JP4752718B2 - 通信システム及び通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報機器間で大容量のデータ通信を行なう通信システム及び通信装置に係り、特に、情報機器間で静電磁界を利用して他の通信システムとの干渉のないデータ通信を行なう通信システム及び通信装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、高周波信号を静電結合により大容量伝送を実現する通信システム及び通信装置に係り、特に、静電結合する送受信機の電極間を位置合わせして効率よくデータ伝送を行なう通信システム及び通信装置に関する。
最近、画像や音楽などのデータをパソコンとの間で交換するなど、小型の情報機器間でデータを移動する際、AVケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの汎用ケーブルで相互接続したデータ通信やメモリカードなどのメディアを媒介にする方法に代わって、無線インターフェースを利用することが増えてきている。後者によれば、データ伝送の度にコネクタの付け替え作業をしてケーブルを引き回す必要がなく、ユーザの利便性が高い。各種のケーブルレス通信機能を搭載した情報機器も多く出現している。
小型機器間でケーブルレスによりデータ伝送を行なう方法として、IEEE802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)やBluetooth通信を始めとして、アンテナを用いて無線信号の送受信を行なう電波通信方式が開発されている。ところが、アンテナを用いた電波通信では、送信機側からは通信相手がいるかどうかに拘わらず電波を放出するので、近隣の通信システムに対する妨害電波の発生源になってしまうという問題がある。また、アンテナは、遠方から到来した電波も受信するので、周囲の妨害電波の影響を受け易く、受信感度低下の原因になる。通信相手が複数存在する場合には、その中から所望の通信相手を選択するために複雑な設定を行なう必要がある。狭い範囲で複数の組の無線機が無線通信を行なう場合は、互いの干渉を回避するために、周波数選択を行なって通信を行なう必要がある。また、電波は偏波の向きが直交すると通信することができない。
他方、無線通信には、放射電磁界を利用した電波通信以外にも、誘導電磁界や静電磁界などを利用した通信方式が考えられる。例えば、静電磁界を利用した通信システムは、通信相手が近くに存在しないときには、結合関係が生じない、すなわち電波を放射しないので、他の通信システムを妨害することはない。また、遠方から電波が到来してきても、結合器(カプラ)が電波を受信しないので、他の通信システムからの干渉を受けなくて済む。
誘導電磁界や静電磁界を利用したデータ通信技術は、RFIDなどにおいて広く利用されてきた。例えば、複数の通信補助体間にRFIDタグが位置するように配置した通信補助体組を形成し、通信補助体間に挟むように複数の商品に付けられたRFIDタグを配置することにより、RFIDタグが重なり合った状態であっても、情報の安定した読み取り・書き込みが可能となるRFIDタグ・システムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
また、装置本体とこの装置本体を身体に装着するための装着手段とを備えるとともに、アンテナ・コイルとこのアンテナ・コイルを介して外部の通信装置と非接触でデータ通信を行うデータ通信手段を備え、装置本体の上部に設けられたアウターケースにアンテナ・コイルとデータ通信手段とを配置して、誘導磁界を用いたデータ通信装置について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
また、携帯情報機器に挿入されるメモリカードに外部機器とデータ通信を行なうためのアンテナ・コイルを搭載し、携帯情報機器のメモリカード挿入口の外側にRFIDのアンテナ・コイルが配置される構造として、携帯性を損なうことなく通信距離を確保したRFIDを有する携帯電話機について提案がなされている(例えば、特許文献3を参照のこと)。
従来のRFIDなどの静電結合を利用した通信システムは、低周波数信号を用いているため通信速度が遅く、大量のデータ伝送には不向きであった。これに対し、本発明者らは、高周波信号を静電結合で伝送することによって、大容量伝送が可能であると考えている。
しかしながら、放射電磁界では電界強度は距離に反比例するのに対し、誘導電磁界や静電磁界では電界強度がそれぞれ距離の2乗並びに3乗に反比例する、すなわち通信距離による信号の減衰が大きい。また、波長に対する伝搬距離の大きさに応じて伝搬ロスが生じることから、静電結合により高周波信号を伝搬する際には、電極間距離による伝搬ロスの問題が顕著となる。このため、送信機と受信機の電極(結合器)間をできる限り密着させる必要があり、長い距離での通信を行なうことができないため、ユーザの使い勝手がよくない。
また、静電結合する電極同士を十分近づけるには、電極間で微妙な位置合わせを行なう必要があり、データ通信中はその位置を保持しなければならない。機器のどの部分に電極が配置され、どの箇所を接触させればよいのか、あるいはどのような角度で電極部位同士を向き合わせれば最適な通信状況になるのか、ユーザにとっては分かり難いことが多く、このため最大の通信速度を得られない可能性がある。
特開2006−60283号公報 特開2004−214879号公報 特開2005−18671号公報
本発明の目的は、情報機器間で静電磁界を利用して他の通信システムとの干渉のないデータ通信を行なうことができる、優れた通信システム及び通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、高周波信号を静電結合により大容量伝送を実現することができる、優れた通信システム及び通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、静電結合する送受信機の電極間の位置合わせを容易にするとともに適切な電極間の位置を保持して効率よくデータ伝送を行なうことができる、優れた通信システム及び通信装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、高周波信号を生成する送信回路部と、該高周波信号を静電磁界として送出する高周波結合器と、前記送信回路部及び前記高周波結合器を収容する第1の筐体を備えた送信機と、
静電磁界として高周波信号を受信する高周波結合器と、該高周波結合器で受信した高周波信号を受信処理する受信回路部と、前記受信回路部及び前記高周波結合器を収容する第2の筐体を備えた受信機と、
前記第1の筐体内の高周波結合器から生成される静電磁界の表面波を捕捉して前記第2の筐体内の高周波結合器まで伝送する表面波伝送線路と、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なう位置保持機構を提供する表面波伝搬手段と、
を具備することを特徴とする通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
無線LANに代表されるアンテナを用いた電波通信方式の場合、高周波広帯域信号による大容量、超近距離の微弱無線通信を実現することは困難であり、他の通信システムとの干渉の問題がある。これに対し、静電磁界を利用した通信システムは、通信相手が近くに存在しないときには、結合関係が生じない、すなわち電波を放射しないので、他の通信システムを妨害することはない。また、遠方から電波が到来してきても、結合器が電波を受信しないので、他の通信システムからの干渉を受けなくて済む。従来の静電結合による通信では低周波信号を用いるため大量のデータ伝送には不向きであったが、本発明者らは、高周波信号を静電結合で伝送することによって、大容量伝送が可能であると考えている。
ここで、静電磁界の電界強度は距離の3乗に反比例して減衰し、さらに高周波信号を用いた場合、短波長であることから伝搬ロスが大きいという問題がある。このため、送信機と受信機の電極(結合器)間をできる限り密着させる必要があり、長い距離での通信を行なうことができない。また、電極同士を十分に近接させるためには、電極間で微妙な位置合わせを行なう必要があり、データ通信中はその位置を保持しなければならず、ユーザの使い勝手がよくない。
本発明に係る通信システムは、高周波信号を静電結合により伝送する通信方式を採用するものであるが、送信機側の結合電極から放射される表面波を表面波伝搬手段が伝達することによって、送受信機の電極同士を十分接近させたり、微妙な位置合わせを行なったりすることなく、データ伝送が可能となるように構成されている。
表面波伝搬手段は、例えば、誘電体や磁性体からなる線状の部材からなる表面波伝送線路で構成されている。誘電体や磁性体の表面波は境界面に平行に進むとともに、境界面では完全反射が起こる。したがって、送信機側の結合電極から放射される電磁波のうち縦波すなわち表面波の進行方向に沿って配設し、誘電体内部に表面波を適当な角度で入射させると、2つの境界で反射を繰り返し表面波は、伝送線路の内部を通じてロスすることなく効率的に伝搬される。
また、表面波伝送線路は、単一の誘電体(若しくは磁性体)ではなく、途中で切り離された複数個の誘電体(若しくは磁性体)で構成することもできる。すなわち、表面波伝送線路の途中を電気的に切り離して非接触の状態で用いることができるので、機器間や機器と部材間が物理的な接点を持たない非接触通信として適用することができる。このような場合、切り離された誘電体(若しくは磁性体)同士は接触していなくてもよいが、損失を小さく抑えるためには誘電体(若しくは磁性体)の間隔は小さく、信号が伝達する面同士が対向して向き合うような位置に置かれることが望ましい。
また、通信機内の主要基板上に送受信回路部と結合用電極が搭載された筐体内のレイアウトでは、筐体内奥深くに収容された電極の前に何も置かれていない場合には、電極から放射された信号は筐体内の空気中で分散し、失われてしまう。これに対し、結合用電極の正面に表面波伝送線路となる誘電体又は磁性体を設置して、結合用電極から放射した電磁界を表面波伝送線路によって筐体の表面まで信号を誘導することで、効率的な信号の伝達が可能となる。
ここで、伝搬ロスの問題を回避するためには、送信用電極及び受信用電極それぞれに取り付けられた表面波伝送線路の端面の位置合わせを行なうとともに、データ通信中はその位置を保持する必要がある。
そこで、本発明に係る表面波伝搬手段は、前記第1の筐体内の高周波結合器から生成される静電磁界の表面波を捕捉して低い伝搬ロスを以って前記第2の筐体内の高周波結合器まで伝送する表面波伝送線路とともに、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なう位置保持機構を提供するようになっている。
例えば、前記表面波伝送線路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片と、前記第2の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第2の表面波伝送線路片で構成され、前記位置保持機構は、前記第1の表面波伝送線路片及び前記第2の表面波伝送線路片を接合する接合部を備えている。位置保持機構は、例えば、前記第1表面波伝送線路片に形設された雄ねじ形状と、前記第2の表面波伝送線路片に形設された雌ねじ形状で構成することができる。あるいは、位置保持機構は、前記第1表面波伝送線路片及び前記第2の表面波伝送線路片にそれぞれ形設されたフック形状で構成することができる。
また、前記表面波伝送路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片と、前記第2の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第2の表面波伝送線路片で構成されるとともに、前記位置保持機構は、前記第1の表面波伝送線路片及び前記第2の表面波伝送線路片を吸着する吸着手段を備えるようにしてもよい。例えば、前記第1及び第2の表面波伝送線路片はそれぞれ極性の異なる磁石で構成される場合には、前記吸着手段は、該磁石同士の磁力により前記第1及び第2の表面波伝送線路片の適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なうことができる。
また、前記表面波伝送線路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片で構成され、該第1の表面波伝送線路片は前記第1の筐体から出現した略ボタン形状の突起部を備え、前記位置保持機構は、前記第2の筐体表面に形設された前記突起部を収容する受容部で構成することができる。そして、該受容部の底辺近傍に高周波結合器が埋設されており、第1の表面波伝送線路片としての突起部を受容部に取り付けることで、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なうことができる。
また、前記表面波伝送線路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片で構成され、該第1の表面波伝送線路片は前記第1の筐体から出現した吸引盤を備えていても良い。一方の前記位置保持機構は、前記第2の筐体表面に設けられた、前記吸引盤の吸引場所を示す指標を含んでおり、ユーザはこの指標を目印にして吸引盤を第2の筐体に取り付けることによって、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なうことができる。
また、前記表面波伝搬手段は、前記第1の筐体表面の高周波結合器に近接する部位に設けられた誘電体からなる第1の面ファスナーと、前記第2の筐体表面の高周波結合器に近接する部位に設けられた誘電体からなり前記第1の面ファスナーと係合する第2の面ファスナーで構成することができる。
また、前記表面波伝搬手段は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた伸縮棒形状の第1の表面波伝送線路片と、前記第2の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた凹形状の第2の表面波伝送線路片で構成することができる。このような場合、前記第2の表面波伝送線路片が前記第1の表面波伝送線路片が伸展した状態でその先端部分を受容することで、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なうことができる。
上述したような位置保持機構によれば、結合用電極に取り付けられた表面波伝送線路の端面の位置合わせを行なうとともに、データ通信中はその位置を保持することが容易になり、通信速度を安定化することができる。また、以下のようなメリットもある。
(1)本発明に係る通信システムの通信速度は、電極間の距離や方向、角度に依存するが、最適の接触位置をユーザに分かり易いインターフェースで促すことができる。また、通信装置の位置保持機構に誘電体を用いることによって、良い通信精度を保つことができる。
(2)機器を固定できるので、通信中にユーザが手で機器の位置を保持し続ける必要がなく通信時の姿勢の保持が容易である。そのまま収納場所としても利用可能である。
(3)据置機器の筐体に丸みがあったり、薄型であったりして、携帯機器を置くことのできないものにも有効である。
(4)誘電体(磁性体)からなる表面波伝送線路が位置保持機構を兼ねているので、その長さに応じて表面波信号を利用し易い位置まで誘導することができる。また、必ずしも電極を無線機筐体の外側近くに置く必要がなくなり、部品実装や筐体のレイアウトにおいて自由に設計を行なうことができる。
本発明によれば、情報機器間で静電磁界を利用して他の通信システムとの干渉のないデータ通信を行なうことができる、優れた通信システム及び通信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、高周波信号を静電結合により大容量伝送を実現することができる、優れた通信システム及び通信装置を提供することができる。
本発明に係る通信システムでは、送信機側の結合電極から放射される表面波を表面波伝搬手段が低い伝搬ロスで効率的に伝達することが可能である。また、本発明に係る通信装置では、結合電極から放射される表面波を表面波伝送線路片によって、装置筐体の利用し易い位置まで誘導し、あるいは装置筐体の表面上の部位で受信した表面波を表面波伝送線路片経由で内部の結合電極まで誘導することができる。よって、結合電極を通信装置筐体の外側近くに配置する必要がなくなることから、部品の実装や筐体のレイアウト設計の自由度が増す。
また、送信用電極及び受信用電極それぞれに取り付けられた表面波伝送線路片の先端部分に位置保持機構を備えることによって、取り付けられた表面波伝送線路の端面の位置合わせを行なうとともに、データ通信中はその位置を保持することが容易になり、通信速度を安定化することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、静電磁界を利用して情報機器間でデータ伝送を行なう通信システムに関する。静電結合に基づく通信方式によれば、通信相手が近くに存在しないときには結合関係がなく電波を放射しないので、他の通信システムを妨害することはない。また、遠方から電波が到来してきても、結合器が電波を受信しないので、他の通信システムからの干渉を受けなくて済む。
また、アンテナを用いた従来の電波通信では放射電磁界の電界強度が距離に反比例するのに対し、誘導電磁界では電界強度が距離の2乗に、静電磁界では電界強度が距離の3乗に反比例して減衰する。したがって、静電結合に基づく通信方式によれば、近隣に存在する他の無線システムにとってノイズ・レベル程度となる微弱無線を構成することができ、無線局の免許を受ける必要はなくなる。
また、従来の静電結合による通信では低周波信号を用いるため大量のデータ伝送には不向きであるが、高周波信号を静電結合で伝送することによって、大容量伝送が可能であると考えられる。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)通信のように高周波、広帯域を使用する通信方式を静電結合に適用することで、微弱無線であるとともに、大容量データ通信を実現することができる。
ここで、UWB通信は、3.1GHz〜10.6GHzという非常に広い周波数帯域を使用し、近距離ながら100Mbps程度の大容量の無線データ伝送を実現することができる。また、3.1GHz〜10.6GHzという伝送帯域を占有しなくても大容量データ伝送が可能であることやRF回路の作り易さを考慮して、3.1〜4.9GHzのUWBローバンドを使った伝送システムも開発が盛んである。
UWB通信は、本来、アンテナを用いた電波通信方式として開発された通信技術であり、例えば、IEEE802.15.3などにおいて、UWB通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている。また、米インテル社は、UWBのアプリケーションとして、パソコン向けの汎用インターフェースとして普及しているUSB(Universal Serial Bus)の無線版を検討している。
UWB通信のように高周波、広帯域を使用する通信方式によれば、近距離において100Mbps程度の超高速データ伝送を実現することができる(例えば、動画像やCD1枚分の音楽データといった大容量のデータを高速且つ短時間で転送することができる)。また、電波通信ではなく静電結合によりUWB通信を行なう場合、その電界強度は距離の3乗に反比例することから、無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が所定レベル以下に抑制することで無線局の免許が不要となる微弱無線とすることが可能であり、安価に通信システムを構成することができる。また、静電結合方式により超近距離でデータ通信を行なう場合、周辺に存在する反射物により信号の質が低下することはない、伝送路上でハッキングの防止や秘匿性の確保を考慮する必要がない、といった利点がある。
本発明者らは、静電磁界を利用したUWB通信システムによれば、微弱電界による近距離エリアにおける高速データ伝送を実現することが可能であり、例えばストレージ・デバイスを含む超高速な近距離用のDAN(Device Area Network)といった、モバイル機器に搭載する有効な無線通信技術の1つと考えている。
図1には、本発明に係る通信システムの基本的構成を示している。図示の通信システムは、データ送信を行なう送信機10と、データ受信を行なう受信機20で構成される。
送信機10及び受信機20がそれぞれ持つ送受信用の電極14及び24は、例えば3cm程度離間して対向して配置され、静電結合が可能である。送信機側の送信回路部11は、上位アプリケーションから送信要求が生じると、送信データに基づいてUWB信号などの高周波送信信号を生成し、送信用電極14から受信用電極24へ信号が伝搬する。そして受信機20側の受信回路部21は、受信した高周波信号を復調及び復号処理して、再現したデータを上位アプリケーションへ渡す。
UWB通信のように高周波、広帯域を使用する通信方式によれば、近距離において100Mbps程度の超高速データ伝送を実現することができる。また、電波通信ではなく静電結合によりUWB通信を行なう場合、その電界強度は距離の3乗に反比例することから、無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が所定レベル以下に抑制することで無線局の免許が不要となる微弱無線とすることが可能であり、安価に通信システムを構成することができる。また、静電結合方式により超近距離でデータ通信を行なう場合、周辺に存在する反射物により信号の質が低下することはない、伝送路上でハッキングの防止や秘匿性の確保を考慮する必要がない、といった利点がある。
ここで、静電結合を利用した通信方式には距離減衰が大きいという問題がある(前述)。また、波長に対する伝搬距離の大きさに応じて伝搬ロスが生じることから、静電結合により高周波信号を伝搬する際には、電極間距離による伝搬ロスの問題が顕著となる。このため、送信機と受信機の電極(結合器)間をできる限り密着させる必要があり、長い距離での通信を行なうことができないため、ユーザの使い勝手がよくない。
また、電極同士で静電結合を生じさせるには、電極間で微妙な位置合わせを行なう必要があり、データ通信中はその位置を保持しなければならない。機器のどの部分に電極が配置され、どの箇所を接触させればよいのか、あるいはどのような角度で電極部位同士を向き合わせれば最適な通信状況になるのか、ユーザにとっては分かり難いことが多く、このため最大の通信速度を得られない可能性がある。
ところで、電波通信においては、アンテナから放射される電波はその進行方向と直交方向に振動する「横波」であり、電波は偏波の向きが直交すると通信することができない。これに対し、静電結合による通信方式においては、結合電極から放射される電磁波は、横波の電波の他に、進行方向に振動する「縦波」を含むことが知られている。縦波は「表面波」とも呼ばれ、例えば誘電体や磁性体などの媒体の内部を通じて伝搬する。
伝搬方向と平行な向きに振動する電界成分(縦波成分)ERは下式のように表される(図2を参照のこと)。同式から分るように、縦波成分は、距離の2乗に反比例する成分(誘導電磁界)と、距離の3乗に反比例する成分(静電磁界)のみで構成され、放射電磁界の成分を含まない。また、電界ERは、|cosθ|=1となる方向、すなわち図2中の矢印方向で最大となる。下式は微小ダイポールによる電磁界を表しているが、任意の電流分布はこのような微小ダイポールの連続的な集まりとして考えられるので、それによって誘導される電磁界にも同様の性質がある(例えば、虫明康人著「アンテナ・電波伝搬」(コロナ社、16頁〜18頁)を参照のこと)。
本発明に係る無線通信システムでは、送信機側の結合電極と受信機側の結合電極の間に、誘電体や磁性体からなる表面波伝送線路を配設して、送信機側の結合電極から放射される電磁波のうち表面波を、この伝送線路の内部を通じて効率的に伝搬することができる。したがって、送信機と受信機の結合電極同士を比較的長い距離に離しても、静電結合により放射される表面波を表面波伝送線路で低い伝搬ロスにより伝送することによって、電極間を密着させることなくデータ通信を行なうことができ、ユーザの使い勝手が向上する。
図3には、誘電体からなる表面波伝送線路内を表面波が伝搬する様子を図解している。但し、誘電体の誘電率εは、表面波伝送線路を取り巻く空気の誘電率ε0よりも大きいとする。
誘電率の異なる2つの媒質の境界に電磁波(表面波)が入射されると、光学におけるのと同様な屈折が生じる。入射角θiが下式で示される臨界角θcに等しくなると、屈折角θtはπ/2に等しくなり、誘電体の透過波は境界面に平行に進むようになる。入射角θiがそれより大きくなると、境界面では完全反射が起こる。したがって、誘電体平板の内部に電磁波を適当な角度で入射させると、2つの境界で反射を繰り返し電磁波(表面波)が、表面波伝送線路外へロスすることなく効率的に伝搬される。
また、図4には、磁性体からなる表面波伝送線路内を表面波が伝搬する様子を図解している。但し、磁性体の透磁率μは、表面波伝送線路を取り巻く空気の透磁率μ0よりも大きいとする。透磁率の異なる2つの媒質の境界に電磁波(表面波)が入射されると、光学におけるのと同様な屈折が生じる。すなわち、入射角θiが下式で示される臨界角θcに等しくなると、屈折角θtはπ/2に等しくなり、透過波は境界面に平行に進むようになる。入射角θiがそれより大きくなると、境界面では完全反射が起こる。したがって、磁性体平板の内部に電磁波を適当な角度で入射させると、2つの境界で反射を繰り返し電磁波(表面波)は、図1に示した場合と同様に、表面波伝送線路外へロスすることなく効率的に伝搬される。
図5Aには、誘電体としてPPS(ポリフェニレンスルフィド樹脂)、あるいは磁性体としてNiZnフェライト、磁石をそれぞれ表面波伝送線路に用いた場合の伝送線路の長さと伝搬ロスの関係を示している。但し、PPSは誘電率5〜12、誘電正接0.002、直径10mmとし、NiZnフェライトは直径9mm(内径5mm)とし、磁石は直径6mmとする(図5Bを参照のこと)。また、表面波伝送線路の伝搬ロスS21は、電極間に表面波伝送線路を挟んだときの、送信機側の高周波信号線路(Port1)から受信機側の高周波信号線路(Port2)へ表面波が伝搬する際の損失とする(図5Cを参照のこと)。図5Aから、自由空間すなわち表面波伝送線路を配置しないで表面波を伝搬する場合に比べると、送受信機の結合器間に表面波伝送線路が介在することにより伝搬ロスが低減することが理解できよう。
例えば、特開2003−115707号公報には、熱可塑性ポリマーからなる誘電体を媒質とする表面波伝送線路について開示されている。また、特開平7−175987号公報には、高周波損失の少ない誘電体又は誘電体繊維を所定の周期構造を以って拠り合わせて電磁界の分布範囲をある程度制御可能にした表面波伝送線路について提案がなされている。なお、電磁波を伝搬する表面波伝送線路の仕組みの詳細に関しては、例えば、中島将光著「マイクロ波工学」(森北出版、182頁〜190頁)を参照されたい。
図6には、誘電体からなる表面波伝送線路を用いた場合の通信システムの構成例を示している。図示の通信システムは、データ送信を行なう送信機10と、データ受信を行なう受信機20と、送信機10側の送信用電極14から放射される表面波を低い伝搬ロスで伝送する表面波伝送線路30で構成される。表面波伝送線路30は、誘電体又は磁性体からなり、送信用電極14から放射された表面波の進行方向に沿って配設されている。
送信機10側の送信回路部11は、上位アプリケーションから送信要求が生じると、送信データに基づいてUWB信号などの高周波送信信号を生成する。送信回路部11から出力された信号は、共振部12で共振し、送信用電極14から正面方向に表面波として放射される。
送信用電極14から放射された表面波は、表面波伝送線路30の内部で反射を繰り返しながらロスすることなく伝搬し、受信機20側の受信用電極24から共振部22を経て受信回路部21へと入力される。受信回路部21は、受信した高周波信号を復調及び復号処理して、再現したデータを上位アプリケーションへ渡す。
表面波伝送線路30の介在により、送信用電極14から受信用電極24へ信号が効率的に伝搬する。送信用電極14から放射される表面波の入射角を大きくし、透過波として外部に放射される割合を少なくするため、誘電体又は磁性体からなる表面波伝送線路30の端面を送信用電極14の正面に、電極14の放射面に対して垂直になるように配置することが望ましい。また、受信用電極24では、表面波伝送線路30の他方の端面から放射される電磁界を、外部に漏れる割合を少なく受け取るために、電極24の受信面を表面波伝送線路30の端面に対し垂直になるように配置することが望ましい。
図7には、送信機10の表面波発信部分(高周波結合器)の構成例を示している。受信機20側の表面波受信部分の構成も同様であると理解されたい。
図示のように、同軸ケーブルの信号線の先端部分には、所定の長さを持つ線状導体の共振部12と送信用電極14が取り付けられている。共振部12と送信用電極14を合わせた全体として所定の周波数の4分の1波長の長さを持つように設計することによって、所定の周波数で共振をさせ、その周波数の表面波を発生させることができる。通常、発生した表面波は距離の増大に応じて空気中で急激に減衰するが、先端の送信用電極14の中央に共振部12を接続することと、送信用電極14の正面に電極面とほぼ垂直な向きに誘電体からなる表面波伝送線路30の端面部分を設置することで、送信用電極14から発信された表面波を誘電体からなる表面波伝送線路30の端面で捉えて表面波発信器(若しくは高周波結合器)とすることができる。
ここで、送信用電極14の中心に直列インダクタなどからなる共振部12(若しくは高周波伝送線路)が接続されるものとする。何故ならば、電極の中心に高周波伝送線路を接続することにより、電極14内に均等に電流が流れて、電極13の正面に電極面とほぼ垂直な向きに不要な電波を放射しないが(図8Aを参照のこと)、電極14の中心からオフセットのある位置に共振部12を接続すると、電極14内に不均等な電流が流れてマイクロストリップ・アンテナのように動作して不要な電波を放射してしまうからである(図8Bを参照のこと)。
なお、電波通信の分野では、図9に示すようにアンテナ素子の先端に金属を取り付けて静電容量を持たせ、アンテナの高さを短縮させる「容量装荷型」のアンテナが広く知られており、一見して図7に示した結合器と構造が類似する。ここで、本実施形態で送受信機において用いられる結合器と容量装荷型アンテナとの相違について説明しておく。
図9に示した容量装荷型アンテナは、アンテナの放射エレメントの周囲B1及びB2方向に電波を放射するが、A方向は電波を放射しないヌル点となる。アンテナの周りに発生する電磁界を詳細に検討すると、アンテナからの距離に反比例して減衰する放射電磁界と、アンテナからの距離の2乗に反比例して減衰する誘導電磁界と、アンテナからの距離の3乗に反比例して減衰する静電界が発生する。そして、誘導電磁界と静電界は放射電磁界に比べ距離に応じて急激に減衰するため、通常の無線システムでは放射電磁界についてのみ議論され、誘導電磁界と静電界は無視されることが多い。したがって、図9に示す容量装荷型アンテナであっても、Aの方向に誘導電磁界と静電界を発生させているが、空気中で速やかに減衰するため、電波通信では積極的には利用されていない。
これに対し、図7に示した高周波結合器では、誘導電磁界と静電界の強度が大きい電極正面に、電極面に対して垂直な位置に、誘電体又は磁性体からなる表面波伝送線路30の端面を配置している。そして、送信用電極14の近傍で発生した誘導電磁界と静電界が表面波伝送線路30の端面で捉えられると、この伝送線路30内部で反射を繰り返しながら伝搬し、受信機20側の受信用電極24に入力される。すなわち、送信機10側の送信用電極14から放射された電磁界を、表面波伝送線路30内を表面波として伝達させることで、表面波を利用したデータ通信を可能にすることができる。
図10には、送信機10の表面波発信部分についての他の構成例を示している。受信機20側の表面波受信部分の構成も同様に構成することができると理解されたい。表面波の発信部分と受信部分はそれぞれ、線状導体の代わりにコイルやコンデンサなどを用いて、集中定数回路による共振部12を配設している。図10に示す例では、共振部12が送信回路部11からの高周波伝送線路の信号線とグランドの間に接続される並列インダクタ12Aと信号線と電極の間に接続される直列インダクタ12Bで構成されており、送信用電極14の正面に強い電界が生じ、効率よく表面波を発生させることができる。
また、送受信機において、図10に示したように、高周波結合器として動作する1組の表面波送信部分及び表面波受信部分を、表面波伝送線路30を介在させて向かい合わせて配置すると、表面波送信部分及び表面波受信部分の組み合わせ全体としてバンドパス・フィルタのように動作する。
なお、図7に示した誘電体又は磁性体からなる表面波伝送線路30の形状は、特に限定されない。表面波伝送線路30は、例えば、板状、帯状、線状のいずれであっても良い。表面波伝送線路30の形状に関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特願2006−245615号明細書の段落0072〜0075、図7〜図13を参照されたい。
図11には、表面波伝送線路が1つの誘電体(若しくは磁性体)ではなく途中で切り離された複数の誘電体(若しくは磁性体)で構成されている例を示している。表面波伝送線路の途中を電気的に切り離して、複数の表面波伝送線路片の間を非接触の状態で用いることができるので、本実施形態に係る通信システムは、機器間や機器と部材間が物理的な接点を持たない非接触通信として適用することができる。切り離された誘電体同士は接触していなくてもよい。但し、損失を小さく抑えるためには誘電体の間隔は小さく、信号が伝達する面同士が対向して向き合うような位置に置かれることが望ましい。
また、図12には、表面波伝送線路を用いた非接触通信機の構成例を示している。図示の例では、非接触通信機内の主要回路基板上に送受信回路部と結合用電極が搭載されている。結合電極が通信機の筐体内奥深くに収容されていると、電極から放射された信号は筐体内の空気中で分散し、失われてしまう。これに対し、図12に示した通信機の構成によれば、結合用電極の正面に表面波伝送線路片となる誘電体又は磁性体を設置するようにしている。そして、送信機側では、送信用電極から生成される電磁界を表面波伝送線路片によって筐体の表面の所望する部位まで信号を誘導する。また、受信機側では、筐体の表面の部位において表面波伝送線路片の先端面で捕捉した表面波を受信用電極まで誘導する。このようにして、効率的な信号の伝達が可能となっている。
ここで、図12に示したシステム構成では、伝搬ロスの問題を回避するためには、送信用電極及び受信用電極それぞれに取り付けられた表面波伝送線路片の端面の位置合わせを行なうとともに、データ通信中はその位置を保持しなければならない。
そこで、送信用電極及び受信用電極それぞれに取り付けられた表面波伝送線路片の先端部分に位置保持機構を備えるようにしてもよい。このような位置保持機構によれば、結合用電極に取り付けられた表面波伝送線路の端面の位置合わせを行なうとともに、データ通信中はその位置を保持することが容易になり、通信速度を安定化することができる。さらに以下のようなメリットもある。
(1)本発明に係る通信システムの通信速度は、電極間の距離や方向、角度に依存するが、最適の接触位置をユーザに分かり易いインターフェースで促すことができる。また、通信装置の位置保持機構に誘電体を用いることによって、良い通信精度を保つことができる。
(2)機器を固定できるので、通信中にユーザが手で機器の位置を保持し続ける必要がなく通信時の姿勢の保持が容易である。そのまま収納場所としても利用可能である。
(3)据置機器の筐体に丸みがあったり、薄型であったりして、携帯機器を置くことのできないものにも有効である。
(4)誘電体(磁性体)からなる表面波伝送線路が位置保持機構を兼ねているので、その長さに応じて表面波信号を利用し易い位置まで誘導することができる。また、必ずしも電極を無線機筐体の外側近くに置く必要がなくなり、部品実装や筐体のレイアウトにおいて自由に設計を行なうことができる。
図13Aには、誘電体からなる表面波伝送線路片の先端にねじ形状を形設した位置保持機構の構成例を示している。図示のように、一方の通信機の表面波伝送線路片は雄ねじ形状が形設されるとともに、他方の通信機の表面波伝送線路片は雌ねじ形状が形設されている。このような場合、図13Bに示すように、送受信機それぞれの表面波伝送線路片を螺着することで、表面波伝送線路の端面の位置合わせが行なわれ、さらにその位置を保持することが容易になる。そして、螺着された一対の表面波伝送線路片は一体の表面波伝送線路となって、データ通信中は、装置筐体の表面まで信号を導くことで、効率的な信号の伝達を可能にしている。雌ねじ側には、例えば図13Cに示すように、カメラなどにある3脚用ねじを兼用することも可能である。
図14A〜図14Bには、フェライト磁石などの高透磁率の素材からなる表面波伝送線路片を用いた通信システムの例を示している。
送信機と受信機にそれぞれ設けた表面波伝送線路片の極性を異ならせることで、磁気による吸引作用が発生するので、通信時の電極間の位置合わせや、姿勢の保持を容易にすることができる。また、送信用電極から出力された信号は、高い透磁率を持つフェライト磁石の内部を表面波として伝搬するため、フェライト磁石がない場合に比べて効率よく信号を伝送することができる。
また、図14Cに示すように、送信機側の送信用電極の前にだけフェライト磁石からなる表面波伝送線路片を配設し、受信機側の受信用電極には磁石を置かず、例えば鉄からなる受信用電極を送信側の表面波伝送線路片による磁力で吸引するようにすることもできる。勿論、受信機側の受信用電極の前にだけフェライト磁石からなる表面波伝送線路片を配設するという構成も可能である。
図15には、誘電体からなる送受信双方の表面波伝送線路片の先端部にフック形状を利用した通信システムの構成例を示している。図示のように、送受信機それぞれの表面波伝送線路片の先端のフック部分を係合することで位置合わせが行なわれ、さらにその位置を保持することが容易になる。そして、一対の表面波伝送線路片は一体の表面波伝送線路となって、データ通信中は、装置筐体の表面まで信号を導くことで、効率的な信号の伝達を可能にしている。
図15に示した通信システムは、例えば、据置機器(テレビやハードディスクレコーダなど)への携帯機器(カメラ、や携帯音楽プレーやなど)の取り付けに利用することができる。この場合も、通信時の電極間の位置合わせや、姿勢の保持を容易にすることができる。また、送信用電極から出力された信号は、表面波伝送線路片の内部を表面波として伝搬するため、効率よく信号を伝送することができる。表面波伝送線路辺の素材として誘電体を選ぶことで、フックなどの機械的形状を比較的容易に製作することができる。勿論、フック以外のその他の機械的な係止形状を用いることができる。
また、図16には、ボタン形状の表面波伝送線路を用いた通信システムの構成例を示している。
図16Aに示すように、一方の通信機側の結合用電極には、ボタン形状をなす誘電率の高い誘電体からなる表面波伝送線路が取り付けられ、この表面波伝送線路片は通信機の筐体から突出している。また、他方の通信機側の筐体には表面波伝送線路のボタン形状とほぼ同じ形状からなりこれを主要可能な受容部が凹設され、この受容部の底面には結合用電極が近接している。
したがって、図16Bに示すように、一方の通信機側の表面波伝送線路を他方の通信機側の受容部に埋設させることによって、表面波伝送線路を挟んで結合用電極同士が対向するように位置合わせがなされるとともに、この位置が保持される。そして、一方の結合用電極から発生する静電磁界は、表面波として表面波伝送線路片を通して伝搬ロスなく他方の結合用電極に到達する。
また、図17には、吸盤形状をした表面波伝送線路片を用いた通信システムの構成例を示している。
同図に示すように、一方の通信機側の筐体表面には、内蔵された結合用電極に対向する部位に、柔軟で吸盤形状をなす誘電率の高い誘電体からなる表面波伝送線路が取り付けられている。また、他方の通信機側の筐体表面には、内蔵された結合用電極に対向する部位には位置合わせの指標となる場所が印刷などにより施されている。
このような場合、一方の通信機側の吸盤形状からなる表面波伝送線路を他方の通信機側の位置合わせ場所の指標に合わせて押し付けると、吸引力により位置が固定され、表面波伝送線路を挟んで結合用電極同士が対向する。そして、一方の結合用電極から発生する静電磁界は、表面波として表面波伝送線路片を通して伝搬ロスなく他方の結合用電極に到達する。
また、図18には、マジックテープ(登録商標)などの面ファスナー形状をした表面波伝送線路片を用いた通信システムの構成例を示している。同図に示すように、双方の通信機の筐体表面には、内蔵された結合用電極に対向する部位に、面ファスナー形状をした誘電率の高い誘電体からなる表面波伝送線路片がそれぞれ取り付けられている。一方の面ファスナーはループ状であり、他方の面ファスナーはフック状であり、両者が接触したときには、フックがループに引っ掛かる作用により位置が保持される。これら面ファスナー形状の表面波伝送線路片を接触させると、粘着し合うことにより位置合わせがなされるとともに、その位置が保持され、表面波伝送線路片を挟んで結合用電極同士が対向する。そして、一方の結合用電極から発生する静電磁界は、表面波として表面波伝送線路片を通して伝搬ロスなく他方の結合用電極に到達する。
また、図19には、伸縮棒式に構成された表面波伝送線路片を用いた通信システムの構成例を示している。
図19Aに示すように、一方の通信機側の結合用電極には、高さ方向に伸縮可能となるように構成された伸縮棒式の表面波伝送線路片が取り付けられ、この伸縮棒を伸展させることによって、表面波伝送線路片は通信機の筐体から突出している。また、他方の通信機側の筐体には、伸展状態となった伸縮棒式の表面波伝送線路片の先端部分を受容する凹形状の表面波伝送線路片が取り付けられ、この受容部の底面には結合用電極が近接している。
したがって、図19Bに示すように、一方の通信機側の伸縮棒式の表面波伝送線路片を伸展させ、他方の通信機側の受容部に埋設させることによって、表面波伝送線路片を挟んで結合用電極同士が対向するように位置合わせがなされるとともに、この位置が保持される。そして、このように係合した一対の表面波伝送線路片は一体の表面波伝送線路となって、データ通信中は、装置筐体の表面まで信号を導くことで、効率的な信号の伝達を可能にしている。
図19Cに示すように、一方の通信機がAVラック内に収容されたAV機器であり、他方の通信機がAVラックの上面に載置された携帯機器である場合には、伸展状態となった伸縮棒式の表面波伝送線路片の先端部分を、AVラックの上面に穿設された開口を介して、凹形状の表面波伝送線路片に差し込むことによって、位置合わせ及びその位置の保持が実現する。そして、一方の結合用電極から発生する静電磁界は、表面波として表面波伝送線路片を通して伝搬ロスなく他方の結合用電極に到達する。
図20には、結合用電極の位置を表示する位置表示機能を備えた表面波伝送線路片を用いた通信装置の構成例を示している。表面波伝送線路片は、例えばアクリルなどの透明な誘電体を用いて構成することができる。そして、近傍に配設されたLED(Light Emmitting Device)などの発光部が発する光を表面波伝送線路片に入射すると、筐体の表面に露出した表面波伝送線路片の端面から光が射出して、通信相手となる通信機器側の結合用電極の位置合わせ場所の指標となる。
また、図20に示すような位置表示機能を備えた通信機器の制御部は、静電結合による通信が可能な状態になったことに応答して発光を開始するようにしてもよく、発光に伴う無駄な電力消費を抑えることができる。
図21には、図20の変形例を示している。一方の通信機は、複数の結合用電極を備え、各結合用電極には図20に示したような位置表示機能付きの表面波伝送線路片がそれぞれ取り付けられている。この通信機は、例えばコンテンツをダウンロードするデータ配信端末であり、コンテンツのカテゴリ毎に結合用電極が割り当てられている。そして、あるカテゴリのコンテンツについてダウンロードが可能な状態になると、該当する発光部が点灯して結合用電極の位置合わせ場所を表示する。したがって、ユーザは、携帯端末などのダウンロード先の機器を点灯している場所に位置合わせすることで、静電結合によるデータ伝送が可能となる。
また、各発光部は、メモリ部と連動して、ダウンロード可能な内容を表すアイコンを表示するようにしても良い。このような場合、ユーザは、欲しい情報のアイコンに携帯端末を近づけることで、そのデータをダウンロードすることができる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、UWB信号を静電結合によりケーブルレスでデータ伝送する通信システムに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、UWB通信方式以外の高周波信号を使用する通信システムや、比較的低い周波数信号を用いて静電結合によりデータ伝送を行なう通信システムに対しても、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明に係る通信システムの基本的構成を示した図である。 図2は、伝搬方向と平行な向きに振動する電界成分(縦波成分)ERを示した図である。 図3は、誘電体からなる表面波伝送線路内を表面波が伝搬する様子を示した図である。 図4は、磁性体からなる表面波伝送線路内を表面波が伝搬する様子を示した図である。 図5Aは、誘電体としてPPS(ポリフェニレンスルフィド樹脂)、あるいは磁性体としてNiZnフェライト、磁石をそれぞれ表面波伝送線路に用いた場合の伝送線路の長さと伝搬ロスの関係を示した図である。 図5Bは、表面波伝送線路として使用した素材を示した図である。 図5Cは、伝搬ロスを説明するための図である。 図6は、誘電体からなる表面波伝送線路を用いた場合の通信システムの構成例を示した図である。 図7は、送信機10の表面波発信部分(高周波結合器)の構成例を示した図である。 図8Aは、高周波結合器の電極の中心に高周波伝送線路を接続したときに電極内を流れる電流の様子を示した図である。 図8Bは、高周波結合器の電極の中心からオフセットのある位置に高周波伝送線路を接続したときに、電極内に不均等な電流が流れて不要電波を放射する様子を示した図である。 図9は、容量装荷型アンテナの構成例を示した図である。 図10は、送信機10の表面波発信部分についての他の構成例を示した図である。 図11は、表面波伝送線路が1つの誘電体(若しくは磁性体)ではなく途中で切り離された複数の誘電体(若しくは磁性体)で構成されている例を示した図である。 図12は、表面波伝送線路を用いた非接触通信機の構成例を示した図である。 図13Aは、誘電体からなる表面波伝送線路片の先端にねじ形状を形設した位置保持機構を備えた通信システムの構成例を示した図である。 図13Bは、誘電体からなる表面波伝送線路片の先端にねじ形状を形設した位置保持機構を備えた通信システムの構成例を示した図である。 図13Cは、図13Aに示した位置保持機構をカメラなどにある3脚用ねじに兼用した構成例を示した図である。 図14Aは、フェライト磁石などの高透磁率の素材からなる表面波伝送線路片を用いた位置保持機構を備えた通信システムの構成例を示した図である。 図14Bは、フェライト磁石などの高透磁率の素材からなる表面波伝送線路片を用いた位置保持機構を備えた通信システムの構成例を示した図である。 図14Cは、送信機側の送信用電極の前にだけフェライト磁石からなる表面波伝送線路片を配設した通信システムの構成例を示した図である。 図15は、誘電体からなる送受信双方の表面波伝送線路片の先端部にフック形状を利用した通信システムの構成例を示した図である。 図16Aは、ボタン形状の表面波伝送線路を用いた通信システムの構成例を示した図である。 図16Bは、一方の通信機のボタン形状の表面波伝送線路が他方の通信機の受容部に埋設されている様子を示した図である。 図17は、吸盤形状をした表面波伝送線路片を用いた通信システムの構成例を示した図である。 図18は、面ファスナー形状をした表面波伝送線路片を用いた通信システムの構成例を示した図である。 図19Aは、伸縮棒式に構成された表面波伝送線路片を用いた通信システムの構成例を示した図である。 図19Bは、伸縮棒式の表面波伝送線路片を進展させて他方の表面波伝送線路片に取り付けた様子を示した図である。 図19Cは、図19Aに示した伸縮棒式に構成された表面波伝送線路片を用いた通信システムをAVラックに摘要した構成例を示した図である。 図20は、結合用電極の位置を表示する位置表示機能を備えた表面波伝送線路片を用いた通信装置の構成例を示した図である。 図21は、結合用電極の位置を表示する位置表示機能を備えた表面波伝送線路片を用いた通信装置の構成例を示した図である。
符号の説明
10…送信機
11…送信回路部
12…共振部
12A…並列インダクタ
12B…直列インダクタ
14…送信用電極
20…受信機
21…受信回路部
22…共振部
24…受信用電極
30…表面波伝送線路

Claims (27)

  1. 高周波信号を生成する送信回路部と、該高周波信号を静電磁界として送出する高周波結合器と、前記送信回路部及び前記高周波結合器を収容する第1の筐体を備えた送信機と、
    静電磁界として高周波信号を受信する高周波結合器と、該高周波結合器で受信した高周波信号を受信処理する受信回路部と、前記受信回路部及び前記高周波結合器を収容する第2の筐体を備えた受信機と、
    前記第1の筐体内の高周波結合器から生成される静電磁界の表面波を捕捉して前記第2の筐体内の高周波結合器まで伝送する表面波伝送線路と、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なう位置保持機構を提供する表面波伝搬手段と、
    を具備することを特徴とする通信システム。
  2. 前記の高周波信号は、超広帯域を使用するUWB信号である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記表面波伝送線路は、空気の誘電率ε0よりも大きな誘電率εを持つ誘電体で構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記表面波伝送線路は、空気の透磁率μ0よりも大きな透磁率μを持つ磁性体で構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  5. 前記表面波伝送線路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片と、前記第2の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第2の表面波伝送線路片で構成され、
    前記位置保持機構は、前記第1の表面波伝送線路片及び前記第2の表面波伝送線路片を接合する接合部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  6. 前記接合部は、前記第1表面波伝送線路片に形設された雄ねじ形状と、前記第2の表面波伝送線路片に形設された雌ねじ形状で構成される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  7. 前記接合部は、前記第1表面波伝送線路片及び前記第2の表面波伝送線路片にそれぞれ形設された略フック形状で構成される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  8. 前記表面波伝送路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片と、前記第2の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第2の表面波伝送線路片で構成され、
    前記位置保持機構は、前記第1の表面波伝送線路片及び前記第2の表面波伝送線路片を吸着する吸着手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  9. 前記第1及び第2の表面波伝送線路片はそれぞれ極性の異なる磁石で構成され、
    前記吸着手段は、該磁石同士の磁力により前記第1及び第2の表面波伝送線路片の適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なう、
    ことを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
  10. 前記表面波伝送線路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片で構成され、該第1の表面波伝送線路片は前記第1の筐体から出現した略ボタン形状の突起部を備え、
    前記位置保持機構は、前記第2の筐体表面に形設された前記突起部を収容する受容部で構成され、該受容部の底辺近傍に高周波結合器が埋設されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  11. 前記表面波伝送線路は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた第1の表面波伝送線路片で構成され、該第1の表面波伝送線路片は前記第1の筐体から出現した吸引盤を備え、
    前記位置保持機構は、前記第2の筐体表面に設けられた、前記吸引盤の吸引場所を示す指標を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  12. 前記表面波伝搬手段は、前記第1の筐体表面の高周波結合器に近接する部位に設けられた誘電体からなる第1の面ファスナーと、前記第2の筐体表面の高周波結合器に近接する部位に設けられた誘電体からなり前記第1の面ファスナーと係合する第2の面ファスナーで構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  13. 前記表面波伝搬手段は、前記第1の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた伸縮棒形状の第1の表面波伝送線路片と、前記第2の筐体内で高周波結合器に対向して取り付けられた凹形状の第2の表面波伝送線路片で構成され、
    前記第2の表面波伝送線路片が前記第1の表面波伝送線路片が伸展した状態でその先端部分を受容することで、前記の各高周波結合器との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  14. 装置筐体と、
    前記装置筐体に収容された、データを伝送する高周波信号の処理を行なう通信回路部と、前記通信回路部から出力される高周波信号を所望の周波数で共振させる共振部と、及び、中央付近にて前記共振部を接続した結合用電極と、
    通信相手となる機器の筐体との適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なうとともに、前記結合用電極の正面の近傍で発生する電磁界の表面波を捕捉して該通信相手の機器に誘導する表面波伝搬手段と、
    を具備することを特徴とする通信装置。
  15. 前記表面波伝搬手段は、前記結合用電極に対向して取り付けられた表面波伝送線路片を備え、該表面波伝送線路片には前記通信相手となる機器側の表面波伝送線路片と接合する接合部が配設されている、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  16. 前記表面波伝送線路片は、空気の誘電率ε0よりも大きな誘電率εを持つ誘電体で構成され、
    前記接合部は、前記通信相手となる機器側の表面波伝送線路片に形設された雌ねじ形状と螺着する雄ねじ形状を備える、
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  17. 前記表面波伝送線路片は、空気の誘電率ε0よりも大きな誘電率εを持つ誘電体で構成され、
    前記接合部は、前記通信相手となる機器側の表面波伝送線路片と係合する略フック形状を備える、
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  18. 前記表面波伝搬手段は、前記結合用電極に対向して取り付けられた表面波伝送線路片と、前記通信相手となる機器を吸着する吸着部を備える、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  19. 前記表面波伝送線路片は、空気の透磁率μ0よりも大きな透磁率μを持つ磁性体からなる磁石で構成され、
    前記吸着部は、該磁石の磁力により前記通信相手となる機器に対し適切な位置合わせ及び該位置の保持を行なう、
    ことを特徴とする請求項18に記載の通信装置。
  20. 前記表面波伝搬手段は、前記結合用電極に対向して取り付けられた、前記筐体から出現した略ボタン形状の突起部を持つ表面波伝送線路片を備え、
    前記通信相手となる機器の筐体表面に形設された受容部に前記突起部を埋設することで、前記通信相手となる機器との位置合わせ及び位置決めがなされる、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  21. 前記表面波伝搬手段は、前記結合用電極に対向して取り付けられた、前記筐体から出現した吸引盤を持つ表面波伝送線路片を備え、
    前記吸引盤を前記通信相手となる機器の筐体表面上の所望の吸引場所に取り付けることで、前記通信相手となる機器との位置合わせ及び位置決めがなされる、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  22. 前記表面波伝搬手段は、前記筐体表面の結合用電極に近接する部位に設けられた誘電体からなる第1の面ファスナーを備え、
    前記第1のファスナーが前記通信相手となる機器の筐体表面に設けられた第2の面ファスナーと接触することで、前記通信相手となる機器との位置合わせ及び位置決めがなされる、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  23. 前記表面波伝搬手段は、前記結合用電極に対向して取り付けられた伸縮棒形状の表面波伝送線路片を備え、
    伸展した状態の表面波伝送線路片が前記通信相手となる機器に設けられた凹形状の表面波伝送線路片に受容されることで、前記通信相手となる機器との位置合わせ及び位置決めがなされる、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  24. 前記表面波伝搬手段は、前記結合用電極に対向して取り付けられた表面波伝送線路片と、該表面波伝送線路片が前記装置筐体の表面に露出している部位を表示する位置表示手段を備える、
    ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
  25. 前記表面波伝送線路片は透明の素材で構成され、前記位置表示手段は前記表面波伝送線路片への入射光を発する発光部を備える、
    ことを特徴とする請求項24に記載の通信装置。
  26. 前記通信回路部における通信可能状態を把握する制御部をさらに備え、
    前記発光部は、通信可能状態に応じて明滅する、
    ことを特徴とする請求項25に記載の通信装置。
  27. 伝送データの内容を制御する制御部をさらに備え、
    前記発光部は、伝送データの内容に応じたアイコンを表示する、
    ことを特徴とする請求項25に記載の通信装置。
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