JP4794728B2 - Basic metal nitrate and process for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な塩基性金属硝酸塩、その製造方法、それを用いたガス発生剤組成物及び前記ガス発生剤組成物を用いたエアバッグ用ガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車における乗員保護装置としてのエアバッグ用ガス発生剤としては、従来からアジ化ナトリウムを用いた組成物が多用されてきた。しかし、アジ化ナトリウムの人体に対する毒性[LD50(oral−rat)=27mg/kg]や取扱い時の危険性が問題視され、それに替わるより安全ないわゆる非アジド系ガス発生剤組成物として、各種の含窒素有機化合物を含むガス発生剤組成物が開発されている。
【0003】
例えば、米国特許4,909,549号には、水素を含むテトラゾール、トリアゾール化合物と酸素含有酸化剤との組成物が開示されている。米国特許4,370,181号には、水素を含まないビテトラゾールの金属塩と酸素を含まない酸化剤とからなるガス発生剤組成物が開示されている。米国特許4,369,079号には、水素を含まないビテトラゾールの金属塩とアルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属亜硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属亜硝酸塩及びこれらの混合物からなるガス発生剤組成物が開示されている。米国特許5,542,999号には、GZT,TAGN,NG(ニトログアニジン)、NTO等の燃料、塩基性硝酸銅、有毒ガスを低減する触媒とクーラント剤からなるガス発生剤が開示されている。特開平10−72273号には、ビテトラゾール金属塩、ビテトラゾールアンモニウム塩、アミノテトラゾールと硝酸アンモニウムからなるガス発生剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の非アジド系ガス発生剤組成物は、燃焼温度、燃焼速度、相移転、一酸化炭素及び窒素酸化物の生成量、ガス発生効率などに問題がある。例えば、前記の米国特許4,369,079号のガス発生剤組成物は、燃焼温度が高く、実際に使われると大量のクーラントが必要となる。米国特許5,542,999号の組成物は、燃焼速度が小さく、短時間で完全燃焼できない恐れがある。特開平10−72273号のガス発生剤は、使用温度範囲において硝酸アンモニウムの相転移による形状変化によって、ガス発生剤成型体が破損し、安定的に燃焼できなくなる。また、前記のこれらの非アジド系ガス発生剤に関する先行技術では、ガス発生剤の燃料がテトラゾール類、ニトログアニジン、TAGN等が使用されているが、これらの化合物はすべて危険物に属するものであり、取り扱い時には安全上十分な注意が要求される。
【0005】
更に、非アジド系ガス発生剤においては、燃料と酸化剤の組合せによっては長期間にわたって物理的及び化学的な相互作用がなされる結果、燃料成分が徐々に分解されてしまい、燃料の熱分解温度が当初の設計温度から低下していくという問題が生じる。このように燃料の熱分解温度が低下した場合、長期間経過する過程でガス発生剤が劣化する場合があるので、燃料の分解が小さく保存安定性の高いガス発生剤が求められている。
【0006】
本発明の課題は、燃料成分と組み合わせた場合に保存安定性の高いガス発生剤を得ることができる塩基性金属硝酸塩及びその製造方法を提供することである。
【0007】
また本発明の他の課題は、作動前には保存安定性及び取り扱い時の安全性が高く、作動時には燃焼温度が低く、燃焼速度が大きく、一酸化炭素及び窒素酸化物の生成量が少なく、燃焼安定性がよいガス発生剤組成物を提供することである。
【0008】
更に本発明の他の課題は、前記ガス発生剤組成物を用いたエアバッグ用ガス発生器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)〜(d)の要件の1以上を具備する塩基性金属硝酸塩を提供する。
【0010】
(a)粒子の粒径が0.5〜40μm;
(b)X線回折法におけるピークの半値幅が0.35deg以下となる結晶化度を有すること;
(c)TG−DTA分析による重量減少開始温度が220℃以上であること;
(d)不純物の含有量がNa原子換算で1000ppm以下であること;
この発明の塩基性金属硝酸塩は熱安定性に優れたものである。
【0011】
また本発明は、硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩を反応させる塩基性金属硝酸塩の製造方法を提供する。
【0012】
また本発明は、燃料及び塩基性金属硝酸塩を含有しており、前記塩基性金属硝酸塩が下記要件(a−1)〜(a−3)から選ばれる1以上を具備しているものであるガス発生剤組成物を提供する。
【0013】
(a−1)粒子の粒径が0.5〜40μm;
(a−2)粒子の比表面積が0.4〜6.0m2/g;
(a−3)粒子の嵩密度が0.4g/ml以上;
また本発明は、燃料及び塩基性金属硝酸塩を含有しており、前記塩基性金属硝酸塩が、1次粒子が凝集してなる2次粒子であり、前記2次粒子が下記要件(a−1)〜(a−3)から選ばれる1以上を具備しているものであるガス発生剤組成物を提供する。
【0014】
(a−1)粒子の粒径が0.5〜40μm;
(a−2)粒子の比表面積が0.4〜6.0m2/g;
(a−3)粒子の嵩密度が0.4g/ml以上;
更に本発明は、上記のガス発生剤組成物を用いたエアバッグ用インフレータを提供する。
【0015】
なお、上記の(a)〜(d)、(a−1)〜(a−3)の各要件の測定条件は実施例に示す。
【0016】
本発明における塩基性金属硝酸塩は、次のような式で示される一連の化合物が挙げられる。また、更に水和水を含む化合物も存在する場合もある。式中、Mは金属を、x’は金属数を、y、y’はNO3イオン数を、z’はOHイオン数を、nはM(NO3)y部分に対するM(OH)z部分の比を示すものである。
【0017】
M(NO3)y・nM(OH)z又はMx'(NO3)y'(OH)z'
前記式に相当するものの例としては、金属Mとして銅、コバルト、亜鉛、マンガン、鉄、モリブデン、ビスマス、セリウムを含む、Cu2(NO3)(OH)3、Cu3(NO3)(OH)5・2H2O、Co2(NO3)(OH)3、Zn2 (NO3)(OH)3、Mn(NO3)(OH)2、Fe4(NO3)(OH)11・2H2O、Bi(NO3)(OH)2、Ce(NO3)3(OH)・3H2Oが挙げられる。
【0018】
塩基性金属硝酸塩としては、塩基性硝酸銅(BCN)、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マンガン、塩基性硝酸鉄、塩基性硝酸モリブデン、塩基性硝酸ビスマス及び塩基性硝酸セリウムから選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でも塩基性硝酸銅が好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の熱安定性の良い塩基性金属硝酸塩は、下記の(a)〜(d)の要件を1以上具備するものであり、1以上でできるだけ多く具備することが好ましく、全ての要件を具備することがより好ましい。また、2以上の要件を具備する場合、少なくとも要件(a)を具備することが望ましい。
【0020】
要件(a):粒径が0.5〜40μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μmの範囲であること;
要件(b):X線回折法におけるピークの半値幅が0.35deg以下、好ましくは0.26deg以下となる結晶化度を有すること;
要件(c):TG−DTA分析による重量減少開始温度が220℃以上、好ましくは215℃以上であること;
要件(d):不純物の含有量がNa原子換算で1000ppm以下、好ましくは600ppm以下であること;
この実施形態の塩基性金属硝酸塩は熱安定性に優れたものである。
【0021】
次に、上記の塩基性金属硝酸塩の製造法について説明する。本発明の塩基性金属硝酸塩は、例えば、硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩を反応させて製造することができる。前記反応過程は、塩基性硝酸銅を例にとると下記反応式(II)で示される。
4Cu(NO3)2・3H2O+6MHCO3 →
Cu(NO3)2・3Cu(OH)2+6MNO3+6CO2+12H2O (II)
(式中、Mはアルカリ金属である。)
この反応式(II)から明らかなとおり、塩基性の弱酸塩として炭素水素アルカリ金属塩を選定することにより、その炭酸水素アルカリ金属塩が硝酸金属塩と反応し、アルカリ金属イオンが硝酸根と結合して、水によく溶解する硝酸アルカリ金属塩になり、炭酸水素アニオンが水素イオンと反応して、炭酸ガスと水に転化する。
【0022】
このような反応式(II)で示される本発明の製造方法によれば、生成した硝酸は塩基性の弱酸塩で中和され、中和後の弱酸は不安定なためにガスとして溶液から逃げて行くので、塩基性金属硝酸塩の生成が妨害されない。
【0023】
本発明の塩基性金属硝酸塩の製造方法としては、上記した硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩を反応させる方法が望ましいが、水酸化アルカリ金属化合物、アルカリ金属炭酸塩のような強い塩基性物質(例えば、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム)を用いる方法も適用することができる。なお、前記強い塩基性物質を用いた場合は、反応式(III)、(IV)、(V)で示されるように副反応により副生物が生成し、これらの副生物の存在により熱安定性が悪くなるものと考えられる。
【0024】
2KOH + Cu(NO3)2 → Cu(OH)2 +2KNO3 (III)
Cu(NO3)2・3Cu(OH)2 + 2KOH → 4CuO + 4H2O + 2KNO3 (IV)
Cu(NO3)2・3Cu(OH)2 + 2Na2CO3 → 2Cu2O3(OH)2 + 2NaOH + 2NaNO3 (V)
硝酸金属塩としては、硝酸コバルト、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸モリブデン、硝酸ビスマス、硝酸セリウム等を挙げることができ、これらの中でも硝酸銅が好ましい。硝酸銅としては、下記一般式(I)で示される化合物が好ましく、硝酸銅三水塩と硝酸銅六水塩がより好ましい。このような硝酸銅化合物は市販されており、かつ安価に入手できるものである。
【0025】
Cu(NO3)2・nH2O (I)
(式中、nは0〜6である。)
硝酸銅等の硝酸金属塩は水溶液又は水に可溶な有機溶媒(例えばエタノール)と水との混合溶媒に溶解したものを用いることができるが、水溶液の形で一般的には用いられる。
【0026】
溶液中の硝酸銅等の硝酸金属塩濃度は特に規制されるものではなく、1%溶液〜飽和溶液までの濃度から任意に選べばよいが、一般的には1モルの硝酸銅等の硝酸金属塩に対する溶媒の使用量は200〜5000ml程度であるのが好ましい。この範囲より濃度が高い場合は、得られた塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩の結晶化が悪くなる傾向が見られ、熱安定性が悪くなる。なお、大過剰に溶媒を用いても使用量に見合った効果が得られるわけではなく、副生成物となる硝酸アルカリ金属塩の回収等後処理に手間がかかるため好ましくない。
【0027】
硝酸銅等の硝酸金属塩を中和する炭酸水素アルカリ金属塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムを挙げることができるが、経済性面から、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムである。このような炭酸水素アルカリ金属塩は、大量生産している工業薬品であり、安価で工業的に入手が容易な工業原料である。
【0028】
炭酸水素アルカリ金属塩は固体又は溶液の形で使用することができる。溶液の場合の溶媒としては、水又は水に可溶な有機溶媒(例えばエタノール)と水との混合溶媒を用いることが出来る。一般的には水溶液の状態で用いられる。
【0029】
炭酸水素アルカリ金属塩1モルに対する溶媒の使用量は1〜10リットル程度であるのが好ましい。炭酸水素アルカリ金属塩が固体又は前記範囲より濃い濃度の場合は、硝酸銅等の硝酸金属塩溶液中の硝酸濃度を低くする等の工夫をしないと、硝酸銅等の硝酸金属塩溶液に添加した時に局部的にアルカリ濃度が高くなり、副反応の水酸化銅の形成が起き、再現性よく熱安定性のよい塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩を得ることができない場合もある。
【0030】
硝酸銅等の硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩の混合比率は、硝酸銅等の硝酸金属塩1モルに対して炭酸水素アルカリ金属塩2モル以下が好ましく、1.0〜1.7モルの範囲がより好ましい。この範囲より炭酸水素アルカリ金属塩が少ない場合は、塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩の品質は向上せず、塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩の収率が低くなるだけで工業的な製造方法としては意味がない。また、この範囲より多い場合は、塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩の中に水酸化銅等の金属水酸化物が混入するために好ましくない。
【0031】
硝酸銅等の硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩との混合方法は特に規制されないが、一般的には硝酸銅等の硝酸金属塩の溶液に炭酸水素アルカリ金属塩溶液を添加することが好ましい。その他、事前に一定のpH値に調整した溶液中に、硝酸銅等の硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩をほぼ同時に添加する方法を用いることもできる。添加する際、局部的なアルカリ濃度の上昇を避ける為攪拌下で添加し、更に添加口を一個所以上にする等の工夫を凝らすことが好ましい。添加速度は、反応のスケール、攪拌の程度、水溶液の濃度、添加口の数、混合温度等により影響を受けるのでこれらを考慮して決める必要があるが、一般的には局所的なアルカリ濃度を抑える意味からゆっくり添加して行くことが好ましい。
【0032】
硝酸銅等の硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩の混合温度は特に規制されず、一般的には室温から100℃の範囲で実施するが、加温下で行うことが好ましい。
【0033】
添加終了後の熟成時間は、混合温度、混合時間等に影響されるので一概に決定できないが、混合温度が高い場合は熟成時間を短かくすることが好ましい。熟成時間が必要以上に長い場合、生成した塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩の一部が分解して熱安定性の悪いものになる。また、熟成時間が短かい場合、塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩の結晶化が充分ではなく、熱安定性が悪くなるので、これらの影響を考慮して決定することが望ましい。
【0034】
上記で説明した反応条件以外に、下記の条件でも反応を行うことができる。硝酸銅等の硝酸金属塩1モルに対する溶媒の使用量は、20〜400ml、好ましくは50〜200mlとすることができる。炭酸水素アルカリ金属塩1モルに対する溶媒の使用量は0.2〜2.5L、好ましくは0.5〜1.5Lとすることができる。反応温度は0〜35℃、好ましくは5〜20℃で行うことができる。
【0035】
次に、本発明のガス発生剤組成物について説明する。本発明のガス発生剤組成物は、燃料及び塩基性金属硝酸塩、更に必要に応じて添加剤を含有しているものである。
【0036】
本発明のガス発生剤組成物で用いる塩基性金属硝酸塩の一実施形態は、下記要件(a−1)〜(a−3)から選ばれる1以上を具備しているものであり、好ましくはいずれか2つの要件、より好ましくは3つの要件を具備しているものである。
【0037】
要件(a−1):粒子の粒径が0.5〜40μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μm;
要件(a−2):粒子の比表面積が0.4〜6.0m2/g、好ましくは0.5〜4.0m2/g、より好ましくは0.5〜2.5m2/g;
要件(a−3):粒子の嵩密度が0.4g/ml以上、好ましくは0.4〜1.0g/ml、より好ましくは0.7〜1.0g/ml。
【0038】
要件(a−1)〜(a−3)を満たすことによって、下記の理由等により、塩基性金属硝酸塩と組み合わせた場合に安定性が悪くなる化合物、例えば、グアニジン誘導体(例えばニトログアニジン)と塩基性金属硝酸塩(例えば塩基性硝酸銅)を含むガス発生剤組成物を製造したとき、下記のとおりの優れた効果が得られる。なお、以下においては、特に効果の大きいニトログアニジンと塩基性硝酸銅を用いた場合について説明するが、本発明のガス発生剤組成物は前記組合せに限定されるものではない。
【0039】
ニトログアニジン(NQ)と塩基性硝酸銅(BCN)を混合したときに、NQとBCNの間の物理的及び/又は化学的な相互作用が大きいと、NQとBCNの分解温度が低下して、ガス発生剤組成物の性能に悪影響を与える。即ち、NQの−NH2基とBCNの−OH基との間で相互作用(例えば、水素結合、ファンデルワールス力)が生じ、高温になった場合等において、脱水等の化学反応で水等を生成するなどしてガス発生剤組成物の性能に悪影響を与える。しかし、要件(a−1)〜(a−3)を満たすことによって、下記の作用効果が得られるので、ガス発生剤組成物の性能に悪影響を与えることが防止される。
〔要件(a−1)による作用効果〕
BCNの粒径が小さ過ぎると、NQの表面により多くのBCNが付着するなどして、それらの間の相互作用がより大きくなり、分解温度が低下するなどの影響がある。そこで、粒径を要件(a−1)の範囲にすることによって、相互作用を小さくして、分解温度の低下等が生じることを防止できる。
〔要件(a−2)による作用効果〕
BCNの比表面積が大きいと、比表面積の小さいBCNを用いた場合に比べて、同重量のBCNを用いてもBCNの総表面積が大きくなる結果、NQとBCNとの相互作用が大きくなる。そこで、比表面積を要件(a−2)の範囲にすることによって、相互作用を小さくして、分解温度の低下等が生じることを防止できる。
〔要件(a−3)による作用効果〕
BCNの嵩密度が小さいと単位重量当たりの体積が大きく、比表面積が大きくなるので、要件(a−2)を満たさなくなる。また、特に凝集体の場合、ガス発生剤組成物の製造工程においてBCNが破壊されると、その時に発生する新鮮な破砕面とNQの相互作用が大きいことから、固く凝集されていること、即ち嵩密度が高いものが相互作用を小さくできることになり、その結果、分解温度の低下等が生じることを防止できる。
【0040】
本発明のガス発生剤組成物で用いる塩基性金属硝酸塩の他の実施形態は、上記した要件(a−1)〜(a−3)に加えて更に下記要件(b)〜(d)から選ばれる1以上を具備しているものであり、好ましくはいずれか2つの要件、より好ましくは3つの要件を具備しているものである。
【0041】
要件(b):X線回折法におけるピークの半値幅が0.35deg以下、好ましくは0.26deg以下となる結晶化度を有すること;
要件(c):TG−DTA分析による重量減少開始温度が220℃以上、好ましくは215℃以上であること;
要件(d):不純物の含有量がNa原子換算で1000ppm以下、好ましくは600ppm以下であること。
【0042】
要件(b)及び(c)を具備することで、塩基性硝酸銅自体の安定性を向上させることができ、また要件(d)を具備することで、ニトログアニジンと塩基性硝酸銅を組み合わせた場合の安定性を高くすることができ、また要件(b)〜(d)を具備することで、上記したニトログアニジンと塩基性硝酸銅との相互作用の抑制効果を更に高めることができる。
【0043】
本発明のガス発生剤組成物で用いる塩基性金属硝酸塩の他の実施形態は、塩基性金属硝酸塩が、1次粒子が凝集してなる2次粒子であり、前記2次粒子が下記要件(a−1)〜(a−3)から選ばれる1以上を具備しているものであり、好ましくはいずれか2つの要件、より好ましくは3つの要件を具備しているものである。
【0044】
要件(a−1):粒子の粒径が0.5〜40μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μm;
要件(a−2):粒子の比表面積が0.4〜6.0m2/g、好ましくは0.5〜4.0m2/g、より好ましくは0.5〜2.5m2/g;
要件(a−3):粒子の嵩密度が0.4g/ml以上、好ましくは0.4〜1.0g/ml、より好ましくは0.7〜1.0g/ml;
要件(a−1)〜(a−3)を具備することにより、上記した効果を得ることができる。
【0045】
本発明のガス発生剤組成物で用いる塩基性金属硝酸塩が凝集体である場合の他の実施形態は、上記した要件(a−1)〜(a−3)に加えて更に下記要件(b)〜(d)から選ばれる1以上を具備しているものであり、好ましくはいずれか2つの要件、より好ましくは3つの要件を具備しているものである。
【0046】
要件(b):X線回折法におけるピークの半値幅が0.35deg以下、好ましくは0.26deg以下となる結晶化度を有すること;
要件(c):TG−DTA分析による重量減少開始温度が220℃以上、好ましくは215℃以上であること;
要件(d):不純物の含有量がNa原子換算で1000ppm以下、好ましくは600ppm以下であること。
【0047】
要件(b)〜(d)を具備することにより、上記した効果を得ることができる。
【0048】
このような1次粒子が凝集した2次粒子からなる塩基性金属硝酸塩は、針状乃至板状及び/又は球状乃至それに類似した形状の1次粒子が多数凝集して形成されたものが望ましい。「針状乃至板状」とは、針状の粒子のみ、板状の粒子のみ、針状の粒子から針状の粒子よりも段階的に幅が大きくなった板状の粒子が混在していることを意味し、「球状若しくはそれに類似した形状」とは、真球状の粒子のみ、それに類似した形状、例えば、真球の表面に凹凸を有するものや楕円球状の粒子のみ、真球状の粒子から楕円球状等の類似形状の粒子までが混在していることを意味する。
【0049】
2次粒子からなる塩基性金属硝酸塩としては、例えば、針状乃至板状の1次粒子が多数積層して凝集したものであり、最下層が放射状に配置され、順次放射状に一方向に積層されたもの、例えば「菊の花状」をなすように針状乃至板状の1次粒子が積層したものが挙げられる。
【0050】
このような1次粒子が凝集した2次粒子からなる塩基性金属硝酸塩は、例えば上記した塩基性金属硝酸塩の製造法において、硝酸金属塩と炭酸水素アルカリ金属塩の濃度、反応温度、熟成時間を変更することなどにより得られる。
【0051】
硝酸銅等の硝酸金属塩(無水物換算)1モルに対する溶媒の使用量は、20〜400mlが好ましく、50〜200mlがより好ましく、炭酸水素アルカリ金属塩1モルに対する溶媒の使用量は、0.2〜2.5リットルが好ましく、0.5〜1.5リットルがより好ましい。
【0052】
反応温度は、10〜35℃程度が好ましく、室温付近の温度がより好ましい。熟成時間は、加温した場合よりも長く設定することが好ましい。
【0053】
本発明のガス発生剤組成物に含まれる燃料としては、グアニジン誘導体、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、遷移金属錯体から選ばれるものが挙げられる。
【0054】
グアニジン誘導体としては、グアニジン、モノ、ジ又はトリアミノグアニジン硝酸塩、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、ニトログアニジン(NQ)、ジシアンジアミド(DCDA)及びニトロアミノグアニジン硝酸塩から選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でもニトログアニジン、ジシアンジアミドが好ましい。
【0055】
アゾール誘導体としては、テトラゾール、5―アミノテトラゾール、5,5’−ビ−1H−テトラゾール、5−ニトロアミノテトラゾール、5―アミノテトラゾールの亜鉛塩、5−アミノテトラゾールの銅塩、ビテトラゾール、ビテトラゾールカリウム塩(BHTK)、ビテトラゾールナトリウム塩、ビテトラゾールマグネシウム塩、ビテトラゾールカルシウム塩、ビテトラゾールジアンモニウム塩(BHTNH3)、ビテトラゾール銅塩及びビテトラゾールメラミン塩から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、窒素原子含有量が81.4重量%、LD50(oral−rat)が2000mg/kgであり、燃焼効率が良いため、ビテトラゾールジアンモニウム塩が好ましい。ここでいうビテトラゾール化合物には、2つのテトラゾール環の5−5’結合体と1−5’結合体が含まれ、価格と入手の容易さから5−5’体が好ましい。
【0056】
トリアジン誘導体としては、メラミン、トリメチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン、アンメリン、アンメランド、シアヌール酸、メラム、メレム、メラミンの硝酸塩、メラミンの過塩素酸塩、トリヒドラジノトリアジン、メラミンのニトロ化化合物等から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、LD50(oral−rat)が3161mg/kgで、燃安定性が高く、取り扱い時にも安全で価格が低いメラミン、トリヒドラジノトリアジン(THT)が好ましい。
【0057】
上記した燃料の中でも、上記の塩基性金属硝酸塩と組み合わせた場合において物理的及び化学的相互作用を小さくできるため、ニトログアニジンが特に好ましい。
【0058】
ガス発生剤組成物中における燃料の含有量は、酸化剤の種類及び酸素バランスにより異なるが、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
【0059】
また、ガス発生剤組成物中における塩基性金属硝酸塩の含有量は、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
【0060】
ガス発生剤組成物には、更にバインダ、スラグ形成剤等の添加剤を配合することができる。バインダとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa)、カルボキシメチルセルロースカリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、微結晶性セルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドのアミノ化物、ポリアクリルヒドラジド、アクリルアミド・アクリル酸金属塩共重合体、ポリアクリルアミド・ポリアクリル酸エステル化合物の共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルゴム、グアガム、デンプン、シリコーン、二硫化モリブデン、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、ステアリン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ケイ酸ナトリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ヒドロタルサイト、マイカ、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、塩基性金属炭酸塩及びモリブデン酸塩から選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でも上記の燃料及び塩基性金属硝酸塩との組合せを考慮するとグアガムが好ましい。
【0061】
金属水酸化物としては、水酸化コバルト、水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上が挙げられ、金属炭酸塩及び塩基性金属炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸コバルト、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸コバルト、塩基性炭酸鉄、塩基性炭酸ビスマス、塩基性炭酸マグネシウムから選ばれる1種以上が挙げられ、モリブデン酸塩としては、モリブデン酸コバルト及びモリブデン酸アンモニウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
【0062】
ガス発生剤組成物中におけるバインダ等の添加剤の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜12重量%である。
【0063】
本発明のガス発生剤組成物は、ガス発生剤組成物(ガス発生剤40gを含む)を密閉した状態、具体的には内容積118.8mlのステンレス製容器に入れ、密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2.0%以下、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下であるものが望ましい。
【0064】
本発明のガス発生剤組成物は所望の形状に成型することができ、単孔円柱状、多孔円柱状又はペレット状の成型体にすることができる。これらの成型体は、ガス発生剤組成物に水又は有機溶媒を添加混合し、押出成型する方法(単孔円柱状、多孔円柱状の成型体)又は打錠機等を用いて圧縮成型する方法(ペレット状の成型体)により製造することができる。
【0065】
本発明のガス発生剤組成物は、例えば、各種乗り物の運転席のエアバッグ用インフレータ、助手席のエアバッグ用インフレータ、サイドエアバッグ用インフレータ、インフレータブルカーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシートベルト用インフレータ、チューブラーシステム用インフレータ、プリテンショナー用ガス発生器に適用できる。
【0066】
また本発明のガス発生剤組成物を使用するインフレータは、ガスの供給が、ガス発生剤からだけのパイロタイプと、アルゴン等の圧縮ガスとガス発生剤の両方であるハイブリッドタイプのいずれでもよい。
【0067】
更に本発明のガス発生剤組成物は、雷管やスクイブのエネルギーをガス発生剤に伝えるためのエンハンサ剤(又はブースター)等と呼ばれる着火剤として用いることもできる。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(1)粒径及び粒子形態(凝集体であるかどうか)の確認
試料粉末を専用試料台に固定し、走査型電子顕微鏡により、500倍、2,000倍、10,000倍の観察視野像中における試料粉末粒径を計測し、同時に粒子形態を判定した。粒子が2次粒子(凝集体)の場合の1次粒子の粒径は、2次粒子を破壊して1次粒子にした後、同様にして測定した。なお、粒子が針状粒子の場合は長さを粒径とし、板状粒子の場合は最大対角長さを粒径とし、更に真球に類似した粒子は長径を粒径とした。
(2)比表面積
窒素ガスを使用し、BET法により測定した。
(3)嵩密度
試料粉末を10mlのメスシリンダーに入れたものを水平台上に置き、30回水平台に軽く叩いた後に求めた。
(4)結晶化度(半値幅)の測定
粉末X線回折法(リートベルト法)により得られたメインピークから半値巾を求めた。
(5)TG−DTA(熱重量−示差熱分析)測定
昇温速度20/分で行った。
(6)不純物の含有量(Na原子換算量)
原子吸光分析法により求めた。
(7)熱安定性
塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩5gを水中に入れ、80℃で10分間加熱処理した場合の外観の変化により観察した。熱安定性の悪いものはこの加熱処理により黒く変色する。
(8)耐熱性試験(重量減少率)
ガス発生剤組成物(ガス発生剤40gを含む)をアルミニウム製容器に入れ、総重量を測定し、(総重量−アルミニウム製容器重量)を試験前のサンプル重量とした。サンプルの入ったアルミニウム製容器を、SUS製厚肉容器(内容積118.8ml)に入れて蓋をした後、110℃の恒温槽に入れた。この時、ゴムパッキンとクランプを使用して容器が密閉状態になるようにした。所定時間経過後にSUS製厚肉容器を恒温槽から取り出し、容器が室温にもどってから蓋を開け、中からアルミニウム製容器を取り出した。アルミニウム製容器ごとの総重量を測定し、(総重量−アルミニウム製容器重量)を試験後のサンプル重量とした。そして、試験前後の重量変化を比較して重量減少率を求めることにより耐熱性を評価した。重量減少率は、〔(試験前のガス発生剤重量−試験後のガス発生剤重量)/試験前のガス発生剤重量〕×100から求めた。
【0069】
比較例1
攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩241.6g(1.00モル)を秤取り、次いで蒸留水500mlを仕込み、攪拌しながら溶解させて得た溶液を60℃で加熱した。水酸化カリウム84.15g(1.50モル)を蒸留水500mlで溶解した水溶液を、攪拌下1時間かけて滴下した。水酸化カリウム水溶液の添加終了後、混合物を60℃で30分攪拌した。室温で生成したゲル状沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄した。得られた塩基性硝酸銅は淡青色の固形物であったが、固形物の一部に灰色のものが見られ、濾過性が悪かった。洗浄生成物の一部を110℃で空気中で乾燥したところ、全体に黒色を帯乾燥工程で分解が見られ熱安定性が非常に悪かった。残りの洗浄生成物を110℃、1333.22Pa(10mmHg)の減圧下で乾燥して塩基性硝酸銅を得た。各測定結果を表1に示す。
【0070】
実施例1
攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩36.3gを秤取り、次いで蒸留水100mlを仕込み、攪拌しながら溶解させて得た溶液を60℃に加熱した。炭酸水素ナトリウム18.9gを水240mlに溶解した炭酸水素ナトリウム水溶液を、1時間かけて添加した。添加終了後、混合物を60℃で60分間攪拌下で熟成をした。室温で生成した沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄した。濾過性が非常に良好な淡青色の固形物を得た。洗浄生成物の一部を110℃で空気中で乾燥したところ、淡青色を維持しており熱安定性が非常に良好なものであった。残りの洗浄生成物を110℃、1333.22Paの減圧下で乾燥して、収量は17.4g(収率96.5%)で塩基性硝酸銅を得た。各測定結果を表1に示す。
【0071】
実施例2
攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩36.3gを秤取り、次いで蒸留水100mlを仕込み、攪拌しながら溶解させて得た溶液を80℃に加熱した。炭酸水素ナトリウム18.9gを水240mlに溶解した炭酸水素ナトリウム水溶液を、1時間かけて添加した。添加終了後、直ちに沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄して、濾過性が非常に良好な淡青色の固形物を得た。洗浄生成物の一部を110℃で空気中で乾燥したところ、淡青色を維持しており熱安定性が良好なものであった。残りの洗浄生成物を110℃、1333.22Paの減圧したで乾燥して、塩基性硝酸銅を得た。各測定結果を表1に示す。
【0072】
実施例3
攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩214.6g(1.00モル)を秤取り、次いで蒸留水500mlを仕込み、攪拌しながら溶解させて得た溶液を40℃に加熱した。炭酸水素ナトリウム126g(1.50モル)を蒸留水1000mlに溶解した水溶液を、1時間かけて添加した。炭酸水素ナトリウムの添加終了後、混合物を80℃に昇温し、30分間攪拌下で熟成した。沈殿物を濾過、洗浄、乾燥して淡青色の塩基性炭酸銅を得た。各測定結果を表1に示す。
【0073】
実施例4
炭酸水素ナトリウム量を21.4g以外は、実施例1と同様な方法で淡青色の塩基性炭酸銅を得た。各測定結果を表1に示す。
【0074】
比較例2
攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩241.6g(1.00モル)を秤取り、次いで蒸留水1000mlを仕込み、攪拌しながら溶解させて得た溶液を95℃で加熱した。次いで無水酢酸ナトリウム123.0g(1.50モル)を少しずつ加えた。酢酸ナトリウムの添加終了後、混合物を更に30分攪拌した。室温で生成した沈殿物を濾過、洗浄、乾燥して淡青色固形物が84.7g(収率約70.5%)を得たが、収率は実施例1と比較して悪かった。各測定結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例5
攪拌機付きビーカに硝酸銅三水塩36.3gを秤取り、次いで蒸留水20mlを仕込み、室温(20℃)で攪拌しながら溶解させて溶液を得た。炭酸水素ナトリウム18.9gを水240mlに溶解した炭酸水素ナトリウム水溶液を、室温で1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、室温下で攪拌しながら2時間熟成した。得られた沈殿物を濾過し、蒸留水で濾液が中性なるまで洗浄し、110℃、1333.22Paの減圧下で一定重量となるまで乾燥して、「菊の花状」に凝集した形態の塩基性硝酸銅16.0gを得た。各測定結果を表2に示す。なお、実施例5で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真を図1(×10,000)、図2(×10,000)、図3(×500)、図4(×2000)に示す。
【0077】
実施例6
24.2gの硝酸銅3水和物を水105mlに溶解し、攪拌下、重炭酸ナトリウム12.6gを水240mlに溶解した液を60℃にて1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌を継続しながら60℃にて1時間熟成させ、沈殿物を生成させた。得られた沈殿物を純水にて濾液が中性になるまで洗浄し、110℃で一定重量を示すまで熱風乾燥した。得られた塩基性硝酸銅の各測定結果を表2に示す。
【0078】
実施例7
硝酸によりpH3.8に調整した水200g中に、硝酸銅90.5gを水50gに溶解した溶液を温度を5℃に維持しながら5時間30分かけて連続的に添加した。この間、pHが5.4〜5.6の間に保持されるように、炭酸水素ナトリウム47.5gを水600gに溶解した溶液を添加した。添加終了後、濾過、洗浄、乾燥して塩基性硝酸銅39.7gを得た。得られた塩基性硝酸銅の各測定結果を表2に示し、走査型電子顕微鏡写真(×500、×2000、×5000)を図5、図6、図7に示す。
【0079】
【表2】
【0080】
実施例8
ニトログアニジン/実施例5の塩基性硝酸銅/グアガム=44.2/52.8/3.0(重量%)を混合し、ガス発生剤組成物を得た。この組成物の重量減少率を測定したところ、94時間経過時点で0.12%、234時間経過時点で0.25%、405時間経過時点で0.36%であった。
【0081】
【発明の効果】
本発明の塩基性金属硝酸塩は熱安定性が高いため、長期間(例えば10〜10数年)、高温雰囲気に放置された場合でも、分解等の変質が生じることがないため、特に自動車の安全装置としてのエアバッグインフレータに使用するガス発生剤の酸化剤等として好適である。
【0082】
また本発明の塩基性金属硝酸塩は、燃料成分、特にニトログアジニン等のグアニジン誘導体と組み合わせた場合、物理的及び化学的相互作用が抑制されるので、燃料成分の分解温度が低下して耐熱性が低下することを防止できる。
【0083】
更に本発明の製造方法によれば、安価で工業的に入手が容易な原料を用い、特殊な反応設備を特に必要とせず、かつ容易に制御できる反応条件で塩基性硝酸銅等の塩基性金属硝酸塩を工業的に製造することができる。
【0084】
本発明のガス発生剤組成物は、熱安定性が優れているので、各種インフレータに適用した場合、高い信頼性を長期間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例5で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×10,000)である。
【図2】 実施例5で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×10,000)である。
【図3】 実施例5で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×500)である。
【図4】 実施例5で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
【図5】 実施例7で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×500)である。
【図6】 実施例7で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
【図7】 実施例7で得られた塩基性硝酸銅の走査型電子顕微鏡写真(×5000)である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel basic metal nitrate, a production method thereof, a gas generating composition using the same, and a gas generator for an air bag using the gas generating composition.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a composition using sodium azide has been frequently used as a gas generating agent for an air bag as an occupant protection device in an automobile. However, toxicity of sodium azide to the human body [LD50 (oral-rat) = 27 mg / kg] and danger in handling are regarded as problems. Gas generant compositions containing nitrogen-containing organic compounds have been developed.
[0003]
For example, US Pat. No. 4,909,549 discloses a composition of tetrazole and triazole compounds containing hydrogen and an oxygen-containing oxidizing agent. U.S. Pat. No. 4,370,181 discloses a gas generant composition comprising a metal salt of bitetrazole containing no hydrogen and an oxidizing agent containing no oxygen. U.S. Pat. No. 4,369,079 describes gas generation comprising hydrogen-free metal salts of bitetrazole and alkali metal nitrates, alkali metal nitrites, alkaline earth metal nitrates, alkaline earth metal nitrites and mixtures thereof. An agent composition is disclosed. U.S. Pat. No. 5,542,999 discloses fuels such as GZT, TAGN, NG (nitroguanidine) and NTO, basic copper nitrate, a gas generating agent comprising a catalyst for reducing toxic gases and a coolant agent. . Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-72273 discloses a gas generating agent composed of a bitetrazole metal salt, a bitetrazole ammonium salt, aminotetrazole and ammonium nitrate.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the non-azide gas generant composition has problems in combustion temperature, combustion rate, phase transfer, carbon monoxide and nitrogen oxide production, gas generation efficiency, and the like. For example, the gas generant composition of the aforementioned US Pat. No. 4,369,079 has a high combustion temperature, and requires a large amount of coolant when actually used. The composition of US Pat. No. 5,542,999 has a low burning rate and may not be able to burn completely in a short time. In the gas generating agent disclosed in JP-A-10-72273, the molded product of the gas generating agent is damaged due to the shape change due to the phase transition of ammonium nitrate in the operating temperature range, and cannot be stably combusted. Further, in the prior art relating to these non-azide gas generating agents, tetrazoles, nitroguanidine, TAGN, etc. are used as fuels for the gas generating agents, but these compounds all belong to dangerous substances. When handling, sufficient safety precautions are required.
[0005]
Furthermore, in a non-azide gas generating agent, depending on the combination of fuel and oxidant, a physical and chemical interaction is performed over a long period of time, resulting in the gradual decomposition of fuel components and the thermal decomposition temperature of the fuel. The problem arises that the temperature drops from the original design temperature. As described above, when the thermal decomposition temperature of the fuel is lowered, the gas generating agent may be deteriorated in the course of a long period of time. Therefore, a gas generating agent having a small fuel decomposition and high storage stability is required.
[0006]
The subject of this invention is providing the basic metal nitrate which can obtain a gas generating agent with high storage stability, when combined with a fuel component, and its manufacturing method.
[0007]
Another problem of the present invention is that the storage stability and safety during handling are high before operation, the combustion temperature is low during operation, the combustion rate is large, and the amount of carbon monoxide and nitrogen oxides produced is small. The object is to provide a gas generant composition having good combustion stability.
[0008]
Still another object of the present invention is to provide a gas generator for an air bag using the gas generating composition.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a basic metal nitrate having one or more of the following requirements (a) to (d).
[0010]
(A) the particle size of the particles is 0.5-40 μm;
(B) having a degree of crystallinity such that the full width at half maximum of the peak in the X-ray diffraction method is 0.35 deg or less;
(C) The weight reduction starting temperature by TG-DTA analysis is 220 ° C. or higher;
(D) the content of impurities is 1000 ppm or less in terms of Na atom;
The basic metal nitrate of the present invention is excellent in thermal stability.
[0011]
The present invention also provides a method for producing a basic metal nitrate by reacting a metal nitrate with an alkali metal hydrogen carbonate.
[0012]
The present invention also includes a fuel and a basic metal nitrate, wherein the basic metal nitrate has one or more selected from the following requirements (a-1) to (a-3): A generator composition is provided.
[0013]
(A-1) The particle size of the particles is 0.5 to 40 μm;
(A-2) Particles having a specific surface area of 0.4 to 6.0 m2/ G;
(A-3) The bulk density of the particles is 0.4 g / ml or more;
Moreover, this invention contains a fuel and basic metal nitrate, The said basic metal nitrate is a secondary particle formed by agglomerating primary particles, The said secondary particle is the following requirements (a-1). The gas generating composition which comprises 1 or more chosen from-(a-3) is provided.
[0014]
(A-1) The particle size of the particles is 0.5 to 40 μm;
(A-2) Particles having a specific surface area of 0.4 to 6.0 m2/ G;
(A-3) The bulk density of the particles is 0.4 g / ml or more;
Furthermore, this invention provides the inflator for airbags using said gas generating agent composition.
[0015]
In addition, the measurement conditions of each requirement of said (a)-(d), (a-1)-(a-3) are shown in an Example.
[0016]
Examples of the basic metal nitrate in the present invention include a series of compounds represented by the following formulas. Further, there may be a compound containing hydration water. In the formula, M is a metal, x 'is the number of metals, and y and y' are NO.ThreeThe number of ions, z 'is the number of OH ions, and n is M (NOThree)yM (OH) for the partzThe ratio of the parts is shown.
[0017]
M (NOThree)y・ NM (OH)zOr Mx '(NOThree)y '(OH)z '
Examples of those corresponding to the above formula include Cu, cobalt, zinc, manganese, iron, molybdenum, bismuth, cerium as the metal M, Cu2(NOThree) (OH)Three, CuThree(NOThree) (OH)Five・ 2H2O, Co2(NOThree) (OH)Three, Zn2(NOThree) (OH)Three, Mn (NOThree) (OH)2, FeFour(NOThree) (OH)11・ 2H2O, Bi (NOThree) (OH)2, Ce (NOThree)Three(OH) ・ 3H2O is mentioned.
[0018]
Basic metal nitrates include basic copper nitrate (BCN), basic cobalt nitrate, basic zinc nitrate, basic manganese nitrate, basic iron nitrate, basic molybdenum nitrate, basic bismuth nitrate and basic cerium nitrate. 1 or more types selected are mentioned, Among these, basic copper nitrate is preferable.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The heat-stable basic metal nitrate of the present invention has one or more of the following requirements (a) to (d), preferably one or more, and preferably has all of the requirements. More preferably. In addition, in the case of having two or more requirements, it is desirable that at least the requirement (a) is satisfied.
[0020]
Requirement (a): The particle size is in the range of 0.5 to 40 μm, preferably 0.5 to 20 μm, more preferably 1 to 10 μm;
Requirement (b): having a crystallinity such that the half width of the peak in the X-ray diffraction method is 0.35 deg or less, preferably 0.26 deg or less;
Requirement (c): The weight loss starting temperature by TG-DTA analysis is 220 ° C. or higher, preferably 215 ° C. or higher;
Requirement (d): Impurity content is 1000 ppm or less, preferably 600 ppm or less in terms of Na atom;
The basic metal nitrate of this embodiment is excellent in thermal stability.
[0021]
Next, the manufacturing method of said basic metal nitrate is demonstrated. The basic metal nitrate of the present invention can be produced, for example, by reacting a nitrate metal salt with an alkali metal hydrogen carbonate. Taking the basic copper nitrate as an example, the reaction process is represented by the following reaction formula (II).
4Cu (NOThree)2・ 3H2O + 6MHCOThree→
Cu (NOThree)2・ 3Cu (OH)2+ 6MNOThree+ 6CO2+ 12H2O (II)
(In the formula, M is an alkali metal.)
As is clear from this reaction formula (II), by selecting an alkali metal carbohydrogen salt as a basic weak acid salt, the alkali metal hydrogen carbonate salt reacts with the nitrate metal salt, and the alkali metal ion binds to the nitrate radical. Thus, an alkali metal nitrate that dissolves well in water is formed, and the hydrogen carbonate anion reacts with hydrogen ions to be converted into carbon dioxide gas and water.
[0022]
According to the production method of the present invention represented by the reaction formula (II), the produced nitric acid is neutralized with a basic weak acid salt, and the weak acid after neutralization is unstable and escapes from the solution as a gas. The production of basic metal nitrates is not hindered.
[0023]
As a method for producing the basic metal nitrate of the present invention, a method of reacting the above-mentioned metal nitrate with an alkali metal hydrogen carbonate is desirable, but a strong basic substance such as an alkali metal hydroxide compound or an alkali metal carbonate ( For example, a method using potassium hydroxide or sodium carbonate is also applicable. When the strong basic substance is used, by-products are generated by side reactions as shown in the reaction formulas (III), (IV), and (V). Is considered to be worse.
[0024]
2KOH + Cu (NOThree)2 → Cu (OH)2 + 2KNOThree (III)
Cu (NOThree)2・ 3Cu (OH)2+ 2KOH → 4CuO + 4H2O + 2KNOThree (IV)
Cu (NOThree)2・ 3Cu (OH)2+ 2Na2COThree → 2Cu2OThree(OH)2 + 2NaOH + 2NaNOThree (V)
Examples of the metal nitrate include cobalt nitrate, copper nitrate, zinc nitrate, manganese nitrate, iron nitrate, molybdenum nitrate, bismuth nitrate, and cerium nitrate. Among these, copper nitrate is preferable. As copper nitrate, the compound shown by the following general formula (I) is preferable, and copper nitrate trihydrate and copper nitrate hexahydrate are more preferable. Such a copper nitrate compound is commercially available and can be obtained at low cost.
[0025]
Cu (NOThree)2・ NH2O (I)
(In the formula, n is 0 to 6.)
Metal nitrates such as copper nitrate can be used in an aqueous solution or in a mixed solvent of water-soluble organic solvent (for example, ethanol) and water, but are generally used in the form of an aqueous solution.
[0026]
The concentration of metal nitrate such as copper nitrate in the solution is not particularly restricted, and may be arbitrarily selected from the concentration from 1% solution to saturated solution, but in general, metal nitrate such as 1 mol of copper nitrate. The amount of the solvent used for the salt is preferably about 200 to 5000 ml. When the concentration is higher than this range, crystallization of basic metal nitrates such as basic copper nitrate obtained tends to be worsened, and thermal stability is worsened. Even if the solvent is used in a large excess, an effect commensurate with the amount used is not obtained, and post-treatment such as recovery of the alkali metal nitrate as a by-product takes time and is not preferable.
[0027]
Examples of the alkali metal hydrogen carbonate that neutralizes the metal nitrate such as copper nitrate include sodium hydrogen carbonate, potassium hydrogen carbonate, lithium hydrogen carbonate, rubidium hydrogen carbonate, and cesium hydrogen carbonate. Sodium hydrogen carbonate and potassium hydrogen carbonate are preferred. Such alkali metal hydrogen carbonate is an industrial chemical mass-produced, and is an industrial raw material that is inexpensive and easily available industrially.
[0028]
The alkali metal hydrogen carbonate can be used in solid or solution form. As a solvent in the case of a solution, water or a mixed solvent of water-soluble organic solvent (for example, ethanol) and water can be used. Generally, it is used in the state of an aqueous solution.
[0029]
The amount of solvent used is preferably about 1 to 10 liters per mole of alkali metal hydrogen carbonate. If the alkali metal hydrogen carbonate salt is solid or has a concentration higher than the above range, it should be added to the nitrate metal salt solution such as copper nitrate unless the nitric acid concentration in the nitrate metal salt solution such as copper nitrate is lowered. Occasionally, the alkali concentration becomes locally high, and the formation of side reaction copper hydroxide occurs, and it may be impossible to obtain a basic metal nitrate such as basic copper nitrate having good reproducibility and good thermal stability.
[0030]
The mixing ratio of the metal nitrate such as copper nitrate and the alkali metal hydrogen carbonate is preferably 2 mol or less per 1 mol of the metal nitrate such as copper nitrate, and is 1.0 to 1.7 mol. A range is more preferred. If the amount of alkali metal hydrogen carbonate is less than this range, the quality of basic metal nitrates such as basic copper nitrate will not be improved, and only the yield of basic metal nitrates such as basic copper nitrate will be lowered. It is meaningless as a simple manufacturing method. On the other hand, when the amount is larger than this range, a metal hydroxide such as copper hydroxide is mixed in a basic metal nitrate such as basic copper nitrate.
[0031]
A method for mixing a metal nitrate such as copper nitrate and an alkali metal hydrogen carbonate is not particularly limited, but it is generally preferable to add an alkali metal hydrogen carbonate solution to a solution of a metal nitrate such as copper nitrate. In addition, it is also possible to use a method in which a metal nitrate such as copper nitrate and an alkali metal hydrogen carbonate are added almost simultaneously to a solution adjusted to a certain pH value in advance. When adding, in order to avoid a local increase in alkali concentration, it is preferable to add them under agitation, and to further devise measures such as adding one or more addition ports. The rate of addition is affected by the scale of the reaction, the degree of stirring, the concentration of the aqueous solution, the number of addition ports, the mixing temperature, etc. and must be determined in consideration of these factors. It is preferable to add it slowly in order to suppress it.
[0032]
The mixing temperature of the nitrate metal salt such as copper nitrate and the alkali metal hydrogen carbonate is not particularly restricted, and is generally carried out in the range of room temperature to 100 ° C., but is preferably carried out under heating.
[0033]
The aging time after completion of addition is unconditionally determined because it is affected by the mixing temperature, mixing time, etc. However, it is preferable to shorten the aging time when the mixing temperature is high. If the aging time is longer than necessary, a part of the basic metal nitrate such as basic copper nitrate is decomposed and the thermal stability becomes poor. In addition, when the aging time is short, crystallization of basic metal nitrates such as basic copper nitrate is not sufficient, and the thermal stability is deteriorated. Therefore, it is desirable to determine in consideration of these effects.
[0034]
In addition to the reaction conditions described above, the reaction can be performed under the following conditions. The usage-amount of the solvent with respect to 1 mol of metal nitrates, such as copper nitrate, can be 20-400 ml, Preferably it can be 50-200 ml. The usage-amount of the solvent with respect to 1 mol of alkali metal hydrogencarbonate can be 0.2-2.5L, Preferably it can be 0.5-1.5L. The reaction temperature can be 0 to 35 ° C, preferably 5 to 20 ° C.
[0035]
Next, the gas generant composition of the present invention will be described. The gas generant composition of the present invention contains a fuel and a basic metal nitrate and, if necessary, an additive.
[0036]
One embodiment of the basic metal nitrate used in the gas generant composition of the present invention comprises one or more selected from the following requirements (a-1) to (a-3), preferably any Or two requirements, more preferably three requirements.
[0037]
Requirement (a-1): The particle size of the particles is 0.5 to 40 μm, preferably 0.5 to 20 μm, more preferably 1 to 10 μm;
Requirement (a-2): Specific surface area of particles is 0.4 to 6.0 m.2/ G, preferably 0.5 to 4.0 m2/ G, more preferably 0.5 to 2.5 m2/ G;
Requirement (a-3): The bulk density of the particles is 0.4 g / ml or more, preferably 0.4 to 1.0 g / ml, more preferably 0.7 to 1.0 g / ml.
[0038]
By satisfying the requirements (a-1) to (a-3), a compound that becomes unstable when combined with a basic metal nitrate for the following reasons, such as a guanidine derivative (for example, nitroguanidine) and a base When a gas generating composition containing a basic metal nitrate (for example, basic copper nitrate) is produced, the following excellent effects are obtained. In the following description, a case where nitroguanidine and basic copper nitrate having a particularly large effect are used will be described. However, the gas generant composition of the present invention is not limited to the above combination.
[0039]
When nitroguanidine (NQ) and basic copper nitrate (BCN) are mixed, if the physical and / or chemical interaction between NQ and BCN is large, the decomposition temperature of NQ and BCN decreases, It adversely affects the performance of the gas generant composition. That is, NQ -NH2When an interaction (for example, a hydrogen bond or van der Waals force) occurs between the group and the —OH group of BCN and the temperature becomes high, the gas is generated by generating water or the like by a chemical reaction such as dehydration. This adversely affects the performance of the generator composition. However, since the following effects are obtained by satisfying the requirements (a-1) to (a-3), adverse effects on the performance of the gas generant composition are prevented.
[Effects of requirement (a-1)]
If the particle size of the BCN is too small, more BCN adheres to the surface of the NQ and the interaction between them becomes larger and the decomposition temperature is lowered. Therefore, by setting the particle size within the range of the requirement (a-1), it is possible to reduce the interaction and prevent the decomposition temperature from being lowered.
[Effects of requirement (a-2)]
When the specific surface area of BCN is large, the total surface area of BCN is increased even when BCN having the same weight is used as compared with the case where BCN having a small specific surface area is used. As a result, the interaction between NQ and BCN increases. Therefore, by setting the specific surface area within the range of the requirement (a-2), it is possible to reduce the interaction and prevent the decomposition temperature from being lowered.
[Effects of requirement (a-3)]
If the bulk density of BCN is small, the volume per unit weight is large and the specific surface area is large, so the requirement (a-2) is not satisfied. Further, particularly in the case of aggregates, when BCN is destroyed in the production process of the gas generant composition, since the interaction between the freshly crushed surface generated at that time and NQ is large, it is hard aggregated, that is, Those having a high bulk density can reduce the interaction, and as a result, it is possible to prevent the degradation of the decomposition temperature.
[0040]
Other embodiments of the basic metal nitrate used in the gas generant composition of the present invention are selected from the following requirements (b) to (d) in addition to the above requirements (a-1) to (a-3). 1 or more, preferably any two requirements, more preferably three requirements.
[0041]
Requirement (b): having a crystallinity such that the half width of the peak in the X-ray diffraction method is 0.35 deg or less, preferably 0.26 deg or less;
Requirement (c): The weight loss starting temperature by TG-DTA analysis is 220 ° C. or higher, preferably 215 ° C. or higher;
Requirement (d): Impurity content is 1000 ppm or less, preferably 600 ppm or less in terms of Na atom.
[0042]
By providing the requirements (b) and (c), the stability of the basic copper nitrate itself can be improved, and by providing the requirement (d), nitroguanidine and basic copper nitrate are combined. The stability in the case can be increased, and by providing the requirements (b) to (d), the effect of suppressing the interaction between the nitroguanidine and the basic copper nitrate can be further enhanced.
[0043]
In another embodiment of the basic metal nitrate used in the gas generant composition of the present invention, the basic metal nitrate is secondary particles formed by agglomeration of primary particles, and the secondary particles satisfy the following requirements (a -1) to (a-3). One or more selected from (a-3), preferably any two requirements, and more preferably three requirements.
[0044]
Requirement (a-1): The particle size of the particles is 0.5 to 40 μm, preferably 0.5 to 20 μm, more preferably 1 to 10 μm;
Requirement (a-2): Specific surface area of particles is 0.4 to 6.0 m.2/ G, preferably 0.5 to 4.0 m2/ G, more preferably 0.5 to 2.5 m2/ G;
Requirement (a-3): The bulk density of the particles is 0.4 g / ml or more, preferably 0.4 to 1.0 g / ml, more preferably 0.7 to 1.0 g / ml;
By providing the requirements (a-1) to (a-3), the above-described effects can be obtained.
[0045]
In the embodiment where the basic metal nitrate used in the gas generating composition of the present invention is an aggregate, in addition to the above requirements (a-1) to (a-3), the following requirement (b) It comprises one or more selected from (d), preferably any two requirements, more preferably three requirements.
[0046]
Requirement (b): having a crystallinity such that the half width of the peak in the X-ray diffraction method is 0.35 deg or less, preferably 0.26 deg or less;
Requirement (c): The weight loss starting temperature by TG-DTA analysis is 220 ° C. or higher, preferably 215 ° C. or higher;
Requirement (d): Impurity content is 1000 ppm or less, preferably 600 ppm or less in terms of Na atom.
[0047]
By providing the requirements (b) to (d), the effects described above can be obtained.
[0048]
The basic metal nitrate composed of secondary particles in which the primary particles are aggregated is preferably formed by agglomerating a large number of primary particles having a needle shape or plate shape and / or a spherical shape or similar shape. “Acicular or plate-like” means that only needle-like particles, only plate-like particles, and plate-like particles whose width is gradually increased from needle-like particles to needle-like particles are mixed. "Spherical or similar shape" means that only spherical particles, similar shapes, for example, only those with irregularities on the surface of the true sphere or only elliptical particles, from true spherical particles It means that particles having similar shapes such as an oval are mixed.
[0049]
As the basic metal nitrate composed of secondary particles, for example, a large number of acicular or plate-like primary particles are laminated and aggregated, and the lowermost layer is radially arranged, and sequentially laminated in one direction radially. And, for example, those in which needle-like or plate-like primary particles are laminated so as to form a “chrysanthemum flower shape”.
[0050]
Such a basic metal nitrate composed of secondary particles in which primary particles are aggregated, for example, in the above-described method for producing basic metal nitrate, the concentration, reaction temperature, and aging time of the nitrate metal salt and alkali metal bicarbonate are determined. It can be obtained by changing.
[0051]
The amount of the solvent used with respect to 1 mole of the metal nitrate (anhydride equivalent) such as copper nitrate is preferably 20 to 400 ml, more preferably 50 to 200 ml. The amount of the solvent used with respect to 1 mole of the alkali hydrogen carbonate metal salt is 0.00. 2 to 2.5 liters is preferable, and 0.5 to 1.5 liters is more preferable.
[0052]
The reaction temperature is preferably about 10 to 35 ° C, more preferably around room temperature. It is preferable to set the aging time longer than the case of heating.
[0053]
Examples of the fuel contained in the gas generant composition of the present invention include those selected from guanidine derivatives, azole derivatives, triazine derivatives, and transition metal complexes.
[0054]
Examples of the guanidine derivative include one or more selected from guanidine, mono-, di- or triaminoguanidine nitrate, guanidine nitrate, guanidine carbonate, nitroguanidine (NQ), dicyandiamide (DCDA), and nitroaminoguanidine nitrate. Nitroguanidine and dicyandiamide are preferred.
[0055]
As azole derivatives, tetrazole, 5-aminotetrazole, 5,5′-bi-1H-tetrazole, 5-nitroaminotetrazole, zinc salt of 5-aminotetrazole, copper salt of 5-aminotetrazole, bitetrazole, bitetrazole Potassium salt (BHTK), bitetrazole sodium salt, bitetrazole magnesium salt, bitetrazole calcium salt, bitetrazole diammonium salt (BHTNH)Three), One or more selected from bitetrazole copper salt and bitetrazole melamine salt. Among these, a bitetrazole diammonium salt is preferable because the nitrogen atom content is 81.4% by weight, the LD50 (oral-rat) is 2000 mg / kg, and the combustion efficiency is good. The bitetrazole compound herein includes a 5-5 'conjugate and a 1-5' conjugate of two tetrazole rings, and the 5-5 'isomer is preferred from the viewpoint of cost and availability.
[0056]
Triazine derivatives include melamine, trimethylol melamine, alkylated methylol melamine, ammelin, ammeland, cyanuric acid, melam, melem, melamine nitrate, melamine perchlorate, trihydrazinotriazine, melamine nitrated compounds, etc. One or more selected may be mentioned. Among these, melamine and trihydrazinotriazine (THT) having an LD50 (oral-rat) of 3161 mg / kg, high fuel stability, safe and inexpensive during handling are preferable.
[0057]
Among the above-mentioned fuels, nitroguanidine is particularly preferable because it can reduce physical and chemical interaction when combined with the above basic metal nitrate.
[0058]
The fuel content in the gas generant composition varies depending on the type of oxidant and the oxygen balance, but is preferably 10 to 60% by weight, more preferably 20 to 50% by weight.
[0059]
Further, the content of the basic metal nitrate in the gas generating composition is preferably 40 to 90% by weight, more preferably 50 to 80% by weight.
[0060]
The gas generant composition may further contain additives such as a binder and a slag forming agent. As the binder, carboxymethylcellulose (CMC), carboxymethylcellulose sodium salt (CMCNa), carboxymethylcellulose potassium salt, carboxymethylcellulose ammonium salt, cellulose acetate, cellulose acetate butyrate (CAB), methylcellulose (MC), ethylcellulose (EC), hydroxy Ethyl cellulose (HEC), ethyl hydroxyethyl cellulose (EHEC), hydroxypropyl cellulose (HPC), carboxymethyl ethyl cellulose (CMEC), microcrystalline cellulose, polyacrylamide, polyacrylamide amination, polyacryl hydrazide, acrylamide / metal acrylate Copolymer, Copolymer of polyacrylamide / polyacrylic acid ester compound Polyvinyl alcohol, acrylic rubber, guar gum, starch, silicone, molybdenum disulfide, acid clay, talc, bentonite, diatomaceous earth, kaolin, calcium stearate, silica, alumina, sodium silicate, silicon nitride, silicon carbide, hydrotalcite, mica , One or more selected from metal oxides, metal hydroxides, metal carbonates, basic metal carbonates, and molybdates. Among these, taking into account combinations of the above fuels and basic metal nitrates Guam gum is preferred.
[0061]
Examples of the metal hydroxide include one or more selected from cobalt hydroxide and aluminum hydroxide. Examples of the metal carbonate and basic metal carbonate include calcium carbonate, cobalt carbonate, basic zinc carbonate, and basic carbonate. 1 or more types chosen from copper, basic cobalt carbonate, basic iron carbonate, basic bismuth carbonate, basic magnesium carbonate are mentioned, As molybdate, 1 or more types chosen from cobalt molybdate and ammonium molybdate Is mentioned.
[0062]
The content of additives such as a binder in the gas generant composition is preferably 0.1 to 15% by weight, more preferably 0.5 to 12% by weight.
[0063]
The gas generant composition of the present invention is in a state where the gas generant composition (including 40 g of the gas generant) is sealed, specifically in a stainless steel container having an internal volume of 118.8 ml, and 110 ° C. in a sealed state. When the gas generating agent is held for 400 hours, the weight loss rate of the gas generating agent is 2.0% or less, preferably 1.0% or less, more preferably 0.5% or less.
[0064]
The gas generant composition of the present invention can be molded into a desired shape, and can be formed into a single-hole cylindrical, porous cylindrical, or pellet-shaped molded body. These molded products are prepared by adding water or an organic solvent to the gas generating composition, mixing and extruding (single-hole cylindrical or porous cylindrical molded body) or compression molding using a tableting machine or the like. It can be manufactured by (pellet-shaped molded body).
[0065]
The gas generant composition of the present invention includes, for example, an inflator for an airbag of a driver seat of various vehicles, an inflator for an airbag of a passenger seat, an inflator for a side airbag, an inflator for an inflatable curtain, an inflator for a knee bolster, and an inflatable seat belt. It can be applied to inflators for tubes, inflators for tubular systems and gas generators for pretensioners.
[0066]
The inflator using the gas generant composition of the present invention may be either a pyro type gas supply only from a gas generant or a hybrid type gas which is both a compressed gas such as argon and a gas generant.
[0067]
Furthermore, the gas generant composition of the present invention can also be used as an igniter called an enhancer (or booster) for transmitting the energy of the detonator or squib to the gas generant.
[0068]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in more detail, this invention is not limited by these.
(1) Confirmation of particle size and particle morphology (whether they are aggregates)
The sample powder was fixed to a dedicated sample stage, and the particle size of the sample powder in the observation field images of 500 times, 2,000 times, and 10,000 times was measured with a scanning electron microscope, and the particle morphology was determined at the same time. When the particles were secondary particles (aggregates), the particle size of the primary particles was measured in the same manner after breaking the secondary particles into primary particles. When the particles are acicular particles, the length is the particle size, when the particles are plate-like particles, the maximum diagonal length is the particle size, and for particles similar to a true sphere, the major axis is the particle size.
(2) Specific surface area
Nitrogen gas was used and measured by the BET method.
(3) Bulk density
The sample powder placed in a 10 ml graduated cylinder was placed on a horizontal table and obtained after tapping on the horizontal table 30 times.
(4) Measurement of crystallinity (half width)
The full width at half maximum was determined from the main peak obtained by the powder X-ray diffraction method (Rietveld method).
(5) TG-DTA (thermogravimetric-differential thermal analysis) measurement
The heating rate was 20 / min.
(6) Impurity content (Na atom equivalent)
It was determined by atomic absorption analysis.
(7) Thermal stability
The observation was made by changing the appearance when 5 g of basic metal nitrate such as basic copper nitrate was put in water and heat-treated at 80 ° C. for 10 minutes. Those with poor thermal stability turn black by this heat treatment.
(8) Heat resistance test (weight reduction rate)
The gas generant composition (including 40 g of the gas generant) was placed in an aluminum container, the total weight was measured, and (total weight-aluminum container weight) was taken as the sample weight before the test. The aluminum container containing the sample was placed in a SUS thick-walled container (internal volume 118.8 ml), capped, and then placed in a thermostatic chamber at 110 ° C. At this time, a rubber packing and a clamp were used so that the container was sealed. After a lapse of a predetermined time, the SUS thick container was taken out from the thermostatic bath, the lid was opened after the container returned to room temperature, and the aluminum container was taken out from the inside. The total weight of each aluminum container was measured, and (total weight-aluminum container weight) was taken as the sample weight after the test. And the heat resistance was evaluated by comparing the weight change before and after the test to determine the weight reduction rate. The weight reduction rate was obtained from [(gas generating agent weight before test−gas generating agent weight after test) / gas generating agent weight before test] × 100.
[0069]
Comparative Example 1
In a beaker equipped with a stirrer, 241.6 g (1.00 mol) of copper nitrate trihydrate was weighed, then 500 ml of distilled water was charged, and the solution obtained by dissolving with stirring was heated at 60 ° C. An aqueous solution in which 84.15 g (1.50 mol) of potassium hydroxide was dissolved in 500 ml of distilled water was added dropwise over 1 hour with stirring. After the addition of the aqueous potassium hydroxide solution, the mixture was stirred at 60 ° C. for 30 minutes. The gel-like precipitate produced at room temperature was filtered and washed with distilled water. The obtained basic copper nitrate was a light blue solid, but a gray part was seen in a part of the solid, and the filterability was poor. When a part of the washed product was dried in the air at 110 ° C., the black color was decomposed in the belt drying process, and the thermal stability was very poor. The remaining washed product was dried at 110 ° C. under reduced pressure of 1333.22 Pa (10 mmHg) to obtain basic copper nitrate. Table 1 shows the measurement results.
[0070]
Example 1
A beaker equipped with a stirrer was weighed with 36.3 g of copper nitrate trihydrate, then charged with 100 ml of distilled water and dissolved with stirring, and the resulting solution was heated to 60 ° C. A sodium bicarbonate aqueous solution in which 18.9 g of sodium bicarbonate was dissolved in 240 ml of water was added over 1 hour. After completion of the addition, the mixture was aged with stirring at 60 ° C. for 60 minutes. The precipitate formed at room temperature was filtered and washed with distilled water. A light blue solid with very good filterability was obtained. When a part of the washed product was dried at 110 ° C. in the air, it was kept light blue and had a very good thermal stability. The remaining washing product was dried under reduced pressure of 110 ° C. and 1333.22 Pa to obtain basic copper nitrate in a yield of 17.4 g (yield 96.5%). Table 1 shows the measurement results.
[0071]
Example 2
A beaker equipped with a stirrer was weighed with 36.3 g of copper nitrate trihydrate, then charged with 100 ml of distilled water and dissolved with stirring, and the resulting solution was heated to 80 ° C. A sodium bicarbonate aqueous solution in which 18.9 g of sodium bicarbonate was dissolved in 240 ml of water was added over 1 hour. Immediately after the addition, the precipitate was filtered and washed with distilled water to obtain a light blue solid with very good filterability. When a part of the washed product was dried in the air at 110 ° C., it was kept light blue and had good thermal stability. The remaining washing product was dried at 110 ° C. under reduced pressure of 1333.32 Pa to obtain basic copper nitrate. Table 1 shows the measurement results.
[0072]
Example 3
In a beaker equipped with a stirrer, 214.6 g (1.00 mol) of copper nitrate trihydrate was weighed, and then 500 ml of distilled water was charged and dissolved while stirring, and the resulting solution was heated to 40 ° C. An aqueous solution in which 126 g (1.50 mol) of sodium bicarbonate was dissolved in 1000 ml of distilled water was added over 1 hour. After completion of the addition of sodium bicarbonate, the mixture was heated to 80 ° C. and aged with stirring for 30 minutes. The precipitate was filtered, washed and dried to obtain pale blue basic copper carbonate. Table 1 shows the measurement results.
[0073]
Example 4
A light blue basic copper carbonate was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of sodium hydrogen carbonate was 21.4 g. Table 1 shows the measurement results.
[0074]
Comparative Example 2
In a beaker equipped with a stirrer, 241.6 g (1.00 mol) of copper nitrate trihydrate was weighed, and then 1000 ml of distilled water was charged and dissolved with stirring, and the resulting solution was heated at 95 ° C. Subsequently, 123.0 g (1.50 mol) of anhydrous sodium acetate was added little by little. After the addition of sodium acetate was complete, the mixture was stirred for an additional 30 minutes. The precipitate produced at room temperature was filtered, washed, and dried to obtain 84.7 g (yield: about 70.5%) of a pale blue solid, but the yield was worse than that of Example 1. Table 1 shows the measurement results.
[0075]
[Table 1]
[0076]
Example 5
In a beaker equipped with a stirrer, 36.3 g of copper nitrate trihydrate was weighed, and then 20 ml of distilled water was charged and dissolved with stirring at room temperature (20 ° C.) to obtain a solution. A sodium bicarbonate aqueous solution in which 18.9 g of sodium bicarbonate was dissolved in 240 ml of water was added dropwise at room temperature over 1.5 hours. After completion of dropping, the mixture was aged for 2 hours with stirring at room temperature. The resulting precipitate is filtered, washed with distilled water until the filtrate is neutral, dried to a constant weight under reduced pressure at 110 ° C. and 1333.22 Pa, and aggregated into a “chrysanthemum flower shape” 16.0 g of basic copper nitrate was obtained. Table 2 shows the measurement results. Scanning electron micrographs of the basic copper nitrate obtained in Example 5 are shown in FIG. 1 (× 10,000), FIG. 2 (× 10,000), FIG. 3 (× 500), and FIG. 4 (× 2000). ).
[0077]
Example 6
24.2 g of copper nitrate trihydrate was dissolved in 105 ml of water, and a solution prepared by dissolving 12.6 g of sodium bicarbonate in 240 ml of water was added dropwise at 60 ° C. over 1 hour with stirring. After completion of the dropwise addition, the mixture was aged at 60 ° C. for 1 hour with continuous stirring to produce a precipitate. The obtained precipitate was washed with pure water until the filtrate became neutral, and dried with hot air at 110 ° C. until a constant weight was obtained. Each measurement result of the obtained basic copper nitrate is shown in Table 2.
[0078]
Example 7
A solution prepared by dissolving 90.5 g of copper nitrate in 50 g of water in 200 g of water adjusted to pH 3.8 with nitric acid was continuously added over 5 hours and 30 minutes while maintaining the temperature at 5 ° C. During this time, a solution prepared by dissolving 47.5 g of sodium hydrogen carbonate in 600 g of water was added so that the pH was maintained between 5.4 and 5.6. After completion of the addition, filtration, washing and drying were performed to obtain 39.7 g of basic copper nitrate. Each measurement result of the obtained basic copper nitrate is shown in Table 2, and scanning electron micrographs (× 500, × 2000, × 5000) are shown in FIG. 5, FIG. 6, and FIG.
[0079]
[Table 2]
[0080]
Example 8
Nitroguanidine / basic copper nitrate of Example 5 / guam gum = 44.2 / 52.8 / 3.0 (% by weight) were mixed to obtain a gas generant composition. When the weight loss rate of this composition was measured, it was 0.12% after 94 hours, 0.25% after 234 hours, and 0.36% after 405 hours.
[0081]
【The invention's effect】
Since the basic metal nitrate of the present invention has high thermal stability, even if it is left in a high temperature atmosphere for a long period (for example, 10 to 10 years), it does not cause degradation such as decomposition, so that it is particularly safe for automobiles. It is suitable as an oxidizing agent for a gas generating agent used for an airbag inflator as a device.
[0082]
In addition, when the basic metal nitrate of the present invention is combined with a fuel component, particularly a guanidine derivative such as nitroguanidine, the physical and chemical interaction is suppressed, so the decomposition temperature of the fuel component is lowered and the heat resistance is lowered. Can be prevented.
[0083]
Furthermore, according to the production method of the present invention, a basic metal such as basic copper nitrate is used under the reaction conditions that can be easily controlled without using special reaction equipment, using raw materials that are inexpensive and easily available industrially. Nitrate can be produced industrially.
[0084]
Since the gas generant composition of the present invention is excellent in thermal stability, high reliability can be maintained for a long time when applied to various inflators.
[Brief description of the drawings]
1 is a scanning electron micrograph (× 10,000) of basic copper nitrate obtained in Example 5. FIG.
2 is a scanning electron micrograph (× 10,000) of basic copper nitrate obtained in Example 5. FIG.
3 is a scanning electron micrograph (× 500) of basic copper nitrate obtained in Example 5. FIG.
4 is a scanning electron micrograph (× 2000) of basic copper nitrate obtained in Example 5. FIG.
5 is a scanning electron micrograph (× 500) of basic copper nitrate obtained in Example 7. FIG.
6 is a scanning electron micrograph (× 2000) of basic copper nitrate obtained in Example 7. FIG.
7 is a scanning electron micrograph (x5000) of basic copper nitrate obtained in Example 7. FIG.
Claims (12)
(a−1)粒子の粒径が0.5〜40μm;
(a−2)粒子の比表面積が0.4〜6.0m2/g;
(a−3)粒子の嵩密度が0.4g/ml以上;It contains fuel and basic copper nitrate, and the basic copper nitrate has two or more selected from the following requirements (a-1) to (a-3) , and at least the requirement (a-1): A gas generating composition which is provided .
(A-1) The particle size of the particles is 0.5 to 40 μm;
(A-2) The specific surface area of the particles is 0.4 to 6.0 m 2 / g;
(A-3) The bulk density of the particles is 0.4 g / ml or more;
(b)X線回折法におけるピークの半値幅が0.35deg以下となる結晶化度を有すること;
(c)TG−DTA分析による重量減少開始温度が220℃以上であること;
(d)不純物の含有量がNa原子換算で1000ppm以下であること。A fuel and basic copper nitrate are contained, and the basic copper nitrate further includes one or more selected from the following requirements (b) to (d) in addition to the requirements (a-1) to (a-3): The gas generant composition according to claim 1, wherein
(B) having a degree of crystallinity such that the full width at half maximum of the peak in the X-ray diffraction method is 0.35 deg or less;
(C) The weight reduction starting temperature by TG-DTA analysis is 220 ° C. or higher;
(D) The content of impurities is 1000 ppm or less in terms of Na atom.
(a−1)粒子の粒径が0.5〜40μm;
(a−2)粒子の比表面積が0.4〜6.0m2/g;
(a−3)粒子の嵩密度が0.4g/ml以上;Fuel and basic copper nitrate are contained, and the basic copper nitrate is secondary particles formed by agglomeration of primary particles, and the secondary particles are the following requirements (a-1) to (a-3): A gas generating composition comprising at least two selected from the group consisting of at least the requirement (a-1) .
(A-1) The particle size of the particles is 0.5 to 40 μm;
(A-2) The specific surface area of the particles is 0.4 to 6.0 m 2 / g;
(A-3) The bulk density of the particles is 0.4 g / ml or more;
(b)X線回折法におけるピークの半値幅が0.35deg以下となる結晶化度を有すること;
(c)TG−DTA分析による重量減少開始温度が220℃以上であること;
(d)不純物の含有量がNa原子換算で1000ppm以下であること。A fuel and basic copper nitrate are contained, and the basic copper nitrate further includes one or more selected from the following requirements (b) to (d) in addition to the requirements (a-1) to (a-3): The gas generant composition according to claim 3, wherein
(B) having a degree of crystallinity such that the full width at half maximum of the peak in the X-ray diffraction method is 0.35 deg or less;
(C) The weight reduction starting temperature by TG-DTA analysis is 220 ° C. or higher;
(D) The content of impurities is 1000 ppm or less in terms of Na atom.
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