JP4795808B2 - 描画装置、描画方法、描画プログラム及び描画集積回路 - Google Patents
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Description
フレームメモリには大容量の記憶容量が要求されるが、高速かつ大容量のメモリは非常に高価なものになる。そこで描画装置においてはコストパフォーマンスの観点からフレームメモリには、低速ながらも安価なメモリ、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いる。フレームメモリを低速なメモリとすると描画処理の時間が長くなるので、グラフィックスエンジンとフレームメモリの間に、キャッシュメモリとして高速なメモリを介在させることでフレームメモリに書き込む時間を短縮できる。前述したように高速なメモリは高価なものであるので、キャッシュメモリについてはその記憶容量を小さくすることでコストの増大を抑える。
この効率化に当たってキャッシュメモリへの書き込みの方法として、描画すべき画像の形状に基づいて描画対象が横長だった場合にキャッシュメモリの2次元配列をx軸方向に長くしたり、逆に描画対象が縦長だった場合には、y軸方向に長くすることでキャッシュメモリへの書き込み回数を少なくする技術が特許文献1にて開示されている。
本発明は、上記要望に鑑みてなされたものであり、画像がフレームメモリへ書き込まれるまでの時間を従来よりも短縮することができる描画装置を提供することを目的とする。
というのも、特許文献1においてはグラフィックスエンジンからのキャッシュメモリへの書き込みにおいては書き込み回数が少なくなるように効率化されてはいるものの、キャッシュメモリからフレームメモリへの書き込みに関しては考慮されておらずこの書き込みにおいて無駄が発生してしまい、結果的に画像がフレームメモリに書き込まれるまでの時間が長くなるという問題がある。これは、キャッシュメモリからフレームメモリへの画素データの格納がバースト転送によって行われているがためにフレームメモリへの書き込みにおいて、キャッシュメモリへの書き込みの仕方によっては部分部分でアクセスが重複してしまうことがあるためである。1区分に対してのアクセスが重複する、即ち2回以上発生するということはグラフィックスエンジンからフレームメモリへの書き込み時間が長くなることを意味している。
また、描画装置において、前記記録手段は、前記範囲特定手段により特定された範囲と重なる1以上の区分領域について、前記部分画像を前記キャッシュメモリの連続するアドレスに対応する記録領域に記録することとしてよい。
あるいは、前記所定量は、前記バースト転送における転送可能なデータ量に基づいて決定されることとしてよい。
この構成により、1区分をバースト転送の単位、あるいはキャッシュメモリとフレームメモリとを接続するメモリバスの本数に基づいて決定することができる。バースト転送の単位によって1区分が決定されているので、フレームメモリの同じ区分への書き込み、即ちキャッシュメモリからフレームメモリへの1区分へのアクセスが2回以上発生することがなくなり、従来よりもキャッシュメモリからフレームメモリへのアクセス回数を減少させることで、フレームメモリへの全体的な書き込み時間の短縮を促す。
キャッシュメモリをフレームメモリにバースト転送で書き込む1区分分の記憶容量の整数倍にすることで、転送の制御が容易になり、描画装置の複雑化を抑えるとともに、転送制御の容易化により僅かながらもフレームメモリへの書き込み時間全体の短縮を促すことができる。
<概要>
従来においてはキャッシュメモリからフレームメモリに転送する際にはバースト転送で転送していたが、キャッシュメモリへのデータの格納の仕方によっては、部分画像の切れ目がバースト転送の中間に位置することがあるため、そのバースト転送でキャッシュメモリからフレームメモリへのアクセスは転送しているデータの中身は異なるものの2回発生することがあった(図8網掛け領域801参照。詳細は後述する)。
<構成>
図1は、描画装置100の機能構成を示したブロック図である。
同図に示すように描画装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、GE(Graphics Engine)102、キャッシュメモリ103、キャッシュメモリ制御回路104、フレームメモリ105を含んで構成される。
本実施の形態においては、キャッシュメモリ103を、分かりやすくするために図2に示すような2次元配列で考える。図2に示したように、ここではキャッシュメモリ103は、16×8の座標系分の画素データを格納することが可能なメモリであり、合計128の画素を格納する。1マスが1の画素データに対応している。ここで示している画素を指示す数値は、各画素の座標とキャッシュメモリ103のアドレスを示している。例えば、“(0、0)、cad000”は、キャッシュメモリの座標平面上において座標(0、0)はキャッシュメモリの000番のアドレスと対応していることを示している。なおキャッシュメモリ102の座標は、基本的にはフレームメモリ105の座標と対応するものではない。
フレームメモリ105は、図3に示すような2次元配列型のメモリである。図3に示したように、ここではフレームメモリ105は、40×12の配列をしたメモリであり、合計480の画素データを格納する。1マスが1の画素データに対応している。ここで図中において示した黒枠301がバースト転送単位を示しており、キャッシュメモリ103からフレームメモリ105へは8画素単位で画素データが転送される。この8画素は、キャッシュメモリ103とフレームメモリ105とを接続するメモリバスの本数と、バースト転送で1画素を転送するのに必要なメモリバスの本数に基づいて決定される。
<データ>
以下、キャッシュメモリ及びフレームメモリに格納されるデータ例について図面を用いて説明する。本発明との差異を示すためにまず、従来の場合についてを図5〜図9を用いて説明し、その後に本発明の場合のデータを図10〜図13を用いて説明する。
では、従来の場合を説明していく。まず、従来においては、キャッシュメモリへ最初なるべく多くの描画範囲が含まれるように描画するデータの端点を検出し、この端点がキャッシュメモリにおいても端点となるようにキャッシュメモリに格納する。図5の場合においては一点鎖線で示される範囲501がその範囲になる。そしてその次に残った部分に対しても同様にキャッシュメモリに格納するがこの場合の範囲が図6の範囲601に示される。
このようにデータをキャッシュメモリに格納すると、図8の網掛け領域801に示すようにバースト転送の単位の中で分割されてしまっているがゆえに領域801で示される部分においてはキャッシュメモリからフレームメモリへの書き込みの際に範囲501と601の場合とでそれぞれ1回ずつアクセスするので1回分アクセスが重複することになる。この場合だと都合6回アクセスが重複していることになる。
フレームメモリに格納されたデータは描画装置100に接続されたLCDなどに出力されたりする。
図10に示すように本発明の場合は、バースト転送の単位に留意して最初は範囲1001に示す範囲の画素データをキャッシュメモリに書き込むようにする。また、その次に残った部分については、図11に示すように、範囲1101に示す範囲の画素データをキャッシュメモリに書き込むようにする。
実際のアクセス回数を示すために図13を設けた。図13(a)は、図12(a)の場合に対応しており、図13(b)は、図12(b)に対応している。
<動作>
最後に本発明に係る描画装置100のCPUから命令が発せられてからフレームメモリに描画データが格納されるまでの動作について図14のフローチャートを用いて説明する。まず、本発明の一般的な動作を図14のフローチャートに基づいて述べた後、図10〜13を用いて具体的に説明する。
GE102は、CPU101からの命令を解析し、その解析結果に基づいて、どの座標にどの色を載せるかを算出し、フレームメモリにおいて、どのアドレスに格納するかを算出する(ステップS1403)。
GE102によるキャッシュメモリ103への記録が終了すると、今度はキャッシュ制御回路104がキャッシュメモリ103にフレームメモリ105へとキャッシュメモリ103が格納している画素データをバースト転送させる(ステップS1409)。
この流れの具体例を、図4、図10、図11を用いながら、図14のフローチャートに沿う形で説明する。
伝達された描画命令を解析したGE102は、どの座標にどの色を置き、フレームメモリ105のどのアドレス位置に格納するかを算出する(ステップS1403)。
ここでx1は、8の倍数ではない(x1を8で割った余りが0でない、つまり5%8=5≠0)ので、5よりも小さく、8の倍数であるx座標x3を求める。ここでx3は0である。またx2は8n−1(nは1以上の整数)を満たさない(x2に1足した値を8で割った余りが0でない、つまり(29+1)%8=6≠0)ので、29よりも大きく、かつ8n−1を満たすx座標x4を求める。ここでx4は31となる。
こうして分割してできた画像ブロックの画素データをGE102はキャッシュメモリ103に書き込む(ステップS1407対応)。書き込む画素データは、CPU101からの描画命令に基づいて、GE102が線分AB、線分BC、線分CAを、R:1、G:1、B:0で決定される線色で形成し、各線分で囲われる内側をR:1、G:1、B:0で決定される色で塗りつぶすといった演算を実行することによって決定される。ここで、格納されたデータは図12(a)のようになる。GE102によってキャッシュメモリに書き込まれた各画素データはバースト転送により8画素単位で、キャッシュメモリ制御回路104の制御によりフレームメモリ105の対応するアドレス位置に格納される(ステップS1409対応)。
こうしてフレームメモリ105には図4のような状態で画素データが格納される。
以上に述べてきたように、キャッシュメモリからフレームメモリへの転送は、バースト転送の単位を考慮しているのでフレームメモリの同じ区分へのバースト転送が重複して発生することがなくなり、その分だけCPUから描画命令が発せられてからフレームメモリへ全画素データが書き込まれるまでの時間を短縮することができる。
<補足>
上記実施の形態に基づいて描画装置100説明してきたが、本発明の描画装置100の実施の形態はこれに限定されるものではないことは勿論である。以下、その変形例について説明していく。
(1)上記実施の形態では、キャッシュメモリ及びフレームメモリは、理解しやすくするために2次元配列型のメモリとしたが、これは別に2次元配列である必要はない。また、格納するデータに関しても連続アドレスに格納する必要はなく、バースト転送に必要なデータだけキャッシュメモリにあればよく、この場合、ランダムアクセスメモリであってもかまわない。ただし、座標上において連続する画素データを連続したアドレスの格納領域に格納することは転送の際においてどの画素をどこに転送するのかといった指定の手間を省くことができるので、描画装置の設計も容易になるのは確かである。
(2)上記実施の形態では、キャッシュメモリ及びフレームメモリは、それぞれ、128及び480の画素を格納することとしたが、これは別にこの数値に限る必要はなく、例えば、キャッシュメモリは12288(128×96)の画素データを格納し、フレームメモリは3225600(1920×1680)の画素データを格納することとしてもよい。なお、キャッシュメモリは、画像の転送においてバースト転送単位の画素数の整数倍の記憶容量になっていることが望ましい。こうすることで、キャッシュメモリを無駄なく使えることができるようになる。
(3)上記実施の形態では、キャッシュメモリからフレームメモリへの転送は8画素単位で行っていたが、これは8画素に限る必要はなくメモリバスの本数が多くなればより多くの画素を転送できるようになる。しかし、メモリバスの増加は同時に製作コストの増大を招く。
(4)上記実施の形態では、キャッシュメモリへの格納する際に、簡単のために、描画する対象を矩形で囲って、その矩形をキャッシュメモリに格納可能な画像ブロックに分割してキャッシュメモリに格納していったが、この手法の場合矩形の中には描画する描画対象のデータがない位置も多く含む可能性がある。
まず、GE102が描画対象のx軸座標が最も小さく、y軸座標の値が最も大きい座標の画素を検出する。そして、その画素のy座標が同じで、x座標より小さく、かつ8の倍数x座標を有する座標点Aを算出する。そして点Aとx座標が同じでy座標が8少ない点Bと、y座標が同じでx座標が16多い点Cを算出する。さらに点Bとy座標が同じで点Cとx座標が同じ点Dを算出する。そして4点A、B、C、Dで構成される四角形を画像ブロックとして、その部分の必要な画素データをキャッシュメモリに格納する。キャッシュメモリに記録された画素データはフレームメモリへ格納する。
(5)上記実施の形態においては、フレームメモリに何もデータが無い状態について最初に図形を書き込む、もしくはただ単に上書きするものとして説明したが、フレームメモリに格納されている図形を利用してもよい。
(6)上記実施の形態においては特に記述しなかったが、本発明においても特許文献1に示すように、キャッシュメモリの形状(縦長あるいは横長)を描画する図形の形状、即ち縦長な図形だった場合には、キャッシュメモリも縦長になるようにしてキャッシュメモリの利用効率を向上させてもよい。但し、この場合においても本発明の趣旨に沿うようにキャッシュメモリにはバースト転送でアクセスするアドレスが重複しないように書き込みを行うようにする。
(7)上記実施の形態においては一つの描画命令を実行する例を示したが、これは別に複数の描画命令であってもよい。例えば、具体例では三角形ABCを描画することとしていたが、「三角形ABCを赤色で描画し、更にその上に点D(18、5)を中心とする半径4の円を紫で描画せよ」といった複数の命令であっても良い。この場合、GE102は、三角形ABCのデータを描画してフレームメモリに格納した後に、再度円を描いてフレームメモリに格納するといった手順を踏むと二度手間で描画処理の時間もより長くかかる。よって、このように複数の描画命令で描画座標系がかぶる場合においては、GE102はそれぞれの図形の重複部分については透過処理、あるいは塗りつぶし処理、あるいは合成処理などを描画命令に基づいて実行してキャッシュメモリへの書き込みもフレームメモリへの書き込みも一度で済むように構成するとよい。
(8)上記実施の形態においては、各色の階調を上述のようにしたが、RGB各色は例えば、255階調であってもよい。
(9)本発明は、上記実施の形態に示す方法であってもよい。また、当該方法を描画装置のコンピュータに実行させるための処理手順を示したコンピュータプログラムであってもよい。当該コンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、ハードディスク装置、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)、MO(Magneto-Optical)ディスク、フラッシュメモリ、半導体メモリなどに代表される各種記録媒体に記録されていてもよい。
(10)本発明は、描画装置に搭載され、上記実施の形態で示したようにキャッシュメモリに画像データを格納するLSI(Large Scale Integration)あるいは、VLSI(Very Large Scale Integration)で実現してもよく、この場合一のLSIあるいは複数のLSIの組み合わせによって実現してもよい。
101 CPU
102 GE
103 キャッシュメモリ
104 キャッシュメモリ制御回路
105 フレームメモリ
Claims (8)
- 画像データをフレームメモリ内に記録する描画装置であって、
キャッシュメモリと、
描画対象となる画像データが記録されるべきフレームメモリ内の範囲を特定する範囲特定手段と、
フレームメモリをバースト転送の転送単位になるバイト数で定まる境界により区分してなる各区分領域のうち、前記範囲特定手段により特定された範囲と重なる1以上の区分領域それぞれに対して、記録されるべき前記画像データの部分である部分画像を特定し、特定した各部分画像を区別可能に前記キャッシュメモリ内に記録する記録手段と、
キャッシュメモリ内に記録された部分画像それぞれを、対応するフレームメモリ内の区分領域へとバースト転送するメモリ間転送制御手段とを備える
ことを特徴とする描画装置。 - 前記記録手段は、前記範囲特定手段により特定された範囲と重なる1以上の区分領域について、前記部分画像を前記キャッシュメモリの連続するアドレスに対応する記録領域に記録する
ことを特徴とする請求項1記載の描画装置。 - 前記区分領域は、前記キャッシュメモリと前記フレームメモリとを接続するメモリバスの本数に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項1記載の描画装置。 - 前記区分領域は、前記バースト転送における転送可能なデータ量に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項1記載の描画装置。 - 前記キャッシュメモリの記憶容量は、前記フレームメモリの前記区分領域に該当する記憶容量の整数倍である
ことを特徴とする請求項1記載の描画装置。 - 画像データをキャッシュメモリを経由してフレームメモリ内に記録する記録方法であって、
描画対象となる画像データが記録されるべきフレームメモリ内の範囲を特定する範囲特定ステップと、
フレームメモリをバースト転送の転送単位になるバイト数で定まる境界により区分してなる各区分領域のうち、前記範囲特定手段により特定された範囲と重なる1以上の区分領域それぞれに対して、記録されるべき前記画像データの部分である部分画像を特定し、特定した各部分画像を区別可能に前記キャッシュメモリ内に記録する記録ステップと、
キャッシュメモリ内に記録された部分画像それぞれを、対応するフレームメモリ内の区分領域へとバースト転送するメモリ間転送ステップとを含む
ことを特徴とする記録方法。 - 画像データをキャッシュメモリを経由してフレームメモリ内に記録する描画装置のコンピュータに実行させる、画像をフレームメモリに記録する処理手順を示した記録プログラムであって、前記処理手順は、
描画対象となる画像データが記録されるべきフレームメモリ内の範囲を特定する範囲特定ステップと、
フレームメモリをバースト転送の転送単位になるバイト数で定まる境界により区分してなる各区分領域のうち、前記範囲特定手段により特定された範囲と重なる1以上の区分領域それぞれに対して、記録されるべき前記画像データの部分である部分画像を特定し、特定した各部分画像を区別可能に前記キャッシュメモリ内に記録する記録ステップと、
キャッシュメモリ内に記録された部分画像それぞれを、対応するフレームメモリ内の区分領域へとバースト転送するメモリ間転送ステップとを含む
ことを特徴とする記録プログラム。 - 画像データをキャッシュメモリを経由してフレームメモリ内に記録する描画集積回路であって、
描画対象となる画像データが記録されるべきフレームメモリ内の範囲を特定する範囲特定手段と、
フレームメモリをバースト転送の転送単位になるバイト数で定まる境界により区分してなる各区分領域のうち、前記範囲特定手段により特定された範囲と重なる1以上の区分領域それぞれに対して、記録されるべき前記画像データの部分である部分画像を特定し、特定した各部分画像を区別可能に前記キャッシュメモリ内に記録する記録手段と、
キャッシュメモリ内に記録された部分画像それぞれを、対応するフレームメモリ内の区分領域へとバースト転送するメモリ間転送制御手段とを備える
ことを特徴とする描画集積回路。
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