことを条件に、前記下流工程の作業者に対して、前記一の業務工程が完了したか否かに関わらず前記下流工程を開始する旨を、前記CPUの動作により通知する評価部と
    を備えるシステム。
  5. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムであって、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と、
    前記一の業務工程に対し直接にまたは間接に他の工程情報を提供する他の業務工程を上流工程とし、前記一の業務工程から直接にまたは間接に一の工程情報の提供を受ける他の業務工程を下流工程として、前記算出部により算出された上流工程の工程情報を変更する確率が予め定められた第1の基準値よりも低く、かつ一の業務工程の一の工程情報を変更する確率が予め定められた第2の基準値よりも低く、かつ前記第2の基準値が前記第1の基準値よりも低いことを条件に、前記下流工程の作業者に対して、当該下流工程を開始する旨を、前記CPUの動作により通知する評価部と
    を備えるシステム。
  6. 前記算出部は、前記複数の業務工程の各々を前記一の業務工程として、前記複数の業務工程の各々における工程情報を変更する確率を算出し、
    前記評価部は、前記複数の業務工程の各々について算出された前記確率の統計量を、前記業務全体の進捗状況として評価する
    請求項5に記載のシステム。
  7. 前記CPUの動作により、前記複数の業務工程の各々について、当該業務工程に対応して予め定められた余裕期間に対する、当該業務工程の作業期間が予め定められた基準期間を超過している期間の割合である超過割合を記録した業務管理部と、
    前記CPUの動作により、各々の前記業務工程の下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、当該経路上の各々の業務工程に対応する前記超過割合が予め定められた基準値よりも大きい経路を、前記業務の完了時期に支配的な業務工程の経路であるクリティカルパスとして検出する検出部とを更に備え、
    前記評価部は、前記クリティカルパス上の各々の前記業務工程について前記算出部によって算出された前記確率に基づいて、前記クリティカルパスの進捗状況を評価する
    請求項5に記載のシステム。
  8. 前記複数の業務工程の各々について、当該業務工程の工程情報の完成に必要な工数を更に記録しており、
    前記CPUの動作により、各々の前記業務工程の下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、既に開始された業務工程に対応する工程情報を変更する確率と当該業務工程に対応する前記工数との積として算出される追加作業工数の期待値、および、未だ開始されていない業務工程に対応する前記工数を合計したものをクリティカルパス上の残りの工数とし、当該工数に基づいて、最初の前記業務工程から順に下流工程を順次選択することによって最終の業務工程に到達する経路のうち、前記業務の完了時期に支配的な業務工程の経路であるクリティカルパスを検出する検出部を備える
    請求項5に記載のシステム。
  9. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムであって、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と、
    前記CPUの動作により、前記業務の進捗状況を評価する評価部と、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の工程情報の完成に必要な工数を更に記録している業務管理部とを備え、
    前記算出部は、変更する候補の工程情報が指定されたことに応じ、所定の変更確率算出式における指定された前記工程情報を生成する業務工程に対応する自責確率を1に上昇させた場合に他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率を算出して、他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率が上昇前の確率に対して上昇する上昇幅を算出し、
    前記評価部は、各業務工程について前記算出部によって算出された上昇幅、および、当該業務工程に対応付けて記録された工数の積を、前記複数の業務工程について合計した値に基づいて、指定された前記工程情報を変更することにより必要な合計の工数を評価するシステム。
  10. 前記取得部は、前記他の業務工程が前記一の業務工程に対して一段階上流の工程の場合に、前記他の工程情報の変更が直接的な原因で前記一の工程情報が変更される確率を示す直接伝播確率を取得する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記取得部は、前記他の業務工程が前記一の業務工程に対して多段階上流の工程の場合に、前記他の工程情報の変更が間接的な原因で前記一の工程情報が変更される確率を示す間接伝播確率を取得する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムによって、前記業務の進捗を管理する方法であって、
    前記システムは、前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部を有し、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する段階と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する段階と
    を備え、
    前記複数の業務工程は、同一の設計対象を設計する工程を、前記設計対象を設計する内容の詳細さを示す詳細度によって分類した複数の業務工程を含み、
    前記記録部は、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程に直接に工程情報を提供する他の業務工程の工程情報を変更する場合において、当該変更が原因で当該業務工程の工程情報を変更する確率である直接伝播確率を更に記録しており、更に、
    前記複数の業務工程の各々を示すノードと、当該業務工程の上流工程を示すノードとを、業務工程の間で工程情報を提供する関係を示す有向エッジで接続することにより生成される有向非循環グラフを記録しており、
    前記取得段階では、前記CPUの動作により、前記一の業務工程から前記有向非循環グラフを遡る経路上の複数の上流工程の各々について、当該上流工程から前記一の業務工程に対する前記伝播確率を、前記有向非循環グラフを前記一の業務工程から当該上流工程に対して遡る経路上の各々の有向エッジに対応して前記記録部に記録された前記直接伝播確率に基づいて取得し、更に、
    前記複数の上流工程の各々に対応する他責確率を、当該上流工程について取得された前記伝播確率、および、当該上流工程に対応して前記記録部に記録された前記自責確率に基づいて取得する方法。
  13. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムによって、前記業務の進捗を管理する方法であって、
    前記システムは、前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部を有し、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する段階と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する段階と、
    前記一の業務工程から直接にまたは間接に一の工程情報の提供を受ける他の業務工程を下流工程として、前記算出段階により算出された前記確率が予め定められた基準値よりも低いことを条件に、前記下流工程の作業者に対して、前記一の業務工程が完了したか否かに関わらず前記下流工程を開始する旨を、前記CPUの動作により通知する評価段階と
    を備える方法。
  14. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムによって、前記業務の進捗を管理する方法であって、
    前記システムは、前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部を有し、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する段階と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する段階と、
    前記一の業務工程に対し直接にまたは間接に他の工程情報を提供する他の業務工程を上流工程とし、前記一の業務工程から直接にまたは間接に一の工程情報の提供を受ける他の業務工程を下流工程として、前記算出段階により算出された上流工程の工程情報を変更する確率が予め定められた第1の基準値よりも低く、かつ一の業務工程の一の工程情報を変更する確率が予め定められた第2の基準値よりも低く、かつ前記第2の基準値が前記第1の基準値よりも低いことを条件に、前記下流工程の作業者に対して、当該下流工程を開始する旨を、前記CPUの動作により通知する評価段階と
    を備える方法。
  15. 複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するシステムによって、前記業務の進捗を管理する方法であって、
    前記システムは、前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の工程情報の完成に必要な工数を更に記録している業務管理部とを有し、
    CPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する段階と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する段階と、
    前記CPUの動作により、前記業務の進捗状況を評価する段階とを備え、
    前記算出手段は、変更する候補の工程情報が指定されたことに応じ、所定の変更確率算出式における指定された前記工程情報を生成する業務工程に対応する自責確率を1に上昇させた場合に他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率を算出して、他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率が上昇前の確率に対して上昇する上昇幅を算出し、
    前記評価段階は、各業務工程について前記算出段階によって算出された上昇幅、および、当該業務工程に対応付けて記録された工数の積を、前記複数の業務工程について合計した値に基づいて、指定された前記工程情報を変更することにより必要な合計の工数を評価する方法。
  16. 情報処理装置によって、複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するプログラムであって、
    前記情報処理装置を、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    前記情報処理装置のCPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と
    して機能させるプログラムを備え、
    前記複数の業務工程は、同一の設計対象を設計する工程を、前記設計対象を設計する内容の詳細さを示す詳細度によって分類した複数の業務工程を含み、
    前記記録部は、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程に直接に工程情報を提供する他の業務工程の工程情報を変更する場合において、当該変更が原因で当該業務工程の工程情報を変更する確率である直接伝播確率を更に記録しており、更に、
    前記複数の業務工程の各々を示すノードと、当該業務工程の上流工程を示すノードとを、業務工程の間で工程情報を提供する関係を示す有向エッジで接続することにより生成される有向非循環グラフを記録しており、
    前記取得部は、前記CPUの動作により、前記一の業務工程から前記有向非循環グラフを遡る経路上の複数の上流工程の各々について、当該上流工程から前記一の業務工程に対する前記伝播確率を、前記有向非循環グラフを前記一の業務工程から当該上流工程に対して遡る経路上の各々の有向エッジに対応して前記記録部に記録された前記直接伝播確率に基づいて取得し、更に、
    前記複数の上流工程の各々に対応する他責確率を、当該上流工程について取得された前記伝播確率、および、当該上流工程に対応して前記記録部に記録された前記自責確率に基づいて取得するプログラム。
  17. 情報処理装置によって、複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するプログラムであって、
    前記情報処理装置を、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    前記情報処理装置のCPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と、
    前記一の業務工程から直接にまたは間接に一の工程情報の提供を受ける他の業務工程を下流工程として、前記算出部により算出された前記確率が予め定められた基準値よりも低いことを条件に、前記下流工程の作業者に対して、前記一の業務工程が完了したか否かに関わらず前記下流工程を開始する旨を、前記CPUの動作により通知する評価部と
    して機能させるプログラム。
  18. 情報処理装置によって、複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するプログラムであって、
    前記情報処理装置を、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    前記情報処理装置のCPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と、
    前記一の業務工程に対し直接にまたは間接に他の工程情報を提供する他の業務工程を上流工程とし、前記一の業務工程から直接にまたは間接に一の工程情報の提供を受ける他の業務工程を下流工程として、前記算出部により算出された上流工程の工程情報を変更する確率が予め定められた第1の基準値よりも低く、かつ一の業務工程の一の工程情報を変更する確率が予め定められた第2の基準値よりも低く、かつ前記第2の基準値が前記第1の基準値よりも低いことを条件に、前記下流工程の作業者に対して、当該下流工程を開始する旨を、前記CPUの動作により通知する評価部と
    して機能させるプログラム。
  19. 情報処理装置によって、複数の業務工程を含む業務の進捗を管理するプログラムであって、
    前記情報処理装置を、
    前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の責任で、当該業務工程において生成された工程情報を変更する確率である自責確率を記録している記録部と、
    前記情報処理装置のCPUの動作により、一の業務工程に対し直接にまたは間接に工程情報を提供する他の業務工程の責任で前記他の業務工程に対応する他の工程情報が変更された場合において当該変更が原因で前記一の工程情報を変更する確率である伝播確率、および、前記他の業務工程に対応する他の前記自責確率に基づいて前記伝播確率と他の前記自責確率との積を算出し、前記一の工程情報が変更される確率である他責確率を取得する取得部と、
    前記CPUの動作により、前記一の工程情報が変更される確率を、前記一の業務工程に対応して前記記録部に記録された一の自責確率と前記他責確率とに基づいて算出する算出部と、
    前記CPUの動作により、前記業務の進捗状況を評価する評価部と、
    前記CPUの動作により、前記複数の業務工程の各々に対応付けて、当該業務工程の工程情報の完成に必要な工数を更に記録している業務管理部と
    して機能させるプログラムを備え、
    前記算出部は、変更する候補の工程情報が指定されたことに応じ、所定の変更確率算出式における指定された前記工程情報を生成する業務工程に対応する自責確率を1に上昇させた場合に他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率を算出して、他の各々の業務工程の工程情報を変更する確率が上昇前の確率に対して上昇する上昇幅を算出し、
    前記評価部は、各業務工程について前記算出部によって算出された上昇幅、および、当該業務工程に対応付けて記録された工数の積を、前記複数の業務工程について合計した値に基づいて、指定された前記工程情報を変更することにより必要な合計の工数を評価するプログラム。
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