JP4790762B2 - シートを用いた食品包装材 - Google Patents

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本発明は、充填豆腐等の製造及び包装に使用可能で、かつ和紙調の風合いを持つシート、及び、それを用いた食品包装材に関する。
一般に、豆腐を製造する場合には、大豆から抽出した熱い豆乳に凝固剤を添加して固まらせ、その後、水に入れて冷却し、適当な大きさにカットして包装するという製造方法が取られている。しかしながら、このような製造方法を行う場合、冷却水による冷却工程は細菌汚染の元凶となっており、豆腐の長期保存という観点から見たときには適さない。そこで、豆乳の状態で包装してから加熱して豆腐にするという、充填豆腐なるものが市場には出回っている。
充填豆腐を製造するにあたっては、豆乳をいったん冷やし、直接容器に豆乳と凝固剤を入れ、直ぐに封をして密封する。その後、容器ごと加熱して冷却し固める。密封して80℃近くで熱水処理するため、容器の中身はほぼ無菌状態となり、ほかの豆腐より保存性が高くなる。すなわち、ほとんどの食品が加熱加工後に包装されるのに対し、充填豆腐は加熱加工前に包装しておくので、加工後の再汚染をシャットアウトできる。
ところで、このような充填豆腐の製造過程において、豆乳を充填後、封をして密閉するのに使用される蓋材は、その後の熱水処理に耐え得るだけの耐水強度と耐熱強度を保持し、また熱水による縮みが生じないよう、寸法安定性に優れたものである必要がある。また、空気や微生物の通過が少ないよう、透湿度が低いものが好ましい。
そして、この種の蓋材としては、一般的に、フィルム状の透明なシートが用いられているが、ここに和紙調の外観を有するシートを使用できると、豆腐という水処理の必要な食品に、本来ならば水濡れに弱い紙のイメージを組み合わせ、高級感ある食品包装材を提供できることとなる。
このような、保存性や寸法安定性に優れる食品包装材としては、共重合ポリエステル複合繊維とパルプ等の親水性繊維とからなるヒートシール性ケーシング用紙(特許文献1)や、熱融着性繊維とパルプからなる包装用シートにおいて、添加するパルプの配合や叩解度により包装シートの透気度や透湿度を調整し、中身の食品の長期間の保存性を維持する果物包装用シート(特許文献2)等が知られている。
特開平6−248595号公報 特開平8−035195号公報
しかしながら、上記2つの特許文献に開示されたシートは、共に親水性のあるパルプ繊維を含有するため、豆腐充填後に熱水処理を行うような場合には、熱水処理に耐えうるだけの耐水性や耐熱性を有さないため、熱により縮んでしまったり、表面にしわが生じてしまう問題があり、外観上好ましくない。
本発明は、食品等をパックに充填後、密閉(フタ)をしてから熱水処理や加熱処理を行うにあたってその包装材として好適に使用できるシートであって、耐水性と耐熱性の両方を兼ね備え、熱水処理や加熱処理後に縮みやしわが生じにくく、和紙調の風合いに優れたシート、及び、それを用いた食品包装材を提供することを目的とする。
本発明は、融点が異なる2種類のポリエステル樹脂からなり、前記2種類の樹脂のうち低融点樹脂と高融点樹脂との質量比が30:70〜70:30である熱融着性複合ポリエステル繊維と、1種類のポリエステル樹脂からなる熱融着性単一ポリエステル繊維と、からなることを特徴とするシートである。
前記熱融着性複合ポリエステル繊維は、鞘部が前記低融点樹脂により構成され、芯部が前記高融点樹脂により構成された芯鞘型熱融着性複合ポリエステル繊維であり、前記低融点樹脂の融点が90℃〜120℃、前記高融点樹脂の融点が255℃以上であることが好ましい。
前記熱融着性複合ポリエステル繊維を50〜90質量%、前記熱融着性単一ポリエステル繊維を50〜10質量%配合することが好ましい。
さらに本発明は、前記シートをラミネートにより積層体としたことを特徴とする食品包装材でもある。
本発明のシートは、必要に応じて基材フィルムとの積層体とすることによって、食品等をパックに充填後、密閉をしてから熱水処理や加熱処理を行うにあたってその包装材として好適に使用でき、耐水性と耐熱性の両方を兼ね備え、熱水処理や加熱処理後に縮みやしわが生じにくく、和紙調の風合いに優れている。
本発明のシートは、熱融着性複合ポリエステル繊維と、熱融着性単一ポリエステル繊維とからなり、パルプに代表される親水性繊維を実質的に含有しない。
まず、本発明で使用する熱融着性複合ポリエステル繊維について説明する。
本発明における熱融着性複合ポリエステル繊維とは、融点が異なる2種類のポリエステル樹脂から構成されるものであり、本明細書では、これらの樹脂のうち融点が比較的低い樹脂を低融点樹脂といい、融点が比較的高い樹脂を高融点樹脂という。ポリエステルはその特性として、吸水率・透湿率・ガス透過性も比較的小さく、寸法安定性が極めて優れている特徴を有する。また、耐熱・耐寒性があり、使用温度の幅が広い。従って、本発明では、熱融着性複合ポリエステル繊維及び熱融着性単一ポリエステル繊維ともにポリエステル繊維を使用することが好ましい。そのため、本発明のシートは、熱水処理や、蒸しなどの加熱処理が必要な食品包装用途だけでなく、冷凍食品のような耐寒性が要求される食品包装用途にも使用が可能である。
本発明では、ポリエステルとしては種々のものを使用することができるが、融点や熱融着性の観点から、ポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。
熱融着性複合ポリエステル繊維は、その複合形態により、芯鞘型(同心円タイプ、偏芯タイプ)、サイドバイサイド(並列)型、ブロック混合型、分割型等の種々の態様が知られており、本発明においては、特に、芯鞘型の複合繊維を用いるのが好ましい。より具体的には、鞘部が前記低融点樹脂により構成され、芯部が前記高融点樹脂により構成された芯鞘型の複合繊維を用いるのが最も望ましい。その理由としては、シート製造時に芯鞘型の複合繊維を加熱すると、鞘部を構成する低融点樹脂が溶融しても、芯部を構成する高融点樹脂が溶融せずに繊維状に残り、芯部の周囲が均一に接着性を持つため、強度が得られ、充填豆腐の蓋材等として最適に使用可能なシートを得ることができるからである。このような芯鞘型の複合樹脂の例として、ユニチカ株式会社製「エステル 4080」を挙げることができる。これは、鞘部の融点が110℃、芯部の融点が255℃である。
本発明で使用する熱融着性複合ポリエステル繊維では、低融点ポリエステル樹脂と高融点ポリエステル樹脂との質量比が、30〜70:70〜30である。好ましくは40〜60:60:40である。高融点ポリエステル樹脂の組成比率が30質量%未満となると、シート製造時に低融点樹脂が溶融した後、溶融せずに残る部分が少なくなるため、熱融着性単一繊維との接着強度が弱く、結果、湿潤引張り強度が落ちる問題がある。一方、高融点ポリエステル樹脂の組成比率が70質量%を超えると、溶融する低融点樹脂が少なく、溶融していない高融点樹脂と熱融着性単一繊維との接着強度が弱く、やはり湿潤引張り強さが落ちる問題がある。すなわち、本発明においては、低融点ポリエステル樹脂と高融点ポリエステル樹脂との質量比を、30〜70:70〜30の範囲にすることで、本発明のシートを製造する際に溶融する部分と繊維として残る部分の割合が適切に維持され、これによって、製造されるシートの耐水性及び耐熱性を向上させることができる。
熱融着性複合ポリエステル繊維を構成する低融点樹脂として使われるポリエステル樹脂の融点としては、例えば充填豆腐の包装材用途を使用する場合、充填豆腐の加工工程上、豆乳を充填後、シートの表面は熱水処理にさらされるため、低融点樹脂の融点は熱水処理温度よりも高く、シート製造時のヤンキードライヤー及び熱ロールの温度よりは低いことが好ましい。具体的には、ヤンキードライヤーで例えば約120℃程度の熱を掛けて乾燥し、その後170℃の熱ロールにより低融点樹脂を溶かして、表面の平坦化処理を行う場合、これらの加熱温度で低融点樹脂が溶融するよう、特に90〜120℃程度の融点が好ましく、さらには、シートは豆乳を充填後、熱水にさらされるため、熱水では溶けない程度の95℃以上の融点がより好ましい。一方で、低融点樹脂の融点が120℃を超えるとなると、ヤンキードライヤーの表面温度により樹脂が溶融しにくいため、後工程として、高温の熱ロールにより樹脂を溶融する工程が増える問題がある。また、高温の熱ロールにより、じっくりと樹脂を溶融していくため、シートの抄造はできても、操業性が大幅にダウンするため、120℃を超える低融点樹脂を使用することは本発明においては好ましくない。
一方、熱融着性複合ポリエステル繊維を構成する高融点樹脂として使われるポリエステル樹脂の融点としては、ヤンキードライヤー及び熱ロールの温度を超えることが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートの結晶構造の融点温度である255℃を超えることが好ましい。
熱融着性複合ポリエステル繊維の繊度としては特に限定されないが、1.1〜3.5dtexが好ましく、繊維長としても特に限定されないが、3〜10mmが好ましい。繊度が1.1dtex未満となると和紙調の風合いに劣る問題があり、3.5dtexを超えると、湿潤引張り強さが落ちる問題がある。繊維長が3mm未満となると、湿潤引張り強さが落ちる問題があり、繊維長が10mmを超えると、結束が増えることによる和紙調の風合いに劣る問題がある。
次に、熱融着性複合ポリエステル繊維と共に配合される、熱融着性単一ポリエステル繊維について説明する。
本発明に使用される熱融着性単一ポリエステル繊維は、シート製造時に熱融着性複合ポリエステル繊維中の低融点樹脂が溶融することにより、残った繊維状の高融点樹脂とつなぎ合わせられることで、本発明のシートは高度の湿潤引張り強さを実現し、優れた耐水性及び耐熱性を達成することができる。
使用される熱融着性単一ポリエステル繊維の融点としては、ヤンキードライヤー及び熱ロールの温度を超えることが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートの結晶構造の融点温度である255℃を超えることが好ましい。
熱融着性単一ポリエステル繊維の繊度としては特に限定されないが、0.2〜1.7dtexが好ましく、繊維長としても特に限定されないが、3〜10mmが好ましい。繊度が0.2dtex未満となると和紙調の風合いに劣る問題があり、1.7dtexを超えると湿潤引張強さが落ちる問題がある。また、繊維長が3mm未満となると湿潤引張強さが落ちる問題があり、繊維長が10mmを超えると結束が増え、和紙調の風合いが落ちる問題がある。
本発明において、熱融着性複合ポリエステル繊維と熱融着性単一ポリエステル繊維の質量比は、50〜90:50〜10であることが好ましい。熱融着性複合ポリエステル繊維の配合が50質量%未満となると、熱溶融する部分が減ることで、熱融着性単一ポリエステル繊維との接着が不十分となり、湿潤引張り強度が落ちる。また90質量%を超えると、熱溶融により溶ける低融点樹脂成分が増えるため、抄造時のボトムフェルト(毛布)取られがひどくシートとならない問題がある。
本発明のシートは低坪量であることが好ましく、具体的には6〜30g/m2の坪量であることが好ましい。すなわち、本発明においては、坪量が6〜30g/m2と低坪量でありながら水濡れに強く、耐熱性があり、寸法安定性に優れたポリエステルペーパーを提供することができる。
本発明のシートは、熱融着性複合ポリエステル繊維と、熱融着性単一ポリエステル繊維とを抄造原料とするものであり、パルプ繊維を抄紙原料として実質的に含まないものである。また、必要により抄造原料中に、抄紙に際して通常用いる添加剤、たとえば(酸性)サイズ剤、湿潤紙力増強剤、硫酸バンドなどをさらに添加することができる。
本発明のシートは、以上のような抄造原料を用いて抄造を行った後、熱融着性複合ポリエステル繊維中の低融点樹脂の融点以上で高融点樹脂の融点未満の温度で加熱する工程を経ることによって製造することができる。具体的には、ヤンキードライヤーにより前述の温度(例えば120℃程度の温度)で乾燥することで、低融点樹脂のみを溶融する。また、低融点樹脂としてヤンキードライヤーの表面温度より高いものを使用する場合には、その後熱ロールにより前述の温度(例えば170℃程度の温度)でカレンダー処理を施すことにより、低融点樹脂を溶融し、表面の平坦化処理を施すことができる。しかしながら、ヤンキードライヤーの表面温度以上の低融点樹脂を使用することは、ヤンキードライヤー表面において樹脂の溶融がうまくいかず、前述のごとく熱ロールによる工程が増え、操業性の面から見て好ましくない。本発明は、熱融着性複合ポリエステル繊維中の低融点樹脂のみを溶融し、これを介して、溶融していない残った繊維状の高融点樹脂と熱融着性単一ポリエステル繊維との結合を強めることができ、その結果、湿潤引張り強度に優れ、熱水処理後の縮みやしわの少ない、和紙調の風合いに優れたシートを製造することができる。また、その後に熱ロールによるカレンダー加工を施すことで、シート表面の平滑度を高め、印刷適性を上げることもできるため、熱ロール処理を施すことが好ましい。
本発明のシートを充填豆腐の蓋材等の食品包装材として使用する際には、当該シートと基材フィルムとをラミネートにより貼り合せた積層体とすることが好ましい。
前記基材フィルムとしては特に限定されないが、例えば、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンなどの樹脂製シートを使用することができる。特に、食品包装材として使用する場合には、内容物の視認が可能な透明シートが好ましい。また、少なくとも基材フィルムの反貼合面は包装時に接着剤を使用せず接着させることができるのでヒートシール性を有することが好ましい。さらに、使用態様に応じて水蒸気透過度、酸素透過度を調整したシートを積層することもできる。
一般的に、物品の包装時は130℃〜150℃でヒートシールするため、シールバーに接触する領域の融点が150℃以上を示すシートが好ましい。重量物の包装等では160℃でヒートシールを実施する場合があるが、その際は融点の高いPET、ナイロン等からなる樹脂製シートが好ましく使用される。
本発明の食品包装材の厚さは、12〜40μmとすることが好ましい。12μm未満では強度不足で意図しない破れが発生し、40μmを超えると、開封が困難となる。
本発明の食品包装材を構成する積層体は、本発明のシートと基材フィルムとをドライラミネートにより貼り合わせるが、ラミネートに使用する好適な接着剤としては、例えば、ポリエステル系、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系の接着剤を使用することができる。その他、アンカーコート剤を使用してもよい。また、前記接着剤に、硬化剤、溶剤を適宜配合し、接着強度、乾燥性、粘度などを調整することができる。
接着剤の塗布量は固形分として1g/m2〜5g/m2が好ましい。より好ましくは、1g/m2〜3g/m2である。5g/m2を超えると接着力は強くなるが、食品包装材の端部でのブロッキングや、食品包装材の貼り合わせ面の反対面への接着剤のしみ出しによるブロッキングの問題を生じる恐れがある。また、1g/m2未満であると、接着不良が発生する場合がある。
本発明のシートの湿潤引張り強さはJIS P 8135に準拠した湿潤引張強さが、縦で0.70〜1.50kN/mであることが好ましく、さらに好ましくは、0.90〜0.98kN/mであることが好ましい。横は0.13〜0.38kN/mであることが好ましく、0.20〜0.26kN/mであることが好ましい。この範囲では優れた耐水性及び耐熱性を達成することができる。
また、熱ロール加工機でのカレンダー処理で平滑度の調整を行うことで、印刷適性や風合いの調整を取ることができ、JIS P 8119に準拠したベック平滑度が、熱水処理にさらされる表面側で23〜35秒であることが好ましい。この範囲であると、この表面の印刷適性が良好になるので、シート側に印刷を行う際に好適である。
本発明の食品包装材は、例えば、食品にかぶせて包装するためのシートや、食品包装用の蓋材として好適に使用することができる。特に耐熱性及び耐水性に優れていることから、包装後に熱水処理又は加熱処理される物品(例えば充填豆腐等の食品)の包装に適したものである。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1に記載の熱融着性複合ポリエステル繊維及び熱融着性単一ポリエステル繊維を85:15の質量比で含有する繊維に、酸性サイズ剤(AL120日;日本PMC社製)を15Kg/pT、湿潤紙力剤(カイメン)を20Kg/pT、硫酸バンドを50Kg/pT加え、ヤンキーマシンによって抄造を行った後、ヤンキードライヤー表面の温度を120℃として乾燥し、熱ロールにより170℃でカレンダー処理を行うことにより、米坪20g/m2のシートを製造した。上記の抄造時に、後述する操業性の評価を行った。
実施例2〜31及び比較例1〜10
用いる熱融着性複合ポリエステル繊維の複合形態、繊維組成、低融点樹脂と高融点樹脂との質量比、それぞれの融点、繊度、繊維長、熱融着性単一ポリエステル繊維の種類、融点、繊度、繊維長、両繊維の質量比、必要に応じてヤンキードライヤー後の熱ロールの温度を表1に記載のように変更して、実施例1と同様にシートを製造した。
なお、熱融着性複合ポリエステル繊維として用いた芯鞘型複合繊維(同心円タイプ)のうち、鞘部、芯部ともポリエステルであるものとして「エステル 4080」(ユニチカ社製)を用いた。また、芯部がポリプロピレン、鞘部がエチレン酢酸ビニルである芯鞘型複合繊維としては、「NBF(E)」(ダイワボウ社製)を用い、芯部がポリプロピレン、鞘部もポリプロピレンである芯鞘複合繊維としては、「EPC−CHOP」(チッソ社製)を用いた。さらに、熱融着性単一ポリエステル繊維としては、「テピルスTA04N」(帝人化成社製)を用いた。
かくして製造したシートについて、次の各測定および評価を行った。
この実験においては、各シートの湿潤引張り強さ及びベック平滑度をそれぞれ測定するとともに、シートの和紙調の風合い、及び、熱水処理後のシートの外観の評価を行った。
(湿潤引張り強さ)
JIS P8135に準拠して測定した。
(ベック平滑度)
JIS P8119に準拠して測定した。
(和紙調の風合い)
20名が各シートの表面を目視により観察し、和紙調に見えるか否かを判断した。
◎:90%以上の人が和紙調の風合いがあると評価した。
〇:70%以上90%未満の人が、和紙調の風合いがあると評価した。
△:50%以上70%未満の人が、和紙調の風合いがあると評価した。
×:和紙調の風合いを有すると評価した人が50%未満であった。
(熱水処理後の外観)
各シートをドライラミネートによりフィルムE−3310T(DIC社製)と、ポリウレタン系樹脂からなる接着剤(東洋モートン株式会社製、品名:トモフレックスTM−319)3g/m2により貼合せて積層シートを得た。豆乳が充填された容器を当該積層シー
トによって密閉し、ヒートシールを行った。その後、95℃の熱水にて20分さらした。その後のシート表面を目視により観察し、以下の基準により評価を行った。
◎:積層シートの表面に縮み、繊維の塊がなく問題なし。
○:積層シートの表面に一部縮み、繊維の塊が見られるが、実用上問題はない。
△:積層シートの表面に縮み、繊維の塊の他に印刷部の滲みが見られ、包装用シートとしての機能性に劣る。
×:実用に適さない。
(操業性)
◎:シートを抄造する際に、問題なく抄造できる。
〇:シートとして抄造する際に、若干問題がある。
△:シートとして抄造する際に、かなり問題がある。
×:シートとして抄造できない、もしくは、ヤンキードライヤーへのボトムとられが多く、シートにならない。
Figure 0004790762
Figure 0004790762
表2で示した結果より、本発明のシートは操業性よく製造され、優れた湿潤引張り強さを保持し、和紙調の風合いも保ちながら熱水処理後の外観も良好であることが分かる。

Claims (4)

  1. 融点が異なる2種類のポリエステル樹脂からなり、前記2種類の樹脂のうち低融点樹脂と高融点樹脂との質量比が30:70〜70:30である熱融着性複合ポリエステル繊維と、
    1種類のポリエステル樹脂からなる熱融着性単一ポリエステル繊維と、からなり、
    前記熱融着性複合ポリエステル繊維は、鞘部が前記低融点樹脂により構成され、芯部が前記高融点樹脂により構成された芯鞘型熱融着性複合ポリエステル繊維であり、前記低融点樹脂の融点が90℃〜120℃、前記高融点樹脂の融点が255℃以上であり、
    ヤンキードライヤーにより乾燥することで、前記低融点樹脂を溶融して得られたシートを、
    ラミネートにより基材フィルムと貼り合わせて積層体としたことを特徴とする食品包装材。
  2. 前記熱融着性複合ポリエステル繊維を50〜90質量%、前記熱融着性単一ポリエステル繊維を50〜10質量%配合することを特徴とする、請求項1に記載の食品包装材
  3. 前記ラミネートがドライラミネートであり、前記ラミネートに使用する接着剤の塗布量が固形分として1g/m 〜5g/m であり、
    前記食品包装材の厚さが12〜40μmであり、
    前記基材フィルムの反貼合面がヒートシール性を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の食品包装材。
  4. 前記食品包装材が、充填豆腐の蓋材であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の食品包装材。
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