JP4767170B2 - 低衝撃分離ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は一般に分離ジョイントに関し、特に爆発兵器を有する分離ジョイントに関する。
発明の背景
ロケットのような発射する乗り物は、地球の重力から脱却するのに相当多量のエネルギーを必要とする。従って、ロケットのデザインの目指すところは、最小の燃料を使用してペイロードを最大にすることである。航空宇宙産業で広く使用されてきた効果的な方法は、多段ロケットである。多段ロケットの背後にある前提は、不必要なものを可能な限り早く投げ捨て、運ぶべきペイロードを増加することである。図1は従来の2段ロケット100を示している。ロケット100は1段目のロケットステージ101、2段目のロケットステージ102とフェアリング103とからなる。静止状態からロケット100を最初に加速するには、高推進力のエンジンを有する第1段ロケットステージ101と、これらエンジンに燃料を供給する大きな推進燃料タンクを必要とする。第1段のロケットステージ101はロケット100全体を加速させる推進力を提供する。第1段のロケットステージ101は、分離ジョイント104により第2段のロケットステージ102とフェアリング103から切り離される。分離は典型的には、大きなエンジンがもはや必要でなくなる高高度で起こり、その結果ロケット100の量を多大に減少することが可能となる。
第2段のロケットステージ102は、第1段のロケットステージ101からの分離後に動作可能となり、ロケット100を意図する軌道上で推進させる。第1段のロケットステージ101と同様に、第2段のロケットステージ102は、意図する目的地に近づくに伴い、もはや必要でなくなる。分離ジョイント105はフェアリング103から第2段のロケットステージ102を分離する。第1段のロケットステージ101が燃え尽きている期間、できる限り早く量を落とし、軌道のペイロードを最大にするために、フェアリング103がロケットから切り離されるような場合もある。
図2は、図1の従来の2段ステージロケット100を示し、第1段ロケットステージ101、第2段ロケットステージ102、フェアリング103が相互に分離されている状態を示している。第2段ロケットステージ102から第1段ロケットステージ101が分離されると、第2段ロケットステージ102のロケットエンジンが露出される。フェアリング103が分離されると、フェアリング103に覆われていたペイロード107が露出される。ロケット100は非常に簡略化されているが、それは非常に信頼性のある分離システムを提供する必要性のためである。図1の分離ジョイント104−106のひとつでも失敗すると、時間、お金、そして人間の生命を犠牲にして、飛行は完全に失敗に終わる。
多くの異なるタイプの分離ジョイントが上述した応用分野に似た分野で非常に信頼性を有していることが証明されている。あるタイプは、拘束した状態から解放される状態に分離ジョイントを変えるために爆発物装置を利用している。一般に、分離ジョイントは第1と第2の素子から構成されている。第1と第2の素子は、ある状態のもとで分離される第1と第2の構造物にそれぞれ結合されていている。典型的には、分離ジョイントの第1と第2の素子は、互いに結合され、通常の状態では分離しない。爆発物装置が爆発した際にジョイントの分離が達成される。分離ジョイントを互いに結合させておくための広く行われている方法は、ボルト、リベットあるいはほかの機械的締め金具を使用することである。
図3は、分離ジョイントに使用されている従来の爆発物装置300断面図である。爆発装置300は、チューブ301と爆発物302とからなる。爆発装置300の例では、爆発物302は柔らかい爆発コードである。その柔らかい爆発コードはチューブ301の空間に適合するさやに入れられていて、爆発コードはしっかりとチューブ301内に位置づけられている。例えば、さやはシリコーンゴム或いは衝撃を吸収したり熱を断絶する物質からなっていてもよい。分離ジョイントの周囲の汚染は極めて重要な問題である。チューブ301は、分離ジョイントの近傍の汚染を防ぐために、爆発で生じる破片を含んでいる。また、チューブ301は特別な用途に向けた形に容易に形成される。例えば、2つのロケットステージ間の分離ジョイントは環状形をしており、チューブ301は2つのロケットステージを分離するジョイントの周囲に配置され、爆発が起こった際に同時に離れさせるようになっている。
図4は、爆発後の図3の従来の爆発装置300の断面図である。チューブ301内の爆発物302が爆発すると、ガスを発生し、そのガスは装薬から放射方向に放射する。チューブ301は爆発から生じるガスの圧力によって膨張するが、粒子の汚染を防ぐため破裂しないように設計されている。爆発装置300の例では、チューブ301は薄い壁を有するステンレススチールから作られている。爆発物302の爆発によって急激に圧力が上昇すると、チューブ301は、図4に示されるような最終状態まで膨張する。
分離ジョイントが分離する状態を作り出されるのは、爆発物302の爆発の後、図3から図4のようにチューブ301の容積変化が起こるためである。上述したように、分離ジョイントは、リベット、ボルト或いはその他の機械的締め金具と一緒に保持されている。チューブ301の膨張により非常に強力な力が生成される。この力により、リベットが切断されたり、分離ジョイントの素子が折られ、ジョイントは分離する。
分離ジョイントのこのタイプの重要な問題は、生成される衝撃波である。衝撃波は、分離ジョイントに付属している構造と結合する。分離プロセスでのコンポーネンツの切断や破壊により不自然なエネルギーが放たれるので、この問題は悪化する。衝撃波が5000グラムを超えると、衝撃波は付属構造に結合する。例えば、NASAは、全ての初日の宇宙船の欠陥は、高ダイナミック環境により引き起こされる損傷に起因していると評価している。この問題は、現在も全ての新規な宇宙船設計につき物である。宇宙船は地上でテストされ、ランダム振動テスト、音響的テスト、衝撃テストを使用して欠陥を検出し、宇宙船を打ち上げた環境をシミュレートしている。たぶん分離ジョイントによって生じる衝撃波にもっと敏感なのは、宇宙船内のペイロードである。ペイロードはしばしば衝撃に極めて敏感で、もろい。ペイロード内のコンポーネントをよりショックに強くする設計を行うと、コストが非常に増大する。ペイロードが配置されるプラットフォーム上での隔離技術や振動防止技術を使用して、ペイロードへの損傷を最小にする方法に関する研究に、焦点が向けられている。
したがって、分離が生じた際に付属構造へ送られる衝撃波を劇的に減少させる分離ジョイントを提供することが求められている。更に、分離システムの製造コストを削減し、分離システムの信頼性を向上させることが求められている。更に、本発明のその他の望まれる特徴や特質は、添付図面、技術分野の説明、背景の説明を参照して以下の詳細な説明と添付の特許請求の範囲から明らかになるでしょう。
発明の簡単な概要
低衝撃爆発分離装置の方法と装置が提供される。分離ジョイントは、オス部材、メス部材と爆発装置を含む。分離ジョイントは第1構造と第2構造に結合している。オス部材は、第1主面と第2主面とを有する。少なくとも1つの突起が、オス部材の第1と第2の主面に形成されている。メス部材は、第1フランジと第2フランジを含む。少なくとも1つの突起がメス部材の第1と第2フランジに形成されている。第1と第2フランジ上の少なくとも1つの突起の表面は、それぞれオス部材の第1と第2主面上の少なくとも1つの突起の表面に合わさっている。爆発装置が、メス部材の窪み内に置かれている。分離ジョイントの衝撃を減少させる方法が提供される。オス部材はメス部材に結合されていて、オス部材の表面はメス部材の対応する表面と密接に接触している。オス部材とメス部材が密接に接触している表面が設けられているので、張力と圧縮力のもとで分離ジョイントの分離を防止できる。分離ジョイントのメス部材に設けられた爆発装置が爆発する。爆発装置のハウジングが第1容積から第2容積に膨張する。爆発装置の容積が増加することにより、メス部材のフランジが曲がり、互いに離れる。互いに密接な接触を保っている表面は、互いに移動して接触しなくなり、オス部材がメス部材から解放される。
本発明の詳細な説明
本発明を以下の図面を参照して説明する。参照符号は構成要素を示す。
以下詳細に説明するが、これはあくまで例であって、本発明を限定したり、本発明の応用や使用を限定するものではない。更に、前述した技術分野、背景、簡単な概要或いは後述する詳細な説明に現れる明示的或いは暗示的な理論によって束縛されるものではない。
図5は、従来の分離ジョイント501の断面図である。一般に、分離ジョイント501は、単一のメスジョイント構造を有している。分離ジョイント501は、力を生み出すために爆発装置507を使用しており、その力により所定の方法で分離ジョイント501を折る。分離ジョイント501は、本体510、マウントフランジ503、爆発装置507、フランジ504とフランジ505を含む。フランジ504と505は、本体510から互いにほぼ平行に延び、Uリンクを形成する。爆発装置507は、このUリンク内にぴったりとはめ込まれている。構造502はまた、このUリンク内にぴったりと取り付けられ、ボルト508とナット509により分離ジョイント強固に結合される。ボルト508は、フランジ504、構造502とフランジ505を貫通して延びている。構造502は、爆発装置507が爆発した際に、分離ジョイント501によって分離される構成要素の1つである。ほかの構造要素は図5に示されていないが、本体510の末端のフランジ503に取り付けられている。
分離ジョイント501の実施例では、爆発装置507の一方の側が、本体510に隣接している。爆発装置507の他方の側は、構造502に隣接し、爆発装置507は、分離ジョイント501の通常の動作の間、動かない。ノッチ506が、フランジ504と505に形成されていて、分離ジョイント501にもろい箇所が形成され、爆発装置507が爆発すると、容易に折れる。ノッチ506は、フランジ504と505が本体510に隣接している位置に設けられている。ノッチ506はまた、爆発装置506の近くにも設けられる。分離ジョイント501は軽量に作られているが、アルミニウムのような高強度の物質から作られており、フランジ503に結合された構造を構造502に強固に結合する。ノッチ506は、分離ジョイント501が、通常の動作状態においてねじれ力、圧縮力及び張力に耐えることができるという要求を満たさない。
図6は、爆発装置507が爆発した後における図5の従来の分離ジョイント501の断面図である。爆発装置507は、チューブ形の爆発物であり、そのチューブは膨張可能なハウジングである。図5に示すように、爆発装置507は、分離ジョイント501のUリンクにぴったりと収められていて、爆発前では第1容積を有する。爆発装置507の膨張可能なチューブは、薄壁の金属から作られていて、爆発物質の爆発により破壊されない。分離ジョイント501の近傍領域が汚染されないことが切望される。爆発装置507は爆発の際、第2容積に膨張するように設計されている。爆発物質はガスを発生し、径方向に膨張して爆発装置507を第2容積に膨張させる。爆発装置507は、フランジ504、フランジ505、本体510及び構造502に逆らって強いて膨張する。図5のノッチ506は、分離ジョイント501のもろい部分として設計されているので、爆発装置507により加えられる力が爆発装置507を強いて膨張させることにより物質強度を超える場合には、ノッチ506は折れるか破壊される。莫大な量の不自然なエネルギーが、ノッチ506の折れにより解放される。爆発装置507の急激な容積増加により、図示しているようにフランジ504と505は外方向に曲げられる。図5のノッチ506が折れると、本体510はもはやフランジ504と505に結合しなくなる。このように、本体510は分離して自由になる。
分離ジョイント501は非常に信頼性のある分離要素であることが証明されたので、航空宇宙産業で広く使用されてきた。分離ジョイント501の1つの面は、高振幅の衝撃波を発生することである。分離ジョイント501に結合している構成要素が分離の際に発生される振動によってダメージを受けるので、衝撃波は重要な関心事である。構成要素を構造的に無傷にするために、十分な研究開発がなされてきており、構成要素に結合される振動を減衰するために、耐衝撃と共に隔離や減衰の方法を作り出すことが行われている。代表的には、これらの変更により、重量とコストが増し、システム設計を複雑にしている。更に、これらの変形は分離ジョイントの設計に直接的に関係していて、衝撃波が減少されるならば必要性がない。
不自然なエネルギーの解放は、分離ジョイント501の折れにより瞬間的に起こるので、衝撃波は高振幅のインパルスである。例えば、ロケット組み立て品に使用されている分離ジョイントの上限は、約5000グラムの衝撃波である。衝撃波は、分離ジョイント501を介して、どちらの方向へも向かう。衝撃波601は、本体510を介してフランジ503と結合され、そして取り付けられている構造に結合される。同様に、衝撃波602は、フランジ504と505を介して構造502に結合される。一般に、ジョイントを保持している素子を破壊する分離方法は、不自然なエネルギーが解放される際に、潜在的にダメージを与える衝撃波を生成する。よく知られた他の方法は、分離ジョイントを一緒に保持するためのリベットを利用する。爆発装置は分離ジョイントに力を与え、そのジョイントを一緒に保持しているリベットを切断して、同様な高振幅の衝撃波を生み出す。
図7は、本発明による分離ジョイント701の断面図である。分離ジョイント701に使用されているアプローチは、分離の際に構成要素が折れたり破壊されたりすることによる不自然なエネルギーの解放を除去することであり、全ての構成要素がそのまま破壊されない状態に保たれる。分離ジョイント701によって作られる衝撃波は、分離ジョイントを折るタイプに比較して、一桁以上減少される。分離ジョイント701は、オス部材710とメス部材713を含む。オス部材710は、圧縮力と張力のもとで、分離ジョイント701が分離されないようにする面を含んでいる。分離ジョイント701の実施例では、オス部材710は更に、図示しない構造を取り付けるためのフランジ703を含んでいる。フランジ703の特別な形状がオス部材710の設計に臨界的意義を有しているのではなく、フランジ703に取り付けられる取り付け品によって変形できるし、適合できる。
メス部材713は、フランジ704、フランジ705、フランジ711とフランジ712を具備している。メス部材713はまた、爆発装置707を囲う窪み706を含んでいる。分離ジョイント701の実施例では、メス部材713は2つの対称形状の半部分から形成されている。メス部材713の第1の半部分は、反対の端部にフランジ704と711とを含んでいる。メス部材713の第2の半部分は、反対の端部にフランジ705と712とを含んでいる。メス部材713の半部分は、フランジ711と712とが互いに対面し、フランジ704と705とが互いに対面するように揃えられている。フランジ711と712は、オス部材710の面に対応する面を含んでいて、この面により、圧縮力と張力のもとで分離ジョイント701が分離しないようにしている。
分離ジョイント701は、メス部材713の2つの半部分をオス部材710の反対側におくことによって組み立てられる。メス部材713の各半部分に加えられる圧縮力と張力のもとで、分離ジョイント701の分離を防止している面が、オス部材710の対応する面と合うように、オス部材710は位置づけられ、揃えられている。爆発装置707はメス部材713に設けられ、半部分が一緒に配置された際に形成される窪み706にぴったりと配置される。
メス部材713の半部分を一緒にすると、オス部材710と爆発装置707を保持できる。分離ジョイント701の実施例では、フランジ704と705を合体させて、Uリンクを形成する。構造702の部分はUリンクにぴったりと合う。構造702は、ボルト708やナット709のような締結機構により、フランジ704と705に締結される。締結ボルト708は、構造702をメス部材713に強固に締めるだけでなく、通常の動作状態で使用するために、分離ジョイント701を一緒に保持する。一般に、通常の動作状態は、分離ジョイント701が、構造702をフランジ703に結合された図示しない他の構造に締結する際に生じる。即ち、通常の状態は、分離ジョイント701が分離されなくて、構造を保持している場合に生じる。分離という状態は、通常の動作状態ではない。締結ボルト708はまた、メス部材713に接触しているオス部材710に力を与える。特に、オス部材710の面は、フランジ711と712の対応する面に親密に接触している。オス部材710は、メス部材713内を移動できないようになっている。同様に、爆発装置707は、窪み706の壁によって与えられる僅かな締め圧力によって保持されている。
分離ジョイント701は断面図で示され、単一の締結装置のみが示されている。実際には、分離ジョイント701は、十分な長さを有してもよい。例えば、ロケット組み立て品においては、分離ジョイント701は2つのロケットステージ間の全周囲に配置されて、2つのロケットステージを結合させる。オス部材710は一方のロケットステージに結合され、メス部材713はもう一方のロケットステージに結合されている。ボルトとナットのような締結機構が周囲に周期的に設けられ、分離ジョイント701を保持する。
締結機構は、フランジ704と705を含む側でメス部材701の2つの半部分を保持していることに注意されたい。フランジ711と712をオス部材710に保持する締結機構は存在しない。メス部材713の各半部分は、十分に強度のある物質から作られ、通常の動作で分離ジョイント701に加えられる捩れ力、圧縮力及び張力のもとでオス部材710保持する。一般に、メス部材713とオス部材710は金属から作られる。例えば、分離ジョイント701は、7075や6061アルミニウムから形成され、重量が非常に重要な宇宙空間飛行に応用される。マグネシウムは使用可能なほかの軽量金属の例である。宇宙空間飛行において分離ジョイント701により現れる圧縮力と張力は、1平方インチ当たり900から5000ポンドの範囲である。これらの条件に合致するフランジ704、705、711、712とオス部材710の厚みは、約0.125インチ以上である。
図8は、図7のオス部材710の断面図であり、本発明に基づき圧縮力と張力のもとで分離を防止する面を示している。オス部材710は、図示しない構造に取り付けられるフランジ703と、本体から水平に延びる複数のフランジ或いは突起を含む。複数のフランジは、オス部材710の反対側(フランジ703から見て)にあり、図7のメス部材713の複数のフランジ或いは突起に対応している。オス部材710の各突起は、上面801と底面802を有している。上面801は、張力が分離ジョイント701に加えられた際に、オス部材710がメス部材713から分離するのを防止する。逆に、底面802は、圧縮力が分離ジョイント701に加えられた際に、オス部材710がメス部材713から分離するのを防止する。いずれの場合も、上面801と底面802は、メス部材713の対応する面に接触している。突起の設計及び各突起に設けられる上面と底面の面積の大きさは、分離ジョイント701かかる負荷の関数である。どちら側の突起もオス部材710の本体が軽量であれば1個で十分であるが、図8に示されるような多数の突起は、ロケットステージ間での分離のように高負荷の場合に必要とされる。分離ジョイント701の実施例では、上面801と底面802は、メス部材713の対応面とのロックを防止するような角度にしてある。分離ジョイント701が分離されるとき、メス部材713の面は上面801と底面802と接触しなくなるように移動し、したがって、ロックを起こさなければ、より繰り返し可能となり、より信頼性があがる。
図9は、図7のメス部材713の断面図であり、本発明に基づき圧縮力と張力のもとで分離を防止する面を示している。メス部材713は、図7のオス部材710や爆発装置707なしで、構造702に締結された組み立て状態で示されている。フランジ704と705は、ボルト708とナット709により構造702に強固に保持されている。フランジ711と712は各々複数の突起を有し、それら突起はフランジ711と712から互いの方向に水平に延びている。図8に示すオス部材710は、対応する面801と802を有している。フランジ711と712の各突起は、上面901と底面902を有している。上面901は、圧縮力によりメス部材713がオス部材710から分離するのを防止している。逆に、底面902は、張力によりメス部材713がオス部材710から離脱するのを防止している。フランジ711と712は、一体にされた場合、オス部材710と揃い、上面901は、オス部材710の面802と嵌合する。同様に、底面902は、オス部材710の面801と嵌合する。
図10は、本発明に基づいて分離している図7の分離ジョイント701の断面図である。爆発の前、爆発装置707は第1容積を有する。爆発装置707は、メス部材713がオス部材710の周囲に組み立てられた際にできる窪みの中に納められている。通常の動作状態は、分離ジョイント701がフランジ703に取り付けられた構造と構造702とを保持する際に生じる。分離ジョイント701は、特別な応用の際に生じる圧縮力、張力及び捩れ力に耐えて分離しないように設計されていてる。通常の動作状態の例は、分離ジョイント701が第1のロケット段を第2のロケット段に保持しているロケット組み立て品の状態である。この例において、メス部材713は第1のロケット段に結合され、オス部材710は第2のロケット段に結合される。第1のロケット段は、ロケット組み立て品を上層環境に吊り上げる。第1段は、ロケット組み立て品が上昇すると捨て去られ、より軽量で小型の第2ロケット段により引き継がれる。第1段がなくなると、残ったロケット組み立て品の重量は非常に減少し、こうしてより効率的に、ロケットを更に目的地に推進することができる。
爆発装置707が爆発すると、オス部材710はメス部材713から切り離され、その結果、例えば、第1のロケット段は第2のロケット段から切り離される。分離という出来事は分離ジョイント701の通常の動作状態ではなく、オス部材710から確実に切り離すためにメス部材713を物理的に変形させる一時的な出来事である。爆発装置707内の爆発物を爆発察せると、高圧のガスが生成され、爆発装置707の容積が増加する。一般に、爆発装置707は、チューブで囲まれていて、爆発により膨張するが破裂しない。爆発装置707の爆発により生成される粒子により、分離ジョイント701の近傍が汚染されることを防止することが切望されている。爆発装置707のケース或いはチューブは、全ての爆発された爆発物質を保持している。
窪み706は、フランジ711と712の間に位置している。爆発が起こると、爆発装置707は膨張を開始して、非常に強い力をフランジ711と712に与える。その力により、フランジ711と712は互いに離れるように曲がる。爆発装置707により離隔するように力が加えられると、フランジ711と712は弓形に移動する。分離ジョイント701の全ての構成要素は、爆発装置707の爆発の後にそのまま残っており、したがって、折れによる不自然なエネルギーの解放に基づて生成される衝撃波は生じない。フランジ711と712が互いに離れるように移動すると、オス部材710とメス部材713の面は非接触状態になる。特に、図8のオス部材710の面801、802と、図9のメス部材713の面901、902は、圧縮力と張力による分離ジョイント701の分離を防止しているが、もはや互いに接触状態ではなくなる。前述したように、オス部材710の面801、802と、メス部材713の面901、902は嵌合しているが、ロックを起こす面ではないので、分離ジョイント701の分離を助ける。ロケット組み立て品に分離ジョイント701を使用する例では、オス部材710はロケットの2段目に取り付けられ、意図した飛行軌跡を継続する。メス部材713はロケットの第1段目(構造702)に取り付けられ、地球に向かって落下して回収されるか、或いは大気中で燃え尽きてしまうかのいずれかである。爆発装置707の爆発の後には、オス部材710とメス部材713の速度差は、オス部材とメス部材を小距離縦方向に移動するだけで十分で、そのためにはオス部材710をフランジ711と712間から移動させればよく、その結果分離が完了する。代わりに、推進装置を付加して、オス部材710とメス部材713を互いに移動させる力を与えてもよい。分離ジョイント701は低コストであり、製造が簡単で、組み立て易く、信頼性がある。更に、無駄なエネルギーの解放により生ずる衝撃波が除去されるので、より感度のよい素子をロケットペイロードの一部とすることが可能となり、衝撃波を止め或いは衝撃波から構成要素を隔離するために以前必要であった構成要素が不要になることによって、ロケットの全容積を減少させることができる。
今までの説明では、少なくとも1つの実施例が示されたが、種々の変形が可能である。更に、上記実施例はあくまで例であって、本発明の概要、応用、構成を限定するものではない。むしろ、上述した説明に基づき、当業者は種々の実施例を導き出すことができる。本発明の概念から逸脱することなく、特許請求の範囲とその均等物に述べられるように、機能及び構成を種々変形可能である。
図1は、従来の2段ロケットを示す図である。 図2は、図1の従来の2段ロケットを示し、第1のロケットステージと、第2のロケットステージと、互いに分離されたフェアリングとを示す。 図3は、分離ジョイントに使用される従来の爆発装置の断面図である。 図4は、図3の従来の爆発装置の爆発後の断面図である。 図5は、従来の分離ジョイントの断面図である。 図6は、爆発装置507の爆発の後における、図5の従来の分離ジョイント501の断面図である。 図7は、本発明による分離ジョイントの断面図である。 図8は、本発明に基づき圧縮力と張力のもとで分離を防止する表面を描いている図7のオス部材710の断面図である。 図9は、本発明に基づき圧縮力と張力のもとで分離を防止する表面を描いている図7のメス部材713の断面図である。 図10は、本発明に基づいて分離している図7の分離ジョイントの断面図である。

Claims (5)

  1. 第1構造(702)を第2構造に結合させる低衝撃分離ジョイント(701)であって、
    第1主面と第2主面とを有し、それら第1と第2各々の主面上に複数の突起が形成されたオス部材(710)と、
    第1フランジ(711)と第2フランジ(712)とを有するメス部材(713)であって、それら第1と第2各々のフランジ上に複数の突起が形成され、第1と第2フランジ上の前記複数の突起の面(901,902)はそれぞれ前記オス部材の第1と第2の主面上の前記複数の突起の面(801,802)に嵌合して、張力と圧縮力のもとで分離ジョイントの分離を防止する、メス部材と、前記メス部材の窪みに配置された爆発装置(707)と、
    を含む低衝撃分離ジョイント。
  2. 前記メス部材は、第1と第2の半構造を有し、前記第1半構造は前記第1フランジを含み、前記第2半構造は前記第2フランジを含み、前記第1と第2フランジは、前記第1と第2半構造が互いに結合した際に互いに対面する、請求項1に記載の低衝撃分離ジョイント。
  3. 前記メス部材の前記第1と第2半構造が一体に結合した際に、前記第1構造を受ける窪みが形成され、前記窪みは前記メス部材の前記第1と第2半構造の両方に部分を含む、請求項2に記載の低衝撃分離ジョイント。
  4. 前記爆発装置が爆発した際に、前記爆発装置は、前記第1と第2フランジを前記オス部材から離れさせるように曲げ、前記第1と第2フランジは前記オス部材からはなれるように円弧状に移動する、請求項3に記載の低衝撃分離ジョイント。
  5. 前記オス部材とメス部材の前記突起の面が、それらがロックしないような角度をなす請求項1記載の低衝撃分離ジョイント。
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