JP4797855B2 - Emdr治療支援システムおよびプログラム - Google Patents

Emdr治療支援システムおよびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、患者の治療の支援をするシステムに関し、特にEMDRを採用した治療支援システムおよびプログラムに関する。
近年、眼球運動による脱感作と再処理法(Eye Movement Desensitization and Reprocessing(以下EMDRとする))が外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder(以下PTSDとする))の治療方法の一つとして注目されている。PTSDとは突然の衝撃的出来事を経験することによって生じる特徴的な精神障害である。EMDRの治療方法は、患者が目をきょろきょろさせる事(眼球運動)により、脳をREM睡眠の状態にし、その状態でトラウマを癒すものである。EMDR治療は、1段階目「スクリーニング」、2段階目「準備」、3段階目「アセスメント」、4段階目「脱感作」、5段階目「植え付け」、6段階目「ボディスキャン」、7段階目「終了」、8段階目「再評価」の8の段階で構成される。カウンセラーは所定の手順に従って各段階の治療を行う。患者は、この8つの段階の内、「準備」、「脱感作」、「植え付け」の治療の段階において眼球運動を行う。カウンセラーは、コンピュータの画面上に表示されたポインタを動作させ、患者がそのポインタの動作を眼で追うことにより、眼球運動を行わせていた。
コンピュータの画面上に表示されたポインタを動作させる眼球運動支援ソフトウェアは、販売されている(例えば非特許文献1参照。)。
http://www.neurolateral.com/
EMDRは治療の過程が複雑であり、かつ患者に眼球運動を繰り返し実施させるため、カウンセラーの負担が大きい治療法である。
従来技術にかかる眼球運動支援ソフトウェアは、画面上に表示されたポインタが画面内の左右に移動するのみであった。そのため、患者によっては眼球運動による効果が出難い場合があった。また、効果が得られない場合は、カウンセラーが動作条件を手作業で変更するしかなかった。
本発明は、以下のEMDR治療支援システムによってカウンセラーの負担を軽減する。
EMDR治療支援システムは、画面上に表示されたポインタが動作をした結果、該動作の結果に対する患者の評価が登録されるシステムである。当該システムは、動作を特定する複数の動作項目情報と過去の治療での該項目情報についての評価情報とが格納されたテーブルと、前記ポインタが動作をしたとき、該動作に対して患者から得られる所感の情報を取得する取得手段と、前記ポインタの動作を変更する指示があるときに、前記テーブルに格納された前記評価情報と前記所感の情報とから変更すべき前記動作項目情報を出力する出力手段とを有する。
本発明により、カウンセラーがポインタの動作に基づく患者の評価情報をシステムに入力すれば、変更すべき動作項目情報についてEMDR治療支援システムが出力するため、カウンセラーの負担が軽減する。
本実施例では、EMDRにかかる治療のプロセスの記録を管理するシステムにおいて、患者が眼球運動を行うためのツールであって、画面上に表示されるポインタの表示の設定及び設定情報の登録方法について説明する。
EMDR治療では、生育歴・病歴の聴取結果、各セッションでの治療履歴、眼球運動の患者の好みの条件、日誌等の情報を管理する必要がある。従来は、紙によって情報を保存する方法しかなかった。また、保管場所、保管の安全性、スペースが必要になったり、紙自体を紛失してしまう可能性もあり、情報管理が煩雑にわたる。さらに、患者からの急な問い合わせなど、患者の情報をすぐに参照したいときに、資料を探したり、情報を集めたりするのにも時間がかかる。なお、患者がカウンセラーのもとに面接および受診に訪れることをセッションという。1セッションは1回の受診を意味する。EMDR治療は、1セッションで8段階の内の複数の段階もこなせる場合もあるし、1つの段階に複数回のセッションを要する場合もある。EMDR治療の進む早さは、患者、症状によって異なる。
さらにEMDR治療では、はっきりとした治療のターゲットを設定することが重要である。治療のターゲットとは、外傷体験とその外傷体験への反応を作り上げているものであり、患者は外傷体験について「アセスメント」段階で思い浮かべて、イメージ、映像や否定的認知を確認することによって、治療のターゲットを明確にするを明確にする。また、各セッションの始めには、ターゲットの基本要素を明確する作業を要する。ターゲットの基本要素とは、イメージ、否定的認知と肯定的認知、感情、身体感覚、感情、および認知についての2つの尺度であるSUBJECTIVE UNITS OF DISTURBANCE(SUD)尺度とVALIDITY OF COGNITIONS(VoC)尺度である。SUD尺度は、0から10までの尺度であり、0=「中立か障害なし」、10=「患者が想像できる最悪の障害」を表す。SUD尺度は否定的な感情の強さを評価するために使われている。SUD尺度のチェックは、ターゲットが脱感作されている可能性があるか、治療の進展を評価する手助けとなるときに行う。VoC尺度は1から7までの自己報告尺度であり、1=「完全に誤り」、7=「完全に信じられる」ことを指す。VoC尺度は、表面的妥当性に基づいている。「アセスメント」段階のほかに、「植え付け」段階中に、肯定的認知に対して感じている確信度を測るために使用される。
治療の中で、ターゲットの基本要素は刻々と変化していく。そのため、カウンセラーはその変化を記録にとって確認し、変化に対応したプロセスの変更を行う必要がある。従来は、EMDR治療の経過を記録・管理するシステムは存在しなかったため、カウンセラーは、EMDR治療で患者の情報を記録する際には、治療の様子を紙に記録したり、より詳細な状況を記録する場合には、ビデオを撮るなどの方法をとっていた。しかし、EMDR治療は治療の過程が複雑、かつ治療時間も約1時間半と長いため、治療中の患者の状況を詳細に記録することは困難である。またビデオで記録した場合は、詳細な状況を確認することはできるが、治療全体を見返して情報を得るのに時間がかかる。
さらにEMDR治療では、カウンセラーはセッションの最後に、次のセッションまでの間、苦痛な記憶、夢そして関連した出来事などを日誌用の用紙に書き留めておくよう患者に対して指示する。患者は、毎日自分の状況などを日誌に書き留め、次回のセッションで提出する。カウンセラーは、提出された日誌と前回までの治療履歴などを確認し、治療のターゲットを決める。
EMDR治療において、患者がセッションとセッションの間に書く日誌は、治療で扱う「最も適切なターゲット(潜在的なターゲット)」を明らかにするという意味で、重要な役割を果たす。しかし、従来の方法では、カウンセラーは次回のセッションまで患者の日誌を確認することができず、次回のセッションまでは患者の状況を確認したり、ターゲットを検討することができない。
さらにEMDRは治療の過程が複雑、かつ患者に眼球運動を繰り返し実施させる(治療時間、カウンセラーが患者の目の前で指の左右移動を繰り返しつづける負担)ため、カウンセラーの負担が大きい治療法である。カウンセラーの指の動きをPC画面のアニメーションで代替する眼球運動支援ソフトウェアは、既に海外に存在し、販売されているが、EMDR治療に関する情報全体を管理するシステムの情報を利用して、眼球運動の設定情報を変更を可能とするツールはない。
以上の問題点を解決するシステムを構築し、このシステムによって、眼球運動の設定情報および登録情報についてのカウンセラーの負担を軽減させる。
図1は、システム全体の構成図を示す。
本実施例におけるシステムは、管理サーバ1と、ユーザ端末2と、ネットワーク4とから構成される。管理サーバ1は、EMDRに関するプロセスを管理するサーバである。管理サーバ1は、ネットワーク4を介して、各ユーザ端末2から入力した各種データを受信したり、各ユーザの端末へ各種データを送信する。ユーザ端末2は患者またはカウンセラーが使用する端末である。ユーザ端末2は管理サーバ1にネットワーク4を介して各種データの送信及び受信をする機能を有する。管理サーバ1は、現在の治療の段階に応じた設問等をユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2では、受信した設問等を表示する、カウンセラーまたは患者は、表示された設問に対する回答をユーザ端末2に入力し管理サーバ1に対して送信指示をする。管理サーバ1がユーザ端末2からの回答を取得すると、回答に基づき次に行うべき処理を決定する。ユーザ端末2は、上記機能をブラウザ機能によって実現することが可能である。ブラウザ機能は、Webページを閲覧するためのアプリケーションソフトにより実現され、ネットワーク4からHTMLファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。ブラウザ機能により、フォームを使用してユーザがデータを、ユーザ端末2から管理サーバ1に送信したり、種々のコンピュータ言語で記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることが可能である。
次に、管理サーバ1が有する患者の個人情報を記憶する患者基本テーブル21、カウンセラーの個人情報を記憶するカウンセラー基本テーブル22について説明する。患者基本テーブル21は、患者毎の個人情報を記憶するテーブルである。図2は、患者基本テーブル21の構成を示す。患者の個人情報は、システムにログインするためのID、パスワード、およびID、パスワードの登録日時であるログイン情報と、患者ID、氏名、性別、年齢、職業、メールアドレス、患者の担当カウンセラーのID情報等である患者の個人基礎情報である。カウンセラー基本テーブル22は、カウンセラー毎の個人情報を記憶するテーブルである。図3は、カウンセラー基本テーブル22の構成を示す。カウンセラーの個人情報は、システムにログインするためのID、パスワード、およびID、パスワードの登録日時であるログイン情報と、カウンセラーの属性等を示すカウンセラーID、氏名、性別、年齢、職業、メールアドレス、担当する患者に関する患者ID情報等である。患者毎の治療の履歴の情報はテーブルに記憶する。例えば、ユーザ端末2から受け付けた治療中の問答等の情報である。治療履歴を記憶するテーブルは、アセスメント履歴テーブル231とEDMR履歴テーブル232とがある。
次に、管理サーバ1が有するアセスメントの段階で使用する生育歴・病歴のチェックリスト25、解離性体験尺度(DES)チェックリスト27、治療計画チェックリスト29、及び作成する生育歴/病歴テーブル26、DESチェック結果テーブル28、治療計画テーブル30について説明する。生育歴/病歴のチェックリスト25は、24項目からなるチェック項目を有する。DESチェックリスト27は、患者に回答させる28項目の設問である。治療計画チェックリスト29は、11項目からなるチェック項目である。生育歴/病歴テーブル26は、患者IDに関連付けて、生育歴/病歴のチェックリストに基づくチェック状況、カウンセラーの入力内容を含めたチェック項目に対する結果情報、およびテーブルの最終更新日といった情報を記憶したものである。カウンセラーはユーザ端末2を介して、チェック状況、チェック結果の具体的内容を登録および更新できる。DESチェック結果テーブル28は、患者がDESチェックリストの設問内容に対する合致度を0〜100%の11段階で回答した結果情報を記憶したものである。治療計画テーブル30は、患者IDに関連付けて、カウンセラーの入力情報である治療計画チェックリスト29のチェック結果、計画状況、計画内容および最終更新日時を記憶したものである。カウンセラーは必要に応じて、計画状況、計画内容を登録・更新できる。
次に、管理サーバ1が使用するEMDRプロセスリスト24、治療の履歴を記憶するアセスメント履歴テーブル231、EDMR履歴テーブル232、日誌テーブル31、眼球運動設定テーブル32について説明する。EMDRプロセスリスト24は、EMDRの各治療プロセスの処理プログラムを記憶する。また、所定の条件に応じて治療の遷移画面を別の画面に切り替えるための情報を記憶する。アセスメント履歴テーブル231は、アセスメントの段階での基礎情報に関する治療の履歴を記憶する。
図4にアセスメント履歴テーブル231の構成を示す。アセスメント履歴テーブル231には、アセスメントID、ユーザID、開始日時、記憶、否定的認知、感情、身体、終了状態、終了日時、終了コメントが記憶される。アセスメントIDは、ターゲット情報をテーブルに登録する際の通し番号である。管理サーバ1において記憶する際に付与する。ユーザIDは、患者基本テーブル21のIDに対応する各利用者固有のIDである。開始日時は治療を開始した日時情報である。記憶、否定的認知、感情及び身体に関する情報は、ターゲットとなる対象である。終了状態は、アセスメントが完了したか否かが記憶される。終了日時は、アセスメントの段階が終了した日時情報が記憶される。終了コメントはカウンセラーがユーザ端末2を介して登録する終了時のコメントが記憶される。EDMR履歴テーブル232は、脱感作の治療工程からボディスキャンの治療工程までの治療の履歴を記憶する。
図5にEDMR履歴テーブル232の構成を示す。EDMR履歴テーブル232には、通し番号(チェックID)、アセスメントID、チェック日時、肯定的認知、眼球運動(EM)後のチェック情報、身体、SUD、VoC、フェーズ、眼球運動の設定情報が記憶される。通し番号(チェックID)は、治療情報をテーブルに登録する際の通し番号である。EMプロセス制御部16は、治療時にユーザ端末2から情報を受信すると通し番号を付与する。アセスメントIDは、治療履歴テーブル231のアセスメントIDに対応する情報である。チェック日時は、本レコードを受信した日時である。肯定的認知は、患者がユーザ端末2に入力した情報を受信した内容である。 眼球運動(EM)後のチェック情報は、患者がユーザ端末2に入力した眼球運動を行った後に眼球運動の影響に関する情報である。身体、SUD、VoCは、患者が入力した情報である。フェーズとは治療工程である。EMプロセス制御部16は、本レコードがどの段階であるのかを判別して記憶する。眼球運動の設定情報は、患者が眼球運動を行っていた場合にのみ記憶される情報である。具体的には、EM制御部17が眼球動作を行わせるために設定した情報である。日誌テーブル31は、患者が入力した日誌情報を記憶したテーブルである。患者は自宅から日々の出来事などをユーザ端末2に入力し、ネットワーク4を経由して管理サーバ1が受信すると、日誌情報と患者IDを関連づけて記憶する。日誌情報の内容としては、「日付」、「出来事」と、出来事に付随する情報である「イメージ」、「認知・信念」、「感情」、「身体感覚の場所」、「SUD」がある。眼球運動設定テーブル32は、眼球運動の属性毎の設定情報毎に有する得点を記憶したテーブルである。
図6に眼球運動設定テーブル32の構成を示す。属性とは設定情報を速度、ポインタの色、ポインタの形状、移動方向、移動幅、指定回数、音の種類、音量の範囲で分類したものである。
次に管理サーバ1が有するナビゲート制御部12について説明する。ナビゲート制御部12は、EMDRシステムが有する各処理部を制御する。ナビゲート制御部12は、ユーザ端末2からネットワーク4を介して受け取った情報を各処理部、及び各テーブルに渡す処理を行う。ナビゲート制御部12は、各処理部から受け取った情報を各処理部、及び各テーブルに渡す処理を行う。ナビゲート制御部12は、各テーブルから受け取った情報を各処理部、各テーブル、及びネットワーク4を介してユーザ端末2に渡す処理を行う。
図7は対話形式画面フォーマットの画面例を示す。ナビゲート制御部12は、各処理部から受け取った質問メッセージをネットワーク4を介してユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は受け取った質問メッセージを画面に表示する。患者またはカウンセラーがユーザ端末2の質問メッセージに対する回答情報を入力する。この際、ユーザ端末2の画面上の入力要求部に表示される。ユーザ端末2は管理サーバにネットワーク4を介して回答情報を返信する。ナビゲート制御部12は受け取った回答情報を各処理部に引き渡す。
次に管理サーバ1が有するユーザ認証処理部13について説明する。認証処理部13は、ログイン時は、ナビゲート制御部12から受け付けたログイン情報を認証する。認証処理部13は、ログイン後は、ユーザ端末2の使用対象がカウンセラーであるのかまたは患者であるかに応じて、カウンセラーが利用あるいは参照可能な情報、患者が利用あるいは参照可能な情報を区別する。認証処理部13は、区別した結果をナビゲート制御部12に送信する。例えば、カウンセラーがユーザ端末2からネットワーク4を介して参照可能な機能を用いて患者一覧の表示の依頼をするときには、認証処理部13はナビゲート制御部12からその旨受け付ける。認証処理部13は、カウンセラーであると判断した場合は、その旨をナビゲート制御部12に渡す。ナビゲート制御部12は、カウンセラー基本テーブル22において該当するカウンセラーに対応する患者情報を参照し、当該カウンセラーが担当している患者を表示する。
次に管理サーバ1が有するスクリーニング処理部15について説明する。スクリーニング処理部15は、EMDRの治療の1段階目である「スクリーニング」の処理を行う。スクリーニング処理は、「患者がEMDR治療を行えるかどうか」をカウンセラーが判断する基準を提供する処理である。スクリーニング処理部15は、具体的には、「生育歴・病歴のチェックリスト25」をユーザ端末2に送信し、回答結果を生育歴/病歴テーブル26に記憶させる機能と、「DESチェックリスト27」をユーザ端末2に送信し、回答結果をDESチェック結果テーブル28に記憶させる機能と、「治療計画チェックリスト29」をユーザ端末2に送信し、回答結果を治療計画テーブル30に記憶させる機能を有する。また、DESのチェック結果については、患者が全設問に回答し、システム1がユーザ端末2に入力された回答データをネットワーク4を介して受信すると、スクリーニング処理部15は、30%乃至100%の選択肢を選択した項目番号と、DES(28項目)およびDES−T(DESの中の8項目)の平均値を求め、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2では、当該平均値を画面に表示する。
次に管理サーバ1が有するEMDRプロセス制御部16について説明する。EMDRプロセス制御部16は、EMDRプロセスリスト24に含まれるEMDRの各治療プロセスの処理プログラムに基づき、コンピュータに各治療のプロセスを実行させるものである。EMDRプロセス制御部16は、ユーザ端末2から送信された入力データを受け取ると、患者ID、治療工程、登録日時、治療順序等の情報とともに、治療履歴テーブル23に記録する。さらに、EMDRプロセス制御部16は、ユーザ端末2から送信された回答情報から治療の進展を評価する患者の感情の変化を検出して、プロセスの処理手順を動的に変更する。患者の感情の変化は、例えば、SUDやVoCの値に基づき検出する。EMDRプロセス制御部16が行う処理は後述する。ユーザ端末2との対話形式により、EMDRの各治療プロセスで行われる設問項目への回答入力や眼球運動等の動作を指示する。
次に管理サーバ1が有するEM制御部17について説明する。EM制御部17は、患者に眼球運動をさせるツールの管理を行う。本システムでは、ユーザ端末2の画面に移動物体(ポインタ)を表示する。EM制御部17は、ユーザ端末2において所定の条件に基づきポインタを画面上で動作させ、患者がポインタを目で追いつづけることにより眼球運動を行う。眼球運動をさせるツールは、さらに、以下の機能を有する。1.画面に球を表示して左右、上下、斜め方向等に往復すること、2.球の動きと連動して、音も左右に移動すること、3.球を動かしながら、球の速さ、移動方向、移動距離、色をマウスやキーボードで変更できること、4.移動方向としては、水平方向、垂直方向、斜め方向、楕円、8の字(さらに、スタート位置や上下位置、角度なども)を選択できること、5.球の速さは、高速および低速部で細かく設定されていること、6.球の往復に応じて、往復回数をカウントアップし、表示すること、7.球の往復回数を設定でき、往復回数に達すると自動的に球が停止すること、8.球の往復回数に応じて、画面にメッセージが表示されたり、ナビゲート音声が流れること、9.球の設定(速度、方向、幅、色、音On/Off、音量、回数)を眼球運動設定テーブルに保持し、再度眼球運動をする際には前回の設定を有効にすること。また、過去に効果のあった設定を読み出すことが可能であること、等の機能である。
次に管理サーバ1が有する履歴参照処理部18について説明する。履歴参照処理部18は、ユーザ端末2からの指示をネットワーク4経由で受け取ると履歴情報を当該ユーザ端末2に送信する。履歴情報は、患者毎のスクリーニング情報、治療準備情報、治療履歴情報、日誌情報等である。ユーザ端末2から治療の履歴情報を表示依頼があった場合には、EMDRの治療プロセス中に取得したイメージ・映像、否定的認知、肯定的認知、VoC、情動・感情、SUD、身体感覚の場所等の情報、および入力された回答情報を履歴情報記憶部から読出し、当該ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2では、受信した情報の一覧表示や、VoCやSUDなどの数値データのグラフ表示を行う。グラフ表示手段は、ユーザが表示件数や表示種別(SUDのみ、VoCのみ、両方など)を画面上で変更できる。図8は、履歴情報の表示例である。また、治療の履歴情報の以外に、患者が登録した日誌の内容を表示する。
次に管理サーバ1が有する日誌制御部19について説明する。日誌制御部19は、ユーザ端末2から受信した日誌情報を日誌テーブル31に記憶するものである。図9は、ユーザ端末2において表示される日誌情報の登録画面例である。画面には、日付、引き金となった原因、その時のイメージ、そのときの認知及び信念、その時の感情、その時感じた体の部分、その時のSUDの値を入力する項目が表示される。患者は、ユーザ端末2に各事項を入力し、管理サーバ1に送信する。日誌制御部19は、日誌情報を受信すると日誌テーブル31に記憶する。
図1のシステムを利用することにより、カウンセラーにとっては、以下の効果がある。1.時刻、治療中の問答、感情値の変化などの患者毎の治療経過に関する詳細情報を効率的に記録できる。2.システムが、ユーザ端末から受信したデータ、履歴情報記憶部に記憶された治療の履歴情報から、SUD、VoC等の治療の進展を評価する患者の感情に関する情報の値の変化を検出し、EMDRの治療プロセスの手順を動的に変更し、カウンセラーの負担を軽減する。3.患者の好みの眼球動作に関する条件を保持し、患者の眼球運動を誘導する眼球運動ツールの利用時には、設定を制御する眼球運動の補助ツールを利用できる。4.カウンセラーは自分が担当する全患者の一覧等を参照でき、さらに各患者について治療履歴等の情報を参照できる。5.治療履歴や生育歴などのクリニック等での治療中に得られる情報だけでなく、日誌やリラクセーションコンテンツの利用履歴といった患者が自宅から利用・登録する情報を含めた患者の情報を管理サーバによって管理をすることが可能となり、カウンセラーは患者ごとの情報を容易に参照できる。また、管理サーバ1とユーザ端末2とはネットワーク4によって接続可能であるため、これらの情報には常時アクセスできる。したがって、カウンセラーは、患者から受信した日誌情報やシステムへのアクセス状況などを常時参照でき、患者の異常や次回のセッションでターゲットとすべき項目を早期に把握できる。また、必要であれば、メール、電話、テレビ電話などを利用して改善のサポートを行うことができる。
図1のシステムを利用することにより、患者にとっては以下の利点がある。1.治療のセッションとセッションの間であっても、ユーザ端末2に毎日の気分や状況(苦痛をもたらす何らかの記憶、夢、思考、状況)を日誌として入力し、ネットワーク4を介して管理サーバ1に登録することにより、カウンセラーにセッション後の状況を報告することができる。
図1のシステムを利用することにより、患者の各種の情報を電子データとして管理サーバによってまとめて管理することができることとなった。その結果、必要な情報を必要なときに、記憶部から読出せるため、情報を探す時間を短縮できる。また情報の保管スペースの効率化も実現する。また、情報の検索を容易に行える。また、治療履歴が一覧表やグラフで視覚的にわかりやすく表示されるため、治療効果等を容易に把握でき、素早い対応が可能となる。
次に、認証処理について説明する。図10は、認証処理部13が行うログイン処理時についてのフローチャートである。カウンセラー又は患者は、ユーザ端末2にID、パスワード情報を入力し、ネットワーク4を経由して管理サーバ1に送信する。ナビゲート制御部12は、受信したID、パスワード情報を認証処理部13に受け渡す。認証処理部13はID、パスワード情報を受け取る(S01)。認証処理部13は、患者基本テーブル21、カウンセラー基本テーブル22にアクセスし(S02)、認証をする対象のID、パスワード情報が存在するか否かを判定する(S03)。ID、パスワード情報が存在しない場合(S03:No)、ログインに失敗した旨の情報をナビゲート制御部12に送り、ナビゲート制御部12はネットワーク4を介してユーザ端末2に返信する(S04)。一方、ID、パスワード情報が存在する場合は(S03:Yes)、ログインに成功した旨の情報をナビゲート制御部12に送り、ナビゲート制御部12は、ログイン後の専用メニュー画面情報をユーザ端末2に送信する(S05)。S05で表示する画面は、カウンセラー用の専用メニュー画面と、患者用の専用メニュー画面とは異なる。例えば、患者の専用メニュー画面構成は、カウンセラーとのEMDR治療、または日誌情報の入力、あるいは患者自身が行うストレスをコントロールするためのトレーニングであるセルフストレスコントロールの入力を行うため、これらの項目が表示される。カウンセラーの専用メニュー画面構成は、患者とのEMDR治療、ネットワーク4を経由して受信する日誌情報およびセルフストレスコントロールの状況である患者の状態確認、次回のターゲットの確認を行うため、これらの項目が表示される。
次に、EMDR治療におけるシステムの動作について説明する。図11は、EMDR治療におけるシステムの動作についてのフローチャートである。EMDRの治療を開始する場合、対象となる患者が一回目の治療であるのか否かの情報がユーザ端末2に入力される。管理サーバ1はネットワーク4を介してその情報を受信する。一回目の治療ではない場合(S011:No)、8段階目の治療項目である再評価を行う(S020)。一方、一回目の治療である場合には(S011:Yes)、認証処理部13は対象の患者について利用者の登録状況を判断する(S012)。認証処理部13は、利用者登録がされていない場合(S012:No)には、患者を利用者として登録する(S013)。利用者情報は、システムにログインするためのID、パスワード、IDとパスワードの登録日時であるログイン情報および患者の担当カウンセラーのID情報であり、認証処理部は、患者基本テーブル21に登録する。次にスクリーニング処理部15は、スクリーニングを行う(S014)。スクリーニング処理の内容の詳細については後述する。スクリーニング処理部15は、スクリーニングの結果を、生育歴/病歴テーブル26、DESチェック結果テーブル28、治療計画テーブル30にそれぞれ記憶する。カウンセラーは、スクリーニングの結果、EMDRの治療を行うことが可能か否かを判断する。カウンセラーは判断結果をユーザ端末2に入力する。ユーザ端末2はネットワーク4を介して管理サーバ1に判断結果を送信する。スクリーニング処理部15は、EMDRの治療をすることができない旨の判断結果であった場合は(S015:NG)、「禁忌」とし(S016)、治療履歴テーブル23および治療計画テーブル30に記憶する。カウンセラーは他の治療方法を検討する。一方、EMDRの治療をすることができる旨の判断結果であった場合は(S015:OK)、準備のステップに遷移する(S017)。「準備」の段階では、EMDRの治療を開始する前の準備として、カウンセラーはEMDRの理論およびEMDRの治療のプロセスや治療の効果についての詳しい説明をすること、患者は眼球運動ツールを試し患者がやり易い条件(速さ、幅など)を確認すること、患者がEMDRの治療中に現れる障害を取り扱うことができるようにセルフストレスコントロール能力を確認すること、カウンセラーとの十分な信頼の確立をすることなどを行う。この時の眼球動作に関する設定情報をEM制御部17は、眼球運動設定テーブル32に記憶する。準備が十分であるとカウンセラーが判断した場合は、カウンセラーは判断結果をユーザ端末2に入力する。ユーザ端末2はネットワーク4を介して管理サーバ1に判断結果を送信する。スクリーニング処理部は受信した判断結果が次の段階の治療を行う旨の情報であった場合は(S018:OK)、EMDR治療のプロセスに遷移する(S019)。一つのEMDR治療が完了すると再評価の段階の治療のプロセスに遷移する(S020)。再評価は、2回目以降のセッションの場合に最初に行う治療の段階である。日誌の内容や前回の治療結果を参照し、前のセッションでターゲットとした題材が解決されたか評価し、新たな処理を必要としているかどうかを確認する。新たな処理が必要と判断された場合には、新しいターゲットに対して治療を行う。再評価において、カウンセラーは判断結果をユーザ端末2に入力する。ユーザ端末2はネットワーク4を介して管理サーバ1に判断結果を送信する。EMDRプロセス制御部16は受信した判断結果が治療完了である旨の情報であった場合は(S021:OK)、治療は完了したとして処理は終了する。終了は、患者が自己効力感、達成感、そして今後への合理的期待を持てるようにして治療を終了する段階である。また、患者に次の治療までの間、毎日の気分など(苦痛をもたらす何らかの記憶、夢、思考、状況)について日誌に記録するよう指示するものである。一方、EMDRプロセス制御部16は受信した判断結果が治療が不十分である旨の情報であった場合(S021:NG)、システムはスクリーニングのプロセスに遷移する(S014)。
次に、スクリーニング処理について詳細に説明する。スクリーニングは、カウンセラーは患者の生育歴、病歴を聴取し、治療計画を立てる段階をいう。図12はスクリーニング処理のフローチャートである。スクリーニング処理部15は、生育歴/病歴のチェックリスト25を呼び出し、ユーザ端末2に送信する。患者又はカウンセラーはユーザ端末2の画面上に表示されたチェックリストに対してチェック情報を入力することによって回答する。入力端末2は回答された結果情報およびカウンセラーが入力した情報を管理サーバ1に送信する。スクリーニング処理部15は結果情報およびカウンセラーが入力した情報を受け取る。スクリーニング処理部15は、回答した結果情報およびカウンセラーが入力した情報について、テーブルの最終更新日および患者IDを関連付けて、生育歴/病歴テーブル26に記憶する(S031)。スクリーニング処理部15は、上記の生育歴/病歴のチェックにおいて、カウンセラーがEMDRの治療に問題があると判断した情報を受信した場合(S032:あり)は、禁忌であるとし(S038)、以降のEMDRの治療は行わず処理は終了する。スクリーニング処理部15は、カウンセラーがEMDRの治療に問題がないと判断した情報を受信した場合(S032:なし)は、DESチェックを行う(S033)。スクリーニング処理部15は、DESチェックリスト27を読み込みユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、DESチェックリスト27の質問の画面を表示する。
図13は、DESチェックの質問が表示された画面例を示す。DESチェックの画面は、利用者ID、所定の文言、患者に回答させる28項目の設問、及び質問に回答する0乃至100%までの11のラジオボタンによって構成される。患者は該当するラジオボタンを選択する情報を入力端末2に入力することによって回答する。ユーザ端末2は回答した結果情報をネットワーク4を介して管理サーバ1に送信する。スクリーニング処理部15は、結果情報を受信すると、DESチェックでカットオフ越えがあるか否かを判定する(S034)。カットオフは予め設定した閾値である。患者は28の質問項目に対して0乃至100%を選択する。その選択が20項目以上の質問に対して0乃至20%の回答である場合には問題なしと判断する。問題なしの場合にはカットオフ越えはないと判断する。スクリーニング処理部15は、カットオフ越えがあると判断した場合(S034:あり)、警告をユーザ端末2に送信する(S036)。ユーザ端末2は警告を受信すると警告を表示する。カウンセラーは警告に基づき治療法の再検討などを行う。一方、スクリーニング処理部15は、カットオフ越えが無いと判断した場合は(S034:なし)、治療計画を作成する工程に遷移する(S035)。
次に、S019におけるEMDRプロセスについて詳細に説明する。図14は、EMDR治療のプロセスのフローチャートである。カウンセラーあるいは患者は、ユーザ端末2に治療の対象となる「ターゲット情報」を入力する。EMDRプロセス制御部16は、ユーザ端末2からネットワーク4経由でターゲット情報を受信すると、ターゲット情報を治療履歴テーブル231、治療履歴テーブル232に設定する(S041)。ターゲット情報は、記憶あるいは映像といった記憶の要素であって、今回のEMDRの治療のセッションで取り扱うものである。図15にアセスメントの段階において、ユーザ端末2に表示される画面例を示す。患者は、ユーザ端末2の画面上に表示される設問に対して回答情報を入力することによりアセスメント情報を取得する。
図16にターゲット情報の構成例を示す。ターゲット情報は、ユーザID、アセスメントID、ターゲットとなる記憶、ターゲットとなる映像、ターゲットに対する否定的認知、ターゲットに対する肯定的認知、ターゲットに対する感情、ターゲットに反応する身体の場所、EMDR治療をする際のSUD値及びVoC値、および、現在の治療工程の情報「アセスメント」から構成される。EM制御部17は、脱感作のための眼球運動誘導の処理を起動する(S042)。脱感作は、ターゲットとする出来事の記憶(患者の苦悩)を除去する治療の段階である。脱感作においてEM制御部17が行う眼球運動の処理については後述する。
EM制御部17が行う眼球運動処理が終了すると、カウンセラーあるいは患者は、眼球運動によって変化があったか否かおよび変化の内容についての情報である脱感作情報をユーザ端末2に入力する。EMDRプロセス制御部16は、ユーザ端末2から脱感作情報を受け取ると(S043)。治療履歴テーブル232に登録する。
図17に脱感作情報の構成例を示す。脱感作情報は、チェックID、アセスメントID、変化の有無に関する情報、変化の内容に関する情報、現在の治療工程の情報「脱感作」から構成される。EMDRプロセス制御部16は、脱感作情報の内、変化の有無に関する情報を参照し、脱感作段階が進行中かどうかを判断する(S044)。脱感作進行中の場合(S044:Yes)、再度眼球運動(S042)を行う。脱感作が終息したと判断した場合(S044:No)、カウンセラーあるいは患者は、ユーザ端末2にSUD値を入力する。ユーザ端末2はSUD値を送信する。EMDRプロセス制御部16はSUD値を取得する(S045)。EMDRプロセス制御部16は、SUD情報を治療履歴テーブル232に登録する。
図18にSUD情報の構成例を示す。SUD情報は、チェックID、アセスメントID、SUDの値情報および現在の治療工程の情報「脱感作」から構成される。EMDRプロセス制御部16は、患者が脱感作段階を完了したか否かをチェックする(S046)。具体的にはSUDの値が予め設定した閾値に達したか否かによって判断する。EMDRプロセス制御部16は、SUDの値が閾値を超えていないと判断した場合には(S046:No)、その旨をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2はその旨を表示する。カウンセラーあるいは患者は、ターゲットの最悪な部分、身体場所、特別な感覚に関する情報である「脱感作ブロック情報」をユーザ端末2に入力する。ユーザ端末2はその旨を送信する。EMDRプロセス制御部16は、脱感作ブロック情報を取得する(S047)。EMDRプロセス制御部16は、脱感作ブロック情報を治療履歴テーブル232に登録する。
図19に脱感作ブロック情報の構成例を示す。脱感作ブロック情報は、チェックID、アセスメントID、ターゲットに関して最悪な部分に関する情報、ターゲットに反応する身体の場所、特別な感じの情報および現在の治療工程の情報「脱感作」から構成される。
カウンセラーあるいは患者は、SUD値の変化に基づき眼球運動の条件をユーザ端末2に再設定する。ユーザ端末2は再設定の情報を管理サーバ1に送信する。EM制御部17は再設定された情報を受け取り設定情報を更新する(S048)。EM制御部17は脱感作の眼球運動を再度行う(S042)。一方、EMDRプロセス制御部16は、SUDの値が閾値を超えていると判断した場合には(S046:Yes)、脱感作段階は完了と判断する。EM制御部17は、植付けのための眼球運動に遷移するための眼球運動処理(S049)を行う。植え付けは、患者に肯定的認知をしみこませる治療の段階である。植え付けの段階のEM制御部17が行う眼球運動の処理については後述する。カウンセラーあるいは患者は、植え付け前のVoCの値をユーザ端末2に入力する。EMDRプロセス制御部16は植え付け前のVoCの値を取得する(S050)。EMDRプロセス制御部16は、植え付け前情報を232に登録する。
図20に植え付け前情報の構成例を示す。植え付け前情報は、チェックID、アセスメントID、肯定的認知の情報、VoCの値情報および現在の治療工程の情報「植え付け前」から構成される。EM制御部17は、肯定的認知を植付けのための眼球運動誘導の処理を起動する(S051)。EM制御部17が行う眼球運動の処理については後述する。カウンセラーあるいは患者は、眼球運動後の変化を調べるため、植え付け後のVoCの値をユーザ端末2に入力する。EMDRプロセス制御部はユーザ端末2からの植え付け後のVoCの値を取得する(S052)。EMDRプロセス制御部16は、植え付け後情報を232に登録する。
図21に植え付け後情報の構成例を示す。植え付け後情報は、チェックID、アセスメントID、肯定的認知の情報、VoCの値情報および現在の治療工程の情報「植え付け」から構成される。EMDRプロセス制御部16は、植え付けが完了したかを判断する(S053)。具体的には、S052で取得したVoCの値が閾値以上になったか否かによって判断する。EMDRプロセス制御部16は、VoCの値が閾値以上になっていないと判断した場合には(S053:No)、カウンセラーあるいは患者は、SUD値の変化に基づき眼球運動の条件をユーザ端末2に再設定する。ユーザ端末2は再設定の情報を送信する。EM制御部17は再設定の情報によって眼球動作の設定情報を更新する(S054)。EM制御部17は再度植え付けの眼球運動処理を行う(S051)。一方、EMDRプロセス制御部16は、VoCの値が閾値以上になったと判断した場合には(S053:Yes)、その旨の情報をユーザ端末2に送信する。
次にボディスキャンの段階の治療を行う。ボディスキャンでは、ターゲットと肯定的認知に同時に意識を向けながら、全身の身体感覚に、問題に関連した外傷的/苦痛な残余物がないかをチェックする。カウンセラーあるいは患者はユーザ端末2にボディスキャン情報を入力し、EMDRプロセス制御部はユーザ端末2からボディスキャン情報を取得する(S055)。ボディスキャン情報は、違和感の有無についての情報、その違和感を感じる身体の場所の情報、特別な感覚の情報である。EMDRプロセス制御部16は、ボディスキャン情報を232に登録する。
図22にボディスキャン情報の構成例を示す。ボディスキャン情報は、チェックID、アセスメントID、違和感の有無に関する情報、身体の場所の情報、特別な感覚の情報および現在の治療工程の情報「ボディスキャン」から構成される。カウンセラーはボディスキャン完了か否かを判断した結果をユーザ端末2に入力する。EMDRプロセス制御部16は、ユーザ端末2から取得した判断結果がNGであった場合には(S056:NG)、ボディスキャンが未完了であるとして、EM制御部17は眼球運動を行う(S057)。一方、EMDRプロセス制御部16は、ユーザ端末2から取得した判断結果がOKであった場合には(S056:OK)、ボディスキャンが完了したとして、EMDRプロセスが終了した旨をユーザ端末2に送信する。
次に眼球運動のためのツールの動作について説明する。図23はEM制御部17が眼球運動ツールを実行する処理のフローチャートである。EMDRの治療において、EM制御部17が眼球運動の誘導の処理を行う。EM制御部17は、眼球運動設定テーブル32から設定情報を取得し、ユーザ端末2に送信する。図24にEM制御部17がユーザ端末2に送信する設定情報の構成例を示す。ユーザ端末2は設定情報に基づきポインタを画面に表示する(S81)。
図25にユーザ端末2で画面表示される眼球運動ツールの画面例を示す。ユーザ端末2の画面上には、ポインタが表示される。また画面情報には、ポインタの色、ポインタの移動方向、ポインタの移動する幅、移動時に出力する音量、開始ボタン、眼球動作終了ボタンが表示される。EM制御部17は、ユーザ端末2から開始の旨の情報を受け取ると(S82:Yes)、ポインタの動作させる情報をユーザ端末2に送信する。EM制御部17は、ユーザ端末2から停止の旨の情報を受け取ると(S83:Yes)、ポインタの動作を停止する情報をユーザ端末2に送信し、ポインタを停止させる(S89)。EM制御部17は、現在の回数情報と設定情報の回数情報とを比較する(S84)。指定回数を超えた場合は(S84:Yes)、ポインタの動作を停止する情報をユーザ端末2に送信し、ポインタを停止させる(S85)。指定回数を超えていない場合は(S84:No)、ポインタの設定情報の変更があったか否かを判定する(S85)。動作の途中でユーザ端末2からポインタの設定情報の変更がされた場合は(S85:Yes)、その変更結果をユーザ端末2に送信する(S86)。ユーザ端末2では、変更結果に基づき画面のポインタの設定が変更される。ここでの設定情報の変更とは、ポインタの形状、速さ、方向などの変更である。EM制御部17は、ポインタが設定情報に基づき画面上を移動する情報を送信し(S87)、ユーザ端末2はポインタを一単位の動作させるごとに、EM制御部17に動作結果を送信し、EM制御部17は、現在回数に1を加算する(S88)。一単位の動作とは、直線の動作の場合では一往復の動作であり、円を描く動作の場合では、一周の動作である。EM制御部17は、ポインタを停止させた場合は(S89)、現在の回数情報と設定情報の回数情報とを比較する(S90)。EM制御部17は、指定回数を超えたと判断した場合は(S90:Yes)、「眼球運動誘導」を終了し(S91)、現在の設定情報を眼球運動設定テーブル32に保存する(S92)。EM制御部17は、指定回数を超えていないと判断した場合は(S90:No)、S82に戻り、ユーザ端末2からの開始の旨の情報入力を待つ(S85)。なお、EM制御部17は、本フローチャートのいずれの場合であってもユーザ端末2から眼球運動処理の終了の指示を受け取った場合には、S91に遷移し、終了処理を行う。
次に患者に対して眼球運動を行わせるためにEM制御部17が行う処理について説明する。図26は、S48において、EM制御部17が実行する眼球運動の条件の設定のフローチャートである。EM制御部17は、眼球運動設定テーブル32から眼球運動設定情報を取得する(S61)。「眼球運動設定情報」は、EMDRの最初の治療では、S017の準備の段階において、事前に「眼球運動のテスト」を行った際の設定情報を使用する。直前にEMDRの治療を行っていた場合には、その設定情報を属性毎に取得する。直前にEMDRの治療を行っていたか否かの判断は、治療履歴情報テーブル23(EMDRプロセス履歴情報テーブル2)のアセスメントIDが合致する最終レコードを参照することにより行う。治療工程が「脱感作」の場合には(S62:Yes)、EM制御部17は、治療履歴テーブル23(EMDRプロセス履歴情報テーブル2)のアセスメントIDが合致するレコードを参照する。EM制御部17は、治療履歴テーブル23(EMDRプロセス履歴情報テーブル2)から治療工程が「脱感作」であるSUD値を取得する(S63)。この際に、最終レコードを今回のSUD値として取得し、最終レコードより一つ前のレコードを前回のSUD値として取得する。例えば、アセスメントIDが1のレコードを抽出し、抽出結果から治療工程が「脱感作」のレコードを抽出する。抽出結果から、最終のレコードと、最終のレコードから一つ前のレコードをそれぞれ今回のSUD値、前回のSUD値とする。EM制御部17は、今回のSUD値と前回のSUD値との大小関係を比較する(S64)。具体的には、EM制御部17は、今回のSUD値が前回のSUD値以上の値となっている場合に、現在の眼球動作の設定情報で効果があると判断する。EM制御部17は、効果があると判断した場合は(S64:Yes)、引き続き現在の設定で眼球動作を行わせるためにポインタの動作処理の実行を行う(S65)。一方、今回のSUD値が前回のSUD値未満の値である場合には(S64:No)、現在の眼球動作の設定情報では効果が無いと判断し、眼球動作を行わせるためのポインタの動作、形状、色、動作音等の設定情報を送信する(S68)。眼球運動の設定情報の変更については後述する。治療工程が「脱感作」ではない場合には(S62:No)、治療工程が「植え付け」の場合である。EM制御部17は、治療履歴テーブル23(EMDRプロセス履歴情報テーブル2)のアセスメントIDが合致するレコードを参照する。EM制御部17は、治療履歴テーブル23(EMDRプロセス履歴情報テーブル2)から治療工程が「植え付け」であるVoC値を取得する(S66)。この際に、最終レコードを今回のVoC値として取得し、最終レコードより一つ前のレコードを前回のVoC値として取得する。例えば、アセスメントIDが1のレコードを抽出し、抽出結果から治療工程が「植え付け」のレコードを抽出する。抽出結果から、最終のレコードと、最終のレコードから一つ前のレコードをそれぞれ今回のVoC値、前回のVoC値とする。EM制御部17は、今回のVoC値と前回のVoC値との大小関係を比較する(S67)。具体的には、EM制御部17は、今回のVoC値が前回のVoC値より大きい値となっている場合に、現在の眼球動作の設定情報で効果があると判断する。EM制御部17は、効果があると判断した場合は(S67:Yes)、引き続き現在の設定で眼球動作を行わせるためにポインタの動作処理の実行を行う(S65)。一方、今回のVoC値が前回のVoC値以下の値である場合には(S67:No)、現在の眼球動作の設定情報では効果が無いと判断し、眼球動作を行わせるためのポインタの動作、形状、色、動作音等の設定情報を送信する(S68)。眼球運動の設定情報の変更については後述する。EM制御部17は、眼球運動設定情報を保存した後、眼球動作を行わせるためにポインタの動作処理の実行を行う。
ここで、眼球運動設定テーブル32に記憶される得点情報を決定方法について説明する。患者が眼球運動を行う際、EM制御部17は眼球運動設定テーブル32において最も得点の高い設定情報を属性毎にソートし、ユーザ端末2に送信する。属性とは設定情報を速度、ポインタの色、ポインタの形状、移動方向、移動幅、指定回数、音の種類、音量の範囲で分類したものである。眼球運動設定情報テーブル32の得点は、治療プロセスの中で患者が眼球運動を行った際に、患者が入力する効果の値に基づき付与する。図29は、得点情報を登録するフローチャートである。脱感作に適用する眼球運動設定テーブル32の決定方法を説明する。S64において(S101)、眼球運動の前後でSUD値が下がった情報をEMDRプロセス制御部16が受け取った場合(S102:Yes)に、EM制御部17は「効果あり」と判断する。眼球運動設定テーブル32の各設定情報に該当する得点情報の値を+1する(S103)。一方、眼球運動の前後でSUD値が上がった情報をEMDRプロセス制御部16が受け取った場合(S104:Yes)に、EM制御部17は「効果なし」と判断し、眼球運動設定テーブル32の各設定情報に該当する得点情報の値を−1する(S105)。眼球運動の前後のSUD値が等しい場合(S104:No)は、得点の変更は行わない。また、眼球運動の前後でVoC値が上がった情報をEMDRプロセス制御部16が受け取った場合にEM制御部17は「効果あり」と判断し、眼球運動設定テーブル32の各設定情報に該当する得点情報の値を+1する。一方、眼球運動の前後でVoC値が下がった情報をEMDRプロセス制御部16が受け取った場合にEM制御部17は場合は、「効果なし」と判断し、眼球運動設定テーブル32の各設定情報に該当する得点情報の値を−1する。なお、眼球運動設定情報テーブル32に値が無い場合には、テストを行ったときの設定情報を用いる。眼球運動のテストは「準備」の段階にて行う。この際、カウンセラーと患者とが対話し、最適な設定情報を探す。また、患者が指定する不快な設定情報については、選択されないように設定情報から削除する。あるいは、選択候補の優先順位を下げるように設定する。例えば設定情報テーブルに得点を予め付与することにより行う。テストを行った結果は、S69での眼球運動設定テーブル32に登録する。また、最適な設定情報があった場合は、EM制御部17は、その旨の情報をユーザ端末2経由で受け取り、当該設定値を眼球運動設定テーブル32に記憶する。
次に、S68においてEM制御部17がユーザ端末2に送信する設定情報について説明する。EM制御部17は、眼球運動の設定情報の変更をする時に、設定情報に順位情報を付加する。順位情報は設定を変更すると効果があると考えられる順である。EM制御部17は、眼球運動設定テーブル32の設定情報が有する得点順に設定項目を属性毎に表示する。本実施例では、眼球運動の眼球運動設定テーブル32は、脱感作のための眼球運動設定テーブル及び植え付けのための眼球運動設定テーブルの2種類がある。眼球運動の眼球運動設定テーブル32は、眼球運動の属性毎の設定情報毎に有する得点を記憶したテーブルである。
図27は、EM制御部17が送信する設定情報の作成についてのフローチャートである。EM制御部17は、一つの属性を対象に設定する(S71)。EM制御部17は、属性内の設定情報に対応する得点情報が高い順にソートする(S72)。ソートが完了すると、全ての属性についてソートを行ったか判定する(S73)。完了した場合は(S73:Yes)、EM制御部17はソート済の設定情報をユーザ端末2に対して送信する。なお、同一属性内において得点が同点である場合には、予め定めた順序情報に基づきソートする。
図28は、ユーザ端末2の画面上に設定情報が表示された例を示す。同図は、ソート済の情報が表示されている。例えば、色について変更する場合には、ユーザ端末2においてボタンを押す。ボタンが押されると、色についてソート順に表示される。
図30は、上記の管理サーバ1、ユーザ端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すコンピュータ100は、CPU101、メモリ102、入力手段103、出力手段104、記憶手段105、ネットワーク接続手段106等を有し、これらがバス107に接続された構成となっている。CPU101は、当該コンピュータ100全体を制御する中央処理装置である。メモリ102は、プログラム実行、データ更新等の際に、記憶手段105に記憶されているプログラムやデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU101は、メモリ102に読み出したプログラムやデータを用いて、上述のフローチャートを用いて説明した認証処理、スクリーニング処理、EMDRプロセス処理、EM制御等の動作に係る処理を含む各種処理を実行する。入力手段103は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。出力手段104は、例えばディスプレイ(表示装置)等である。記憶手段105は、例えばハードディスク装置等であり、プログラム(上述の認証処理、スクリーニング処理、EMDRプロセス処理、EM制御等の動作に係る処理をコンピュータ100に実行させるプログラムを含む)やデータ(上述の患者基本テーブル21、カウンセラー基本テーブル22、治療履歴テーブル23、EMDRプロセスリスト24、生育歴・病歴のチェックリスト25、生育歴/病歴テーブル26、DESチェックリスト27、DESチェック結果テーブル28、治療計画チェックリスト29、治療計画テーブル30、日誌テーブル31、眼球運動設定テーブル32を含む)が格納される。
ネットワーク接続手段106は、ネットワーク4(インターネット等)に接続して、管理サーバ1又はユーザ端末2とプログラムやデータの送受信を可能にする構成である。また、上記プログラムを記録した記録媒体又はプログラムのダウンロードのも可能である。コンピュータは、各処理を実行することにより動作情報特定装置として機能する。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。例えば、本実施例では管理サーバ1側にEM制御部17を有していたが、端末側にEM制御部17の一部機能を持たせ、管理サーバ1から眼球運動設定情報テーブル32のみを送信する構成としても良い。
(付記1)
画面上に表示されたポインタが動作をした結果、該動作の結果に対する患者の評価が登録されるEMDR治療支援システムであって、
動作を特定する複数の動作項目情報と過去の治療での該項目情報についての評価情報とが格納されたテーブルと、
前記ポインタが動作をしたとき、該動作に対して患者から得られる所感の情報を取得する取得手段、
前記ポインタの動作を変更する指示があるときに、前記テーブルに格納された前記評価情報と前記所感の情報とから変更すべき前記動作項目情報を出力する出力手段、
を有することを特徴とするEMDR治療支援システム。
(付記2)
前記取得手段において取得した前記所感の情報を対応する評価情報に登録する登録手段、
を更に有することを特徴とする付記1記載のEMDR治療支援システム。
(付記3)
前記テーブルは、前記動作項目情報の組を予め定めた属性情報と、該属性情報を複数有し、
前記ポインタの動作は、前記属性情報内の前記動作項目情報を選択し、該動作項目情報を該属性情報毎に組み合わせることにより定められる場合に、
前記登録手段は、前記所感の情報を、前記ポインタの動作を構成する前記各動作項目情報に対応する前記評価情報に登録し、
前記出力手段は、前記テーブルの前記各属性内において前記評価情報が高い前記動作項目情報を該属性情報毎に出力する
ことを特徴とする付記2記載のEMDR治療支援システム。
(付記4)
前記出力手段は、該動作項目情報を該評価情報の順に並べ替えたリストを出力する
ことを特徴とする付記1記載のEMDR治療支援システム。
(付記5)
前記出力手段は、前記テーブルにおいて前記動作項目設定情報毎に予め有する評価情報が同じ場合には、予め定めた順序に基づき出力する
ことを特徴とする付記1記載のEMDR治療支援システム。
(付記6)
画面上に表示されたポインタが動作をした結果、該動作の結果に対する患者の評価が登録されるEMDR治療支援プログラムであって、コンピュータに、
動作を特定する複数の動作項目情報と過去の治療での該項目情報についての評価情報とが格納されたテーブル、
前記ポインタが動作をしたとき、該動作に対して患者から得られる所感の情報を取得する取得手段、
前記ポインタの動作を変更する指示があるときに、前記テーブルに格納された前記評価情報と前記所感の情報とから変更すべき前記動作項目情報を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とするEMDR治療支援プログラム。
(付記7)
前記取得手段において取得した前記所感の情報を対応する評価情報に登録する登録手段、
を更に有することを特徴とする付記6記載のEMDR治療支援プログラム。
(付記8)
前記テーブルは、前記動作項目情報の組を予め定めた属性情報と、該属性情報を複数有し、
前記ポインタの動作は、前記属性情報内の前記動作項目情報を選択し、該動作項目情報を該属性情報毎に組み合わせることにより定められる場合に、
前記登録手段は、前記所感の情報を、前記ポインタの動作を構成する前記各動作項目情報に対応する前記評価情報に登録し、
前記出力手段は、前記テーブルの前記各属性内において前記評価情報が高い前記動作項目情報を該属性情報毎に出力する
ことを特徴とする付記7記載のEMDR治療支援プログラム。
(付記9)
前記出力手段は、該動作項目情報を該評価情報の順に並べ替えたリストを出力する
ことを特徴とする付記6記載のEMDR治療支援プログラム。
(付記10)
前記出力手段は、前記テーブルにおいて前記動作項目設定情報毎に予め有する評価情報が同じ場合には、予め定めた順序に基づき出力する
ことを特徴とする付記6記載のEMDR治療支援プログラム。
図1は、システム全体の構成図である。 図2は、患者基本テーブル21の構成である。 図3は、カウンセラー基本テーブル22の構成である。 図4は、アセスメント履歴テーブル231の構成である。 図5は、EDMR履歴テーブル232の構成である。 図6は、眼球運動設定テーブル32の構成である。 図7は、対話形式画面フォーマットの画面例である。 図8は、履歴情報の表示例である。 図9は、ユーザ端末2において表示される日誌情報の登録画面例である。 図10は、認証処理部が行うログイン処理時についてのフローチャートである。 図11は、EMDR治療におけるシステムの動作についてのフローチャートである。 図12はスクリーニング処理のフローチャートである。 図13は、DESチェックの質問が表示された画面例である。 図14は、EMDR治療のプロセスのフローチャートである。 図15は、アセスメントの段階において、ユーザ端末2に表示される画面例である。 図16は、ターゲット情報の構成例である。 図17は、脱感作情報の構成例である。 図18は、SUD情報の構成例である。 図19は、脱感作ブロック情報の構成例である。 図20は、植え付け前情報の構成例である。 図21は、植え付け後情報の構成例である。 図22は、ボディスキャン情報の構成例である。 図23は、EM制御部17が眼球運動ツールを実行する処理のフローチャートである。 図24は、EM制御部17がユーザ端末2に送信する設定情報の構成例である。 図25は、ユーザ端末2で画面表示される眼球運動ツールの画面例である。 図26は、S48において、EM制御部17が実行する眼球運動の条件の設定のフローチャートである。 図27は、EM制御部17が送信する設定情報の作成についてのフローチャートである。 図28は、ユーザ端末2の画面上に設定情報が表示された例である。 図29は、得点情報を登録するフローチャートである。 図30は、上記の管理サーバ1、ユーザ端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 管理サーバ
2 ユーザ端末
4 ネットワーク
12 ナビゲート制御部
13 認証処理部
15 スクリーニング処理部
16 EMDRプロセス制御部
17 EM制御部
18 履歴参照処理部
19 日誌制御部
21 患者基本テーブル
22 カウンセラー基本テーブル
23 治療履歴テーブル
231 アセスメント履歴テーブル
232 EDMR履歴テーブル
24 EMDRプロセスリスト
25 生育歴・病歴のチェックリスト
26 生育歴/病歴テーブル
27 DESチェックリスト
28 DESチェック結果テーブル
29 治療計画チェックリスト
30 治療計画テーブル
31 日誌テーブル
32 眼球運動設定テーブル
100 コンピュータ
101 CPU
102 メモリ
103 入力手段
104 出力手段
105 記憶手段
106 ネットワーク接続手段
107 バス

Claims (5)

  1. 画面上に表示されたポインタが動作をした結果、該動作の結果に対する患者の評価が登録されるEMDR治療支援システムであって、
    動作を特定する複数の動作項目情報と過去の治療での該項目情報についての評価情報とが格納されたテーブルと、
    前記ポインタが動作をしたとき、該動作に対して患者から得られる所感の情報を取得する取得手段、
    前記ポインタの動作を変更する指示があるときに、前記テーブルに格納された前記評価情報と前記所感の情報とから変更すべき前記動作項目情報を出力する出力手段、
    を有することを特徴とするEMDR治療支援システム。
  2. 前記取得手段において取得した前記所感の情報を対応する評価情報に登録する登録手段、
    を更に有することを特徴とする請求項1記載のEMDR治療支援システム。
  3. 前記テーブルは、前記動作項目情報の組を予め定めた属性情報と、該属性情報を複数有し、
    前記ポインタの動作は、前記属性情報内の前記動作項目情報を選択し、該動作項目情報を該属性情報毎に組み合わせることにより定められる場合に、
    前記登録手段は、前記所感の情報を、前記ポインタの動作を構成する前記各動作項目情報に対応する前記評価情報に登録し、
    前記出力手段は、前記テーブルの前記各属性内において前記評価情報が高い前記動作項目情報を該属性情報毎に出力する
    ことを特徴とする請求項2記載のEMDR治療支援システム。
  4. 前記出力手段は、該動作項目情報を該評価情報の順に並べ替えたリストを出力する
    ことを特徴とする請求項1記載のEMDR治療支援システム。
  5. 画面上に表示されたポインタが動作をした結果、該動作の結果に対する患者の評価が登録されるEMDR治療支援プログラムであって、コンピュータに、
    動作を特定する複数の動作項目情報と過去の治療での該項目情報についての評価情報とが格納されたテーブル、
    前記ポインタが動作をしたとき、該動作に対して患者から得られる所感の情報を取得する取得手段、
    前記ポインタの動作を変更する指示があるときに、前記テーブルに格納された前記評価情報と前記所感の情報とから変更すべき前記動作項目情報を出力する出力手段、
    として機能させることを特徴とするEMDR治療支援プログラム。
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