JP4784430B2 - 電子弦楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子弦楽器に関し、特に、演奏された弦の振動を光によって検出して楽音を発生する電子弦楽器に関する。
従来、電子ギターなどの電子弦楽器の弾弦の振動を検出するための技術がいくつか提案されている。
例えば、ある提案の電子弦楽器によれば、アクチュエータの発生する磁界によるハウリングの発生を防止する。この提案においては、少なくとも2個のコイルを有し、弦振動を検出する弦振動検出手段と、弦振動検出手段からの弦振動信号に基づいて動作する、スピーカなどで構成された、少なくとも2個の電磁アクチュエータ手段とを有し、各電磁アクチュエータ手段を弦振動検出手段の各コイルの夫々に対して等距離に配置した構成になっている。(特許文献1参照)
また、ある提案の弦振動検出装置によれば、タッチ検出回路を設けることなく、弦へのタッチに応答して消音指示を行う。この提案においては、弦に設けられた弦の直径より幅が広い反射部材と、この反射部材の面に向かって光を照射する光源と、この光源により照射されて反射部材の面に反射した光を受光し、受光状態に応じた信号を出力する受光手段とを備えた構成になっている。さらにこの場合において、反射部材は円柱状であり、光源は反射部材の周面に向かって光を照射し、受光手段は、受光量に応じた信号を出力する。(特許文献2参照)
また、ある提案の弦振動検出装置によれば、各弦毎の検出ゲインの調整を不要として製造コスト低減に寄与すると共に、メンテナンスフリーを実現する。この提案では、発光素子が照射する光を弦の振動に応じて強度変調された反射光に変換し、この反射光を受光素子により受光して弦振動を検出する弦振動検出装置において、受光素子の受光出力が予め設定される所定範囲内に収まるように、発光素子の発光輝度を増減制御する輝度制御手段を備える構成になっている。(特許文献3参照)
特開平6−259078号公報 特開平8−185160号公報 特開平9−269785号公報 特開2001−86052号公報 特開2001−50788号公報
上記特許文献1乃至特許文献3における弦振動の検出は、弦振動の振幅に対応した信号の変化量を検出するので、弦振動の振幅が小さい場合には信号の変化量も小さくなり、アコースティックの弦楽器のような繊細な楽音を発生することは困難である。また、電磁アクチュエータ手段によって弦振動を検出する方法は、多様な無線通信端末に囲まれた環境下におかれた現代においては、あたかも空中を舞うかのような、周囲の電磁ノイズの影響を受けやすいという問題がある。例えば、上記特許文献4の電磁適合性通信システムにおいては、携帯電話、トランシーバ、あるいはテレビジョン放送、等において、他の機器から発生する電磁ノイズにより影響を受け、通信が途切れたりすることが発生する旨の記載がある。また、特許文献5の電子装置においても、ハンディ無線機、携帯電話、PHS等の普及により電子機器を取り巻く電波環境が激化する旨の記載がある。逆に言えば、携帯電話、トランシーバ、テレビジョン放送、ハンディ無線機、PHS等からの発信によって、電子ギターなどの電子弦楽器の電磁アクチュエータ手段が電磁ノイズの影響を受けることになる。
さらに、上記特許文献1乃至特許文献3において、2つの支点間に張られた弦の振動は多数の倍振動を含んでいるので、弦の1箇所だけの振幅を検出する方法によっては、アコースティックの弦楽器のように弦全体で発生する倍音を含む豊かな楽音を実現することは困難である。
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、導光性の弦によって弦振動を振幅の大小にかかわらず、かつ、周囲の電磁ノイズの影響を受けることなく確実に検出して、繊細な楽音を発生することを第1の目的とする。
さらに、2つの支点間に張られた導光性の弦によって弦の倍振動を含む複雑な振動を確実に検出して、弦全体で発生する倍音を含む豊かな楽音を実現することを第2の目的とする。
請求項1に記載の電子弦楽器は、本体の前面に設けられた第1の係止手段(実施形態においては、図1のブリッジ7に相当する)によって一方の端部が係止され、音高を指定する指板部の先端から当該本体の後面側に屈曲して延在するヘッド部に設けられた第2の係止手段(実施形態においては、図1の調整機構5に相当する)によって他方の端部が係止されて、当該本体の演奏部および当該指板部にわたって張られた複数の導光性の弦と、第1の係止手段の近傍における各弦内の所定箇所に形成された光拡散手段(実施形態においては、図3の光拡散部分4aに相当する)と、各弦の光拡散手段に向けて光を入射する発光手段(実施形態においては、図2の発光ダイオード20に相当する)と、発光手段によって入射され光拡散手段によって拡散されて弦内を伝搬して一方の端部から出射する光を受光する受光手段(実施形態においては、図2のフォトダイオード14に相当する)と、演奏された弦の振動に応じて変化する光が受光手段によって受光されたときに、当該弦の振動を検出して検出信号を発生する信号発生手段(実施形態においては、図5の受光回路108に相当する)と、信号発生手段によって発生された検出信号に応じた楽音を発生する楽音発生手段(実施形態においては、図5のCPU101および音源回路104に相当する)と、を備えた構成になっている。
請求項1の電子弦楽器において、請求項2に記載したように、光拡散手段は、レーザの照射によって形成されているような構成にしてもよい。
た、請求項1の電子弦楽器において、請求項に記載したように、伝搬する光量を制限するために各弦内の一方の端部近傍の少なくとも1箇所に形成されて、演奏された弦の振動に応じて変化する光の振幅を相対的に増幅する遮光手段(実施形態においては、図17の遮光部分4b、4cに相当する)をさらに備えた構成にしてもよい。
請求項の電子弦楽器において、請求項に記載したように、遮光手段は、レーザの照射によって形成されているような構成にしてもよい。
本発明によれば、導光性の弦によって弦振動を振幅の大小にかかわらず、かつ、周囲の電磁ノイズの影響を受けることなく確実に検出して、繊細な楽音を発生するという効果が得られる。
また、本発明によれば、2つの支点間に張られた導光性の弦によって弦の倍振動を含む複雑な振動を確実に検出して、弦全体で発生する倍音を含む豊かな楽音を実現するという効果が得られる。
以下、本発明による電子弦楽器の第1実施形態乃至第4実施形態について、電子ギターを例に採って、図を参照して説明する。
図1は、第1実施形態における電子ギターの外観を示す図である。図1において、電子ギターは、ボディ部1、指で押さえて音高を指定する指板部2、指板部2を支持するためにボディ部1に取り付けられたネック部3を備えている。ボディ部1、指板部2、ネック部3には、6本の弦4が張られている。各弦4の一方の端部はボディ部1側のブリッジ7で固定され、各弦4の他方の端部はネック部3の先端のヘッド部に設けられた調整機構5に固定される。また、各弦4は、指板部2の先端に設けられたナット6によって係止される。ナット部6の詳細な構造については後述する。ネック部3の先端のヘッド部は、指板部2の先端からボディ部1の後面側に屈曲しているので、各弦4は、一方の端部を固定するブリッジ7と他方の端部を係止するナット6との間において一直線に張られており、ブリッジ7およびナット6を支点として振動する構造になっている。すなわち、ブリッジ7とナット6との間隔によって各弦4の開放弦が規定される。各弦4は、調整機構5の操作に応じて張力が調整され、開放弦周波数すなわち音高がチューニングされる。例えば、低音側の6弦の開放弦周波数は、82.470Hzにチューニングされ、高音側の1弦の開放弦周波数は、329.628Hzにチューニングされる。また、ボディ部1には、ギター操作部8および音源操作部9が設けられている。
第1実施形態および後述する他の実施形態における顕著な特徴は、弦4の構造である。弦4は、例えば、ポリカーボネートなどの透明樹脂で構成されている。このため、外部から光を入射して弦4の内部を伝搬させることができる。第1実施形態においては、図1に示すブリッジ7の近傍に設けられた光入射部10から弦4の内部に光を入射する。弦4の内部を伝搬した光は、ブリッジ7に固定された端部から出射して、フォトダイオードなどの光電変換素子によって受光される。
図2は、光の発光および受光の様子を示す図である。図2(A)は、ブリッジ7および光入射部10の拡大斜視図である。図2(B)は、図2(A)においてBの側から見た端面図である。図2(C)は、図2(B)においてC−C線に沿った断面図である。図2(A)に示すように、ブリッジ7には、弦係止用の下係止部材11がネジ12によって固定され、弦係止用の上係止部材13が弦4を挟み込んだ状態で下係止部材11に接着又はビス止めなどによって加圧固定されている。上係止部材13を省略した第5弦に示すように、受光用の光電変換素子であるフォトダイオード14が弦4の端部に近接して設けられ、リード線15に接続されている。フォトダイオード14の代わりにCdSなどの他の光電変換素子を用いてもよい。
図2(B)において、各フォトダイオード14に接続されているリード線15および6個のフォトダイオード14に共通に接続されているリード線16は、ブリッジ7にネジ17によって固定されたプリント基板18に接続されている。プリント基板18には、各フォトダイオード14に対応する発光回路(図示せず)が搭載されている。また、発光回路を駆動するインターフェース回路やその他の回路が搭載されている他のプリント基板(図示せず)とは、接続線19によって接続されている。
図2(A)の光入射部10において、各弦4に対応する位置に設けられた発光ダイオード20から入射された光は、図2(C)に示すように、弦4内に形成された微細な曇り粒状の光拡散部分4aによって拡散され、拡散光の一部が弦4内を伝搬してフォトダイオード14によって受光される。光拡散部分4aは、レーザのビームを照射することによって形成され、光拡散部分4aの形状についても、照射するビームの角度、径、強度により自在な形状にすることができる。光拡散部分4aによって拡散される光の方向は、弦4の振動による撓みの状態に応じて変化する。
図3は、弦4の撓みで変形した光拡散部分4aによる拡散光の方向との関係を示す図である。図3(A)は弦4の撓みがない場合、すなわち、弦4が演奏されないで振動していない場合における反射光の伝搬方向を示している。図3(A)に示すように、光拡散部分4aで拡散された光は、ブリッジ7側すなわちフォトダイオード14側とネック3側とにほぼ均等に拡散される。図3(B)は弦4が上側に撓んだ場合における反射光の伝搬方向を示している。図3(B)に示すように、光拡散部分4aで拡散された光は、フォトダイオード14側に多く拡散され、ネック3側には少ししか拡散されない。図3(C)は弦4が下側に撓んだ場合における拡散光の伝搬方向を示している。図3(C)に示すように、光拡散部分4aで拡散された光は、ネック3側に多く拡散され、フォトダイオード14側には少ししか拡散されない。
したがって、弦4が振動していない状態においては、フォトダイオード14によって受光される光量は変化せず、弦4が振動している状態においては、フォトダイオード14によって受光される光量は振動による撓み方向に応じて変化する。さらに、光量の変化速度は振動数に同期する。このため、任意の弦4に対応するフォトダイオード14によって受光される光量は、その弦4が開放弦の場合と、指板部2が指で押されている場合とでは、後者の変化速度のほうが前者の変化速度より速く、押されているフレット位置が高い(ブリッジ7に近い)ほど、変化速度もより速くなる。また、開放弦の振動数は各弦によって異なるので、フォトダイオード14によって受光される光量の変化速度も各弦によって異なる。すなわち、フォトダイオード14によって受光される光量の変化速度は、各弦および押されているフレット位置によって一意に決定され、受光される光量の変化量は、弾弦の強さによって決定される。
この実施形態のように、ポリカーボネートなどの透明樹脂で構成されている弦4においては、樹脂と空気との屈折率比および樹脂内の反射の臨界角によって、樹脂内を伝搬する光が外に漏洩する。漏洩を低減するためには、光ファイバのように中心部のコアをクラッドによって被膜することが考えられるが、漏洩を完全になくすことは困難である。特に、光ファイバが撓んだ場合には光の漏洩も増加する。
図4は、照明などに利用されるポリカーボネートなどの導光性の透明樹脂の線材や、光通信に利用されるコアとクラッドとの二重構造の光ファイバなどの線材において、内部を伝搬する光の漏洩と線材の撓みとの関係を示す図である。図4において、発光ダイオード31は、発光回路32の駆動信号に応じて発生した光を導光性の線材33の一方の端面から入射する。線材33の他方の端面において、フォトダイオード34は線材33の中を伝搬した光を受光して、受光回路35によって光電変換される。線材33は、2つの支持部材36、37によって固定されている。したがって、線材33は、支持部材36、37の間隔および線材33の直径に基づく固有振動で振動する。
図4(A)は、線材33が振動していない状態において、光が伝搬する状態を示している。この場合のように撓みのない状態においても、伝搬する光の一部が外に漏洩する。図4(B)は、線材33が振動して少し撓んだ状態において、光が伝搬する状態を示している。この場合には、撓みのために線材33の内壁への光の入射角が大きくなる部分で外に漏洩する光量は多くなるので、フォトダイオード34によって受光される光量は図4(A)の場合より小さくなる。図4(B)は、線材33がかなり大きく撓んだ状態において、光が伝搬する状態を示している。この場合には、外に漏洩する光量はさらに多くなるので、フォトダイオード34によって受光される光量は図4(B)の場合よりさらに小さくなる。
したがって、図3に示した弦4が振動して撓んだ場合には、発光ダイオード20に対する光拡散部分4aの傾きによる反射光の伝搬方向だけでなく、弦4の撓みに起因する光の漏洩によっても図2のフォトダイオード14によって受光される光量が変化する。図1に示したように、発光ダイオード20を収容する光入射部10は、ブリッジ7の近傍に設けられているが、光入射部10の位置を演奏部分に近づけるほど、弦4の撓みに起因する光の漏洩によってフォトダイオード14に受光される光量の変化は大きくなる。
図4における線材33がコアとクラッドとの二重構造の場合には、漏洩する光量は少なくなるが、光通信に用いる漏洩が極めて少ない光ファイバと違って、本発明の電子ギターに用いる弦の場合には、むしろ漏洩を利用して弦の振動状態を検出するので、光通信に用いる高級な光ファイバは必要ない。クラッドの機能を持つ外皮の材料および製造方法も安価にできる。本発明の電子ギターに用いる弦は、ポリカーボネートに限らず、引っ張り強度の強い合成樹脂であるポリアミド、ポリプロピレン、アラミド、フッ素化ポリオレフィンなどの材料に簡単な光反射材料を被覆する構造であればよい。また、クラッドの機能を持つ外皮の材料も塗装や着色ビニールの皮膜でよい。
図5は、第1実施形態における電子ギターのシステムを示す図である。図5において、CPU101は、システムバスを介して、ROM102、RAM103、音源回路104、MIDIインターフェース105に接続されていると共に、複数のポートを備えている。ROM102は、CPU101によって実行される制御プログラムや初期データなどを予め記憶している。RAM103は、CPU101のワークエリアであり、CPU101によって処理されるデータを一時的に記憶するための、各種の変数、フラグ、発音バッファなどのエリアがある。音源回路104は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、D/A変換回路、増幅回路などの信号処理回路(図示せず)を含んでおり、CPU101の発音指令および発音データに基づいて楽音信号を生成して、アナログ信号として出力する。MIDIインターフェース105は、外部のMIDI機器との間でMIDIデータを送受信する。
CPU101のポートOUTには、発光インターフェース回路106が接続されている。発光インターフェース回路106は、6本の弦4のそれぞれに光を入射する6個の発光ダイオード20を駆動する各発光回路107に対して駆動信号を与える。直流の駆動信号によって発光ダイオード20から連続的な光を発光させることも可能であるが、この実施形態においては、特定の周波数の高周波信号によって変調された駆動信号を各発光回路107に与える。変調された光信号は、弦4の内部を伝搬し、対応する受光回路108において光電変換されて復調される。したがって、弦4内を伝搬する高周波の光信号が、無変調の外光、室内の蛍光灯の低周波の光、および、その他の様々な外部の光に起因するノイズの影響を受けることがない。
6個の受光回路108は弦の振動の有無を抽出する微分回路(図示せず)を含んでおり、6本の弦4のそれぞれから受光した6個のフォトダイオード14からの光信号を電気信号に変換し、弦振動の検出信号としてA/D変換回路109および対応する増幅回路110に入力する。A/D変換回路109は、受光回路108から入力された検出信号をアナログからデジタルに変換して、CPU101のポートINに入力する。一方、増幅回路110は、受光回路108から入力されたアナログの検出信号を増幅して合成回路111に入力する。合成回路111は、増幅回路110から入力された6系統の検出信号を合成して合成信号を生成する。スイッチ回路112の機能については後述する。
図6は、演奏された開放弦の6弦および1弦に対応する受光回路108から出力される弦振動の検出信号を示す図である。図6(A)に示す6弦の検出信号は、基音(n=1)の周波数である82.470Hzの他に、倍音(n=2)の周波数が発生する。しかし、太い直径の6弦の制動係数の値が大きいので3倍音以上の周波数はほとんど発生しない。ただし、指板部2のフレットが押さえられたときには、そのフレット位置に応じて、3倍音以上の周波数が発生する。一方、図6(B)に示す1弦の検出信号は、細い直径の1弦の制動係数の値が小さいので、基音(n=1)の周波数である329.628Hzの他に、倍音(n=2)、3倍音(n=3)、4倍音(n=4)、5倍音(n=5)…の周波数が発生する。5弦乃至2弦の弦振動の検出信号は、図6(A)と図6(B)との中間的な周波数特性になる。
図7乃至図10は、CPU101によって実行される弦振動検出の制御プログラムである。図7は、メインルーチンのフローチャートであり、所定のイニシャライズ(ステップSA1)の後、スイッチ処理を実行する(ステップSA2)。図8は、図7のステップSA2におけるスイッチ処理のフローチャートである。モードスイッチがオンされたか否かを判別し(ステップSB1)、このスイッチがオンされたときは、フラグSTFが「0」であるか又は「1」であるかを判別する(ステップSB2)。STFが「0」である場合には、STFを「1」にセットし(ステップSB3)、STFが「1」である場合には、STFを「0」にリセットする(ステップSB4)。
STFが「0」である場合には、図5においてCPU101のポートMODEからの制御信号によって、増幅回路110および合成回路111に電源が供給されて、これらの回路がアクティブ状態になると共に、スイッチ回路112が合成回路111に接続される。この結果、CPU101の制御に依らず、合成回路111からのアナログの合成信号が外部のサウンドシステムに供給されて、演奏に応じた楽音が発生される。一方、STFが「1」である場合には、CPU101のポートMODEからの制御信号によって、増幅回路110および合成回路111への電源が停止して、これらの回路がノンアクティブ状態になると共に、スイッチ回路112が音源回路104に接続される。この結果、CPU101の制御に応じて音源回路104からのアナログの合成信号が外部のサウンドシステムに供給されて、演奏に応じた楽音が発生される。
図8において、STFをセット又はリセットした後、他のスイッチがオンされたか否かを判別し(ステップSB5)、ギター操作部8における特殊演奏のスイッチ又は音源操作部9の音色設定スイッチなどがオンされたときは、そのスイッチに対応する処理を行う(ステップSB6)。オンされた他のスイッチに対応する処理の後、又は、他のスイッチがオンされない場合には、図7のメインルーチンに戻る。
図7において、STFが「1」が否かを判別し(ステップSA3)、STFが「1」の場合には、発光処理(ステップSA4)、受光処理(ステップSA5)、音源処理(ステップSA6)、その他の処理(ステップSA7)を実行し、ステップSA2に移行して、スイッチ処理を実行する。したがって、CPU101は、スイッチ処理においてモードスイッチがオンされない限り、発光処理(ステップSA4)、受光処理(ステップSA5)、音源処理(ステップSA6)、その他の処理(ステップSA7)を繰り返し実行する。
図9は、図7のステップSA5における受光処理のフローチャートである。弦を指定する変数nを「1」にセットして(ステップSC1)、nの値を変化させながら、ステップSC2からステップSC10までのループ処理を実行する。ループ処理においては、A/D変換回路109を介して、n番目の弦からの検出信号G(n)が入力されたか否かを判別し(ステップSC2)、検出信号G(n)が入力されたときは、その弦に対応する発音フラグONF(n)が「0(消音状態)」であるか否かを判別する(ステップSC3)。ONF(n)が「0」である場合には、ONF(n)を「1(発音状態)」にセットして(ステップSC4)、RAM103の発音バッファ内に楽音波形であるエンベロープENV(n)を生成する(ステップSC5)。
ステップSC3において、ONF(n)が「1」である場合には、入力された検出信号G(n)のレベルLEV(n)が発音すべき最小のレベルである所定値より小さいか否かを判別する(ステップSC6)。LEV(n)が所定値以上である場合には、エンベロープENV(n)を生成する(ステップSC5)。一方、LEV(n)が所定値より小さい場合には、エンベロープENV(n)の生成を終了して(ステップSC7)、ONF(n)を「0(消音状態)」にリセットする(ステップSC8)。
ステップSC5において、エンベロープENV(n)を生成した後、又は、ステップSC8において、ONF(n)を「0」にリセットした後は、nの値を「1」だけインクリメントする(ステップSC9)。このとき、nの値が「6」を超えたか否かを判別し(ステップSC10)、nの値が「6」以下である場合には、ステップSC2に移行して、上記のループ処理を繰り返す。ステップSC10において、nの値が「6」を超えたときは、図7のメインルーチンに戻る。
図10は、図7のステップSA6における音源処理のフローチャートである。弦を指定する変数nを「1」にセットして(ステップSD1)、nの値を変化させながら、ステップSD2からステップSD7までのループ処理を実行する。ループ処理においては、ONF(n)が「1(発音状態)」であるか否かを判別し(ステップSD2)、ONF(n)が「1」である場合には、現在の検出信号G(n)の周波数を発音バッファのレジスタF(n)にストアし(ステップSD3)、音量のレベルを発音バッファのレジスタL(n)にストアする(ステップSD4)。
図11は、RAM103の発音バッファにストアされる各弦の検出信号の周波数およびレベルのデータを表す図である。図11に示すように、各弦の演奏に応じて変化する検出信号のスペクトルデータが発音バッファにストアされる。ストアされるスペクトルデータの周波数は、押さえられるフレット位置に応じた弦の振動数によって変化し、レベルは演奏の強さに応じた弦の振動の振幅によって変化する。
図10において、発音バッファにストアしたF(n)の周波数、L(n)のレベル、およびエンベロープENV(n)のデータを音源104に送付する(ステップSD5)。そして、nの値を「1」だけインクリメントして(ステップSD6)、nの値が「6」を超えたか否かを判別する(ステップSD7)。nの値が「6」以下の場合には、ステップSD2に移行して、上記のループ処理を繰り返す。ステップSD7において、nの値が「6」を超えたときは、図7のメインルーチンに戻る。
このように、上記第1実施形態によれば、ボディ部1に設けられたブリッジ7によって一方の端部が係止され、ヘッド部に設けられた調整機構5によって他方の端部が係止されて、ボディ部1の演奏部および指板部2にわたって張られた6本の導光性の弦4と、ブリッジ7の近傍における各弦4内の所定箇所に形成された光拡散部分4aと、各弦4の光拡散部分4aに向けて光を入射する発光ダイオード20と、発光ダイオード20によって入射され光拡散部分4aによって拡散されて弦4内を伝搬してブリッジ7側の一方の端部から出射する光を受光するフォトダイオード14と、演奏された弦4の振動に応じて変化する光がフォトダイオード14によって受光されたときに、弦4の振動を検出して検出信号を発生する受光回路108と、受光回路108によって発生された検出信号に応じた楽音を発生するCPU101および音源回路104とを備えている。
したがって、弦振動を振幅の大小にかかわらず、かつ、周囲の電磁ノイズの影響を受けることなく確実に検出して、繊細な楽音を発生することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図12は、指板部2の先端において弦4を係止するナット6の組立分解図である。図12に示すように、ナット6は、上部ナット6aおよび下部ナット6bで構成され、それぞれに6本の弦4を挟み込むための上溝6cおよび下溝6dが形成されている。下部ナット6bは、ネジ6eによってネック部3に固定される。上部ナット6aは、弦4を挟み込んだ状態でネジ6fによって下部ナット6bに固定される。ネック部3には、指板部2の反りを矯正するトラスロッド(図示せず)を固定するためのネック反り調整ネジ21を挿入できる穴22が形成されている。図13は、下部ナット6bをネック部3に固定した状態を示す拡大斜視図である。図13に示すように、下溝6dの略45度に傾斜した部分には、発光ダイオード20を挿入するための穴が形成され、二点鎖線で示す弦4に略45度の角度で光が当たる構造になっている。したがって、上部ナット6aおよび下部ナット6bは、光源カバーおよび光源ベースを構成する。なお、他の構成については、図1乃至図11に示した第1実施形態の構成と同じであるので、図1乃至図11を適宜援用する。
図14は、上部ナット6a、下部ナット6b、発光ダイオード20などの組立分解断面図である。上部ナット6aに形成された上溝6cの傾斜した部分には、クロムなどの金属の蒸着によって表面が鏡面加工された光反射部材6gが形成されている。各弦4に対応する6個の発光ダイオード20は、プリント基板23に搭載された状態で、下部ナット6bに形成された穴6hに挿入される。プリント基板23は、PCB等の樹脂カバー24によってネジ止めされるが、発光ダイオード20に駆動信号を送信するためのケーブル25が、ネック部3の穴3aおよび樹脂カバー24の穴24aを通って、プリント基板23と図5の発光回路108とを接続する。図12に示したように、ネック部3にはナット21を挿入するためのザグリ加工された穴22が形成されているが、さらにその奥にはトラスロッド用の穴26がボディ部1との接続部まで形成されている。これらの穴22および穴26を利用して、ケーブル25を通すための溝27が穴22および穴26に沿って形成されている。
組み立てる際には、図14において、発光ダイオード20、プリント基板23、および樹脂カバー24を下部ナット6bに取り付け、次に、図13に示すように、下部ナット6bをネック部3にネジ6eにより取り付ける。この後、溝27にケーブル25を這わせて接着剤などで要所を固定した後に、トラスロッドを穴26に挿入し、トラスロッドの一端のネジにナット21をねじ込み、ボディ部1側において他端のネジにナットをねじ込む。次に、弦4を下部ナット6bの下溝6dにはめ込んだ状態で指板部2に張る。そして、図12に示すように、上部ナット6aを下部ナット6bにネジ6fにより取り付ける。図15は、図14の6本の弦4を挟み込んで上部ナット6aおよび下部ナット6bをネック部3に取り付けた状態における、A−A線に沿った断面図である。
図16は、上部ナット6aおよび下部ナット6bに挟み込まれた弦4の状態を示す一部の拡大断面図である。図16に示すように、発光ダイオード20から出射した光は光反射部材6gによって反射して、弦4の内部を伝搬して、図2に示したフォトダイオード14によって受光される。この場合においても、演奏される弦4の振動による撓みに応じて伝搬する光が弦4から外に漏洩するので、フォトダイオード14によって受光される光量が弦4の振動によって変化する。したがって、第1実施形態と同様に、図5の受光回路108は、演奏される弦4の振動に応じた検出信号をA/D変換回路109および増幅回路110に入力する。この後の信号処理については、第1実施形態と同じであるので、その説明は省略する。
このように、第2実施形態によれば、ボディ部1の前面に設けられたブリッジ7によって一方の端部が係止され、指板部2の先端からボディ部1の後面側に屈曲したネック部3のヘッド部に設けられた調整機構5によって他方の端部が係止されて、ボディ部1の演奏部および指板部2にわたって張られた6本の導光性の弦4と、指板部2の先端付近で屈曲された各弦4に接して押圧するナット6において、各弦4に接する部分に設けられた光反射部材6gと、各弦4の屈曲された部分に向けて光を入射する発光ダイオード20と、発光ダイオード20によって入射され光反射部材6gによって反射されて、弦4内を伝搬してブリッジ7近傍の一方の端部から出射する光を受光するフォトダイオード14と、演奏された弦4の振動に応じて変化する光がフォトダイオード14によって受光されたときに、弦4の振動を検出して検出信号を発生する受光回路108と、受光回路108によって発生された検出信号に応じた楽音を発生するCPU101および音源回路104とを備えている。
したがって、ナット6およびブリッジ7の2つの支点間に張られた弦4の倍振動を含む複雑な振動を確実に検出して、弦4全体で発生する倍音を含む豊かな楽音を実現できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態の変形例であり、弦を伝搬してフォトダイオードによって受光される光量の変化をさらに改善するものである。したがって、第1実施形態および第2実施形態において示した図1乃至図13を適宜援用する。
図17は、第3実施形態の構成およびその作用を示す図である。図17(A)は、弦4およびフォトダイオード14を含む断面図である。フォトダイオード14近傍の弦4の2箇所には、光の絞り機能をもつ遮光部分4b、4cがレーザ照射によって形成されている。図17(B)および図17(C)は、それぞれ遮光部分4b、4cの拡大断面図である。図17(A)および図17(B)に示すように、遮光部分4bは弦4の下側すなわちボディ側にくさび形に形成されている。一方、図17(A)および図17(C)に示すように、遮光部分4cは弦4の上側にくさび形に形成されている。図17(D)は、フォトダイオード14から見た遮光部分4b、4cの拡大断面図である。このため、弦4の中を伝搬してきた光は、遮光部分4b、4cによって光量が絞り込まれてフォトダイオード14に入射するが、弦4の振動に応じて絞り込まれる光量が変化する。
図18は、弦4の振動とフォトダイオード14から見た遮光部分4b、4cの拡大断面図との関係を示す図である。図18(A)は、弦4が振動していない場合における遮光部分4b、4cの状態を示している。図18(B)は、弦4が少し振動した場合における遮光部分4b、4cの状態を示している。図18(C)は、弦4がさらに大きく振動した場合における遮光部分4b、4cの状態を示している。図18(D)は、弦4が複雑に振動した場合における遮光部分4b、4cの状態を示している。
図19は、遮光部分4b、4cがない場合の検出信号の波形w1と、遮光部分4b、4cを設けた場合の検出信号の波形w2とを比較するグラフの図である。このグラフの横軸は時間tであり、縦軸は信号のレベルLevelである。この比較から明らかなように、遮光部分4b、4cがない場合には、波形w1の直流成分のレベルL1は大きいが、波形w1の交流成分の振幅d1は小さい。一方、遮光部分4b、4cを設けた場合には、波形w2の直流成分のレベルL2は小さいが、波形w2の交流成分の振幅d2は大きい。したがって、遮光部分4b、4cを設けたほうが、デリケートな演奏に応じた繊細な弦4の振動の変化を、遮光部分4b、4cによる光の相対的な増幅によって検出することができる。
図20は、弦4が捻れて振動した場合の遮光部分4b、4cの変化を示す図である。図20(A)は、弦4が振動していない場合における遮光部分4b、4cの状態を示している。図20(B)は、弦4が捻れて振動した場合における遮光部分4b、4cの状態を示している。
このように、この第3実施形態によれば、弦4内を伝搬する光量を制限するために各弦4内の一方の端部近傍の2箇所に形成されて、演奏された弦4の振動に応じて変化する光の振幅を相対的に増幅する遮光部分4b、4cを備えている。
したがって、微妙な弦振動を確実に検出して、繊細な楽音を発生することができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態においても、第1実施形態と同じ構成については、その図面を適宜援用する。図21は、第4実施形態の構成を示す断面図である。図21において、ブリッジ7の上面に設けられた下係止部材11および上係止部材13によって、図2(C)に示した第1実施形態と同様に、弦4が挟み込まれている。ただし、弦4のブリッジ7側の端面の近傍には、第1実施形態におけるフォトダイオードの代わりにフォトカップラ28が設けられ、プリント基板29に駆動回路と共に搭載されている。また、弦4の反対側の端面には、表面が鏡面加工された光反射部材4rがクロムなどの金属の蒸着によって形成されている。このため、フォトカップラ28から出射された光は弦4の内部を伝搬し、光反射部材4rによって反射されて逆方向に伝搬し、フォトカップラ28によって受光される。プリント基板29の駆動回路は、リード線30によってプリント基板18に接続されている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
図22は、プリント基板29に搭載されているフォトカップラ28および駆動回路の回路図である。図22において、オペアンプ41、トランジスタ42、および負荷抵抗44は、図5の発光インターフェース106から入力される駆動信号に応じて、フォトカップラ28の発光ダイオード43に一定の電流を供給する低電流回路を構成する。この電流によって発光ダイオード43から出射された光は、上記したように、弦4の内部を伝搬して光反射部材4rによって反射されて、フォトダイオード45によって受光される。フォトダイオード45から出力される受光電流は、負荷抵抗46によって電圧に変換された検出信号として、図5のA/D変換回路109および増幅回路110に入力される。この後の信号処理は第1実施形態と同じである。
このように、第4実施形態によれば、ボディ部1に設けられたブリッジ7によって一方の端部が係止され、ヘッド部に設けられた調整機構5によって他方の端部が係止されて、ボディ部1の演奏部および指板部2にわたって張られた6本の導光性の弦4と、各弦4のネック3側の端部に形成された光反射部材4rと、各弦4のブリッジ7側の端部から光を入射し、その光が各弦4内を伝搬して、光反射部材4rによって反射されて、弦4内を伝搬してブリッジ7側の端部から出射する光を受光するフォトカップラ23と、演奏された弦4の振動に応じて変化する光がフォトカップラ23によって受光されたときに、弦4の振動を検出して検出信号を発生する受光回路108と、受光回路108によって発生された検出信号に応じた楽音を発生するCPU101および音源回路104とを備えている。
したがって、ナット6およびブリッジ7の2つの支点間に張られた弦4の倍振動を含む複雑な振動を確実に検出して、弦4全体で発生する倍音を含む豊かな楽音を実現できる。
なお、上記第1実施形態乃至第4実施形態において、図1に示した音源操作部9によって、トレモロ演奏やハーモナイズ演奏などの特殊演奏、リズム楽器、管楽器、鍵盤楽器のパートとの合奏や、MIDIインターフェース105から入力される外部MIDI装置からの演奏データとの合奏が可能である。このような場合には、音源回路104のDSPによってギターの楽音と合奏されるパートの楽音が生成されて発音される。また、図5のスイッチ回路112に替えて、アナログ信号の合成回路を設けた場合には、合成回路111から出力される電子ギターのパートと、MIDIインターフェース105から入力されて、音源回路104から出力されるリズム楽器、管楽器、鍵盤楽器のパートとの合奏ができる。
なおまた、上記各実施形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、この明細書に添付した特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者によって容易に考えられる他の実施形態および様々な変形例が可能である。
例えば、上記各実施形態においては、電子ギターを例に採って本発明の電子弦楽器を説明したが、電子ギター以外の電子弦楽器にも適用できる。例えば、電子ベース、電子チェロ、電子コントラバス、電子バイオリン、電子ビオラなどの洋楽器、および、電子琴などの和楽器にも適用できることは明らかである。
また、上記第1実施形態乃至第4実施形態において、入射された光を伝搬する導光性の弦4の演奏によって得られる楽音の音色をアコースティクギターの音色に近似させるように、発光ダイオード20の位置や、音源回路104のDSPの制御を設計することも必要であるが、必ずしもこのような設計に固執するものではない。入射された光を伝搬する導光性の弦4から得られる検出信号によって、従来の弦楽器やその他の楽器とは異なる特殊な音色の楽音が得られるならば、その音色の楽音を活かして新たな楽器を構成してもよい。
さらに、本発明の応用範囲は、電子弦楽器に限定されるものではない。図4および図15に示した構成により、導光性の線材に光を入射して、その線材が地震、風、波その他の外部の物理的な影響に応じて振動するのをフォトダイオードによって検出して、振動の大きさや方向などを検出する振動検出装置に応用することも可能である。他の振動検出装置のように、検出対象の中を電気信号が通ることがないので、ショートのおそれがある水や発火性の液体などに導光性の線材を沈めて、その振動を検出することも可能である。このような振動検出装置に用いる導光性の線材は、電子弦楽器の弦の直径よりもさらに細い直径のものが要求される場合もあるが、現在の光ファイバの製造技術によれば、極めて細い導光性の線材が得られるので、様々な対象の振動を容易に検出できる。
本発明の第1実施形態における電子ギターの外観を示す図。 第1実施形態における光の発光および受光の様子を示す図。 第1実施形態における弦の撓みと光拡散部分による拡散光の方向との関係を示す図。 導光性の線材において内部を伝搬する光の漏洩と線材の撓みとの関係を示す図。 第1実施形態における電子ギターのシステムを示す図。 6弦および1弦に対応する受光回路から出力される弦振動の検出信号を示す図。 図5のCPUによって実行される弦振動検出の制御プログラムにおけるメインルーチンのフローチャート。 図7におけるスイッチ処理のフローチャート。 図7における受光処理のフローチャート。 図7における音源処理のフローチャート。 図5のRAMの発音バッファにストアされる各弦の検出信号の周波数およびレベルを表す図。 第2実施形態におけるナットの挟み込まれる弦の組立分解図。 図12における下部ナットの一部の拡大図。 第2実施形態におけるナットおよび発光ダイオードの組立分解断面図。 第2実施形態において6本の弦を挟み込んで上部ナットおよび下部ナットをネック部に取り付けた場合の断面図。 第2実施形態における上部ナットおよび下部ナットに挟み込まれた弦の状態を示す一部の拡大断面図。 第3実施形態の構成およびその作用を示す図。 弦の振動とフォトダイオードから見た2つの遮光部分の拡大断面との関係を示す図。 遮光部分がない場合の検出信号の波形と、遮光部分を設けた場合の検出信号の波形とを比較するグラフの図。 弦が捻れて振動した場合の遮光部分の変化を示す図。 第4実施形態の構成を示す断面図。 図21のプリント基板に搭載されているフォトカップラおよび駆動回路の回路図。
符号の説明
1 ボディ部
2 指板部
3 ネック部
4 弦
4a 光拡散部分
4b、4c 遮光部分
6a 上部ナット
6b 下部ナット
6g 光反射部材
7 ブリッジ
14 フォトダイオード
20 発光ダイオード
22、26 トラスロッド用穴
27 ケーブル用の溝
28 フォトカップラ
101 CPU
104 音源回路
107 発光回路
108 受光回路

Claims (4)

  1. 本体の前面に設けられた第1の係止手段によって一方の端部が係止され、音高を指定する指板部の先端から当該本体の後面側に屈曲して延在するヘッド部に設けられた第2の係止手段によって他方の端部が係止されて、当該本体の演奏部および当該指板部にわたって張られた複数の導光性の弦と、
    前記第1の係止手段の近傍における各弦内の所定箇所に形成された光拡散手段と、
    前記各弦の光拡散手段に向けて光を入射する発光手段と、
    前記発光手段によって入射され前記光拡散手段によって拡散されて弦内を伝搬して前記一方の端部から出射する光を受光するとともに当該受光された光の光量を検出する受光手段と、
    演奏された弦の振動に応じて前記受光手段により受光される光の光量が変化した際に当該光量の変化に対応した検出信号を発生する信号発生手段と、
    前記信号発生手段によって発生された検出信号に応じた楽音を発生する楽音発生手段と、
    を備えたことを特徴とする電子弦楽器。
  2. 前記光拡散手段は、レーザの照射によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子弦楽器。
  3. 伝搬する光量を制限するために前記各弦内の一方の端部近傍の少なくとも1箇所に形成されて、演奏された弦の振動に応じて変化する光の振幅を相対的に増幅する遮光手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子弦楽器。
  4. 前記遮光手段は、レーザの照射によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子弦楽器。
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