JP4766531B2 - 燃料消費量評価システム - Google Patents
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Description
このうち(一)〜(三)は、所定値を超えた場合には「燃費を悪化させる運転」と判定していた。そのような方法では、判定値を超えさえしなければ、「燃費を悪化させる運転」と判定しない。しかし、現実的には各々の項目で、その程度に応じて省燃費運転を評価するべきである。
また、(三)の車速に関して、発進から停止までの走行距離の長短を考慮することなく、単純に車速の大小のみで判定することは不適切であり、評価結果が必ずしも実態を反映するものではないと言う問題を抱えていた。
本発明では、以下に示す式1によって、平均的な惰行の活用に対してどの程度節約できたか(計算結果が負の場合)、或いは、どの程度無駄にしたか(計算結果が正の場合)を定量的に求めることが出来る。
ΔQ=Sd×(β−γ)/100q ・・・(式1)
ここで、ΔQ:減速領域(E3)で燃料消費量の平均値(Qm)に対する燃料節約量[単位:L](負の値の場合)、(或いは無駄量:正の場合)
Sd:減速領域での走行距離 [単位:km]
β:平均的な減速惰行割合 [単位:%]
γ:実運行での減速惰行割合 [単位:%]
q:単位走行距離あたりの燃料消費量 [単位:km/L]
尚、式1において、平均的な減速惰行割合に替えて、目標の減速惰行割合を用いれば、目標に対して燃料消費量を節約したのか、或いは無駄にしたのかを求めることが出来る。
又、実運行データの各パラメータから求めた燃料消費量と、燃料消費量の平均値及び目標値の合計を比較することによって、平均値及び目標値に対してどの程度燃料を節約したのか、或いはどの程度無駄にしたのかを総合的に評価することが出来る。
ここで、「下り坂(降坂)」の判定はアクセル開度が所定値以下で、エンジン回転数が所定値以上において、各変速ギヤ比に応じた所定値以上の加速度が生じた場合を「下り坂(降坂)」と判定する。その様に判定した走行域を減速走行距離及び惰行距離から除外することにより、「下り坂(降坂)」を含んだ減速領域においても、ドライバの運転の仕方による影響を適切に反映した解析を行うことができる。
ここで、「上り坂(登坂)」の判定は、アクセル開度が所定値以上で、各変速ギヤに応じた所定値以下の加速度の場合に、「上り坂(登坂)」と判定する。そのように判定した走行域の定常走行エンジン回転数の算出から除くことにより、「上り坂(登坂)」を含んだ定常走行領域においても、ドライバの運転の仕方の影響を適切に反映した解析を行うことができる。
(一)、(二)については、単位距離当りの燃料消費量(q)と相関があるので、上述した処理によって評価出来る。(三)については、ブレーキ前後に加速のために使用した燃料消費量を求める。この燃料消費量から通常走行しても消費する燃料消費量を差し引くことにより、余計に使用した燃料消費量を求めることが出来る。
その様にして求めた燃料消費量と平均的な走行でブレーキを掛けて余計に使用した燃料消費量とを比較して、上回った分に関しては、無駄な燃料消費量と判定することが可能である。
(一) 運転の仕方を具体的にどの様に改善すると、どの程度燃料消費量を節約できるかが分かるので、ドライバの省エネ運転の励みになる。
(二) 運行管理者にとっては、ドライバが実際にどの程度省燃費運転をしていたかを、燃料消費量と言う定量値で把握でき、ドライバの努力をドライバの評価に反映できる。又、運転の指導についても、データベースで具体的に行うことが出来る。
(三) 以上により、燃料消費量を大きく節約出来、経費節減と地球環境の保全に貢献出来るとともに、企業イメージのアップにも繋がる。
先ず、図1〜図7を参照して第1実施形態を説明する。
前記コントロールユニット10は、図2に示すように、走行開始から停止までを、図示の例では、発進加速領域E1、定常走行領域E2、減速領域E3、アイドル走行領域E4の4つの領域に分類し、その4つの領域E1〜E4の各々について燃料消費量Qに関連するパラメータである「発進加速シフトアップエンジン回転数N1及びアクセル開度α1」P1、「定常走行エンジン回転数N2」P2、「減速惰行割合」P3、「アイドル走行車速V4」P4を設定し、それらのパラメータP1〜P4と燃費(単位走行距離あたりの燃料消費量)qとの相関関係(図5の相関線F)に基づいて前記複数の領域E1〜E4毎の燃料消費量Q1〜Q4を決定し、決定された燃料消費量Q1〜Q4に基づいて評価を行なう様に構成されている。
ここで、上記パラメータ「(車速V)2/走行距離S」P5の意味するところは、図3の、走行距離Sに対する車速Vの2乗の関係を示した特性図において、特性線aの平均的な加速・減速で走行した場合に対して、特性線bは、車速を必要以上に上げると大きなエネルギを必要とし、更に減速時にそのエネルギをブレーキの熱として捨ててしまい、エネルギを無駄にしている様子を示している。即ち、a線とb線とで囲まれた領域が、平均的な加速・減速に対する無駄なエネルギを示している。
一方、特性線cは、例えば加速時には必要最小限のエネルギしか投入しないので、a線とc線で囲まれた領域分エネルギを節約していることを概念的にイメージした図である。
走行距離Sで車速Vの2乗を除算するのは、各々のケースが必ずしも同一の距離を走行するわけではないので、単位距離当りで比較して、比較の公正を期している。
そのようなデータをコントロールユニット10に備えたデータベース11に加えて出来る新たなデータベースの精度を向上させるとともに、車両は年々改良されており、そのような改良された車両1の性能にマッチしたデータベースとすることが出来る。
そこで各パラメータP1、P2、P4、P5の頻度分布の平均(図4参照)と、パラメータと燃費(単位距離当りの燃料消費量q)との相関関係(図5の相関線F)から、平均的な燃費(単位距離当りの燃料消費量q)[L/km]を求めることが出来る。
即ち、燃料消費量Qの算定式は、
Q=S×q (式2)(場合によってこのQの値に補正係数Kを乗ずる)
ここで、
Q:燃料節約量[単位:L]
S:走行距離[単位:km]
q:運行燃費[単位:km/L](図5によって求めた単位走行距離当りの燃料消費量を用いる)
燃料消費量Qの算定例として、例えば実運行で定常走行距離2000kmを走破し、その時の定常走行エンジン回転数Nが1100rpmの場合を以下に示す。
定常走行エンジン回転数が1100rpmの運行燃費qを図5より求めて、
q=0.25L/km
そこで、
Q=2000[km]×0.25[L/km]=500[L]
したがって、図6の平均的な走行(表の中段)に対して、100L(500−400)燃料を無駄にしたことが判明する。
この手法で求めたそれぞれの領域毎の平均的な燃料消費量Qmと、実際の運行データから求めた燃料消費量Qとを比較することにより、平均的な運行に対して、どの程度燃料を節約できたか、或いは、どの程度無駄にしたかを定量的に求めることが出来る。そして、ドライバの運転の仕方と関連付けることも出来る。
本発明では、以下に示す式1によって、平均的な惰行の活用に対してどの程度節約できたか(計算結果が負の場合)、或いは、どの程度無駄にしたか(計算結果が正の場合)を定量的に求めることが出来る。
ΔQ=Sd×(β−γ)/100q ・・・(式1)
ここで、ΔQ:減速領域での燃料消費量の平均値Qmに対する燃料節約量[単位:L](負の値の場合)、(或いは無駄量:正の場合)
Sd:減速領域E3での走行距離[単位:km]
β:平均的な減速惰行割合[単位:%]
γ:実運行での減速惰行割合[単位:%]
q:単位走行距離当りの燃料消費量[単位:km/L]
尚、上述したように、式1において、平均的な減速惰行割合に替えて、減速惰行割合の目標値を用いれば、目標値に対して燃料消費量を節約したのか、或いは無駄にしたのかを求めることが出来る。
又、実運行データの各パラメータから決定された燃料消費量Qと、平均及び目標の燃料消費量の合計を比較することによって、燃料消費量の平均値及び目標値に対してどの程度燃料を節約したのか、或いはどの程度無駄にしたのかを総合的に評価することが出来る。
ここで、「下り坂(降坂)」の判定はアクセル開度センサ(図1の符号3)によって検出されたアクセル開度α(図2参照)が所定値以下で、エンジン回転数Nが所定値以上の場合において、各変速ギヤ比に応じた所定値以上の加速度が生じた場合を、「下り坂(降坂)」と判定する。そのように判定した走行域を減速走行距離及び惰行距離から除外することにより、「下り坂(降坂)」を含んだ減速領域においても、ドライバの運転の仕方の影響を適切に反映した解析を行うことができる。
その様な誤った判定を避けるために、アクセルのON、OFFを周期的に作動しているか否かを判定し、その部分については、減速距離から排除して計算するように構成されており、減速惰行割合を適切に判定出来る。
ここで、「上り坂(登坂)」の判定は、アクセル開度αが所定値以上で、各変速ギヤに応じた所定値以下の加速度の場合に、「上り坂(登坂)」と判定する。そのように判定した走行域の定常走行エンジン回転数の算出から除くことにより、「上り坂(登坂)」を含んだ定常走行領域においても、ドライバの運転の仕方の影響を適切に反映した解析を行うことができる。
(一) 高速走行エンジン回転数、
(二) 高速走行車速、
(三) 無駄なブレーキ、の三つを評価パラメータとする。
(一)、(二)については、単位距離当りの燃料消費量qと相関があるので、上述した処理によって評価出来る。
(三)については、ブレーキ前後に加速のために使用した燃料消費量を求める。この燃料消費量から通常走行しても消費する燃料消費量を差し引くことにより、余計に使用した燃料消費量を求めることが出来る。
(1) 運転の仕方を具体的にどのように改善すると、どの程度燃料消費量を節約できるかが分かるので、ドライバの省エネ運転の励みになる。
(2) 運行管理者にとっては、ドライバが実際にどの程度省燃費運転をしていたかを、燃料節約量と言う定量値で把握でき、ドライバの努力をドライバの評価に反映できる。また、運転の指導についても、データベースで具体的に行うことが出来る。
(3) 以上により、燃料消費量を大きく節約出来、経費節減と地球環境の保全に貢献するとともに、企業イメージのアップにも繋がる。
前記図1〜図7の第1実施形態は、各パラメータの検出手段であるエンジン回転センサ2、アクセル開度センサ3、車速センサ4、燃料流量計5は夫々専用の回路によって車載のデータベース11に接続された実施形態である。
それに対して、図8の第2実施形態は、予め、アクセル信号、燃料流量信号車速信号、エンジン回転数信号が車内通信ネットワーク「車内LAN」によってLAN中継器6にデジタル信号として集められ、2本のワイヤ(通信ケーブル)Wによって車載のデータベース11に記憶されるように構成されている。これらの構成を除いては、作用効果を含め、図1〜図7の第1実施形態と実質的に同様であり、以降の説明は省略する。
2・・・エンジン回転センサ
3・・・アクセル開度センサ
4・・・車速センサ
5・・・燃料流量計
10・・・制御手段/コントロールユニット
11・・・データベース
12・・・パーソナルコンピュータ
13・・・入力手段/キーボード
14・・・プリンタ
15・・・メモリカード
Claims (2)
- 貨物自動車(1)のエンジン回転数(N)を計測するエンジン回転数計測手段(2)と、アクセル開度(α)を計測するアクセル開度計測手段(3)と、車速(V)を計測する車速計測手段(4)と、燃料流量(Fw)を計測する燃料流量計測手段(5)とを備え、それらの計測されたエンジン回転数(N)とアクセル開度(α)と車速(V)と燃料流量(Fw)とから貨物自動車の燃料消費量(Q)を、走行開始から停止までを複数の領域に分類して評価する制御手段(10)を有する燃料消費量評価システムにおいて、該制御手段(10)は記憶手段(11)を備え、前記複数の領域の1つが減速領域であり、その減速領域ではパラメータとして減速惰行割合=惰行距離/(惰行距離+ブレーキ距離)を用い、前記制御手段(10)は平均値に対する燃料節約量を〔減速領域での走行距離×(平均的な減速惰行割合−実運行での減速惰行割合)/単位距離当たりの燃料消費量〕で求める機能を有することを特徴とする燃料消費量評価システム。
- 貨物自動車(1)のエンジン回転数(N)を計測するエンジン回転数計測手段(2)と、アクセル開度(α)を計測するアクセル開度計測手段(3)と、車速(V)を計測する車速計測手段(4)と、燃料流量(Fw)を計測する燃料流量計測手段(5)とを備え、それらの計測されたエンジン回転数(N)とアクセル開度(α)と車速(V)と燃料流量(Fw)とから貨物自動車の燃料消費量(Q)を、走行開始から停止までを複数の領域に分類して評価する制御手段(10)を有する燃料消費量評価システムにおいて、該制御手段(10)は記憶手段(11)を備え、前記複数の領域の1つが減速領域であり、その減速領域ではパラメータとして減速惰行割合=惰行距離/(惰行距離+ブレーキ距離)を用い、前記制御手段(10)は目標値に対する燃料節約量を〔減速領域での走行距離×(減速惰行割合の目標値−実運行での減速惰行割合)/単位距離当たりの燃料消費量〕で求める機能を有することを特徴とする燃料消費量評価システム。
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