JP4770527B2 - 有機溶剤濃縮装置 - Google Patents

有機溶剤濃縮装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4770527B2
JP4770527B2 JP2006067186A JP2006067186A JP4770527B2 JP 4770527 B2 JP4770527 B2 JP 4770527B2 JP 2006067186 A JP2006067186 A JP 2006067186A JP 2006067186 A JP2006067186 A JP 2006067186A JP 4770527 B2 JP4770527 B2 JP 4770527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption
desorption
path
mode
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006067186A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007237141A (ja
Inventor
哲也 上田
昌志 西口
孝昭 中曽根
亮介 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2006067186A priority Critical patent/JP4770527B2/ja
Publication of JP2007237141A publication Critical patent/JP2007237141A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4770527B2 publication Critical patent/JP4770527B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

本発明は、揮発性有機化合物(VOC)としての有機溶剤蒸気を、発生源から除去するための有機溶剤回収システムにおいて、前段処理などに使用される有機溶剤濃縮装置に関する。
近年、大気汚染防止の観点から、揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制、すなわち有機溶剤蒸気の発生源からの大気拡散防止が求められている。これを解決するために、種々の有機溶剤回収システムが開発されてきた。一般に有機溶剤回収システムは、前段の有機溶剤蒸気を濃縮する有機溶剤濃縮装置と、後段の濃縮された有機溶剤を液化する液化装置とから構成されている。そして、濃縮、液化されて回収された有機溶剤は、再び有機溶剤蒸気の発生源へ戻されるものである。
従来、この有機溶剤回収システムに使用される有機溶剤濃縮装置は、内部に吸着剤を有する複数の吸着塔のうち、1塔の吸着剤に有機溶剤を吸着させた後、1塔の吸着剤から有機溶剤を脱着させて濃縮していた(例えば、特許文献1参照)。
以下、その装置と動作について、図6を参照しながら説明する。
図6において、101a、101b、101cは、内部に吸着剤102a、102b、102cを有する吸着塔(A塔、B塔、C塔)で、それぞれ下端を、電磁弁113a、113b、113cを介して廃ガス経路103a、103b、103c、103に、また、電磁弁114a、114b、114cを介して回収ガス経路104a、104b、104c、104に、接続されている。一方、吸着塔101a、101b、101cの上端は、電磁弁115a、115b、115cを介して放散ガス経路105a、105b、105cに、また、電磁弁116a、116b、116cを介して加熱空気経路106a、106b、106c、106に、また、電磁弁117a、117b、117cを介して空気供給経路107a、107b、107c、107に、それぞれ接続されている。加熱空気経路106には、空気を加熱するための加熱装置121が、回収ガス経路104には吸着塔101a、101b、101c内の気体を排出するための真空ポンプ122が設けられ、真空ポンプ122の下流には、後段の処理装置としての冷却装置123が接続されている。
つぎに、図6における動作を説明する。理解しやすくするために、まずA塔である吸着塔101aの動作から説明する。はじめに、電磁弁113aと電磁弁115aを開く。そして、有機溶剤発生源(図示せず)から導かれた有機溶剤蒸気を含む空気は、廃ガス経路103、103aから吸着塔101aを通る際に、吸着剤102aによって有機溶剤が吸着され、清浄空気となって放散ガス経路105aから外部へ排出される(吸着モード)。その後、電磁弁113aと電磁弁115aを閉じ、電磁弁116aと電磁弁114aを開き、加熱装置121で加熱された空気が、加熱空気経路106、106aから吸着塔101aを通る際に、熱により吸着剤102aから有機溶剤を脱着(離脱)させ、真空ポンプ122の動力によって吸着塔101a内を負圧にしながら、有機溶剤蒸気を含む空気を回収ガス経路104a、104から冷却装置123へと搬送する(脱着モード)。冷却装置123では、脱着された有機溶剤蒸気を冷却、凝縮させ、液化することによって有機溶剤液体として回収し、必要に応じて有機溶剤発生源へ戻す。その後、電磁弁116aと電磁弁114aを閉じ、電磁弁117aを開き、負圧になった吸着塔A塔101a内に空気供給経路107、107aから冷却用空気を導入する(冷却モード)。
この一連の動作は、吸着塔101aが吸着モード〜脱着モード〜冷却モードと移行する間に、B塔である吸着塔101bは脱着モード〜冷却モード〜吸着モードと移行し、C塔である吸着塔101cは冷却モード〜吸着モード〜脱着モードと移行し、常に吸着、脱着、冷却の各モードを、いずれかの吸着塔で分担して運転するよう制御されている。これによって、発生源からの有機溶剤蒸気は、吸脱着による濃縮を経て、後段の処理装置へ送られるものである。
特許第3421923号公報(図1)
このような従来の有機溶剤濃縮装置における濃縮倍率は、吸着モードにおいて吸着塔を通過する気体の流量Q1と、脱着モードにおいて吸着塔を通過する気体の流量Q2との比、Q1/Q2で表される。例えば、吸着モードの流量に対し脱着モードの流量が1/2であった場合、吸着された有機溶剤が全て脱着したとして、脱着後の有機溶剤蒸気の平均濃度は2倍となり、濃縮倍率が2倍になったと表現することができる。そして、脱着時にある程度の流量がないと十分脱着しないことから、脱着モードの流量を大幅に減少させることはできず、濃縮倍率には限界があった。例えば、塩化メチレンの場合、これまで濃縮倍率は5倍程度が限界とされていた。この程度の濃縮倍率では、後段の処理装置としての冷却装置123でかなり冷却しないと塩化メチレンの液化回収ができないことから、冷却装置123が大型化し、コストも高くなるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、濃縮倍率を高めることにより、冷却装置を小型化する、もしくは冷却装置を不要にして、有機溶剤回収システムを大幅にシンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤濃縮装置を提供することを目的としている。
本発明の有機溶剤濃縮装置は、上記目的を達成するために、内部に吸着剤を有する少なくとも3個以上の吸着塔と、各吸着塔に流路切替手段を介して各々接続された吸着前の気体を吸入する吸着入口経路、吸着後の気体を排出する吸着出口経路、脱着させるため周囲空気を吸入する脱着入口経路、脱着後の前記周囲空気を排出する脱着出口経路と、吸着塔および各経路内の気体を搬送するための送風手段と、制御器とを備え、制御器が流路切替手段と送風手段を制御することにより、各々の吸着塔において、吸着入口経路〜吸着塔〜吸着出口経路に有機溶剤蒸気を含有する気体を流通させる吸着モードと、脱着入口経路〜吸着塔〜脱着出口経路に気体を流通させる脱着モードの運転をそれぞれ切替え、吸着モードで運転する吸着塔の個数が、脱着モードで運転する吸着塔の個数より多くなるように制御され、かつ、吸着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量が、脱着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量よりも多くなるように制御され、吸着入口経路から吸入された有機溶剤蒸気を濃縮し脱着出口経路から排出し、前記脱着モードでは、前記吸着塔内の前記吸着剤に吸着された有機溶剤を熱によって脱着させ、前記各吸着塔には、さらに流路切替手段を介して冷却入口経路と冷却出口経路とを接続し、前記吸着塔が前記脱着モードの運転から前記吸着モードの運転へと移行する間の時間帯を、前記冷却入口経路〜前記吸着塔〜前記冷却出口経路に気体を流通させる冷却モードとして運転し、前記冷却モードで運転される吸着塔を含め、少なくとも4個以上の吸着塔で構成され、前記冷却出口経路から排出される気体の熱を前記脱着入口経路へ吸入される気体に伝える熱回収手段を設けたものである。
この手段により、濃縮倍率を高くすることができる。その結果、システムを小型化、低コスト化することができる。また、真空ポンプなどを使わずに、装置のコストを安価にすることができる。また、吸着モードまでに吸着剤を十分冷却することができ、吸着性能を確保することができる。また、加熱に要するエネルギーを低減させることができる。
また、他の手段は、熱回収手段として、冷却出口経路から排出される気体と脱着入口経路へ吸入される気体とを熱交換させる熱交換器を設けたものである。
これにより、簡単な構成で熱回収を可能とし、加熱に要するエネルギーを低減させることができる。
また、他の手段は、熱回収手段として、冷却出口経路から排出される気体の全てまたは一部を脱着入口経路へ直接吸入する吸入口を設けたものである。
これにより、熱回収効率を高め、さらに加熱に要するエネルギーを低減させることができる。
また、他の手段は、吸着塔内の吸着剤近傍に加熱手段を設け、脱着を行うための吸着剤の加熱を、加熱手段によって行い、加熱手段がヒートポンプの放熱器であり、冷却入口経路内にヒートポンプの吸熱器を備え、冷却入口経路内の気体の熱を吸着塔内の吸着剤に移動させるものである。
これにより、効率良く吸着剤を加熱し、加熱に要するエネルギーを低減させることができる。また、効率良く吸着剤を加熱すると同時に、冷却モードにおける冷却効果を向上させ、吸着モードまでに吸着剤を十分冷却することができ、吸着性能を確保することができる。
本発明によれば、濃縮倍率を高めることにより、冷却装置を小型化する、もしくは冷却装置を不要にして、有機溶剤回収システムを大幅にシンプルで小型化、低コスト化できる有機溶剤濃縮装置を提供するものである。
また、吸着性能を十分確保することができる、加熱に要するエネルギーを低減させることができる、装置のコストを安価にすることができる、などの効果も奏するものである。
本発明の請求項1記載の発明は、吸着モードで運転する吸着塔の個数N1が、脱着モードで運転する吸着塔の個数N2より多くなるように制御され、かつ、吸着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量Q1が、脱着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量Q2よりも多くなるように制御されているため、濃縮倍率を(N1/N2)×(Q1/Q2)に高めるという作用を有する。その結果、システムを小型化、低コスト化することができる。また、脱着モードで吸着塔内の吸着剤に吸着された有機溶剤を熱によって脱着させるため、真空ポンプなどを使わずに、装置のコストを安価にするという作用を有する。また、各吸着塔にさらに流路切替手段を介して冷却入口経路と冷却出口経路とを接続し、吸着塔が脱着モードの運転から吸着モードの運転へと移行する間の時間帯を、冷却入口経路〜吸着塔〜冷却出口経路に気体を流通させる冷却モードとして運転し、冷却モードで運転される吸着塔を含め、少なくとも4個以上の吸着塔で構成されたため、吸着モードまでに吸着剤を十分冷却することができ、吸着性能を確保するという作用を有する。また、冷却出口経路から排出される気体の熱を脱着入口経路へ吸入される気体に伝える熱回収手段を設けたため、加熱に要するエネルギーを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項記載の発明は、熱回収手段として、冷却出口経路から排出される気体と脱着入口経路へ吸入される気体とを熱交換させる熱交換器を設けたため、簡単な構成で熱回収を可能とし、加熱に要するエネルギーを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項記載の発明は、熱回収手段として、冷却出口経路から排出される気体の全てまたは一部を脱着入口経路へ直接吸入する吸入口を設けたため、熱回収効率を高め、さらに加熱に要するエネルギーを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項記載の発明は、吸着塔内の吸着剤近傍に加熱手段を設け、脱着を行うための吸着剤の加熱を、加熱手段によって行うため、効率良く吸着剤を加熱し、加熱に要するエネルギーを低減させるという作用を有する。また、加熱手段がヒートポンプの放熱器であり、冷却入口経路内にヒートポンプの吸熱器を備え、冷却入口経路内の気体の熱を吸着塔内の吸着剤に移動させるため、効率良く吸着剤を加熱すると同時に、冷却モードにおける冷却効果を向上させ、吸着モードまでに吸着剤を十分冷却することができ、吸着性能を確保するという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態および参考の形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における有機溶剤濃縮装置のシステム構成図である。
図1において、1a〜1fは、内部に吸着剤2a〜2fと吸着剤2a〜2f近傍に設けられた加熱手段としてのヒータ3a〜3fをA塔、B塔、C塔、D塔、E塔、F塔それぞれで有する吸着塔で、本実施の形態1では、吸着塔は6塔の構成となっている。加熱手段としては、ヒータ3a〜3fが安価な手段であるが、他の加熱方法であってもよい。
各々の吸着塔1a〜1fの、一端(図1では吸着塔上部)には、吸着入口経路4a〜4fが、流路切替手段としての電磁弁14a〜14fを介して合流経路の吸着入口経路4へ、脱着出口経路5a〜5fが、流路切替手段としての電磁弁15a〜15fを介して合流経路の脱着出口経路5へ、冷却入口経路6a〜6fが、流路切替手段としての電磁弁16a〜16fを介して合流経路の冷却入口経路6へ、それぞれ接続されている。
また、前記各々の吸着塔1a〜1fの、他端(図1では吸着塔下部)には、吸着出口経路7a〜7fが、流路切替手段としての電磁弁17a〜17fを介して合流経路の吸着出口経路7へ、脱着入口経路8a〜8fが、流路切替手段としての電磁弁18a〜18fを介して、合流経路の脱着入口経路8へ、それぞれ接続されている。
なお、配管本数を減らし装置のコストを安価にする目的で、吸着出口経路7a〜7fと吸着出口経路7は、冷却出口経路としての機能を持たせた共用経路の構成としているが、流路切替手段を追加して冷却出口経路を別途単独経路として構成してもよい。また、各流路切替手段は、電磁弁以外の手段、例えば電動ボールバルブやダクト開閉ダンパーのようなものであってもよい。
21は、吸着出口経路7(合流経路)に設けられた送風手段としての吸着経路送風機、22は、脱着入口経路8(合流経路)に設けられた送風手段としての脱着経路送風機である。23は、熱回収手段としての熱交換器で、冷却出口経路を兼ねた吸着出口経路7(合流経路)から排出される気体と、脱着入口経路8(合流経路)へ吸入される気体とを熱交換できるように構成されている。24は、流路切替手段としての各電磁弁14a〜14f、15a〜15f、16a〜16f、17a〜17f、18a〜18f、送風手段としての吸着経路送風機21および脱着経路送風機22、加熱手段としてのヒータ3a〜3fなどを制御する制御器である。
つぎに、図1における動作を説明する。理解しやすくするために、まず、A塔である吸着塔1aの動作から説明する。
はじめに、電磁弁14aと電磁弁17aを開く。有機溶剤発生源(図示せず)から、吸着経路送風機21によって吸入された有機溶剤蒸気を含む空気は、吸着入口経路4、吸着入口経路4aから吸着塔1aを通る際に、吸着剤2aによって有機溶剤が吸着され、清浄空気となって吸着出口経路7a、吸着出口経路7から外部へ排出される(吸着モード)。所定の時間が経過した後、電磁弁14aと電磁弁17aを閉じ、ヒータ3aに通電し吸着剤2aを加熱する(加熱モード)。この時、ヒータ3aは吸着塔1a内の吸着剤2a近傍に設けられているため、効率良く吸着剤2aを加熱し、加熱に要するエネルギーを低減させることができる。
つぎに、電磁弁18aと電磁弁15aを開く。脱着経路送風機22によって吸入された周囲空気は、脱着入口経路8、8aから吸着塔1aを通る際に、熱により吸着剤2aから有機溶剤が脱着(離脱)され、濃縮有機溶剤蒸気となって脱着出口経路5a、脱着出口経路5から排出される(脱着モード)。排出された濃縮有機溶剤蒸気は、有機溶剤回収システムとしての後段の冷却装置(図示せず)に送られ、冷却、凝縮、液化されることによって有機溶剤液体として回収し、必要に応じて有機溶剤発生源へ戻す。あるいは、濃縮倍率が高い場合は、液化せずに濃縮蒸気として直接有機溶剤発生源へ戻すことも可能である。
その後、電磁弁18aと電磁弁15aを閉じ、電磁弁16aと電磁弁17aを開き、吸着経路送風機21によって、周囲空気を冷却入口経路6、冷却入口経路6aから吸着塔1a、冷却出口経路を兼ねた吸着出口経路7へと流通させ、加熱された吸着剤2aを冷却させる(冷却モード)。ここで、吸着出口経路7から排出される気体は熱を持っており、熱回収手段としての熱交換器23で脱着入口経路8へ吸入される気体に熱を伝えることにより、脱着モードの加熱に要するエネルギーを低減させることができる。
なお、気体と気体の熱交換を行う熱交換器23は、比較的簡単な構成で熱回収を可能としコストを安価にすることができるが、他の熱回収手段であってもよい。冷却モードが終了した後、再び吸着モードに戻り、これらの運転モードを繰り返すものである。
本実施の形態1は、6塔の吸着塔から構成されており、A塔である吸着塔1a以外の吸着塔1b〜1fも、同様に一連の、吸着モード〜加熱モード〜脱着モード〜冷却モードを実行するが、各々の吸着塔は時間帯をずらして実行する。一例として、ある時間帯Uにおいては、吸着塔1a、吸着塔1b、吸着塔1cの3塔が吸着モード、吸着塔1dが加熱モード、吸着塔1eが脱着モード、吸着塔1fが冷却モードとなっている。これら6塔(A塔、B塔、C塔、D塔、E塔、F塔)の吸着塔1a〜1fの時間帯別(U〜V〜W〜X〜Y〜Z)の動作パターンを図2に示す。
つぎに、本実施の形態1において、有機溶剤蒸気の濃縮倍率を高める作用について説明する。図2における時間帯Uの吸着モードにおいて、有機溶剤発生源から吸着入口経路4へ吸入する有機溶剤蒸気を含む空気の流量をQとすると、吸着入口経路4a、4b、4cから吸着塔1a、吸着塔1b、吸着塔1cへ分配される流量はQ/3となる。本発明では、吸着モードで運転する各吸着塔1a、吸着塔1b、吸着塔1cの1個の吸着塔内を流通する気体の流量が、脱着モードで運転する吸着塔1e内を流通する気体の流量よりも多くなるように制御されている。有機溶剤の一例として、前述の塩化メチレンの場合、濃縮倍率は5倍程度が限界とされており、本実施の形態1においても、濃縮倍率が5倍、すなわち脱着モードで運転する吸着塔1e内を流通する気体の流量が、吸着モードで運転する各吸着塔1a、吸着塔1b、吸着塔1cの1個の吸着塔内を流通する気体の流量の1/5になるように設定されている。この時、脱着モードにおいて、吸着塔1eから脱着出口経路5へ排出される濃縮有機溶剤蒸気を含む空気の流量は、Q/3×1/5=Q/15となり、有機溶剤発生源からの吸入流量Qに対して1/15の流量、つまり吸着された有機溶剤が全て脱着したとして15倍の濃縮倍率を得ることができる。このことから、本発明においては、吸着モードで運転する吸着塔の個数をN1、脱着モードで運転する吸着塔の個数をN2、吸着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量をQ1、脱着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量をQ2とした場合、濃縮倍率は(N1/N2)×(Q1/Q2)に高めることができるものである。
このように、従来に比べて濃縮倍率を大幅に高めた結果、有機溶剤回収システムとしての後段の冷却装置において、液化させるための冷却、凝縮能力が小さくて済み、冷却装置を小型化、低コスト化することができる。あるいは、濃縮の目的によっては液化せずに濃縮蒸気として直接有機溶剤発生源へ戻すことも可能である。一例として、有機溶剤発生源が金属部品の脱脂洗浄工程で、有機溶剤が塩化メチレンの場合、従来の技術(5倍程度の濃縮)では、回収するためには液化するしか手段はなかったが、前述の如く濃縮倍率を15倍程度まで高めれば、液化せずに濃縮蒸気を直接洗浄工程の高濃度蒸気が充満している槽内に戻しても、洗浄工程上何ら問題がない(濃縮倍率が低いと、蒸気洗浄に必要な濃度が確保できない)。このような場合は、冷却装置そのものが不要となり、有機溶剤回収システムを大幅にシンプル化でき、さらに小型で低コストのシステムを提供することができるものである。
つぎに、効果的加熱、冷却方法について説明する。吸着、脱着性能を確保するためには、脱着モードで如何に効果的に吸着剤2a〜2fを加熱し、吸着モードまでに如何に効果的に吸着剤2a〜2fを冷却することができるかが肝要である。そのために、本実施の形態1では、脱着モード終了後に冷却モードを設けている。これによって、つぎの吸着モードまでに吸着剤2a〜2fを十分冷却することができ、吸着性能を十分確保することができる。また、本実施の形態1では、脱着モードの前に加熱モードを設けている。加熱モードでは、例えば、D塔である吸着塔1dの出入口すなわち電磁弁14d、15d、16d、17d、18dを全て閉塞し、脱着出口経路5dから気体を排出させずに、吸着剤2dを加熱している。これは、脱着モード以外で濃縮有機溶剤蒸気を排出せずに、有機溶剤濃縮装置からの排出流量を極力少なくして濃縮倍率を高めるためである。一方、加熱モードにおける加熱動作は、加熱モードの開始時刻にヒータ3dに通電し加熱動作を開始させる。そして、加熱モードの途中から脱着モードの終了時刻までの適当な時刻にヒータ3dの通電を終了する。このヒータ3dの通電時間の設定は、脱着モードで脱着が十分行われるための吸着剤2dの温度上昇条件と、吸着モードまでの冷却モードで冷却が十分行われるための吸着剤2dの温度下降条件とから決定される。一例として、ある条件においては、加熱モードの終了時にヒータ3dの通電を終了した場合、脱着モードではヒータ3dの余熱(オーバーシュート)で吸着剤2dが脱着に必要な温度まで昇温でき、かつ冷却モードの時間内に吸着に必要な常温に近い温度まで冷却することができ、脱着性能と吸着性能を十分確保することができた。また、ヒータ3dの通電時間を必要最小限とすることにより、加熱に要するエネルギーを低減させるという効果もある。これらのヒータ3d通電時間の設定は、制御器24に搭載したタイマーで行ってもよいし、吸着塔1a〜1f内の温度を検知して、制御器24でフィードバック制御してもよい。なお、ヒータ3dの加熱立ち上りが早く、吸着剤2dの温度が瞬時に脱着に必要な温度まで昇温可能な場合は、加熱モードを行わず(その場合、実施の形態1は吸着塔が5塔の構成となる)、脱着モードの全てまたは一部の時間帯に、ヒータ3dに通電することが有効である。これにより、ヒータ3dの通電時間をさらに必要最小限とし、加熱に要するエネルギーを低減させることができる。
以上のように、本実施の形態1では、有機溶剤蒸気の濃縮を吸着剤への吸着と熱による脱着によって行っている。この方式は、真空ポンプなどを使わずに行うため、装置を比較的安価に製作することができるが、本発明における濃縮倍率を高める作用は、真空ポンプを使って吸着剤を減圧し脱着させる、いわゆる圧力スイング方式においても有効である。
(実施の形態2)
実施の形態1と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図3は、本発明の実施の形態2における有機溶剤濃縮装置のシステム構成図である。
図3の実施の形態2では、熱回収手段として、冷却出口経路を兼ねる吸着出口経路7から排出される気体の一部を脱着入口経路8へ直接吸入する吸入口31を設けたものである。この方式は、吸着出口経路7から排出される気体の熱を、脱着入口経路8へ吸入される気体に伝える方式において、熱交換せずに直接気体を吸入させることにより熱回収効率を高め、脱着に要する加熱エネルギーを低減させるという効果を発揮するものである。
(実施の形態3)
実施の形態1と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図4は、本発明の実施の形態3における有機溶剤濃縮装置のシステム構成図である。
図4の実施の形態3では、加熱手段として吸着塔1a〜1f内にヒートポンプユニット32に接続された放熱器33a〜33fを備え、冷却入口経路6内にヒートポンプユニット32に接続された吸熱器34を備え、ヒートポンプユニット32の運転により、冷却入口経路6内の空気の熱を吸着塔1a〜1f内の吸着剤2a〜2fに移動させるものである。この方式は、加熱源にヒートポンプを用いることにより、吸着剤2a〜2fを効率よく加熱するとともに、冷却入口経路6内の空気を常温より冷やすことにより、冷却モードにおける冷却効果を向上させ、吸着モードまでに吸着剤2a〜2fを十分冷却することができ、吸着性能を確保することができるものである。
参考の形態
実施の形態1と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。図5は、本発明の参考の形態における有機溶剤濃縮装置のシステム構成図である。
図5の参考の形態では、各吸着塔1a〜1fに、循環ファン35a〜35fを有する循環経路36a〜36fが接続されている。加熱モードでは、例えば、D塔である吸着塔1dの電磁弁14d、15d、16d、17d、18dを全て閉塞し、脱着出口経路5dから気体を排出させずに、吸着剤2dを加熱しているが、参考の形態では、吸着塔1d内の気体を循環ファン35dで循環経路36d内に循環させることにより、吸着剤2dを均一に加熱し、短時間で脱着に必要な温度まで昇温でき、加熱に要するエネルギーを低減させるという効果を発揮するものである。
本発明は、揮発性有機化合物(VOC)としての有機溶剤蒸気を、発生源から除去するための有機溶剤回収システムにおいて、前段処理などに使用される有機溶剤濃縮装置として有用である。また、有機溶剤以外の物質の吸脱着、濃縮装置にも適用できる。
本発明の実施の形態1の有機溶剤濃縮装置を示すシステム構成図 同有機溶剤濃縮装置の動作パターン図 本発明の実施の形態2の有機溶剤濃縮装置を示すシステム構成図 本発明の実施の形態3の有機溶剤濃縮装置を示すシステム構成図 本発明の参考の形態の有機溶剤濃縮装置を示すシステム構成図 従来の有機溶剤濃縮装置を示すシステム構成図
符号の説明
1a〜1f 吸着塔
2a〜2f 吸着剤
3a〜3f ヒータ
4 吸着入口経路
4a〜4f 吸着入口経路
5 脱着出口経路
5a〜5f 脱着出口経路
6 冷却入口経路
6a〜6f 冷却入口経路
7 吸着出口経路
7a〜7f 吸着出口経路
8 脱着入口経路
8a〜8f 脱着入口経路
14a〜14f 電磁弁
15a〜15f 電磁弁
16a〜16f 電磁弁
17a〜17f 電磁弁
18a〜18f 電磁弁
21 吸着経路送風機
22 脱着経路送風機
23 熱交換器
24 制御器
31 吸入口
32 ヒートポンプユニット
33a〜33f 放熱器
34 吸熱器
36a〜36f 循環経路

Claims (4)

  1. 内部に吸着剤を有する少なくとも3個以上の吸着塔と、前記各吸着塔に流路切替手段を介して各々接続された吸着前の気体を吸入する吸着入口経路、吸着後の気体を排出する吸着出口経路、脱着させるため周囲空気を吸入する脱着入口経路、脱着後の前記周囲空気を排出する脱着出口経路と、前記吸着塔および前記各経路内の気体を搬送するための送風手段と、制御器とを備え、前記制御器が前記流路切替手段と前記送風手段を制御することにより、各々の前記吸着塔において、吸着入口経路〜吸着塔〜吸着出口経路に有機溶剤蒸気を含有する気体を流通させる吸着モードと、脱着入口経路〜吸着塔〜脱着出口経路に気体を流通させる脱着モードの運転をそれぞれ切替え、前記吸着モードで運転する吸着塔の個数が、前記脱着モードで運転する吸着塔の個数より多くなるように制御され、かつ、前記吸着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量が、前記脱着モードで運転する吸着塔内を流通する気体の流量よりも多くなるように制御され、前記吸着入口経路から吸入された有機溶剤蒸気を濃縮し前記脱着出口経路から排出し、
    前記脱着モードでは、前記吸着塔内の前記吸着剤に吸着された有機溶剤を熱によって脱着させ、
    前記各吸着塔には、さらに流路切替手段を介して冷却入口経路と冷却出口経路とを接続し、前記吸着塔が前記脱着モードの運転から前記吸着モードの運転へと移行する間の時間帯を、前記冷却入口経路〜前記吸着塔〜前記冷却出口経路に気体を流通させる冷却モードとして運転し、前記冷却モードで運転される吸着塔を含め、少なくとも4個以上の吸着塔で構成され、
    前記冷却出口経路から排出される気体の熱を前記脱着入口経路へ吸入される気体に伝える熱回収手段を設けた、有機溶剤濃縮装置。
  2. 熱回収手段として、冷却出口経路から排出される気体と脱着入口経路へ吸入される気体とを熱交換させる熱交換器を設けた、請求項記載の有機溶剤濃縮装置。
  3. 熱回収手段として、冷却出口経路から排出される気体の全てまたは一部を脱着入口経路へ直接吸入する吸入口を設けた、請求項記載の有機溶剤濃縮装置。
  4. 吸着塔内の吸着剤近傍に加熱手段を設け、脱着を行うための前記吸着剤の加熱を、前記加熱手段によって行い、前記加熱手段は、ヒートポンプの放熱器であり、冷却入口経路内に前記ヒートポンプの吸熱器を備え、前記冷却入口経路内の気体の熱を吸着塔内の吸着剤に移動させる、請求項のいずれかに記載の有機溶剤濃縮装置。
JP2006067186A 2006-03-13 2006-03-13 有機溶剤濃縮装置 Expired - Fee Related JP4770527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006067186A JP4770527B2 (ja) 2006-03-13 2006-03-13 有機溶剤濃縮装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006067186A JP4770527B2 (ja) 2006-03-13 2006-03-13 有機溶剤濃縮装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007237141A JP2007237141A (ja) 2007-09-20
JP4770527B2 true JP4770527B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=38583205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006067186A Expired - Fee Related JP4770527B2 (ja) 2006-03-13 2006-03-13 有機溶剤濃縮装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4770527B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4848335B2 (ja) * 2007-09-19 2011-12-28 月島環境エンジニアリング株式会社 ガス処理方法
JP5115279B2 (ja) * 2008-03-31 2013-01-09 ダイキン工業株式会社 吸着回収装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5051974A (ja) * 1973-09-10 1975-05-09
JPS515271A (ja) * 1974-07-03 1976-01-16 Hokutan Kasei Kogyo Kk Kanenseikisojukiseibunganjuhaigasuno shorihoho
JPS51146375A (en) * 1975-06-11 1976-12-15 Haibiruka Kk A gas adsorption apparatus
JPS5689818A (en) * 1979-12-25 1981-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Improved solvent recovering method
JP2616778B2 (ja) * 1987-07-13 1997-06-04 東洋紡績株式会社 吸脱着装置の運転方法
JPH06226029A (ja) * 1993-02-08 1994-08-16 Ebara Corp 溶剤の回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007237141A (ja) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4677989B2 (ja) ガスタービンを用いた揮発性有機化合物処理方法及び揮発性有機化合物処理システム
US5943874A (en) Desiccant assisted air conditioning apparatus
US5758509A (en) Absorption heat pump and desiccant assisted air conditioning apparatus
JP3956996B1 (ja) 揮発性有機化合物処理方法及び揮発性有機化合物処理システム
JP5829498B2 (ja) 溶剤回収システム
JP4946894B2 (ja) 廃熱利用システム
KR20120114012A (ko) 하이브리드 공기조화 시스템
CN109922893B (zh) 涂装用干燥设备
CN105854434A (zh) VOCs资源化处理系统
JP2011125768A (ja) 溶剤回収方法、及び、溶剤回収装置
JP4770527B2 (ja) 有機溶剤濃縮装置
US10208989B2 (en) Absorption refrigeration machine
US5505059A (en) Direct heated adsorbent bed heat pump
CN106422647A (zh) 低液化温度有机废气回收装置
AU2017266711B2 (en) Method and device for obtaining water from ambient air
JP2008018302A (ja) 有機溶剤濃縮装置
JP2005009754A (ja) 一重二重効用吸収冷凍機およびその運転制御方法
KR101347582B1 (ko) 급탕 겸용 저온수 2단 흡수식 냉난방기
JP5628051B2 (ja) 溶剤回収システム
JP2009121740A (ja) 吸着式ヒートポンプ及びその運転制御方法
JP2006125713A (ja) 吸着式暖房・給湯装置
JP2008000660A (ja) 有機溶剤濃縮装置
JP6697344B2 (ja) 排熱回収システム、排熱回収方法、及び冷却システム
JP5471223B2 (ja) 熱回収装置及び冷却システム
JP6638219B2 (ja) 調湿装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081211

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110606

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees