JP4756150B2 - 埋設管の検査方法 - Google Patents
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Description
本発明は、埋設管の劣化状態を管内部から検査する方法であって、周方向ひび割れを発生させた供試管の中央部の周方向ひび割れ幅をパラメータとして、衝撃弾性波試験データを前記供試管に衝撃弾性波試験を行うことによって採取し、それら周方向ひび割れ幅と衝撃弾性波試験データとの相関関係を予め求めておき、検査対象管に対して衝撃弾性波試験を行って、検査対象管の衝撃弾性波測定データを採取し、その実測の衝撃弾性波測定データを、前記周方向ひび割れ幅と衝撃弾性波試験データの相関関係を基に評価して、検査対象管の劣化度合を定量的に判定する場合において、前記衝撃弾性波試験データ及び実測の衝撃弾性波測定データとして、衝撃弾性波試験を行って管体の伝播波を測定し、この伝播波の受振波形を絶対値変換して得られる波形の所定時間範囲における曲線下の面積を用いることを特徴としている。
ここで、本発明において、周方向ひび割れ幅と衝撃弾性波試験の試験データの相関を求める際の具体的な試験方法として、管体に荷重を加えることにより発生する周方向ひび割れ幅を計測する載荷試験と、その周方向ひび割れ幅計測過程において、管体へ加える荷重の載荷・除荷・再載荷を繰り返して下記の衝撃弾性波試験を実施するという方法を採用する。
本発明において、供試管及び検査対象管に実施する衝撃弾性波試験は以下のようにして行う。
入力装置としてはハンマや鋼球またはインパルスハンマなどによる打撃具が使用できるが、打撃は常に同じ力で加えることが望ましいので、例えばシュミットハンマや、バネ、ピストン等を用いて一定の力でハンマ、鋼球等を打ち出す方法、または一定の高さから鋼球等を落下させる方法が望ましい。インパルスハンマを使用した際は、入力情報の数値データを計測しておき、解析時に反映させることができるようにしておくことが望ましい。
受振子としては加速度センサやAEセンサなどの振動センサが使用できる。受振子のセット方法としては、テープや接着剤等で固定してもよいし、手や押さえ治具等を使って圧着させてもよい。
インパルスハンマなどで管体内面に弾性波を入力し、一方で管内にセットした受振子により、管体を伝播した伝播波を計測し、記録装置により波形記憶を行わせる。また、入射位置と受振位置は相対的な位置が同じになるように設置するのが望ましい。
(1)伝播波の受振波形を用いる場合
計測した波形データを絶対値変換する。そして、得られた波形の積分値を算出し、ひび割れ幅と上記波形の積分値との関係式を用いることで、検査対象管に生じているひび割れ幅を算出する。
(2)伝播波の周波数スペクトルを用いる場合
計測した波形データをFFT処理し、周波数スペクトルを描かせる。そして、得られた周波数スペクトル図より、全周波数成分を算出し、ひび割れ幅と全周波数成分との関係式を用いることで、検査対象管に生じているひび割れ幅を算出する。
JIS A 5373のB型1種の規格に基づいた、呼び径250mm(管長:2m)の鉄筋コンクリート製ヒューム管(中川ヒューム管製の製品)を用いた。
図1に示すように、供試管Pに対して曲げ試験を行い、周方向ひび割れを導入した。
まず、供試管Pの下部の2個所に所定距離を離隔して支点1,1を配置する。そして、これら支点1,1の中点位置にパイ型変位計2を設置するとともに、このパイ型変位計2に対応する供試管Pの上部位置に荷重3を供試管Pに対して上方から載荷して周方向ひび割れを導入した。
このようにして、供試管Pの周方向ひび割れ幅をパイ型変位計2により計測する。ここで、周方向ひび割れ幅としては、開口変位を計測する。
なお、周方向ひび割れ幅(以下、「開口変位」という。)を計測するために使用するのは、パイ型変位計2に限定されるものではなく、例えば、クリップ型変位計、亀裂変位計を用いてもよい。
この実施例において衝撃弾性波試験は以下のようにして行った。
入射装置と受振装置を図2に示す位置に配置して弾性波の入射及び伝播波の受振を行った。
入射装置:インパルスハンマ
受振子:キーエンス製振動センサ
受振用アンプ:キーエンス製GA−245
A/D変換器およびデータ収集:キーエンス製NR−2000
[計測条件・手順]
上記したように、曲げ試験を行うことにより、段階的に周方向ひび割れを導入することができる。したがって、段階的に開口変位を変化させることができる。
そして、弾性波の計測を、荷重の載荷前、各除荷後、および破壊後の各時点にて行った。
[計測結果]
(1)伝播波の受振波形から相関関数を算出する場合
所定の開口変位に対する受振波形が図3に示す波形である場合、この受振波形を絶対値変換することにより、図4に示す波形が得られる。
ただし、x:開口変位(mm)、y:積分値の比率である。
(2)伝播波の周波数スペクトル分布から相関関数を算出する場合
所定の開口変位に対する受振波形データをFFT処理すると、図6に示すスペクトル分布が得られる。
ただし、x:開口変位(mm)、y:積分値の比率である。
x=exp((0.7538−y)/0.1133)・・・(3)
を得る。
上記した数式(3)(数式(1)、および(2)も同様)により算出した開口変位と積分値の比率との対応関係を表1に示す。
1 支点
2 変位計
3 荷重
Claims (3)
- 埋設管の劣化状態を管内部から検査する方法であって、周方向ひび割れを発生させた供試管の中央部の周方向ひび割れ幅をパラメータとして、衝撃弾性波試験データを前記供試管に衝撃弾性波試験を行うことによって採取し、それら周方向ひび割れ幅と衝撃弾性波試験データとの相関関係を予め求めておき、検査対象管に対して衝撃弾性波試験を行って、検査対象管の衝撃弾性波測定データを採取し、その実測の衝撃弾性波測定データを、前記周方向ひび割れ幅と衝撃弾性波試験データの相関関係を基に評価して、検査対象管の劣化度合を定量的に判定することを特徴とする埋設管の検査方法。
- 前記衝撃弾性波試験データ及び実測の衝撃弾性波測定データとして、衝撃弾性波試験を行って管体の伝播波を測定し、この伝播波の受振波形を絶対値変換して得られる波形の所定時間範囲における曲線下の面積を用いることを特徴とする請求項1記載の埋設管の検査方法。
- 前記衝撃弾性波試験データ及び実測の衝撃弾性波測定データとして、衝撃弾性波試験を行って管体の伝播波を測定し、この伝播波について周波数スペクトルを解析し、その周波数スペクトルにおける所定の周波数領域に対する曲線下の面積を用いることを特徴とする請求項1記載の埋設管の検査方法。
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