JP4763147B2 - ボトル結束具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の合成樹脂製ボトルを一体に結束して持ち運び容易とするボトル結束具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平10−147366号公報に見られるように、複数のPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル入り飲料を持ち運び容易とするためのボトル結束具が知られている。この種のボトル結束具は、ボトルの頸部を挿通支持する板状の保持部と、該保持部に設けられた手提げハンドルとを備えている。該保持部は、ボトルの頸部を挿通する複数の挿通穴と、各挿通穴の内周縁部に放射状に形成された複数の切れ目とを備えている。該挿通穴は切れ目が開いてボトルの頸部が挿通され、ボトルの頸部に設けられた鍔状部の下方で切れ目が閉じることによってボトルを取外し自在に支承する。
【0003】
しかし、鍔状部の下方で切れ目が閉じるためには、比較的強い復元弾性が必要となるために、保持部の材料にポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂製板材を採用する必要があり、ボトル結束具の廃棄や焼却が困難となる不都合がある。
【0004】
そこで、焼却や焼却が容易な板紙を材料として前記保持部を形成することが考えられるが、飲料が収納されて比較的重量の大きい複数のPETボトルを保持するだけの強度を得ることが難しい不都合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本発明は、板紙を材料として十分な強度を得ることができる構造のボトル結束具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の合成樹脂製ボトルの胴部をその外側から結束する板紙を筒状に形成してなる胴部結束部と、該胴部結束部に連設され、該胴部結束部により結束された各ボトルの頸部を一体に保持する板紙によって形成された頸部保持部とを備えるボトル結束具である。そして、前記目的を達成するために、該頸部保持部は、略矩形状の第1基板部と、該第1基板部の所定位置に貫通して形成されて、各ボトルの頸部を各別に挿通自在の複数の第1挿通穴と、各第1挿通穴の内周縁に沿って所定間隔を存して配設され、該第1挿通穴に挿通された前記ボトルの頸部の側壁に沿って上方に折れ曲がって該ボトルの頸部の外周に突設された鍔状部に係止する複数の第1係止片とを備える。また、前記第1基板部の下面に重合された第2基板部と、該第2基板部に形成されて前記各第1挿通穴に合致する複数の第2挿通穴と、各第2挿通穴の内周縁に沿って各第1係止片間の間隔位置に対応して配設されると共に、該第2挿通穴に挿通された前記ボトルの前記鍔状部に係止する複数の第2係止片とを備え、前記第1基板部は、前記胴部結束部の上縁の一部から上方に向かって延設された単一の連結板に折目線を介して一体に連設され、該折目線を介して水平に折り曲げられ、前記第2基板部は、前記第1基板部の先端縁に折目線を介して一体に連設され、該折目線を介して折り返されて前記第1基板部の下面に重合されていることを特徴とする。
【0007】
本発明のボトル結束具は、板紙によって形成されていることにより廃棄や焼却を容易に行なうことができる。また、前記頸部保持部は一対の基板部を重ね合わせた構成とされているので、板紙で形成されていても内容物が収容された合成樹脂製ボトルを支持するための十分な強度を得ることができる。更に、前記第1係止片と前記第2係止片とはボトルの頸部の側壁に沿って上方に折れ曲がった状態でその頂部が鍔状部に突き当たって係止するので、板紙で形成されていても確実にボトルの頸部を保持することができる。
【0008】
しかも、前記第1基板部及び前記第2基板部の夫々に前記第1係止片及び前記第2係止片を設けて、第1係止片間の間隙に第2係止片が位置するので、ボトルの鍔状部に対して略全周に亘って第1係止片及び第2係止片を当接させることができ、該鍔状部を強固に係止することができる。
また、本発明の構成では、まず、結束するボトルを整列させてその上方から胴部結束部を外装させ、第2基板部を第1基板部の下面側に折り返し重合させた頸部保持部を連結板の折目線を介して水平に折り曲げつつ、第1挿通穴と第2挿通穴とにボトル頸部を挿通させる。このように、互いに重合する第1基板部と第2基板部とからなる頸部保持部が胴部結束部の一部に連結板を介して一体に連結されていることにより、ボトルを結束するときに第1挿通穴と第2挿通穴とにボトル頸部を挿通させる作業が一挙動で行なえ、ボトルの結束作業を迅速に行なうことができる。
【0009】
更に、本発明において、各第2係止片は、各第1係止片と共に前記ボトルの頸部の側壁に沿って上方に折れ曲がったとき、各第1係止片の頂部と同一円周線上に各第2係止片の頂部が位置する長さに形成されていることを特徴とする。
【0010】
これにより、第1係止片と第2係止片とが、ボトルの頸部の側壁に沿って上方に折れ曲がったときに全ての係止片の頂部が同一円周線上に位置するので、ボトルの鍔状部に対して略全周に亘って第1係止片及び第2係止片を均等に当接させることができ、該鍔状部を一層強固に係止することができる。
【0011】
このとき、前記第1係止片と前記第2係止片とは一部が互いに重合して設けられていることを特徴とする。これにより、ボトルの鍔状部に互いに隣接して当接する第1係止片と第2係止片との隙間を小とすることができ、鍔状部への係止強度を一層向上させることができる。
【0012】
また、前記第1係止片は、各第1挿通穴の直径方向に互いに対向して一対ずつ設けられ、前記第2係止片は、各第1挿通穴に設けられた両第1係止片の間の間隔位置に対応して各第2挿通穴の直径方向に互いに対向して一対ずつ設けられていることを特徴とする。これにより、個々の第1係止片及び第2係止片の形状を比較的大として強度を向上させることができ、鍔状部への係止強度を一層向上させることができる。
【0013】
また、本発明における頸部保持部の態様の一つとして、前記第1基板部は、前記胴部結束部の上縁の一部から上方に向かって延設された連結板に折目線を介して一体に連設され、該折目線を介して水平に折り曲げられ、前記第2基板部は、前記第1基板部の先端縁に折目線を介して一体に連設され、該折目線を介して折り返されて前記第1基板部の下面に重合されていることが挙げられる。
【0017】
また、本発明において、前記連結板は手指を挿入して前記頸部保持部を把持可能とする把持穴部が形成されていることが好ましい。これにより、前記頸部保持部を把持する際に該把持穴部に手指を挿入することで持ち運びを容易とすることができる。
【0018】
また、本発明においては、前記第1基板部及び前記第2基板部の外側縁から前記第1挿通穴及び前記第2挿通穴に向かって引き裂くことにより頸部保持部における頸部の保持を解除自在とする引き裂き案内用の切り込みが、前記第1基板部及び前記第2基板部の外側縁に設けられていることが好ましい。これにより、引き裂き案内用の切り込みを介して前記第1基板部及び前記第2基板部を容易に引き裂くことができ、ボトルの結束を解除するときに、前記第1挿通穴及び前記第2挿通穴を切り開いて頸部保持部における頸部の保持を極めて容易に解除することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のボトル結束具の使用状態を示す説明的斜視図、図2は本実施形態のボトル結束具の展開図、図3は頸部保持部の平面図、図4は要部の断面説明図、図5は引き裂き案内用の切り込みの作用を示す説明図である
【0020】
本実施形態のボトル結束具1は、図1に示すように、2本の飲料入りPETボトルaの胴部bを結束する筒状の胴部結束部2と、ボトルaの頸部cを一体に保持する頸部保持部3とを備えている。
【0021】
該ボトル結束具1は、図2に展開して示すように、一枚の板紙を所定形状に打ち抜くことによって形成されている。前記胴部結束部2は図2示の展開状態では帯板状に形成されており、その両端部の接着部4を互いに接着することによって筒状に形成される。また、該胴部結束部2の一部の上縁には連結板5が折目線6を介して連設されている。該連結板5の先端縁には、折目線7を介して第1基板部8が連設されている。更に、該第1基板部8の先端縁には折目線9を介して第2基板部10が連設されている。該第2基板部10は折目線9を介して折り返され、第1基板部8の下面側に重合されることによって図1示のように前記頸部保持部3を形成する。
【0022】
また、図2に示すように、前記第1基板部8には、ボトルaの頸部c(図1参照)が挿通される第1挿通穴11が形成されている。該第1挿通穴11には所定間隔を存して該第1挿通穴11の内周縁に沿って配設された複数の第1係止片12が形成されている。各第1係止片12は折目線13を介して起立自在とされている。同じように、前記第2基板部10には、前記第1挿通穴11と略同径の第2挿通穴14が形成されている。該第2挿通穴14には所定間隔を存して該第2挿通穴14の内周縁に沿って配設された複数の第2係止片15が形成されている。各第2係止片15は折目線16を介して起立自在とされている。各第1係止片12及び各第2係止片15は、図1に示すように、ボトルaの頸部cに突出する鍔状部dに係止される。
【0023】
そして、第1基板部8の下面側に第2基板部10を重合させたとき、図3に示すように、各第2係止片15は各第1係止片12の間隔位置に一部重合して位置するように設けられている。更に、各第2係止片15は各第1係止片12よりも長い寸法に形成されている。各第2係止片15の長さは板紙の厚み寸法を考慮して定められている。即ち、各第1係止片12と共に各第2係止片15が起立したとき、各第2係止片15が各第1係止片12の下側から折り曲げられることによって板紙の厚み寸法のぶん短くなることを考慮し、各第2係止片15を各第1係止片12よりも長い寸法に設けることによって、各第1係止片12と共に各第2係止片15が起立したときに、図4に示すように、各第1係止片12の頂部と、各第2係止片15の頂部とを同一円周線上に位置させることができる。これによって、ボトルaの鍔状部dに各第1係止片12の頂部と各第2係止片15の頂部とを均一に当接させることができ、ボトルaの頸部cを強固に保持することができる。
【0024】
また、図2及び図3に示すように、第1基板部8と第2基板部10との両側縁部には突起17が設けられており、該突起17の基端部には切り込み18が形成されている。該切り込み18を設けたことによって、図5に示すように、突起17を把持して引っ張るだけで頸部保持部3を引き裂いて第1挿通穴11及び第2挿通穴14を開放させることができる。これにより、該頸部保持部3に強固に保持されたボトルaの頸部cを該頸部保持部3から極めて容易に取り外すことができる。更に、図1及び図2に示すように、前記連結板5の一部には貫通された把持穴部19が形成されている。該把持穴部19に手指を挿入して、図1のように結束されたボトルaをつり提げることができ、持ち運びを容易とすることができる。また、ボトル結束具1が紙製であることによって廃棄及び焼却が容易に行なえる。
【0028】
なお、本発明においては、本実施形態に示す第1係止片12及び第2係止片15の形状に限るものではない。例えば、図9に示す形状としてもよい。即ち、図9(a)に示すように、第1挿通穴11の内周縁には、該第1挿通穴11の直径方向に対向する一対の第1係止片21が形成されている。両第1係止片21は折目線22を介して起立自在とされている。同じように、図9(b)に示すように、第2挿通穴14には、該第2挿通穴14の直径方向に対向する一対の第2係止片23が形成されている。両第2係止片23は折目線24を介して起立自在とされている。そして、第1基板部8の下面側に第2基板部10を重合させたときには、図9(c)に示すように、各第2係止片23は各第1係止片21の間隔に位置するように設けられている。
【0029】
このように、第1係止片21及び第2係止片23を一対ずつ設けることによって第1係止片21及び第2係止片23の形状を比較的大とすることができ、ボトルaの頸部cを強固に保持することができる。
【0030】
また、本実施形態においては、2本のボトルaを結束するボトル結束具1,20を示したが、更に多くのボトルaを結束する場合には、図示しないが、前記胴部結束部2の内径寸法をボトルaの数量に合わせて大径とし、前記第1係止片12及び第2係止片15を備える第1挿通穴11及び第2挿通穴14の数を増加させるだけでボトルaの数量に容易に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のボトル結束具の使用状態を示す説明的斜視図。
【図2】本実施形態のボトル結束具の展開図。
【図3】頸部保持部の平面図。
【図4】要部の断面説明図。
【図5】引き裂き案内用の切り込みの作用を示す説明図。
【図6】他の頸部保持部の平面図。
【符号の説明】
a…合成樹脂製ボトル(PETボトル)、b…胴部、c…頸部、d…鍔状部、1,20…ボトル結束具、2…胴部結束部、3…頸部保持部、5…連結板、8…第1基板部、10…第2基板部、11…第1挿通穴、12,21…第1係止片、14…第2挿通穴、15,23…第2係止片、18…切り込み、19…把持穴部。

Claims (6)

  1. 複数の合成樹脂製ボトルの胴部をその外側から結束する板紙を筒状に形成してなる胴部結束部と、該胴部結束部に連設され、該胴部結束部により結束された各ボトルの頸部を一体に保持する板紙によって形成された頸部保持部とを備えるボトル結束具であって、
    該頸部保持部は、略矩形状の第1基板部と、該第1基板部の所定位置に貫通して形成されて、各ボトルの頸部を各別に挿通自在の複数の第1挿通穴と、各第1挿通穴の内周縁に沿って所定間隔を存して配設され、該第1挿通穴に挿通された前記ボトルの頸部の側壁に沿って上方に折れ曲がって該ボトルの頸部の外周に突設された鍔状部に係止する複数の第1係止片と、前記第1基板部の下面に重合された第2基板部と、該第2基板部に形成されて前記各第1挿通穴に合致する複数の第2挿通穴と、各第2挿通穴の内周縁に沿って各第1係止片間の間隔位置に対応して配設されると共に、該第2挿通穴に挿通された前記ボトルの前記鍔状部に係止する複数の第2係止片とを備え
    前記第1基板部は、前記胴部結束部の上縁の一部から上方に向かって延設された単一の連結板に折目線を介して一体に連設され、該折目線を介して水平に折り曲げられ、
    前記第2基板部は、前記第1基板部の先端縁に折目線を介して一体に連設され、該折目線を介して折り返されて前記第1基板部の下面に重合されていることを特徴とするボトル結束具。
  2. 各第2係止片は、各第1係止片と共に前記ボトルの頸部の側壁に沿って上方に折れ曲がったとき、各第1係止片の頂部と同一円周線上に各第2係止片の頂部が位置する長さに形成されていることを特徴とする請求項1記載のボトル結束具。
  3. 前記第1係止片と前記第2係止片とは一部が互いに重合して設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のボトル結束具。
  4. 前記第1係止片は、各第1挿通穴の直径方向に互いに対向して一対ずつ設けられ、前記第2係止片は、各第1挿通穴に設けられた両第1係止片の間の間隔位置に対応して各第2挿通穴の直径方向に互いに対向して一対ずつ設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のボトル結束具。
  5. 前記連結板は手指を挿入して前記頸部保持部を把持可能とする把持穴部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のボトル結束具。
  6. 前記第1基板部及び前記第2基板部の外側縁から前記第1挿通穴及び前記第2挿通穴に向かって引き裂くことにより頸部保持部における頸部の保持を解除自在とする引き裂き案内用の切り込みが、前記第1基板部及び前記第2基板部の外側縁に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のボトル結束具。
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