JP4772933B1 - 触覚による照準機能を有するカイロプラクティック用装置 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、容易に持ち運び可能なカイロプラクティック用装置であって、熟練者でなくても、全身骨格中のどの骨に対しても、正確で効果的なアジャストメントを容易に行なうことができるカイロプラクティック用装置を提供することである。
解決手段は、カイロプラクティック用装置であって、(i)カイロプラクティック用アジャスター手段、及び(ii)該アジャスター手段に取り付けられ、該アジャスター手段に対して相対運動可能である当接手段であって、使用者の触診用の指の先端部に当接可能であり且つ患者の体表面に当接可能な先端部を有し、該当接手段の先端部が、使用者の触診用の指の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させることができる照準スペースであって、該アジャスター手段の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させるための照準スペースを有する当接手段、を含み、そして、該<当接手段と該アジャスター手段とを相対運動させることにより、該アジャスター手段の先端部を該当接手段の該先端部の該照準スペースに移動させて患者の体表面に当接させることが可能である、ことを特徴とするカイロプラクティック用装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、触覚による照準機能を有するカイロプラクティック用装置に関する。更に詳細には、本発明は、カイロプラクティック用装置であって、(i)カイロプラクティック用アジャスター手段、及び(ii)該アジャスター手段に取り付けられ、該アジャスター手段に対して相対運動可能である当接手段であって、使用者の触診用の指の先端部に当接可能であり且つ患者の体表面に当接可能な先端部を有し、該当接手段の先端部が、使用者の触診用の指の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させることができる照準スペースであって、該アジャスター手段の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させるための照準スペースを有する当接手段、を含み、そして、該当接手段と該アジャスター手段とを相対運動させることにより、該アジャスター手段の先端部を該当接手段の該先端部の該照準スペースに移動させて患者の体表面に当接させることが可能である、ことを特徴とするカイロプラクティック用装置に関する。触覚による照準機能を有する本発明のカイロプラクティック用装置を用いると、人体で最も鋭敏な指先で患者を触診してカイロプラクティックを施術すべき箇所を決定した後、その箇所に正確にスラストを加えることができるので、カイロプラクティックの施術をより効果的且つ効率的に行なうことができる。また、本発明のカイロプラクティック用装置は容易に持ち運び可能である。
カイロプラクティック(chiropractic)とは、ギリシャ語のChiro「手」とPrakticos「技術」を組み合わせた、「手技」を意味する造語である。その名のとおり、カイロプラクティックにおいては、指頭や豆状骨などの手の各部位で患者に触診を行い、施術を行なうべき箇所を決定し、その箇所に手の各部位を用いてスラスト(thrust)(高速低振幅の衝撃)を加えたり、また、バネの弾性力や電磁力を利用する装置によりスラストを加えることなどにより、施術を行なってきた。カイロプラクティックにおいては、頭蓋骨・脊椎・腰椎・骨盤・四肢の関節などに適度なスラストを加えて、それらのズレを矯正することにより、種々の疾病に改善をもたらすものである(当業界では、上記のような骨のズレを、「サブラクセーション」(subluxation)や「ミスアラインメント」(misalignment)と称する)。スラストを加える患者の体表面の箇所に皮膚の弛みがあると、スラストが弛みに吸収されてしまい体内に十分伝達されないので、スラストを加える患者の体表面の箇所の皮膚を伸ばして弛みを除いた状態でスラストを加えるのが通例である。カイロプラクティックの分野でいう「スラスト」とは、あらゆる種類の「機械的圧力」(mechanical pressure)を含む用語であり、機械的圧力を加える方法としては、患者の体表面に施術者の指頭やロッド(プラスチック又は金属製)の先端などを置き、それらを巨視的に運動させて患者の体表面に圧力(スラスト)を加える場合(例えば、施術者の体を用いる場合や後述のいわゆる「アクティベータ」を用いる場合)もあるし、また、患者の体表面にロッドの先端を置き、該ロッドを巨視的には動かさずにその後端に機械的インパルス(mechanical impulse)を加えて、該ロッドの後端から先端に向かって伝達する圧力波としてのスラストを発生させ、それによって患者の体表面に圧力(スラスト)を加える場合(後述のいわゆる「アトラス・オーソゴナル・テクニック」で用いられる装置の場合)もある。
カイロプラクティックにおける施術(スラストを加える操作)は、通常、「アジャストメント」と呼ばれるので、以下、屡々、施術を「アジャストメント」と称する。(当業界では、「アジャストメント」と同じ意味で、「マニピュレーション」という用語が用いられることもある。)また、カイロプラクティックにおいては、スラストを加える患者の体表面の箇所は、通常、「コンタクトポイント」と呼ばれるので、以下、屡々、スラストを加える患者の体表面の箇所を「コンタクトポイント」と称する。カイロプラクティックに関する一般的情報や上記の種々の用語については、例えば、非特許文献1(「カイロプラクティック概論」、鈴木正教 著、日本国 たにぐち書店 発行(1987年))、非特許文献2(「初めて学ぶカイロプラクティックスキル 〜基本原則からマニピュレーションスキルまで〜」、David Byfield 編著、大谷素明 監訳、日本国 医道の日本社 発行(1999年)、非特許文献3(「岡井DCのテクニック・ブック 基本編 実践カイロプラクティック アジャストメント テクニック」、岡井健 著、日本国 日本医科学出版株式会社 発行(2004年))などを参照されたい。特に「アジャストメント」という用語については、非特許文献1と3を参照されたい。
示指や中指などの指を用いてアジャストメントを行なう場合は、手指や手首に負担がかかって、施術者(カイロプラクター)が障害を負ったり、また、スラストの方向が正確でなく、所望の効果が得られなかったりすることがある。大きな力のスラストを加える必要がある場合には、豆状骨(pisiform bone)を用いることが多いが、指頭に比べて感覚が鈍く、豆状骨を用いての正確なアジャストメントには熟練を要する。
人力によるアジャストメントの問題を解決するために、機器(カイロプラクティック用装置)を用いてアジャストメントを行なうこともある。カイロプラクティック用装置では、バネの弾性力や電磁力を利用して患者にスラストを加える。従来のカイロプラクティック用装置は、例えば、米国特許出願公開第2002/0082532号公報(特許文献1)、米国特許第6,379,375号公報(特許文献2)、米国特許第6,602,211号公報(特許文献3)及び米国特許第6,805,700号公報(特許文献4)に記載されている。上記のようなカイロプラクティック用装置を一般に「アクティベータ」と称し、これらの装置を用いるカイロプラクティック技法を、「アクティベータ・メソッド・カイロプラクティック」(Activator Methods Chiropractic Technique (AMCT))と称することがある。(なお、当業界では、カイロプラクティック用装置を、「アジャストメント」に用いる機器という意味で、屡々「アジャスター」と称するので、本発明においても、屡々、カイロプラクティック用装置を「アジャスター」と称する。)
上記のような従来のカイロプラクティック用装置によりスラストを加える場合は、装置を把持・操作するために片手を用いるので、別の手で患者に触れる。従って、この場合、アジャストメントを行う箇所の皮膚を伸ばして弛みを除く操作は、装置を把持していない片手のみで行なうので、両手で皮膚を伸ばして弛みを除く操作と比べて、容易ではない。また、指頭で触診してコンタクトポイントを決定した後、その指頭をコンタクトポイントから離し、視覚を頼りに装置の先端をコンタクトポイントに持ってくるので、触診して決定した正しいコンタクトポイントから装置の先端がわずかにずれることが多い。従って、上記のような従来のカイロプラクティック用装置の場合、熟練者であっても、正確で効果的なアジャストメントを行なうことは容易ではない。
カイロプラクティックの一分野に「アトラス・オーソゴナル・テクニック」 (Atlas Orthogonal Technique) (AOT) がある。アトラス・オーソゴナル・テクニックでは、アジャストメントの対象が第一頚椎(「アトラス(atlas)」、即ちC1)のみに絞られている。アトラス・オーソゴナル・テクニックでは、第一頚椎の矯正専用の据付型の大型設備を用いる。この据付型の大型設備においては、カイロプラクティック用装置(アジャスター)は、それを安定に保持できる可動アームに取り付けられている。この大型設備を用いると、カイロプラクティック用装置を安定に保持できるので、熟練施術者であれば、第一頚椎の正確なアジャストメントを比較的容易に行なうことができる。しかし、この大型設備は、第一頚椎の矯正専用設備であり、第一頚椎以外の骨のアジャストメントには使用できない。
従来技術の上記問題点を解決できるカイロプラクティック用装置は未だ開発されていない。
米国特許出願公開第2002/0082532号公報 米国特許第6,379,375号公報 米国特許第6,602,211号公報 米国特許第6,805,700号公報 「カイロプラクティック概論」、鈴木正教 著、日本国 たにぐち書店 発行(1987年) 「初めて学ぶカイロプラクティックスキル 〜基本原則からマニピュレーションスキルまで〜」、David Byfield 編著、大谷素明 監訳、日本国 医道の日本社 発行(1999年) 「岡井DCのテクニック・ブック 基本編 実践カイロプラクティック アジャストメント テクニック」、岡井健 著、日本国 日本医科学出版株式会社 発行(2004年)
従って、従来技術の上記問題点を解決できるカイロプラクティック用装置、即ち、容易に持ち運び可能なカイロプラクティック用装置であって、熟練者でなくても、全身骨格中のどの骨に対しても、正確で効果的なアジャストメントを容易に行なうことができるカイロプラクティック用装置の開発が望まれていた。
このような状況下、本発明者が上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、カイロプラクティック用装置であって、(i)カイロプラクティック用アジャスター手段、及び(ii)該アジャスター手段に取り付けられ、該アジャスター手段に対して相対運動可能である当接手段であって、使用者の触診用の指の先端部に当接可能であり且つ患者の体表面に当接可能な先端部を有し、該当接手段の先端部が、使用者の触診用の指の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させることができる照準スペースであって、該アジャスター手段の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させるための照準スペースを有する当接手段、を含み、そして、該当接手段と該アジャスター手段とを相対運動させることにより、該アジャスター手段の先端部を該当接手段の該先端部の該照準スペースに移動させて患者の体表面に当接させることが可能である、ことを特徴とするカイロプラクティック用装置により上記課題を解決できることを見出した。この知見に基づき、本発明を完成した。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、添付の図面を参照しながら述べる以下の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
触覚による照準機能を有する本発明のカイロプラクティック用装置を用いると、人体で最も鋭敏な指先で患者を触診してカイロプラクティックの施術(アジャストメント)を行なうべき箇所を決定した後、その箇所に正確にスラストを加えることができるので、アジャストメントをより効果的且つ効率的に行なうことができる。本発明のカイロプラクティック用装置は容易に持ち運び可能である上、使用者の両手を患者に接触させた状態でアジャストメントできるので、熟練者でなくても、全身骨格中のどの骨に対しても、正確で効果的なアジャストメントを容易に行なうことができる。
カイロプラクティック用装置の1例の概略正面図である。 カイロプラクティック用装置の他の1例の概略斜視図である。 カイロプラクティック用装置のさらなる他の1例の概略斜視図である。 カイロプラクティック用装置のさらなる他の1例の概略斜視図である。 カイロプラクティック用装置のさらなる他の1例の概略断面図である。 カイロプラクティック用装置の操作方法を示す概略正面図である。 カイロプラクティック用アジャスター手段の1例の内部構造を示す概略図である。 カイロプラクティック用アジャスター手段の他の1例の内部構造を示す概略図である。
1 カイロプラクティック用装置
2 カイロプラクティック用アジャスター手段
2A カイロプラクティック用アジャスター手段の先端部(スラストヘッド)
2B 引き金部材
2C コイル状圧縮バネ
2D スラスト駆動ブロック
2E スラストロッド
2F コイル状圧縮バネ
2G コイル状圧縮バネ
3 当接手段
3A 当接手段の先端部
3B 軸
3C バネ保持部材
3D バネ保持部材
3E コイル状バネ
3F 当接手段であるパイプの先端部側開口部の周縁部
3G 当接手段であるパイプの先端部側開口部の周縁部の孔
4 照準スペース
F 使用者の指
P 患者の体表面
本発明によれば、カイロプラクティック用装置であって、
以下の手段(i)及び(ii):
(i)カイロプラクティック用アジャスター手段であって、
該アジャスター手段の先端部を構成するスラストヘッドを有する長手方向に延びるスラスト部材、
該スラスト部材に長手方向前方へのスラストを与えるための駆動部材、及び
該駆動部材を作動させるための引き金部材、
を含むカイロプラクティック用アジャスター手段、及び
(ii)該アジャスター手段に取り付けられ、該アジャスター手段に対して相対運動可能である当接手段であって、使用者の触診用の指の先端部に当接可能であり且つ患者の体表面に当接可能な先端部を有し、該当接手段の先端部が、使用者の触診用の指の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させることができる照準スペースであって、該アジャスター手段の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させるための照準スペースを有する当接手段、
を含み、そして
該当接手段と該アジャスター手段とを相対運動させることにより、該アジャスター手段の先端部を該当接手段の該先端部の該照準スペースに移動させて患者の体表面に当接させることが可能である、
ことを特徴とするカイロプラクティック用装置が提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1. カイロプラクティック用装置であって、
以下の手段(i)及び(ii):
(i)カイロプラクティック用アジャスター手段であって、
該アジャスター手段の先端部を構成するスラストヘッドを有する長手方向に延びるスラスト部材、
該スラスト部材に長手方向前方へのスラストを与えるための駆動部材、及び
該駆動部材を作動させるための引き金部材、
を含むカイロプラクティック用アジャスター手段、及び
(ii)該アジャスター手段に取り付けられ、該アジャスター手段に対して相対運動可能である当接手段であって、使用者の触診用の指の先端部に当接可能であり且つ患者の体表面に当接可能な先端部を有し、該当接手段の先端部が、使用者の触診用の指の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させることができる照準スペースであって、該アジャスター手段の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させるための照準スペースを有する当接手段、
を含み、そして
該当接手段と該アジャスター手段とを相対運動させることにより、該アジャスター手段の先端部を該当接手段の該先端部の該照準スペースに移動させて患者の体表面に当接させることが可能である、
ことを特徴とするカイロプラクティック用装置。
2. 該当接手段の先端部の形状が円弧状であり、該円弧状先端部の内側が該照準スペースであることを特徴とする前項1に記載のカイロプラクティック用装置。
3. 該当接手段の先端部がループであり、該ループの内側が該照準スペースであることを特徴とする前項1に記載のカイロプラクティック用装置。
4. 該当接手段の先端部がプレートであり、該プレートは上側表面と下側表面およびそれら両表面の間を延びる貫通孔を有し、該貫通孔が該照準スペースであり、該アジャスター手段は該プレートの上側表面側に位置しており、該プレートの下側表面が患者の体表面に当接可能であることを特徴とする前項1に記載のカイロプラクティック用装置。
5. 該当接手段が伸縮可能なパイプであり、該アジャスター手段の先端部側が該パイプの後端部側開口部に挿入されており、該パイプの先端部側開口部が該照準スペースであり、該パイプの先端部側開口部の周縁部が、使用者の触診用の指の先端部を受け入れて該照準スペースに位置させることが可能である孔を有することを特徴とする前項1に記載のカイロプラクティック用装置。
以下、本発明について添付の図面に参照して詳細に説明する。
図1に、カイロプラクティック用装置の1例を示す。図1に示すように、本発明のカイロプラクティック用装置1は、カイロプラクティック用アジャスター手段2(以下、「カイロプラクティック用アジャスター手段」をしばしば単に「アジャスター手段」と称する)及び当接手段3を含む。
アジャスター手段2については後述する。
図1における当接手段3は、軸3B、バネ保持部材3C、バネ保持部材3D及びコイル状バネ3Eを有する。コイル状バネ3Eは、圧縮バネ、引張りバネのいずれでもよい。コイル状バネ3Eは軸3Bに巻きつけられている。バネ保持部材3Cは、アジャスター手段2に取り付けられている。バネ保持部材3Cのアジャスター手段2への取り付けは、溶接、溶着、接着、ねじ止め、ねじ込みなどの周知の方法を用いて行うことができる。バネ保持部材3C及びバネ保持部材3Dは、それぞれ上下からコイル状バネ3Eを保持している。
保持部材3Cはさらに、貫通孔を有し、それによって軸3Bを摺動可能に保持している。コイル状バネ3Eが伸縮することにより、軸3Bが保持部材3Cの貫通孔を摺動し、当接手段3は上下に動くことができる。つまり、図1においては、当接手段3はアジャスター手段2の長手方向に相対運動可能である。
当接手段3の先端部3Aは、使用者の触診用の指Fの先端部に当接可能であり且つ患者の体表面Pに当接可能である。当接手段の先端部3Aの近傍に照準スペース4がある。照準スペース4は、アジャスター手段2の先端部2Aの真下に位置する。照準スペース4は、使用者の触診用の指Fの先端部を受け入れて患者の体表面Pに当接させることができるスペースであって、該アジャスター手段の先端部を受け入れて患者の体表面に当接させるためのスペースである。
当接手段3を患者の体表面Pに保持したままでアジャスター手段2を下方に動かすことにより、アジャスター手段2の先端部2Aを照準スペース4に移動させて患者の体表面に当接させることが可能である。
当接手段3の先端部3Aの形状については、特に限定はない。図1においては当接手段3の先端部3Aは棒状であるが、棒状である必要はない。たとえば、当接手段の先端部は円弧状、略円弧状などの湾曲形状を有していてよい。また、当接手段の先端部はループであってもよい。さらに、当接手段の先端部はプレートであってもよい。
図2は、当接手段3の先端部3Aの形状が円弧状である場合のカイロプラクティック用装置の1例を示す。この場合、円弧状先端部の内側が照準スペース4である。
円弧状先端部のサイズについては、当接手段3の先端部3Aがループである場合のサイズについての後述の説明が当てはまる。(円弧状先端部を、該円弧状先端部を一部として含むループ(円)と同一視する。)
図3は、当接手段3の先端部3Aがループである場合のカイロプラクティック用装置の1例を示す。この場合、ループの内側が照準スペース4である。ループの形状については特に限定されない。図3においてはループは円形であるが、円形である必要はない。円以外の形状の例として、楕円、多角形が挙げられる。多角形の例として、三角形(正三角形など)、四角形(正方形など)、五角形、六角形などが挙げられる。また、ループは完全なループでなくてもよく、たとえば断絶している(閉曲線になっていない)ものでもよい。
ループは、その内側を使用者の触診用の指Fの先端部とアジャスター手段2の先端部2Aのいずれもが通過可能であるサイズを有する。ループのサイズについては、当接手段3の先端部3Aが貫通孔を有するプレートである場合における貫通孔のサイズについての後述の説明が当てはまる。
図4は、当接手段3の先端部3Aがプレートである場合のカイロプラクティック用装置の1例を示す。該プレート3Aは上側表面と下側表面およびそれら両表面の間を延びる貫通孔を有し、該貫通孔が照準スペース4であり、アジャスター手段2はプレート3Aの上側表面側に位置しており、プレート3Aの下側表面が患者の体表面Pに当接可能である。
プレート3Aの貫通孔(照準スペース4)は、使用者の触診用の指Fの先端部とアジャスター手段2の先端部2Aのいずれもが通過可能であるサイズを有する。プレート3Aの貫通孔のサイズは使用者の触診用の指Fの先端部とアジャスター手段2の先端部2Aのいずれもが通過可能である限り特に限定されない。
より具体的には、プレート3Aの貫通孔のサイズは以下の通りである。プレート3Aの貫通孔は、それが含み得る最大の円の直径が通常、3mm〜50mmの範囲、好ましくは3mm〜25mmの範囲であるサイズを有する。(以下、屡々、「貫通孔が含み得る最大の円の直径」を単に「貫通孔の直径」と称する。)プレート3Aの貫通孔の直径の下限は、より好ましくは、5mmであり、更に好ましくは8mmである。プレート3Aの貫通孔の直径の上限は、より好ましくは17mmであり、更に好ましくは12mmである。
通常、アジャスター手段2の先端部2Aよりも、使用者の触診用の指Fの先端部の方が太いので、貫通孔の直径は、使用者の触診用の指Fの先端部の太さによって決めることが望ましい。貫通孔の直径は、使用者の触診用の指Fの先端部の最大径と同じかそれより少し(約1mm〜約3mm)小さいことが好ましい。(触診用の指Fの先端部には或る程度の柔軟性があるので、触診用の指Fの先端部の最大径より少し小さい直径の貫通孔でも指Fの先端部は通過可能である。)参考までに述べると、アトラス・オーソゴナル・テクニックで用いるアジャスターのスラストヘッドの先端部の直径は通常約3mmであり、一般に、それ以外の用途のアジャスター(即ち、持ち運び可能なアジャスター)のスラストヘッドの先端の直径は約10mmから約15mmの範囲である。一方、使用者の触診用の指Fの先端部の最大径は、約25mm以下であり、通常約10mm〜約15mmの範囲である。なお、貫通孔の直径が、使用者の触診用の指Fの先端部の最大径よりも大きい場合(即ち、触診中に、使用者の触診用の指Fの先端部と貫通孔の縁周部との間に隙間ができる場合)は、触診用の指Fの先端部を、貫通孔が含み得る最大の円の中心部分に位置させた状態で触診を行ない、スラストを加える患者の体表面の箇所を該円の中心部分で決定することが好ましい。触診の後、アジャスター手段2の先端部2Aをプレート3Aの貫通孔に移動させる際に、該先端部2Aを貫通孔が含み得る最大の円の中心部分に置くことより、より正確なアジャストメントが可能となる。
プレート3Aの貫通孔の形状は、特に限定されない。貫通孔の形状の例としては、円形、楕円形、多角形(例えば、正三角形などの三角形、正方形などの四角形、正五角形などの五角形)、上記以外の任意の閉曲線で囲まれた形状などがある。また、プレート3Aの貫通孔の周辺の一部が欠損していてもよい。たとえば、貫通孔からプレート3Aの端に至る亀裂や切込みがあって、それによって貫通孔がプレート3Aの端と通じていてもよい。
当接手段3自体についても、特に限定はない。たとえば、図5に示すように、当接手段3が伸縮可能なパイプであってもよい。図5においては、アジャスター手段2の先端部側が当接手段であるパイプ3の後端部側開口部に挿入されており(さらに、パイプ3の後端部はアジャスター手段2に取り付けられている)、パイプ3の先端部側開口部が照準スペース4である。パイプの先端部側開口部の周縁部3Fは、使用者の触診用の指Fの先端部を受け入れて照準スペース4に位置させることが可能である孔3Gを有する。パイプ3の後端部のアジャスター手段2への取り付けは、パイプ3の後端部の内壁のアジャスター手段2への接合(溶接、溶着、接着、ねじ止め、ねじ込みなどの周知の方法で行う)によって行うことができる。
パイプの伸縮性については、先端部側開口部の周縁部3Fのみが伸縮性を有していればよい。周縁部3Fの形状の例として、蛇腹形状が挙げられる。
パイプ3の先端部側開口部(照準スペース4)の形状とサイズについては、当接手段3の先端部3Aが貫通孔を有するプレートである場合における貫通孔のサイズについての上述の説明が当てはまる。
パイプの先端部側開口部の周縁部3Fの孔3Gの形状とサイズについては、使用者の触診用の指Fの先端部を受け入れて照準スペース4に位置させることが可能である限り、特に限定はない。孔3Gは、指Fが挿入できるような切り込みであってもよい。
本発明のカイロプラクティック用装置は、所望により、カイロプラクティック用装置を使用者に保持するための保持手段をさらに含んでいてもよい。保持手段の形状は特に限定されない。例えば、保持手段は、把持可能な形状の部材でもよいし、手又は手首に係合可能なベルト形状の部材(ベルト部材)であってもよい。ベルト部材の種類は特に限定されず、服飾品としてのベルトと同様の構造と使用方法の直線状構造体でもよいし、輪ゴムのような環状構造体でもよい。保持手段は、アジャスター手段2と当接手段3からなる群より選ばれる少なくとも1種に取り付けることができる。保持手段の材料は特に限定されず、アジャスター手段2や当接手段3を作成する材料として下記する材料から選ぶことができるが、一般的には、可撓性材料(布、ゴム、可撓性プラスチックなど)であることが好ましい。
本発明のカイロプラクティック用装置の操作方法(本発明のカイロプラクティック用装置を用いたカイロプラクティックの施術方法)について説明する。
カイロプラクティック用装置は、使用者の片手だけを用いて操作することもできるし、使用者の両手を用いて操作することもできる。特に、当接手段の先端部がプレートである場合には、カイロプラクティック用装置を片手で容易に操作できる。図4に示すように、当接手段の先端部であるプレートを患者の体表面に置くと、片手でより安定的に保持できるからである。
触診は、当接手段の先端部を触診用の指の先端部に当接させながら行うこともできるし、当接手段の先端部を触診用の指の先端部に当接させずに行うこともできる。触診を、当接手段の先端部を触診用の指の先端部に当接させながら行う場合には、触診によって患者の体表面のアジャストメント箇所が決定された時点で、触診によって決定された患者の体表面のアジャストメント箇所に当接手段の先端部の照準スペースが位置している。触診を、当接手段の先端部を触診用の指の先端部に当接させずに行う場合には、触診によって患者の体表面のアジャストメント箇所が決定された後で、触診用の指が位置している患者の体表面のアジャストメント箇所に当接手段の先端部の照準スペースが位置するように当接手段の先端部を触診用の指の先端部に当接させる。本発明において重要なのは、触診によって決定された患者の体表面のアジャストメント箇所に当接手段の先端部の照準スペースを位置させることができ、したがって、正確なアジャストメントができることである。
たとえば、図1のように当接手段の先端部が棒状である場合、触診に用いない方の手を用いて棒状先端部を触診用の指の先端部に当接させながら触診を行うこともできるし、触診を行った後で、触診に用いない方の手を用いて棒状先端部を触診用の先端部に当接させることもできる。
図2〜図5の場合のように当接手段の先端部が使用者の触診用の指の先端部と係合しやすい形状を有している場合には、係合によって当接手段の先端部を触診用の指の先端部により正確に当接させることができるので、より正確なアジャストメントができる。図2〜図5における、触診用の指の先端部の、当接手段の先端部への係合のさせ方は以下の通りである。図2においては、当接手段の先端部は円弧状であり、当接手段の円弧状先端部に触診用の指の先端部を入れて係合させる。図3においては、当接手段の先端部はループであり、ループに触診用の指の先端部を入れて係合させる。図4においては、当接手段の先端部は貫通孔を有するプレートであり、この貫通孔に触診用の指の先端部を入れて係合させる。図5においては、当接手段はパイプであり、パイプの先端部側は開口部を有しており、この開口部に触診用の指の先端部を入れて係合させる。
以下、図6に参照して、本発明のカイロプラクティック用装置の操作方法の1例を説明する。図6は、触診を、触診に用いる指を当接手段の先端部に当接させずに行う場合を示している。
図6の(a)に示されるように、本発明のカイロプラクティック用装置を用いる場合、まず、患者の骨格における標的箇所に対応すると予想される体表面部分やその周囲の患者の皮膚を伸ばして弛みを取り除きながら、使用者の指Fの先端部で患者の体表面Pを触診して、アジャストメントを行う箇所を決定する。指Fは、拇指、示指、中指、薬指および小指のいずれでもよい。また、指Fは、右手の指でもよいし、左手の指でもよい。
次に、図6の(b)に示されるように、当接手段3の先端部3Aを、患者の体表面Pのアジャストメントを行う箇所に位置している使用者の指Fの先端部まで移動させる。当接手段3の先端部3Aを使用者の指Fの先端部まで移動させたとき、先端部3Aは使用者の指Fの先端部と当接し、照準スペース4はアジャストメントを行う箇所に位置する。このときまた、照準スペース4はアジャスター手段の先端部2Aの真下にあり、アジャスター手段の先端部2Aを照準スペース4に移動させた際には、アジャスター手段の先端部2Aが患者のアジャストメント箇所に当接するようになっている。なお、所望により、図6の(b)に示される状態で最終的な触診を行って、アジャストメントを行う箇所を再度確認してもよい。
その後、図6の(c)に示されるように、アジャスター手段2の先端部2Aを照準スペース4に移動させ、その後、アジャスター手段2の引き金部材2Bを引いてアジャスター手段2を作動させる。(図2では、アジャスター手段2の引き金部材2Bは省略してある。)
上記の操作を行うことによって、非常に正確なアジャストメントが実現できる。したがって、上記の操作を行うことによって、従来のカイロプラクティックの施術(アジャストメント)に比べてより効果的且つ効率的にアジャストメントを行なうことができる。
図6ではアジャスター手段2の長手方向が患者の体表面Pに対して直角である場合を示しているが、直角であることが必要ではない。アジャスター手段2の長手方向は患者の体表面Pに対して直角以外の角度(たとえば45度)であってもよい。アジャスター手段2の長手方向と患者の体表面Pとのなす角は、患部の状況などに応じて決めればよい。
当接手段3の先端部3Aがループである場合には、触診は指Fの先端部をループに係合させながら行うことが好ましい。また、当接手段3の先端部3Aが貫通孔を有するプレートである場合には、触診は指Fの先端部を貫通孔に入れて行うことが好ましい。この場合、プレートに押圧力を加えることによって患部の深部方向への予圧を加えることができ、また、予圧を加えながらアジャスター手段2を作動させることができる。
カイロプラクティック用アジャスター手段2は、該アジャスター手段の先端部を構成するスラストヘッドを有する長手方向に延びるスラスト部材、該スラスト部材に長手方向前方へのスラストを与えるための駆動部材、及び該駆動部材を作動させるための引き金部材、を含むカイロプラクティック用アジャスター手段である。本発明におけるスラスト部材に与える「長手方向前方へのスラスト」とは、駆動部材がスラスト部材を長手方向前方に押出す場合(即ち、スラスト部材が巨視的に動く場合)と、駆動部材がスラスト部材の後端に機械的インパルスを加えて、スラスト部材の後端から長手方向前方に伝達する圧力波としてのスラストを発生させる場合(即ち、スラスト部材が巨視的に動かず、圧力波だけがスラスト部材の後端から長手方向前方に伝達する場合)の両方を含む用語である。本発明のカイロプラクティック用装置に用いられるカイロプラクティック用アジャスター手段2は、例えば、いわゆる「アクティベータ」などの、持ち運び可能な従来のカイロプラクティック用装置と、基本構造・作動機構・機能が実質的に同じものでよい。従って、カイロプラクティック用アジャスター手段2は、例えば、上記特許文献1〜4のいずれかに開示されるような従来のカイロプラクティック用装置の設計情報に基づいて、同様の材料を用いて作成することができる。
カイロプラクティック用アジャスター手段2の1例の内部構造の概略図を図7に示す。図7に示すカイロプラクティック用アジャスター手段2は、スラストヘッド2A、引き金部材2B、コイル状圧縮バネ2C、スラスト駆動ブロック2D、スラストロッド2E、コイル状圧縮バネ2Fを含む。引き金部材2Bはコイル状圧縮バネ2Gを含む。コイル状圧縮バネ2Cとスラスト駆動ブロック2Dが、スラスト部材に長手方向前方へのスラストを与えるための駆動部材を構成する。スラストロッド2Eとスラストヘッド2Aは一体化されており、スラスト部材を構成する。コイル状圧縮バネ2Fは、アジャスター手段2の先端部2Aを対象物(患者の体表面など)に置いた際に縮んでクッションの役割を果たす。即ち、例えば、アジャスター手段2の先端部2Aの下降動作は、たとえアジャスター手段2の全体が固定してあっても、コイル状圧縮バネ2Fのクッション作用によりスラスト部材(スラストロッド2Eとスラストヘッド2Aからなる)だけが動くことで実現できる。図7に示すアジャスター手段2においては、コイル状圧縮バネ2Cとスラスト駆動ブロック2Dからなる駆動部材によって、スラストロッド2Eとスラストヘッド2Aからなるスラスト部材が、コイル状圧縮バネ2Fの伸長可能範囲内で長手方向前方に押し出される(巨視的に動く)構造になっている。このような構造は、いわゆる上記「アクティベータ」において一般的に採用されている構造である。
引き金部材2Bを引くことにより、アジャスター手段2が作動し、患者にスラストが加えられる。引き金部材2Bを引く1つの方法として、針金を介して引き金手段(使用者の指に係合できるもの)(図示しない)を引き金部材2Bに連結させ、使用者の指で引き金手段を動かすことによって引き金部材2Bを引くという方法が挙げられる。引き金手段に係合させる指は、触診用の指Fと同じでもよいし異なっていてもよい。
引き金部材2Bを引く他の方法として、引き金部材2Bに連結された有線又は無線通信手段(図示しない)を設け、該有線又は無線通信のスイッチ(電子的引き金手段)をオンにすることによって引き金部材2Bを引くという方法が挙げられる。このスイッチ(電子的引き金手段)を足踏み式装置として構成すれば、使用者の足でスイッチ操作することもできる。
アジャスター手段2の引き金部材2Bを有線又は無線通信で操作するために用いられる機器(即ち、引き金部材2Bに連結される有線又は無線通信手段、及びそれと共に用いるスイッチ(電子的引き金手段))については、種々の業界で周知の電気・電子工学技術に基づいて容易に作成することができ、また、市販品を容易に入手できる。周知のように、進歩した現代の電気通信技術の普及により、遠隔操作/操縦用の極めて小型で高性能の電気通信関連デバイスやアクチュエーターが、様々な分野の電気・電子機器に組み込まれて広く利用されている。有線通信で操作するために用いることのできる市販の機器としては、例えば、TGA−mini(日本国 トキ・コーポレーション株式会社 製)などを挙げることができる。有線又は無線通信で操作するために用いることのできる機器の設計・作成を委託できる業者としては、例えば、日本国 株式会社 小杉技研、日本国 大阪自動電機株式会社、日本国 アイテック株式会社などを挙げることができる。このように、現在周知の有線または無線の遠隔操作/操縦技術を応用すれば、本発明における引き金部材2Bを有線または無線操作するために必要な比較的小型の電気・電子装置や部材を作成することは容易であり、また、市販品を容易に入手でき、さらにまた、所望であればそれらの機器の設計・作成を委託できる業者が存在する。
カイロプラクティック用アジャスター手段2の他の1例の内部構造の概略図を図8に示す。図8に示すアジャスター手段2は、図7のアジャスター手段2におけるコイル状圧縮バネ2Fが無く、スラストロッド2Eとスラストヘッド2Aからなるスラスト部材がアジャスター手段2の本体に固定されている以外は、図7のアジャスター手段2と同じ構造を有している。図7に示すアジャスター手段2と異なり、図8に示すアジャスター手段2は、上記「アトラス・オーソゴナル・テクニック」で用いるカイロプラクティック用装置において採用されている構造のように、スラスト部材がアジャスター手段2の本体に固定されているので、スラスト部材がアジャスター手段2の本体から独立して巨視的に動くことはない。このような構造を有する図8に示すアジャスター手段2の場合においては、コイル状圧縮バネ2Cとスラスト駆動ブロック2Dからなる駆動部材によって、スラスト部材の後端に機械的インパルスを加えて、スラスト部材の後端から長手方向前方に伝達する圧力波としてのスラストを発生させ、それによって患者の体表面に圧力(スラスト)を加えるものである。図8に示すアジャスター手段2の場合においては、スラスト部材が圧力波を伝達する効率を高める観点から、スラスト部材の材質は金属(鋼鉄など)であることが好ましい。
アジャスター手段2の構造と作動原理は図7や図8に示すものに限定されない。例えば、駆動原理としては、空気圧や油圧を利用する駆動原理や電磁力を利用する駆動原理、あるいは人力を利用する駆動原理など、カイロプラクティック用アジャスターの駆動原理として当業界で周知のあらゆる種類の駆動原理が利用できる。
本発明のカイロプラクティック用装置を作成するために用いる材料は、本発明の目的が達成される限り、特に限定されない。カイロプラクティック用アジャスター手段2のコイル状圧縮バネの材質は金属(鋼鉄など)が好ましい。アジャスター手段2のコイル状圧縮バネ以外の部品を作成する材料としては、例えば、プラスチック類(塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど)、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウムなどが挙げられる。当接手段3についても同様である。
当接手段3の先端部がプレートである場合、プレートの下側表面は触診の際やアジャスター手段2を作動させる際に患者の体表面に接触させるものである。触診の際に患者の皮膚の弛みをとり易くする観点、及び、触診によって決定したコンタクトポイントからプレートの貫通孔がずれるのを防ぐ観点から、プレートの下側表面(特に、貫通孔の周辺部分)は患者の体表面に対して滑り易過ぎないことが望ましい。従って、プレートの下側表面のうち少なくとも貫通孔の周辺部分に小さい凹凸が多数形成(例えば、直径約1mmの凹凸が1cm2当り10個以上形成)されているか又は粗面化されていたり、プレートの下側表面のうち少なくとも貫通孔の周辺部分がゴムで形成されていることが好ましい。
当接手段3が伸縮可能なパイプである場合、上記のように、パイプの先端部側開口部の周縁部のみが伸縮可能な材質であれば十分である。伸縮可能な材質の例として、シリコーンゴムが挙げられる。
本発明のカイロプラクティック用装置を用いるカイロプラクティックの施術方法における触診は、当接手段の先端部を使用者の触診用の指の先端部に当接させて使用者の触診用の指の先端部を照準スペースに位置させた状態で、使用者の触診用の指の先端部を用いて触診を行なうことによって、患者の体表面の標的箇所に当接手段の先端部の照準スペースを位置させること、または、使用者の触診用の指の先端部を用いて触診を行なうことによって患者の体表面の標的箇所を決定した後に、触診用の指が位置している患者の体表面の標的箇所に当接手段の先端部の照準スペースが位置するように当接手段の先端部を移動させること以外は、従来技術におけるカイロプラクティックの施術方法における触診方法と同様に行なうことができる。従来技術におけるカイロプラクティックの施術方法における触診方法については、例えば、上記非特許文献1〜3に詳述されている。
本発明のカイロプラクティック用装置を用いる施術の対象となる骨は特に限定が無く、一般にカイロプラクティックの施術対象となり得る全ての骨に対して施術することができる。本発明のカイロプラクティック用装置を用いる施術の対象となる骨の例としては、後頭骨(OC)・頚椎(C1〜C7)・胸椎(Th1〜Th12)・腰椎(L1〜L5)・骨盤・四肢の関節からなる群より選ばれる骨を挙げることができる。
通常の経験と技量を有するカイロプラクティック施術者(カイロプラクター)であれば、本発明のカイロプラクティック用装置を用いてカイロプラクティックの施術を容易に行なうことができる。また、従来のカイロプラクティック用装置(アジャスター)を使用した経験が無いカイロプラクターでも、本発明のカイロプラクティック用装置を容易に用いることができる。
触覚による照準機能を有する本発明のカイロプラクティック用装置を用いると、人体で最も鋭敏な指先で患者を触診してカイロプラクティックの施術(アジャストメント)を行なうべき箇所を決定した後、その箇所に正確にスラストを加えることができるので、アジャストメントをより効果的且つ効率的に行なうことができる。本発明のカイロプラクティック用装置は容易に持ち運び可能である。更に、本発明のカイロプラクティック用装置を用いると、使用者の両手を患者に接触させた状態でアジャストメントできるので、熟練者でなくても、頭蓋骨・脊椎・腰椎・骨盤・四肢の関節など、全身骨格中のどの骨に対しても、正確で効果的なアジャストメントを容易に行なうことができる。本発明のカイロプラクティック用装置を用いる施術の対象となる骨は特には限定が無く、一般にカイロプラクティックの施術対象となり得る全ての骨に対して施術することができる。本発明のカイロプラクティック用装置を用いる施術の対象となる骨の例としては、後頭骨(OC)・頚椎(C1〜C7)・胸椎(Th1〜Th12)・腰椎(L1〜L5)・骨盤・四肢の関節からなる群より選ばれる骨を挙げることができる。

Claims (5)

  1. カイロプラクティック用装置(1)であって、
    以下の手段(i)及び(ii):
    (i)カイロプラクティック用アジャスター手段(2)であって、
    該アジャスター手段(2)の先端部(2A)を構成するスラストヘッドを有する長手方向に延びるスラスト部材(2Eと2A)
    該スラスト部材(2Eと2A)に長手方向前方へのスラストを与えるための駆動部材(2Cと2D)、及び
    該駆動部材(2Cと2D)を作動させるための引き金部材(2B)、
    を含むカイロプラクティック用アジャスター手段(2)、及び
    (ii)該アジャスター手段(2)に取り付けられ、該アジャスター手段(2)に対して相対運動可能である当接手段(3)であって、使用者の触診用の指(F)の先端部に当接可能であり且つ患者の体表面(P)に当接可能な先端部(3A)を有し、該当接手段(3)の先端部(3A)が、使用者の触診用の指(F)の先端部を受け入れて患者の体表面(P)に当接させることができる照準スペース(4)であって、該アジャスター手段(2)の先端部(2A)を受け入れて患者の体表面(P)に当接させるための照準スペース(4)を有する当接手段(3)
    を含み、そして
    該当接手段(3)と該アジャスター手段(2)とを相対運動させることにより、該アジャスター手段(2)の先端部(2A)を該当接手段(3)の該先端部(3A)の該照準スペース(4)に移動させて患者の体表面(P)に当接させることが可能である、
    ことを特徴とするカイロプラクティック用装置(1)
  2. 該当接手段(3)の先端部(3A)の形状が円弧状であり、該円弧状先端部の内側が該照準スペース(4)であることを特徴とする請求項1に記載のカイロプラクティック用装置(1)
  3. 該当接手段(3)の先端部(3A)がループであり、該ループの内側が該照準スペース(4)であることを特徴とする請求項1に記載のカイロプラクティック用装置(1)
  4. 該当接手段(3)の先端部(3A)がプレートであり、該プレートは上側表面と下側表面およびそれら両表面の間を延びる貫通孔を有し、該貫通孔が該照準スペース(4)であり、該アジャスター手段(2)は該プレートの上側表面側に位置しており、該プレートの下側表面が患者の体表面(P)に当接可能であることを特徴とする請求項1に記載のカイロプラクティック用装置(1)
  5. 該当接手段(3)が伸縮可能なパイプであり、該アジャスター手段(2)の先端部(2A)側が該パイプの後端部側開口部に挿入されており、該パイプの先端部側開口部が該照準スペース(4)であり、該パイプの先端部側開口部の周縁部(3F)が、使用者の触診用の指(F)の先端部を受け入れて該照準スペース(4)に位置させることが可能である孔(3G)を有することを特徴とする請求項1に記載のカイロプラクティック用装置(1)
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