JP4793082B2 - ロール状反射型偏光素子、ロール状反射吸収一体型偏光素子、ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子及びロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法 - Google Patents

ロール状反射型偏光素子、ロール状反射吸収一体型偏光素子、ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子及びロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロール状反射型偏光素子、ロール状反射吸収一体型偏光素子、ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子及びロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法に関する。
液晶表示装置には輝度向上フィルムとして反射型偏光子が広く使用されている。液晶表示装置は、バックライト、吸収型偏光板B、液晶セル、吸収型偏光板Aの順に配置されている。バックライトと吸収型偏光板Bの間に反射型偏光素子を適当な角度で配置することにより、吸収型偏光板で吸収されていた光を反射型偏光子により反射させ再利用することにより輝度向上することができる。現在、広く使用されている輝度向上フィルムの代表として、住友3M社製のDBEFがある。これはPET、PEN等の複屈折の大きなポリエステルからなり、偏光板とは別部材として供給されている。
吸収型偏光板としては、偏光子であるヨウ素を吸着させたPVA(ポリビニルアルコール)に接着性の良好なケン化したセルロースエステルフィルムを貼合したものが広く使用されている。PVAフィルムとケン化したセルロースエステルフィルム以外の素材との接着は経時での膜はがれ等の問題が起こり易く耐久性に課題がある。従って、PENやPET等を用いた輝度向上フィルムを直接偏光子に貼合するのは困難であった。
反射型偏光素子のひとつとして金属細線を周期的に配列したワイヤグリッド偏光素子が知られている。ワイヤグリッド偏光素子は、図1に模式的に示されるように金属細線を周期的に配列した構造からなる。図1中、110は金属グリッド、120はロール基板、tは金属グリッド高さ、wは金属グリッド幅、pは金属グリッドピッチを表す。
従来、ワイヤグリッド偏光素子は高い偏光分離能を持つことが知られているが、可視光域での用途には金属細線の間隔(p)を非常に細密にする必要があり工業的な生産においては大きな課題となっていた。ワイヤグリッド偏光素子を作製する一般的な方法として、フォトリソグラフィー法があるが、この方法により可視光域で使用できる偏光分離素子を作製するには電子線や紫外線等非常に短波の光を用いてパターン描画をする必要がありこれが大きな課題となっていた。また、金属グリッド作製の際には真空もしくは減圧条件下での蒸着を用いるのが一般的な手法であり、連続的な大量生産には向かなかった(例えば、特許文献1参照)。
また、異方性金属粒子を用いて偏光素子を作製する方法が公開されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では金属粒子の平均長軸長さが10〜200nmであり、平均短軸長さが1〜10nmと規定されている。金属粒子は粒径が50nm以下であるとプラズモン吸収といわれる特異な吸収を持つ。例えば、Agであれば約400nm、Auであれば約520nmに非常に大きな吸収を持つことになる。このようなプラズモン吸収を可視光に持つ偏光素子を液晶表示素子に組み込むとバックライト光を吸収し輝度向上フィルムとしての機能を果たさない。また、特許文献2では金属の異方性によるプラズモン吸収のシフトを利用した吸収型偏光素子であり、本発明の反射型偏光素子とは原理的に異なる。
特開2005−195824号公報 特開平9−43429号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、偏光子との接着性が良好で、大量生産性に適し、部材の低減が可能で、偏光板に一体化したとき輝度が向上し、位相差フィルムとの組み合わせにより液晶パネルの視野角が拡大されるロール状反射型偏光素子、ロール状反射吸収一体型偏光素子、ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子及びロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
[1].(1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
(2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
(3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
(4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
(7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
(4) Ro=(Nx−Ny)×d
(5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
(式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
の製造方法であって、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状反射型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状反射型偏光素子の製造方法。
[2].偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が、
(1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
(2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
(3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
(4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
(7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
(4) Ro=(Nx−Ny)×d
(5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
(式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
であって、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
[3].偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が、
(1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
(2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
(3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
(4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
(7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
(4) Ro=(Nx−Ny)×d
(5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
(式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
であり、もう一枚の保護フィルムの前記式(4)で表される面内方向のリタデーションRoが40〜60nmであり、前記式(5)で表される厚み方向のリタデーションRthが100〜150nmであり、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
[4].偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が、
(1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
(2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
(3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
(4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
(7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
(4) Ro=(Nx−Ny)×d
(5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
(式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
であり、かつセルロースエステルフィルムの位相差フィルムであり、もう一枚の保護フィルムの前記式(4)で表される面内方向のリタデーションRoが40〜60nmであり、前記式(5)で表される厚み方向のリタデーションRthが100〜150nmであり、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
以下は、本発明の好ましい態様である。
1.ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であることを特徴とするロール状反射型偏光素子。
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
2.前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属であることを特徴とする前記1に記載のロール状反射型偏光素子。
3.400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上であることを特徴とする前記1または2に記載のロール状反射型偏光素子。
4.前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子。
5.前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子。
6.前記ロール基板がセルロースエステルフィルムであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子。
7.下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子。
(4) Ro=(Nx−Ny)×d
(5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
(式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
8.偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が前記1〜7のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子であることを特徴とするロール状反射吸収一体型偏光素子。
9.偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が前記1〜7のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子であり、もう一枚の保護フィルムの前記式(4)で表される面内方向のリタデーションRoが40〜60nmであり、前記式(5)で表される厚み方向のリタデーションRthが100〜150nmであることを特徴とするロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子。
10.偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が前記1〜7のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子で、かつセルロースエステルフィルムの位相差フィルムであり、もう一枚の保護フィルムの前記式(4)で表される面内方向のリタデーションRoが40〜60nmであり、前記式(5)で表される厚み方向のリタデーションRthが100〜150nmであることを特徴とするロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子。
11.偏光板A、液晶セル、偏光板B、バックライトユニットがこの順に配列されている液晶表示装置において、該偏光板Bが前記8に記載のロール状反射吸収一体型偏光素子、前記9に記載のロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子または前記10に記載のロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子であり、反射型偏光分離層が、前記ロール状反射吸収一体型偏光素子、前記ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子または前記ロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の吸収型偏光素子よりもバックライト側にあることを特徴とする液晶表示装置。
12.前記1〜7のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子の製造方法において、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成することを特徴とするロール状反射型偏光素子の製造方法。
13.前記8に記載のロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成することを特徴とするロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
14.前記9に記載のロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成することを特徴とするロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
15.前記10に記載のロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成することを特徴とするロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
16.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成した後、幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整することを特徴とする前記12に記載のロール状反射型偏光素子の製造方法。
17.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成した後、幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整することを特徴とする前記13に記載のロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
18.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成した後、幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整することを特徴とする前記14に記載のロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
19.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成した後、幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整することを特徴とする前記15に記載のロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
20.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とする前記12または16に記載のロール状反射型偏光素子の製造方法。
21.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とする前記13または17に記載のロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
22.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とする前記14または18に記載のロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
23.バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とする前記15または19に記載のロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法。
本発明によれば、偏光子との接着性が良好で、大量生産性に適し、部材の低減が可能で、偏光板に一体化したとき輝度が向上し、位相差フィルムとの組み合わせにより液晶パネルの視野角が拡大されるロール状反射型偏光素子、ロール状反射吸収一体型偏光素子、ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子及びロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法を提供することができる。
本発明者は、上記課題鑑み鋭意検討を行った結果、
(1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
(2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
(3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
(4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
(6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
(7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
(4) Ro=(Nx−Ny)×d
(5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
(式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
の製造方法であって、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状反射型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状反射型偏光素子の製造方法により、偏光子との接着性が良好で、大量生産性に適し、部材の低減が可能で、偏光板に一体化したとき輝度が向上し、位相差フィルムとの組み合わせにより液晶パネルの視野角が拡大されるロール状反射型偏光素子の製造方法を実現できることを見出し、本発明に至った。
本発明では、偏光板保護フィルムにセルロースエステルフィルムを用いることにより、偏光子であるPVAフィルムとの接着も容易であり、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を塗布する簡易な手法により輝度向上機能を発現させることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
〔反射型偏光分離層〕
本発明に係る反射型偏光分離層はバインダ及びナノワイヤを含有する。
(バインダ)
本発明に用いられるバインダとしては、基材との接着性が良好であることが好ましく、セルロースエステル樹脂(TAC、CAP、DAC、CAB等)、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や紫外線硬化樹脂等を用いることができる。
ロール基板はセルロースエステルが好ましく、ロール基板にセルロースエステルを用いる場合は、反射型偏光分離層のバインダはセルロースエステル樹脂やアクリル樹脂等が好ましく用いられる。
(ナノワイヤ)
本発明に用いられるナノワイヤとしては、可視光での反射率の高いものが好適で、銀、アルミニウム、ニッケル、ロジウムまたは白金の金属が好ましい。可視光の反射率が平坦で、高い反射率であることを考慮すると銀またはアルミニウムがより好ましい。
本発明に用いられるナノワイヤの平均短軸径(Xnm)は金属の反射率を高めるため50nm以上が好ましい。偏光分離機能を考慮すると140nm以下が好ましい。
また、本発明に用いられるナノワイヤの平均長軸径(Ynm)は可視光での使用を考慮すると1.4μm以上が好ましく、さらに好ましくは2μm以上が好ましい。
ナノワイヤの作製には、例えば特開2004−238503号に記載のように界面活性剤、高分子分散剤の存在下で電気分解による方法等を用いて製造することができる。
輝度向上機能を発現させるために、ナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、0±5度以内、最も好ましくは0±1度以内である。
ナノワイヤの配向度を高める要素としては、反射型偏光分離層を塗布時のシェアを高めることが有効である。そのため、塗布時の速度を高めることや高粘度な塗布液となるものを選択することが好ましい。
金属の種類によっては、可視域にプラズモン吸収を持つものがある。ナノワイヤ作製時に球状の金属微粒子が混入することがあり、これにより可視域で不要な吸収が起こることがある。このような状態が起こると可視域での色味に変化を与えるだけでなく、輝度向上機能の低下も引き起こす。この課題を解決するために、反射型偏光分離層にMD方向に電場振動をもった偏光を照射することが好ましい。
偏光を照射することにより、金属に異方的な電荷を作製することができ、金属粒子の異方的な成長を促すことができる。また、偏光照射することによりMD配向していない異方性粒子を球状に変形させる効果も同時に引き起こし、輝度向上機能を発現させることができる。
反射型偏光分離層は、液晶表示装置の色味の観点から400〜700nmにおける波長領域での透過率が平坦であることが好ましい。上記の波長領域において透過率の最小値が最大値の90%以上であることが好ましい。さらに好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上である。
輝度向上の観点から、ナノワイヤ間の平均距離も重要な要素となってくる。平均距離Zはバインダと金属の体積比率を適宜選択することにより調整することができる。
液晶表示装置の色味を考慮すると、反射型偏光分離層の400〜700nmにおける最大透過率が最小透過率に対して90%以上であることが好ましい。また、バインダとしては、この領域における透過率が80%以上であることが好ましい。
偏光分離能の観点からZ及びXの関係は下記式(1)〜(4)を満足することが必要である。
(1) Z≦(7/3)X
(2) (3/7)X≦Z
(3) 50≦X≦140
(4) X+Z≦200
式(1)及び(2)はナノワイヤの平均短軸径とナノワイヤの平均距離の関係を示しており、これらの条件を外れると偏光分離機能が低下する。具体的には、式(1)の条件を外れるとフィルム幅手方向の偏光透過率が低下し、式(2)の条件を外れるとフィルム長手方向の偏光透過率が上昇するため輝度向上機能が低下する。このため、輝度向上のためにはX及びZが式(1)及び(2)の範囲であることが必要である。
式(3)において、Xが50未満になると金属によっては可視域でのプラズモン吸収によるロス大きくなり、また、MD方向の偏光も透過するためバックライトからの光がロスする。また、Xが140を超えると反射率は高いが金属間の平均距離が狭くなり透過率が小さくなる。このため、光はバックライトと反射板との間を長距離往復することとなり、樹脂や反射板での光量ロスが大きくなり輝度向上効果が小さくなる。この観点からMD偏光の反射率を高めるためXは50nm以上が必要で、TD透過率を高めるために140nm以下が必要である。
式(4)はワイヤーグリッドの可視域におけるレイリー共鳴を抑制する条件である。X+Zが200を超えると可視域に金属グリッドによる特異な吸収が見られるため、200以下が必要である。
反射型偏光分離層の膜厚はナノワイヤーが1層以上配列していることが必要であるため、50nm以上が好ましい。また、偏光分離機能を高めるためワイヤが数層積層した構造がより好ましい。反射型偏光分離層は層数を増加させると金属固有の吸収が大きくなるため、吸収ロスを考慮すると500nm以下であることが好ましい。
反射型偏光分離層の作製には、ナノワイヤ、バインダ及び塗布溶媒からなる塗布液を塗布することにより形成することができる。
本発明に用いられる良溶媒、貧溶媒、非溶媒とは、単独で溶解するものを良溶媒、単独では溶解しないものを貧溶媒、非溶媒と定義している。
反射型偏光分離層におけるナノワイヤの長軸方向をロール状フィルムの長手方向と一致させるために、バインダの濃度、良溶媒と貧溶媒及び/または非溶媒の比率を適宜調整することができる。
混合溶媒系においては、一般的に良溶媒の比率が高いほどその溶液は高粘度になり、逆に貧溶媒及び/または非溶媒の比率を高めることにより低粘度となる。
本発明においては、良溶媒及び貧溶媒もまたは非溶媒が少なくとも1種以上含まれていることが好ましい。
本発明に係る反射型偏光分離層を塗布する方法として、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、押し出しコーター、あるいはスプレー塗布、インクジェット塗布等等がある。配向制御の観点から、押し出しコーター、リバースコーターによる塗布が好ましい。
本発明の反射型偏光素子において、ナノワイヤ平均距離を調整する目的でバインダ及びナノワイヤの体積比率を調整することができる。
本発明の反射型偏光素子において、ナノワイヤの長軸方向がフィルム長手方向に対して0±10度以内であることが好ましい。ナノワイヤの長軸方向を調整する意味において、反射型偏光分離層を塗布したフィルムを延伸することができる。
本発明の反射型偏光素子は大量生産適性の観点からロール状であることが望ましい。液晶表示装置に用いられる吸収型偏光子はロール状で製造されるため、ロールtoロールでの貼合プロセスにより連続的に生産が可能となる。
(保護層等)
本発明に係る反射型偏光分離層に隣接する層に、硬度が2H以上である層を設けることが、反射型偏光分離層の保護の観点から好ましい。保護層にはUV吸収剤、酸化防止剤を含有することにより経時での耐久性を向上させることができる。
〔ロール基板〕
本発明の各種偏光素子はロール基板上に前記反射型偏光分離層を有する。
本発明に用いられるロール基板(以下、基材フィルムともいう)にはセルロース系、ノルボルネン系、ポリエステル系等の種々の樹脂フィルムを使用することができる。偏光板との接着性を考慮するとセルロースエステル系樹脂が好ましい。また、偏光子保護フィルムの少なくとも一方はセルロースエステル系樹脂であることが好ましい。
本発明に用いられる基材フィルムの面内方向リタデーション(Ro)及び厚み方向リタデーション(Rth)が大きいと、偏光分離層で分離された直線偏光を楕円偏光へと変換する。吸収型偏光子に到達する時点での光は直線偏光であることが好ましいため、基材フィルムのRo及びRthは小さい方が好ましい。具体的には、Ro及びRthが−10〜10nmであることが好ましい。
本発明のロール状反射吸収一体型偏光素子は、吸収型偏光素子と保護フィルムから構成される。既存の接着工程ではPVAのりを使用し、PVA偏光子をケン化したセルロースエステルフィルムと接着する。PVAのりは水に溶解されており、接着の過程で水が蒸発する必要がある。既存の接着工程を有効活用するためには、保護フィルムのうち少なくとも一枚はセルロースエステルフィルムと略同等の透湿性を持つことが好ましい。
本発明の反射吸収一体型偏光素子においては、反射型偏光分離層が吸収型偏光素子の吸収型偏光素子よりもバックライト側に配置されていることが好ましい。
本発明の反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの少なくとも1枚が位相差フィルムであることが、液晶表示装置の視野角を拡大する効果を持つため好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔ナノワイヤー溶液の調製〕
以下の組成で溶液A、Bを調製した。
(溶液A)
1,3−ブタンジオール 6700質量部
ポリビニルピロリドン(K30) 14質量部
(溶液B)
硝酸銀 100質量部
純水 150質量部
溶液Aを50℃に保ちながら攪拌し、溶液Bを滴下した。滴下終了後、反応液を150℃に昇温し30分反応を継続し、ロッド状銀のナノワイヤー溶液Cを調製した。
〔反射型偏光分離層塗布液の調製〕
以下の組成で溶液Dを調製した。
(溶液D)
アセトン(良溶媒) 85質量部
メチルエチルケトン(良溶媒) 40質量部
メタノール(貧溶媒) 35質量部
ジアセチルセルロース(L50) 1質量部
ナノワイヤ溶液Cを遠心分離操作することによりナノワイヤを分級し、溶液D中に添加し反射型偏光分離層塗布液を調製した。添加するナノワイヤ量と溶液Dの比率を調整することにより反射型偏光分離層塗布液F1を作製した。
同様にして反射型偏光分離層塗布液F2〜F12を調製した。
〔ロール状反射型偏光素子の作製〕
ロール状基板として、コニカミノルタ社製8UX2MWを用いた。8UX2MWの面内リタデーションRoは3nmであり、厚み方向リタデーションRthは40nmであった。
反射型偏光分離層塗布液F1〜F12を押し出しコーターを用いてロール状基板に連続的に塗布することにより、それぞれロール状反射型偏光素子F1〜F12を得た。
なお、比較例のロール状反射型偏光素子F12は反射型偏光分離層をロール状基板に塗布した後、幅手方向にテンターを用いて延伸し、ナノワイヤの長軸方向とロール長手方向の角度を乱す目的で作製した。
〔ロール状反射型偏光素子の測定と評価〕
得られたロール状反射型偏光素子F1〜F12について、以下の測定と評価を行った。
(ナノワイヤ平均短軸径X、ナノワイヤ平均距離Zの測定)
電子顕微鏡によりナノワイヤ平均短軸径X、ナノワイヤ平均距離Zを測定した。
(ロッド長軸方向とロール長手方向が0±10度以内である割合Rの測定)
電子顕微鏡によりロッド長軸方向とロール長手方向が0±10度以内である割合R(%)の観察を行った。
(偏光分離能の評価)
〈透過率測定〉
分光光度計U−3310(日立製作所(株))に60φ積分球ユニットをセットした。光源側に市販の吸収型偏光素子を挿入し、入射光を偏光光とした。積分球ユニットの光源入射口にロール状反射型偏光素子の試料を配置し、試料のMD方向が入射光の偏光面に対して0及び90度となるように角度を調整し、透過光量の測定を行った。測定の範囲は可視光域の400〜700nmとし、偏光分離能は550nmでの透過率から以下の式に従って算出した。
M(%)=T(90度)/〔T(0度)+T(90度)〕×100
(式中、T(90度)は入射光の偏光面と試料のMD方向が90度である配置の時の透過光量であり、T(0度)は入射光の偏光面と試料のMD方向が0度である配置の時の透過光量である。)
Mが100に近いほど偏光素子としての性能が優れていることを表し、50では偏光分離能はないことを意味する。
以上の測定と評価の結果を表1に示す。
Figure 0004793082
ロール状反射型偏光素子F1〜F12の試料は、目視観察の結果、全ての試料で可視光域での反射が認められた。表1に示されるように、ナノワイヤの平均短軸径X、ナノワイヤの平均距離Z、ナノワイヤ長軸方向とロール長手方向との角度、及び前記式(1)〜(4)を満たすことにより良好なロール状反射型偏光分離素子が作製できた。
実施例2
実施例1で作製したロール状反射型偏光素子F1の試料に、MD方向に偏光面を持つ400nm(80mJ/puls)の偏光を照射し、ロール状反射型偏光素子の試料F13を作製した。
実施例1と同様にして、偏光分離能を評価した。また、可視光域(400〜700nm)での透過率を分光光度計U3310(日立製作所(株)製)を用いて測定し、最小値と最大値の比を求めた。
測定及び評価の結果を表2に示す。
Figure 0004793082
表2に示されるように、反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することにより、偏光分離能が1.10倍となりプラズモン吸収による影響を小さくすることができた。また、偏光を照射することにより、400〜700nmにおける波長領域での透過率が平坦となり、この反射型偏光分離素子を用いた液晶表示装置の色味が向上する。
実施例3
実施例1のロール状反射型偏光素子F4、F5の作製時に、反射型偏光分離層塗布後に140℃雰囲気下でロール長手方向に1.1倍延伸を行いロール状反射型偏光素子F14、F15を作製した。
F14、F15について、実施例1と同様にして、電子顕微鏡によりロッド長軸方向とロール長手方向が0±10度以内である割合R(%)の観察を行ったところ、F4、F5のそれぞれ90%、91%に対し、F14、F15はそれぞれ95%、95%と高い値を示した。
実施例4
実施例3のロール状反射型偏光素子F14及びF15の製造において、反射型偏光分離層を塗布後、140℃雰囲気下でロール長手方向に10%の1軸延伸を行い、それぞれロール状反射型偏光素子F14−2及びF15−2を作製した。
実施例3と同様に透過率を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0004793082
延伸することにより、反射型偏光分離層の膜厚とナノワイヤ間の平均距離を調整し、透過率を調整できることを示している。
実施例5
(ハードコート層の塗設)
実施例1に記載のロール状反射型偏光素子F2上に下記ハードコート層塗布組成物をダイコートし、80℃で5分間乾燥した後、160mJ/cm2の紫外線を照射し、乾燥膜厚が5μmとなるようにハードコート層を設け、ハードコートフィルムを作製した。
〈ハードコート層塗布組成物〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
光反応開始剤(イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製))
4質量部
酢酸エチル 150質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150質量部
シリコン化合物(BYK−307(ビックケミージャパン社製)) 0.4質量部
ハードコート層の鉛筆硬度を測定したところ3Hの硬度を示し、耐擦り傷性効果を示した。
実施例6
(基材フィルムの作製)
〈ポリマーXの合成〉
攪拌機、2個の滴下ロート、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、モノマーXa、Xb混合液40g、連鎖移動剤のメルカプトプロピオン酸2g及びトルエン30gを仕込み、90℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートから、モノマーXa、Xb混合液(混合比90:10)60gを3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからトルエン14gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.4gを3時間かけて滴下した。その後さらに、トルエン56gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを2時間かけて滴下した後、さらに2時間反応を継続させ、ポリマーXを得た。得られたポリマーXは常温で固体であった。ここで、XaはMMA/MA=80/20のモノマー、XbはHEA=100のモノマーである。
MA、MMA及びHEAはそれぞれ以下の化合物の略称である。
MA :メチルアクリレート
MMA:メタクリル酸メチル
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
〈ポリマーYの合成〉
特開2000−128911号公報に記載の重合方法により塊状重合を行った。すなわち、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、投入口及び環流冷却管を備えたフラスコにメチルアクリレートを投入し、窒素ガスを導入してフラスコ内を窒素ガスで置換したチオグリセロールを攪拌下添加した。
チオグリセロール添加後、内容物の温度を適宜変化させ4時間重合を行い、内容物を室温に戻し、それにベンゾキノン5質量%テトラヒドロフラン溶液を20質量部添加し、重合を停止させた。内容物をエバポレーターに移し、80℃で減圧下、テトラヒドロフラン、残存モノマー及び残存チオグリセロールを除去し、ポリマーYを得た。得られたポリマーYは常温で液体であった。
(セルロースエステルフィルムの作製)
〈ドープ液の調製〉
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アセチル基置換度2.1、プロピオニル基置換度0.75、Mn=100000、Mw=220000、Mw/Mn=2.2) 100質量部
ポリマーX 12質量部
ポリマーY 5質量部
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 1.5質量部
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 0.7質量部
酸化ケイ素微粒子(アエロジルR972V(日本アエロジル株式会社製))
0.1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
〈セルロースエステルフィルムの製膜〉
日本精線(株)製のファインメットNFで上記ドープ液を作製し、次いで濾過し、ベルト流延装置を用い、22℃、2m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルロースエステルのウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1.6m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に1.1倍に延伸しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は10%であった。テンターで延伸後130℃で5分間緩和を行った後、120℃、130℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径6インチコアに巻き取り、セルロースエステルフィルムを得た。ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。セルロースエステルフィルムの残留溶剤量は各々0.1%であり、膜厚は60μm、巻数は4000mであった。
(リターデーションRo、Rthの測定)
自動複屈折率計(王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADH)を用いて、作製したセルロースエステルフィルムを23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長において10カ所、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを求めた。下記式(1)に従って面内方向のリターデーションRoを、また、式(2)に従って厚み方向のリターデーションRthを算出した。それぞれ10カ所測定し、その平均値を算出した。
式(1) Ro=(nx−ny)×d
式(2) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(ここで、セルロースエステルフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直交する方向の屈折率をny、フィルムの厚さ方向の屈折率をnz、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。)
得られたフィルムのRoは1nmであり、Rthは0nmであった。
得られたフィルムに実施例1に記載のロール状反射型偏光素子F4と同様にして反射型偏光分離層を設け、反射型偏光素子F18を作製した。
F4及びF18をケン化処理し、保護フィルムとして吸収型PVA偏光素子にPVAのりを用いて接着を行った。各々の偏光素子の保護フィルムとして、もう一枚はコニカミノルタ社製KC8UX2MWをケン化して使用した。また、F4及びF18と吸収型偏光素子との接着は反射型偏光分離素子と接しない面が接するように配置して接着を行った。上記のような方法で、F4及びF18からそれぞれ反射吸収一体型偏光素子G1及びG2を作製した。
G1及びG2について分光光度計と積分球を使用して透過率の測定を行った。測定は入射光側に反射側偏光分離層がくるように配置して行った。
その結果、G1に比較しG2の透過率の方が高い透過率を示した。これは、基材フィルムの位相差が小さい方が斜め散乱された光に対して偏光状態を乱すことがないため、吸収型偏光素子でのロスを低減できたためであると考えている。
実施例7
実施例6に記載の反射吸収一体型ロール状偏光子G2の作製において、保護フィルムとして使用されているKC8UX2MWをKC8UCR3に変更して、ロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子G3の作製を行った。なお、KC8UCR3のリタデーション値はRo=40nm、Rth=130nmであった。
(視野角拡大吸収型偏光板の作製)
KC8UCR2MW及びKC8UCR3を偏光板保護フィルムとして、PVA偏光子とPVA糊を用いて接着を行い視野角拡大吸収型偏光板を作製した。
下記の構成で液晶表示装置を作製した。
KC8UCR2MW(保護フィルム)
PVA偏光子(吸収型偏光子)
KC8UCR3(視野角補償機能付セルロースエステルフィルム)
液晶セル
KC8UCR3(視野角補償機能付セルロースエステルフィルム)
PVA偏光子(吸収型偏光子)
基材フィルム(Ro=1nm、Rth=0nm(実施例6記載))
反射型偏光分離層
バックライトユニット
この液晶表示装置の輝度を測定したところ、反射型偏光分離層を設けない基材フィルムのみの構成に対して輝度が1.3倍に上昇した。
なお、輝度の評価には積分球を用いて550nmの値で評価を行った。
一般的なワイヤグリッド偏光素子の模式図である。
符号の説明
100 ワイヤグリッド偏光子
110 金属グリッド
120 ロール基板
t 金属グリッド高さ
w 金属グリッド幅
p 金属グリッドピッチ

Claims (4)

  1. (1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
    (1) Z≦(7/3)X
    (2) (3/7)X≦Z
    (3) 50≦X≦140
    (4) X+Z≦200
    (2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
    (7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
    (4) Ro=(Nx−Ny)×d
    (5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
    (式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
    の製造方法であって、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状反射型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状反射型偏光素子の製造方法
  2. 偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が、
    (1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
    (1) Z≦(7/3)X
    (2) (3/7)X≦Z
    (3) 50≦X≦140
    (4) X+Z≦200
    (2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
    (7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
    (4) Ro=(Nx−Ny)×d
    (5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
    (式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
    であって、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状反射吸収一体型偏光素子の製造方法
  3. 偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が、
    (1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
    (1) Z≦(7/3)X
    (2) (3/7)X≦Z
    (3) 50≦X≦140
    (4) X+Z≦200
    (2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
    (7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
    (4) Ro=(Nx−Ny)×d
    (5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
    (式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
    であり、もう一枚の保護フィルムの前記式(4)で表される面内方向のリタデーションRoが40〜60nmであり、前記式(5)で表される厚み方向のリタデーションRthが100〜150nmであり、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状視野角拡大反射吸収一体型偏光素子の製造方法
  4. 偏光子と2枚の保護フィルムからなるロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子において、保護フィルムの1枚が、
    (1)ロール基板の上に、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を設けたロール状反射型偏光素子であり、該ナノワイヤの平均短軸径をXnm、ナノワイヤ間の平均距離をZnmとした時、X及びZが下記式(1)〜(4)を満足し、かつナノワイヤの長軸方向がロール長手方向に対して0±10度以内であるナノワイヤが90%以上であるロール状反射型偏光素子、
    (1) Z≦(7/3)X
    (2) (3/7)X≦Z
    (3) 50≦X≦140
    (4) X+Z≦200
    (2)前記ナノワイヤが、銀、アルミ、ニッケル、ロジウム、白金から選ばれる金属である前記(1)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (3)400〜700nmにおける波長領域での透過率の最小値が最大値の90%以上である前記(1)または(2)に記載のロール状反射型偏光素子、
    (4)前記反射型偏光分離層の膜厚が50〜500nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (5)前記反射型偏光分離層に隣接して硬度が2H以上である層を有する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、
    (6)前記ロール基板がセルロースエステルフィルムである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子、または
    (7)下記式(4)で表される基材の面内リタデーションRoが−10〜10nmであり、下記式(5)で表される基材の厚み方向リタデーションRthが−10〜80nmである前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のロール状反射型偏光素子
    (4) Ro=(Nx−Ny)×d
    (5) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
    (式中、Nxはフィルム面内における最大屈折率方向の屈折率、Nyはフィルム面内における最小屈折率方向の屈折率、Nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
    であり、かつセルロースエステルフィルムの位相差フィルムであり、もう一枚の保護フィルムの前記式(4)で表される面内方向のリタデーションRoが40〜60nmであり、前記式(5)で表される厚み方向のリタデーションRthが100〜150nmであり、該ナノワイヤと該バインダの体積比が3:7〜7:3であり、溶媒が前記バインダの良溶媒と貧溶媒もしくは非溶媒の各々1種以上の混合溶媒からなる塗布液をロール長手方向に連続的に塗布することにより、バインダ及びナノワイヤを含有する反射型偏光分離層を形成し、または、該反射型偏光分離層を形成した後、さらに幅手方向、長手方向、または幅手方向及び長手方向にフィルムを延伸することにより、ナノワイヤ間の平均距離及びナノワイヤ長軸方向がロール長手方向となす角を調整するロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法において、該反射型偏光分離層に、電場の振動方向がフィルム長手方向に平行な偏光を照射することを特徴とするロール状位相差補償反射吸収一体型偏光素子の製造方法
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