JP4766382B2 - 画像評価装置、画像評価方法及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1は、上記2種類のヒストグラムの差分の絶対値和を検証する方法を開示する。
また、特許文献2は、上記2種類のヒストグラムの最頻値の違いを検証する方法を開示する。
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像評価装置は、入力された画像データを既定サイズの画像ブロックに分割する画像分割手段と、前記画像分割手段により分割された画像ブロック毎に、画像ブロックに含まれる画素値を代表する代表値を算出する代表値算出手段と、前記代表値算出手段により算出された各画像ブロックの代表値の分布位置に基づいて、量子化間隔を判定する量子化判定手段とを有する。
また、本発明にかかる画像評価方法は、入力された画像データを既定サイズの画像ブロックに分割し、分割された画像ブロック毎に、画像ブロックに含まれる画素値を代表する代表値を算出し、算出された各画像ブロックの代表値の分布位置に基づいて、量子化間隔を判定する。
また、本発明にかかるプログラムは、入力された画像データを既定サイズの画像ブロックに分割するステップと、分割された画像ブロック毎に、画像ブロックに含まれる画素値を代表する代表値を算出するステップと、算出された各画像ブロックの代表値の分布位置に基づいて、量子化間隔を判定するステップとをコンピュータに実行させる。
画像データに対する圧縮度合い(圧縮率、量子化間隔など)によって、復号化された画像データで生ずる画質劣化の度合いが異なる。したがって、このような画質劣化を補正する画像処理は、圧縮度合いによって切り替えることが望ましい。
また、たとえ符号データから符号化パラメータが得られたとしても、画像データに対して符号化処理が複数回施されている場合には、この符号化パラメータは、直近の符号化処理における圧縮度合いを示すのみであり、複数の符号化処理で蓄積した画質劣化に相当する圧縮度合いを示すものではない。
例えば、特許文献1及び特許文献2は、ブロックの境界部にある画素の差分値のヒストグラムと、ブロック境界部以外の領域の隣接画素の差分値のヒストグラムを取得し、これら二種類のヒストグラムの差を検証する方式を提案する。
これらの方式は、二種類の差分値のヒストグラムを画像全体に渡って取得し、ニ種類のヒストグラムの差が大きな場合には、ブロック歪が大きいと判断するものである。すなわち、「隣接画素間がブロック境界でない場合の隣接画素の差分値」をバックグラウンド信号として考えて、注目信号である「隣接画素間がブロック境界である場合の隣接画素の差分値」とバックグラウンド信号との差が有意であるかどうかを見ていることになる。
画像全体に渡って取得したニ種類のヒストグラム間の違いが小さいと、ブロック歪量を良好に検出できなくなる。特に、画像の一部で乱雑な部分が存在している場合、その乱雑な部分にブロック歪が紛れてしまい、ヒストグラムの違いが小さくなってしまう。
特に、本例では、JPEGなどの変換符号化方式で生成されるDC成分の量子化間隔が推定される。例えば、DCT変換後のDC成分の係数値は、復号画像の各8×8ブロックにおける平均画素値から推定することができる。ここで、8×8ブロックとは、主走査方向に8画素、かつ、副走査方向に8画素からなる正方形領域である。DC成分の係数値は、量子化された値をとるため、8×8ブロックの平均画素値も量子化された値を取るはずである。そこで、本例の画像処理装置2は、この8×8ブロックの平均画素値のヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムを見て、DC値(平均画素値)が量子化されて離散的な分布を有するか否かを判断する。DC値の量子化度(何画素値に1画素の割合で値が存在しているか)を検出して、そこからDC成分に対する量子化間隔を推定することができる。
ただし、DC変換係数値のビット幅と、画素値のビット幅は異なる。変換係数値のビット幅のほうが大きいため、8×8ブロックの平均値が量子化された飛び飛びの値を取るためには、DC成分の量子化間隔がある程度大きい必要がある。
まず、本実施形態における画像処理装置2のハードウェア構成を説明する。
図1は、本発明にかかる画像評価方法が適応される画像処理装置2のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。
図1に例示するように、画像処理装置2は、CPU202及びメモリ204などを含む制御装置20、通信装置22、HDD・CD装置などの記録装置24、並びに、LCD表示装置あるいはCRT表示装置及びキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)26から構成される。
画像処理装置2は、例えば、プリンタ装置10の内部に設けられており、通信装置22又は記録装置24などを介して画像データを取得し、取得された画像データから符号化処理による画質劣化を補正する。
図2は、制御装置20(図3)により実行される画像処理プログラム5の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、画像処理プログラム5は、本発明にかかる画像評価方法を実現する画像評価ユニット500と、画像評価ユニット500による評価結果に基づいて画像データを補正する画像補正ユニット600とを有する。
また、画像評価ユニット500は、色変換部510、画像分割部520、代表値算出部530、及び量子化判定部540を含む。
本例では、RGBのカラー画像が入力される場合を説明する。したがって、本例の色変換部510は、入力された画像データ(RGB)に基づいて、YCbCr色空間のY成分の画像データを生成する。具体的には、色変換部510は、以下の式によりY成分を算出する。
Y=0.299R + 0.587G + 0.114B
これにより、Y成分に対する量子化間隔の推定が可能になる。JPEG方式の場合、Y成分に対する量子化間隔の推定が好適である。
なお、単一色の画像データが入力された場合には、色変換部510は、入力された画像データをそのまま画像分割部520に出力する。
本例の画像分割部520は、入力されたY成分の画像データを、8×8サイズの画像ブロックに分割する。
本例の代表値算出部530は、入力される各画像ブロックについて、平均画素値を算出する。
本例の量子化判定部540は、代表値算出部530から入力された代表値のヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムのピークを検出し、検出されたピークの間隔に基づいて、量子化間隔を推定する。
なお、本例の量子化判定部540は、最終的に量子化間隔の推定値Qを求めるが、画質を判定するだけであれば、Qを求める必要性はなく、例えば、このQ値を求める途中の値を画質の評価値としてもよい。
本例の画像補正ユニット600は、量子化判定部540により算出された量子化間隔に基づいて、ブロックノイズを除去するためのフィルタ特性を切り替える。
図3に例示するように、量子化判定部540は、画素値頻度処理部542、間隔頻度処理部544及び量子化間隔推定部546を含む。
量子化判定部540において、画素値頻度処理部542は、代表値算出部530から入力された代表値(以下、平均画素値)のヒストグラム(平均画素値の頻度分布)を作成し、平均画素値のヒストグラムの中から、頻度数が特に突出している位置(ピーク位置)を検出し、検出されたピーク位置(画素値)を間隔頻度処理部544に出力する。
次に、画像処理装置2(画像処理プログラム5)の全体動作を説明する。
図4は、画像処理プログラム5(図2)による画像処理(S10)のフローチャートである。
図4に示すように、ステップ100(S100)において、色変換部510(図2)は、画像データが入力されると、入力された画像データ(RGB)に基づいて、量子化処理で用いられた色空間(YCbCr)における特定の色成分(Y成分)の画像データを生成し、生成された画像データを画像分割部520に出力する。
量子化判定部540は、算出されたピーク間隔についてヒストグラムを作成する。
[平均画素値のヒストグラム作成]
まず、S115(図4)の処理を説明する。量子化判定部540(画素値頻度処理部542)は、平均画素値のヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムを平均画素値の全数で正規化する。正規化された平均画素値のヒストグラムをH(I)と表す。
次に、S120(図4)の処理を説明する。画素値頻度処理部542は、正規化されたヒストグラムH(I)からピーク値を検出する。
具体的には、予め用意された2つの閾値TH1、TH2を用いて、以下の基準によりピーク値を検出する。各値Iに対して、
H(I)>TH1、かつ、H(I-1)/H(I)<TH2、かつ、H(I+1)/H(I)<TH2
となるピーク位置が検出される。
ピーク位置として検出された位置をP(I)=1とし、ピーク位置以外の位置をP(I)=0とする。
図5(A)に例示するように、左右の頻度値よりも明らかに大きな頻度値を持つ平均画素値がピーク値として判定される。
「明らかに」大きいか否かは、閾値TH2を用いて判定する。すなわち、
H(I-1)/H(I)<TH2、かつ、H(I+1)/H(I)<TH2・・・(条件1)
の条件が成り立つとき、明らかに大きいと判定される。
そこで、頻度の絶対値の大小に関しては、閾値TH1を用いて判定する。すなわち、
H(I)>TH1・・・(条件2)
の条件が成り立つとき、頻度の絶対値が大きいと判定して、条件1の判定を行う。条件2が成り立たないときは、強制的にP(I)=0とする。
次に、S130(図4)の処理を説明する。
図6は、S120において検出されたピーク位置P(I)を例示する図である。
間隔頻度処理部544は、隣り合うピーク間の距離を算出する。例えば、図6に例示するように、P(I)=1である各ピーク値と、その隣のP(I)=1であるピーク値との差分がピークの間隔である。このグラフの横軸は平均画素値であるため、算出されるピーク間隔は、画素値の単位となる。
間隔頻度処理部544は、このように算出されたピーク間隔(平均画素値)について、ヒストグラムを作成する。
次に、S145(図4)の処理を説明する。
量子化間隔推定部546は、まず、S130において作成されたピーク間隔のヒストグラムを正規化する。具体的には、H(I)>TH3となるブロック平均値Iの数Nを用いて、ピーク間隔のヒストグラムを正規化する。
さらに、正規化されたピーク間隔のヒストグラムK(Y)の中から、最大値MaxKと、K(Y)が最大となるときの値MaxYを求める。
次に、量子化間隔推定部546は、正規化されたヒストグラムにおける最大頻度値K(Y)が既定の閾値TH4を超える場合に、このピーク値の周期性が存在していると判断し、このピーク値K(Y)に対応する間隔MaxYに基づいて、DC成分に対する量子化間隔Qを算出する。具体的には、以下の式による。
Q=MaxY×8
上記K(Y)は、ピーク間隔のヒストグラムであるため、MaxYは、最も頻度の高いピーク間隔であるということができる。つまり、画像ブロックの平均画素値は、MaxYの間隔で飛び飛びの値(量子化された値)を持つということが分かる。
そして、DCT係数は、11ビットで表現されており、8ビットで表現されている画素値よりも見かけ上、8倍の値を持っている。そのため、推定量子化間隔Qは、画素値上の飛び飛び間隔MaxYを8倍して求めている。
入力画像は、0から255まで全ての画素値を取るとは限らない。一部の画素値範囲だけ多く存在している画像も多い。そのため、入力画像の存在範囲に応じて、飛び飛びの値の明確さを変更したほうがよりよいと考えられる。
そこで、閾値TH3は、入力画像内に存在する画素値の数を計測するために用いられる。ある程度の量の以上(すなわち、閾値TH3以上)存在している画素値Iに対してのみ、MaxKの値を評価すればよい。ここでは、K(Y)=k(Y)/Nの式で頻度分布を正規化することによって、入力画像内に存在する画素値の数が少ない場合には、MaxKの値が小さくても明確に飛び飛びの値が存在していると判断する。また、入力画像内に存在する画素値の数が多い場合には、MaxKの値が大きいときに明確に飛び飛びの値が存在していると判断する。上記正規化によって、このような判断を行うことが可能となる。
次に、実験結果を示す。
図7(A)は、画像Aについて作成された平均画素値のヒストグラムを例示し、図7(B)は、画像Bについて作成された平均画素値のヒストグラムを例示する。画像Aは、量子化間隔1でDC成分を量子化したものであり、画像Bは、量子化間隔15でDC成分を量子化したものである。
図7から分かるように、画像に対して施された量子化処理の量子化間隔によって、平均画素値の分布状況が大きくことなる。すなわち、画像Aのヒストグラムには、ほとんどピーク値の周期性が無いのに対し、画像Bのヒストグラムには1画素値ごとにピーク値が存在していることが分かる。
この周期性(分布状況)から、量子化間隔を推定することができる。
図8に例示するような場合には、閾値TH4を0.3から0.4程度に設定することによって、画像31〜33に関して、ピーク値の周期性が存在していると判断することができる。
その結果、画像1〜30については、ピーク値の周期性が存在しない。すなわち、量子化間隔が16よりもかなり小さな値であると判断される。
また、画像31〜33については、ピーク値の周期性が存在している。すなわち、画像31〜33のMaxY=2である。よって、画像31〜33の推定量子化間隔は16である。実際の量子化間隔は、15あるいは17であるため、良好な推定ができている。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
色変換部510は、より簡易な式により色変換を行ってもよい。例えば、以下の式によりY成分の画素値を算出してもよい。
Y=R/4 + G/2 + B/2
また、色変換部510は、RGB画像が入力された場合に、G成分そのものを抽出して、量子化間隔の推定に用いるようにしてもよい。
H(I)-H(I-1)>TH2、かつ、H(I)-H(I+1)>TH2・・・(条件1−1)
この条件1−1を条件1の代わりに用いる。
また、この条件1-1を用いる場合、条件2(H(I)>TH1)を不要としてもよい。
よって、MaxYの値が閾値TH5より大きな場合、推定ができなかったと判断するようにしてもよい。
しかしながら、MaxYの値が大きな時には、MaxKの値が小さくなってしまうことが問題である。例えば、1〜9までに、周期2でピークが存在しているとき(例えば、ピーク値が1、3、5、7、9に存在しているとき)、MaxK=5となる。
同じ範囲1〜9までに、周期3でピークが存在しているとき(例えば、ピーク値が1,4,7に存在しているとき)、MaxK=3となる。
つまり、MaxYが大きい値である場合に、MaxKの値が小さくなってしまう。
これを避けるため、閾値処理を
MaxK×MaxY>TH4
であるか否かを見るようにすればよい。
5・・・画像処理プログラム
500・・・画像評価ユニット
510・・・色変換部
520・・・画像分割部
530・・・代表値算出部
540・・・量子化判定部
542・・・画素値頻度処理部
544・・・間隔頻度処理部
546・・・量子化間隔推定部
600・・・画像補正ユニット
Claims (12)
- 入力された画像データを既定サイズの画像ブロックに分割する画像分割手段と、
前記画像分割手段により分割された画像ブロック毎に、画像ブロックに含まれる画素値を代表する代表値を算出する代表値算出手段と、
前記代表値算出手段により算出された各画像ブロックの代表値の分布位置に基づいて、前記入力された画像データに対する量子化処理に用いられる量子化間隔を判定する量子化判定手段と
を有する画像評価装置。 - 前記画像分割手段は、JPEG方式で復号化された画像データが入力された場合に、この画像データを、8×8サイズの画像ブロックに分割し、
前記代表値算出種段は、分割された画像ブロックの平均画素値を前記代表値として算出し、
前記量子化判定手段は、複数の画像ブロックについて算出された平均画素値の分布位置に基づいて、変換係数のDC成分に対する前記量子化間隔を判定する
請求項1に記載の画像評価装置。 - 前記量子化判定手段は、前記代表値算出手段により算出された代表値の頻度分布から複数のピーク値を選択し、選択された複数のピークの間隔に基づいて、前記量子化間隔を判定する
請求項1に記載の画像評価装置。 - 前記量子化判定手段は、選択された複数のピークの間隔について、頻度分布を作成し、作成されたピーク間隔の頻度分布に基づいて、前記量子化間隔を判定する
請求項3に記載の画像評価装置。 - 前記量子化判定手段は、作成されたピーク間隔の頻度分布において、少なくとも1つのピーク値が既定の閾値以上である場合にのみ、前記量子化間隔を算出する
請求項4に記載の画像評価装置。 - 前記量子化判定手段は、作成されたピーク間隔の頻度分布において、少なくとも1つのピーク値と、このピーク値に対応する間隔との積が既定の閾値以上である場合に、このピークに基づいて前記量子化間隔を算出する
請求項4に記載の画像評価装置。 - 複数の色成分からなるカラー画像データが入力された場合に、既定の色成分の画像データを生成する色変換手段
をさらに有し、
前記画像分割手段は、前記色変換手段により生成された既定の色成分の画像データを複数の画像ブロックに分割する
請求項1に記載の画像評価装置。 - 前記色変換手段は、量子化処理で用いられる色空間の既定の色成分の画像データを生成する
請求項7に記載の画像評価装置。 - 前記量子化判定手段は、既定の上限値以下となるピーク間隔を用いて、前記量子化間隔を算出する
請求項5又は6に記載の画像評価装置。 - 前記画像分割手段は、入力された画像データの一部のみを、複数の画像ブロックに分割し、
前記代表値算出手段は、一部の画像データから分割された画像ブロックについて、代表値を算出する
請求項1に記載の画像評価装置。 - 入力された画像データを既定サイズの画像ブロックに分割し、
分割された画像ブロック毎に、画像ブロックに含まれる画素値を代表する代表値を算出し、
算出された各画像ブロックの代表値の分布位置に基づいて、前記入力された画像データに対する量子化処理に用いられる量子化間隔を判定する
画像評価方法。 - 入力された画像データを既定サイズの画像ブロックに分割するステップと、
分割された画像ブロック毎に、画像ブロックに含まれる画素値を代表する代表値を算出するステップと、
算出された各画像ブロックの代表値の分布位置に基づいて、前記入力された画像データに対する量子化処理に用いられる量子化間隔を判定するステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
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