JP4771436B2 - フィルム・フィンガプリンティング - Google Patents

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Description

本発明は、一般に不正利用を防止する装置および方法に関し、より詳細には、コンテンツ識別に関する。
映画や音楽、写真、文字などのコンテンツを安全に配信し、それらに対するアクセスを管理することができることは、著作権者、版権所有者やクリエータ、ライセンシなど、その既得権を有する者にとって最も重要である。従って、フィルム(例えば、映画)に関しては、合法であれ違法であれ、後に作成されるいかなるコピーについても、そのソースとなり得るフィルムを識別することができるように、フィルム・コピーに「フィンガプリント(fingerprint:指紋)」を入れること、即ち、「電子透かし」を入れることが知られている。これに関しては、1つのタイトルを上映する全ての劇場に数千にも上るコピー(「リリース・プリント(release print)」)を最終的に輸送する段階で、フィルムの配給に関する大きな問題があることが分かっている。具体的には、ある会社がこれら数千のリリース・プリントを大量生産することを請け負うと、この会社はマスタ・プリントをフィルムの形態で受け取り、このマスタ・プリントからコンタクト・プリンティング(密着焼付け方式)によって複製を作成する。残念ながら、コンタクト・プリンティング段階で各リリース・プリントに一意的なフィンガプリントを形成することには、機構およびコストの両面で問題がある。
(発明の概要)
上記に鑑みて、発明者等は、例えば映画のリリース・プリントなどのコンテンツ上に例えばフィンガプリントなどの情報を配置する効率的且つ効果的な技術を実現した。具体的には、本発明の原理によれば、プリント識別子を2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーに符号化し、次いでこの2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーに従ってこの映画のフレームにマーキングすることによって、映画のコピーにマーキングする(印をつける)。
本発明の一実施形態では、フィルム・マーキング技術は、プリント識別子を2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーに符号化すること、この2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーのビット(2進数字)を伝送するために使用されることになる特定のフレーム(ビット・フレーム)を識別すること、およびこの2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーの特定のビット値に従ってこれらのビット・フレームをマーキングすることを含んでいる。例えば、ビット・フレーム上に予め規定されたマークが存在すれば、値1を有する2進数字であることを表し、予め規定されたマークがビット・フレーム上に存在しなければ、値0を有する2進数字であることを表す。
本発明の概念以外の図面に示す要素は、周知の要素であり、詳細には説明しない。例えば、フィルム複製、映像処理、エラー検出/訂正、暗号化、解読、並びにディジタル多用途ディスク(DVD)などの記憶媒体など、本発明の概念以外のものは周知であり、本明細書では詳細には説明しない。更に、本発明の概念は、従来のプログラミング技術を用いて実施することができるが、これら従来の技術についても本明細書では説明しない。最後に、図面において同じ番号は同様の構成要素を指している。
本明細書で使用する「コンテンツ(content)」という用語は、映画、音楽、テキスト、映像、写真など、およびそれらの任意の組合せを指す。更に、コンテンツは、ディジタル形式および/またはアナログ形式とすることができる。例えば、映画は、代表的なコンテンツであるが、更に映像部分と、通常は音声部分とを含んでいる。更に、映画は、ディジタル形式である可能性も、アナログ形式である可能性もある。前者は、ディジタル多用途ディスク(DVD)に収められた、または例えばその他の形態のメモリ(揮発性メモリ、不揮発性メモリ、半導体メモリ、ハード・ディスク・メモリ、CD−ROMなど)に記憶されたディジタル情報で表される。後者には、フィルム・プリントがある。フィルム・プリント自体は個別のフレームを含むことができ、各フレームは1つのピクチャと、場合によっては音声トラックの一部とを含んでいる。実際には、フィルム・プリントは、ディジタル形式で表して例えばDVDなどで配布し、またはその他の形態のメモリに記憶することもできる。この点で、「コンテンツ」は、映画、音楽、写真および/またはテキスト或いはそれらの任意の組合せを伝送する任意の有形表現媒体を指す。同様に、「コンテンツ」には、例えば、情報(ディジタルおよび/またはアナログ)を伝送する伝搬信号なども含まれる。これに関連して、その他のコンテンツの例としては、有線および/または無線ネットワークを介してディジタル・ビデオを搬送する1つまたは複数のパケット、或いはアナログNTSC(全米テレビジョン方式委員会(National Television Systems Committee))伝送方式および/またはATSC−HDTV(次世代テレビジョン方式委員会/高精細度テレビジョン(Advanced Television Systems Committee−High Definition Television))伝送方式でフォーマットされたテレビ放送などもある。コンテンツには様々なテキスト表現も含まれるので、コンテンツは、例えばソース・コードやオブジェクト・コードなども含んでいる。
図1から図4は、本発明の概念を示す図である。まず図1を参照すると、フィルム・プリント100(例えば、マスタ・プリント)は、幾つかのフレームFを含んでいる。例えば、参照フレーム101は、F個のフレームのうちの特定の1つを特定する。この例では、参照フレーム101は最初のフレームであるが、これは必ずしもそうである必要はない。例えば、参照フレームは、フィルム・プリント内の他のフレームであってもよく、当該フレーム上の一意的なマークで識別することができる。更に、複数の参照フレームが存在していてもよい。図1に示すように、フィルム・プリント100の各フレームは、参照フレーム101に対する相対的な番号と関連付けられる。図1では、これをフレーム番号1(参照フレーム)および10について示している。また、例示を目的として、時間軸102と比較すれば分かるように、毎秒24個のフレームが存在するものと仮定している。
次に図2を参照すると、本発明の概念によれば、フィルム・プリント100は、コピーされ、例えば数字やコードなどのプリント識別子でマーキングされる。例えば、プリント識別子は、K個(K>0)の2進数字(ビット)を含む2進符号化シリアル・ナンバーに変換またはマッピングされる。ここで、フィルム・プリント100のK個のフレームは、「ビット・フレーム」として識別され、各ビット・フレームは、2進符号化シリアル・ナンバーの1つの2進数字の情報を伝送する。本発明の概念の説明を分かりやすくするために、K=3とし、フレーム7、18および33が、フィルム・プリント100と関連付けられるビット・フレームとして識別されている(ビット・フレームとしての特定のフレームの選択については、以下で更に述べる)。各ビット・フレームは情報を伝送し、例えば「マーキング」されている。このマークは、2進値1または2進値0の何れかを表す。このマークは、任意の形態または複数の形態の任意の組合せとすることができる。幾つかの簡単な例を図3に示す。例えば、マークは、フレーム110の楕円111やフレーム120の直線121で表すような、フレームの特定領域に予め画定したパターン、またはフレーム130および140の陰影レベル131および141で表すような特定の輝度レベルとすることができる。或いは、マークは、例えばフレーム上に形成したドット・パターン(図示せず)など、更に複雑なものであってもよい。従って、特定のマークの形態が、本発明の概念と関係があるわけではない。本発明の1つの特徴によれば、ビット・フレーム上にマークが存在することが特定の2進値、例えば1を表し、ビット・フレーム上にマークが存在しないことが、もう一方の2進値、例えば0を表す。しかし、本発明はこれに限定されるわけではない。
次に図4を参照すると、(フィルム・プリント100の)特定のリリース・プリント150が2進符号化シリアル・ナンバー「101」でマーキングされるものと想定し、そのマークが対角線であると想定している。従って、図4に示すように、得られるリリース・プリント150においては、ビット・フレーム7および33はマーキングされるが、ビット・フレーム18はマーキングされない。ここで、リリース・プリント150が更に(合法または違法に)コピーされるものと仮定する。その後にこのリリース・プリント150のコピーのビット・フレームを検査すると、2進符号化シリアル・ナンバー「101」が得られ、これはこのコピーがリリース・プリント150から作成されたものであることを示す。従って、本発明の概念は、トラッキングに使用することができる、映画のリリース・プリントの単純、且つ一意的な識別子を生成することを可能にする。
上述のように、3ビットの2進符号化シリアル・ナンバーを使用することは、本発明の概念の単純な例であった。実際には、何千にも上ることがあるリリース・プリントを一意的に識別するためには、Kの値を更に大きくする必要がある。例えば、K=12ビットの2進符号化シリアル・ナンバーを使用すれば、4096本までのリリース・プリントのプリント部数の各プリントに番号を振ることができる。更に、コピーの質が低い、または2進符号化シリアル・ナンバーを除去しようとする意図的な試みによって、後になってリリース・プリントのコピーからKビット全てを回復することができないこともあることに留意されたい。従って、本発明の原理によれば、エラー検出/訂正(EDC:Error Detection and Correction)符号化を更に使用して、2進符号化シリアル・ナンバーを回復できる可能性を高めることもできる。例えば、プリント識別子を12ビット2進符号化シリアル・ナンバーにマッピングすることができ、これを更にEDC符号化して、24ビットEDC2進符号化シリアル・ナンバーにする(例えばK=24であれば、24個のビット・フレームが存在する)。本発明の概念には、いかなる既知のEDC符号化技術も適用することができる。例えば、重畳符号やリード・ソロモン符号を使用することができる。
次に図5を参照すると、本発明の原理による例示的な流れ図が示してある。ステップ305で、2進符号化シリアル・ナンバーが生成され、フィルム・プリントのコピーと関連付けられる。ここで一旦図6を参照すると、ステップ305における2進符号化シリアル・ナンバーの生成に使用される例示的な流れ図が示してある。ステップ405で、プリント識別子が、フィルム・プリントのコピーと関連付けられる。このプリント識別子は、幾つもの方法で生成することができる。例えば、予め規定された割当て可能なプリント識別子のリストから取り出すこともできるし、フィルム・タイトル、リリース年、時刻、劇場などの属性から導出することもできる。更に、プリント識別子の生成は、手作業で行うことも自動で(例えば、コンピュータ・プログラムによって)行うこともできる。例えば、プリント識別子は、英数字の形態とすることができる。次いで、フィルム・コピーと関連付けられたプリント識別子は、ステップ415で、Nビットを含む2進符号化シリアル・ナンバーにマッピングされる。ステップ420で、本発明の特徴によれば、この2進符号化シリアル・ナンバーを更にEDC符号化し、Sビットを付加して、Kビットを含むEDC2進符号化シリアル・ナンバーを生成する。ここで、K=N+Sである。前述のように、EDC符号化は必須ではなく、この場合には、K=Nである。
図5に戻って、ステップ310で、フィルム・コピーのフレームを、2進符号化シリアル・ナンバーでマーキングする。例えば、1つのフレームを2進符号化シリアル・ナンバーの各ビットと関連付け、その特定のビット値を表すようにマーキングする。本発明の概念に必須ではないが、2進符号化シリアル・ナンバーを伝送するために使用されるフレームは予め割り当てられる。この割当ては、固定することも変更可能にすることもでき、マスタ・プリント識別子(例えばフィルム・タイトルや年)や上述のプリント識別子など(ただし、これらに限定されない)幾つかの属性のうちの任意の1つによって決めることができる。例えば、毎秒24フレーム(24fps)の90分の所定の映画の場合、129,600個程度のフレームが存在する。これらのフレームのうち、2進符号化シリアル・ナンバーを伝送するK個(例えば24個)のフレームを単純に選択する。別法として、別の例を図7に示す。図7では、映画のフレームの総数を乱数セレクタ505に入力し、乱数セレクタ505が、やはり乱数セレクタ505に入力されるキー値(シード値)に応じて全フレームからK個のビット・フレームを無作為に選択する。キー値は、例えばマスタ・プリント識別子や日付、時刻などの1つまたは複数と関連付けることができる。従って、フィルム・コピー内のビット・フレームの位置に関しては、一定レベルのセキュリティを得ることができる。実際に、マークの見つかる位置を正確に知っているのはプリントを行う会社だけでよく、その場合でも、人間がそれを知らなくてもよい。例えば、ビット・フレームの識別を暗号化されたファイルに更に記憶することもでき、また以下で更に述べるように、マーキングされたフレームの正確な位置が秘密に保たれるようにフィルムの実際のマーキングを自動化することもできる。
次に図8を参照すると、ステップ310におけるフィルムのコピーのマーキングに使用される例示的な流れ図が示してある。図8の流れ図では、フレーム・カウント変数(図示せず)を使用して、現在のフレームの位置を追従する。例えば、フレーム・カウント変数を0に初期化する。ステップ450で、フレーム・カウント変数の値を増分する。ステップ455で、フレーム・カウント変数の値を確認して、現在のフレームが「ビット・フレーム」であるかどうかを判定する。現在のフレームがビット・フレームでない場合には、ステップ465に進んで、現在のフレームが最後のフレームであるかどうかを確認する。現在のフレームが最後のフレームである場合には、処理を終了する。そうでない場合には、処理はステップ450に戻り、フレーム・カウント変数を増分し、以下同様の処理を行う。ステップ455に戻って、現在のフレームがビット・フレームである場合には、ステップ460で、2進符号化シリアル・ナンバーのそれぞれのビットの値に従ってこのフレームにマーキングする。例えば、図4に示すように、ビット値が「1」である場合には、予め規定されたマークがこのビット・フレーム上に形成される。ただし、ビット値が「0」である場合には、ビット・フレームにマーキングしない。
本発明の原理による例示的なフレーム・マーキング装置700を図9に示す。フレーム・マーキング装置700は、フレーム・マーカ705および制御コンピュータ710を含んでいる。後者は、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)など、任意の記憶プログラム制御プロセッサおよび連動するメモリの代表的なものであり、例えば図5、6、7および8に示す上述の流れ図に代表されるプログラムを実行するものである。制御コンピュータ710は、既存のコンピュータであってもよいし、或いはフィンガプリント専用のコンピュータであってもよい。フィルム・コピー704は、フレーム・マーカ705に入力される。フレーム・マーカ705は、信号709によって現在のフレーム情報を制御コンピュータ710に与える。制御コンピュータ710は、信号712によって適当な時点でのマーキングを制御し、信号711によって装置700を通過するフィルム・コピーの増分を制御する。処理済みのフィルム・コピー706は、マーキングされたフレーム707で示すように、マーキングされたビット・フレームを含んでいる。フレーム・マーカ705は、幾つかのフィルム・マーキング方法の何れか1つを表すものである。例えば、一実施形態では、フレーム・マーキング装置700は、コピー機(図示せず)の一部であり、暗室内に位置する。この例では、フレーム・マーカ705は、コンタクト・プリント段階のフィルム露光時にビット・フレームを変更する光ゲートである。光ゲートは、露光光の一部をフィルムから除去して例えば暗領域を形成するための機械シャッタまたは電子スイッチとすることができる。或いは、フレーム・マーカ705は、フィルム上にクリア(明)領域を形成するために使用されるストローブであってもよい。マーキングされるビット・フレームの領域は、望ましいマーキングに応答して、非常に小さな点からフレーム全体にまで変化させることができることに留意されたい。数千のフレームのうち1つだけをマーキングした場合、マーキングは映画の視聴者にとってそれほど煩わしいものではない。
図9には別個の装置として示してあるが、本発明の概念は、これに限定されるわけではない。フィルム・コピーのビット・フレームのマーキングは、フィルム・コピーの作成中に行うことも、フィルム・コピーの作成後に行うこともできる。換言すれば、フィルム・マーキングは、コピー・プロセス中に行うこともできるし、コピー・プロセスとは切り離して行うこともできる。従って、当技術分野で既知のフィルム・コピー装置を改変して、本発明の原理に従ってフレームのマーキングを行うようにすることもできることに留意されたい。
上述のように、著作権侵害者が劇場でフィルムを記録し、マークの1つまたは複数を見つけた場合、当該著作権侵害者は違法コピーを編集して、マークを除去しようとする可能性がある。上述した本発明の特徴によれば、実際にはビット値のうち一方のみ、例えばビット値1しかマーキングされないので、容易に除去することができるのはこれらのビットのみである。特に、この「チャネル」のノイズ特性は、「1」が「0」に変化する確率が「0」が「1」に変化する確率と同じ(対称)であるようなノイズとなる2進対称チャネル(BSC:Binary Symmetric Channel)ではない。このチャネルは、「0」が「1」に変化する確率がほぼゼロである2進非対称チャネル(BAC:Binary Asymmetric Channel)である。従って、考慮すべきエラーは、「1」が「0」に変化するエラーのみである。この点で、EDC符号化を使用すれば、更に2進符号化シリアル・ナンバー(従ってそれに関連するプリント識別子)を回復することが可能になる。例えば、フレームの総数およびキー値が分かっていれば、K個のビット・フレームの位置を回復することができる。(或いは、決定した後で、単純にK個のビット・フレームの位置を、暗号化された形態または暗号化されていない形態で、マスタ・プリントと関連付けられたファイルに記憶しておくこともできる。)K個のビット・フレームが分かったら、コピー中でこれら特定のフレームを検査して、2進符号化シリアル・ナンバーを回復する。実際に、著作権侵害者が異なるフレーム・レートでコピーを記録した場合でも、図10に示すように2進符号化シリアル・ナンバーの回復は可能である。図10では、24fpsで記録されたフィルム・コピー150のフレーム7、18および33を、3桁の2進符号化シリアル・ナンバーでマーキングする。劇場でこのフィルムを上映している間に、著作権侵害者がフィルム・コピー150を30fpsで記録して、フィルム・コピー200を生成する。従って、カムコーダは24fpsの映画を30fpsの映画に拡張する。図10に示すように、フィルム・コピー150のフレーム7はフィルムの開始時から7/24秒後に現れるが、フィルム・コピー200ではフレーム8または9(即ち、フレーム(7/24)*30)に見られる。
上記の説明はフィルム・プリントに関連して行ったが、上述のマーキングは、例えばDVDやメモリなどに記憶されたフィルム・コピーにも適用されることに留意されたい。
上述のように、本発明の概念は、トラッキングに使用することができる単純且つ一意的な識別子を映画のリリース・プリント上に生成する機能を提供する。更に、本発明の概念は、最終的なリリース・プリントの露光時にフィルム上に情報を配置する効率的且つ効果的な方法を提供する。フィルムのマスタ・コピーが同様のマーキングを有する必要はなく(有していてもよい)、フィルムの前処理が不要であることに留意されたい。また、上述のマーキングを「多層的」に行って、マスタ・プリントからリリース・プリントまでの配給チェーン全体をカバーすることもできることにも留意されたい。例えば、マスタ・フィルム・プリントが数個のマーク(サイズの小さな2進符号化シリアル・ナンバー)のみを有し、中間プリント・コピーがそれより多くのマーク(サイズの大きな2進符号化シリアル・ナンバー)を有し、リリース・プリントが更に多くのマーク(更にサイズの大きな2進符号化シリアル・ナンバー)を有することができる。更に、同じビット・フレーム上に複数のマークを作成することができるように、マーキングをインタリーブすることもできる。この場合には、フレームの異なる領域にマーキングを行う、且つ/または互いに異なるマーキングを使用することができる。また、フレーム・カウントに関連して本発明の概念について述べたが、同様に時間参照を用いて、一定または変更可能な(例えば、無作為に決定される)特定の時点でフィルム・コピーのマーキングを行うようにすることもできる。この場合には、一連の「マーキング時点」が(例えば図7に示す乱数発生器によって)決定され、これらのマーキング時点に発生するフレームをビット・フレームとして指定する。
前述のように、2進符号化シリアル・ナンバーは、エラー訂正/検出(EDC)に使用される付加ビットを含むことができ、このような2進符号化シリアル・ナンバーを、本明細書ではEDCシリアル・ナンバーとも呼ぶ。本発明の原理によれば、リード・ソロモン符号やゴッパ(Goppa)符号など更に複雑な符号化方式を使用することもできるが、これらの手法は非常にコストが掛かることがある。この点で、より単純なビット補数を用いたEDC符号化方式について以下で述べる。
最初に、2進数のシリアル・ナンバー・リストを構成する。このリスト内の各2進符号化数は、「N」個のビットを含み、即ちNビット2進値であり、例えば特定のフィルム・コピーに対する割当てに使用することができる。更に、リスト内の各Nビット2進数は、同じ重み「W」を有する。例えば、2進数の重みWは、当該2進数内の「1」の数として定義される。ここで、W<Nである。(例えば、重みを「0」の数として定義するなど、様々な等価な定義を行うこともできることに留意されたい。)上記に鑑みて、シリアル・ナンバー・リストは、重みWの全てのNビット2進値のセットである。W>N/2となるようにWの値を選択することが好ましいこともある。Wの値をこのようにすると、「1」の数が最小限に抑えられ、フィルムのマーキングが視聴者にとってより煩わしくなくなる。ただし、本発明の概念は、これに限定されるわけではない。シリアル・ナンバー・リストに載せることができる重みWのNビット2進値の総数は順列であり、これを数学的には「NがWを選択する」と表現することができることに留意されたい。従って、以下の数式を使用して、シリアル・ナンバー・リストに利用できる重みWのNビット2進符号化シリアル・ナンバーの総数を決定することができる。
Figure 0004771436
例えば、N=16、W=9であれば、シリアル・ナンバー・リストは11440個の2進符号化シリアル・ナンバーを含んでいる。このような2進符号化シリアル・ナンバーのリストは、米国のほとんどの「メジャーな(主要な)」劇場をカバーするのに十分でなければならない。しかし、本発明の概念を説明するために、以下ではより簡単な例について述べる。
N=5、W=3とする例示的なシリアル・ナンバー・リスト800を図11に示す。数式(1)から、リスト800は10個の2進シリアル・ナンバーを含み、各シリアル・ナンバーは3個の「1」および2個の「0」を有する。このリストの各2進符号化値は、例えば10進値に容易に変換することができ、この10進値を、例えばインベントリ・ドキュメント(inventory document:在庫リスト)におけるフィルム・プリントを表すシリアル・ナンバーとして使用することができることを理解されたい。例えば、リスト800の2進符号化シリアル・ナンバー「11100」は、10進数「28」に対応する。
シリアル・ナンバー・リストを作成した後で、リスト800からコードワード(cordword)を形成する。最初に、フィルム・コピーに割り当てる2進符号化シリアル・ナンバーを選択する。この選択は、無作為に選択する、次に利用できるものを選択するなど、幾つもの方法で実行することができる。この例では、2進符号化シリアル・ナンバー801が選択される(「10110」)。選択された2進符号化シリアル・ナンバーは、「M」と表される。Mから、Mの2つのビット補数を構成し、MおよびMと表す。即ち、以下のようになる。
Figure 0004771436
Figure 0004771436
示すように、ビット補数は、各ビットを反転することによって得られる。この例では、M=10110であるから、次のようになる。
Figure 0004771436
本発明の原理によれば、MおよびMが「パリティ・チェック」ビットを形成し、M、MおよびMの組合せが「コードワード」(M、M、M)を形成する。
Figure 0004771436
ここで、本明細書では、M、MおよびMを、コードワードの「要素」とも呼ぶ。本明細書では、コードワードを、2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーとも呼ぶ。
(またはM)の重みが(N−W)に等しいので、コードワード(M、M、M)の全重みは、次のようになる。
Figure 0004771436
Figure 0004771436
上述のように、W<N/2であるから、次のようになる。
Figure 0004771436
数式(7)から、コードワードの全重みは、3N/2未満に保つことができる。
コードワードを選択した後で、上述のように、コードワードの様々なビットの値を伝送するK個のビット・フレームを選択する。特に、次のような関係がある。
Figure 0004771436
ここで、Jは2進符号化シリアル・ナンバーおよびその補数の数(即ち、コードワードの要素の数)であり、Nは2進符号化シリアル・ナンバー中のビット数である。この例では、K=(3)(5)=15個のビット・フレームが選択される。例えば、対応するビット・フレームは、フィルム・コピーのフレーム20、43、60、79、96、109、131、159、181、202、231、255、286、304、325とすることができる。従って、本明細書では、K個のビット・フレームを「ビット・フレーム・セット」とも呼ぶ。ただし、本発明の原理によれば、このビット・フレーム・セットを、更にJ個のビット・フレーム・グループ、即ちビット・フレーム・グループKからKに分割する。ここで、各ビット・フレーム・グループは、コードワードの要素の1つと関連付けられる。この点で、各グループ内のビット・フレーム値が順番に現れなければならないことを除けば、(1つのビット・フレーム・セットの)様々なビット・フレームを各ビット・フレーム・グループ内でどのように配置するかということに関する要件はない。上記の例示的な15個のビット・フレームのセットに戻って、ビット・フレーム・グループへのビット・フレームの割当ての一例は、次の通りである。
Figure 0004771436
コードワードの各要素は、これらのビット・フレーム・グループのうちの1つに割り当てられる。例えば、以下のように割り当てられる。
Figure 0004771436
ハッカーを阻止するために、ビット・フレーム・セット、即ちビット・フレーム・グループおよびビット・フレーム・グループのコードワード要素への割当ては、例えばプリント・マーキング機能によって秘密に保たれることが好ましい。1巻のフィルムの長さは通常2,000フィートあり、1フィート当たり16個のフレームがあるので、1巻のフレームの総数は約32,000個となることに留意されたい。従って、2進符号化シリアル・ナンバーを10個しかしか与えないN=5のような小さい値であっても、ハッカーが実際のビット・フレーム位置を推測することは、不可能ではなくとも困難である。
ビット・フレーム・セット{1、4、7、8、10、12、15、20、21、22、24、26、28、29、32}のビット・フレーム・グループの別の例を、図12に示す。以下のように仮定する。
Figure 0004771436
図12に示すように、以下のようになる。
Figure 0004771436
上記に鑑みて、本発明の原理による例示的な2進符号化ビット補数の符号化の流れ図を、図13に示す。ステップ905で、予め規定されたNおよびWの値に応答して、2進符号化シリアル・ナンバー・リストを初期化する。ステップ910で、K個のビット・フレームを選択し、J個のビット・フレーム・グループを形成する。ステップ915で、シリアル・ナンバー・リストから特定のシリアル・ナンバーを選択する。ステップ920で、上述のようにコードワードを形成する。ステップ925で、コードワードの要素を、それぞれのビット・フレーム・グループと関連付ける。最後に、ステップ930で、フィルム・プリントをコードワードで符号化する。
次に回復プロセスについて述べる。符号化された2進符号化シリアル・ナンバーをコピーから回復する際には、幾つかの原因の何れかによってエラーが生じる可能性がある。例えば、機械的ノイズ、研究技術者によるエラー、またはハッカーによる意図的な改竄などがある。しかし、前述のように、チャネルは2進非対称チャネル(BAC)であり、例えば「0」が「1」に変化する確率がほぼゼロである。更に、前述のように、ビット・フレーム・セットは秘密に保たれるものと想定している。従って、ビット・フレーム・セットについてのアプリオリな知識がない限り、回復プロセスの間は、値「1」が検出された任意のビット・フレームは正しいと想定することができる。その結果として、実際の2進符号化シリアル・ナンバーの回復には、重みWを援用することができる。これを、図14から図16に示す。
最初に図14を参照すると、表802は、図12の例を用いた、ビット・フレーム・グループとコードワードの様々な要素のマッピングとを示す代替図である。図14に示すように、フィルム・コピー150は、ビット・フレーム・グループ分けK、KおよびKに従ってマーキングされる。テーブル802では、ビット・フレーム・グループの各ビット・フレームに第1、第2、第3などの指標が付けられるが、これらの位置はフィルム・プリント150内の実際のビット・フレーム位置とは無関係である。これらの位置は、当該ビット・フレーム・グループ内におけるそれらの順序を示しているに過ぎない。例えば、ビット・フレーム・グループKの第2のビット・フレームは「1」を伝送している(これは図12のフレーム番号4に対応する)。ここで、フィルム・コピー150にフォレンジクス(forensics)を行うことによって、コードワード(M′、M′、M′)が回復または抽出されるものと仮定する。(当技術分野では既知のように、本発明の概念ではないが、「フォレンジクス」という用語は、フィルム・コピーを分析して、そこからシリアル・ナンバーを回復することを意味する。)回復されたコードワードを表803に示す。矢印804で示すように、M′の第4のビットがここでは値「0」を伝送している。即ち、ビット・フレーム・グループKの第4のビット・フレームのマーキングが消去されている。本発明の原理によれば、上述のように、「1」の値は正しいと想定することができるので、2進符号化シリアル・ナンバーの回復の第1のステップは、回復したコードワードの各要素の重みを、既知のWの値(ビット補数の場合には(N−W)の値)と比較することである。換言すれば、回復したコードワードの各要素の重みを計算することによって、回復したコードワードの様々な要素が正しいかどうか、或いはそれが無理でも、幾つのマークが消去されているかを判定することができる。図14に戻ると、要素M′だけが、重み3であるべきところ重み2を有していることがすぐに分かる。従って、M′の回復した値は誤りであり、マークが1つ消去されている。しかし、図14からは、M′およびM′の重みが共に、ビット補正の正しい重み値である2であることも分かる。従って、M′およびM′は正しい。
M′の重みは3となるはずであるので、第2、第4または第5の何れかの位置からビット値「1」が消去されている可能性がある。しかし、ビット補数M′またはビット補数M′(この例ではこの時点で共に正しいことが分かっている)の何れかの「0」値のうちの1つと比較すれば、M′の第4のビットが「1」であったはずであることが分かる。従って、M′が重み3を有するためには、ビット・フレーム・グループKの第4のビット・フレームが最初は「1」とマーキングされており、2進符号化シリアル・ナンバーMは10110である。
上記に鑑みて、また図14から分かるように、(J−1)個のビット・フレーム・グループに誤りがある場合(全ての「1」が消去されるという極端な場合も含む)でも、回復されたコードワードのビット・フレーム・グループの1つが正しい重みを有していれば、誤りのある(J−1)個のビット・フレーム・グループを全て回復することができる。従って、回復されたコードワードの各要素の重みは、エラー指示として使用され、2進符号化シリアル・ナンバーの予め規定された正しい重み(即ちW)またはビット補数の予め規定された正しい重み(即ち(N−W))と適宜比較される。回復されたコードワードの1つの要素が正しい重みを有していると判定されると、その回復されたコードワードの残りの要素も、単純にそれと比較することによって回復することができる。
しかし、回復されたコードワードの各要素に複数のエラーが存在する、即ち全ての重みが誤りである場合もあり得る。これを、図15に示す。これは、矢印807および808で示すように回復されたコードワードの各要素に追加のエラーが存在することを除けば、図14と同様である。回復されたコードワードの各要素の重みが誤りであるので、これらのエラーは容易に検出される。しかし、上述のように、値「1」は正しいと仮定することができる。従って、M′およびM′が同一であること、およびこれらがMのビット補数でもあることが分かっているので、ビットの幾つかが正しくない場合にコードワードを正しく回復することは容易である。例えば、M′およびM′は同一であると想定されるから、ビット・フレーム・グループKの第5のビット・フレームの「1」は、ビット・フレーム・グループKの第5のビット・フレームにも現れるはずである。同様に、ビット・フレーム・グループKの第2のビット・フレームの「1」は、ビット・フレーム・グループKの第2のビット・フレームにも現れるはずである。従って、回復されたコードワードのビット補数要素、例えばM′およびM′について論理「OR」演算を実行することによって、このコードワードのビット補数要素を回復することができる。従って、回復されたコードワードのビット補数要素を検証するためには、回復されたコードワードのビット補数の全ての要素について「OR」をとり、その結果の重みを(N−W)と比較する。得られた重みの値が正しい場合には、MおよびMについて正しいビット補数値が得られる。MまたはMの何れかが正しく回復されれば、2進符号化シリアル・ナンバーMの値は、MまたはMの何れかの単なるビット補数である。
およびMから十分な数の「1」を消去して、M′との「OR」をとったM′の重みが(N−W)未満となるようにすることによって、ハッカーがこの2進符号化ビット補数方式を出し抜くことに成功する可能性があることに留意されたい。これを、矢印804、808および809でエラーを示す図16に示す。しかし、MおよびMのビット・フレーム位置は秘密に保たれ、またそれらの推定が不可能ではないが極めて困難であるので、ハッカーは、基本的に、1巻当たり32,000フィートにもなるフィルムから、フィルム・プリントにマーキングされた全ての「1」を発見しようと試みなければならないことになる。
上記に鑑みて、本発明の原理による例示的な2進符号化ビット補数回復の流れ図を、図17に示す。ステップ950で、フィルム・コピーを処理して、そこから回復されたコードワードを取り出す。ステップ955で、要素M′の重みを、予め規定されたWの値と突き合わせて確認する。これらの値が一致すれば、2進符号化シリアル・ナンバーMの値はM′と等しく設定され、回復は完了する。しかし、M′の重みが予め規定されたWの値と等しくない場合には、ステップ960で、回復されたコードワードのその他のビット補数要素の「OR(論理和)」をとる。ステップ965で、「OR」演算の結果の重みを、予め規定された重み(N−W)と比較する。これらの値が一致した場合には、ステップ975で、2進符号化シリアル・ナンバーMの値を「OR」の結果のビット補数と等しく設定し、回復は完了する。しかし、「OR」演算の結果の重みが予め規定された重み(N−W)と等しくない場合には、例えば回復が不可能である旨の「エラー」状態が宣言され、プロセスは終了する。この回復プロセスに様々な変更を加えることも可能であることに留意されたい。例えば、ステップ960の前段階として、まず回復されたコードワードの個々のビット補数要素それぞれの重みを、予め規定された重み(N−W)と順番に比較することもできる。あるビット補数要素の重みが予め規定された重み(N−W)と一致したら、Mをその要素のビット補数と等しく設定する。この変更形態では、ステップ960、965および975が実行されるのは、個々のビット補数要素が1つも予め規定された重み(N−W)と一致しない場合のみである。本明細書では、2進符号化シリアル・ナンバー(M)をその2つのビット補数(MおよびM)と比較するものとして2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーについて説明したが、本発明の概念はこれに限定されるものではないことに留意されたい。例えば、2進符号化ビット補数シリアル・ナンバーは、2進符号化シリアル・ナンバーと、任意数のそのビット補数とを含むことができる。更に、ビット補数は、2進符号化シリアル・ナンバーのビット補数全体を現すことも、その一部を表すこともできる。
上述のように、マーキング装置は、特定のビット・フレームをエラーなく正確にマーキングすることができるものと想定してきた。しかし、そうでない場合もあり得る。例えば、マーキング装置がマーキング動作をし損なう、マーキング動作の実行が遅れる、ハッカーが幾つかのフレームを削除した場合も含めて何らかの理由でフィルム・プリントがずれる、などの可能性がある。従って、「マーキングされた」ビット・フレームが生じない、または時間的にずれる可能性もある。従って、本発明の原理によれば、「ビット・フレーム」は、「ビット・マルチ・フレーム(bit multi−frame)」の参照点となる。換言すれば、ビット・フレームは、そのビット・フレームの周囲の一群のフレームを識別する。そのうちの何れか1つまたは全てを、例えば「1」または「0」を伝送するようにマーキングすることができる。ビット・マルチ・フレームの一例を、図18に示す。図18は、各ビット・フレームが一群のビット・フレームの参照点となっていることを除けば、図2と同様である。矢印196は、R=1であるビット・マルチ・フレームを例示する。即ち、このビット・マルチ・フレームは、ビット・フレーム7と、その左右何れかの1つのフレームとを含んでいる。R=2である、即ちビット・マルチ・フレームがビット・フレーム33とその左右何れかの2つのフレームとを含む別の例を、矢印197で示す。例えば図18でビット・フレーム1を用いるなどの境界条件がある場合には、そのビット・マルチ・フレームが切り捨てられることが分かるであろう。また、図2に関連する上記の説明では、Rが0に等しいことにも留意されたい。上記に鑑みて、マーキング装置は、ビット・マルチ・フレームのビット・フレーム(参照フレーム)をマーキングの対象とすることができるが、実際には、2R+1個のフレームのうち何れか1つにマーキングすることができる。従って、マークを回復する際には、ビット・マルチ・フレームの何れか1つのフレームのマークを使用して、フィルム・コピーから2進符号化シリアル・ナンバーを回復することができる。従って、マーキング装置自体が間違ったフレームにマークを配置してしまった場合でも、2進符号化シリアル・ナンバーを回復することができるので、上述の「ビット・マルチ・フレーム」を用いたEDC符号化方式により、「エラー耐性」が更に改善する。参照ビット・フレームに関して対称なビット・フレームのグループ分けについて説明したが、ビット・マルチ・フレームはこれに限定されるわけではないことに留意されたい。例えば、一方向には(R+Y)個のビット・フレームが存在し、別方向には(R−Z)個のビット・フレームが存在するなど(Y≧0、Z≧0)、参照ビット・フレームの周囲のビット・フレームの分布は非対称であってもよい。
上記に鑑みて、前述の説明は単に本発明の原理を説明するものであり、当業者なら、本明細書では示していないが、本発明の趣旨および範囲内で本発明の原理を実施する数多くの代替構成を考えることができることは明らかであろう。例えば、予め規定されたマークが特定のビット値を表し、この予め規定されたマークが存在しないことがもう1つのビット値を表す場合について説明したが、様々なマークを規定して使用し、あるフレーム上に一方のマークが存在することが一方のビット値を表し、当該フレーム上にもう一方のマークが存在することがもう一方のビット値を表すようにすることもできる。更に、プリント識別子を2進符号化シリアル・ナンバーに変換またはマッピングするものと想定したが、2進符号化シリアル・ナンバー自体をプリント識別子とし、変換ステップを省略することもできる。また、使用する特定のフレームはアプリオリ(演繹的)に「ビット・フレーム」として識別したが、本発明はこれに限定されず、単純に映画の任意のフレームを2進符号化シリアル・ナンバーに従ってマーキングすることができる。従って、これらの例示的な実施形態に多数の変更を加えることができ、添付の特許請求の範囲に規定する本発明の趣旨および範囲を逸脱することなくその他の構成を考案することができることを理解されたい。
本発明の概念を示す図である。 本発明の概念を示す図である。 本発明の概念を示す図である。 本発明の概念を示す図である。 本発明の原理による例示的な流れ図を示す図である。 本発明の原理による別の例示的な流れ図を示す図である。 本発明の原理によるビット・フレームを生成する例示的な技術を示す図である。 本発明の原理による別の例示的な流れ図を示す図である。 本発明の原理による例示的なマーキング装置を示す図である。 本発明の原理によるマーキング・パターンの検出を示す図である。 本発明の原理によるシリアル・ナンバー・リストを示す図である。 本発明の原理によるビット・フレーム・グループを示す図である。 本発明の原理による、ビット補数符号化を実行する流れ図を示す図である。 本発明の原理によるビット補数符号化シリアル・ナンバーの回復を示す図である。 本発明の原理によるビット補数符号化シリアル・ナンバーの回復を示す図である。 本発明の原理によるビット補数符号化シリアル・ナンバーの回復を示す図である。 本発明の原理によるビット補数符号化シリアル・ナンバーの回復を示す図である。 本発明の原理によるビット・マルチ・フレームを示す図である。

Claims (4)

  1. 映画のフィルムのコピーに印を埋める方法であって、
    前記フィルムのコピーの識別子を形成するための基本情報である2進符号化ビット列と該ビット列の補数を生成するステップと、
    該2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの情報が印として埋め込まれるフレーム番号列であって、前記識別子と関連付けられている前記フレーム番号列を生成するステップと、
    前記2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの値に応じて、前記フレーム番号列で指定されたフレームに印を埋めるステップ、
    と、を含む、前記方法。
  2. 前記印を埋めるステップは、さらに、
    前記2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの値が、所定の値のときに、所定の印を前記フレーム番号列で指定されたフレームに付け、前記2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの値が、他の値のときに、所定の印を前記フレーム番号列で指定されたフレームに付けないステップを含む、請求項1記載の方法。
  3. 映画のフィルムのコピーに印を埋め込むのに使用される装置であって、
    前記フィルムのコピーの識別子を形成するための基本情報である2進符号化ビット列と該ビット列の補数を生成する手段と、
    該2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの情報が印として埋め込まれるフレーム番号列であって、前記識別子と関連付けられている前記フレーム番号列を生成する手段と、
    前記2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの値に応じて、前記フレーム番号列で指定されたフレームに印を埋める手段と、
    を含む、前記装置。
  4. 前記印を埋める手段は、さらに、
    前記2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの値が、所定の値のときに、所定の印を前記フレーム番号列で指定されたフレームに付け、前記2進符号化ビット列及びその補数列の各ビットの値が、他の値のときに、所定の印を前記フレーム番号列で指定されたフレームに付けない手段を含む、請求項記載の装置。
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