以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、実施形態に係る弾球遊技機1の正面図であり、図2は、弾球遊技機1の背面図である。
弾球遊技機1は、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つ弾球遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる枠基体3と、該枠基体3の前面上部に開閉自在に設けられるガラス板保持枠4と、から構成されている。枠基体3に設けられる主要構成部としては、ガラス板保持枠4、遊技盤40、上皿12、灰皿21を含む下皿18、操作ハンドル22、機構板50、打球発射装置71がある。また、図示の実施形態では、弾球遊技機1の側方に遊技者に遊技玉を貸し出すためのユニット装置としてのカードユニット装置30が付設されている。
ガラス板保持枠4には、後述する遊技盤40の遊技領域をほぼ透視し得る円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面からガラス板が装着されている。また、ガラス板保持枠4には、円形透視窓5の外周に沿って、その上部に装飾LED7が、その左右両側方に装飾蛍光灯6a・6bが設けられている。この装飾LED7や装飾蛍光灯6a・6bは、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げるものである。また、ガラス板保持枠4の軸支側上部には、払い出すべく景品玉が不足したことを報知する玉切れLED8や、入賞玉の発生に基づいて所定個数の景品玉が払い出されたことを報知する払出LED9が設けられ、更に、ガラス板保持枠4の上部左右に遊技の進行に応じた効果音を発生するスピーカ10a・10bが設けられている。なお、上記した構成のうち、装飾LED7や玉切れLED8及び払出LED9は、複数のLEDがプリント配線基板上に実装されるように構成されるものであるが、このプリント配線基板を金属ベースプリント配線基板で構成することにより、LEDから発生される熱の放熱効果を高めることができる。
次に、ガラス板保持枠4の下部で開閉自在に取り付けられる上皿12の構成について説明すると、上皿12は、合成樹脂製の上皿開閉板11の表面に複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿開閉板11には、その開放側の上端に玉抜き操作レバー16が設けられている。この玉抜き操作レバー16は、左右方向に移動可能に設けられ、図示しないスプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿12に貯留されていた玉を上皿開閉板11の裏面に形成される玉抜き路(図示しない)を流下させて下皿18に誘導するものである。また、上皿12には、その内部に圧電ブザー17が内蔵されている。この圧電ブザー17は、遊技玉の貸出異常が生じたとき(例えば、ピッ、ピッ、ピッという連続音)、あるいは遊技玉の貸出時(例えば、100円相当の遊技玉が払い出される毎にピーという音)に、その旨を報知する報知音が発生されるものである。
上記した上皿12について、さらに詳細に説明すると、上皿12は、その上流側に形成される賞球払出口14とその下流側に形成される打球供給口15とを連絡するように貯留整列路13が形成されており、その貯留整列路13の中程底面裏面に上皿玉検出器(図示しない)が設けられている。この上皿玉検出器は、上皿12に残留する打玉を検出するものである。また、上皿12には、弾球遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置30を介して遊技玉を借り受ける際に操作する操作部が設けられている。なお、この操作部は、玉貸スイッチ、返却スイッチ、自動玉貸スイッチ、度数表示LED、及び自動玉貸表示LED(共に図示しない)から構成されている。玉貸スイッチは、カードユニット装置30によって遊技玉を借り受ける際に操作するものである。返却スイッチは、遊技終了の際にカードユニット装置30のカード挿入口33に差し込まれたカードを返却するためのものである。度数表示LEDは、カードユニット装置30のカード挿入口33に差し込まれたカードの残額が表示されるものである。また、自動玉貸スイッチは、借り受けるべき遊技玉を前記玉貸スイッチを操作して行うマニュアルモードと、上皿12の打玉の残量が前記上皿玉検出器によって検出されなくなったときに自動的に遊技玉を払い出す自動モードと、のいずれかのモードに設定するものであり、自動モータが選択設定されているときには、自動玉貸表示LEDが点灯している。
しかして、後述する遊技盤40の遊技内容において大当り遊技状態が発生すると、短時間に多量の入賞玉を獲得するチャンスがある。このように大当り遊技状態という遊技者にとって極めて大きなチャンスは、上皿12の残留玉がほとんどなくなった時点で発生する場合もあり、このような場合、続けて打玉を発射させて打玉を可変入賞球装置42の特定入賞領域に入賞させる必要があるにも拘らず、打玉が上皿12に残存しないので、慌てて玉貸スイッチを操作して遊技玉を借り受けなければならない。しかし、玉貸スイッチを操作してから遊技玉が払い出され、しかもその玉が発射されて可変入賞球装置42の特定入賞領域に到達するまでに多少の時間がかかるため、その時間の間に有利なチャンス(継続権の成立)を逃してしまうという不都合があるが、本実施形態においては、自動玉貸スイッチを自動モードに設定しておけば、上皿玉検出器が打玉の不存在を検出した時点で自動的に遊技玉を上皿12に払い出すので、上記したような不都合は生じない。なお、上皿12として上記した制御を行わないならば、上皿玉検出器及び自動玉貸スイッチを省略したものでも良い。
また、枠基体3の下部に取り付けられる下皿18は、前記上皿12から溢れた賞球であって余剰玉通路(図示しない)を介して余剰玉払出口19から排出される余剰の賞球を貯留するものであり、その下皿18の前面壁には、玉抜き操作レバー20がスライド可能に取り付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー20を操作することにより、下皿18に貯留されていた賞球を下方に玉抜きして持ち運び可能な玉箱に移し替えることができる。また、下皿の左側には、灰皿21が設けられ、右側には、操作ハンドル22が設けられている。操作ハンドル22は、後述する打球発射装置71の発射装置モータ72の駆動を開始せしめるメインスイッチ及びタッチアンテナ(共に図示しない)を内蔵していると共に、弾発力を調節するものである。
弾球遊技機1の正面構造は、概ね上記した通りであるが、図示の実施形態では、弾球遊技機1にカードユニット装置30が隣接されている。このカードユニット装置30は、前記上皿12の上面に設けられる前述した操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置30は、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器31と、当該カードユニット装置30がいずれの側の弾球遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器32と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード投入口33とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置30は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、上皿12に設けられる玉貸スイッチ、返却スイッチ、及び度数表示LEDや、後述する制御基板ボックス64内に収納された賞球払出制御基板63と接続されている。なお、カードユニット装置30を弾球遊技機1に内蔵しても良い。なお、本実施形態においては、遊技者に遊技玉を貸し出すためのユニット装置としてカードユニット装置30を例示したが、例えば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
次に、遊技盤40の正面構造について説明すると、遊技盤40は、前記枠基体3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠(図示しない)に収納固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成され、その表面には、円形うず巻き状に誘導レール(図示しない)が取り付けられ、該誘導レールの内側が遊技領域とされて発射された打玉が落下するものである。遊技領域には、図示の場合、ドラム状可変表示装置41や可変入賞球装置42やドラム状可変表示装置41の可変表示を許容する始動入賞口43が設けられると共に、単に打玉を入賞とする入賞口44・45、打玉の流下方向及び速度を変化せしめる風車又は多数の障害釘が設けられ、また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打玉が取り込まれるアウト口46が設けられている。
一方、弾球遊技機1の裏面側には、図2に示すように、機構板50が開閉自在に設けられている。機構板50の中央には窓開口51が開設され、該窓開口51からは、前記遊技盤40の裏面に取り付けられた入賞玉集合カバー体52が貫通されている。入賞玉集合カバー体52には、中継基板53と、ドラム表示制御回路基板54を備えた前記ドラム状可変表示装置41と、が設けられている。なお、各基板53・54は、相互間で接続されている。また、中継基板53には、遊技盤40上の各種電気部品が接続されると共に、後述する遊技制御回路基板61が接続されている。一方、ドラム表示制御回路基板54には、前記可変表示装置41を構成する各種電気部品(ドラムモータ、ドラムランプ、ドラムセンサ等)が接続されると共に、遊技制御回路基板61が接続されている。
また、前記機構板50には、発生した入賞玉に基づいて所定個数の賞球を払い出す玉タンク55と、賞球払出装置56と、玉タンク55内の玉を賞球払出装置56に送る玉整列レール57、カーブ樋58、及び通路体59と、玉止め部材60a及び入賞玉排出ソレノイド60bを備えた入賞玉処理装置60と、遊技制御回路基板61を収納した回路基板ボックス62と、賞球払出制御基板63を収納した制御基板ボックス64と、ユニット中継基板65を収納した中継基板ボックス66と、ターミナル基板67を収納したターミナル基板ボックス68と、が設けられている。遊技制御回路基板61は、CPU、RAM、及びROMを備えてドラム式可変表示装置41や可変入賞球装置42等の遊技装置の遊技動作を制御するものである。賞球払出制御基板63は、賞球払出装置56の動作を制御するものである。ユニット中継基板65は、弾球遊技機1とカードユニット装置30との配線を中継するものである。ターミナル基板67は、遊技制御回路基板61に電源を供給するものである。また、弾球遊技機1の裏面には、上記した機構板50以外の領域に、装飾制御基板69を収納した制御基板ボックス70と、発射装置モータ72を備えた打球発射装置71とが設けられている。装飾制御基板69は、遊技制御回路基板61からの指令又はデータに基づいて弾球遊技機1の前面に設けられる電気的装飾部品(ランプ等)の動作を制御するものである。
なお、上記した各種基板及び装置には、所定の配線を接続するためのコネクタが設けられており、特に、ターミナル基板ボックス68に収納されるターミナル基板67は、遊技制御回路基板61に電源を供給するだけでなく、弾球遊技機1に設けられる各種電気的装置、例えば、上記した各基板及び打球発射装置71にも電源を供給すると共に、弾球遊技機1の内部での信号線の中継、あるいは弾球遊技機1と外部との信号線の中継を行うための端子も設けられている。
次に、各種制御用の回路基板を収納してなる基板ボックスの構成について回路基板ボックス62を例に挙げて説明する。回路基板ボックス62は、図3に示すように、前記遊技制御回路基板61を内部に収納する蓋体80及びボックス本体110の組付体からなり、この組付体が取付台150を介して前記機構板50に取り付けられて構成される。先ず、ボックス62内に収納される遊技制御回路基板61について図6を参照して説明する。回路基板61は、図6に示すように、長方形状のプリント配線基板によって構成されており、その上面の大部分はROM等の電子部品73を実装する電子部品実装領域74として形成される一方、幅方向一側の領域がコネクタ75を実装するコネクタ実装領域76として形成されている。また、回路基板61には、幅方向一側の両端に止め穴77(図6中には、一側の止め穴77のみを図示)が穿設される一方、幅方向他側の両端には係合穴78が穿設されている。なお、回路基板61の上面及び下面における止め穴77の外周には、メッキ部(図示しない)が設けられている。このメッキ部は、回路基板61を後述の本体枠116にビス119止めする際、回路基板61のグランドライン61aと本体枠116とを導通させるためのものであり、ボックス62内で発生する静電気から回路基板61を保護するようになっている。
蓋体80は、図4に示すように、透視性を有する上板81と、金属製の蓋枠93と、透視性及び導電性を有する導電板100と、を備えている。上板81は、透明合成樹脂の長方形板からなり、その下面側の外周端部には、所定間隔を置いて複数の溶着突起82が突設されている。また、上板81の幅方向一側の両端側には、それぞれ複数(実施形態中では、3つ)の取付片部83a〜83cが並設されている。取付片部83a〜83cは、各々、上板81の側壁を構成する部分と、上板81の上壁を構成する部分と、を有した断面L字状をなし、上板81の側壁構成部分においては、各取付片部83a〜83c間を連結する連結部84a〜84cが一体成形され、上板81の上壁構成部分においては、上板81と各取付片部83a〜83cを個々に連結する連結部85a〜85cが一体成形されている。なお、各取付片部83a〜83c間には、スリット状の溝が形成されており、連結部84a〜84c・85a〜85cは、取付片部83a〜83cの外壁面から突出した状態で設けられている(図8参照)。また、取付片部83a〜83cの上壁構成部分には、それぞれ取付穴86a〜86cが穿設されており、取付片部83cの隣接部分となる上板81の上壁には、取付穴86dが穿設されている。また、上板81の上面には、凹部90・92が形成されており、凹部90には、弾球遊技機1の機種名を記した機種名シール84が貼着され、凹部92には、回路基板61を検査した際に書き込む「検査者」「検査日」の各項目を記した検査履歴シール91が貼着されている。
なお、上記した各取付穴86a〜86dの上方部分は、ボックス本体110との組み付け状態で組み付け用のビス(ワンウェイネジ140)を蓋枠93の外壁面に入り込ませるような凹形状をなしている(図8(A)参照)。このため、ビスの頭部を切断してビス止めを解除する不正行為が防止できる。また、各連結部84a〜84c・85a〜85cには、それぞれ回路基板ボックス62の開放手順を示唆するための刻印「1〜3」が施されている(連結部85a〜85cに施された刻印「1〜3」のみを図7に図示)。具体的には、取付片部83aに対応する連結部84a・85aには「1」の刻印が施され、取付片部83bに対応する連結部84b・85bには「2」の刻印が施され、取付片部83cに対応する連結部84c・85cには「3」の刻印が施されている。
蓋枠93は、上面に開口部94を有し、該開口部94以外となる残りの上面領域には、上板81側の複数の溶着突起82を個々に挿通する挿通穴95が複数穿設され、幅方向一側の中央部には、ビス104によって取付穴88と共締めされる取付穴96が穿設されている。また、蓋枠93の外周縁部には、全周に亘って側壁が垂下形状されている。蓋枠93の幅方向の一側壁は、ボックス本体110との組み付け状態で後述する取付片130の先端部分と当接する当接壁97として形成されている(図8参照)。一方、蓋枠93の幅方向の他側壁は、回路基板ボックス62内に収納される回路基板61の電子部品実装領域74とコネクタ実装領域76とを蓋枠93の内外に仕切る仕切り壁98として形成されている(図7参照)。また、仕切り壁98の両端側には、ボックス本体110との組み付け状態で後述する係合爪138を係止する係止穴99が穿設されている。蓋枠93の長手方向の両側壁は、ボックス本体110との組み付け状態でボックス本体110の側壁と重なり合う重畳壁96として形成されている。
導電板100は、上板81と同様に透明合成樹脂の長方形板からなり、その上面側には黒色塗装を施した導電性繊維101が全域に接合して設けられている。導電板100の外周端部には、蓋枠93に穿設された挿通穴95と同様に、上板81側の溶着突起82を個々に挿通する挿通穴102が複数穿設されている。ここで、導電性繊維について簡単に説明すると、導電性繊維は、大きく分けて金属製(銅、黄銅、ニッケル、アルミニューム等)のフィラメントを網状に織ったものと、合成繊維に導電性粒子(銅、カーボン等)を塗布又は含浸させたものと、があり、いずれの種類の導電性繊維においても、電磁シールド効果及び光線透過率の見地から、50〜250メッシュ(特に、100〜200メッシュがよい)程度で、その開口率10〜90%(特に、30〜80%がよい)であることが望ましい。そして、メッシュという構造上、どうしても透視性が悪くなるが、本実施形態では、これを抑制するために、導電性繊維101を金属色を避けた濃色(実施形態中では、黒色)にすることで透視性を向上させている。
なお、本実施形態では、透明合成樹脂板に導電性繊維101を接合することで導電板100を構成しているが、導電板の構成はこれに限定するものではなく、透明合成樹脂板に導電性繊維を埋設して導電板(俗にCRTフィルターなどともいう)を構成してもよい。この場合、その透明合成樹脂板を濃色とすることにより透視性を向上させることができる。また、透明導電層の形成によって導電板を構成してもよい。この透明導電層について簡単に説明すると、透明導電層は、金、白金、銀、錫、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、あるいはアンチモン等の金属や酸化インジウムあるいは酸化錫等の金属酸化物、又はこれらの混合物を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等の方法により導電性と透視性を有する厚みの層として樹脂材等の表面に形成されるものである。透明導電層の厚みは、通常5〜1000nm程度であり、その電気伝導性は、10000Ωm以下、好ましくは1000Ωm以下の電気抵抗率が適当である。
しかして、蓋体80は、図5(A)(B)に示すように、蓋枠93の挿通穴95及び導電板100の挿通穴102を挿通した上板81の溶着突起82が超音波溶着されることで、上板81、蓋枠93、及び導電板100の組付体として構成されている。また、このような溶着突起82の溶着により、導電板100の導電性繊維101は、蓋枠93と確実に導通される。なお、溶着突起82の溶着において、上板81(溶着突起82)と導電板100とを同一素材で形成した場合には、溶着突起82の溶着部分が導電板100に混じり合い、より一層強固な溶着が可能になる。また、蓋体80の組み付け方法は、超音波溶着以外にも熱溶着したり、溶剤又は接着剤を用いてもよい。
一方、ボックス本体110は、図6に示すように、透視性を有する底板111と、金属製の本体枠116と、を備えている。底板111は、透明合成樹脂の長方形板からなり、その上面側には、回路基板61の下面を支承するためのフランジ片112が四隅近傍部及び幅方向両端の中央部に立設されている。なお、幅方向一側の二隅近傍部に立設されたフランジ片112には、後述する係合片124との干渉を逃がすためのスリット部113が形成されている。一方、幅方向他側の二隅近傍部に立設されたフランジ片112の近傍には、後述する取付片122を貫通する貫通穴114が穿設されている。また、長手方向一側のほぼ中央部には、切欠部115が穿設されている。この切欠部115は、回路基板ボックス62を取付台150に取り付けた状態で後述する係合突起154との干渉を逃がすための切り欠きである。
本体枠116は、下面に開口部117を有すると共に、その外周縁部には全周に亘って側壁を有する形状となっている。開口部117の内周縁部には、その幅方向両側に断面L字状をなす係合片118が所定の条設長さで形成され、内周縁部の長手方向一側には、係止穴120を穿設した係止片119が形成されている。また、開口部117以外となる残りの下面領域には、楕円形状をなす複数の軽減穴121が穿設されている。下面領域における幅方向一側の両端には、取付穴123を穿設した取付片122が形成され、下面領域における幅方向他側の両端には、係合突起125を備えた係合片124が形成されている。また、上記した係合片118は、後で詳述する取付台150への取り付け時に取付台150側の係合レール151と係合し易いように先端部分が若干下方に折曲されている。
一方、本体枠116の幅方向一側壁には、複数の放熱穴128が穿設されている。本体枠116の幅方向の両側壁には、その長手方向の両端部に補強片129が延設されている。この補強片129は、延設部分から内向側に折曲されることで本体枠116の長手方向両側壁を内側から押さえ、本体枠116の強度を向上するようになっている。また、側壁間の隙間を塞ぐので、側壁間を広げて不正に改造しようとしてもできない。なお、このような補強片は、本体枠116に限らず蓋枠93側に設けてもよい。本体枠116の幅方向の一側壁には、取付片130が設けられている。この取付片130は、一側壁両端の上端部分が内向側に折曲して形成されている。取付片130には、蓋体80側の取付穴86a〜86dと個々に対応する取付穴131〜134が穿設され、該取付穴132〜134の近傍には、それぞれ装備用のワンウェイネジ140を挿通状態で装備しておく装備穴135〜137が穿設されている。本体枠116の長手方向両側壁の各一端には、蓋体80側の係止穴99と係合する係合爪138が形成されている。
しかして、上記した蓋体80及びボックス本体110は、以下に示す組み付けによって回路基板61を収納した組付体(回路基板ボックス62)として構成される。先ず、回路基板61と底板111とを重畳して本体枠116に装着する。そして、回路基板61の係合穴78に係合片124の係合突起125を挿通する一方、回路基板61の止め穴77を取付片122の取付穴123にビス139止めすることで、底板111を挟んで本体枠116に回路基板61を固定する。また、このような回路基板61の取り付け固定において、止め穴77と取付穴123との穴位置を合せる際、回路基板61が若干ズレることで係合突起125と係合穴78とが係合し、ビス止めされない回路基板61の幅方向一側も固定される。
次に、上面が開放しているボックス本体110に蓋体80を被せる。このとき、ボックス本体110側の係合爪138は、図4及び図6に示すD方向への挿入によって蓋体80側の係止穴99に係止され、回路基板ボックス62の幅方向一側の取り付けが行われる(図10(A)参照)。また、蓋体80の仕切り壁98は、回路基板61の電子部品実装領域74とコネクタ実装領域76とを蓋枠93の内外に仕切った状態にある。これにより、蓋体80を取り外すことなく、コネクタ75への配線取り付け及び配線取り外しが可能になる。そして、図4及び図6に示すA・C方向において、取付片部83aの取付穴86aを本体枠116の取付穴131にワンウェイネジ(ビス)140で止めて回路基板ボックス62の幅方向他側の取り付けを行い(図8(A)及び図10(B)参照)、そのビス140止め部分を長方形状のホログラムシール105で封印する。また、蓋体80の側壁とボックス本体110の側壁とを長方形状のホログラムシール104で封印する。これにより、蓋体80とボックス本体110との内部空間に回路基板61を封止状態で収納した組付体(回路基板ボックス62)が構成される。なお、蓋体80とボックス本体110とのビス140止めは、回路基板ボックス62の幅方向他側でのみ行っているが、回路基板ボックス62の幅方向一側は、ビス140止め状態(封止状態)を解除しない限り、係合(係合爪138と係止穴99の係合)が解除できない取り付け状態となっている。
また、上記した蓋体80とボックス本体110との組み付け状態において、蓋体80の重畳壁96は、ボックス本体110の側壁を外方から覆いかぶさるようにして取り付けられる。このため、固着箇所及び係合箇所以外の部分から不正を行おうとしてもこれを防止することができる。また、各装備穴135〜137に挿通されたワンウェイネジ140は、その上方から蓋体80が覆いかぶさるようにして取り付けられることで、装備穴135〜137から外れることなくボックス62内に収納されている。即ち、このような収納状態で、図7及び図8(B)に示すように、蓋体80の各取付片部83b・83c及び取付穴86d近傍の上壁面が個々にワンウェイネジ140の飛び出しを阻止している。なお、ワンウェイネジ140の装備方法は、実施形態中に記載のものに限定しない。例えば、ボックス62の組み付け状態で、ワンウェイネジ140の頭部を蓋体80(取付片部など)によって完全に押え込む構成としたり、あるいはワンウェイネジ140の径と装備穴135〜137の径をほぼ同じ構成としてもよい。このような構成とした場合には、回路基板ボックス62の閉塞状態で、装備されたワンウェイネジ140のガタ付きを押えることができる。
ここで、ワンウェイネジ140について説明する。ワンウェイネジ140は、ネジ締め方向にしか回らない特殊なネジであり、一旦締め付けるとネジを破壊しない限り取り外すことができない。具体的には、図9(A)(B)に示すように、その頭部141に設けられたネジ溝が当接面部142と凹部143と中心穴部144とから構成されている。そして、図9(C)(D)に示す特殊マイナスドライバー145でネジ140締めを行う場合には、ドライバー145の中心軸部146を中心穴部144に差し込み、この状態からドライバー145の当接片部147を当接面部142に当接させて一方向(図9(A)の時計回り方向)に頭部141を回転させることでネジ140締めを行う。一方、ドライバー145で頭部141を他方向(図9(A)の反時計回り方向)に回転させてネジ140を取り外そうとした場合には、ドライバー145が凹部143に入り込んで滑ってしまい頭部141を回転させることができずにネジ140の取り外しが行えない。なお、通常のマイナスドライバーでも頭部141を一方向に回転させてネジ140締めすることは可能であるが、特殊マイナスドライバー145のように、中心軸部146をワンウェイネジ140の中心穴部144に差し込んでワンウェイネジ140との位置決めを行った方が締め付け作業が容易に行える。
また、上記した蓋体80及びボックス本体110の組み付けを行うビス(ワンウェイネジ140)は、螺着状態で蓋枠93の外壁面に入り込む構成となっている。このため、ビス140止め部分を封印するホログラムシール105は、突起のない平坦面上に貼付され、シール105の剥れ及び損傷が防止できると共に、シール105に対する不正行為の判別が容易になる。ここで、ホログラムシールについて簡単に説明すると、ホログラムシールは、ホログラム層と光反射層と接着剤層とを備え、ホログラム層に形成されるホログラム図柄を偽造困難な図柄に構成することで、不正行為に伴うシールの貼り替えを防止するようになっている。このホログラム図柄は、ホログラムシールの表面に入射したコヒーレント光(レーザー光)がホログラム層のエンボス面を透して光反射層に入り、光反射層からホログラム干渉光としてホログラムシールの外方に反射されることで形成される。また、ホログラムシールを剥した場合は、もう一度貼り直してもホログラム図柄が元の形状にならないので、剥した痕跡が残る。
以上のように、回路基板ボックス62は、蓋体80とボックス本体110とのビス140止め部分をホログラムシール105で封印し、蓋体80の側壁とボックス本体110の側壁とをホログラムシール104で封印することにより回路基板61の被覆状態を担保している。また、ボックス62内に設けられた導電板100によって電磁シールド効果を奏し得るようになっている。さらに、回路基板ボックス62は、その上壁面を構成する上板81と導電板100、及び下壁面を構成する底板111をそれぞれ透視性を有する素材から形成することで、回路基板61の実装面(上面)及びハンダ面(下面)を外部から透視できるようにしている。このため、回路基板61に不正な工作(例えば、ジャンパー配線を接続したり、電子部品を実装したりする不正工作)が施された場合には、直ちにその不正工作が判るようになっている。
次に、上記した回路基板ボックス62を機構板50に取り付けるための取付台150について図3を参照して説明する。取付台150は、図3に示すように、合成樹脂(金属でもよい)によって形成された長方形板からなり、その基板中央には断面逆L字状をなす一対の係合レール151が所定間隔を置いて条設されている。なお、係合レール151の条設方向は、取付台150の長辺部に沿った左右方向となっている。取付台150の各長辺部(前後端縁)には、基板面に対して直交するガイド片152が突設されている。取付台150の右側端部には、弾性変形する解除レバー153が形成されており、該解除レバー153の基部には、ボックス本体110側の係止穴120と係合する係合突起154が突設されている。また、取付台150の基板面には、機構板50側の取付ボス(図示しない)に取付台150をビス止めするための止め穴155が穿設されている。
しかして、上記した取付台150は、止め穴155を介して機構板50にビス止めされることで機構板50上の所定部位に固定される。また、この取付台150に回路基板ボックス62を取り付けるときには、取付台150に対してボックス62を左側方からスライド装着させる。このとき、取付台150側の係合レール151は、ボックス62側の係合片118と係合した状態にあり、ガイド片152は、ボックス62のスライド移動を案内する。そして、このようなボックス62のスライド移動によって取付台150側の解除レバー153が下方に弾性変形し、遂には、ボックス62側の係止穴120が取付台150側の係合突起154と係合してボックス62の装着が完了する。一方、回路基板ボックス62を取付台150から取り外すときには、解除レバー153を下方に押して係止穴120と係合突起154との係合を解除し、この状態からボックス62を左側方にスライドさせることで簡単に取り外すことができる。即ち、回路基板ボックス62は、機構板50にビス止め固定された取付台150に対して着脱自在な構成となっている。
次に、上記した回路基板ボックス62を回路基板61の検査(出荷納入後にROMが正規のものか否かを検査する)のために開放し、その後再度閉塞状態に復元する手順を説明する。先ず、回路基板ボックス62の閉塞状態において、各ホログラムシール104・105を剥し、また、刻印「1」を目印に各連結部84a・85aをニッパー等の切断工具で切断する。これにより、取付片部83aは、図10(C)に示すように、蓋体80から完全に分離され且つワンウェイネジ140によってボックス本体110に固着された状態となる。即ち、ボックス本体110に対する蓋体80の固着(ビス140止め)及び係合(係合爪138の係合)が全て解除されて、回路基板ボックス62の開放が可能になる。そして、ボックス本体110から蓋体80を取り外して回路基板61の検査を行う。また、このような蓋体80の取り外し(連結部84a・85aの切断)によって、各装備穴135〜137に挿通されたワンウェイネジ140は、取り出し可能な状態となり、このうち装備穴135に挿通されたワンウェイネジ140をボックス62の復元用に取り出す。その後、回路基板ボックス62を閉塞するときには、係合爪138を係止穴99に係合させた状態で蓋体80をボックス本体110に被せ、次に取り出したワンウェイネジ140を刻印「2」を目印に取付片部83bの取付穴86bに螺着する。これにより、取付片部83bの取付穴86bとこれに対応する本体枠116の取付穴132とがワンウェイネジ140によって共締めされる。そして、この取付片部83bのビス140止め部分に新しいホログラムシール105を貼着すると共に、蓋体80の側壁とボックス本体110の側壁とをホログラムシール104で封印することにより、回路基板ボックス62が再度閉塞状態に復元される。
その後、回路基板ボックス62を再度検査(2回目の検査)する場合には、ホログラムシール104・105を剥すと共に、刻印「2」を目印に各連結部84b・85bを切断する。これにより、取付片部83bを蓋体80から分離させて回路基板ボックス62を開放する。後は同様に、係合爪138を係止穴99に係合させると共に、各連結部84b・85bの切断に伴って取り出したワンウェイネジ140(装備穴136のワンウェイネジ140)を刻印「3」を目印に取付片部83cの取付穴86cに螺着して、新しいホログラムシール104・105を貼着する。これにより、回路基板ボックス62が再度閉塞状態に復元される。それ以降、回路基板ボックス62を検査(3回目の検査)する場合には、ホログラムシール104・105を剥すと共に、刻印「3」を目印に各連結部84c・85cを切断することで、取付片部83cを蓋体80から分離させて回路基板ボックス62を開放する。また、回路基板ボックス62の復元時には、係合爪138を係止穴99に係合させると共に、各連結部84c・85cの切断に伴って取り出したワンウェイネジ140(装備穴137のワンウェイネジ140)を最後に残った取付穴86dに螺着して、新しいホログラムシール104・105を貼着する。
ところで、上記した回路基板ボックス62の閉塞状態においては、連結部84a〜84c・85a〜85cを切断して取付片部83a〜83cと上板81との連結(固着状態)を解除しない限り、ボックス本体110の係合爪138と蓋体80の係止穴99との係合が解除できず、回路基板ボックス62が開放できないようになっている。従って、回路基板61の検査以外で連結部84a〜84c・85a〜85cが切断されるような場合は、この切断により回路基板61に不正が行われたことが即座に且つ確実に判別できるため、回路基板ボックス62の防犯効果を高めることができる。また、上記した係合部(係止穴99及び係合爪138)を設けることにより、ボックス62の防犯性を低下させることなくボックス本体110及び蓋体80の固着箇所を必要最小限に抑えることができ、ひいては回路基板ボックス62の組み付け作業性を向上することができる。また、回路基板ボックス62の構成では、上板81の溶着突起82を切り離しても、導電板100が回路基板61上に落ち込むため、溶着突起82を切り離した隙間から回路基板61に細工をしようとしても導電板100がそれを阻止する。また、ホログラムシール104・105を剥した場合には、ホログラムシール104・105の痕跡がしっかりと残るため不正が行われたことが即座に分かる。
以上のように、本実施形態に係る回路基板ボックス62は、ボックス本体110及び蓋体80からなると共に、ボックス本体110と蓋体80とを係合させて取り付ける係止穴99及び係合爪138と、ワンウェイネジ140によりボックス本体110と蓋体80とを固着状態に取り付ける取付片部83aと、を備え、取付片部83aの固着状態を解除しない限り係止穴99及び係合爪138の係合状態が解除できないようにしたことを特徴とする。このように構成することにより、ボックス62の防犯性を低下させることなくボックス本体110及び蓋体80の固着箇所を必要最小限に抑えることができ、ひいては回路基板ボックス62の組み付け作業性を向上することができる。また、この構成では、固着手段として用いるワンウェイネジ140を少なくすることで、コスト低減が招来できる。
また、前記取付片部83aを切り離して前記ボックス本体110と前記蓋体80との固着状態を解除する連結部84a・85aと、該連結部84a・85aの切断状態でワンウェイネジ140により前記ボックス本体110と前記蓋体80とを再び固着状態に取り付ける取付片部83b・83cと、該取付片部83b・83cを切り離して前記ボックス本体110と前記蓋体80との固着状態を解除する連結部84b・84c・85b・85cと、を備えているので、再度防犯効果の高い回路基板ボックス62に復元することを前提として回路基板61を複数回検査することができる。また、前記係合爪138は、平板状の金属からなるので、ニッパー等で簡単に切断することはできない。糸のこ等を用いて切断した場合でも、切断した部分が平板状をなしているので接着し難く、不正が容易に判別できる。また、前記ボックス本体110及び前記蓋体80は、それぞれの側壁が重なり合って取り付けられる構成となっているので、固着箇所及び係合箇所以外の部分から不正を行おうとしてもこれを防止することができる。
また、回路基板ボックス62を弾球遊技機1に取り付ける面と直交する方向にワンウェイネジ140を取り付ける取付穴86a〜86dを取付片部83a〜83cに設けたので、検査後の回路基板ボックス62の復元作業がより一層簡単に行える。また、前記取付片部83a〜83cは、回路基板ボックス62の外壁面に沿って形成したので、取付片部83a〜83cがボックス62の外壁面から突出せず破損などを防止することができる。また、前記取付片部83b・83cを複数設けると共に、該取付片部83b・83cを切り離して前記ボックス本体110と前記蓋体80との固着状態を解除する連結部84b・84c・85b・85cを設けたので、回路基板61を複数回(3回)検査することができると共に、その都度防犯効果の高い回路基板ボックス62に復元することができる。また、前記取付片部83a〜83cを前記蓋体80に設けると共に、前記ボックス本体110を金属製の本体枠116から構成したので、回路基板ボックス62の強度を向上することができボックス62の変形や破損が回避できる。
また、前記ワンウェイネジ140は、回路基板ボックス62に複数装備されるので、検査後の復元作業毎にワンウェイネジを用意する必要がなく、回路基板ボックス62の復元作業が行い易くなる。また、前記ボックス本体110及び前記蓋体80を固着状態とする前記取付片部83a〜83dの外壁面が平坦になるようにし、その外壁面にホログラムシール105を貼着したので、回路基板ボックス62の閉塞状態をホログラムシール105で担保することができる。さらに、そのホログラムシール105は、突起のない平坦面上に貼付されるのでシール105の剥れ及び損傷が防止できると共にシール105に対する不正行為の判別が容易になる。
なお、上記した実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、締まる方向にしか回らないワンウェイネジ140で取付片部83a〜83cを締め付ける構成となっているが、これに代えて破断取付ネジやリベット等の締結部材で取付片部83a〜83cを締め付ける構成としてもよく、さらには蓋体とボックス本体とを固着する第一及び第二の固着手段を溶着用の溶剤あるいは接着剤としてもよい。また、取付穴86b〜86dに取り付けられるワンウェイネジ140は、必ずしも回路基板ボックス62に装備させる必要はなく、検査時に支給するものであってもよい。
また、上記実施形態では、ワンウェイネジ140を取り付けるための取付穴86a〜86dを回路基板ボックス62の上面側に設けているがこれに限らず、回路基板ボックス62の側面側に設けた構成としてもよい。但し、実施形態中のように取付穴86a〜86dを回路基板ボックス62の上面側に設けた場合には、取付穴86a〜86dが作業者と対向する位置になるので、より一層作業が容易に行える。また、切断部(連結部84a〜84c・85a〜85c)は、本実施形態のように遊技機の裏面(回路基板ボックスの上面)に対向した状態で行える位置に切断部を設けた方がより作業し易いが、取付穴、切断部の位置は特に限定しない。また、回路基板ボックス62は、機構板50に取り付けられているがこれに限らず、遊技盤40の裏面に直接的に取り付けられる構成としてもよい。
また、取付片部の材質は、金属や合成樹脂などいずれの材質であってもよいが、望ましくは切断させ易い合成樹脂がよい。また、切り離し可能な取付片部は、必ずしも蓋体側に設ける必要はなく、ボックス本体側に設けたり、あるいは蓋体とボックス本体との両側に設けた構成としてもよい。また、取付片部の個数についても特に限定せず、1回だけ再固着できて検査が1回だけ行えるものであってもよい。但し、取付片部を多く並設すればする程、回路基板ボックスの検査回数をより多くすることができる。
また、上記した実施形態(第一実施形態)では、ボックス本体110と蓋体80とを係合して取り付ける係合部をボックス本体110側の係合爪138と蓋体80側の係止穴99とから構成しているが、この構成に限定するものではない。例えば、突片を溝状あるいは凹形状の開口に係合する構成としてもよく、さらには以下に示す第二乃至第四実施形態の構成としてもよい。なお、以下の説明では、第一実施形態と同様の構成部材には同一の符号を付記すると共にその詳細な説明は省略する。先ず、第二実施形態の回路基板ボックス160では、図11に示すように、ボックス本体110と蓋体80とをワンウェイネジ140で固着するための取付片部83a〜83cを上板81の幅方向一側の中央部分にのみ設けている。この構成では、回路基板ボックス62の固着箇所を最小の1箇所、言い換えれば固着用のワンウェイネジ140を1個とすることで、より一層コストの低減が招来できる。
次に、第三実施形態の回路基板ボックス170は、図12(A)〜(C)に示すように、回路基板171を取り付けたボックス本体172と、該ボックス本体172の上面開口を被覆する蓋体176と、から構成されている。ボックス本体172の方形状をなす上面開口の連続する二辺部には、それぞれ溝部173が形成されており、溝部173が形成されない一辺部には、蓋体176を支持して後述するスライド移動を案内する支持片174が内向側に突設されている。また、支持片174が突設されたボックス本体172の側壁面には、所定間隔を置いて4つの取付穴175が穿設されている。一方、蓋体176は、方形状の平板からなり、その方形状をなす二辺部は、ボックス本体172の溝部173と係合する末端片177として形成されている。また、末端片177が形成されない一辺部には、複数(実施形態中では、4つ)の取付片部178a〜178dが並設されている。取付片部178a〜178cは、それぞれ連結部179a〜179cを介して蓋体176と連結されており、取付片部178dは、直接的に蓋体176と連結されている。また、各取付片部178a〜178d間には、それぞれを連結する連結部180a〜180cが設けられている。
なお、上記した各取付片部178a〜178c間及び取付片部178a〜178cと蓋体176の間には、それぞれスリット状の溝が形成されており、連結部179a〜179c・180a〜180cは、取付片部178a〜178dの外壁面から突出した状態で設けられている(図12(B)参照)。また、取付片部178a〜178dには、ボックス本体172側の4つの取付穴175と個々に対応する取付穴181a〜181dが穿設されている。また、各連結部179a〜179c・180a〜180cには、それぞれ回路基板ボックス170の開放手順を示唆するための刻印「1〜3」が施されている(図12(A)参照)。具体的には、取付片部178aに対応する連結部179a・180aには「1」の刻印が施され、取付片部178bに対応する連結部179b・180bには「2」の刻印が施され、取付片部178cに対応する連結部179c・180cには「3」の刻印が施されている。
しかして、上記した蓋体176及びボックス本体172は、以下に示す組み付けによって回路基板171を収納した組付体(回路基板ボックス170)として構成される。先ず、回路基板171をボックス本体172にビス182止めする。次に、蓋体176の末端片177をボックス本体172の溝部173に係合させ、この状態で蓋体176を図12(B)に示すE方向にスライド移動させることにより、上面が開放しているボックス本体172に蓋体176を被せる。そして、取付片部178aの取付穴181aをボックス本体172の取付穴175にワンウェイネジ(ビス)183で止め、そのビス183止め部分を長方形状のホログラムシール184で封印する。これにより、蓋体176とボックス本体172の内部空間に回路基板171を封止状態で収納した組付体(回路基板ボックス170)が構成される。なお、蓋体176とボックス本体172のビス183止めは、回路基板ボックス170の1箇所(一辺部)でのみ行っているが、他の3つの辺部は、ビス183止め状態(封止状態)を解除しない限り、係合(末端片177と溝部173の係合)が解除できない取り付け状態となっている。
また、上記した回路基板ボックス170を回路基板171の検査(出荷納入後にROMが正規のものか否かを検査する)のために開放し、その後再度閉塞状態に復元する手順を説明する。先ず、回路基板ボックス170の閉塞状態において、ホログラムシール184を剥し、また、刻印「1」を目印に各連結部179a・180aをニッパー等の切断工具で切断する。これにより、取付片部178aは、図12(C)に示すように、蓋体176から完全に分離され且つワンウェイネジ183によってボックス本体172に固着された状態となる。即ち、ボックス本体172に対する蓋体176の固着(ビス183止め)が解除されて、回路基板ボックス170の開放が可能になる。そして、蓋体176を図12(C)に示すF方向にスライド移動させることにより、ボックス本体172から蓋体176を取り外して回路基板171の検査を行う。その後、回路基板ボックス170を閉塞するときには、末端片177を溝部173に係合させた状態で蓋体176をE方向にスライド移動させて蓋体176をボックス本体172に被せ、次に新しいワンウェイネジ183を刻印「2」を目印に取付片部178bの取付穴181bに螺着する。これにより、取付片部178bの取付穴181bとこれに対応するボックス本体172の取付穴175とがワンウェイネジ183によって共締めされる。そして、この取付片部178bのビス183止め部分に新しいホログラムシール184を貼着することにより、回路基板ボックス170が再度閉塞状態に復元される。また、2回目以降の検査についても同様に回路基板ボックス170の開閉が行われる。
以上のように、第三実施形態の回路基板ボックス170は、ボックス本体172と蓋体176を係合させて取り付ける係合部を、末端片177と該末端片177をスライド自在に取り付ける溝部173とから構成している。このように構成することにより、ボックス170の防犯性を低下させることなくボックス本体172及び蓋体176の固着箇所を必要最小限に抑えることができ、ひいては回路基板ボックス170の組み付け作業性を向上することができる。また、この構成では、固着手段として用いるワンウェイネジ183を少なくすることで、コスト低減が招来できる。
次に、第四実施形態の回路基板ボックス190は、図13(A)〜(C)に示すように、回路基板191を取り付けたボックス本体192と、該ボックス本体192の上面開口を被覆する蓋体195と、から構成されている。ボックス本体192の一側壁には、左右一対の回動軸部193が形成されており、該回動軸部193が形成された一側壁と対向する側壁には、所定間隔を置いて4つの取付穴194が穿設されている。一方、蓋体195は、上壁面及び側壁面を有した筐体形状をなし、その一側壁面には、ボックス本体172の回動軸部193を受ける軸受け部196が左右一対に形成されている。また、軸受け部196が形成された一側壁面と対向する側壁面には、複数(実施形態中では、4つ)の取付片部197a〜197dが並設されている。取付片部197a〜197cは、各々、蓋体195の上壁面を構成する部分と、蓋体195の側壁面を構成する部分と、を有した断面L字状をなし、取付片部197a〜197cの上壁面の構成部分は、それぞれ連結部198a〜198cを介して蓋体195と連結されている。取付片部197dは、直接的に蓋体195と連結されている。また、各取付片部197a〜197d間には、それぞれを連結する連結部199a〜199cが設けられている。
なお、上記した各取付片部197a〜197d間には、スリット状の溝が形成されており、連結部198a〜198c・199a〜199cは、取付片部197a〜197dの外壁面から突出した状態で設けられている(図13(A)参照)。また、取付片部197a〜197dには、ボックス本体192側の4つの取付穴194と個々に対応する取付穴200a〜200dが穿設されている。また、各連結部198a〜198c・199a〜199cには、それぞれ回路基板ボックス190の開放手順を示唆するための刻印「1〜3」が施されている(図13(B)に連結部199a〜199cの刻印のみを図示)。具体的には、取付片部197aに対応する連結部198a・199aには「1」の刻印が施され、取付片部197bに対応する連結部198b・199bには「2」の刻印が施され、取付片部197cに対応する連結部198c・199cには「3」の刻印が施されている。
しかして、上記した蓋体195は、軸受け部196が回動軸部193に取り付けられることで、ボックス本体192に対して回動自在に、言い換えればボックス本体192の上面開口を開閉自在に取り付けられる。そして、取付片部197aの取付穴200aをボックス本体192の取付穴194にワンウェイネジ(ビス)202で止め、そのビス202止め部分を図示しないホログラムシールで封印する。これにより、蓋体195とボックス本体192の内部空間に回路基板191を封止状態で収納した組付体(回路基板ボックス190)が構成される。なお、蓋体195とボックス本体192のビス202止めは、回路基板ボックス190の1箇所(一辺部)でのみ行っているが、その一辺部と対向する辺部は、ビス202止め状態(封止状態)を解除しない限り、係合(回動軸部193と軸受け部196の係合)が解除できない取り付け状態となっている。
また、上記した回路基板ボックス190を回路基板191の検査(出荷納入後にROMが正規のものか否かを検査する)のために開放し、その後再度閉塞状態に復元する手順を説明する。先ず、回路基板ボックス190の閉塞状態において、ホログラムシールを剥し、また、刻印「1」を目印に各連結部198a・199aをニッパー等の切断工具で切断する。これにより、取付片部197aは、蓋体195から完全に分離され且つワンウェイネジ202によってボックス本体192に固着された状態となる。即ち、ボックス本体192に対する蓋体195の固着(ビス202止め)が解除されて、回路基板ボックス190の開放が可能になる。そして、回動軸部193を中心として蓋体195を回動することにより、ボックス本体192を開放して回路基板191の検査を行う。その後、回路基板ボックス190を閉塞するときには、蓋体195を回動してボックス本体192を閉塞し、次に新しいワンウェイネジ202を刻印「2」を目印に取付片部197bの取付穴200bに螺着する。これにより、取付片部197bの取付穴200bとこれに対応するボックス本体192の取付穴194とがワンウェイネジ202によって共締めされる。そして、この取付片部197bのビス202止め部分に新しいホログラムシールを貼着することにより、回路基板ボックス190が再度閉塞状態に復元される。また、2回目以降の検査についても同様に回路基板ボックス190の開閉が行われる。
以上のように、第四実施形態の回路基板ボックス190は、ボックス本体192と蓋体195を係合させて取り付ける係合部を、回動軸部193と該回動軸部193を受ける軸受け部196とから構成している。このように構成することにより、ボックス190の防犯性を低下させることなくボックス本体192及び蓋体195の固着箇所を必要最小限に抑えることができ、ひいては回路基板ボックス190の組み付け作業性を向上することができる。また、この構成では、固着手段として用いるワンウェイネジ202を少なくすることで、コスト低減が招来できる。
なお、本発明に係る係合部は、前記第一乃至第四の実施形態に記載の構成に限定するものではない。例えば、第一実施形態では、基体(ボックス本体)側に突片(係合爪)を設ける一方、蓋体側に突片と係合する開口(係止穴)を設けているが、この構成とは逆に、基体側に開口を設ける一方で蓋体側に突片を設けた構成としてもよい。また、突片が開口と係合する方向は特に限定しないが、回路基板ボックスが取り付けられた状態で下方に係合するようにした方が、検査時に再封止(ふたをする)し易いので望ましい。第二乃至第四の各実施形態の係合部についても同様である。また、係合部の設定箇所及び設定数についても実施形態中のものに限定しない。さらには、様々な態様の係合部を任意に組合せた構成としてもよい。例えば、第一実施形態の係合部と第三実施形態の係合部を組合せた構成とした場合には、基体に対して蓋体をスライド可能に設け、蓋体の四隅に設けた突片を基体側の開口と係合させるようにしてもよい。
また、実施形態中では、本発明の基板収納ボックスを弾球遊技機用の遊技制御回路基板を収納する回路基板ボックスとしているが、これに限定するものではない。例えば、賞球払出制御基板などを収納する基板収納ボックスでもよい。即ち、内部の回路基板に対する不正行為を防止する必要がある基板収納ボックスであればよい。また、遊技機としては、弾球遊技機以外の遊技機(例えば、スロットマシンやコインゲーム等)であってもよい。さらには、各種構成部材を形成する素材については、取り分け実施形態中に記載のものに限定するものではない。例えば、透視性を有する上板を透明合成樹脂ではなく、ガラス素材から形成してもよい。
なお、以上説明した実施形態から把握できる発明として以下のものがある。
(1)前記第二の固着手段(ワンウェイネジ140)は、回路基板ボックス62に装備されていることを特徴とする。このように構成することにより、基板検査後の復元作業毎にワンウェイネジを用意する必要がなく、回路基板ボックス62の復元作業が行い易くなる。