以下に図面を例示して、本発明の現像装置を説明する。
図1は、本発明を適用した現像装置の一例を示す概略断面図である。
現像装置は、現像容器3、現像剤担持体1、現像剤供給部材(現像剤量検知部材)2、現像剤規制部材5を備える。図1において、3は非磁性1成分現像剤であるトナーTを収容する現像容器である。現像剤担持体である現像ローラ1は、現像容器3の開口部に設置され、回動可能に現像容器3に支持されている。また、現像容器3には、現像ローラ1に接触して回動し、現像ローラ1にトナーTを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ2と、一端部が現像ローラ1に当接して、現像ローラ1に供給されたトナーTを薄層に規制する規制部材5と、が配置されている。後述するように、現像剤供給部材は、現像容器内の現像剤量を検知する検知部材としても機能する。
現像剤として負帯電性の非磁性1成分トナーTを用いており、現像時にはトナーTは負に摩擦帯電され、トナーの凝集度は15%である。
トナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。
測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、振動台に390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるい順に重ねてセットした。
このセットした100メッシュふるい上に正確に秤量した試料(トナー)5gを加え、デジタル振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように調整し、15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき凝集度を得た。
その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃、60%RH環境下において24時間放置したものであり、測定は23℃、60%RH環境下で行った。
凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100
+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60
+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20
現像装置4は、現像容器3の開口部を下に設け、トナーTの自重が開口部に設置された現像ローラ1及び供給ローラ2にかかるようにした。このような配置にすることは、供給ローラ2内に現像剤が入りやすく、現像容器内の現像剤の量を精度良く検知するのに好ましい。
現像ローラ1は、導電性支持体1aの周囲に導電剤が配合された半導電性の弾性ゴム層1bが設けられており、図中Aの方向に回転される構成となっている。導電性支持体たる外径φ6(mm)の芯金電極1aを有し、芯金電極1aの周囲に導電剤が配合された半導電性のシリコンゴム層1bが設けられている。更に、シリコンゴム層1bの表層には20(μm)ほどのアクリル・ウレタン系ゴム層1cをコーティングしており、現像ローラ5全体の外径はφ12(mm)である。
また、本実施例における現像ローラ1の抵抗は1×106(Ω)である。
ここで、現像ローラの抵抗の測定方法を説明する。
現像ローラ1を、直径30mmのアルミスリーブに対し、当接荷重9.8Nで当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、現像ローラ1を60rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、現像ローラ1に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、現像ローラ1の抵抗を算出する。
なお、現像ローラ1の体積抵抗が1×109(Ω)よりも大きいと、現像ローラの表面での現像バイアスの電圧値が下がり、現像領域の直流電界が減少することで、現像効率が低下し、よって、画像濃度が低下する不具合が生じる。従って、現像ローラ1の抵抗を1×109(Ω)以下とするのが良い。
現像剤供給部材でありかつ現像剤量検知部材としての供給ローラ2は、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層と、を備える。具体的には、導電性支持体たる外径φ5(mm)の芯金電極2aの周囲に気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層である発泡ウレタン層2bが設けられており、図中Bの方向に回転される構成となっている。発泡ウレタン層2bを含んだ供給ローラ2全体の外径はφ13(mm)である。表層のウレタンを連続気泡体とすることで、供給ローラ内部にトナーが多量に進入可能となるため、後述するトナー量検知の性能を向上させることが可能となる。
また、本実施例における供給ローラ2の抵抗は1×109(Ω)である。
ここで、供給ローラの抵抗の測定方法を説明する。
供給ローラ2を、直径30mmのアルミスリーブに対し、後述する侵入量が1.5mmとなるように、当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、供給ローラ2を30rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、現像ローラ1に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、供給ローラ2の抵抗を算出する。
供給ローラ2の表面セル径を50μm〜1000μmとした。
ここで、セル径とは、任意断面の発泡セルの平均径をいい、任意断面の拡大画像から最大である発泡セルの面積を測定し、この面積から真円相当径を換算し最大セル径を得る。この最大セル径の1/2以下である発泡セルをノイズとして削除した後、残りの個々のセル面積から同様に換算した個々のセル径の平均値である。
供給ローラ2の表面通気量は、1.8(リットル/分)以上のものとした。
本実施例の供給ローラ2の「表面通気量」について、詳細に説明する。
本件では、供給ローラ内外のトナーの排出・吸入が円滑に行われ、供給ローラ内部と供給ローラ外部が平衡状態になるように「通気量」を規定するものである。空気と混じり合い、粉流体と化したトナーの排出・吸入は供給ローラの「表層面」を通じて行われるものであるから、「表層面を通過する通気量」を直接規定することが重要である。
図2は「表面通気量」の測定方法を示す図である。
まず、本実施例の供給ローラ2を、図3に示すような測定冶具18に挿入する。図3の測定冶具18は、中空円筒体の側面にφ10(mm)の貫通孔を通したもので、貫通孔の中心軸と円筒軸が直交するように作られている。中空円筒体の内径は測定される供給ローラの外径よりも1mm小さい物を使用する。これは測定冶具18の円筒体内面と測定される供給ローラの間の隙間を無くすためである。本実施例の供給ローラ2は、外径φ13(mm)であるので、測定冶具18の内径はφ12(mm)である。
供給ローラ2が挿入された測定冶具18は、図4に示すような通気ホルダ19に取り付けられる。通気ホルダ19は中空円筒体19aの側面に減圧ポンプ20に通じる通気管21を取り付けるための連結パイプ19bを繋げたT字形をしており、連結パイプ19bの繋げられた部分の反対側に当たる部分を大きく切り欠いた形状になっている。連結パイプ19bの内径は、測定冶具18の貫通孔よりも大きくなるように設定される。本実施例では連結パイプ19bの内径をφ12(mm)とした。通気ホルダ19の中空円筒体19aの内径は測定冶具18の外径とほぼ同寸法であり、測定冶具18を中空円筒体19aに挿入できるようになっている。図2に示すように、測定冶具18の貫通孔の一方が中空円筒体19aの切り欠き部分に全て露出し、貫通孔の他方が連結パイプ19bの内径にほぼ正対するように設置する。
通気ホルダ19の中空円筒体19aの左右には、図2に示すように、中空円筒体19aに連結される一端を塞がれたアクリル・パイプ22a、22bが設置される。測定冶具18の左右から出ている供給ローラ6は、上記アクリル・パイプ22a、22b中に納まるようになっている。
通気管21の途中には、流量計23(KZ型通気量測定器:大栄化学精器製作所)、及び差圧調整弁24が設置されている。
減圧ポンプ20により通気管21内部側が排気された際に、露出している測定冶具18の貫通孔以外から空気が流入しないように、上記、測定冶具18、通気ホルダ19、通気管21、アクリル・パイプ22a、22bの連結部分はテープやグリスなどによってシールされる。
「表面通気量」の測定は、以下のように行う。まず、図2において、供給ローラ2を設置しない状態で、減圧ポンプ20を作動させ、差圧調整弁24で流量計23の測定値が安定して10.8(リットル/分)となるように調節する。この後、測定対象である供給ローラ2を設置して、前述のように慎重にシーリングし、上記と同一の排気条件で流量計23の測定値を「表面通気量」として計測する。当然ながら「表面通気量」は、流量計23の測定値が十分安定した時点での値を採る。
供給ローラ2を通過する空気流は、測定冶具18の露出している貫通孔に位置する発泡ウレタン層2bの表面から流入し、発泡ウレタン層2bの内部を通過して、測定冶具18の他方の貫通孔に位置する発泡ウレタン層2bの表面から流出する。
一般的な供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの表面は、発泡ウレタン層2bの内部と異なる場合が多い。例えば、供給ローラ2を型内発泡形成した場合には、表面のセルの開口率が内部と異なるスキン層が表面に現れる場合がある。また、発泡ウレタン層2bの表面を単なる円筒面として形成せず、意図的に凹凸を設けたものも存在する。発泡ウレタン層2bの内外を出入りするトナー粉流体は、上記の表面の状態に影響を受ける場合があり、JIS−L1096のようなバルク通気量の測定だけでは、その挙動を捕らえられない。従って、本発明では上記のような、発泡ウレタン層2bの表面から流入・流出する空気流を測定する通気量測定法を採用し、これで前述のトナー粉流体の平衡状態(もしくはそれに近い状態)を出現させる主要なパラメータとした。
現像ローラ1は図中Aの方向に、供給ローラ2は図中Bの方向に、各々回転される構成となっており、各々の回転中心の距離は11(mm)に設定されている。上記発泡ウレタン層2bの硬度は、シリコンゴム層1bとアクリル・ウレタン系ゴム層1cよりも十分柔らかいため、現像ローラ1の表面は、発泡ウレタン層2bを最大1.5(mm)押しつぶした状態で接触している。上記の最大押しつぶし量は、発泡ウレタン層2bに現像ローラ1を接触させてない場合の発泡ウレタン層2bの表面の位置と、通常使用時として発泡ウレタン層2bに現像ローラ1を接触させた場合の発泡ウレタン層2bの表面の位置と、の最大の距離である。この最大押しつぶし量を、供給ローラ2対する現像ローラ1の侵入量と呼ぶ。
現像ローラ1の回転速度は130(rpm)、供給ローラ2の回転速度は100(rpm)である。現像ローラ1と供給ローラ2の回転に伴い、発泡ウレタン層2bが現像ローラ1との接触部で押し潰される。このとき、供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの表層もしくは内部に保持されたトナーTは、発泡ウレタン層2bの表層から排出され、その一部が現像ローラ1の表面に転移する。現像ローラ1の表面に転移したトナーTは、前記接触部に対して現像ローラ1の回転方向下流に接触して設けられた現像剤規制部材たる規制ブレード5により、現像ローラ1上に均一に規制される。上記の過程でトナーTは、現像ローラ1と供給ローラ2の接触部、もしくは、現像ローラ1と規制ブレード5の規制部で摺擦されることにより、所望の摩擦帯電電荷(本例では負電荷)を獲得する。また、図1のように、現像ローラ1と供給ローラ2の接触部で互いに逆方向に回転することにより、現像ローラ1上の現像残トナーは供給ローラ2によって剥ぎ取り除去される。
次に図5を用いて、本実施例の現像装置を画像形成装置に装着したときの動作について説明する。図5は本発明を適用した現像装置を備えた画像形成装置10の概略断面図である。
図5(a)において、像担持体としての感光ドラム11は、矢印E方向に回転する。まず感光ドラム11は、帯電装置である帯電ローラ12によって一様に帯電される。その後、露光手段であるレーザー光学装置13からのレーザー光により露光され、その表面に静電潜像が形成される。
この静電潜像を、現像装置4によって現像し、トナー像として可視化する。本実施例では、トナーは感光ドラムの露光された部分に付着して反転現像される。
可視化された感光ドラム11上のトナー像は、転写ローラ14によって転写材としての記録メディア15に転写される。転写されずに感光ドラム11上に残存した転写残トナーは、クリーニング部材であるクリーニングブレード17により掻き取られ、廃トナー容器18に収納される。クリーニングされた感光ドラム1は上述作用を繰り返し、画像形成を行う。一方、トナー像を転写された記録メディア6は、定着装置16によって永久定着された後、機外に排紙される。
本実施例において、現像装置4は、感光ドラム11と、および、帯電ローラ12、クリーニングブレード17、廃トナー容器18と、共に一体に構成されたカートリッジ20として設けられる。カートリッジ20は、画像形成装置上部の開閉窓を図中Gの方向に開き、画像形成装置内部のガイド21にそって図中Hの方向に、ユーザーが引き出すことで、画像形成装置の本体から着脱可能となっている。
本実施例においては、帯電ローラ12に−1000Vの直流電圧を印加し、感光ドラム11表面を約−500Vに帯電している。この電位を暗部電位Vdと呼ぶ。感光ドラムの電位Vdが安定するまでの所定の時間、現像装置4は、図5(c)で示すように、感光ドラム11と現像ローラ1とを離間した状態で維持される。離間カム42は、画像形成装置に設けられた駆動手段ならびに駆動伝達手段(不図示)により、回転可能であるのだが、この時、離間位置Bにあることで、現像装置4背面の所定位置を押す。
現像装置は、現像容器を、現像ローラによる現像動作を行なう第1の位置と、現像動作を行わない第2の位置と、に移動可能とする力を受ける力受け部43を備える。力受け部43は、カートリッジの現像装置4背面の上記所定位置に設けられている。力受け部43は、離間カム42との接触回転時に必要な表面滑り性能、本実施例において最も力のかかった状態である離間状態においても変形しない硬度、等の性能を有している。
この離間カム42の回動動作により、カム42のカム面がカートリッジの力受け部43を押し、現像装置4は揺動中心40を回転軸として回転し、現像装置4と廃トナー容器18の間に設けられた押しバネ41の反力に打ち勝つ。現像装置4の揺動により、現像ローラ1を感光ドラム11に対して接触位置(図5(b))から離間位置(図5(c))へ移動させる。
現像ローラ1を感光ドラム11に接触させた状態とする現像装置の姿勢位置を第1の位置(現像位置)と呼び、現像ローラ1を感光ドラム11から離間させた状態とする現像装置の姿勢位置を第2の位置(非現像位置)と呼ぶ。当然ながら、この第2の位置では現像動作を行わない。
感光ドラムの電位Vdが安定するのを待って、感光ドラム11は、露光手段であるレーザー光学装置13からのレーザー光により露光され、その表面に静電潜像が形成される。露光した部位の表面電位は約−100Vとなる。この電位を明部電位Vlと呼ぶ。また、所定のタイミングをもって、画像形成装置に設けられた駆動手段ならびに駆動伝達手段(不図示)により、現像ローラ1ならびに供給ローラ2が回転駆動を開始し、後の静電潜像の現像工程に備える。
離間カム42は、画像形成装置の本体に設けられた駆動手段により、図5(b)で示すように、現像装置が離間位置Aを取るように回転される。離間位置Aにおいては、現像装置背面の力受け部43を押していた力は解放される。よって、現像装置4と廃トナー容器18の間に設けられた押しバネ41の力により、現像装置4は揺動中心40を回転軸として回転し現像ローラ1を感光ドラム11が当接する(図5(c))。このとき現像ローラ1には、所定のタイミングをもって現像バイアスとして−300Vの直流電圧が印加される。
現像装置の第1の位置は、このように現像ローラ1と感光ドラム11とを当接し、感光ドラム11上に形成した静電潜像を現像する位置である。
静電潜像の現像終了後、離間カム42は、再び、離間位置Bに回転する。これにより現像装置背面の力受け部43を押し、現像装置4は揺動中心40を回転軸として回転し、現像装置4と廃トナー容器18の間に設けられた押しバネ41の反力に打ち勝って、現像ローラ1を感光ドラム11から離間させる。つまり、再度、現像装置4を第2の位置へ移動させる。
同時に、現像ローラ1ならびに供給ローラ2の回転駆動を停止し、現像ローラ1への現像バイアスの印加を止める。
本実施例においては、現像ローラ1を感光ドラム11から離間した第2の位置(図5(c))で、現像ローラと供給ローラとの間での静電容量が検知可能となっており、現像装置4のトナー残量検知を行う。
図6及び図7を用いて本実施の形態における、静電容量の変化を利用したトナー残量検出方法を説明する。
図6は、本実施例の現像装置4が画像形成装置10内に設置されている状態を表し、25は現像ローラ1の芯金電極1aと導通された現像装置付属の接点電極である。接点電極25に対応する接点電極として26が画像形成装置10の本体側に設けられ、接点電極26は画像形成装置10の本体内部の静電容量検出装置29に繋がっている。同様に、供給ローラ2の芯金電極2aと導通された現像装置付属の接点電極27と、対応する画像形成装置10の本体側の接点電極28がそれぞれ設けられており、接点電極28は画像形成装置10の本体内部の検出用交流バイアス電源30に繋がっている。現像装置4が画像形成装置10内の所定位置に設置されている状態、現像ローラ1と感光ドラム11とが当接した第1の位置、および、現像ローラ1と感光ドラム11が離間した第2の位置の両位置で、接点電極25と26、接点電極27と28は導通している。
即ち、現像装置4が第1の位置と第2の位置とに揺動しても、接点電極25と接点電極26、接点電極27と接点電極28は、接触したままである。通常の現像動作時には、現像装置は第1の位置にあり、電極26を介して電極25に現像バイアス(直流電圧)が印加される。このとき、電極28を介して電極27には、現像バイアスと同じ電圧が印加される。即ち、現像動作時では、電極25と電極27は同電位となるので、現像ローラと供給ローラとの間に電界は形成されない。このように、現像動作時においては、静電容量検出装置29、交流バイアス電源30は、現像バイアス電源に切り替えられる。
次に図7に示すように、非現像動作時には現像装置は第2の位置となり、本実施例においては、供給ローラ2の導電性の芯金2aに、バイアス電源30からトナー残量検知用バイアスを印加して、現像装置4のトナー残量検知を行う。トナー残量検知用バイアスとしては、周波数50KHz、Vpp=200Vの交流バイアスを用いる。
現像ローラ1の導電性の芯金1aには、トナー残量検知用バイアスにより電圧が誘起され、この電圧は、検出器29で検出される。
現像動作を行わない第2の位置、つまり、感光ドラム11と現像ローラ1が離間した状態は、非現像動作時である。具体的にこのような時は、例えば、画像形成を行っていない紙間、若しくは、画像形成工程が終了し、画像形成装置から記録メディア15が機外に排紙される間における装置動作(所謂後回転)等、において実現可能である。
この時、この第2の位置において、感光ドラム11と現像ローラ1が離間しているので、トナー残量検知用バイアスとして交流バイアスを印加しても、カブリと呼ばれる白地部汚れが発生すること無い。また、現像ローラと感光ドラムが接触する最中に互いに叩きあい振動した際の、不快な打撃音が発生することも無い。
供給ローラ2の導電性の芯金2aからトナー残量検知を目的とした交流バイアスを印加して、現像ローラ1を静電容量検知用アンテナとして用いることでにより、現像室内に別個のアンテナを設ける構成において発生する、トナーの搬送阻害を防止できる。
感光ドラム11と現像ローラ1の当接離間動作、つまり、現像動作を行う第1の位置と、現像動作を行わない第2の位置とで、図5(b)および図5(c)に示したように、当然、現像装置4の姿勢は変化し、それに従いトナーも動くことになる。
この時、本実施の形態の現像装置4においては、供給ローラ2の導電性の芯金2aからトナー残量検知のために交流バイアスを印加して、現像ローラ1を静電容量検知用アンテナとして用いることで、供給ローラ2に含まれるトナーの静電容量変化を測定している。よって、当接離間動作に伴う現像装置4の姿勢、トナーTの動きによっても、供給ローラ2に含まれるトナー量は変化せず、つまり現像ローラ1とアンテナ(供給ローラ)間に存在するトナー量は変化しないので、アンテナに誘起される電圧出力が変化することは無い。即ち、供給ローラ2は、トナーが内部に進入可能な発泡層を備えるので、現像装置の姿勢が変わっても発泡層内のトナーが動きにくいので、電圧出力が変化しない。
加えて、本実施の形態である非磁性1成分接触現像装置4において、静電容量残検(残量検知)を行っている際、つまり、現像ローラ1と感光ドラム11が離間している状態においては、現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止する。
現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止することで、現像ローラ1へのトナー供給および未現像トナーの剥ぎ取り行為が中断され、供給ローラ2に含まれるトナー量が、トナー残量検知最中に一定となり、トナー残量検知精度を高めることができる。
図8に本実施例のトナー残量検知のフローチャートを示す。トナー残量検知のタイミングは、画像形成動作終了後、現像装置が第1の位置から第2の位置へ移動することで、感光ドラム11と現像ローラ1の離間動作が行われ、そして、現像ローラ1および供給ローラ2の駆動を停止させる。その後、トナー残量検知用バイアスを印加してトナー残量検知を行う。
図9に、本実施例の現像装置4にトナーTを充填し、徐々に消費させていった場合の上記静電容量検出装置29の出力値を三角点と実線で示す。本実施例において、供給ローラの表面通気量Lは、3.0(リットル/分)である。測定環境は、23℃、60%Rhである。図9に示されるように、本実施例の現像器の構成では、現像装置4内のトナーTの残量と、静電容量検出装置29の出力値は比較的リニア(線形)で良い相関を持って変化している。トナー量の表示においては、基準値を設け、上記静電容量検出装置29の出力値と基準値とを比較して、基準値を下回るような場合にトナー無しと判断する。トナー無しと判断された場合は、画像形成装置の本体や画像形成装置に接続されたコンピュータなどで「トナー無」等の警告表示したり、画像形成装置の画像形成動作を中止したりしても良い。さらに、画像形成装置の本体に着脱可能なプロセスカートリッジを使用する場合には、画像形成装置の本体によりカートリッジの交換時期を報知させるようにしても良い。また、図9に示すように、トナー量と静電容量検出装置29の出力値は相関があるため、現像装置4内のトナーTの所望のトナー残量において、「トナー残量少」等の警告表示を行うことが可能である。さらに、複数の基準値を設けることで、複数の警告表示を行うことが可能である。例えば、新品で現像容器に収容されているトナー量を100%として、使用中の現在のトナー残量を段階的に%で表示すれば良い。
例えば、供給ローラの発泡層の発泡率を変えるなどして、本実施例の表面通気量が異なる供給ローラをいくつか作り、これを実施例1と同じ構成の現像装置に組み込み、実施例1(供給ローラの表面通気量が3.0(リットル/分))の出力結果と比較した。
実施例2として、表面通気量が1.8(リットル/分)の発泡ウレタン層を持つ供給ローラを用いた現像装置で、同じ条件で測定した際の出力値を、図8中に四角点と破線で示した。
比較例1として、表面通気量が1.5(リットル/分)の発泡ウレタン層を持つ供給ローラを用いた現像装置で、同じ条件で測定した際の出力値を、図8中に丸点と破線で示した。
比較例2として、表面通気量が0.8(リットル/分)の発泡ウレタン層を持つ供給ローラを用いた現像装置で、同じ条件で測定した際の出力値を、図8中に×点と細実線で示した。
本実施例1、2のものと比較例1及び2を比べると、比較例1及び2は使用初期から半分以上トナーTが消費されるまで出力値の変化はほとんどなく、トナーTがかなり少なくなってから出力変化が現れる。
図10に実施例1の現像装置4内のトナーTの残量と、その時の供給ローラ2内含有トナー量をプロットしたものを示す。図10では、図9と同一条件でトナーTを消費させていき、各々異なるトナー残量で静電容量を測定後、供給ローラ2を取り出して中に含まれるトナーTの量を測定した(使用前の供給ローラ2の重量との差分を取った)。図10に示されるように、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量は比較的リニアで良い相関を保ちつつ変化していることがわかる。
なお、上記従来例にて述べた特開平11−288161号の供給ローラの通気量を本実施例の測定方法で測定すると、0.3〜1.3(リットル/分)であった。
上記の測定で、実施例1の現像装置4の静電容量出力値と、その時の供給ローラ2内含有トナー量を図11にプロットした。図11に示されるように、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量はほぼリニアで非常に良い相関を保っている。これは、本実施例の構成が、供給ローラ2内の静電容量変化を的確に測定していることを示している。
また、本実施例1の供給ローラよりも通気量が高い供給ローラをいくつか作り、実施例1と同じ構成の現像装置を用い、実施例1の出力結果と比較した。その結果を図12に示す。実施例3として、表面通気量が3.9(リットル/分)の発泡ウレタン層を持つ供給ローラを用いた現像装置で、同じ条件で測定した際の出力値を、図12中に四角点と破線で示した。実施例4として、表面通気量が5.0(リットル/分)の発泡ウレタン層を持つ供給ローラを用いた現像装置で、同じ条件で測定した際の出力値を、図11中に丸点と破線で示した。
図12に示すように、通気量を大きくするに従い、静電容量検知出力値の絶対値は大きくなるが、現像装置内トナー量に応じた変化量は、通気量3〜5(リットル/分)の供給ローラ2までは同様であった。つまり、1.8(リットル/分)以上の通気量を有する供給ローラであれば、検知される静電容量出力値と現像容器内のトナー量の相関が良く、残トナー量の検知精度が向上する。また、通気量が大きいと、供給ローラの発泡層の空孔部分が増えて供給ローラの強度が小さくなり、供給ローラの発泡層がちぎれ易くなるので、これを防止するために、通気量は5(リットル/分)以下であることが好ましい。
以上のように供給ローラの通気量を適正に設定することにより、供給ローラ内に含まれるトナー量が多くなり、供給ローラ内に含まれるトナー量は、現像容器内に収容されているトナー量の減少に応じて減少する(図10参照)。また、現像ローラと供給ローラとの間の静電容量の出力値は、供給ローラ内のトナー量の減少に応じて減少していく(図11参照)。従って、現像容器内に収容されているトナー量を判断するためには、現像ローラと供給ローラとの間の静電容量の出力値を測定することが有効である(図12参照)。供給ローラ内に含まれるトナー量を多くするためには、供給ローラの発泡層の表面の平均セル径を、トナーの平均粒径(例えば重量平均粒径)よりも大きくするのが良い。
なお、供給ローラ内のトナーは、供給ローラが現像ローラに接触し始めるときに供給ローラが変形し始めて一部吐き出され、供給ローラが現像ローラに接触し終わるときに供給ローラの変形が元に戻り、一部吸い込まれている。このように、供給ローラに対して、トナーは出入りしているが、供給ローラ内のトナー量は現像容器内のトナー量が変わらなければ、おおむね平衡状態に保たれる。供給ローラ内のトナー量をより正確に判断するにあたって前記静電容量の出力値を精度良く測定するためには、好ましくは、前述したように、供給ローラ内へのトナーの出入りが生じないように供給ローラの回転を停止して測定するのが良い。
図10に示した現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関は、トナーTの凝集度に依存する。凝集度が低いほど、供給ローラへのトナーの出入りが容易と成る為に、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関が良くなると考えられる。本実施例の画像形成装置10において、画像形成動作を行い、現像装置内のトナーTが充分消費された状態の現像容器内に残されたトナーTの凝集度を測定したところ30%であった。一般に、現像容器内のトナーTの使用度が高いほど、トナーTの凝集度が高くなる傾向にあることから、画像形成動作を行う前の現像装置内トナーTの凝集度は30%よりも低いと推測できる。
言い換えれば、30%以下の凝集度を持つトナーならば、本発明の特徴である供給ローラへのトナーの出入りが平衡状態になる状況を作る上で、何ら問題なく使用できる。
供給ローラ内含有トナー量はトナー容器内のトナー量との間に相関関係をもつ。よって、トナー容器内のトナーの自重がそのまま供給ローラにかかるほど、図10に示すような現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関性は高くなる。そのため、本実施例のように、トナー容器内の開口部に供給ローラを配置する構成にすることによって、トナー残検検知の精度を向上させることが可能になる。
上記実施例の画像形成装置10において、供給ローラ2にトナー残量検知バイアスを印加し、現像ローラ1に誘起される電圧を検出する検出器を配置する構成であった。しかしながら、現像ローラ1にトナー残検知バイアスを印加し、供給ローラ2に誘起される電圧を検出する検出器を配置する構成であっても同様な効果を得ることが可能である。
(他の実施例)
さらに図面を参照して、現像装置の好適な他の実施形態の例を説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成部品及び動作については実施例1と同様であり、同符号としてその説明を省略する。
図13は本発明を適用した他の実施例の画像形成装置の概略断面図である。
図中の現像装置4からなる現像カートリッジは、画像形成装置上部の開閉窓を図中Gの方向に開き、画像形成装置内部のガイド21にそって図中Hの方向に、ユーザーが引き出すことで、画像形成装置本体から着脱可能となっている。
このような形態の現像装置であっても、実施例1で説明したプロセスカートリッジの現像装置構成部が適用されるものであり、実施例1と同様の効果を得るものである。即ち、画像形成装置の本体に着脱可能なカートリッジとしては、本例に示す現像カートリッジでも、実施例1に示した感光ドラムを備えるプロセスカートリッジでも良い。