JP4782967B2 - 過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質を同定する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、過分極活性化陽イオンチャネル(hyperpolarization-activated cation channel)の活性を調節する物質を同定する方法及びこの方法の使用を提供する。
マウスおよびヒトの過分極活性化陽イオンチャネルのいくつかの遺伝子はすでに公知である(例えば、muHCN2(muHAC1)(Ludwigら(1998))、huHCN4(Ludwigら(1999))、huHCN2(Vaccari,T et al.(1999)Biochim.Biophys. Acta 1446(3): 419-425)、WO 99/32615及びWO 99/42574)。
【0002】
Ludwig et al.(1998)は、muHCN2がHEK293細胞中に一時的にトランスフェクトされ得ることを示し、そしてそのトランスフェクトされた細胞において対応するイオンチャネルは、電気生理学的方法(パッチクランプ研究)により容易に調べられ得る。クローン化されたチャネルの電気生理学的特性は、ペースメーカ細胞に表されるIfまたはIh電流に対応し、これは従来分子レベルでは知られていなかった(Ludwig et al.(1998), Biel et al. (1999))。このチャネルは、保持電位が過分極に向かって変化する場合、活性化する(約-100〜-160mVの電位)。しかし、パッチクランプ技術は自動化され得ず、高効率スクリーニング(HTS)には適さない。
【0003】
適切な色素を使用して、イオン電流がFLIPR(蛍光画像プレートリーダー;Molecular Devices, Sunnyvale CA, USA)で測定され得る。イオンの流入または流出は、膜電位に変化をもたらし、これは、適切な蛍光色素を使用してFLIPRにおいて高効率スクリーニングで測定され得る。しかし、パッチクランプ法と比較して、FLIPRにおいて電圧変化を生じることはできない。しかし、電圧変化は過分極活性化陽イオンチャネルの活性化に必須の必要条件である。
可能な最大数の物質の試験のために、本発明者らは過分極活性化陽イオンチャネルのモジュレータについての高効率スクリーニングを可能にする方法を開発した。
【0004】
この状況において、過分極活性化陽イオンチャネルを発現する細胞を過分極化する(すなわち、過分極活性化陽イオンチャネルを活性化する)方法及びその細胞の過分極を維持する方法を見出すことが本発明の目的であった。生理学的条件下で、過分極活性化陽イオンチャネルを活性化するのに十分な細胞の過分極は、このチャネルの活性により無効にされる。過分極が維持され得る場合のみ、例えばFLIPRにおいて、過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質による適切な条件下で引き起こされる細胞の脱分極を測定することが可能である。
【0005】
本発明は、過分極活性化陽イオンチャネルを調べるための方法を提供し、ここで、過分極活性化陽イオンチャネルを発現する細胞は過分極化されて、すなわち過分極活性化陽イオンチャネルは活性化され、そして過分極活性化陽イオンチャネルの活性により生理学的条件下では無効にされる細胞の過分極が維持される。細胞外ナトリウムイオンの添加により、FLIPRにおいて活性化されたHCNチャネルは、細胞中にナトリウムイオンを輸送し得、すなわち細胞を脱分極し得る。ナトリウムイオンの添加と同時またはその前でさえ、過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質が添加された場合、脱分極は、ナトリウムイオンのみが添加される場合と比較して、HCN活性化剤(例えば、フォルスコリン(Forskolin))の場合、増大し、そしてHCN阻害剤(例えば、ザテブラジン(zatebradine)=3-[3-[[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]メチルアミノ]プロピル]-1,3,4,5-テトラヒドロ-7,8-ジメトキシ-2H-3-ベンザゼピン-2-オン、Reiffenら(1990))の場合、低減される。
【0006】
細胞の脱分極またはそれらの膜電位の変化を測定することにより、過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質を同定することができる。
【0007】
本発明は、
a) 過分極活性化陽イオンチャネルを発現する細胞を使用し;
b) この細胞は、等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液を使用して電位感受性蛍光色素の存在下で過分極化され;そして
c) ナトリウムイオン及び調べられる物質の同時添加後、細胞の膜電位の変化が記録されることからなる、
過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質を同定するための方法を提供するものである。
【0008】
本発明は、
a) 過分極活性化陽イオンチャネルを発現する細胞を使用し;
b) この細胞は、等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液を使用して電位感受性蛍光色素の存在下で過分極化され;
c) この細胞が調べられる物質と共にインキュベートされ;そして
d) ナトリウムイオンの添加後、この細胞の膜電位の変化が記録されることからなる、
過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質を同定するための方法を提供するものである。
【0009】
細胞外カリウムイオンの存在は、過分極活性化陽イオンチャネル(例えば、HCN(HAC)チャネル)の機能にとって重要であり、すなわち、等浸透圧性(isoosmolar)のナトリウムイオンを含まない緩衝液は、カリウムイオン(K+)を例えば塩化カリウムの形態で、好ましくは少なくとも約0.5 mM K+または0.8 mM K+、好ましくは2 mM、特に好ましくは、約5 mM K+で含む。
【0010】
等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液は好ましくは別の陽イオンを含み、このイオンは、正常な細胞外ナトリウムイオン濃度に対応した量で膜を横切ることができないものである(例えばコリン(例えば塩化コリンの形態で)またはNMDG(N-メチル-D-グルカミン))。
【0011】
等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液は、好ましくは電位感受性色素、例えば電位感受性蛍光色素(例えばオキソノール誘導体(3-ビス-バルビツール酸オキソノールのような))を含む。
【0012】
非興奮性細胞の膜電位を調べるのに適する電位感受性蛍光色素、例えば、電位感受性遅応答性色素(例えば、ビス-(1,3-ジブチルバルビツール酸)トリメチンオキソノール[DiBAC4(3)]、ビス-[1,3-ジエチルチオバルビツール酸]トリメチルオキソノール[DiBAC2(3)]またはビス-(1,3-ジブチルバルビツール酸)ペンタメチンオキソノール[DiBAC4(5)])を使用することが好ましい。他の公知でかつ適切な電位感受性色素は、興奮性細胞(例えば、ニューロン、心臓細胞等)に好ましくは使用される高速応答性色素(主にスチリルピリジニウム型)である。これらの電位感受性色素は、ミリ秒範囲で反応し、そして特別に感受性ではない(100mVの電位変化当たり2〜10%の蛍光変化)。また、例えば、カルボシアニン型(例えば、ジOC5(3)-3,3'-ジペンチルオキサカルボシアニンヨウ化物、ジOC6(3)-3,3'-ジヘキシルオキサカルボシアニンヨウ化物等)、JC-1(5,5',6,6'-テトラクロロ-1,1'-3,3'-テトラエチルベンズイミダゾール-カルボシアニンヨウ化物等)及びローダミン123)の遅応答性色素を使用することが可能であり;これらの遅応答性電位感受性色素は、ミトコンドリアの膜電位の研究に特に適切である。
【0013】
本発明の特定の実施態様は、「FLIPR膜電位アッセイキット」(Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)由来の蛍光色素の使用に関する。この色素の蛍光は、標準的なエミッションフィルタを使用して測定され得、これは、510と580 nmとの間で透過する、好ましくは550 nmを超えて透過するフィルタを使用して測定される。
【0014】
このキットに基づいてどの色素、またはどの色素形態の組み合わせかはわからないが、この会社は、diBAC4(3)と比較して、これらのキットの多くの利点を述べている:
1)このキットを用いた膜電位の測定は、温度をFLIPRでの実際の測定の前に釣り合わせなければならないdiBAC4(3)と比較して、温度感受性ではない。
2)FLIPRにおいて添加される量は、diBAC4(3)の場合の量より大きくなり得、ここで通常全ての物質は、10倍の濃縮形態で添加されなければならない。
3)このキットは、定常状態に達するのに通常10分〜30分の間を必要とするdiBAC4(3)より、必要とする時間がだいぶ短いことから、測定がずっと速やかに実施され得る。
4)多くの測定プロトコルに関して、色素の添加前の洗浄工程はもはや必要としない。
5)色素は、各溶液に存在しなくてもよい。
【0015】
これらの利点のうち、特に最初の2つが過分極活性化陽イオンチャネルにとって重要である。なぜなら、384ウェルプレートでの測定が可能であり、かつ高効率スクリーニングに関して好ましく使用される、特にFLIPR IIにおいて、温度調節は複雑でありそして時間がかかるからである。可溶性に乏しい物質の場合において、それらが10倍の濃縮形態の代わりに5、3、または2倍の濃縮形態でさえ細胞に添加できる場合それはさらに優れた利点である。
【0016】
この過程で、高い細胞内cAMP濃度を有する細胞を使用することが好ましい。これは、例えば、膜を通過し得るcAMP誘導体(例えば、ジブチリル-cAMP及び8-ブロモ-cAMP)を添加することにより達成され得る。細胞内cAMP濃度を増大させるさらなる可能性は、アデニル酸シクラーゼ活性化剤(例えば、フォルスコリン(forskolin)、好ましくは、1μM〜100μMまたは1μM未満のフォルスコリン、特に好ましくは約10μMのフォルスコリン)の添加である。原則として、使用される細胞系において情報伝達によりアデニル酸シクラーゼを活性化する全ての物質またはリガンドを使用することもまた可能である(細胞が内因性β-アドレナリンレセプターを有する場合、例えば、β-アドレナリンレセプターに対するリガンド、例えば、アドレナリン、イソプロテレノール、ノルアドレナリン等)。
【0017】
膜電位を脱分極するために、Na+(ほとんどの場合、NaClの形態で)がFLIPRにおいて、好ましくは最終Na+濃度20〜100 mM、特に好ましくは最終Na+濃度50 mMまで、ナトリウムを含まない緩衝液により過分極化した細胞に添加される。FLIPR膜電位アッセイキット(Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)が使用される場合、最終Na+濃度は同様に20〜100 mM、好ましくは40〜80 mMであり得る。
【0018】
本発明は、特に過分極活性化陽イオンチャネルがHCN1、HCN2、HCN3、HCN4チャネル(ここでHAC1=HCN2、HAC2=HCN1、HAC3=HCN3及びHAC4=HCN4)またはKAT1(=AKT)チャネル(Arabidopsis thaliana由来の過分極活性化陽イオンチャネル)またはこれらのチャネルのヘテロマルチマー(すなわち、異なる過分極活性化陽イオンチャネルのサブユニットから構成されるチャネル)またはキメラ過分極活性化陽イオンチャネル(すなわち、個々のサブユニットが異なるチャネルもしくは過分極活性化陽イオンチャネルの一部分から構成される)である方法に関する。過分極活性化陽イオンチャネルは、好ましくはヒト過分極活性化陽イオンチャネル、例えば、huHCN2(配列番号1、配列番号2)もしくはhuHCN4(配列番号3、配列番号4)またはマウス過分極活性化陽イオンチャネルmuHCN2(配列番号5、配列番号6)である。アミノ酸レベルに関して、muHCN2とhuHCN2との間の同一性は、94.8%である。原則的に、この方法は、過分極により活性化される全ての陽イオンチャネルに対して(すなわち、例えば、HCN1〜4(またはHAC1〜4;Biel et al.(1999)を参照のこと))適している。
【0019】
細胞は、好ましくは哺乳動物細胞(例えば、CHOまたはHEK293細胞)である。CHOまたは同等にほとんど内因性カリウムチャネルを有さない別の細胞系を使用することが好ましい。なぜなら、これらの内因性カリウムチャネルは、FLIPRにおける測定を干渉し得るからである。しかし、内因性カリウムチャネルが機能的に発現しない細胞(例えば、対応するノックアウト細胞)を使用することも可能である。
【0020】
細胞は、好ましくは、過分極活性化陽イオンチャネルをコードするDNA、好ましくは適切なプラスミドにおける過分極活性化陽イオンチャネルのcDNAを含む。このような細胞は、好ましくは、過分極活性化陽イオンチャネルのcDNAを含むプラスミドを用いて元の細胞株にトランスフェクトすることにより好ましくは調製される。
【0021】
過分極活性化陽イオンチャネルの場合、細胞の膜電位の変化を記録することが目的であり、この変化はこれらのチャネルの活性化または阻害の結果である。diBAC色素と主に呼ばれる3つのビス-バルビツール酸オキソノール(Fluorescent Probes and Research Chemicals, 第6版, Molecular Probes, Eugene OR, USAにおける情報)は、490nm(diBAC4(3))、530 nm(diSBAC2(3))及び590 nm(diBAC4 (5))の最大励起を有する電位感受性色素のファミリーを形成する。この色素は、細胞内タンパク質または膜に結合することにより脱分極した細胞に入り込み、増大された蛍光及び赤色シフトをもたらす。過分極は、陰イオン色素の排除を生じ、従って蛍光の低減を生じる。この蛍光の低減は、例えば計測装置FLIPRを用いて、測定され得る。
【0022】
FLIPR(蛍光画像プレートリーダー;製造会社:Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)は、マイクロタイタープレートの全てのウェルにおいて蛍光強度の変化の同時測定を可能にする計測装置である。使用される色素は、このシステムに統合されているアルゴンレーザーを使用して488 nmで励起される。このシステムの標準的なエミッションフィルタは、510〜580 nmの範囲で透過する。放出される蛍光は、CCDカメラを使用して記録され、そしてこのシステムは、96ウェルまたは384ウェルマイクロタイタープレートの全てのウェルにおいて、約1秒間隔以内での同時記録を可能にする。付属のピペッターを使用して、物質の添加の間の蛍光を測定することさえ可能であり、これは、特に迅速な方法の場合に重要である。特別な光学の手段により、蛍光が約50μmの層でのみ記録され、全体のウェルでは記録されないことが達成される。これは、蛍光色素が細胞外にもまた存在する(例えば、diBAC色素を使用する膜電位の変化の測定においてもまた)全ての測定におけるバックグラウンド修正のために重要である。このシステムの標準的な適用は、細胞内カルシウム濃度または細胞の膜電位の測定である。
【0023】
その最大励起に起因したFLIPRにおけるアルゴンレーザーに最も適切である上述の色素のうち、diBAC4(3)は、電圧の違いに最も高い感受性を有する。
【0024】
diBAC4(3)蛍光は温度変化に敏感に反応し得るので、測定は、37℃で特定時間インキュベーション後、例えば30分後に、好ましくは、そうしないと色素溶液の冷却が測定の結果に影響し得ることから、可能な限り迅速に実施される。好ましくは、測定前に、5分間の前保温相がマイクロタイタープレートにおける温度変化を補正するために実施される。測定は、膜電位の測定のためにFLIPR製造会社により前もってセットされた温度パラメータを使用して実施される(約37℃)。
【0025】
FLIPRにおいて、この方法が実施される反応溶液の量は、好ましくは可能な限り小さく変えられる。なぜなら、diBAC4(3)シグナルは、たとえ比較的小量の変化がFLIPRにおいて起こっただけでも、ほぼ再現可能であるからである。従って、試験される物質は、diBAC4(3)で染色される細胞に対して10倍の濃縮形態で好ましくは添加される。
【0026】
「FLIPR膜電位アッセイキット」による蛍光測定が温度感受性でないので、室温で簡単に実施され得、これは特にFLIPR IIに関して有利であり、384ウェルマイクロタイタープレートによる測定を可能にする。
【0027】
diBAC4(3)と比較した「FLIPR膜電位アッセイキット」のさらなる利点は、物質が10倍の濃縮形態で添加されなくてもいいという事である。
【0028】
HCNチャネルは、過分極により活性化され(例えば、-100mVでHCN2、50%まで)、そして細胞の脱分極を引き起こす。細胞内cAMP濃度を増大することにより(例えば、ジブチリル-cAMPまたはフォルスコリンを用いる)、最大活性の半分の値が、約10mVだけ、より陽電位にシフトされ得る(Ludwig et al.1998)。電気生理学的に、HCNチャネルはパッチクランプ法を使用して安定にトランスフェクトされた細胞において容易に研究され得る。なぜなら電圧変化は容易に起こり得るからである。
【0029】
対照的に、FLIPRにおいて電圧変化を誘導することはできず、そして正確にはHCN活性のために、細胞の過分極は一時的でしかない。HCN2阻害剤(ザテブラジン(zatebradine))を添加することにより、トランスフェクトされた細胞の過分極を達成することはできなかった。なぜなら、このトランスフェクトされた細胞の静止膜電位が、HCN2が活性化される電位からあまりに離れるからである。
【0030】
一方、過分極はHCN活性に必要とされ、他方、生理学的条件下で活性化されたHCNは、速やかに脱分極をもたらす。従って、本願発明において、HCNチャネルが過分極により活性化され得る条件が選択されるが、ここで、活性化されたHCNチャネルによる脱分極は最初は不可能である。この目的を達するために、マイクロタイタープレートにより播種された細胞は、NaClが塩化コリンにより置き換えられた等浸透圧性緩衝液中で洗浄される。しかし、この洗浄緩衝液はまた、5 mM KClを含む。なぜなら、細胞外K+は、HCN活性にとって重要であるからである(Biel et al.1999)。HCN細胞の過分極をもたらすのに働くこの洗浄緩衝液はまた、FLIPRにおける膜電位の変化を測定するために5 μM diBAC4(3)を含む。細胞外Na+を除去することにより、細胞は過分極化され、すなわち、HCNが活性化される。しかし、HCNは細胞の脱分極を引き起こすことはできない。なぜなら、HCNにより輸送されるイオンNa+またはK+の必要とされる濃度勾配が失われているからである。ここで活性化されたHCNは、よりはっきりした過分極を生じる。これは、10μMフォルスコリンでFLIPRにおいてHCN細胞について測定された最初の蛍光がフォルスコリンなしのときより低く、だが一方でトランスフェクトされていない細胞での違いは存在しない。FLIPRにおいて、Na+が細胞に添加され、その結果活性化されたHCN(混合効果のある数秒後)は、Na+添加後約15秒から、細胞の脱分極を引き起こし、これは蛍光の増大により可視化される。活性化されたHCNチャネルを有する細胞(Na+の添加のみ)とブロックされたHCNチャネルを有する細胞(Na++8 mM CsCl)との間の有意な違いがHCNモジュレーターの検出に非常に重要である。10μMフォルスコリンとの前インキュベーションによるHCNチャネルの活性化は、阻害された0%値から阻害されていない100%値との間の違いをかなり増大する(図1を参照のこと)。
【0031】
本発明の特定の実施態様は、調べられる物質の1つの異なる濃度とインキュベートされる少なくとも2つの細胞集団の膜電位における変化の比較測定に関する。
【0032】
これらの活性について調べられるべき物質は、調べられる物質と呼ばれる。活性のある物質、すなわち過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質は、過分極活性化陽イオンチャネルの阻害剤(これらはチャネルを阻害し、そして脱分極を低減させるかもしくは完全に脱分極を妨げる)または活性化剤(これらはチャネルを活性化し、そしてよりはっきりともしくはより急速に脱分極を引き起こす)のいずれかであり得る。
【0033】
高効率スクリーニング(HTS)において、この方法は、過分極活性化陽イオンチャネルの阻害剤及び/または活性化剤を同定するために使用され得る。この様式で同定される物質は、例えば、薬学的に活性な化合物として使用され得る。本発明はまた、製薬上許容し得る形態における、同定された物質の製剤化をさらに含む方法を提供する。
【0034】
本発明はまた、医薬品を調製するための方法を提供し、この方法は、過分極活性化陽イオンチャネルの活性を阻害または活性化する物質の同定、及び製薬上許容し得る賦形剤とこの同定された物質を最終的に混合する工程を包含する。本発明はまた、
a)過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質の同定;
b)この物質の調製;
c)この物質の精製;及び
d)製薬上許容し得る賦形剤とのこの物質の混合、
を包含する、
医薬品を調製するための方法を提供するものである。
【0035】
本発明はまた、
a)過分極活性化陽イオンチャネルを過剰発現する細胞;
b)細胞を過剰発現するための等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液及び
c)検出のための試薬
を備える、
物質が過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節するか否かを決定する試験キットを提供するものである
物質の活性の測定として、細胞の膜電位の変化が、好ましくは電位感受性蛍光色素、例えばオキソノール誘導体、好ましくは3-ビス-バルビツール酸オキソノールを用いて測定される。
【0036】
本発明の特定の実施態様は、蛍光画像プレートリーダー(FLIPR)における膜電位の測定に関する。
【0037】
添付図面において:
図1は、各場合24ウェルの平均として時間に対して測定される蛍光の変化を示す。60秒と290秒の間の時間でよりはっきりと変化を観察し得るために、60秒に(Na+の添加後の40秒に対応)各ウェルにおいて測定される蛍光(全てのウェルにおいて一定である、固定された画素数の明るさ強度の合計)を、FLIPRソフトウェアを使用して「0」として規定した。曲線A及びBは、染色の間、染色培地中に10μMフォルスコリンを含む細胞を用いて得られ;C及びDは、フォルスコリンを全く取り込まなかった細胞の曲線である。A及びCにおいて、NaClをFLIPRにおいて50 mMの最終濃度まで添加するが、B及びDはさらに8 mM CsClを受容してHCN2チャネルを阻害する。FLIPRソフトウェアを使用して、曲線Aの値(フォルスコリンを用いる;50 mM NaCl+8 mM CsCl)はネガティブコントロールとして規定した。曲線B、C及びDは、曲線Aに関連して蛍光の変化を示す。Aと比較して、曲線B(フォルスコリンを用いる;CsClを用いた阻害なし)は、明らかな脱分極を示す。曲線Aと比較して、フォルスコリンと共に前インキュベーションされないが、NaCl、8 mM CsCl(曲線C)と同時にフォルスコリンを受容する細胞は低減を示した。これは、このアッセイにおいて、フォルスコリンもまた、発現されるHCN2チャネルに独立した細胞の膜電位における効果を有することを示す。曲線Cと比較して、曲線D(フォルスコリンなし、CsClを用いた阻害なし)もまた、かなりの脱分極を示す。しかし、60秒以後のその間隔における曲線AとBとの間の距離は、曲線CとDとの間の距離より常に大きいので、フォルスコリンが、発現されるHCN2チャネルを活性化することが考えられ得る。
図2は、時間に対する蛍光の変化におけるザテブラジンの効果を示す。この図において、全ての細胞が染色の間に10μMフォルスコリンを受容した。曲線Aは、時間に対する阻害されない変化(50 mM NaCl)を示し、曲線Eは、CsCl(50 mM NaCl+8 mM CsCl)により阻害された、時間に対する変化を示し、曲線B〜Dは、ザテブラジンの効果を示す:B:12.5μM、C:25μM及びD:50μM。曲線A及びEは、12ウェルからのデータの各平均であり、曲線B、C及びDは、6ウェルからのデータの各平均である。8 mM CsClの添加後に測定されたデータ(曲線E)は、ネガティブコントロールとして規定され、その結果曲線A〜Dは、曲線Eと比較した相対変化を反映する。NaClの添加後に起こる脱分極は、ザテブラジン濃度が増大するにつれて減少することがはっきりとわかる。Excelにエクスポート後、FLIPRにおいて測定された蛍光がザテブラジン(26μM)についてのIC50を算出するために使用され得る。
【0038】
【実施例】
実施例1: トランスフェクトされた細胞の調製
プラスミドpcDNA3-muHCN2は、pcDNA3のEcoRI及びNotI切断部位中にクローン化されたPos. 22-2812(コード配列:Pos. 36-2627)のマウスHCN2(muHCN2)cDNA(Genbank Accession No. AJ225122)を含み、そしてM. Biel, TU Munich(Ludwig et al. 1998)から入手された。各場合において、6μgのこのプラスミドDNAを、CHO細胞またはHEK293細胞にトランスフェクトするために使用した。CHO細胞またはHEK細胞にトランスフェクトするために、Life Technologies(Gaithersburg, MD, USA)からのLipofectAmineTM Reagentを、製造会社の指示に従って使用した。トランスフェクションの24時間後、この細胞を培養皿から75 cm2細胞培養瓶に移した。トランスフェクション72時間後、この細胞を400μg/mlの抗生物質G418(Calbiochem, Bad Soden, Germany)を用いる選択に供した。2週間の選択後、生き残った細胞をトリプシン−EDTAを使用して瓶から脱離し、細胞カウンタCoulter Counter Z1で計測し、そして96-ウェルマイクロタイタープレートに、統計的に1ウェルあたり1個の細胞が存在するように播種した。このマイクロタイタープレートを顕微鏡下で定期的にチェックし、そして1つのコロニーだけが増殖したウェルからの細胞だけをさらに培養した。
【0039】
これらの細胞から、総RNAを、Qiagen(Hilden, Germany)のQIAshredder及びRneasyキットを用いて単離した。この総RNAを、muHCN2の発現についてRT-PCRにより測定した(プライマー1:5'-GCCAATACCAGGAGAAG-3' [配列番号7]は、AJ225122におけるPos. 1354-1370に対応し、そしてプライマー2:5'-TGAGTAGAGGCGACAGTAG-3'(配列番号8)は、AJ225122におけるpos. 1829-1811に対応する;予測されるRT-PCRバンド:476bp)。
【0040】
実施例2: 細胞のパッチクランプ試験
パッチクランプ法を使用して、検出可能なmRNA発現を有する細胞を、muHCN2の機能的発現について、全細胞構造において、電気生理学的に調べた。この方法は、Hamillら(1981)において詳細に記載されている。細胞を-40mVの保持電位にクランプした。保持電位で開始し、1秒の間に-140mVへの電圧変化によりイオンチャネルを活性化した。電流較差をこのパルスの末端で測定した。トランスフェクトされたHEK細胞のうち、いくつかが約1 nAの電流を有することを見出し;しかし、内因性電流の干渉に起因して、FLIPRにおけるこれらの細胞についてのアッセイを構築することはできなかった。
【0041】
しかし、HEK細胞において、機能的に活性なHCN2チャネルは、強いmRNA発現を有する細胞においてのみ検出可能であることを明らかに見出した。CHO細胞において、mRNA発現と機能との間の関連が確認された。一般的に、HEK細胞におけるmRNA発現は、CHO細胞における発現より約3倍良かった。パッチクランプ研究において、最も強く発現しているCHO細胞系の1つのうちのいくつかの細胞で弱い電流を示すことは可能であった。
【0042】
実施例3: 二重にトランスフェクトされた細胞の調製
機能的発現は、mRNA発現と強く相関しているようであることから、本発明者らは、ベクターpcDNA3.1(+)zeoのEcoRI及びNotI部位に、より早くクローン化されるmuHCN2 cDNAを用いた2回目のトランスフェクションを実施した。G418及びZeocin(Invitrogen, Groningen, NL)を用いた2週間の選択後、個々の細胞クローンを実施例1に記載されるように単離した。これらの細胞からの総RNAの単離後、最初に実施例1において述べられるプライマーを用いてRT-PCRを実施し、次いでmuHAC1のコード配列の3'-末端を含む領域を含む以下のプライマーを用いてRT-PCRを実施した(プライマー3: 5'-AGTGGCCTCGACCCACTGGACTCT-3' [配列番号9]はAJ225122におけるpos. 2553-2576に対応し、そしてプライマー4: 5'-CCGCCTCCTAAGCTACCTACGTCCC-3' [配列番号10]は、AJ225122におけるpos. 2725-2701に対応する)。
【0043】
これらの二重にトランスフェクトされた細胞のいくつかは、RT-PCR及びパッチクランプ分析の両方において、一度だけトランスフェクトされた細胞よりかなりはっきりとした発現を示した。電気生理学的に、11nAまでの電流が測定された。これらの細胞が、HCN2についてのFLIPRアッセイを構築するために使用された。
【0044】
実施例4: HCNチャネルについてのFLIPRアッセイの構築
マイクロタイタープレート上に播種された細胞は、NaClが塩化コリンにより置き換えられた等浸透圧性の緩衝液中で洗浄される。しかし、この洗浄緩衝液は、細胞外K+がHCN活性にとって重要であることから(Biel et al. 1999)、5 mM KClもまた含む。HCN細胞の過分極をもたらすのに働くこの洗浄緩衝液はまた、FLIPRにおいて膜電位における変化を測定するために5μM diBAC4(3)もまた含む。細胞外Na+を除去することにより細胞は過分極化され、すなわちHCNが活性化される。しかし、HCNはこの細胞の脱分極を引き起こすことはできない。なぜなら、HCNにより輸送されるNa+またはK+イオンの必要とされる濃度勾配が失われるからである。ここでは、活性化されたHCNはよりはっきりとした過分極を生じるだけである。これは、10μMフォルスコリンでHCN細胞についてFLIPRにおいて測定される初期蛍光がフォルスコリンなしの場合よりは低いが、トランスフェクトされていない細胞における違いは存在しない事実に反映される。
【0045】
DIBAC4(3)蛍光は温度変化に敏感であるので、測定は、37℃で30分間のインキュベーション後、可能な限り迅速に実施され;色素溶液の冷却は、測定される結果に影響し得る。好ましくは、このサンプルを、測定の開始前にFLIPRにおいて5分間サーモスタットで調温する。
【0046】
試験される物質は、好ましくは、10倍の濃縮形態でdiBAC4(3)により染色されている細胞に添加される。
【0047】
FLIPRにおいて、Na+を細胞に添加し、その結果活性化されたHCN(混合効果がある数分後)は、Na+の添加後約15秒から、蛍光の増大により可視化される細胞の脱分極を引き起こす。HCNモジュレータの検出には、活性化されたHCNチャネル(Na+のみを添加)を有する細胞とブロックされたHCNチャネル(Na++8 mM CsCl)を有する細胞との間の有意な違いが非常に重要である。10μMフォルスコリンとの前インキュベーションによるHCNチャネルの活性化は、阻害された0%値から阻害されていない100%値との間の違いをかなり増大する(図1を参照のこと)。コントロール値との比較により、試験されるべき物質が、活性化剤(より速いかもしくはよりはっきりした脱分極)または阻害剤(より遅いかもしくは阻害された脱分極、図2:ザテブラジンの効果を参照のこと)であるか否かが検出され得る。
【0048】
実施例5: HCN2ブロッカーのIC50の測定
トランスフェクトされたHCN細胞を使用して、Ifブロッカーとして周知の物質ザテブラジンの種々の濃度の効果を調べた(図2を参照のこと)。ザテブラジンによる阻害は、60秒からの蛍光の相対変化から算出された。阻害剤の各濃度から、各場合、マイクロタイタープレートの6ウェルの平均を測定した。これらの値から、ザテブラジンのIC50は、26μMとして算出され、この値は同じ細胞において電気生理学的に測定された31μMの値と十分に一致する。
【0049】
実施例6: 「FLIPR膜アッセイキット」(Molecular Devices, Sunnyvale, USA)の使用
1日早く播種された細胞を、前と同様、各場合において1ウェルあたり400μlの洗浄緩衝液を用いて3回洗浄する。しかし今回は、最後の洗浄工程の後、この細胞の上に残る量が、所望のNa+及びCs+濃度に依存して選択される。洗浄緩衝液中の色素を添加し、そしてこの細胞を室温、または37℃、しかし好ましくは室温で30分間色素と共にインキュベートする。
【0050】
FLIPRにおいて、次いで脱分極がNa+の添加により誘導され、そしていくつかのコントロールウェルにおいて、Cs+の同時添加により再度阻害される。
【0051】
Molecular Devicesからの色素において、イオン強度の増大は蛍光の変化をもたらし得ることから、イオン強度がマイクロタイタープレートの全てのウェルにおいて同じ程度に変化することが保証されなければならない。ナトリウムまたはセシウムイオンの所望の最終濃度であれば、容量オスモル濃度(osmolarity)は変化しない。Na+及びCs+の所望の濃度を調節するために、140 mMの塩化コリンの代わりにそれぞれ140 mM NaCl(ナトリウム緩衝液)及び140 mM CsCl(セシウム緩衝液)を含む2つのさらなる緩衝液が洗浄緩衝液の添加において使用される。
【0052】
「FLIPR膜電位アッセイキット」を用いた測定について、Molecular Devicesは、96ウェルマイクロタイタープレート(ブラケットにおいて384ウェル)について以下の標準的なプロトコルを提供している:
測定の前の日に、細胞を100μl(25μl)の培地に播種する。100μl(25μl)の色素を添加及び室温または37℃で30分のインキュベーション後、適切な緩衝液中にある50μl(25μl)の試験される物質を、FLIPRにおいて添加する。
【0053】
Molecular Devicesにより提示される量を使用して、イオン強度を変化させることなく96ウェルプレートにおけるNa++Cs+についての28 mMの最大濃度及び384ウェルプレートにおける46.7 mMの最大濃度を達成させることが可能である。
【0054】
この濃度は、特に96ウェルプレートにおいて、過分極活性化陽イオンチャネルの最適活性には低すぎることから、異なる量が個々の工程について試験される。
【0055】
色素濃度は、Molecular Devicesにより提供されたプロトコルにおける濃度の半分まで低減され得ることが見出された。
【0056】
96ウェルプレートにおいて、良い結果が以下の量を用いる場合でも得られる:細胞上45μlの洗浄緩衝液上清、洗浄緩衝液中60μlの色素、FLIPRにおける195μlの添加量。
【0057】
このような高い添加量は、最大濃度の91 mMのNa++Cs+を可能にし、すなわち8〜10 mM CsClにおいて、最終NaCl濃度は81〜83 mMであり得る。80 mM Na+及び8 mM Cs+について、6.43μlの洗浄緩衝液、171.43μlのナトリウム緩衝液及び17.14μlのセシウム緩衝液が195μlの添加量に基づいて必要とされる。
【0058】
材料及び方法
1.diBAC4(3)を用いた測定のための溶液及び緩衝液
A: diBAC4(3)ビス-(1,3-ジブチルバルビツール酸)トリメチンオキソノール
Molecular Probes, Cat.No.B-438、MW:516.64 g/molからの、diBAC4(3)の10 mMストック溶液をDMSO中において調製する(25 mgのdiBAC4(3)/4.838 mlのDMSO)。このストック溶液のアリコートを-20℃で保管する。
染色及び添加の間の最終濃度:5μM
B: フォルスコリンMW:410.5g/mol 染色の間の最終濃度:10μM
DMSOにおける10 mMストック溶液のアリコートを-20℃で保管する。
C: 洗浄緩衝液:(1 M KOHを用いてpH 7.4に調整された、140 mM塩化コリン、5 mM KCl、1 mM CaCl2、1 mM MgCl2、10 mM HEPES、5 mM グルコース)
D: ピペットの先端を浸すための前浸漬溶液:洗浄緩衝液+10μM diBAC4(3)のような
この溶液は、前浸漬プレートのためのみに使用される!
E: 色素溶液:2倍に濃縮された、すなわち洗浄緩衝液+10μM diBAC4(3)+20μMフォルスコリン
F: 添加プレートのための10倍濃縮溶液:H2O+5μm diBACにおける500 mM NaCl全ての物質が10倍の濃縮形態でこの溶液において作製される。
陽性コントロール(最終濃度):50 mM NaCl
陰性コントロール(最終濃度):50 mM NaCl+8 mM CsCl
【0059】
2. Molecular Devicesからの「FLIPR膜電位アッセイキット」を用いた測定のための溶液及び緩衝液
A: Molecular Probes, Cat. No. R8034からの「FLIPR膜電位アッセイキット」
B: 洗浄緩衝液:(1M KOHを用いてpH7.4に調整された、140 mM塩化コリン、5 mM KCl、1 mM CaCl2、1 mM MgCl2、10 mM HEPES、5 mMグルコース)
C: 色素緩衝液:(10 mMの洗浄緩衝液における、「FLIPR膜電位アッセイキット」の「試薬瓶」の1成分)
D: ナトリウム緩衝液:(1M KOHを用いてpH7.4に調整された、140 mM NaCl、5 mM KCl、1 mM CaCl2、1 mM MgCl2、10 mM HEPES、5 mM グルコース)
E: セシウム緩衝液: (1M KOHを用いてpH 7.4に調整された、140 mM CsCl、5 mM KCl、1 mM CaCl2、1 mM MgCl2、10 mM HEPES、5 mM グルコース)
【0060】
3. 細胞培養操作:
測定の前の日に、muHCN2にトランスフェクトされたCHO細胞を、35000細胞/ウェルの密度で各場合200μlの完全培地において黒色の96ウェルマイクロタイターに播種する。この細胞を37℃でかつ5% CO2において一晩インキュベートする。4. diBAC4(3)を用いた染色及びFLIPRにおける測定
染色前に、この細胞を細胞洗浄機において400μlの洗浄緩衝液を用いて3回洗浄する。最後の洗浄工程の後、90μlの洗浄緩衝液/ウェルの残留量が細胞上に残る。
【0061】
この洗浄された細胞(90μlの洗浄緩衝液/ウェル中にある)を、各場合90μlの色素溶液/ウェルと共に、37℃、CO2インキュベーター中で30分間インキュベートする。このインキュベーション後、細胞プレートをFLIPRにおいて約37℃で(diBAC4(3)を用いた膜電位の測定のためにFLIPR製造者が前もってセットした温度設定)、調温後すぐかまたは調温の5分後のいずれかで測定する。
【0062】
スナップショット(測定の開始前の最初の蛍光)は、平均約35000ユニットである。最大で、FLIPRは約65000ユニットまで解像し得る。
【0063】
このプログラムを開始する場合、ピペットの先端をdiBAC4(3)を含む前浸漬溶液に浸すことにより最初に飽和する。この工程の後、実際の測定が最初の測定(t=0秒)により開始される。diBAC4(3)は遅応答性色素であるので、5秒ごとにマイクロタイタープレートのウェル中の蛍光を測定するには十分である。約20秒後、添加プレート中に10倍の濃縮形態で存在する物質が、ピペッターを使用してマイクロタイタープレートに同時に添加される。染色後の量は180μlであるので、20μlが各ウェルに添加される。蛍光の測定が約5分後に停止され得る。評価のために、連続的である間隔で、そして阻害されていないHCN2にトランスフェクトされた細胞が阻害された細胞とは有意に異なる、蛍光の変化を調べる。
5. 「FLIPR膜電位アッセイキット」を用いた染色及びFLIPRにおける測定
染色前に、この細胞を細胞洗浄機において3回、400μlの洗浄緩衝液を用いて洗浄する。最後の洗浄工程の後、45〜90μlの洗浄緩衝液/ウェルの残留量が細胞上に残る。
【0064】
色素溶液の添加後(この量は所望の最終濃度に依存する)、このサンプルを室温(好ましくは)または37℃、CO2インキュベーションにおいて30分間インキュベートする。このインキュベーション時間後、この細胞プレートを室温でFLIPRにおいて測定する。
【0065】
「FLIPR膜電位アッセイキット」において、スナップショット(測定の開始前の最初の蛍光)は、diBAC4(3)を用いた測定の間の蛍光よりも低くてよい。なぜなら、このアッセイキットはdiBAC4(3)より膜電位の変化により感受性であるからである。より高く達成される感受性に起因して、この測定は可能な場合(FLIPRII)、550nmより上の光に透過性であるエミッションフィルタを使用して実施されるべきである。しかし、510と580nmの間で透過性である標準的なフィルタを使用して測定を実施することもまた可能である。
【0066】
このプログラムを開始する場合(t=0)、FLIPRは最初に、脱分極がナトリウムイオンの添加により約20秒後に開始される前、プレートの全てのウェルの蛍光を多数回測定する。各場合、添加により容量オスモル濃度の変化を生じないようにまたは全てのウェルで同一の変化を生じるように、添加溶液を3つの緩衝液(洗浄緩衝液、ナトリウム緩衝液及びセシウム緩衝液)から混合する。蛍光の測定を約5分後に停止し得る。Na+に加えて、8 mM Cs+を添加してHCNチャネルを完全にブロックするウェルが、ネガティブコントロールとして働く。これらの値を他から差し引くことにより、調べられる物質の影響下にあるHCNチャネルの活性について良い測定を得る。評価のために、連続的な間隔でかつ阻害されていないHCN2でトランスフェクトされた細胞が阻害された細胞とは有意に異なる蛍光の変化を調べる。
【0067】
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【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
表7:略語
AKT Arabidopsis thaliana K+輸送
cAMP 環状アデノシン一燐酸
CHO チャイニーズハムスター卵巣
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FLIPR 蛍光画像プレートリーダー
HAC 過分極活性化陽イオンチャネル;この名前はいくつかの群により使用された。
HCN 過分極活性化環状ヌクレオチドゲートカチオンチャネル;これは新しい一般的に受け入れられた用語である。
HEK ヒト胚性腎臓
HEPES N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸
HTS 高効率スクリーニング
KAT Arabidopsis thaliana由来のK+チャネル
【図面の簡単な説明】
【図1】 各場合24ウェルの平均として時間に対して測定される蛍光の変化を示す。
【図2】 時間に対する蛍光の変化におけるザテブラジンの効果を示す。
【配列表】
Claims (32)
- a) 過分極活性化陽イオンチャネルを発現する細胞を使用し;
b) この細胞は等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液を使用して電位感受性蛍光色素の存在下で過分極化され;そして
c) ナトリウムイオン及び調べられる物質の同時添加後、この細胞の膜電位の変化が記録される、
過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質を同定するための方法。 - a) 過分極活性化陽イオンチャネルを発現する細胞を使用し;
b) この細胞は等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液を使用して電位感受性蛍光色素の存在下で過分極化され;
c) この細胞は調べられる物質と共にインキュベートされ;そして
d) ナトリウムイオンの添加後、この細胞の膜電位の変化が記録される、
過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節する物質を同定するための方法。 - 等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液がカリウム塩を含む請求項1または2項に記載の方法。
- 等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液が少なくとも0.8 mMK+を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液が少なくとも5mM K+を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液が塩化コリンまたはNMDG(N−メチル−D−グルカミン)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液が電位感受性色素を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 電位感受性色素が蛍光色素である請求項7に記載の方法。
- 電位感受性色素がオキソノール誘導体である請求項7または8に記載の方法。
- オキソノール誘導体が3−ビス−バルビツール酸オキソノールである請求項9に記載の方法。
- 3−ビス−バルビツール酸オキソノールがビス−(1,3−ジブチルバルビツール酸)トリメチンオキソノール[DiBAC4(3)]、ビス−(1,3−ジエチルチオバルビツール酸)トリメチンオキソノール[DiSBAC2(3)]及び/またはビス−(1,3−ジブチルバルビツール酸)ペンタメチンオキソノール[DiBAC4(5)]である請求項10に記載の方法。
- 上昇した細胞内cAMP濃度を有する細胞が使用される請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞内cAMP濃度がジブチリル−cAMPまたは8−ブロモ−cAMPの添加により増大される請求項12に記載の方法。
- 細胞内cAMP濃度がアデニル酸シクラーゼ活性化剤の添加により増大される請求項12に記載の方法。
- 細胞内cAMP濃度がフォルスコリンの添加により増大される請求項12に記載の方法。
- 細胞内cAMP濃度が1μM〜100μMのフォルスコリンの添加により増大される請求項15に記載の方法。
- 細胞内cAMP濃度がレセプターリガンドの添加により増大される請求項12に記載の方法。
- 過分極活性化陽イオンチャネルがHCN1、HCN2、HCN3、HCN4、KAT1またはこれらのチャネルのヘテロマルチマーである請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 過分極活性化陽イオンチャネルがヒト過分極活性化陽イオンチャネルである請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞が哺乳動物細胞である請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞がCHOまたはHEK細胞である請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞が、過分極活性化陽イオンチャネルのcDNAを含むプラスミドによりトランスフェクトされる請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞が、同じ過分極活性化陽イオンチャネルのcDNAを含む第2のプラスミドによりトランスフェクトされる請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞が、異なる過分極活性化陽イオンチャネルのcDNAを含む第2のプラスミドによりトランスフェクトされ、その結果ヘテロマルチマーHCNチャネルが形成され得る請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞が合成cDNAを含むプラスミドによりトランスフェクトされ、ここで過分極活性化陽イオンチャネルのサブユニットが異なるチャネルまたはHCNチャネルの部分から構成される請求項
1〜22のいずれか1項に記載の方法。 - 膜電位における変化が電位感受性蛍光色素を使用して測定される請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 電位感受性蛍光色素がオキソノール誘導体、好ましくは3−ビス−バルビツール酸オキソノールである請求項26に記載の方法。
- 測定が蛍光画像プレートリーダー(FLIPR)で実施される請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくとも2個の細胞の膜電位の変化が比較される請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
- 過分極活性化陽イオンチャネルの阻害剤及び/または活性化剤を同定するための高効率スクリーニングにおける請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法の使用。
- a) 過分極活性化陽イオンチャネルを過剰発現する細胞;
b) この細胞を過分極化するための等浸透圧性のナトリウムイオンを含まない緩衝液及び
c) この細胞の膜電位の変化を測定するための試薬
を包含する、物質が過分極活性化陽イオンチャネルの活性を調節するか否かを決定する試験キット。 - 電位感受性色素を包含する請求項31に記載の試験キット。
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