JP4750017B2 - 冷却壁を有するタンクにおける溶融および精製 - Google Patents

冷却壁を有するタンクにおける溶融および精製 Download PDF

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Description

本発明は、特に、冷却壁を有する溶融または精製ユニットにおける溶融および/または精製の方法および装置に関する。
本発明の目的は、無機物質、好ましくはガラス、ガラス・セラミック、および水晶を溶融および/または精製するときエネルギー消費量が低減された方法および装置を提供することである。本発明は、例えばスカル坩堝または導電加熱タンクにおいてなど、冷却壁を有する溶融または精製ユニット内で使用されることが好ましい。
従来の技術は、無線周波数を使用してガラスを溶融させるために使用される、冷却壁を有するある範囲の溶融ユニット、特にスカル坩堝について記述している。
ここでは、無線周波数加熱スカル坩堝は、冷却金属管から形成され、かつ無線周波数コイルによって囲まれる坩堝を意味すると理解されたい。金属管の間にはギャップがあり、これにより、無線周波数エネルギーが、溶融ガラス内に直接導入されることが可能になる。
ここでは、導電加熱タンクまたは導電加熱坩堝は、電極によって導入される直流または交流によって熱が少なくとも部分的に供給されるタンクまたは坩堝を意味すると理解されたい。
スカル坩堝においてガラスを溶融させることは、冷却金属管上のガラスと同じタイプの材料のスカル層を形成するので、多くの利点をもたらす。スカル坩堝において、高純度および/または非常に腐食性および/または高融点ガラスを溶融させて、溶融状態を維持することができる。
1600℃から1700℃を超える温度においてのみ溶融する高融点ガラスは、冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融させることができるが、その理由は、ガラスと同じタイプの材料のスカル層が、高温においても常時再形成され、それにより、外部不純物に対して保護するからである。
また、化学的に非常に腐食性なガラスを溶融させるとき、ガラスと同じタイプの材料のスカル層が形成され、溶融ガラスが冷却金属管を腐食するのを防止する。
高純度ガラスを溶融させるとき、ガラスと同じタイプの材料のスカル層は、特にまた、ガラス溶融物によって溶解された坩堝材料がガラス溶融物に侵入するのも防止する。特に金属イオンなどの冷却金属管の酸化成分が、スカル層を通って非常に少量拡散することがあるので、純度要件が極度に厳しい場合、例えば白金金属から作成された金属管、アルミニウム管、またはプラスチック・コーティング金属管など、特別な金属管を使用することが必要である。
しかし、例えばスカル坩堝などの冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融させることは、その方法が非常にエネルギーを消費するものであるという欠点を有する。その理由は、壁を冷却するためにおよび/またはガラスと同じタイプの材料のスカル層を生成するために、壁が非常に低温に冷却されなければならず、その結果、非常に大量のエネルギーが、溶融ガラスから引き出されるからである。
この点において、加熱溶融物とより低温の壁領域との間の温度差は、熱の散逸によるエネルギー損失の直接的な尺度である。この温度差は、より高い融点または精製温度において増大し、その結果、熱の散逸によるエネルギー損失も、同時に増大する。
無線周波数エネルギーおよび供給導電性電流の両方が、例えば化石燃料と比較して、高価なエネルギー・キャリアであるので、上述の溶融および精製方法は、高価でエネルギーを消費すると言われる。特に、温度のさらなる上昇は、従来のタンクから類推して、追加のコストの直接的な尺度と見なされた。
従来の溶融タンクでは、溶融タンクの良好な熱絶縁を使用することによって、壁および床を通す熱散逸、すなわちエネルギー損失を可能な限り低く維持することが試行されている。
単位重量Eあたりのエネルギー損失は、スループットに依存する。同じ等級のガラスを想定すると、スループットの増大は、温度の上昇に一般に関連付けられる。
金属またはセラミックの耐熱性材料から作られた壁を有する従来のタンクは、耐熱性材料に許容可能である温度までのみ加熱することができる。例えば白金金属などの金属耐熱性材料では、1500℃以下、セラミック耐熱性材料では、1600℃以下、または例外的な場合では、短時間に最高でせいぜい1700℃である。
したがって、従来のタンクでは、最高融点は、使用される耐熱性材料によって決定される。最高融点を決定することによって、耐熱性材料は、最大スループットも事前に決定する。
さらに、従来のタンクでは、温度を上昇させるために必要なエネルギーをタンクに導入することについて問題がある可能性があるが、その理由は、より高いバーナ温度が、ルーフをより重度に腐食し、さらに電気加熱する場合、電極が、集中的に腐食されるからである。
温度の上昇は、溶融タンクの溶融ガラスの対流の増大にも関連付けられ、これにより、タンクがかなりより重度に腐食される。
タンクに対する腐食の増大により、まず、タンクの使用期間が短縮され、次に、ガラスの品質に対し悪影響を及ぼす。したがって、従来のタンクでは、スループットの増大は、溶融遺物の結果として、ガラスの品質を低下させる危険を常に伴う。ガス燃焼タンクの場合、より高いガラスの温度は、同時に、より高い上部炉の温度をも意味する。これは、大気において環境的に有害な窒素酸化物NOの発生の生成が増大と関連する。多くのタンクが、現在適用可能な限界で動作中である。
その結果、従来のタンクでは、温度を上昇させることによってスループットを増大させることに対して非常に厳格な制限が存在し、その結果、エネルギーの観点からそれを実施することは適切ではない。
同じ融点について、例えばスカル坩堝などの冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融するとき、単位面積あたりの熱損失は、従来のタンクの十分に熱絶縁された壁の場合の単位面積あたりのエネルギー損失よりはるかに大きい。
さらに、温度が上昇するにつれて、エネルギー損失は、上記で説明されたように、従来のタンクの場合より、スカル坩堝の場合により大きくなる。従来のタンクと比較して、冷却壁を有する溶融ユニットからこのように著しく高いエネルギーが損失されることが、例えばスカル坩堝中における溶融などの冷却壁を有するユニット内での溶融を比較的一般的ではないものとする理由である。
従来のタンクよりかなりの利点を有するにもかかわらず、スカル溶融方法は、これまで、従来の溶融方法がうまくいかない場合にのみ使用されてきた。
本発明の目的は、一方では、冷却壁を有する溶融ユニットの主な利点が保持され、他方では、冷却壁を有するタンク中で溶融するときに生じる最終溶融材料の単位重量あたりのエネルギー需要を大幅に低減することが可能である方法および装置を見出すことである。
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載される方法の特徴を有する方法によって、および請求項34の特徴を有する装置によって、非常に驚くべき方法で達成される。本発明による方法の有利な改善は、従属請求項の主題を成す。
本発明者は、溶融物の融点Tが上昇し、かつ溶融ユニットVにおける溶融物の残留時間tが短縮される場合、例えばスカル坩堝において、非常に驚くべき方法で、冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融ガラスの単位重量あたりのエネルギー消費量Etotを大幅に低減することができることを発見した。
したがって、冷却壁を有する溶融ユニット内で無機材料、好ましくはガラスおよびガラス・セラミックを溶融させる本発明による方法は、
溶融される材料を、溶融ユニットに供給し、加熱エネルギーを供給することによって加熱することを提供し、この方法では
以下でより詳細に記述されるように、適切に適合されたスループットが与えられると、溶融される材料の単位重量あたりのエネルギー消費量が最小である温度Teffが決定され、
溶融ユニットにおける溶融物の温度が、Teff−20%からTeff+20%の範囲にあるように選択され、
スループットが、必要な残留時間に適合するように選択される。
本発明の方法に対応する方法において、特に本発明による方法を実施するためにも使用することができる、無機材料、好ましくはガラスおよびガラス・セラミックを溶融する本発明による装置は、
冷却壁を有する溶融ユニットと、
溶融される材料を供給するための装置と、
溶融物を直接加熱するための装置と、
溶融物の少なくとも1つの領域において少なくともTeff−20%からTeff+20%である温度を設定するための装置であって、温度Teffが、所定の温度において必要とされる残留時間に適切に適合されるスループットで、溶融される材料の単位重量あたりのエネルギー消費量が最小である温度によって与えられる、装置と、
溶融される材料の相対スループットを溶融物における必要残留時間に適合させるための装置と、を備える。
本発明者は、温度が上昇する際に、単位重量あたりのエネルギー消費量Etotが、まず減少して、最小値を通過し、その後さらにより高い温度において再び上昇することを実験により発見した。単位重量あたりのエネルギー消費量Etotが最小値に到達する温度は、以下においてTeffとして言及される。
以下の関係が、温度Teffにおいて適用される。
Figure 0004750017
例えば、Teffは、例を参照して以下でより詳細に説明されるように、実験値から決定することができる。
ここでは、Etotは、溶融ガラスの単位重量あたりの全エネルギー消費量を表し、単位重量あたりの有用な熱Eおよび単位重量あたりのエネルギー損失Eからなる。
effの代替として、第1近似において、単位重量あたりのエネルギー損失が単位重量あたりの有用な熱の値に降下する温度を決定することも可能である。したがって、この目的では、
(2)E=E
である温度が決定される。
さらに、熱エネルギーが溶融物に直接供給される、または、エネルギーが、溶融物中で熱エネルギーに直接変換されることが好ましい。これは、例えば、適切な装置による直接導電加熱によっておよび/または直接誘導加熱によって達成することができる。
溶融物において行われるプロセスは、絶対温度に依存する。したがって、範囲Teff−20%からTeff+20%は、特に絶対温度に基づく。
ここでは、相対スループットという用語は、溶融ユニットにおける溶融物の量
Figure 0004750017
に基づくスループットD[質量/単位時間]を意味することを理解されたい。ここで、Vは溶融物の容積を表し、ρは溶融物の密度を表す。その結果、以下が、相対スループットDrelに適用される。
Figure 0004750017
この式で、tは平均残留時間を表す。
したがって、相対スループットは、逆数時間の次元を有する。
必要な残留時間は、本方法によって達成される結果によって決定される。本発明の一実施形態によれば、方法は、バッチを溶融させるために使用され、したがって、この場合、必要な残留時間は、対応して溶融時間を含む。
他の実施形態によれば、本方法は、溶融材料を精製するために使用され、したがって、必要な残留時間は、精製に必要な時間を含む。冷却壁を有する1つのユニット内で溶融および精製の両方を実施することも可能である。この場合、必要残留時間は、対応して、溶融および精製に必要な時間を含む。必要残留時間は、溶融ユニット内で溶融される材料の平均残留時間を意味することも理解されたい。
eff−20%からTeff+20%の範囲は、溶融される材料の単位重量あたりのエネルギー消費量について特に好都合であることが分かる。
非常に高いスループットにおいて、または溶融ユニット中での溶融物の保持時間が非常に短い場合、例えばバブルが精製中に発生する速度などの物理的プロセスだけでなく、化学反応、特に熱力学的平衡が溶融物において確立される反応速度も、役割を果たす。溶融ガラスの温度上昇は、例えば精製バブルへの気体拡散速度がより高い結果として、バブルが発生する速度などの物理的プロセスだけでなく、熱力学的平衡が確立される反応速度をも促進する。高温における反応速度の加速により、スループットが十分に大きく増大することが可能になり、それにより、より高温における単位重量あたりのエネルギー損失の増大が、スループットの適合された増大によって補償されるよりも大きくなる。これは、壁の冷却にもかかわらず、溶融物の少なくとも1つの領域が、意図した温度になることを可能にするために、溶融物に十分な加熱エネルギーを供給することができる加熱方法を必要とする。
以下のテキストは、いくらか簡略化された状況に基づいて、本方法のより詳細な説明を提供する。明瞭化のために、いくつかの変数の単位は、角括弧において与えられる。例として、単位キログラム[kg]が、重量について選択され、単位時間[h]が、時間について選択され、単位キロワット[kW]が、電力について選択され、単位キロワット時[kWh]が、エネルギーについて選択された。
本発明者は、適切かつ広範に検討すると、ガラスを溶融させるとき、一方では有用な熱と、他方ではエネルギー損失とが区別される場合、冷却壁を有するユニットにおけるエネルギー節約溶融物が可能であることを発見した。溶融ガラスの単位重量あたりの全エネルギー消費量Etotは、単位重量あたりの有用な熱Eおよび単位重量あたりのエネルギー損失Eからなる。
(4)Etot=E+E
単位重量あたりの有用な熱Eの項は、加熱および溶融のためにガラス・バッチおよび/または装填カレットに供給されなければならない溶融ガラスの単位重量あたりの熱量を意味することを理解されたい。
単位重量あたりのこの有用な熱は、
バッチおよび/または装填カレットを加熱する単位重量あたりの熱量、すなわち
Figure 0004750017
(ΔTは、開始温度と融点または転移温度との温度差を表す)、
単位重量あたりの潜熱、すなわちEN2=ΔH、および
溶融ガラスを所望のプロセス温度まで加熱するための単位重量あたりの熱量、すなわち
Figure 0004750017
を含む。ここで、ΔTは、溶融温度または転移温度から選択されたプロセス温度までの温度差を表し、これは、本発明によれば、溶融物の少なくとも1つの領域において、Teff−20%からTeff+20%の範囲にある。
潜熱ΔHは、例えば、バッチおよび/または装填カレットの形態で添加される溶融材料の溶融中またはガラス転移中の反応熱および/または相転移熱を含む。
第1近似では、融点または転移温度より低い溶融材料の比熱cp1、および溶融温度または転移温度より高い溶融材料の比熱cp2は、等しいと想定することができ、したがって、
(5)cp1=cp2=c
である。したがって、以下がEについて得られる。
Figure 0004750017
したがって、有用な熱、特に精製に必要な有用な熱は、スループットおよび融点に正比例する。溶融ガラスのkgあたりの有用な熱Eは、溶融時間および溶融方法には依存しない。
一方、エネルギー損失は、溶融方法に依存する。
エネルギー損失は、特に、
ガラス表面における熱の放射と、
溶融ベセルの壁およびフロアを通す経た熱の損失と、
気体または油の加熱が使用される場合の高温気体からの熱損失との結果として生じる。
簡略化された考えでは、とりわけ、エネルギー損失に寄与する熱放射を考慮しない。
単位時間あたりのエネルギー損失は、単位時間あたりに失われる熱量kWh/hを表す。したがって、単位時間あたりのエネルギー損失は、エネルギー電力損失kWh/h=kWである。
スループットを考慮した単位重量あたりのエネルギー損失は、単位重量あたりに失われる熱量Eを表す。
エネルギー損失または単位重量あたりのエネルギー損失は、使用される溶融ユニットに依存する。
ガラス表面からの放射の結果であるエネルギー損失は、まず、表面が、バッチのカーペットまたはバブルのカーペットによって覆われていないかまたは覆われているかに依存する。ガラス表面における熱の放射は、溶融ガラスの表面が、バッチのカーペットまたはバブルのカーペットによって覆われる場合、大幅に低減される。一方、ガラス表面から放射される熱は、溶融タンクのルーフによって後方に反射される。表面を通す熱損失は、ルーフの壁を経た熱損失の結果である。
従来のタンクの場合、ならびに冷却壁および無線周波数加熱または導電加熱を有する溶融ユニットの場合、表面における熱放射の結果である単位面積あたりのエネルギー損失は、同じ温度および表面被覆率について、ほぼ等しい。
ガスまたはオイルの燃焼の場合、従来のタンクでは、追加のファクタが、高温気体が流出する結果である熱損失である。
上方融点がタンクに対する腐食によって限定される従来のタンクの場合とは異なり、冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融するとき、タンクに対する腐食によって融点に制約が課されることはまったくない。
驚くべきことに、本発明者は、例えばスカル坩堝など、冷却壁を有する溶融ユニットの場合、現在の意見とは対照的に、溶融ユニットにおける溶融物の保持時間が反応速度の増大のために短縮される場合、壁およびフロアを通すエネルギー損失がより大きく、かつ溶融物を加熱するためにより多くの有用なエネルギーが必要であるにもかかわらず、溶融温度が上昇する場合、単位重量あたりのエネルギー消費量を低減することができることを発見した。
壁およびフロアを通すエネルギー損失は、熱転移k[kW/cm*K]、溶融物の温度[T]、および溶融ユニットの冷却壁の表面積F[cm]に依存する。
溶融ユニットにおいて、溶融物の表面積対容積の比は、溶融ユニットの容積と共に変化する。この比は、以下ではFとして言及され呼ばれ、ここで、仮定される表面積は、溶融ユニットの冷却壁と接触する溶融物の表面積を実質的に表す。
(7)F=F/V [1/m]
したがって、表面積/容積ファクタFに溶融物の容積Vを乗算したものが、表面積Fの代わりに使用されることも可能である。
関係
Figure 0004750017
は、壁を通すエネルギー損失の簡略表示Eであると仮定することができる。
所定の溶融物の容積では、単位重量あたりのエネルギー損失Eは、スループットD(kg/h)にさらに依存し、したがって、Eについて以下が得られる。
Figure 0004750017
または
Figure 0004750017
溶融物のスループットD、または相対スループットDrelは、溶融ユニットの容積Vにおける溶融物の残留時間tによって決定される。
Figure 0004750017
これから、Eについて以下が得られる。
Figure 0004750017
または式(5)を使用して、
Figure 0004750017
または
Figure 0004750017
溶融ユニットVにおける溶融物の必要残留時間τは、それぞれの反応速度、例えば、バッチの溶解速度率または精製バブル発生速度に依存する。簡略化のために、特徴的な活性化温度に対応する定数Eをτに適用することができる。
Figure 0004750017
上式において、τは、基準温度Tにおける必要残留時間を表す。これに基づいて、必要残留時間τが、平均残留時間tまたは相対スループットDrel=1/tに適合される場合、t=τであり、Eは以下のようになる。
Figure 0004750017
溶融される材料の単位重量あたりのエネルギー消費量Etotは、まず、溶融ユニット内で溶融される材料の残留時間に依存する。さらに、必要残留時間は、温度に依存する。例えば、精製は、高温においてより迅速に行われ、例えば精製溶融物などの所望の結果を得るために必要な残留時間は、短縮される。
驚くべきことに、本発明者は、溶融ユニットの壁を冷却し、かつ溶融物を加熱するために、より多くのエネルギーを使用しなければならない場合でも、融点が上昇すると、溶融物の関連する反応速度がより速くなり、温度が上昇する際に減少するエネルギー寄与Etotが得られることを発見した。
温度に関する単位重量あたりのエネルギー消費量Etotの変化は、温度に関する単位重量あたりの有用な熱Eの変化と、温度に関する単位重量あたりのエネルギー損失Eとを加えたものに等しい。
(18)dEtot/dT=dE/dT+dE/dT
温度に関する単位重量あたりの有用な熱の変化dE/dTは、溶融物の加熱について一定であり、定義によってcに等しい。
単位重量あたりの有用な熱は、温度に関して線形に増大する。
Figure 0004750017
これは、より高い温度に到達するために、単位重量あたりより多くの有用な熱が、溶融物を加熱するために必要であることを意味する。
以下は、単位重量あたりのエネルギー損失の温度依存性に適用される。
Figure 0004750017
驚くべきことに、本発明者は、スカル層が存在する場合、1700℃と2400℃との間の熱転移kは、線形にのみ上昇し、したがって、d(k*T)/dTはkに等しいことを発見した。したがって、下式がdE/dTについて得られる。
Figure 0004750017
さらに、本発明者は、温度が上昇する際に、dE/dTが減少することを実験により発見した。この理由は、温度と共に反応速度が大幅に増大し、これの当然の帰結として、溶融ユニットの溶融物について必要な残留時間τが大幅に減少する。
温度に関するEの増大および温度に関するEの減少は、単位重量あたりのエネルギー消費量Etotが最小値にある最適に、温度Teffにおいて到達することを意味する。
Figure 0004750017
本発明の一実施形態によれば、溶融物を導電加熱する装置は、冷却電極を備える。このタイプの冷却電極を使用することにより、溶融物は、適切な電極材料の適用限界温度をさらに超える高温に加熱されることが可能になり、それにより、低エネルギー消費量に好ましい温度を確立することができる。溶融物を直接導電加熱するこのタイプの電極および溶融ユニットも、出願番号10256657.7および10256594.5を有する2つの以前のドイツ出願に記載されており、その開示の内容は、この観点において、やはり本出願の主題に完全に組み込まれている。
好ましくは大面積の電極が、ユニットの冷却壁のカットアウトに挿入されることが有利である。
溶融物は、50Hzから50kHz、好ましくは2kHzから10kHzの交流を使用して冷却電極の補助により加熱することができる。電極表面は、溶融物を加熱する電流密度が、電極上の任意の場所において5A/cmを超えないようにすることが有利である。この実施形態の好ましい改善によれば、電極は、冷却を制御するために使用することができる、少なくとも1つ、好ましくは2つの冷却回路を有する。空気および水を冷却媒体として好適に使用することができる。
導電加熱を有する溶融ユニット、または導電加熱を有する本発明による方法の精製は、例えば10−3Ω−1cm−1または好ましくは10−2Ω−1cm−1から10−1Ω−1cm−1の範囲の導電率を有する溶融物などの導電率が10−1Ω−1cm−1より低い溶融物にも適している。
冷却壁を有する溶融ユニット内で1600℃を超えて最高でTeffの温度まで溶融物を加熱することを可能にするために、冷却電極を溶融ユニットの冷却壁に直接取り付けることが必要である。
本発明によれば、冷却壁の一部を形成する大面積電極は、少なくとも1つの制御可能冷却システムを含む。電極が、例えば1つが気体冷却用で、1つが液体冷却用である、2重制御可能冷却システムを含むことが好ましい。大面積冷却電極は、スカル坩堝の壁および冷却セラミック壁の両方において取り付けることができる。
交流を使用して直接導電加熱される冷却壁を有する本発明による溶融ユニットの場合でも、融点が上昇する場合、導電率の増大によるエネルギー導入の増大は、冷却壁を通す熱損失、および融点を上昇させるために使用される有用な熱の増大より大きいことが判明した。
本発明の一実施形態によれば、冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融物を無線周波数加熱する装置は、無線周波数コイルによって囲まれるスカル坩堝を含む。スカル坩堝は、冷却金属管から形成される。金属管の間にギャップがあり、その結果、無線周波数をガラス溶融物に直接導入することができる。
無線周波数によって加熱されたスカル坩堝が、例えば特許DE19939781、DE19939772、DE10002019、DE19939779、DE10041757、またはDE19939780において記述され、これらの開示の内容は、この観点において、参照によって本記述に完全に組み込まれ、かつ本記述の主題に含まれている。
さらに、方法は、連続的方法として実施されることが特に好ましく、この場合、溶融材料は、適切な装置によって連続的に供給され、かつ溶融物から除去される。供給される溶融材料は、バッチとして固体の形態において、およびすでに溶融物の形態においての両方で供給することができる。溶融材料は、溶融形態で除去されることが好ましい。
本発明者は、タンク材料に対する化学的腐食のために、温度が従来のタンクにおいて上昇するときに生じる欠点は、冷却壁を有するユニット内で溶融するとき、回避することができることを発見した。溶融ユニットの壁は、ガラス溶融物において対流が非常に盛んに行われる場合でも、壁がもはや腐食されないように、十分に冷却されなければならない。
冷却壁を有する溶融ユニット内で溶融するとき、温度を上昇することができる範囲には、壁によって課される制限はほとんどない。
本発明者は、冷却壁を有する溶融ユニットを使用するとき、溶融プロセスまたは精製プロセスに必要とされる温度Tkonに溶融物を加熱するだけでなく、著しくより高い温度まで加熱し、必要なより短い残留時間に応じてスループットを増大させることに意味があることも発見した。したがって、本発明の一実施形態によれば、溶融物の少なくとも1つの領域が1700℃を超えて加熱されることが提供される。
例えばスカル坩堝など、冷却壁を有する坩堝におけるエネルギー損失は、温度が上昇する際に増大するが、融点が上昇するときのこの上昇は、スループットの増大に起因するエネルギーまたは電力の節約の上昇より緩慢であることが、驚くべきことに発見された。
多くの場合の溶融および精製中の化学反応および物理的プロセスは、温度に指数関数的に依存するプロセス速度を有するが、冷却壁を通す熱損失の温度依存性は、溶融ユニットの壁の表面積および温度差にのみ実質的に依存し、驚くべきことに、温度が上昇する際に比較的緩慢に増大する。
本発明者は、Tkonを超えて溶融物の温度を上昇させることによって、溶融ユニットにおける物理的プロセスおよび化学反応は、冷却壁を有する溶融ユニットの単位容積あたりのスループットを、融点Tが上昇する際に単位重量あたりのエネルギー損失Eが減少するような程度まで増大させることが可能であるような程度に加速されること、すなわち、スループットの増大に起因するエネルギー利得またはエネルギー損失の減少は、溶融ユニット内で溶融物の温度を上昇させ、かつ溶融物をより高温に維持するために必要な追加のエネルギー消費量よりはるかにより大きいこと、を発見した。
温度がTkonを超えて上昇する際にスループットが増大することにより、単位重量あたりのエネルギー損失Eは、温度Teffに到達するまで連続的に減少する。
単位重量あたりのエネルギー消費量Etot、すなわち具体的には壁およびフロアを通す単位重量あたりのエネルギー損失Eおよび溶融物を加熱するために必要な単位重量あたりの有用な熱Eの和は、スループットが必要残留時間tに対して適切に適合されるとすれば、上記ですでに説明されたように、Teffにおいて最小値を通過する。
しかし、より高温の方向において最小値を超える場合、温度の関数としての単位重量あたりのエネルギー消費量Etotは、再び非常に緩慢にのみ上昇するが、最小値より小さいより低い温度では、Etotは、温度の関数としてTeffに向かって大きく降下する。
したがって、温度が上昇したときのエネルギーの節約の効果は、Teffより低い範囲において非常に大きい。
また、エネルギー・コストをごくわずか増大させるだけで、高いスループットを非常に迅速に処理することを可能にするために、Teffより高温でユニットを動作することが、この範囲ではエネルギー消費量が緩慢に上昇するので、有利である。しかし、この場合、機器に関する支出もより多い。その結果、Teffより低い、または最高でTeffの温度における動作、すなわちTeff−20%からTeffの範囲の温度での動作が好ましい。これは、所望の温度Teffに到達しない場合であることもある。これは、とりわけ、溶融物の組成に依存する。溶融物がTeffより低い温度で蒸発し始める成分を含む場合、溶融物は、溶融ガラスの望ましい組成を大きく変化させずに、溶融物の対応する成分の蒸発温度Tverdに単に加熱することができる。TverdがTeffより低い場合、最大可能エネルギー節約電位の一部のみを実現することができる。十分な熱エネルギーをシステムに供給することが可能ではない場合、温度Teffに到達することもできない。
多くの場合、最大エネルギー節約は、融点を上昇させるために必要な単位重量あたりの有用な熱Eが単位重量あたりのエネルギー損失Eに等しい温度において到達される第1近似にある。
したがって、本発明の一実施形態によれば、単位重量あたりの有用な熱および単位重量あたりのエネルギー損失が等しいこの温度以下の温度を選択することが可能である。
(E=E
温度に関する単位重量あたりのエネルギー損失の減少は、単位重量あたりの有用な熱の増大より急激であるので、最大エネルギー節約は、単位重量あたりの有用な熱Eが単位重量あたりのエネルギー損失Eに等しい温度よりわずかに高い。温度Teffを決定するために、
溶融物を加熱するために必要な単位重量あたりの有用な熱と、
装備からのエネルギー損失、または壁およびフロアを通す熱損失と、
スループットの増大とが、温度の関数として決定される。
温度に関するガラス溶融物を加熱するために必要な単位重量あたりの有用な熱の変化は、上記ですでに記述されたように、ガラス溶融物の比熱Cから決定することができる。
ガラス溶融物の比熱容量Cは、1と2
Figure 0004750017
との間にあり、例えば、ソーダ石灰ガラスについて
Figure 0004750017
、ガラス・セラミックを生成するためのアルミノケイ酸ガラスについて
Figure 0004750017
である。
温度の関数としての壁を通すエネルギー損失の変化は、例えば、温度の関数として壁を冷却するために使用される冷却液体の温度を直接測定することによって測定することができる。
温度に関するスループットの変化は、溶融容積における溶融物に必要な保持時間tに依存する。温度に関するスループットの変化は、実験手段によって直接決定することができ、または、温度に関する反応速度の変化によって決定することができる。
溶融される材料の相対スループットを溶融物における必要残留時間tに適合させるために、一方では、絶対量的スループットを適合させ、他方では、望ましい絶対量的スループットを維持し、かつ対応して溶融容積またはユニットの大きさを適合させることが可能である。これは、例えば、ユニットが、所定の量的スループットを有する生成ラインの一部である場合に有利である。
意図したスループットの溶融ユニットのサイズは、温度Teffにおけるスループットから決定することができる。
effにおいてスループットが増大されるのではなく、溶融ユニットのサイズが低減される場合、単位重量あたりのエネルギー損失は増大し、したがって、単位重量あたりのエネルギー消費量もある程度増大するが、その理由は、表面積ファクタFがある程度増大するからである。
当然、絶対的スループットおよびユニットのサイズを共に適合させることも可能である。
しかし、スループットの増大または冷却壁を有する溶融ユニットのサイズの低減は、冷却壁を有する溶融ユニットにおける溶融物の残留時間tが、溶融物が加熱される、および/または例えばバブルの発生などの必要なプロセスが行われるのに依然として十分であるような程度までのみ実現することができる。
冷却壁を有する溶融ユニットの場合の単位重量あたりのエネルギー消費量Etotは、一部には、溶融物を温度Tkonから温度Teffまで加熱するのに必要な単位重量あたりの追加の有用な熱Eによって決定される。これは、温度Teffが低下すると、冷却壁を有する溶融ユニットにおけるエネルギー節約が増大することを意味する。
したがって、別の手段によって、温度間隔あたりのスループットの増大を増大させることができ、その結果、温度Teffをより低い温度にシフトさせることができる場合、追加のエネルギー節約が可能である。温度Teffは、時間積分冷却電力によって影響を受けるので、Teffの値は、部分的に相対スループットを決定する必要残留時間によって大きく影響を受ける。
したがって、本発明による方法は、所定の温度および品質について必要な残留時間を短縮する適切な手段を備えることも有利である可能性がある。
必要残留時間を短縮することまたはスループットを増大させることにより、単位重量あたりのエネルギー損失が低減され、したがって、温度Teffをより低い温度にシフトさせる。
残留時間は、とりわけ、溶融物がさらに混合され、それにより反応速度が増大する場合、有効に短縮することができる。
これを実施する1つの可能な方法は、溶融物において対流を発生することである。本発明者は、溶融物を精製するとき、融点が上昇するときのスループットの増大が、例えばDE19939779に記載されているように、バブルの発生速度の非常に大きな増大だけでなく、化学反応の熱力学的平衡のシフト、および熱力学的平衡を確立するための反応速度の大幅な増大にも依存することを発見した。
溶融物および、例えばスカル坩堝のスカル壁などの冷却壁にエネルギーを直接照射する結果として、無線周波数電流または交流を使用して加熱するとき、従来のタンクにおいてより大きい温度差が存在する。大きい温度差は、対流によってそれ自体を相殺しようとする。
さらに、本発明者は、溶融物の少なくとも1つの領域において、<10dPas、好ましくは<10dPasの粘性を設定し、かつ溶融物の内領域と溶融物の外領域との間において、>150K、好ましくは>250Kの溶融物温度差を設定することによって、必要残留時間を著しく低減することができることを発見した。その結果、溶融物においてこれらの温度および粘性率を有する場合、坩堝における対流は、非常に大幅な程度まで増大する。例えば精製中、これにより、特に小さいバブルが対流によって伴われ、その結果、バブルは、簡単な物理的浮力によるよりもはるかに迅速に表面に到達する。
さらに、連続精製の場合、例えばDE10041757によって開示されるように、溶融材料は、溶融物バス表面の坩堝の一方の側から坩堝の中に導入することができ、溶融物バス表面の反対側において再び放出されることができる。したがって、坩堝における対流の補助により、一方の側において入り、ユニット内で下方に流れる低温溶融物をもたらすフロー・プロファイルを生成することが可能であり、低温溶融物は、ユニット内で加熱され、再び上昇して、大きな乱流を生じずに、他方の側において流れ出る。ユニットにおける軌道フローのこの形態により、精製をさらに大きく加速し、その結果、スループットをさらに増大することが可能になる。小さいバブルは、このフローによって伴われ、したがって、浮力のみによる場合よりはるかに迅速に表面に搬送される。
また、必要残留時間は、とりわけ、溶融物が攪拌器を使用しておよび/またはバブリングによって攪拌される場合、有利に短縮することができる。バブリングの場合、気体が、1つまたは複数のノズルを使用して溶融物内に導入され、特に使用される坩堝のベースの領域において導入され、この場合、溶融物は、上昇する気体バブルによって攪拌される。とりわけ、溶融物の粘性が10dPasを超える場合、さらなる攪拌が有利である。この場合、溶融ユニットにおける溶融物の対流は、溶融ガラスの中にバッチを攪拌するにはしばしば不十分である。
精製に関して、本発明による方法は、第1に、Tkonにおいてより、TkonとTeffとの間の高融点においてより少ないエネルギーを消費し、第2に、高温精製剤に特に適しているという利点も有する。
本発明者は、融点を上げることにより、溶融材料のその後の品質に悪影響を与えずに、バッチを溶融物の中に攪拌することが可能であるような程度まで、溶融ユニット内で化学反応を加速させることが可能になることを発見した。
バッチが中に攪拌される結果として、多量のバッチが追加されるときでも、表面に近い溶融物のデカップリングを防止することも可能である。
バッチを溶融させるときでも、従来の溶融方法において使用される温度と比較して、Teff−20%からTeff+20%に融点を上げることによって、バッチの溶融速度、したがってスループットは、温度の上昇に関連する単位重量あたりのエネルギー損失が、バッチの溶融速度の増大および結果的なスループットの増大によって達成される単位重量あたりのエネルギー節約より著しく低くなるような程度まで、増大されることができる。
従来のガラス溶融タンクでは、融点を上昇させることができる範囲に課される制限は、精製の場合よりさらに厳密である。例えば、溶融されているバッチによるタンクに対する腐食は、ガラス溶融物によるタンクに対する腐食より一般に大きい。溶融領域におけるタンクに対する腐食を許容可能限界内に維持するために、このタイプのタンクにおける融点は、高過ぎないように選択されなければならない。さらに、ガラス溶融物は、一般に、溶融された後に精製もされなければならない。ガラス溶融物を精製するために、ガラス溶融物の温度は、精製剤を放出するように溶融後に上昇されなければならない。しかし、上述のように、より高い精製温度も、タンクに対する腐食によって制限される。
従来のタンクの場合、バッチは、一般に、バッチのカーペットの形態でガラス・バスの表面上に配置されて、下から溶融される。比較的低度の対流のみが、従来のタンクには存在する。さらに、従来のタンクでは、バッチが攪拌されるのは一般的ではないが、その理由は、未溶融バッチ成分が最終産物内に通過する危険性があるからである。さらに、溶融部分における攪拌によって生じる対流の増大は、タンクのレンガを広範に腐食する。3相境界における高レベルの対流が、バッチと関連して特に重要である。従来のタンクとは異なり、冷却壁を使用する溶融により、高度の対流が可能になるが、その理由は、スカル坩堝の場合、スカル層が常に再生され、または、溶融ユニットの壁が、高レベルの対流がある場合でも、壁材料を溶解させる反応が壁と溶融物との間にないような程度まで冷却されるからである。
従来のタンクの場合とは異なり、直接加熱される冷却壁を有する溶融ユニットの場合、溶融プロセスを加速させるために温度を上昇させることに対して、障害はない。
本発明の有利な精製によれば、溶融される材料は、溶融物の表面上に配置されるバッチの形態で供給することもできる。スカル坩堝において溶融するとき、達成することができるスループットは、とりわけ、バッチをガラス溶融物の上に配置することができる速度、および如何に迅速にバッチが表面下に溶融するかに依存する。
冷却壁を有する溶融ユニット内でバッチを溶融させ、無線周波数または交流によって溶融物を直接加熱するとき、一般に、特に低融点において、バッチが溶融物の表面上に過度に迅速に配置されないことを保証しなければならないが、その理由は、そうでない場合、溶融物がこの領域において分断される程度までバッチによって溶融物の上部層を冷却する可能性があるからであり、これは、溶融を大幅に緩慢にする。
溶融物の温度を上昇させることによって、この危険性は、かなり低減することができ、それにより、このデカップリング現象のあらゆる可能な危険性を有さずに、バッチをより迅速に添加することができる。
冷却壁を有する溶融ユニットが溶融ユニットとして使用される場合でも、融点を上昇させることにより、化学反応が加速され、したがって、バッチの溶融が加速される。
従来のタンクでは一般的であるように、バッチがガラス溶融物の表面上にのみ配置される場合、バッチは、バッチと溶融物との間の境界においてのみ溶融する。温度が上昇する場合、増強された化学反応が、特にバッチと溶融物との間のこの海面において作用する。
本発明のこの精製によるより高温において溶融速度を増大させることによって行われるエネルギー節約は、ガラス溶融物を加熱して、ガラス溶融物をより高温に維持することにより得られるエネルギー損失より大きい。
しかし、この時点において、バッチの個々の組成が、溶融について異なる活性化エネルギーを一般に有するので、温度の上昇による溶融速度の加速は、バッチの組成にもかなりの程度依存することに留意されたい。
しかし、本発明者は、温度に関する溶融速度の増大は、精製速度の増大と同じ次数の大きさであることを発見した。例えば、溶融物の粘性が<10dPas、好ましくは<10dPasであり、溶融物の内部領域と外部領域との温度差が>150K、好ましくは>250Kである温度を超えると、溶融される材料がバッチの形態で供給されるとき、溶融速度も、溶融ユニット内で大幅に増大することが判明した。
上述のように、溶融速度の突然の増大は、溶融物における対流の大幅な増大に起因する。溶融物の温度を上昇させることは、一方では、溶融物の粘性を低減し、他方では、坩堝の縁と坩堝の中央との温度差を生成する。坩堝の縁と坩堝の中央との温度差は、例えばガラス溶融物において、溶融物の放射伝達にも大きく依存する。温度差は、高度に透明なガラスの場合より濃色のガラスの場合に大きい。溶融物の温度差が大きくなると、溶融物は差をより補償しようとする。溶融物の粘性が<10dPas、好ましくは<10dPasに減少する場合、強い対流が溶融物において生じ始める。具体的には濃色ガラスの場合、例として、ほとんどの場合、粘性を<10dPasに低下させることが十分であるが、高度に透明なガラスの場合、強い対流は、<10dPasのガラス溶融物の粘性においてのみしばしば開始する。この理由は、同じ温度のガラス溶融物について、より大きい温度差が濃色ガラスの場合に形成されるからであると考えられる。
対流が大幅に増大することにより、バッチとガラス溶融物との海面において大幅により良好な混合が行われ、それにより、バッチがより迅速に溶融される。盛んな対流のみで、溶融物とバッチとの中程度の混合が行われる。
さらに、本発明者は、より高温における高レベルの対流は、溶解されるバッチにおいてせん断力も大幅に増大させ、したがって同様に、バッチの溶融が大幅により迅速になることを発見した。
溶融物の精製に関連してすでに記述されたように、無線周波数または交流を使用して冷却壁を有する溶融ユニットを加熱するとき、溶融物内へのエネルギーの直接放射により、大きな温度差が生じ、これにより、溶融物において対流が盛んになることがある。冷却壁を有する溶融ユニットにおけるこの対流は、バッチの溶融をさらに加速し、したがって、必要な残留時間を短縮し、その結果、スループットが適切に適合される場合、溶融される材料の単位重量あたりのエネルギー消費量をさらに低減する。
バッチは、必要な残留時間をさらに短縮するために、溶融物の中に有利に攪拌されることもできる。この場合、バッチの攪拌は、上述の溶融物の攪拌と同様に、攪拌器によって、またはバブリングよって実施することができる。バッチを溶融物の中に攪拌することは、著しくより大きな溶融表面積が、表面において溶融する場合より、結果的に行われる「容積溶融」の間にバッチに適用されることを意味する。
さらに、本発明者は、バッチが、粉末の形態で溶融物の表面上に配置されるのではなく、ペレットの形態で溶融物に追加され、ペレットが、攪拌、バブル化、または高レベルの対流によって溶融物の中に攪拌される場合、溶融速度を増大させることができることを発見した。
粉末の形態ではなく、事前に製造されたペレットの形態でガラス溶融物の上にバッチを配置し、次いで、従来のガラス溶融タンクにおいてこれらのペレットを溶融させることも試行されてきた。ここで、ペレットの1つの利点は、溶融タンクからの高温空気を使用してペレットを事前に加熱することができ、これにより、エネルギーが節約されることであると考えられる。しかし、実際には、ペレットの形態のバッチを導入することは、従来のタンクでは広範に受け入れられなかったが、その理由は、ペレットの生成に伴う支出が、ペレットを事前に加熱することによって達成される予期されるエネルギー節約とちょうど同程度に高いからである。さらに、従来のタンクにおいてペレットの使用に起因するスループットは、大きくは増大しない。
バッチのダスティングを低減することは、ペレットの更なる利点であると考えられる。しかし、ほとんどの工業用ガラスでは、バッチのダスティングは、主要な問題とならず、したがって、この観点では、バッチをペレット化することには意味がない。
いくつかの例外を除いて、バッチのペレット化は、これまで、光学ガラスの溶融においてさえ、広範には使用されてこなかった。非常にダスティングしやすい傾向を有するガラスでは、より高い支出にもかかわらず、ペレットの形態でバッチをガラス溶融物に追加することが適切である。
しかし、本発明者は、冷却壁を有する溶融ユニット内でバッチを溶融させる本発明による方法の有利な改善では、溶融速度は、ペレットの形態のバッチを追加することによって、非常に大幅に増大させることができることを確立した。
ペレットの導入により、温度の上昇によって生じる高い化学反応速度が、はるかにより重度に利用されることが可能になる。ペレットの形態のバッチを攪拌することは、溶融物のバッチが溶融物によって直に囲まれ、かつ化学反応を瞬時に開始することができることを意味する。対流と組み合わせて、ペレットが、新しい溶融物と常に接触することを保証することが有利である。
より高い融点において化学反応速度が増大することは、ペレットが、集中的な混合により溶融ユニット内で完全に溶融されることを意味する。
本発明による方法によって可能になる高いスループットで達成することができるように、バッチが迅速に追加される場合、バッチのダスティングも、従来のタンクにおいて一般的であるように、バッチが緩慢に追加される場合より著しい。
無線周波数または交流を使用して溶融物を直接加熱することにより、バッチのダスティングを回避することも有利であるが、その理由は、ダスティングおよび蒸発産物が、冷却壁の上に付着して凝縮することができ、その結果、容易に電気スパークオーバーをもたらすことができるからである。
さらに、本発明者は、例えばスカル坩堝など、冷却壁を有するユニットを使用するとき、冷却壁を介した熱損失は、融点だけでなく、スカル層のタイプおよび厚さにも依存することを発見した。結晶層が形成される場合、熱損失は、透明なガラス層が形成される場合より大幅に小さい。
さらに、本発明者は、低伝達の熱放射を有するガラスの場合より、高伝達の熱放射を有するガラスについて、エネルギー損失が大きいことを発見した。例えば、エネルギー損失は、透明ガラスの場合より、着色ガラスの場合に小さい。
本発明によれば、具体的には高伝達の熱放射を有する溶融物および/またはガラス質透明スカル層の場合、例えばスカル坩堝の水冷却金属管などの冷却壁が、熱放射を反射する表面を有することが有利であることが判明した。ここでは、壁が熱を直接反射するのであっても、壁が、熱を反射する層またはコーティングを有するのであっても、関係ない。
本発明による方法および装置に加えて、本発明は、本発明による方法によって製造されることが好ましいガラスおよびガラス産物をも網羅する。このようにして生成されるガラスまたはガラス産物は、Sn2+対Snの比(Tは全濃度を表す)が、0.20と0.70との間、好ましくは0.25と0.60との間、特に好ましくは0.30と0.50との間にあるということによって特徴付けられる。
本発明者は、Sn2+/Snの比が、0.25より大きい値、好ましくは0.35より大きい値、特に好ましくは0.45より大きい値を有するガラスまたはガラス産物が、本発明による特に良好な特性によって特徴付けられることを発見した。
本発明は、例に基づいて、かつ添付の図面を参照して、以下においてより詳細に説明される。
図1Aから1Cは、無機材料を溶融させる本発明による装置の第1実施形態の様々な図を示す。装置は、1によって全体的に示される。図1Bは、図1Aの矢印Bの方向から見た装置1の図を示す。図1Cは、図1Bの矢印Cの方向においてみた図を示す。装置1は、スカル坩堝として設計された溶融ベセル3を備える。坩堝は、管7から作成され、装置が動作しているとき、冷却剤が、ベセルを冷却するためにこの管7を通過する。管の適切な材料の一つは、良好な伝熱性により、銅である。しかし、一方、銅の強度は特に高くなくないので、高い機械的強度または熱安定性を有する金属から作成された管、特に高強度または耐熱性のスチールから作成された管も、適切である。
スカル壁を通す熱損失を最小限に抑えるために、壁、すなわち装置のこの実施形態ではスカル坩堝の管は、熱放射を反射する表面を有することができる。例えば、管7に、この目的のために、白金または金のコーティングを与えることができ、このコーティングを、反射率を増大させるために、特に研磨することもできる。ロジウム、クロミウム、ニッケル、またはパラジウム、ならびにその合金をこの目的のために使用することもできる。
上部炉の大気に隣接する溶融物バス表面の縁において形成される3相境界における反応を抑制するために、耐熱性カラー13が、溶融物バス表面の領域において坩堝に配置される。カラーは、坩堝の縁を越えて横方向に突出する。さらに、カラーのベースは、冷却される。縁において、カラー13は、耐熱性セラミック壁によって終端される。
溶融材料用のチャネル11を有する入口9および出口10が、耐熱性カラーにおいて形成され、入口は、溶融される材料を連続的に供給する装置として作用し、出口は、溶融された材料を連続的に除去する装置として作用し、溶融材料は、溶融ベセルの溶融物バス表面の領域にある入口および出口を経て、連続的に供給および放出される。さらに、底部出口15が、溶融ベセルの底部14において提供され、底部出口15を介して坩堝を空にすることができる。図1に示される実施形態の場合とは異なり、耐薬品性を増強させるために、スカル管が溶融物バス表面から突出し、例えば、少なくとも溶融物バス表面の領域においてプラスチック・コーティングされることも可能である。適切なプラスチックは、特にテフロン(登録商標)である。
装置1のこの実施形態の側壁において、2つの電極5が、溶融物を連続的に加熱する装置として、溶融ベセルの側壁16の対応するカットアウトにおいて構成される。電極は、電極を冷却する装置の一部として冷却剤接続6を有し、これを介して、冷却剤が、電極の内部の通路を通過する。電極5は、溶融ベセル3の側壁16の一部と置き換わる。さらに、電極5は、溶融ベセルの上に互いに対向して配置される。電極の溶融物接触材料の電流密度を低レベルに維持するために、電極5は、大きな面積を維持する。この点で、電極5は、溶融物の領域において溶融ベセルの壁の表面積の少なくとも15%と置き換わることが好ましい。
溶融物を加熱するために、加熱電流が、電極5を介して溶融物を通過し、電極5は、溶融ベセル3から絶縁されるように固定され、その結果、電流が溶融ベセルの壁を横切って流れることができなくなり、それにより、ヒーター容量が低減される。絶縁に支障がある場合に短絡からさらに保護するために、溶融ベセルの壁要素が、互いに絶縁されたセグメトに分割されることもさらに可能である。さらに、電極は、溶融物の入口9および出口10として装置1の同じ側に配置され、それにより、電極間の加熱電流は、溶融物の流れる主方向とほぼ同じ方向にまたは反対方向に流れる。
電極は、大面積の大きさであり、それにより、電極から溶融物の中に出現する電流は、溶融物接触表面上のあらゆる場所において5A/cmの電流密度を超えない。電極5は、好ましくは50Hzから50kHzの範囲の交流周波数を有し、特に好ましくは2kHzから10kHzの範囲の交流周波数を有する加熱電流を、交流を生成する装置によって、溶融ベセル3に配置された溶融物に通すために使用される。
さらに、溶融物をさらに攪拌するためにバブリングガスを溶融物内に吹くために使用することができるノズル18が、坩堝のベース14に配置される。
図1Bは、溶融物を加熱する電流を電極5に共有する電流供給20をさらに図式的に示す。電流供給20は、制御可能な構成であり、制御は、プログラム制御されたコンピュータ装置24によって実施される。コンピュータ装置24は、1つまたは複数の温度センサ22からの温度測定値を記録し、電流供給の加熱電流電力を制御する。コンピュータ装置は、温度センサ20と組み合わされて、適切な温度を設定する装置として作用し、適切な温度は、エネルギー節約動作を可能にするために、溶融物において少なくともTeff−20%からTeff+20%である。
さらに、コンピュータ装置20は、適切なインターフェースを介して、溶融される材料を送達する制御可能装置に接続され、ユニットにおける平均残留時間が必要平均残留時間より決して短くならないように、スループットを適切に適合させるために使用することができる。したがって、コンピュータ装置は、溶融される材料の相対スループットを溶融物における必要残留時間に適合させる装置の一部として有利に機能することができる。
図2は、本発明による装置1の他の実施形態を示す。この実施形態は同様に、スカル坩堝として設計される金属管7を有する溶融ベセル3を備える。金属管7は、電気絶縁40を介してベースプレートに固定される。本発明による装置1のこの実施形態のベースプレートは、第1ベースプレート44を備え、この上に、石英でスリップ・コーティングされた冷却済み第2ベースプレート44が配置され、それにより、冷却壁が、ベース領域においても存在する。したがって、溶融物と接触するすべての壁構成要素が冷却され、それにより、これらの壁構成要素の材料の限界使用温度を超えて、溶融物の少なくとも1つの領域を加熱することができる。
装置1のこの実施形態は、溶融ベセル3において溶融物を加熱する誘導加熱装置を有する。この装置は、溶融ベセルまたは溶融ベセルに存在する溶融物を囲む誘導コイル26を備える。図1Aから1Cを参照して説明された実施形態の場合と同様に、溶融材料を連続的に除去する装置として、出口チャネル11を有する出口10が存在する。
さらに、装置1は、溶融される材料を連続的に供給する装置を有する。図2に関して示される実施形態において、この装置は、コンベヤ・ベルト28を備え、これによって、溶融される材料は、バッチおよび/または装填カレット34の形態で供給開口32を経て供給され、溶融バスの表面上に置かれる。区画38が、溶融バス表面上を浮遊し、かつまだ溶融されていない材料が、出口10に直接通過することができないように防止し、それにより、溶融ベセル3において溶融される材料の必要残留時間を維持する。
バッチが追加される速度、したがってスループットまたは相対スループットは、コンベヤ・ベルト28のコンベヤ速度によって設定または制御することができる。この制御は、プログラム制御コンピュータ・ユニット24を介して実施される。コンピュータ・ユニット24は、制御可能ドライブ30と組み合わされて、溶融される材料が導入される速度、したがって装置1のスループットをも適合させることを可能にする。したがって、コンベヤ・ベルトは、コンピュータ・ユニット24によって制御されるドライブ30と組み合わされて、溶融ユニットまたは坩堝3において溶融される材料の必要残留時間に相対スループットを適合させる装置をも構成する。
この文脈において、誘導コイル26の電力も、図1Bを参照して示された実施形態の誘導加熱の場合の電流電力と同様の方法で、コンピュータ装置によって制御されることも好ましく、溶融温度は、Teff−20%からTeff+20%の範囲に溶融温度を設定するように求められる。
さらに、出口チャネル11より上に配置されるタンク炉バーナ46およびオーバーフロー・バーナ48が、提供される。これらのバーナは、装置1を始動するために、特に溶融される材料を溶融させるために使用することができ、それにより、溶融されている材料は、コイル26の無線周波数の場へ結合される。
以下のテキストにおいて、本発明は、例に基づいてより詳細に説明される。
精製時のエネルギー節約
融点の上昇は、熱力学的平衡をシフトさせ、かつ粘性を低下させる。粘性の低下により、バブル発生速度が増大し、溶融物における気体拡散速度が増大する。
例として、LiO−Al−SiOガラス・セラミック溶融物の場合、1700℃から1900℃に温度を上昇させることにより、品質を損なわずに、精製ユニットにおけるスループットを少なくとも5倍に増大させることが可能になることが実験により決定された。
温度の上昇は、溶融物の粘性を低下させ、その結果、バブル発生率は5倍に増大する。
さらに、レドックス精製の場合、Oの過剰圧力が、溶融物において温度が急速に上昇する場合に生じ、このOの過剰圧力は、バブルが形成されて、低融点においてバブルが放出されることにより、再び徐々にのみ減少する。
これに関して、図3は、溶融物の温度(左側)および酸素分圧po2(右側)を試験時間に対してプロットした図を示す。
図3に示される試験では、バッチが、1550℃においてAs精製剤と共に溶融され、次いで、1600℃から1650℃に引続き加熱される。それぞれの温度が上昇しているので、po2の値は、当初非常に迅速に増大し、その後、再び徐々に減少する。Asの含有量も、温度が上昇する際に減少する。融点が高くなると、po2の値は迅速に減少する。
一方では精製中に温度が大幅に上昇することにより、Oの形成が非常に有利であるようにレドックスの平衡をシフトさせ、その結果、溶融物のpo2の圧力は大きく増大し、これは、新しいまたはより大きなバブルの形成に寄与する。他方、溶融物の酸素の拡散速度も増大し、これにより、すでに存在しているバブル内への酸素の拡散が加速される。
エネルギー損失を低減することに加えて、本発明による方法は、例えばDE19939779に記載されている高温精製剤を使用することが可能であるという利点も有する。
例えば、SnOは、1700℃を超える精製温度において使用することができることが特に有利である。酸化錫SnOは、約1700℃を超える温度において、酸素の大部分を単に放出する。
N.Shimatani「Fining methods without arsenic oxide for LiO−Al−SiO glass−ceramic」は、1450℃において0.05、1525℃において0.1、および1600℃において0.15のSn2+/Snの比を与える。ここでは、指標「T」は、全濃度を表す。
ディスプレイ・ガラスに対して実施された本発明者自身の試験により、1600℃において0.18、1650℃において0.21、および1700℃において0.24のSn2+/Sn値が明らかになった。さらに、Sn2+/Snの比は、ガラス組成にもある程度依存している。高ガラス溶融物粘性において、熱力学的平衡を確立するために必要な時間も、重要な役割を果たす。これは、比較的類似のガラス組成のわずかに異なる値を説明する。
対応する温度において1から4時間溶融した後に生成されたアルミノケイ酸ガラスの場合について、全含有量Sn のパーセンテージとしてのSn 2+ 含有量を温度の関数としてプロットするならば、Sn 2+ 含有量は、温度が上昇するにつれて、増大することがわかる。
温度が上昇する際に、より多くのSn4+がSn2+に変換されることが明らかであろう。1700℃を超える精製温度が有利であるが、その理由は、この場合、酸化錫は、酸素の著しい量または大部分を放出するからである。
Sn2+/Sn4+の比は、その他の点では同一の試験条件下で、およびその他の点では同一のガラス組成で、ガラス溶融物の精製温度がどの程度であったかを明らかにする。
したがって、このようにして生成されるガラスは、温度に依存するSn2+対Sn比を有する。Sn2+対Snのこの比について、0.35より大きい値を有するガラスが好ましく、0.45より大きい値を有するガラスが特に好ましい。
このタイプのガラスから生成されるガラス産物は、上述のものと同様の温度に到達する著しく高温のプロセスが実施されたのではない限り、同じ比のSn2+対Snを一般に有する。
高温レドックス精製剤を使用する高融点(1650℃を超える)における精製は、1400℃から1500℃あたりのより低温において、白金でのバブルの形成が大きく抑制されるというさらなる利点を有する。白金は、導電加熱の場合、電極の溶融物接触材料として特に適切である。これらの低温において、水素の拡散中に白金を介して生成される酸素は、高温レドックス精製剤によっても除去される。
驚くべきことに、本発明者は、スカル坩堝の水冷却壁を通すエネルギー損失が、1700℃と2400℃との間において、当初予期されたように、指数関数的ではなく、線形にのみ上昇することを発見した。
これに関して、図は、溶融物の温度に対して、スカル壁を通す熱フラックスjをW/cmでプロットした図を示す。スカル坩堝の壁を通る熱フラックスは、1650℃より高い温度の関数として、LiO−Al−SiOガラス・セラミック溶融物について測定された。測定値は、以下の表に列挙されている。
T=1700℃j=13W/cm
T=1900℃j=22W/cm
T=2100℃j=31W/cm
T=2300℃j=40W/cm
に示される図にプロットされた測定値は、スカル壁を通す熱フローが、測定温度範囲において線形にのみ増大することを明瞭に示す。
本発明者は、例えば1700℃から1900℃の、LiO−Al−SiOガラス・セラミックの溶融ガラスを加熱して、1900℃においてガラス溶融物を精製する場合、100リットルのスカル坩堝においてスループットが5倍に増大すると、スカル坩堝の水冷却金属管を通すより多くのエネルギー損失、および溶融物をさらに加熱するための追加の有用な熱を含めて、単位重量あたりのエネルギー需要Etotは、少なくとも2.5分の1に減少することを発見した。
一定溶融物容積での精製実験
100リットルのスカル精製坩堝を、従来のセラミック溶融ユニットに接続する。連続プロセスにおいて、1日あたり1000kgのガラス溶融物が、100リットルスカル坩堝において精製される。1700℃において、スカル坩堝は、水冷却金属管を通して153kWのエネルギー損失を有する。この結果、熱損失は3672kWh/dになり、または、1000kg/dのスループットにおいて、単位重量あたり3.67kWh/kgのエネルギー損失になる。
次いで、ガラス溶融物は、スカル坩堝において、1700℃から1900℃に加熱される。
約300000kJまたは83.4kWhの有用な熱が、1000kgのガラス溶融物を1700℃から1900℃に加熱するために必要である(
Figure 0004750017
の有用な熱が与えられる場合)。1700℃から1900℃に温度を上昇させることにより、100リットルのスカル坩堝におけるエネルギー損失は、153kWから約258kW、または3672kWh/dから6192kWh/dに増大する。
1900℃の100リットルのスカル坩堝において1000kgのガラス溶融物を精製するために、以下が必要である。
1700℃を超える温度において、83.4+(6192−3672)=2603kWh、または2.6kWh/kg
しかし、熱力学的平衡の確立の促進すること、および1700℃と比較して1900℃においてバブルが発生する速度を少なくとも5倍に増大させることにより、ガラスの品質を低下させずに、スループットを1700℃における1000kg/dから1900℃における5000kg/dに増大させ、または、必要な残留時間tを5分の1に短縮させる。
したがって、全体で417kWh+6192kWh=6609kWhが、1900℃において5000kgを精製するために必要である。417kWhは、各1000kgあたり83.4kWhで5000kgのための有用な熱を表す。同時に、単位重量あたりのエネルギー損失Eは、
1700℃における3.67kWh/kgから
1900℃における6609kWh/5000kg=1.32kWh/kgに低減された。
その結果、ちょうど200℃だけガラス溶融物の温度を上昇させることにより、単位重量あたりのエネルギー消費量Etot
3.67kWh/kg/1.32kWh/kg=2.78
分の1に減少させることが可能になった。
一般に、溶融ガラスの単位重量あたりのエネルギー損失は、1700℃の代わりに1900℃の精製温度において約2.5分の1から3分の1に低減することができ、スカル坩堝スループットは、5倍に増大される。
一定スループットでの精製実験
本発明者は、スループットを増大させるのではなく、より高い融点において冷却壁を有するより小さい溶融ユニットを使用することも可能であることをも発見した。
以前の例の場合と同様に、精製は、100リットルのスカル坩堝において1700℃において実施される。この場合、100リットルのスカル坩堝からのエネルギー損失は、再び153kWまたは3672kWh/dである。1000kgの毎日のスループットでは、単位重量あたりのエネルギー損失は、再び3.67kWh/kgである。
第2試験において、1000kgの同じ毎日のスループットが使用されるが、精製は、1900℃において、ちょうど20リットルの著しくより小さいスカル坩堝において実施される。ガラスの品質は、1700℃において動作された100リットルのスカル坩堝と比較して低下していない。
再び、83.4kWhの有用な熱が、1000kgのガラス溶融物を1700℃から1900℃に加熱するために必要である。1900℃において、20リットルの容量を有するより小さいスカル坩堝は、1700℃における100リットルの坩堝の153kWまたは3672のエネルギー損失と比較して、90kWまたは2160kWh/dのエネルギー損失を有する。20リットルのスカル坩堝の1900℃におけるエネルギー消費量は、わずかに83.4kWh+2160kWh=2243kWh、または2.24kWh/kgである。
温度を上昇させ、したがって可能である20リットルの坩堝を使用することにより、エネルギー消費量/kgは、3.67kWh/kg/2.24kWh/kg=1.64分の1に低減された。一定溶融物容積のより小さいエネルギー節約は、より小さい坩堝に関するより大きい面積ファクタFに起因する(溶融物容積に対する壁表面積の比)。図6は、溶融物容積に対して面積ファクタFをプロットする。
1900℃における20リットルのスカル坩堝が、1700℃における100リットルのスカル坩堝の代わりに使用される場合、単位重量あたりのエネルギー消費量Etotは、少なくとも1.5分の1に減少する。
effを決定する試験
上記ですでに説明されたように、エネルギー消費量Etot、すなわち壁およびベースを通す単位重量あたりのエネルギー損失Eと溶融物を加熱する単位重量あたりの有用な熱Eとの和は、スループットが必要残留時間tに適切に適合されるとすれば、Teffにおいて最小値を通過する。
精製の温度Teffは、700リットルのスカル坩堝について推定される。
温度の関数としての壁およびベースを通すエネルギー損失の計算は、図5に示される図を使用して行われる。
温度の関数としての溶融ベセルにおける溶融物の必要残留時間またはスループットの増大は、バブル発生速度増大に基づいて、第1近似において推定することができる。バブル発生速度vは、下式により計算される。
Figure 0004750017
(V=バブル発生速度、ρ=ガラス溶融物の密度、g=重力定数、r=バブルの半径、η=ガラス溶融物の粘性)。
溶融物の密度、および溶融物の粘性の温度依存性は、実験により決定することができ、または、フォーゲル・ファルチャー・タマンの式を使用して外挿することができる。
この推定は、高温における対流の増大またはレドックス精製の場合のレドックス平衡の変化の結果であるバブルの浮力の促進を考慮に入れない。
単位重量あたりのエネルギー損失Eの温度依存性は、溶融物容積の溶融物の熱損失の温度依存性および必要残留時間の温度依存性から計算される。
単位重量あたりの有用なエネルギーEの温度依存性は、
Figure 0004750017
において使用される。
は、溶融ユニットの壁を経た単位重量あたりのエネルギー損失Eおよび単位重量あたりの追加の有用な熱Eを融点の関数として示す。この場合、ユニットの重量はトンで、エネルギーはキロワット時で、便宜的に与えられる。約1950℃において、単位重量あたりのエネルギー損失は、溶融エネルギーを増大させるのに必要な単位重量あたりの有用な熱にほぼ等しい。溶融される材料の単位重量あたりの全エネルギー消費量Etotは、2100℃または2373°Kにおいて最小値を通過する。
のグラフに示される値は、以下の表に記載される。
Figure 0004750017
表1から、この実施例のエネルギー消費量の最小値は、約2100℃または2377°Kにあることもわかる。この温度は、Teffに対応する。
約1950℃におけるこの実施例のエネルギー損失/tまたは単位重量あたりのエネルギー損失Eは、1500℃(Tkon)から1950℃に溶融物を加熱するために必要な追加の有用なエネルギー/t、または単位重量あたりの有用なエネルギーEと同じレベルに到達する。1950℃において、E=Eである。
温度の上昇に加えて、追加の手段によって相対スループットを例えば2倍に増大させることが可能である場合、温度Teffは、図からわかるように、約1900℃のより低い融点において到達される。精製動作に対応してスループットを増大させるために使用することができる手段は、上記ですでに記述されている。
一定溶融物容積での溶融
精製の場合と同様にして、バッチを溶融させるときの溶融ユニットにおける溶融物の残留時間は、温度が上昇する際に、著しく低下させることもでき、その結果、スループットを増大させることができる。
バッチを溶融させるとき、Teffは、溶融ユニットにおけるガラス溶融物の保持時間tによって、決定することができる。
残留時間tの温度依存性を決定するために、図は、溶融物の
Figure 0004750017
(ケルビンン温度°Kにおいて)に対するSiOの溶解について反応速度kのLnをプロットする。バッチを溶融させる活性化エネルギーは、図から推定することができるが、その理由は、SiOが、溶融される材料のバッチの成分の中で最も遅く溶解するからである。図から、バッチの溶解速度は、温度に関して指数関数的に増大することがわかる。SiOが溶融する速度は、100Kにつき約3倍に増大する。これらの値は、製薬産業に使用されるアンプルを生成するガラスについて測定された。
バッチを溶融させるとき、Teffは、同様に、スループットを増大させる追加の手段によって、より低温にシフトさせることができる。
実験は、溶融物の粘性が<10dPas、好ましくは<10dPasである温度で、かつ、冷却壁における溶融物と溶融物の内部の溶融物との温度差が>150K、好ましくは>250Kである温度において、溶融ユニットにおける溶融速度が突然増大することを示した。
試験は、<10、好ましくは<10dPasのガラス溶融物の粘性において、温度によって生じるより高い溶融速度に加えて、盛んな対流およびより強いせん断力が、溶融速度を1.5から5倍に増大させることを示した。
さらに、攪拌器を使用して、またはバブル化によって溶融物を混合することにより、対流によって達成されるのと同様に、溶融速度を1.5から5倍に増大させることが可能になることが判明した。対流の場合とは異なり、攪拌器またはバブリングによって混合するとき、閾値温度または閾値粘性は存在しない。
粉末の代わりにペレットを使用することによって達成される溶融速度の増大は、具体的なバッチに応じて、1.5から約6倍である。ペレットを攪拌することにより、粉末形態のバッチを攪拌するより迅速にバッチを溶融させることが判明した。粉末形態のバッチを溶融物の中に迅速に攪拌することは、かなり困難である。ペレットの形態のバッチを最も迅速に溶融物の中に導入して、攪拌することができることが確立された。
溶融物を導電加熱する、本発明による装置の実施形態の図である。 溶融物を導電加熱する、本発明による装置の実施形態の図である。 溶融物を導電加熱する、本発明による装置の実施形態の図である。 溶融物を誘導加熱する装置の他の実施形態の図である。 溶融物の温度および酸素分圧po2を時間に対してプロットした図である。 溶融物の温度の関数として、スカル壁を通る熱流をW/cmでプロットした図である。 溶融物の容積Vに対し面積ファクタFをプロットした図である。 溶融ユニットの壁を通すエネルギー損失についてのトンあたりのエネルギー、有用な熱、および全エネルギー消費量を溶融温度の関数としてプロットした図である。 温度Teffを下げてスループットを増大するための追加の手段の影響を示す図である。 SiOの溶解の反応速度kを溶融物の温度の関数として示す図である。

Claims (33)

  1. 溶融される材料が溶融ユニットに供給され、加熱エネルギーを供給することによって加熱される、冷却壁を有する溶融ユニット内で無機材料、ガラス、および/またはガラス・セラミックを溶融および/または精製する方法であって、
    適切に適合されたスループットが与えられて、溶融される前記材料の単位重量あたりのエネルギー消費量が最小である温度Teffが決定され、
    前記溶融ユニット中の溶融物の温度が、Teff−20%からTeff+20%の範囲にあるように選択され、
    前記スループットが、必要残留時間に適合されるように選択され、該必要残留時間が溶融される材料を溶融するとき(時)の必要溶融時間および/または溶融した材料を精製するとき(時)の必要精製時間であることを特徴とする方法。
  2. 前記温度Teffが、下式
    Figure 0004750017
    (Eは、溶融される材料の単位重量あたりの有用な熱を表し、Eは、溶融される材料の単位重量あたりのエネルギー損失を表す)
    によって与えられる請求項1に記載の方法。
  3. 溶融される材料の単位重量あたりの有用な熱の温度による微分が、dE/dT=c(cは溶融物の比熱を表す)によって与えられる請求項2に記載の方法。
  4. 溶融材料の単位重量あたりの前記エネルギー損失Eの温度による微分が、dE/dT=kF1/ρ τ+E/T+kTF1/ρ τ(−E/T)e+E/T(kは溶融ユニットの壁を通す全伝熱を表し、F=F/Vは溶融物の表面対容積比を表し、ρは密度を表し、τは基準温度Tにおける必要残留時間を表し、Eは固有活性化温度に対応する定数を表す)によって与えられる請求項2または3に記載の方法。
  5. 熱エネルギーが、溶融物に直接供給される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 溶融物が、溶融ユニット内でさらに混合される、請求項5に記載の方法。
  7. 溶融物が、攪拌器および/またはバブリングによって攪拌される、請求項6に記載の方法。
  8. 対流が、溶融物中に生成される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 対流が、<10dPasの粘性、および>150Kの溶融物の内部領域と溶融物の外部領域との間の溶融物温度差によって発生される、請求項8に記載の方法。
  10. 溶融される材料が、溶融物の表面上に配置されるバッチの形態で供給される、請求項5乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 溶融される材料が、バッチの形態で溶融物の中に攪拌される、請求項5乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  12. バッチが、ペレットの形態で追加される、請求項11に記載の方法。
  13. 溶融材料が精製される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 対流が、溶融物中に発生される、請求項13に記載の方法。
  15. 対流が、<10dPasの粘性、および>150Kの溶融物の内部領域と溶融物の外部領域との間の溶融物温度差を設定することによって発生される、請求項14に記載の方法。
  16. 溶融された材料が、溶融物バス表面における坩堝の一方の側から坩堝中に導入されて、溶融物バス表面におけるその反対側において再び放出される、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 溶融される材料が、高温精製剤を使用して精製される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 溶融材料が、溶融物に連続的に供給され、溶融物から連続的に除去される、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 温度Teffが、バッチの溶融のために決定される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
  20. 温度Teffが、さらに混合される溶融物について決定される、請求項19に記載の方法。
  21. 温度Teffが、<10dPasの粘性を有し、溶融物の内部領域と前記溶融物の外部領域との間の温度差が>150Kであるユニット内で溶融される溶融物について決定される、請求項19に記載の方法。
  22. 温度Teffが、溶融物を精製するために決定される、請求項1乃至4および13乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  23. 温度Teffが、<10dPasの粘性を有し、溶融物の内部領域と溶融物の外部領域との間の温度差が>150Kであるユニット内で溶融される溶融物について決定される、請求項22に記載の方法。
  24. 温度Teffが、溶融された材料が溶融物バス表面における坩堝の一方の側から坩堝の中に導入されて、溶融物バス表面におけるその反対側において再び放出される溶融物について決定される、請求項22および23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 熱エネルギーが、溶融物に直接供給される、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 熱エネルギーが、直接導電加熱によって溶融物に供給される、請求項25に記載の方法。
  27. 熱エネルギーが、直接誘導加熱によって溶融物に供給される、請求項25に記載の方法。
  28. 溶融物の少なくとも1つの領域が、1700℃を超えて加熱される、請求項1乃至27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 溶融物の少なくとも1つの領域の温度が、溶融される材料の単位重量あたりの有用な熱とエネルギー損失とが等しくなる温度以下であるように選択される、請求項1乃至28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 溶融される材料の相対スループットを溶融物中の必要残留時間に適合されることが、絶対量的スループットを適合させることを含む、請求項1乃至29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 溶融される材料の相対スループットを溶融物中の必要残留時間に適合されることが、溶融物の容積またはユニットの寸法を適合させることを含む、請求項1乃至30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 必要残留時間が、溶融時間を含む、請求項1乃至31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 必要残留時間が、精製時間を含む、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法。
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