JP4754583B2 - 特性改善構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカゲルを用いて音響・映像の電子機器の基板の部品振動に伴う信号特性の劣化を改善する特性改善構造に関する。
近年、音響・映像の分野においては、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、DVDレコーダ等の音声、映像のデジタルの再生機器や記録再生機器の出現により、これらのデジタル機器を用いて本格的なオーディオシステムやビジュアルシステムを構築し、ディスク等の記録媒体にディジタル記録されたハイスピードでダイナミックレンジが広い音楽や高品位の映像を再生して鑑賞できるようになってきている。
また、前記デジタル機器のユニットを内蔵した「ミニコンポ」等の一体型又は分離型のいわゆる普及タイプのオーディオ機器、ビジュアル機器等においても、前記記録媒体にディジタル記録されたハイスピードでダイナミックレンジが広い音楽や高品位の映像を再生して鑑賞できるようになってきている。
そして、オーディオ、ビジュアルのこれらのシステムや機器によって、音楽等を、細やか、かつ、豊かな音楽表現で再現し、映像を高品位に再生するため、前記デジタルの再生機器や記録再生機器等のシステムを構築する音響・映像の電子機器や、前記普及タイプのオーディオ機器、ビジュアル機器等の音響・映像の電子機器は、音声信号や映像信号へのノイズの混入(重畳)等による信号特性の劣化を極力防止する必要がある。
そのため、この種の音響・映像の電子機器においては、機器内の基板(回路基板)に取り付ける各種の電子部品に、信号特性を始めとする諸特性の優れたものが使用される。また、基板の信号パターンや、アースパターンの配置が工夫される(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、基板の各種の電子部品に特性の優れたものを使用し、基板のパターン配置を工夫したとしても、試聴の結果等から、音声信号については、とくに音楽等の高域の特性が劣化することが判明した。そして、このような特性の劣化は、映像信号についても同様に生じると考えられる。また、携帯電話機、携帯ゲーム機器等の電池電源で動作する音響・映像の電子機器についても、その音声信号や映像信号に同様の特性の劣化が生じると考えられる。
上記の特性の劣化は、つぎに説明するように基板の電子部品が振動等することによって生じると考えられる。
すなわち、基板の各種の電子部品は、音声信号、映像信号等が通流すると、その信号の電子が電極に衝突(コンデンサ)したり、狭くなった導体流路を通過したり(抵抗)、急激に流路を曲げられたり(コイル・トランス)して微小に振動する。さらに、前記音声信号、映像信号等の通流により、いわゆる右ネジの法則にしたがって発生する磁力線が、前記の微小な振動によってゆれる(振動する)。そして、この磁力線のゆれに基づく当該電子部品と基板上の近隣の他の電子部品との間の電磁誘導作用により、基板上の前記他の電子部品を通流する音声信号や映像信号に前記振動に起因したノイズが混入(重畳)すると考えられる。
また、基板の被覆線や裸線の配線を、音声信号や映像信号の電流が流れると、振動によりそれらの配線と、基板の電子部品や他の配線(他の被覆線や裸線)との間の距離が変化し、それらの間のストレー容量(ストレーキャパシタンス)が変化する。そして、このストレー容量が変化することにより、音声信号や映像信号に振動に起因したノイズが混入(重畳)すると考えられる。
電子部品の上記各振動は、反射をくり返しながら次第に減衰しつつ部品表面から外部に放散するので、比較的長い時間電子部品に存在する。
そして、前記ノイズの混入により、音声信号のとくに高域の特性や映像信号の特性が劣化し、再生される音の濁りや映像の画質劣化が生じる。
ところで、上記した電子部品の振動に伴う音声信号や映像信号の特性の劣化を防止する特性改善構造として、従来、音質上有害な振動が発生している箇所を調査し、音を殺すことなく有害な振動を無害な振動モードにコントロールすることが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、本願の出願人は、シリカゲルの複数個の粒状体を単層状に配列した音響機器用マットを既に発明しており、この音響機器用マットをスピーカ等の筐体の下に敷くことにより、筐体の振動をすばやく放散して音響特性を改善することができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−252945号公報(要約書、段落[0068]−[0080]、図5、図7、図8) 特開2005−292767号公報(要約書、段落[0025]−[0028]、[0047]、[0065]、図1等) オンキヨー株式会社の公式サイト(ONKYOのホームシアター・コンポ・AVアンプ・PCオーディオのご案内)の「製品情報」の「フルサイズオーディオ」における「CDプレーヤ」の品番C−1VL(S)の"製品詳細"、[online]、[平成19年10月29日検索]、インターネット<URL;http://www2.jp.onkyo.com/product/products.nsf/view/6A97524D06783D7249256E8D00272B3C?OpenDocument>
前記非特許文献1には、基板の音質上有害な振動が発生している箇所を調査して有害な振動を無害な振動モードにコントロールする具体的な構成は開示されおらず、そのような振動モードのコントロールは実現が容易でない。
そして、音質上有害な振動が発生している箇所の調査や動作モードのコントロールには、マイクロコンピュータ等を用いた複雑、高価で時間のかかる信号処理等が必要になると考えられる。
一方、前記特許文献1の音響機器用マットを電子機器の下に敷いたとしても、電子機器内部の基板に取り付けられた各種の電子部品の振動に対しては十分ではない。
本発明は、シリカゲルを用いた簡単かつ安価、軽量で画期的な構成により音響・映像の電子機器の基板の電子部品の振動に伴う音声信号や映像信号の特性劣化を防止し、電子機器の信号特性を向上することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の特性改善構造は、音響・映像の電子機器の部品振動に伴う信号特性の劣化を改善する特性改善構造であって、前記電子機器の基板に設けられた電子部品に、シリカゲルの振動放散体を取り付けてなり、前記振動放散体のシリカゲルは、粒状体であって大気中に露出して前記電子部品に点接触状に接着して取り付けられていることを特徴としている(請求項1)。
そして、前記振動放散体のシリカゲルは、炭素の被覆体でコーティングされていることも好ましい(請求項)。
請求項1の発明によれば、電子機器の基板に設けられた電子部品は、その表面に、大気中に露出した粒状体のシリカゲルが点接触状に接着して取り付けられた状態になり、音声信号や映像信号の通流等により電子部品が振動すると、その振動は、振動伝達速度が速い安価で軽量なシリカゲルの振動放散体を通して迅速に空中に放散され、電子部品内での反射のくり返しが防止されて迅速に消滅する。その際、振動放散体のシリカゲルは粒状体であって、基板の電子部品に接触面積が極めて小さい点接触状に接着して取り付けられるため、接着部分での振動の反射が少なく、基板の電子部品の振動が極めて迅速にシリカゲルの振動放散体を通して空中に放散され、電子機器の信号特性を著しく向上することができる。しかも、シリカゲルを基板の電子部品に接着する極めて簡単で容易な作業によって形成することができる。
そのため、複雑、高価で時間のかかる信号処理等を行うことなく、基板の電子部品にシリカゲルの振動放散体を取り付ける、簡単かつ安価、軽量で画期的な構成により、音響・映像の電子機器の基板に設けられた電子部品の振動に伴う音声信号や映像信号の特性劣化を防止し、電子機器の信号特性を向上することができる。そして、これらの効果は周波数の高域〜高周波域のSN比の改善を見るので、音響はより大きな音に聞え、画像はより明るくはっきりし、よって室内照明を暗くでき、デジタル電送の場合は誤作動が減少する。よって省エネ、地球温暖化対策に通ずる。
請求項3の発明によれば、振動放散体のシリカゲルにコーティングされた炭素の振動伝達速度がシリカゲルより極めて速いことから、電子部品の振動を、振動放散体の表面から一層迅速に大気中に放散することができ、とくに、振動の伝達速度が速いアルミ等の金属筐体の電子部品の振動低減に一層効果的である。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、実施形態について、図1〜図15にしたがって詳述する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態(請求項1、2に対応)について、図1〜図13を参照して説明する。
図1は音響・映像の電子機器1に設けられた基板2の一例を示し、(a)は基板2の平面図、(b)はその正面図である。図2〜図7はそれぞれ基板2の振動放散体3aが取り付けられた電子部品例を示し、図2は抵抗41、図3(a)は電解コンデンサ42、図3(b)はフィルムコンデンサ43、図4は集積回路44、図5(a)はコアコイル45、図5(b)はインダクタ46、図6はトランジスタ47、図7はトランス48を示す。
図8は振動放散体3aの取り付け効果を測定するシステムの説明図、図9〜図12はそれぞれ測定結果の波形図、図13は測定結果の評価の説明図である。
図1において、電子機器1は、例えば本格的なオーディオシステムやビジュアルシステムのCDプレーヤ、DVDプレーヤ、DVDレコーダ等のデジタルの再生機器や記録再生機器、或いは、「ミニコンポ」等の一体型又は分離型の普及タイプのオーディオ機器やビジュアル機器である。
基板2は電子機器1の音声信号や映像信号の種々の回路基板(電源基板等も含む)の1つであり、片面又は両面に配線パターンが形成された周知のプリント配線板等からなり、その表面側に抵抗41、コンデンサ42、43、集積回路44等の各種の電子部品が表面実装等によって取り付けられている。
そして、基板2が従来基板と異なるのは、基板2の全部又は選択された一部の電子部品に振動放散体3aが取り付けられて特性改善構造が形成されている点である。
振動放散体3aは、基板2の電子部品に発生する上述の振動を迅速に消散するため、原子量が小さくて硬く、振動に対する伝達速度が速いシリカゲルαで形成される。なお、シリカゲルαは軽量の電気的絶縁体であり、電子部品に電磁的影響を与えないようにする点でも好適である。
ところで、シリカゲルαの主成分である二酸化ケイ素(SiO)は、ケイ素(Si)が原子番号13でアルミ(Al)より少し重いが、酸素(O)が原子番号8でアルミ(Al)より軽い。そのため、振動に対するシリカゲルαの伝達速度は、アルミ(Al)と同程度で速い。
したがって、振動放散体3aを大気中に露出したシリカゲルαで形成すると、電子部品が振動伝達速度の速いアルミの電気的導体であったとしても、上述の電子の衝突やストレー容量の変化等に起因して基板2の電子部品に発生した振動は、振動放散体3aを通してその表面から迅速に空中に放散され、電子部品内での反射のくり返しが防止されて迅速に消滅する。
振動放散体3aを構成するシリカゲルαは、既製(市販)の種々の粒径の粒状体のシリカゲルであってよく、更には、粉末のシリカゲルを成型加工したものであってもよいが、後述するように電子部品の表面に接触面積が極力小さくなるように取り付けるため、球状体を含む粒状体である。
また、シリカゲルには大別して吸湿特性等が異なるA型とB型とがある。そして、振動放散体3aを構成するシリカゲルαは、A型、B型のいずれであってもよいが、除湿剤、脱臭剤等として汎用されているB型の安価な粒状(球状)シリカゲルであることが好ましい。A型のものは、吸収した水分が離れない狭空間構造であるのに対し、B型のものは、水分を吸収しても、加熱することにより、蒸発して再度空間が再生され、広空間構造であって含有空間量が多く、その分、B型のものの方が、放散する振動の伝送距離が短くなり、振動が速やかに大気中に放散されると考えられるからである。
つぎに、振動放散体3aを構成するシリカゲルαは、どのような手段で電子部品に取り付けてもよいが、製造のし易さ等を考慮すると、図1〜図3に示すように例えば合成樹脂の接着剤5によって電子部品の表面に接着して取り付けることが望ましい。このとき、接着剤5に要求される条件は、振動を吸収しないように強固に硬化するものであって、かつ、電子部品の発熱によっては剥離等しないように熱に対する耐久性を有し、例えば80℃位までは接着能力が強いことである。
そして、電子部品から振動放散体3aに伝わった振動が、電子部品と振動放散体3aの接触面を介して振動放散体3aから電子部品、その逆に反射しないようにするため、振動放散体3aは、粒状のシリカゲルαを、接着剤5により、電子部品に点接触状に接着して取り付けられる。
この場合、基板2の電子部品の表面に大気中に露出した粒状のシリカゲルαの振動放散体3aを接着する、簡単かつ安価、軽量な構成により、電子機器1の従来にない画期的な特性改善構造を実現し、基板2の電子部品の振動に伴う音声信号や映像信号の特性劣化を防止して電子機器1の信号特性を飛躍的に向上することができる。
なお、基板2の電子部品は、図5(a)のコアコイル45、同図(b)のコアシキャルリードタイプのインダクタ46、図6のトランジスタ47、図7のトランス48等であってもよいのは勿論であり、その他の受動素子、能動素子であってもよい。
つぎに、上述のようにシリカゲルαを用いて形成された特性改善構造の具体的な測定結果及びその評価について、図8〜図13を参照して説明する。
測定システムは図8に示すように、MDプレーヤ100、パワーアンプ101、スピーカ102を含む測定対象のオーディオ装置と、そのスピーカ出力の再生音を、マイクロホン103を通して取り込むマイクロコンピュータ構成の波形解析装置104とからなる。
そして、MDプレーヤ100により再生した1000Hz(中音)、5000Hz(高音)のトーンバースト信号を、パワーアンプ101を介してスピーカ102から出力し、そのスピーカ出力の再生音を、マイクロホン103を通して波形解析装置104に取り込み、波形解析する。
なお、パワーアンプ101は別体のパワーアンプ電源105から駆動電源が供給されて動作する。パワーアンプ電源105は、その電源プラグ105aが商用電源のコンセント106に差し込まれ、商用電源で動作する。また、スピーカ102、マイクロホン103はそれぞれのスタンド102a、103aに載置されている。そして、マイクロホン103はスピーカ102の正面から距離L(=40cm)離れた位置にスピーカ102の略正面中央を狙うようにセッティングされる。
上記構成の測定システムにおいて、パワーアンプ105とパワーアンプ電源105aの回路基板の全部または所要の電子部品にシリカゲルαの振動放散体3aを取り付けた場合(本発明の特性改善構造有りの場合)と、取り付けない場合(本発明の特性改善構造無しの場合)とについて、1000Hz(中音)、5000Hz(高音)のトーンバースト(いずれも250msの有信号期間と750msの休止期間との合計1000msを1周期とするバースト信号)を録音したMDをMDプレーヤ100によって再生し、パワーアンプ101を介してスピーカ102から出力された再生音をマイクロホン103を通して波形解析装置104に取り込み、この装置104のFFT処理によってスピーカ102の出力の波形を解析して図9〜図12の測定結果を得た。
図9は特性改善構造有りの場合の1000Hzの波形図であり、図10は特性改善構造無しの場合の1000Hzの波形図である。また、図11は特性改善構造有りの場合の5000Hzの波形図であり、図12は特性改善構造無しの場合の5000Hzの波形図である。なお、図9〜図12の横軸は時間(s)、縦軸はパーセントフルスケールで表したレベル(振幅)である。
そして、これらの測定波形につき、例えば図13(a)の測定波形例に示すように、各1周期の前記有信号期間を、最初の大振幅(レベル)の音のあばれの区間a、それに続く定常状態の区間b、さらにそれに続く残響の区間cに区分し、区間aの波から区間bの定常状態の波にどれだけ速く移行する否かを判断して応答の優劣を判定し、その結果から本発明の特性改善構造の効果を評価する。
なお、区間aは音の「あばれ」であり、材質の「くせ」が出現したものである。区間bは本来得られるべき定常振幅の区間、区間cは慣性モーメントによるコーン紙等の惰性の動きに基づく区間である。そして、区間bの定常振幅は、できるだけ大きいほうがS/N等の点で好ましく、理想的には区間aの振幅に略等しくなることが望ましい。また、区間cの振幅は、慣性で生じているので、極力迅速に減衰して消失することが好ましい。
ところで、区間a、b、cの分割は例えば波形ピークが大きく変化するポイントを認識して行われる。また、区間bの真の定常状態の範囲は、例えば、原寸の測定波形において、区間bの終末の正極のピークレベルを基準にしてその±1mm以内の高さの正極ピークレベルの範囲とする。具体的には、例えば図13(a)の破線dのレベルを区間bの終末のピークレベルとすると、正極ピークレベルがその±1mm以内になる範囲が定常状態の範囲である。
そして、前記応答の優劣は、例えば、(1)図13(b)の定常状態の範囲直前の区間t(区間aに相当)が短い程優れているとして評価する。または、(2)図13(b)の定常状態の範囲の正極ピークレベルの包絡線につき、破線dより上方に突き出した山の部分と、破線dに届かない谷の部分との総和の面積を求め、この面積が小さい程優れているとして評価する。
このようにして、前記応答の優劣を評価したところ、1000Hz(中音)の図9と図10では、図9の特性改善構造有りの場合と図10の特性改善構造無し場合との応答の優劣は明確には認められないが、5000Hz(高音)の図11と図12では、図10の特性改善構造有りの場合の方が図11の特性改善構造無し場合より応答が速くすばやく定常状態になっている。これは、本発明の特性改善構造を備え、基板2の一部の電子部品は、その表面に、接着剤5の極めて薄く硬化した膜層を介して、シリカゲルの振動放散体3aが取り付けられることで、特性が改善されて向上したためである。
このように高音の応答特性が改善すると、つぎのような効果が得られる。すなわち、1000Hz(中音)と5000Hz(高音)とはスピーカから同一時間に同一の音量で再現されるものではない。そして、細かい波形の高周波領域の音(高音)程、音波として再現されるのに時間がかかり、遅れる。高音が遅れると、スピーカ出力の音楽等の試聴者は、遅れた高音が再生されていないかの様に感じ、高音が出ていない、音像(スケール)が小さい等の不満を持つ。これが特性改善構造無し場合の不都合である。これに対して、本発明の特性改善構造を備えた場合は、前記の高音の遅れがなくなり、スピーカ出力の音楽等の試聴者に、高音がよく出ている、音像が大きい等の満足感を与えることができる。これは、音の細かさ、解像度が増し、単位時間当たりに再現できる音の密度が高くなるからである。
なお、MDプレーヤ100についても回路基板の電子部品に振動放散体3aを取り付けて効果があると思われる。また、パワーアンプ105、パワーアンプ電源105aのいずれか一方の回路基板の電子部品に振動放散体3aを取り付けるだけでも効果があると考えられる。
以上説明したように、本実施形態においては、複雑、高価で時間のかかる信号処理等を行うことなく、基板2の電子部品の表面に振動放散体3aを取り付ける、簡単かつ安価な構成により、音響・映像の電子機器1の特性改善構造を実現することができ、基板2の電子部品の振動に伴う音声信号や映像信号の特性劣化を防止し、電子機器1の信号特性を向上することができる。
また、振動放散体3aを接着剤5により電子部品に接着して簡単に取り付けることができ、製造が容易で実用的である。
また、振動放散体3aを粒状体のシリカゲルαで形成し、電子部品に接着して取り付けたため、電子部品と振動放散体3aとの接着面積が小さく、電子部品と振動放散体3aとの接着面での振動の反射が極めて少なく、特性劣化の防止効果が一層向上する。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態(請求項3に対応)について、図14、図15を参照して説明する。図14、図15は図2、図3に対応する電子部品例を示す。
そして、本実施形態の場合、図14、図15に示すように、シリカゲルαに炭素の被覆体βをコーティングして前記一実施形態の振動放散体3aに代わる振動放散体3bを形成し、この振動放散体3bを、前記基板2の電子部品例である、例えば抵抗41、電界コンデンサ42、フィルムコンデンサ43に接着して取り付ける。
なお、被覆体βの厚みは、振動の伝達距離を極力短くする観点からは、極力薄いほうが好ましいが、実際には、視聴覚上の特性や製造コスト等から決定される。
そして、振動放散体3bは、炭素(C)の音速が、10000m/sであり、アルミの音速(6260m/s)、二酸化ケイ素の音速(水晶としたときに5720m/s)より極めて速いことから、振動伝送速度が一層向上し、電気的絶縁性の問題のない場合には一層好適な特性改善構造を提供することができる。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、振動放散体3a、3bは電子部品の表面の適当な位置に取り付ければよく、図2〜図7、図14、図15のように上面に限るものではなく、電子部品の側面等に取り付けてもよい。
つぎに、振動放散体3a、3bの形状や大きさは電子部品の取り付け面等の形状に応じて適当に設定すればよく、電子部品と振動放散体3a、3bとの接着面積等がなるべく狭くなる種々の粒状の形状であってよい。
そして、本発明は、商用電源で動作する音響・映像の電子機器だけでなく、電池電源で動作する携帯電話機や携帯ゲーム機器のような電池電源で動作する音響・映像の電子機器にも適用することができ、種々の音響・映像の電子機器の部品振動に伴う信号特性の劣化の改善に適用することができる。
この発明が適用される一実施形態の電子機器の基板を示し、(a)は一部の平面図、(b)はその側面図である。 図1の基板の電子部品が抵抗の場合の説明図である。 図1の基板の電子部品がコンデンサの場合の説明図であり、(a)はコンデンサの一例の場合の説明図、(b)はコンデンサの他の例の場合の説明図である。 図1の基板に設けられた電子部品が集積回路の場合の説明図である。 電子部品がコイル(インダクタ)の場合の説明図であり、(a)はコイルの場合の説明図、(b)はインダクタの場合の説明図である。 電子部品がトランジスタの場合の説明図である。 電子部品がトランスの場合の説明図である。 図1の振動放散体の効果を測定するシステムの説明図である。 本発明の特性改善構造有りの場合の1000Hzのトーンバーストの測定波形図である。 本発明の特性改善構造無しの場合の1000Hzのトーンバーストの測定波形図である。 本発明の特性改善構造有りの場合の5000Hzのトーンバーストの測定波形図である。 本発明の特性改善構造無しの場合の5000Hzのトーンバーストの測定波形図である。 測定結果の評価の説明図であり、(a)は測定波形の区分の説明図、(b)は定常状態の期間の説明図である。 本発明の他の実施形態の電子部品が抵抗の場合の説明図である。 本発明の他の実施形態の電子部品がコンデンサの場合の説明図であり、(a)はコンデンサの一例の場合の説明図、(b)はコンデンサの他の例の場合の説明図である。
符号の説明
1 電子機器
2 基板
3a、3b 振動放散体
41 抵抗
42,43 コンデンサ
44 集積回路
45 コイル
46 インダクタ
47 トランジスタ
48 トランス
5 接着剤
α シリカゲル
β 被覆体

Claims (2)

  1. 音響・映像の電子機器の部品振動に伴う信号特性の劣化を改善する特性改善構造であって、
    前記電子機器の基板に設けられた電子部品に、シリカゲルの振動放散体を取り付けてなり、
    前記振動放散体のシリカゲルは、粒状体であって大気中に露出して前記電子部品に点接触状に接着して取り付けられていることを特徴とする特性改善構造。
  2. 請求項1に記載の特性改善構造において、
    前記振動放散体のシリカゲルは、炭素の被覆体でコーティングされていることを特徴とする特性改善構造。
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