JP4796638B2 - 油入ブッシング - Google Patents

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Description

本発明は油入ブッシングに関するものである。
高圧電力線等を絶縁支持するためのブッシングは、接地側金具と高圧側金具との間に磁器製の碍管を設け、その中心部に中心導体を貫通させると共に、絶縁ガスや絶縁油を内部に封入して絶縁性を確保した構造となっている。
図1には、本願出願人が開示した、絶縁油を内部に封入して絶縁性を確保したセンタークランプ構造のブッシングの断面説明図を示している(特許文献1)。図1において、1は気中側碍管、2は油中側碍管、3はそれらの中央に位置する取付フランジ金具、4は中心導体、5は中心導体4の外周の油浸紙コンデンサコアである。ブッシング本体の内部には絶縁油6が充填されている。7はブッシング頭部の膨張室であり、その内部に設けられたセンタークランプ用のスプリング8によって中心導体4に張力が加えられ、気中側碍管1、油中側碍管2、取付フランジ金具3等を密着させるセンタークランプ構造となっている。中心導体4の上端には頂部端子9、下端には油中端子10が接続されて、通電が行われる。
ここで、中心導体4の材質は、適正な電気伝導率と機械的強度を備えるものであることが求められる。これらの両観点から、中心導体4の工業的材料としては、銅またはアルミニウムまたはアルミニウム合金を採用することが一般的である。特に定格電流の大きいブッシングにおいては、高い導電率を有する銅製の中心導体を採用することが好ましい。一方、特に機械強度が求められるブッシングにおいては、アルミニウム合金製の中心導体を採用することが好ましい。さらに経済的観点から見ると、一般的にアルミニウム合金製とする方が好ましい。
ところで、ブッシングでは、その内部の絶縁が破壊しないように、内部の電位傾度を適正な値に抑えることが必要となる。電圧階級の高い階級のブッシングにあっては、中心導体表面の電位傾度を適正な範囲に収めるために、中心導体の直径をある程度太くすることが必要である。中心導体径を太くすると、自動的にそこを流す電流通電能力が増大する。しかし、一般に、電圧階級の高いブッシングには、それほど高い通電定格が必要でないことが多く、電流通電能力の観点からは、銅を使うほどでなく、アルミニウム合金でまかなえるケースが多い。
上記の観点を総合すると、電流通電能力の観点からは、銅を使うほどでなく、アルミニウム合金でまかなえるケースが多く、更にアルミニウム合金の方が強度も高く、価格も安価であるため、アルミニウム合金製の中心導体を採用するメリットが大きいといえる。
ただし、アルミニウム合金は非常に短時間に表面に酸化膜が形成されるという性質を有するため、アルミニウム合金の表面を磨いた直後からすぐに酸化が始まり、薄い酸化膜が形成されてしまう。当該酸化膜の部分は、目視できない程度の薄さであって、通電性も有しているが、接触抵抗は高くなっており、大電流の通電には適さない状態に至っている。
このような状態のアルミニウム合金製の中心導体4の端部を他の端子9,10と接続して通電を始めると、アルミニウム合金面の酸化膜は次第に厚みを増し、目視にもわかるほどの白化膜となり、それによる接触抵抗の増大により高熱を発してやがて火災に至る危険性がある。当該危険を回避するためには、前記のアルミニウム合金製の中心導体4の端部を他の端子9,10と接続する接続部に対する特別な処理が必要となる。その処理とは、アルミニウム合金製の中心導体の前記接続部を丹念に磨いた直後にすぐ特別な酸化防止グリースを薄く均一に塗りもれなく塗布し、直ちに相手方端子と合わせて締め付け、さらに、以後その接続部に水分や酸素が入らないように周囲をコーキング剤で密封するものである。当該表面処理作業は不完全であると火災事故につながるため完全な作業が求められる。ただし、当該作業は熟練が必要とされる作業であるため、作業者には予め十分な教育実習が必要となるところ、必ずしも常に熟練作業者を確保できるとはかぎらず、アルミニウム合金製の中心導体の前記接続部への酸化膜形成に起因した火災事故のリスク回避の観点から問題があった。また、特に中心導体4の上部高圧側端子と頂部端子9との接続は、リード線との接続作業の関係上、変電所の現場でなされることが多く、接続部における前記処理の品質管理を徹底することが困難であるという問題があった。
また、アルミニウム合金製の中心導体は銅製のものと比べて融点が低く、温度の上昇とともに機械的強度の低下率が著しくなる傾向がある。このため、前記のような火災事故に繋がる高温にまでは至らない場合であっても、ある程度高熱(200℃超過)になった場合、アルミニウム合金製の中心導体の前記接続部にかかる機械的負荷により中心導体が機械的に破壊し、大停電事故につながる危険性の問題があった。
特開平10−52314号公報
本発明の目的は、機械的強度も高く価格も安価であるという利点を有するアルミニウム合金製の中心導体を採用した際に問題となる過熱事故を回避する技術を提供することである。具体的には、アルミニウム合金表面に形成される酸化膜が、アルミニウム合金製の中心導体の端部と他の通電端子との接続部における接触抵抗を増大させる問題を回避可能なブッシングを提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の油入ブッシングは、気中側碍管と油中側碍管と両碍管の間に位置する取付フランジ金具とから構成されるブッシング本体と、該ブッシング本体を貫通する中心導体と、該ブッシング本体の下端部で中心導体とねじ嵌合された通電端子接続用下部金具とを備える油入ブッシングであって、該中心導体は、油入ブッシングに全長を覆われた中心導体幹部と、該中心導体幹部の高圧側上端部にねじ嵌合された通電端子接続用頂部導体と、からなり該通電端子接続用頂部導体および通電端子接続用下部金具は銅または銅系金属部材から構成され、該中心導体幹部はアルミニウム合金製部材から構成されることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の油入ブッシングにおいて、該中心導体幹部の高圧側上端部と通電端子接続用頂部導体とをねじ嵌合する接続部が、油入ブッシングの内部に充填される絶縁油の油面下に位置することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の油入ブッシングにおいて、中心導体の下端部および中心導体幹部の高圧側上端部に位置するねじ嵌合部に引張力を加えるセンタークランプ構造を備えることを特徴とするものである。
本発明では、ブッシングの中心導体をアルミニウム合金製の中心導体幹部と銅または銅系金属製の通電端子接続用頂部導体とから構成し、更に、該ブッシング本体の下端部に銅または銅系金属製の通電端子接続用下部金具を備える構造としたことにより、機械的強度が銅よりも優れるというアルミニウム合金製中心導体の特性はそのまま維持しつつ、アルミニウム合金製の中心導体と通電接続端子との接続部への酸化膜形成の問題を回避することを可能とした。即ち、本発明では、通電接続端子との接続部を、酸化膜形成の問題を生じない銅または銅系金属部材とすることにより、熟練の技術や徹底した品質管理という手段によらずに、中心導体と通電端子との接続部における酸化膜形成を防止し、それに伴う接触電気抵抗の増加と過熱事故を回避し、ブッシングの接続作業性を顕著に改善することができた。
請求項2記載の発明によれば、中心導体幹部の高圧側上端部と通電端子接続用頂部導体をねじ嵌合する接続部を、油入ブッシングの内部に充填される絶縁油の油面下に位置する構造としたことにより、ねじ嵌合部のジュール熱を効率よく放熱し、当該部分における過熱を効果的に抑制することができる。また、当該接続部を絶縁油中に位置させることにより、アルミニウム合金製の中心導体幹部側に酸化膜が形成され、接触電気抵抗が増大してしまう問題やそれに伴う過熱事故の問題を効果的に回避することができる。
請求項3記載の発明によれば、中心導体の下端部および中心導体幹部の高圧側上端部に位置するねじ嵌合部に引張力を加えるセンタークランプ構造を備えることにより、ねじ嵌合部の接触電気抵抗をセンタークランプ力によって減少させることができる。ねじ嵌合部の接触電気抵抗を減少させることにより、短絡事故による短絡電流が流れた場合であっても、該ねじ嵌合部における温度上昇が抑制される。従って、請求項3記載の発明によれば、低融点のアルミニウム合金製中心導体を採用した場合であっても、ねじ嵌合部の過熱による機械的強度低下の問題や、それに伴う溶断事故を効果的に回避することができる。
従来の油入ブッシングの断面説明図である。 本発明の油入ブッシングの断面説明図である。 図2の中心導体幹部と通電端子接続用頂部導体のねじ勘合接続部分の拡大説明図である。 図2の中心導体幹部と通電端子接続用下部金具のねじ勘合接続部分の拡大説明図である。 他の実施形態による本発明の油入ブッシングの断面説明図である。 図5の中心導体幹部と通電端子接続用頂部導体のねじ勘合接続部分の拡大説明図である。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図2には、本発明の油入ブッシングの断面説明図を示している。図2において、1は気中側碍管、2は油中側碍管、3はそれらの中央に位置する取付フランジ金具、41は中心導体幹部、42は通電端子接続用頂部導体、43は通電端子接続用下部金具、5は中心導体幹部41の外周の油浸紙コンデンサコアである。ブッシング本体の内部には絶縁油6が充填されている。7はブッシング頭部の膨張室であり、その内部に設けられたセンタークランプ用のスプリング8によって通電端子接続用頂部導体42および中心導体幹部41に張力が加えられ、気中側碍管1、油中側碍管2、取付フランジ金具3等を密着させるセンタークランプ構造となっている。通電端子接続用頂部導体42の上端には頂部端子9、通電端子接続用下部金具43の下端には油中端子10が接続されて、通電が行われる。
中心導体幹部41の周囲には、取付フランジ3との間を絶縁しながら気中側碍管1と油中側碍管2の沿面電界を均一に制御する目的の油浸紙コンデンサコア5が巻かれている。油浸紙コンデンサコア5と前記碍管1・2の間隙には、絶縁油6が満たされている。絶縁油6の油面は膨張室7の中にまで達しており、油面の上は窒素空間11となっている。この窒素空間11は、絶縁油6が温度変化とともに熱膨張するときにそれを吸収するクッションとしての役目を持つ。窒素空間11の上は蓋12で塞がれて外部との間で密封されている。膨張室7の中には、センタークランプ用のスプリング8があり、通電端子接続用頂部導体42の上部ねじ部42aに嵌合したクランピングナット13によって圧縮されている。その圧縮力は、膨張室7の底面を介して気中側碍管1の上端面を押さえるとともに、中心導体幹部41を介して通電端子接続用下部金具43を引っ張り上げるように働き、さらに油中碍管2の下端面を押し上げている。その結果、その圧縮力によって、気中碍管1は膨張室7の下端面と取付フランジ3の上端面で挟まれ、油中碍管2は通電端子接続用下部金具43の上端面と取付フランジ3の下端面で挟まれている。このように両碍管が圧縮力を受けて挟まれていることにより、その部分の摩擦力のため、ブッシングを組立構造体として安定的に維持している。各部品間の界面にはガスケットが挟まれ、内部の絶縁油が外に漏れない構造となっている。
図3には、中心導体幹部41と通電端子接続用頂部導体42のねじ勘合接続部分の拡大説明図を示している。中心導体幹部41の材質はアルミニウム合金であり、通電端子接続用頂部導体42の材質は銅または銅系金属である。本実施形態における中心導体幹部41の形状は管状である。しかし、これは棒状であってもよい。その上部には、内面にねじ部(凹部)41aが切ってある。中心導体幹部41は、ブッシングの頂部まで延びてはおらず、途中で銅製の通電端子接続用頂部導体42に切られたねじ部42b(凸部)と前記ねじ部(凹部)41aとが、ねじ嵌合により接続したねじ嵌合部41cを有している。
図4には、中心導体幹部41と通電端子接続用下部金具43のねじ勘合接続部分の拡大説明図を示している。中心導体幹部41の下端には、ねじ部(凹部)41bが切ってあり、通電端子接続用下部金具43に切られたねじ部(凸部)と前記ねじ部(凹部)41bとが、ねじ嵌合により接続したねじ嵌合部41dを有している。通電端子接続用下部金具43の材質としては、青銅や黄銅や銅鋳物などの銅系金属を採用している。
図3・図4に示すように、中心導体幹部41の下部には、対流孔41eが内外貫通するように設けられている。また、通電端子接続用頂部導体42の下部には、えぐり込み部42cが設けてある。その奥から水平方向に外面まで対流孔42dが貫通している。これらの対流孔41eと42dを通って絶縁油6が中心導体幹部41の内外を出入りすることができる。通電時に中心導体幹部41に生じるジュール熱は中心導体幹部41の内側の油に伝えられ、その油が熱膨張で軽くなって上方に流れ、対流孔42dを介して外側に出る。そして油浸紙コンデンサコア5の外側を通って下り、対流孔41eから再び中心導体幹部41の内部に入る。そのような還流により、発生熱は効率よく外部に放熱される。中心導体幹部41の形状を管状とすることにより、このような対流による放熱効果を得ることができる。
なお、本発明を構成する中心導体幹部41は、図2に示すように、油入ブッシングに全長を覆われる位置に配置されるため、中心導体幹部41が外気に曝されることはない。また、ねじ嵌合部41c・41dは絶縁油6の中に配置されており、窒素空間11で窒素ガスに晒されることもない。該窒素空間11には、ブッシングの組み立て中に混入した空気、または、部品間をシールしているガスケットを透過して混入した空気が混在している可能性も高い。このような場合にはねじ嵌合部41c・41dが、該空気中の酸素に晒されることとなり、ねじ嵌合部41c・41dに酸化膜が形成される問題があるが、本発明によれば、中心導体幹部41のねじ部(凹部)41a・41bが、酸素に触れることがないため、当該部分で酸化膜形成が進むことはない。従って、品質管理の行き届く工場内で中心導体幹部41のねじ部(凹部)41a・41bを研磨後、酸化膜形成前に直ちに組み立て作業を完了させることにより、以後ねじ嵌合部41c・41dに酸化膜が形成され、該酸化膜に起因した電気抵抗により、通電時に過熱するという懸念がなくなる。なお、ねじ部に錫めっきを施しておけば、酸化膜形成を遅らせる効果が得られ、組立までに時間的余裕を持たせることができる。
また、ねじ嵌合部41c・41dは絶縁油6の中に配置することにより、放熱効率が改善されるという効果も得られる。ねじ嵌合部41c・41dはねじ同士の接触抵抗により他の部分よりも発熱が大きいことは避けられず、高熱になる傾向がある。高熱になると、その熱は中心導体幹部41を介して油浸紙コンデンサコア5に伝わり、油浸紙コンデンサコアの基材である絶縁紙を熱劣化させる問題がある。しかし、本発明では、ねじ嵌合部41c・41dを油中に浸る位置に配置したことにより、気体中にある場合とは異なり、発生した熱が直ちに周囲の液体である絶縁油に伝えられるため、油浸紙コンデンサコアの基材である絶縁紙が劣化するほどには高温にはならず、絶縁紙の熱劣化問題を効果的に解消することができる。
ブッシングの使用者は、通電端子接続用頂部導体42の上端に頂部端子9、通電端子接続用下部金具43の下端に油中端子10を接続して該ブッシングを使用するが、本発明では、ブッシング上端に出ている通電端子接続用頂部導体42を銅製、通電端子接続用下部金具43も銅系金属製部材から構成しているため、従来のアルミニウム合金製部材を用いた場合のように酸化膜が形成されてその電気抵抗により通電時に過熱するという懸念が解消される。
(他の実施形態)
図5には、他の実施形態による本発明の油入ブッシングの断面説明図を示し、図6には、図5の中心導体幹部41と通電端子接続用頂部導体42のねじ勘合接続部分の拡大説明図を示している。本実施形態では、中心導体幹部41と通電端子接続用頂部導体42との接続を、接続管14を介して行っている。接続管14は銅製でもアルミニウム合金製でもどちらでもよい。接続管14の上部ねじ部14aは、通電端子接続用頂部導体42の下部に設けられたねじ部42bと、ねじ嵌合により接続している。接続管14の下部ねじ部14bは、中心導体幹部41の上部に設けられたねじ部41aと、ねじ嵌合により接続している。
接続管14の中央高さ付近には、対流孔14cを設けている。このような構造にすることにより、ねじ嵌合部のねじの径を前記実施形態と比べて大きくとることができるため、嵌合部がより大きな引張力に耐え、より大きなセンタークランプ力をかけられるという効果がある。
また、本実施形態では、対流孔14cを膨張室7の下部に位置するように配置している。このような構造とすることにより、対流孔14cを出た絶縁油を、膨張室7の内面をなめるように対流させることができる。このような絶縁油の対流を行わせることにより、膨張室7への伝熱効率を高め、そこから外部に放熱を行うことができるため、前記実施形態と比べて、より優れた放熱効率を実現できる。
(実施例)
本発明では、中心導体幹部41の上下端の接続をねじ嵌合によって行っている。この接続は、他の方法、例えばアーク溶接や摩擦溶接など金属面を融解させて接続する方法と比べて、機械的特性に優れる。すなわち、素材に熱が加わらないため、熱による材質の低下がないからである。そのため、ブッシングに外力が加わったときに十分な耐力を有する。しかし、反面、ねじ接続は金属を融解させて接続する場合に比べて接合面の接触電気抵抗が大きく、通電時にその発熱の悪影響、特に、ブッシングに短絡電流が流れた場合に甚大な影響がある。通常にねじ込んで、そのねじを締め付けるのに一般的に適正な締め付けトルクで締めた状態で短絡電流が流れると、殆どの場合、短絡電流により発生するジュール熱でねじ部が極端に高温になり、溶断してしまう。例えば、直径50mm、長さ40mmのねじを普通の締め付けトルクで締め付けた場合、接続部の接触抵抗はおよそ50μΩほどになるが、そこに50,000Aの短絡電流が流れると、その消費電力は50,000×50,000×50×10−6=125,000 Wにもなり、2秒間の短絡で発生熱量は250,000Jにも達するので、融点の低いアルミニウム合金では溶断してしまうこととなるのである。溶断にまで至らなくとも、熱の影響で素材の機械的強度が低下するので、アルミニウム合金の場合、短絡電流通電時に到達温度が180℃を超えてはならないとブッシング規格JEC−5202やIEC 60137に規定されている。本発明では、その難点を有効な対策で解決している。それは、強力なセンタークランプ力により、ねじ嵌合部のねじ同士に高い圧縮面圧を与えることで接触抵抗を極めて少なくすることである。
すなわち、例えば、図2に実施形態において、OLE_LINK1OLE_LINK2スプリング8OLE_LINK1OLE_LINK2にかけられている圧縮力がクランピングナット13を介して通電端子接続用頂部導体42を上方へ押し上げるので、中心導体幹部41と通電端子接続用頂部導体42とのねじ嵌合部41cにその圧縮力が同値の引張力として働く。これをセンタークランプ力と呼ぶ。このセンタークランプ力は、同時に中心導体幹部41の下端と通電端子接続用下部金具43とのねじ嵌合部41dにも働く。スプリング8の並列数は多いほど強力なセンタークランプ力がかけられる。また、その段数が多いほど、各部品の温度変化時の熱膨張収縮でセンタークランプ力が低下する度合いが少なく安定する。
本発明のねじ嵌合部の性能を検証するために行った短絡試験結果を下記の表1に示している。
Figure 0004796638
表1に示すように、従来のねじ締め構造ではねじ嵌合部が溶断したが、本発明のセンタークランプ型では異常なく耐えた。本発明によれば強力なセンタークランプ力の効果により、ねじ接触面の面圧が極めて高くなっているため、センタークランプ型のねじ嵌合部の接触抵抗は約1μΩという非常に少ない値となるからである。
1 気中側碍管
2 油中側碍管
3 取付フランジ金具
4 中心導体
41 中心導体幹部
41a ねじ部
41b ねじ部
41c ねじ嵌合部
41d ねじ嵌合部
41e 対流孔
42 通電端子接続用頂部導体
42a ねじ部
42b ねじ部
42c えぐり込み部
42d 対流孔
43 通電端子接続用下部金具
5 油浸紙コンデンサコア
6 絶縁油
7 膨張室
8 スプリング
9 頂部端子
10 油中端子
11 窒素空間
12 蓋
13 クランピングナット
14 接続管
14a 上部ねじ部
14b 下部ねじ部
14c 対流孔

Claims (3)

  1. 気中側碍管と油中側碍管と両碍管の間に位置する取付フランジ金具とから構成されるブッシング本体と、
    該ブッシング本体を貫通する中心導体と、
    該ブッシング本体の下端部で中心導体とねじ嵌合された通電端子接続用下部金具と
    を備える油入ブッシングであって、
    該中心導体は、油入ブッシングに全長を覆われた中心導体幹部と、該中心導体幹部の高圧側上端部にねじ嵌合された通電端子接続用頂部導体と、からなり
    該通電端子接続用頂部導体および通電端子接続用下部金具は銅または銅系金属部材から構成され、
    該中心導体幹部はアルミニウム合金製部材から構成されることを特徴とする油入ブッシング。
  2. 該中心導体幹部の高圧側上端部と通電端子接続用頂部導体とをねじ嵌合する接続部が、
    油入ブッシングの内部に充填される絶縁油の油面下に位置することを特徴とする請求項1記載の油入ブッシング。
  3. 中心導体の下端部および中心導体幹部の高圧側上端部に位置するねじ嵌合部に引張力を加えるセンタークランプ構造を備えることを特徴とする請求項1または2記載の油入ブッシング。
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