JP4761230B2 - 垂直磁気記録媒体の磁気転写方法及びこれを用いた製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は磁気転写方法に係り、特に、記録される磁化の向きが媒体面に垂直方向となる垂直磁気記録媒体に対して信号パターンを記録する磁気転写技術に関する。
近時、ハードディスクドライブ(HDD)に代表される磁気記録再生装置は、小型かつ大容量を実現するために高記録密度化の傾向にあり、これに有利な垂直磁気記録媒体の開発が進められ、実用化に至っている。
ハードディスク用の磁気記録媒体は、ドライブに組み込まれる前に、磁気ヘッドの位置決め用サーボ信号等(フォーマット情報やアドレス情報など)が書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、磁気的な転写技術を用いて書き込む方法が効率的である。
この磁気転写技術は、サーボ信号等の情報に対応する磁性層の凹凸形状あるいは埋め込み構造を有するマスター担体(パターンドマスター)と被転写ディスク(スレーブ媒体)と密着させた状態で、片側又は両側に電磁石装置、永久磁石装置等の磁界生成手段を配設して転写用磁界を印加し、マスター担体が担持する情報に対応する磁化パターンをスレーブ媒体の記録層に転写記録するものである。
垂直磁気記録媒体に対して磁気転写を行う方式として、密着させたマスター担体とスレーブ媒体に水平方向(媒体面に平行な面内方向)の転写磁界を印加する方式(水平磁界印加方式)と、媒体面に垂直な方向の転写磁界を印加する方式(垂直磁界印加方式)とがある(特許文献1参照)。
特開2002−83421号公報
図12は、マスター担体に面内(水平)磁界を印加したときのマスター表面(スレーブ媒体との密着面)における磁束の垂直成分を示したものであり、図13はマスター担体に垂直磁界を印加したときのマスター表面における磁束の垂直成分を示したものである。なお、図面中横軸は位置を表し、縦軸における「+」はN極を示し、「−」はS極を示す。
図12に示したように面内磁界を印加する方式は、マスター担体100の凸部101のエッジ部102に発生した垂直方向成分の磁界を利用して磁気転写を行うものであり、凸部101のエッジ位置に一致した垂直成分の磁界を得ることができるため、マスター担体100の凹凸の精度で信号パターンを書き込むことができるという利点がある。
ただし、当該方式は印加する磁界(面内磁界)を大きくすればするほど信号の振幅を大きくできるが、リングヘッドなどを用いて水平方向(面内方向)に均一に強い磁界をかけることは困難である。すなわち、面内磁界の大きさを大きくするには磁極ヘッドのギャップを狭くすることが必要であるが、実際の装置構成上磁極ヘッドのギャップを狭くするには限界がある。したがって、印加できる面内磁界の強さにも限界があり、スレーブ媒体の保磁力が高くなると転写ができなくなるという問題がある。
その一方、垂直磁界印加方式は、図13に示すように、マスター担体100の凹凸パターンの幅よりも磁界の幅(転写信号の幅に相当)太くなるため、高密度の記録のためには、マスター担体100の凹凸パターンを信号密度よりも一層細密に設計する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、マスター担体が担持する転写パターンと同等の信号書き込み精度で高保磁力媒体への転写記録を可能とする垂直磁気記録媒体の磁気転写方法及びこれを用いた製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、転写情報を担持したマスター担体と垂直磁気記録媒体とを密着させた状態で外部から磁界を印加することにより、前記垂直磁気記録媒体に前記転写情報の信号パターンを記録する磁気転写方法であって、前記マスター担体と前記垂直磁気記録媒体とを密着させた状態で保持するディスクホルダーの片側面に、前記マスター担体の平面に対して平行な面内磁界を印加する面内磁界の印加手段としての磁極ヘッドを配置するとともに、前記ディスクホルダーを挟んで前記磁極ヘッドの反対側に、前記マスター担体の前記平面に垂直な垂直磁界を印加する垂直磁界の印加手段としての磁石を配置し、前記マスター担体と前記垂直磁気記録媒体とを密着させた状態で前記磁極ヘッドのギャップ間に磁界を発生させて当該磁極ヘッドから前記マスター担体の前記平面に対して前記面内磁界を印加すると同時に、前記磁石から前記平面に垂直な第1の垂直磁界を印加することにより、前記面内磁界と前記第1の垂直磁界の重ね合わせによる磁界を前記マスター担体に印加する工程と、前記第1の垂直磁界の印加後に、前記第1の垂直磁界と逆向きの第2の垂直磁界を前記面内磁界と同時に印加することにより、前記面内磁界と前記第2の垂直磁界の重ね合わせによる磁界を前記マスター担体に印加する工程とを含み、前記第1及び第2の垂直磁界は、それぞれ当該第1及び第2の垂直磁界によって前記マスター担体の表面上に発生する垂直方向の磁界成分が前記垂直磁気記録媒体の保磁力よりも小さいことを特徴とする垂直磁気記録媒体の磁気転写方法を提供する。
本発明によれば、転写情報を担持したマスター担体と垂直磁気記録媒体とを密着させた状態でマスター担体の平面に対して平行な面内磁界と該平面に垂直な方向に第1の垂直磁界を同時に印加し、その後、第1の垂直磁界と逆向きの第2の垂直磁界を面内方向磁界と同時に印加することにより垂直磁気記録媒体に転写情報の信号パターンを記録する。
面内磁界と同時に印加される第1及び第2の垂直磁界は、それ自体のみで垂直磁気記録媒体の記録磁化を反転させることがないよう、それぞれの垂直磁界によってマスター担体の表面上に発生する垂直方向の磁界成分は垂直磁気記録媒体の保磁力よりも小さいものとなる程度の強さとする。つまり、第1及び第2の垂直磁界は、いわゆるバイアス垂直磁界として機能し、面内磁界によってマスター表面上に発生する磁界の垂直成分に重畳される。これにより、両者の重ね合わせによって垂直方向に大きな磁界成分を発生させることができ、高保磁力媒体に対して高精度で信号の書き込みを行うことが可能である。
また、本発明の垂直磁気記録媒体の磁気転写方法を実施することによって前記転写情報の信号パターンが記録された垂直磁気記録媒体を製造することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法を提供する。
本発明によれば、従来の面内磁界のみによる磁束不足を解決することができ、良好な磁気転写を実現できる。
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔磁気転写の手順〕
図1は本発明の実施形態に係る磁気転写方法の手順を示すフローチャートである。本例の磁気転写方法は、まず、マスター担体と垂直磁気記録媒体(スレーブ媒体)とを密着させる(ステップS110)。次に、この密着させた状態でマスター媒体と垂直磁気記録媒体に対して面内磁界を印加する(ステップS112)。このとき印加する磁界はできるだけ大きな磁界とすることが望ましい。図2に当該面内磁界の印加によってマスター表面上に発生する磁界の垂直成分を示した。
更に、この面内磁界の印加と同時に、垂直方向に対して磁界(「第1の垂直磁界」に相当)を印加する(ステップS114)。図3に当該垂直磁界の印加によってマスター表面上に発生する磁界の垂直成分を示した。垂直磁界の方向は図3において上向きの方向と、下向きの方向の2通りがあり得るが、上向きの垂直磁界が印加された場合には符号3aで示す波形となり、下向きの垂直磁界が印加された場合には符号3bで示す波形となる。このステップS114で印加する垂直磁界の方向はいずれでもよいが、ここでは上向き方向の垂直磁界が印加されるものとして説明する。
当該ステップS114で印加される垂直磁界は、スレーブ媒体たる垂直磁気記録媒体の保磁力Hcよりも低い磁界がマスター担体10の表面上に発生するものとすることが必要である。保磁力Hcの1/2程度の強さで十分に効果がある。
図4は、ステップS114において面内磁界と垂直磁界が同時に印加されることによってマスター表面上に発生する磁界の垂直成分を示したものである。なお、図4では、上向きの垂直磁界を印加している。図4の細線4aで示した波形が面内磁界(ステップS112)の印加による成分であり、細線3aで示した波形は垂直磁界(ステップS114)の印加による成分である。面内磁界(4a)と垂直磁界(3a)が同時に印加されることにより、マスター担体10の表面上には太線4bで示す磁界(4aと3aの重ね合わせ波形)が発生する。
続いて、図1のステップS114で印加している垂直磁界の方向を反転し、逆方向の垂直磁界(「第2の垂直磁界」に相当)を印加する(ステップS116)。この逆方向垂直磁界は、絶対値としてはステップS114の垂直磁界と同じ強さを与え、方向のみを反転させる。つまり、図3で説明した下向きの垂直磁界を印加し、その波形は3bで示すものとなる。なお、このとき面内磁界についてはステップS114と同様に印加し続け、面内磁界と垂直磁界を同時に印加する。
図5は、ステップS116において面内磁界と垂直磁界が同時に印加されることによってマスター表面上に発生する磁界の垂直成分を示したものである。図5では、図3で説明した下向きの垂直磁界を印加している。図5の細線4aで示した波形が面内磁界(ステップS112)の印加による成分であり、細線3bで示した波形は垂直磁界(ステップS116)の印加による成分である。面内磁界(4a)と垂直磁界(3b)が同時に印加されることにより、マスター担体10の表面上には太線5cで示す磁界(4aと3bの重ね合わせ波形)が発生する。こうして、ステップS114及びステップS116によって印加された磁界によって垂直磁気記録媒体の磁性層(記録層)に信号が記録される。
すなわち、垂直磁気記録媒体の持つ保磁力を超える大きさの磁界成分(マスター担体10のエッジ部に対応するピーク部分)によって垂直磁気記録媒体への記録が行われる。
その後、面内磁界及び垂直磁界の両磁界を取り除く(磁界の印加を解除する)(図1のステップS118)。
上述したステップS110〜S118の各工程における面内磁界及び垂直磁界の印加、除去の順序については、任意性があり、順序の入れ替えについては設計可能である。もちろん、面内磁界と垂直磁界を同時に(時間差なく)印加、除去する態様も可能である。
ただし、転写記録される信号の主たる要素が面内磁界によるものであることを考慮すると、磁界の除去プロセスについては、垂直磁界を先に除去し、その後、面内磁界を除去する手順が好ましい。
図6には、本例の磁気転写方法で転写した信号(太線6a)と、従来の面内磁界のみで転写した場合の信号(細線6b)を対比して示した。図示のように、本例による磁気転写方法によれば、波形のピーク位置の精度を確保しつつ、従来の面内磁界のみによる磁束不足を解決し、良好な信号品質を得ることができる。
〔磁界印加手段の原理〕
次に、本例における磁気転写方法に用いる磁界印加手段の原理について説明する。図7は、面内磁界と垂直磁界を同時に印加する磁界印加手段の模式図である。
ディスクホルダー12の中にはマスター担体と垂直磁気記録媒体とが密着状態で保持されており、このディスクホルダー12の片側面(図の上側)にリングヘッド(磁極ヘッド)14が配置され、ディスクホルダー12を挟んでその反対側(図の下側)に磁石(永久磁石装置又は電磁石装置)16が対向配置される構造となる。リングヘッド14は面内磁界を印加する手段であり、磁石16は垂直磁界を印加する手段である。かかる構成により、面内磁界と垂直磁界を同時に印加することができる。
垂直磁界の方向を反転させるため手段として、例えば、図8に示すように、リングヘッド14と磁石16のペア(対)を2組設け、一方のペアは他方のペアに対して垂直磁界の向きが逆向きとなる配置関係とし、これら2組をディスク中心に対して対称に配置しつつ、面内方向に沿って回転移動させる構造とする。
なお、リングヘッド14と磁石16のペアは、ディスクホルダー12に対して相対的に回転すればよく、停止しているディスクホルダー12に対してリングヘッド14と磁石16のペアを回転させる構成でもよいし、ディスクホルダー12を回転させてもよい。
〔マスター担体の説明〕
次に、マスター担体について説明する。
図9は、マスター担体10の平面図である。図示のように、マスター担体10は平面視で中心部に開口部(中心孔)24を有する円盤状物であり、スレーブ媒体30に転写すべき信号パターンに応じた微細な表面凹凸パターン(表面情報)Pを有する複数の信号転写領域25と、隣接する信号転写領域25の間に位置し表面凹凸パターンPを有しない非信号転写領域26とを有するものである(表面凹凸パターンPについては図10を参照)。
複数の信号転写領域25は中心側から放射状に延び、隣接する信号転写領域25の間に略扇形の非信号転写領域26がある。すなわち、マスター担体10トラック方向(周方向)に信号転写領域25と非信号転写領域26とを繰り返し有するものである。
図10は、マスター担体10の部分拡大斜視図である。図示のように、マスター担体10は、例えば、金属製のマスター基板28と磁性層29とで構成され、マスター基板12の表面に転写情報に応じた微細な凹凸パターンP(例えば、転サーボ情報パターン)を有するとともに、その凹凸パターンPに磁性層29が被覆されている。これにより、マスター基板28の片面に磁性層29が被覆された微細な凹凸パターンPを有する情報担持面が形成される。
マスター基板28には、各種金属や合金類を使用できる。例えば、マスター基板28は、ニッケル(Ni)電鋳によって作製される。磁性層29の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、あるいはメッキ法、塗布法等により成膜する。
磁性層29の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。特にFeCo、FeCoNiを好ましく使用することができる。磁性層29の厚みは50〜500nmの範囲が好ましく、100〜400nmの範囲が更に好ましい。
尚、磁性層29の上に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、スパッタカーボン等の保護膜を設けることが好ましく、保護膜の上に更に潤滑剤層を設けても良い。この場合、保護膜として厚さが3〜30nmのDLC膜と潤滑剤層とする構成が好ましい。
また、磁性層と保護膜との間に、Si等の密着強化層を設けるようにしても良い。潤滑剤はスレーブ媒体30との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化を改善する効果を有する。
図10に示したように、情報担持面におけるこの微細な凹凸パターンPは、平面視で長方形であり、磁性層29が形成された状態でトラック方向(図10の矢印方向)の長さbと、半径方向の長さlとによりなる。この長さbと長さlとの最適値は、記録密度や記録信号波形により異なるが、例えば長さbを80nm、長さlを200nmにできる。この微細な凹凸パターンPはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。この場合、例えば半径方向の長さlが0.05〜20μm、トラック方向(円周方向)の長さbが0.01〜5μmであることが好ましい。
この範囲で半径方向の方が長い凹凸パターンPを選ぶことがサーボ信号を担持するパターンとして好ましい。凹凸パターンPの深さm(突起の高さ)は、30〜800nmの範囲が好ましく、50〜300nmの範囲がより好ましい。
なお、本例では凹凸パターンを有するマスター担体10を例示したが、転写情報に応じた磁性層パターンを埋め込んだタイプ(表面は凹凸のない平坦面を有する形態)のいわゆる「埋め込み型のマスター担体」を用いることも可能である。
〔垂直磁気記録媒体(スレーブ媒体)の説明〕
本例に用いる垂直磁気記録媒体は、円盤状の基板の表面の片面或いは、両面に垂直磁化膜からなる磁性層が形成されたものであり、具体的には、高密度ハードディスク等が挙げられる。
図11に示すように、垂直磁気記録媒体50は、ガラスなど非磁性の基板52上に、軟磁性層(軟磁性下地層;SUL)53、非磁性層(中間層)54、磁性層(垂直磁気記録層)56が順次積層形成された構造からなり、磁性層56の上は更に保護層58と潤滑層59とで覆われている。なお、ここでは、基板52の片面に磁性層56を形成した例を示すが、基板52の表裏両面に磁性層を形成する態様も可能である。
円盤状の基板52は、ガラスやAl(アルミニウム)等の非磁性材料から構成されており、この基板52上に軟磁性層53を形成した後(軟磁性層形成工程)、非磁性層54を形成し(非磁性層形成工程)、更に磁性層56を形成する(磁性層形成工程)。
軟磁性層53は、磁性層56の垂直磁化状態を安定させ、記録再生時の感度を向上させるために有益である。軟磁性層53に用いられる材料は、CoZrNb、FeTaC、FeZrN、FeSi合金、FeAl合金、パーマロイなどFeNi合金、パーメンジュールなどのFeCo合金等の軟磁性材料が好ましい。この軟磁性層53は、ディスクの中心から外側に向かって半径方向に(放射状に)磁気異方性が付けられている。
軟磁性層53の厚さは、50nm〜2000nmであることが好ましく、80nm〜400nmであることが更に好ましい。
非磁性層54は、後に形成する磁性層56の垂直方向の磁気異方性を大きくする等の理由により設けられる。非磁性層54に用いられる材料は、Ti(チタン)、Cr(クロム)、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)等が好ましい。非磁性層54は、スパッタリング法により上記材料を成膜することにより形成される。非磁性層54の厚さは、10nm〜150nmであることが好ましく、20nm〜80nmであることが更に好ましい。
磁性層56は、垂直磁化膜(磁性膜内の磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向したもの)により形成されており、この磁性層56に情報が記録される。磁性層56に用いられる材料は、Co(コバルト)、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi等)等が好ましい。これらの材料は、磁束密度が大きく、成膜条件や組成を調整することにより垂直の磁気異方性を有している。磁性層56は、スパッタリング法により上記材料を成膜することにより形成される。磁性層56の厚さは、10nm〜500nmであることが好ましく、20nm〜200nmであることが更に好ましい。
本実施の形態では、垂直磁気記録媒体50の基板52として、外形65mmの円盤状のガラス基板を用い、スパッタリング装置のチャンバー内にガラス基板を設置し、1.33×10−5Pa(1.0×10−7Torr)まで減圧した後、チャンバー内にAr(アルゴン)ガスを導入し、チャンバー内にあるCoZrNbターゲットを用い、同じくチャンバー内の基板の温度を室温として、80nm厚のSUL第1層をスパッタリング成膜する。次にその上に、チャンバー内にあるRuターゲットを用いて0.8nmのRu層をスパッタリング成膜する。更にその上に、CoZrNbターゲットを用い、80nm厚のSUL第2層をスパッタリング成膜する。こうしてスパッタ成膜されたSULを、半径方向に50Oe以上の磁場を印加した状態で200℃まで昇温し室温に冷却する。
次に、CrTiターゲットを用い、基板温度が200℃の条件の下で放電させることによりスパッタリング成膜をおこなう。これによりCrTiからなる非磁性層54を60nm成膜する。
この後、上記と同様にArガスを導入し、同じチャンバー内にあるCoCrPtターゲットを用い、同じく基板温度が200℃の条件の下で放電させることによりスパッタリング成膜をおこなう。これによりCoCrPtからなる磁性層56を25nm成膜する。
以上のプロセスにより、ガラス基板に、軟磁性層、非磁性層と磁性層が成膜された被転写用磁気ディスク(垂直磁気記録媒体50)を作製した。
なお、マスター担体10とスレーブ媒体(垂直磁気記録媒体50)を保持し、両者を密着させるためのディスクホルダーの構造は公知の手段(例えば、特開2006-196119号公報、特開2004-86995号公報等参照)を採用できる。
本発明による磁気転写方法を用いることにより、信号品質が良好なサーボ信号等が記録された磁気記録媒体を製造することができる。
本発明の実施形態に係る磁気転写方法のフローチャート 面内磁界の印加によってマスター表面に発生する磁界の垂直成分を示す図 垂直磁界の印加によってマスター表面に発生する磁界の垂直成分を示す図 面内磁界と垂直磁界(上向き方向)の同時印加によってマスター表面に発生する磁界の垂直成分を示す図 面内磁界と垂直磁界(下向き方向)の同時印加によってマスター表面に発生する磁界の垂直成分を示す図水平着磁方式で磁気転写を行った垂直磁気記録媒体の再生信号波形の例を示す図 本発明による磁気転写方法で転写した信号と、従来の面内磁界のみで転写した場合の信号を対比して示した図 面内磁界と垂直磁界を同時に印加する磁界印加手段の模式図 本発明による磁気転写方法に用いる磁界印加手段の構成例を示す模式図 マスター担体の平面図 マスター担体の部分拡大斜視図 垂直磁気記録媒体(スレーブ媒体)の構造例を示す模式断面図 従来の面内磁界の印加によってマスター表面に発生する磁界の垂直成分を示す図 従来の垂直磁界の印加によってマスター表面に発生する磁界の垂直成分を示す図
符号の説明
10…マスター担体、12…ディスクホルダー、14…リングヘッド、16…磁石、50…垂直磁気記録媒体、56…磁性層

Claims (2)

  1. 転写情報を担持したマスター担体と垂直磁気記録媒体とを密着させた状態で外部から磁界を印加することにより、前記垂直磁気記録媒体に前記転写情報の信号パターンを記録する磁気転写方法であって、
    前記マスター担体と前記垂直磁気記録媒体とを密着させた状態で保持するディスクホルダーの片側面に、前記マスター担体の平面に対して平行な面内磁界を印加する面内磁界の印加手段としての磁極ヘッドを配置するとともに、前記ディスクホルダーを挟んで前記磁極ヘッドの反対側に、前記マスター担体の前記平面に垂直な垂直磁界を印加する垂直磁界の印加手段としての磁石を配置し、
    前記マスター担体と前記垂直磁気記録媒体とを密着させた状態で前記磁極ヘッドのギャップ間に磁界を発生させて当該磁極ヘッドから前記マスター担体の前記平面に対して前記面内磁界を印加すると同時に、前記磁石から前記平面に垂直な第1の垂直磁界を印加することにより、前記面内磁界と前記第1の垂直磁界の重ね合わせによる磁界を前記マスター担体に印加する工程と、
    前記第1の垂直磁界の印加後に、前記第1の垂直磁界と逆向きの第2の垂直磁界を前記面内磁界と同時に印加することにより、前記面内磁界と前記第2の垂直磁界の重ね合わせによる磁界を前記マスター担体に印加する工程とを含み、
    前記第1及び第2の垂直磁界は、それぞれ当該第1及び第2の垂直磁界によって前記マスター担体の表面上に発生する垂直方向の磁界成分が前記垂直磁気記録媒体の保磁力よりも小さいことを特徴とする垂直磁気記録媒体の磁気転写方法。
  2. 請求項1記載の垂直磁気記録媒体の磁気転写方法を実施することによって前記転写情報の信号パターンが記録された垂直磁気記録媒体を製造することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
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