JP4748527B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯端末等に内蔵するのに好適な小型のアンテナ装置に関するものであり、特に放射特性の優れたアンテナ装置に関するものである。
従来より、携帯電話等の端末機器の普及とその機能の高度化に伴って、端末機器に内蔵されるアンテナ装置についても、小型化や広帯域化等の技術開発が進められてきている。このようなアンテナ装置の一例として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のアンテナは、4分の1波長に相当する線状導体を折り曲げて誘電体の上に固定し、携帯電話筐体内の回路基板のない部分に内蔵するようにしたものである。シンプルな構造であり、アンテナの形状自由度が高い。
また,モノポールアンテナよりも、インピーダンス整合、広帯域など機能を高めた内蔵アンテナが提案されている(特許文献2、3)。特許文献2では、折り返し部を有する折り返しモノポールアンテナで給電パターンと接地パターンを形成し、その配置を調整したり短絡部を設ける等の方法で多周波共用特性や広帯域特性を実現している。また、特許文献3では、複雑な電磁結合を有する平行2線アンテナを誘電体で内包した構造とすることで、小型化と多周波共用特性や広帯域特性の両立を実現している。
これらのアンテナは、モノポールアンテナが1本の導体で構成されるのに対して、平行な2本の線状導体で構成される2線間の電磁界結合を調整することで、2線上に流れる電流のうち同相モード/逆相モードの重ね合わせを用いて多周波共用特性や広帯域特性を実現している。
さらに、小型チップアンテナを実装する基板上に構成した導体パターンと組み合わせることで、放射特性の向上を図った技術も知られている(特許文献4)。特許文献4では、チップアンテナを回路基板上のプリントパターンに直列接続することで、有効な共振長 を拡大させている。
特開2004−215149号公報 特開2005−203878号公報 特開2005−303637号公報 特開平11−330830号公報
しかしながら、従来のアンテナでは、以下のような課題があった。特許文献1に記載のモノポールアンテナは、構造がシンプルである反面インピーダンスの調整範囲が狭く、周囲の影響によるインピーダンス低下を回避するのが極めて困難であった。そのため、アンテナ特性が地板端あるいは他の電子部品との距離に強く依存してしまい、その距離が十分確保できない場合には狭帯域で低効率な特性しか得られないといった問題がある。
また、モノポールアンテナでは、折り返し構造を導入する等により、多周波共用特性を持たせることができる。しかし、この場合も周波数比(基本モードに対する高次モードの比率)が周囲の影響を強く受けるため、多周波アンテナとして用いるためには、筐体毎にアンテナエレメントの形状を設計する必要があり、携帯端末毎に多周波共用特性を作り込むといった完全なカスタム設計となってしまい、その開発には多大な時間を要してしまうといった問題がある。
特許文献2、3に記載のアンテナでは、モノポールアンテナと比較して諸特性を向上できる(高インピーダンス・複共振による広帯域化など)反面、2本の導体を略平行に配線し、線路間の電磁結合を考慮する必要があるため、設計が煩雑となってアンテナの形状自由度との両立が困難になってしまう。また、多周波共用特性を持たせようとした場合、その設計はさらに煩雑なものとなってしまう。
小型アンテナにプリント基板上の導体パターンを直列接続した特許文献4記載のアンテナでは、アンテナの共振周波数がプリント基板上の導体パターンに直接影響される。チップアンテナが多周波共用特性を持っている場合には(公知例には記載なし)、多周波間の周波数比も導体パターンの長さに大きく影響されてしまう。多周波共用特性がプリント基板上の導体パターンによって乱されてしまう結果、使用周波数帯における放射効率を向上させるだけの効果は得られない。
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、多周波共用特性及び広帯域特性を損なうことなく放射効率の向上が可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置の第1の態様は、少なくとも1つの折り返し部を有する給電用導体パターンと、少なくとも1つの折返し部を有して前記給電用導体パターンと略同一形状の接地用導体パターンとを略平行に配列して地板の上部または近傍に配置したベース部と、前記ベース部に対し前記地板とは反対側に配置され、一端が前記接地用導体パターンの所定の位置に接続された拡張線状導体エレメントと、を備えることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記拡張線状導体エレメントの前記一端が、前記接地用導体パターンの折り返し部に接続されることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記拡張線状導体エレメントと前記ベース部との距離(電気長)が、前記ベース部における前記給電用導体パターンと前記接地用パターンとの距離(電気長)、折り返された前記給電用導体パターン間の距離(電気長)及び折り返された前記接地用導体パターン間の距離(電気長)よりも大きいことを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記拡張線状導体エレメントの電気長が、使用する最低周波数において1/20波長以上であることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記ベース部が、前記給電用導体パターンと前記接地用導体パターンとの間に挟まれた内層誘電体と、前記給電用導体パターン及び前記接地用導体パターンを内包する外層誘電体と、をさらに備えることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記ベース部の中央部分が前記外層誘電体で内包され、前記給電用導体パターンに形成された給電端子及び前記接地用導体パターンに形成された接地端子を備える前記ベース部の一方の端部と、前記給電用導体パターン及び前記接地用導体パターンのそれぞれの前記折返し部を備える前記ベース部の他方の端部とが、前記内層誘電体とともに前記外層誘電体から露出されており、前記拡張線状導体エレメントの前記一端が前記ベース部の前記外層誘電体から露出した前記接地用導体パターンの部分に接続されることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、さらに、前記ベース部の中央部分でかつ前記地板とは反対側の側面から前記給電用導体パターン及び前記接地用導体パターンの一部が前記内層誘電体とともに露出しており、前記拡張線状導体エレメントが前記露出した内層誘電体上に配置されることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記拡張線状導体エレメントが、前記ベース部を固定する支持台の前記地板とは反対側の壁面に沿って配置されることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置の他の態様は、前記拡張線状導体エレメントが、前記ベース部を収納する前記筐体の前記地板とは反対側の内壁面上に導体パターンとして形成されることを特徴とする。
本発明によれば、折り返し部を有する平行2線アンテナからなるベース部に拡張線状導体エレメントを接続することにより、ベース部で近接する4本の導体間の複雑な電磁界結合により多周波共用特性及び広帯域特性を実現し、この特性を損なうことなく拡張線状導体エレメントで放射特性を向上させることが可能となる。拡張線状導体エレメントは、ベース部を収納する筐体内部の空間を任意に配置することが可能なことから、筐体内部の空スペースを最大限利用して放射特性を向上させることが可能となる。
本発明の好ましい実施の形態におけるアンテナ装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ装置を、図1に示す斜視図を用いて説明する。本実施形態のアンテナ装置100は、給電用導体パターン110と接地用導体パターン120から構成されるベース部101と、線状導体である拡張エレメント130、及び地板140とから構成されている。地板140は、筐体11内に収納されている別の回路基板であってよい。図1では、アンテナ装置100が携帯端末の筐体11の一端に内蔵されている状態を示している。
給電用導体パターン110は折り返し部111を有しており、一端に給電端子112を備えている。また、接地用導体パターン120も給電用導体パターン110と略同一の形状に形成されており、折り返し部121を有するとともに一端に接地端子122を備えている。給電用導体パターン110と接地用導体パターン120の2つの導体パターンが略平行に配置されてベース部101を構成している。ベース部101では、折り返された給電用導体パターン及び接地用導体パターンの4本の線路が互いに近接し、線間には電磁界結合が形成されている。この結果、多周波共用特性と広帯域特性が得られるようになっている。なお、本実施形態では、ベース部101が地板140の1辺に近接して配置されているが、地板140の上方に配置するようにしてもよい。
本実施形態のアンテナ装置100は、一端がベース部101に接続された線状導体である拡張エレメント130を備えることを特徴としており、この拡張エレメント130はベース部101に対し地板140とは反対側に配置するものとしている。拡張エレメント130は、ベース部101の接地用導体パターン120に接続し、給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120と略平行に配置している。
アンテナ装置100の詳細な構造を図2に示す。図2は、アンテナ装置100の上面図、下面図、及び断面図を示している。図2(a)はアンテナ装置100の一部上面図、(b)は一部下面図、(c)は(a)上面図に示すA−A’での断面図、(d)は(a)上面図に示すB−B’での断面図、をそれぞれ示している。図2(a)及び(b)に示すように、給電用導体パターン110と接地用導体パターン120とは、ともに折り返し部111、121を有する略同一形状に形成されている。また、拡張エレメント130は、地板140とは反対側の筐体11の内壁に沿って配置されている。

拡張エレメント130は、接地用導体パターン120の途中に接続することができるが、好ましくは折り返し部121に接続するのがよい。本実施形態のアンテナ装置100では、拡張エレメント130を接地用導体パターン120の折り返し部121に接続している。さらに、拡張エレメント130とベース部101との距離(電気長)は、ベース部101内の給電用導体パターン110と接地用導体パターン120との間の距離(電気長)よりも大きくするのがよい。
図2(a)及び(b)には、給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120のそれぞれにおいて折り返した導体間の距離Lと、ベース部101(給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120)と拡張エレメント130との距離Mを記載している。また、図2(c)、(d)に示す断面図には、給電用導体パターン110と接地用導体パターン120との距離Nを示している。これらの各導体間の距離L、M、Nにおいて、拡張エレメント130との距離Mが導体パターン110、120の各導体間の距離L、Nより大きくなるよう拡張エレメント130を配置するのがよい。拡張エレメント130をこのように配置することにより、ベース部101で実現された多周波共用特性及び広帯域特性を劣化させることなく、拡張エレメント130で放射特性を大幅に向上させることが可能となる。
本実施形態のアンテナ装置100では、ベース部101を形成する給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120を、それぞれ折り返し部111、112を有する平行2線アンテナとして形成しており、これにより4本の導体が近接して複雑な電磁界結合を形成するようにしている。従来、ベース部101は、所望の多周波共用特性及び広帯域特性を実現するために、4本の導体の距離、誘電率、線幅及び対向面積を最適化して電磁界結合を調整していることから、給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120の形状を自由には変更できないといった制約があった。
そのため、筐体内部に空いた空間があっても、これを最大限利用して放射効率を高められるようベース部101の形状を変更することはできなかった。そこで、本実施形態のアンテナ装置100では、ベース部101の形状を変更しないで拡張エレメント130を追加することで、筐体11の内部の空間を最大限に有効活用できるようにしている。
アンテナ装置100では、この拡張エレメント130をベース部101に対し地板140とは反対側に配置し、かつベース部101との距離(電気長)をベース部101内の給電用導体パターン110と接地用導体パターン120との間の距離(電気長)よりも大きくなるよう配置することで、ベース部101で実現された多周波共用特性及び広帯域特性にできるだけ影響を与えないようにしている。また、拡張エレメント130を接地用導体パターン120の折り返し部121に接続するようにすることで、ベース部101の多周波共用特性及び広帯域特性に与える影響をさらに小さくすることができる。
一方放射特性の面では、筐体内部に空いた空間を最大限に有効活用して拡張エレメント130を配置することで、拡張エレメント130で獲得される空間の大きさに応じて放射効率を向上させることが可能となる。拡張エレメント130の長さは、できるだけ長くするのが好ましく、その電気長が、多周波共用特性のうちの最低使用周波数に対応する波長の1/20以上であればよく、利用可能な空間にできるだけ広く配置するのがより好ましい。尚、拡張エレメントの長さは共振周波数とは無関係である。
上記の通り、本実施形態のアンテナ装置100によれば、ベース部101で所望の多周波共用特性及び広帯域特性を実現しておき、アンテナ装置100が内蔵される筐体11の空いた空間や形状に応じて、ベース部101の多周波共用特性及び広帯域特性を劣化させることなく、拡張エレメント130をできるだけ広い空間に配置させることで放射特性を高めることが可能になっている。
本実施形態のアンテナ装置100では、給電用導体パターン110と接地用導体パターン120とを平行に配置してベース部101を形成しているが、この導体パターン110、120を誘電体に内包したものをベース部101としてもよい。すなわち、給電用導体パターン110と接地用導体パターン120との間に所定の誘電体を挟みこみ、これをさらに別の誘電体で覆うようにして形成したものをベース部101とすることができる。導体パターン110及び120を上記のように誘電体に内包させることにより、ベース部101の小型化を図ることが可能となる。なお、給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120のそれぞれの折返し部111、121が形成されている一端と、給電端子112及び接地端子122を備えた他端の両端を、誘電体で覆わず露出させるようにしてもよい。
なお、本実施形態ではベース部101を構成する給電用導体パターン110及び接地用導体パターン120が、それぞれ1つずつ折返し部111、121を有するものとしているが、折返し部は少なくとも1つあればよく、2以上の複数個形成されていてもよい。
本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ装置を、図3を用いて説明する。同図において、(a)は筐体21の一端にアンテナ装置200を内蔵した携帯端末の斜視図を示しており、(b)はアンテナ装置200とこれを固定している支持台22とを拡大して示す斜視図である。また、同図の(c)はアンテナ装置200及び支持台22の上面図、(d)は(c)上面図に対応する左側面図、(e)は(c)上面図に対応する上側面図、をそれぞれ示している。
本実施形態のアンテナ装置200では、図3(a)、(b)に示すとおり、支持台22の表面上に給電用導体パターン210と接地用導体パターン220とを、地板240に対してともに垂直方向に並行して設置しており、給電用導体パターン210を地板240側、接地用導体パターン220を筐体21の壁面側に配置している。また、それぞれの導体パターン210、220は、中央部210a、220aを略凹形状に折り曲げることで、折り返し部211、221で折り返された各導体パターンの対向する導体間の距離を短くするようにしている。
さらに、図3(c)に示すように、給電用導体パターン210の中央部210aと接地用導体パターン220の中央部220aとの距離が短くなるよう、各中央部210a、220aが地板240と平行な方向に略凸状に突出した形状に形成されている。上記のように形成された導体パターン210、220の各中央部210a、220aでは、近接する4本の導体パターン間の距離の一部を短くして電磁界結合の程度を調整し、所望の多周波共用特性及び広帯域特性を実現している。
拡張エレメント230は、地板240との間で囲む領域を大きくとれるほど放射効率を高めることができるが、筐体21内に配置したときの拡張エレメント230の形状は特に制限されない。そこで、本実施形態では、拡張エレメント230を支持台22の周壁に沿って配置するようにしている。本実施形態の支持台22の周壁は、図3(c)に示すような曲線部を有する複雑な形状となっているが、拡張エレメント230の形状が入力インピーダンスに与える影響は軽微であるため、その形状は自由に変更することができる。このため、拡張エレメント230をこのような複雑な形状で配置しても、放射効率を高めることが可能である。また、拡張エレメント230を支持台22の周壁に沿って配置することで、地板240との間で囲む領域を最大限大きくすることができ、これによって放射効率を最大限高めることが可能となる。
上記のように、本発明のアンテナ装置では、拡張エレメントを筐体あるいは支持台等の形状に合わせて配置することが可能なことから、例えば筺体の内壁周辺等のわずかなスペースに拡張エレメントを収納することが可能となる。
本発明の第3の実施の形態に係るアンテナ装置を、図4を用いて説明する。同図において、(a)はアンテナ装置300の上面図を、また(b)はアンテナ装置300の裏面図を、それぞれ示している。アンテナ装置300のベース部301は、給電用導体パターン310と接地用導体パターン320との間に内層誘電体351を挟み、さらに外層誘電体352で内包された構造としている。本実施形態では、内層誘電体351に低誘電率の誘電体(比誘電率4)を用い、外層誘電体352に高誘電率の誘電体(比誘電率18)を用いている。
内層誘電体351は、ベース部301以外にも拡張して延伸されており、ベース部301の一方から外部に延伸された給電用導体パターン310及び接地用導体パターン320の各延伸部313、323は、その一部で折り返し部311、321を形成している。また、ベース部301の他方から外部に延伸された給電用導体パターン310及び接地用導体パターン320の各延伸部314、324は、それぞれ給電端子312、接地端子322に接続されている。
本実施形態では、拡張エレメント330を内層誘電体351の上に配置して接地用導体パターン320の折返し部321に接続させるようにしている。このように、本実施形態では拡張エレメント330を内層誘電体351上に配置できるようにしていることから、ベース部301と拡張エレメント330とを一体に形成することが可能となっている。また、拡張エレメント330を別部品とせずベース部301と一体化することにより、拡張エレメント330を配置するための支持台が不要となり、アンテナ装置300を筐体31に取り付ける作業が大幅に簡素化され、コストを低減して信頼性の高いアンテナ装置300を提供することが可能となる。
本発明の第4の実施の形態に係るアンテナ装置を、図5を用いて説明する。同図において、(a)はアンテナ装置400を内蔵する携帯端末40の斜視図を、(b)は携帯端末40の平面図を、(c)はアンテナ装置400の平面図を、それぞれ示している。アンテナ装置400は、上記各実施形態と同様の小型平行2線式アンテナであり、給電用導体パターン410と接地用導体パターン420とが誘電体450に内包された構造のものである。
本実施形態のアンテナ装置400では、拡張エレメント430が筐体41の内壁上に塗布された導体パターンとして形成されている。本実施形態では、携帯端末40で発生する電磁波が外部に漏洩したり、外部からの電磁波の影響を受けないよう、また、各部品間の電磁的な分離を図るため、筐体41の内壁にEMIシールドパターン部460を塗布しているが、このEMIシールドパターン部460の形成と同時に、拡張エレメント430を形成させるようにすることができる。本実施形態では、このようにして拡張エレメント430を容易に形成することができ、また拡張エレメント430を筐体41の内部に配置するための支持台や配置作業の手間等が不要となる。
筐体41の内壁に形成された拡張エレメント430は、ベース部401を筐体41の内部に設置したときに、接地用導体パターン420の折り返し部421に接続されるように構成されている。
次に、本実施形態のアンテナ装置400を例に、拡張エレメント430を設けることにより放射効率が向上する効果を図6及び図7を用いて説明する。図6は、周波数に対する放射効率の変化を示すグラフであり、図7は周波数に対するVSWRの変化を示すグラフである。図6、7とも、拡張エレメント430を設けた場合と設けない場合との比較を、シミュレーション結果を用いて行っている。なお、ここでは、給電用導体パターン410と接地用導体パターン420間の距離を1.5mm、折り返した給電用導体パターン410の間隔および接地用導体パターン420の間隔を1.4mmとしている。拡張エレメント430は、その長さが図6、7における最低の使用周波数である約0.9GHzに対応する波長(333mm)の0.084倍(1/20倍以上)である28mm、幅が約0.8mmの導体パターンとし、ベース部から5mm離間して配置している。
図6より、拡張エレメント430を設けたときの放射効率511が、拡張エレメント430を設けないときの放射効率512よりほぼ周波数帯域全体で向上していることが確認できる。例えば、低周波帯では放射効率が20%近く向上している。また、放射効率がピークとなる周波数は、拡張エレメント430を設けることによって大きくは変化しないことが確認できる。
また図7では、拡張エレメント430を設けたときのVSWR521と拡張エレメント430を設けないときのVSWR522とで大きな差が見られないことから、拡張エレメント430の追加によるベース部401の入力インピーダンスへの影響が小さいことが確認できる。特に、共振周波数や広帯域特性に対する影響は小さく、ベース部401の平行2線により実現された多周波共用特性や広帯域特性が保持されていることが確認できる。
なお、図7では、拡張エレメント430を給電用導体パターン410の折り返し部411に接続したときのVSWR523もあわせて示したが、この場合には入力インピーダンスへの影響が大きくなり、共振周波数及び広帯域特性が大きく変化してしまうことが確認できる。
図6、7のシミュレーション結果に示す通り、本実施形態のアンテナ装置400では、筐体41の内壁に形成された拡張エレメント430を接地用導体パターン420の折り返し部421に接続することにより、ベース部401の平行2線で実現された多周波共用特性及び広帯域特性を保持しつつ、放射特性を向上させることが可能となっている。
上記説明の通り、本発明のアンテナ装置では、入力インピーダンスの調整可能な構造を備えた平行2線アンテナでベース部を構成することにより、所望の広帯域特性及び多周波共用特性を実現している。これに加えて、平行2線アンテナの接地用導体パターンの途中に線状導体である拡張エレメントを接続し、拡張エレメントをベース部から十分離間して配置することで、ベース部で実現された広帯域特性及び多周波共用特性を劣化させることなく、放射特性を向上させることが可能となっている。
拡張エレメントを携帯端末の筐体の内壁に沿って配置することにより、地板との間で形成される電気的体積を増大させることができ、これによりアンテナ装置の放射効率を高めることが可能となる。従って、形状自由度が高く電気的体積を確保しやすいモノポールアンテナと同等の最大放射効率を容易に得ることができる。また、拡張エレメントをベース部に接続する位置を調整することにより、ベース部である平行2線アンテナへの影響を低減することができる。よって、本発明のアンテナ装置によれば、平行2線アンテナの利点を保持しつつ放射効率を高めることができ、高性能なアンテナ装置を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るアンテナ装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるアンテナ装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置の上面図、下面図、及び断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図、上面図、及び側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置の上面図及び裏面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図及び平面図である。 周波数に対する放射効率の変化を示すグラフである。 周波数に対するVSWRの変化を示すグラフである。
符号の説明
11、21、31、41 筐体
40 携帯端末
100、200、300、400 アンテナ装置
101、201、301、401 ベース部
110、210、310、410 給電用導体パターン
111 折り返し部(給電用導体パターン側)
112 給電端子
120、220、320、420 接地用導体パターン
121 折り返し部(接地用導体パターン側)
122 接地端子
130、230、330、430 拡張エレメント
140、240、340、440 地板

313、314、323、324 延伸部
351 内層誘電体
352 外層誘電体
450 誘電体
460 EMIシールドパターン部
511、512 放射効率
521、522、523 VSWR

Claims (9)

  1. 少なくとも1つの折り返し部を有する給電用導体パターンと、少なくとも1つの折返し部を有して前記給電用導体パターンと略同一形状の接地用導体パターンとを略平行に配列して地板の上部または近傍に配置したベース部と、
    前記ベース部に対し前記地板とは反対側に配置され、一端が前記接地用導体パターンの所定の位置に接続された拡張線状導体エレメントと、を備える、
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記拡張線状導体エレメントの前記一端は、前記接地用導体パターンの折り返し部に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記拡張線状導体エレメントと前記ベース部との距離(電気長)が、前記ベース部における前記給電用導体パターンと前記接地用パターンとの距離(電気長)、折り返された前記給電用導体パターン間の距離(電気長)及び折り返された前記接地用導体パターン間の距離(電気長)よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記拡張線状導体エレメントの電気長は使用する最低周波数における1/20波長以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記ベース部は、前記給電用導体パターンと前記接地用導体パターンとの間に挟まれた内層誘電体と、
    前記給電用導体パターン及び前記接地用導体パターンを内包する外層誘電体と、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記ベース部の中央部分が前記外層誘電体で内包され、
    前記給電用導体パターンに形成された給電端子及び前記接地用導体パターンに形成された接地端子を備える前記ベース部の一方の端部と、前記給電用導体パターン及び前記接地用導体パターンのそれぞれの前記折返し部を備える前記ベース部の他方の端部とが、前記内層誘電体とともに前記外層誘電体から露出されており、
    前記拡張線状導体エレメントの前記一端が前記ベース部の前記外層誘電体から露出した前記接地用導体パターンの部分に接続される
    ことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. さらに、前記ベース部の中央部分でかつ前記地板とは反対側の側面から前記給電用導体パターン及び前記接地用導体パターンの一部が前記内層誘電体とともに露出しており、
    前記拡張線状導体エレメントが前記露出した内層誘電体上に配置される
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のアンテナ装置。
  8. 前記拡張線状導体エレメントは、前記ベース部を固定する支持台の前記地板とは反対側の壁面に沿って配置される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記拡張線状導体エレメントは、前記ベース部を収納する前記筐体の前記地板とは反対側の内壁面上に導体パターンとして形成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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