JP4748033B2 - 電動過給機 - Google Patents

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Description

この発明は電動過給機に関し、より特定的には、過給機を回転させる回転電機の冷却構造に関する。
エンジンの出力を向上させるために、エンジンに供給される空気をコンプレッサホイールの回転により圧縮して過給する過給機が知られている。特に、コンプレッサホイールに回転力を付与する回転電機(以下、「アシストモータ」あるいは単に「モータ」とも称する)を備えた電動過給機が公知である。
このような電動過給機では、エンジンの低回転域等、コンプレッサにおいて圧縮される空気が所望の過給圧に達しない場合には、アシストモータを駆動することによってコンプレッサの過給圧を強制的に上昇させる制御が行なわれる。この際に、電動過給機のアシストモータは超高速回転域(たとえば10万rpmオーダ)まで使用されるため、効率的にかつ低コストでモータ冷却を行なうことが求められている。また、電動過給機では、内燃機関の排気によりアシストモータの温度が上昇しやすくなるため、モータ冷却の必要性はさらに高まる。
このような超高速回転に耐えられるモータ冷却構造として、たとえば実開平4−54467号公報(特許文献1)は、回転軸(タービン軸)のベアリングに供給する潤滑油をモータの回転子(ロータ)に導き、ロータの冷却ならびに、ロータの遠心力により拡散されたオイルによりモータのステータの冷却を行なうことを特徴とするタービン発電機の冷却構造を開示する。
実開平4−54467号公報
しかしながら、特許文献1に開示された冷却構造では、ステータの冷却はロータにより拡散された潤滑油を冷媒として実行されるので、ステータの全周にわたって冷媒(潤滑油)を供給することが困難である。すなわち、通常、回転方向が同一である電動機あるいは発電機では、軸受部からロータへ潤滑油が供給される部位とロータ回転方向との位置関係により、潤滑油の供給が困難となる領域が発生してしまう。具体的には、潤滑油が供給されるロータ部位から見て、ロータ逆回転方向のステータ部位には、冷媒(潤滑油)を供給し難くなる。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、電動過給機の回転電機のステータを全周にわたって効率よく冷却することが可能な冷却構造を備えた電動過給機を提供することである。
この発明による電動過給機は、過給機と、回転電機と、潤滑油供給手段と、反射壁とを備える。過給機は、内燃機関の排気を利用して回転することによって内燃機関の吸気を圧縮するように構成される。回転電機は、過給機の回転軸と連結されたロータと、回転軸に直交する方向からロータに対向して設けられるステータとを有する。潤滑油供給手段は、回転軸の軸受部に潤滑油を供給する。反射壁は、回転軸およびロータから回転軸に直交する方向に離間した位置に設けられ、回転軸およびロータの回転に伴う遠心力で拡散された潤滑油の一部を回転軸およびロータへ向けて反射するように構成され、さらに、回転軸お
よびロータの回転により拡散される潤滑油の一部が、ステータに巻回されたコイル巻線に達するような形状で設けられる。
上記電動過給機によれば、反射壁により反射された潤滑油が、回転軸およびロータの遠心力によってステータのコイル巻線に向けて再度拡散されるため、周方向におけるステータでの潤滑油の到達範囲が拡大する。これにより、反射壁を設けることなく回転軸およびロータの遠心力によって潤滑油をステータへ供給する構成と比較して、軸受部からロータへ潤滑油が供給される部位から見て、ロータ回転方向と逆回転方向の部位のコイル巻線にも、冷媒として作用する潤滑油を供給し易くなる。この結果、冷却構造を複雑化させることなく、回転電機のステータ全周のコイル巻線を効率的に冷却することが可能となる。
好ましくは、反射壁は、回転軸の方向と非平行であり、かつ、回転軸へ近づく方向に向かって突出するように設けられる。
このような構成とすることにより、反射壁による潤滑油の反射効果を高めて、ステータの全周にわたってコイル巻線に潤滑油(冷媒)の供給を行なうことが容易となる。
また好ましくは、反射壁は、回転軸の方向に沿って、コイル巻線に相対的に遠い部位における径方向の幅寸法が、コイル巻線に相対的に近い部位よりも広くなるように設けられる。
このような構成とすることにより、回転軸およびロータによって拡散された潤滑油のうちコイル巻線に直接当たらない潤滑油を、反射壁によって回転軸およびロータへ向けて反射することができる。そして、反射された潤滑油が回転軸およびロータの遠心力によって再度拡散されることにより、最終的にコイル巻線へ供給される潤滑油(冷媒)の量を増大することができる。この結果、回転電機の冷却効果を高めることができる。
あるいは好ましくは、反射壁は、回転電機を収容する筐体の内壁の回転軸と交差する方向の面に突起して設けられ、筐体の内壁の回転軸と平行な方向の面のうちの、回転軸およびロータの回転に伴って拡散された潤滑油が到達する領域には、接線の方向が回転軸と非平行となる面部分が設けられる。
このような構成とすることにより、回転軸およびロータによって拡散された潤滑油のうちコイル巻線直接当たることなく、筐体の内壁面(上面)に到達した潤滑油を、コイル巻線の上面側(ロータ対向面の反対側)へ滴下させることが可能となる。これにより、コイル巻線の上面側についても冷却することが可能となり、コイル巻線の冷却効果が増大する。
好ましくは、電動過給機は、冷媒経路と、潤滑油収容部とをさらに備える。冷媒経路は、回転電機を収容する筐体の内部に設けられる。潤滑油収容部は、潤滑油を導入するための導入部、導入された潤滑油を蓄積する蓄積部、および蓄積された潤滑油を回転電機へ向けて排出するための排出部が設けられ、かつ、筐体と一体的に構成される。潤滑油収容部は、蓄積部内の潤滑油が冷媒経路中の冷媒との間で熱交換可能に構成される。さらに、導入部は、筐体の内壁のうちの、回転軸およびロータの回転に伴って拡散された潤滑油が到達する領域に設けられ、排出部は、回転電機のうちの、回転軸およびロータの回転に伴って拡散された潤滑油が到達する部位とは異なる部位に向けて、潤滑油を排出するように設けられる。
このような構成とすることにより、回転軸およびロータによって拡散された潤滑油のうちコイル巻線直接当たることなく、筐体の内壁面(上面)に到達した潤滑油を、導入部か
ら潤滑油収容部へ導入して、冷媒経路中の冷媒(たとえば冷却水)との熱交換によって冷却することができる。そして、冷却された潤滑油を、潤滑油収容部からコイル巻線の上面側に供給することが可能となるので、コイル巻線の冷却効果が増大する。
また好ましくは、電動過給機は、環状ユニットをさらに備える。環状ユニットは、回転電機の外側に配置されて、アクチュエータによって回転軸の周りを回転移動可能に構成される。そして、反射壁は、環状ユニットの回転電機と対向する面上に突出するように設けられる。
さらに好ましくは、電動過給機は、電動過給機の運転状態に応じて環状ユニットの回転位相を変化させるように、アクチュエータを作動させる位相制御手段をさらに備える。たとえば、位相制御手段は、コイル巻線の温度に応じて環状ユニットの回転位相を変化させるように、アクチュエータを作動させる。あるいは、位相制御手段は、ロータの回転数に応じて環状ユニットの回転位相を変化させるように、アクチュエータを作動させる。
このような構成とすることにより、アクチュエータを作動させることによって環状ユニットの回転位相を変化させることが可能となるので、コイル巻線の冷却に最適となるように、反射壁の位置(回転位相)を調整することが可能となる。特に、電動過給機の運転状態、たとえば、コイル巻線の実測温度やロータ回転数に応じて環状ユニットの回転位相を変化させることにより、コイル巻線の冷却上最適に反射壁を位置させる自動制御が可能となる。これにより、電動過給機の運転状態が変化しても、都度効率的にコイル巻線を冷却することが可能となる。
さらに好ましくは、電動過給機は、噴霧化手段をさらに備える。噴霧化手段は、回転軸およびロータの回転に伴って拡散された潤滑油を反射壁によって噴霧化するために、環状ユニットが正回転方向および逆回転方向に周期的に往復動作するようにアクチュエータを作動させる。
このような構成とすることにより、適時に噴霧化手段を作動させて、回転軸およびロータにより拡散された潤滑油を噴霧化することができる。これにより、潤滑油を冷媒としたコイル巻線の冷却効果をさらに向上させることができる。
また好ましくは、電動過給機は、圧力制御手段をさらに備える。圧力制御手段は、電動過給機の運転状態に応じて、潤滑油供給手段による潤滑油の供給圧力を変化させる。
このような構成とすることにより、軸受部への潤滑油の供給圧力を変化させて潤滑油供給量を変更することにより、回転軸およびロータの遠心力により拡散される潤滑油の拡散角度を可変とすることができる。これにより、モータ運転状態に応じて拡散角度を最適な角度に調整することによって、コイル巻線の冷却効果を高めることができる。
好ましくは、軸受部は、軸受部から回転軸へ流出する潤滑油が、回転軸の周方向において鉛直方向を挟んで回転軸の回転方向側の領域よりも回転方向の反対側の領域において相対的に多くなるような構造を有する。
このような構成とすることにより、回転軸およびロータの回転により潤滑油が到達しにくい部位、すなわち、軸受部からの潤滑油供給部位から見てロータ回転方向と逆回転方向の部位へ冷媒として作用する潤滑油を供給し易くなる。したがって、冷却構造を複雑することなく、上記逆回転方向の部位のコイル巻線へ供給される潤滑油を増加させて、回転電機のステータ全周のコイル巻線を効率的に冷却することが可能となる。
また好ましくは、回転電機の筐体に対する軸受部のクリアランスは、回転電機に近い側において、回転電機から遠い側よりも大きく設定される。
このような構成とすることにより、軸受部に供給された潤滑油は、回転電機側(ハウジング内部側)により多く供給されるようになるので、この潤滑油を冷媒とした回転電機の冷却効果を高めることができる。また、ハウジング外部への潤滑油漏れを低減することも可能となる。
この発明による電動過給機によれば、回転電機のステータを全周にわたって効率よく冷却することが可能な冷却構造を実現できる。
以下において本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に係る電動過給機が搭載されるエンジンシステムの構成図である。
図1を参照して、エンジンシステムは、エンジン100と、電動過給機200と、インタークーラ162と、エンジンECU(Electronic Control Unit)250と、過給機ECU50とを含む。本実施の形態に係るエンジンシステムは、自動車などの車両に搭載される。なお、エンジンECU250と過給機ECU50とは1つのECUに統合するようにしてもよい。本実施の形態において、エンジンECU250と過給機ECU50とは、双方向で通信可能に接続される。
吸入口150から吸入される空気は、エアクリーナ152によりろ過される。エアクリーナ152によりろ過された空気は、吸気通路156を介して電動過給機200に流通する。電動過給機200に流通した空気はコンプレッサ202により圧縮された後、吸気通路160を流通して、インタークーラ162で冷却される。インタークーラ162で冷却された空気は、吸気通路102を流通して、エンジン100に吸入される。
吸気通路156の途中には、吸入空気量を検出するエアフローメータ154が設けられる。エアフローメータ154は、検出した吸入空気量Qを表す信号をエンジンECU250に送信する。
インタークーラ162は、コンプレッサ202により圧縮されて温度が上昇した空気を冷却する。冷却された空気の体積は、冷却前に比べて小さくなるため、より多くの空気がエンジン100に送り込まれる。
また、吸気通路156と吸気通路160とをバイパスするバイパス通路158が設けられ、バイパス通路158の途中には、バイパス通路158を流通する空気の流量を調整するエアバイパスバルブ164が設けられる。エアバイパスバルブ164は、エンジンECU250から受信する制御信号に応じて作動する。
吸気通路102の途中には、吸気通路102に流通する空気の流量を調整するスロットルバルブ166が設けられる。スロットルバルブ166は、スロットルモータ168により駆動される。スロットルモータ168は、エンジンECU250から受信する制御信号
に応じて駆動する。
また、吸気通路102の途中には、吸気管圧力センサ170と吸気温度センサ172が設けられる。吸気管圧力センサ170は、吸気通路102内の空気の圧力を検知する。吸気管圧力センサ170は、検知した空気の圧力を表す信号をエンジンECU250に送信する。吸気温度センサ172は、吸気通路102内の空気の温度を検知する。吸気温度センサ172は、検知した空気の温度を表す信号をエンジンECU250に送信する。
エンジン100は、シリンダヘッド(図示せず)とシリンダブロック112とを含む。シリンダブロック112には、図1の紙面上下方向に複数の気筒が設けられる。そして、各気筒内には、紙面上下方向に摺動可能にピストン114が設けられる。ピストン114は、コンロッド116を介してクランクシャフト120に連結される。ピストン114、コンロッド116およびクランクシャフト120によりクランク機構が形成される。
ピストン114の上部においては、燃焼室108が形成される。燃焼室108には、燃焼室108に向けて点火プラグ110と燃料噴射インジェクタ106とが設けられる。本実施の形態において、エンジン100は直噴エンジンであるとして説明するが、特に、直噴エンジンに限定されるものではない。たとえば、エンジン100は、内燃機関であればよく、ポート噴射型のエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。
シリンダヘッドには、吸気通路102と排気通路130とがそれぞれ燃焼室108に接続するように設けられる。吸気通路102と燃焼室108との間には、吸気バルブ104が設けられる。排気通路130と燃焼室108との間には、排気バルブ128が設けられる。吸気バルブ104および排気バルブ128は、クランクシャフト120と連動して回転するカムシャフト(図示せず)により駆動される。
吸気通路102を流通する空気は、ピストン114が下降するときに、吸気バルブ104が開かれて燃焼室108に吸引される。燃焼室108に流通した空気は、燃料噴射インジェクタ106から噴射された燃料と混合される。吸気バルブ104が閉じて、ピストン114が上死点付近まで上昇したときに点火プラグ110において燃料と混合された空気が点火されて燃焼する。燃焼による圧力によりピストン114が押し下げられる。このとき、ピストン114の上下運動がクランク機構を介してクランクシャフト120の回転運動に変換される。そして、ピストン114が下死点付近まで下降したときに、排気バルブ128が開く。
ピストン114が再び上昇するときに、燃焼室108内で燃焼させられた空気、すなわち、排気ガスは、排気通路130を流通する。排気通路130を流通した空気は、電動過給機200のタービン204を駆動させた後に、排気管180を流通して触媒182に導かれる。排気ガスは、触媒182により浄化された後、車外に排出される。
クランクシャフト120の一方端には、プーリ(図示せず)が設けられる。プーリはベルト124を介してオルタネータ126の回転軸に設けられたプーリに連結される。クランクシャフト120の回転によりオルタネータ126が作動して、発電が行なわれる。
タイミングロータ118は、クランクシャフト120に設けられており、クランクシャフト120と共に回転する。タイミングロータ118の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ122はタイミングロータ(図示せず)の突起に対向して設けられている。タイミングロータ118が回転すると、タイミングロータ118の突起と、クランクポジションセンサ122とのエアギャップが変化するため、クランクポジションセンサ122のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル
部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ122は、起電力を表す信号を、エンジンECU250に送信する。エンジンECU250は、クランクポジションセンサ122から送信された信号に基づいて、クランク角を検出する。
また、車両には、車速センサ(図示せず)が車輪に設けられ、車輪の回転数(車輪速度)を検知する。車速センサは、検出結果を表す信号をエンジンECU250に送信する。エンジンECU250は、車輪の回転数から、車速を算出する。エンジンECU250は、吸気圧、吸気温度、吸入空気量、車輪速度、アクセル踏込量など各センサから送信された信号、メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
電動過給機200は、コンプレッサ202と、タービン204と、シャフト210と、アシストモータとしての回転電機216とを含む。回転電機216としては、基本的に任意の形式のモータあるいはモータジェネレータを適用できるが、以下では、回転電機216を単にモータ216とも称する。
コンプレッサ202のハウジング内には、コンプレッサホイール(コンプレッサロータ、コンプレッサブレードなどとも呼ばれる。)206が収納される。コンプレッサホイール206は、エアクリーナ152によりろ過された空気を圧縮(過給)する。
タービン204のハウジング内には、タービンホイール(タービンロータ、タービンブレードなどとも呼ばれる。)208が収納される。タービンホイール208は、排気ガスにより回転させられる。
コンプレッサホイール206とタービンホイール208とは、シャフト210の両端にそれぞれ設けられる。すなわち、排気ガスによりタービンホイール208が回転させられると、コンプレッサホイール206も回転する。
また、コンプレッサホイール206とタービンホイール208との間には、シャフト210を回転軸とするモータ216が設けられる。シャフト210は、モータ216のハウジングにより回転自在に支持される。モータ216は、シャフト210に装着されたロータ340と、ロータ340を囲うように設けられたステータとを含む。
モータ216は、過給機ECU50の制御信号に応じて過給機EDU(Electronic Drive Unit)60から供給される電力によりロータ340が回転することによって、シャフト210に回転力を付与する。過給機EDU60は、高圧バッテリ40から供給される電力を用いて、過給機ECU50から入力される制御信号に応じた電力をモータ216に供給する。
モータ216には、ホールセンサ(図示せず)が設けられ、ホールセンサによって検出された回転子位置(位相)は、過給機ECU50へ送信される。代表的には、モータ216は、三相ブラシレスDCモータにより構成され、過給機EDU60は、ホールセンサ205によって検出された回転位相に基づき、三相ブラシレスDCモータの各相に適切な位相の交流電流を供給するインバータにより構成される。
高圧バッテリ40は、DC/DCコンバータ30に電気的に接続される。DC/DCコンバータ30は、上述したオルタネータ126に電気的に接続される。したがって、オルタネータ126において発電された電力は、DC/DCコンバータ30にて適切な電圧に昇圧された後に、高圧バッテリ40に供給される。これにより、高圧バッテリ40が充電される。また、オルタネータ126において発電された電力は、低圧バッテリ20に供給
される。これにより、低圧バッテリ20が充電される。低圧バッテリ20は、エンジンECU250や過給機ECU50などに電力を供給する。
過給機ECU50は、エンジンECU250から送信される情報、回転子位置センサから送信された信号、および、メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、電動過給機200が所望の作動状態となるように、機器類を制御する。
以上のような構成を有する電動過給機200においては、エンジン100で、燃料と混合された空気が燃焼された後、排気ガスは、排気通路130からタービン204内に導かれる。排気ガスはそこでタービンホイール208を回転させ、その回転力がシャフト210に伝達される。その後、排気ガスは、排気管180を流通して、触媒182に導かれる。触媒182に導かれた排気ガスは、浄化された状態で車外へ排出される。
一方、エンジン100に供給するため車外より吸入された空気は、エアクリーナ152によってろ過された後、吸気通路156を流通して、コンプレッサ202内に導かれる。空気はシャフト210と一体となって回転するコンプレッサホイール206によって圧縮(過給)される。圧縮された空気は、インタークーラ162に導かれ、冷却された状態でエンジン100の吸気通路102を介して燃焼室108に吸入される。
また、過給機ECU50は、エンジン100の低回転域において、コンプレッサ202において圧縮される空気が所望の過給圧に到達しない場合(たとえば、エンジン100の回転数が予め定められた回転数以下である場合)には、モータ216を駆動することにより、コンプレッサ202の過給圧が強制的に上昇するように制御する。
ここで、電動過給機のモータ216は、超高速回転域(たとえば10万rpmオーダ)まで使用され、かつ、内燃機関の排気により温度が上昇しやすくなるため、十分な冷却性を有する冷却構造が必要とされる。以下に、モータ216の冷却構造、特にステータのコイル巻線(コイルエンド)の冷却構造について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1による電動過給機の冷却構造を説明する図である。
図2には、電動過給機200の回転軸方向および鉛直方向に沿った断面図のうちの上面側(オイル供給側)の構造が示される。なお、ハウジング300内の潤滑油供給に係る構造を除いて、同様の構造がモータ216の全周にわたって同様に設けられている。
図2を参照して、モータ216は、円筒状のモータ収容部分を有するハウジング300内に格納される。モータ216は、ステータコア320およびステータコア320に巻回されたコイル巻線330からなるステータと、ロータ340とを含む。
ロータ340は、図1でも説明したように、コンプレッサホイール206およびタービンホイール208が両端に設けられたシャフト210に取付けられる。図中には、シャフト210およびロータ340の回転軸が一点鎖線で示される。
ハウジング300の内壁面は、シャフト210の回動軸に交差する方向の壁面310(側壁面310とも称する)および回転軸と平行な方向の壁面312(以下、上壁面312とも称する)とを含む。ハウジング300には、潤滑油400を導入するための潤滑油経路305が設けられ、潤滑油経路305によって潤滑油400がベアリング350に供給される。ベアリング350は、シャフト210に取付けられて、ハウジング300に対して回転自在に取り付けられたシャフト210を支持する「軸受部」として設けられる。なお、潤滑油400としては、一般的にエンジンオイルを用いる。潤滑油経路305を含む潤滑油400の供給経路は、本発明における「潤滑油供給手段」に対応する。
ベアリング350に供給された潤滑油は、軸受部分の潤滑に用いられた後、シャフト210およびロータ340へ流出する。そして、シャフト210およびロータ340の回転に伴う遠心力によって、潤滑油400は周囲に拡散される。この結果、モータ216の各部位に拡散された潤滑油は、冷媒として作用して該部位を冷却する。特に、ステータコア320に巻回されたステータ巻線330へ潤滑油を拡散させることにより、この潤滑油によってコイル巻線330を冷却することができる。
ハウジング300の側壁面310には、オイル反射壁380が設けられる。図3に示されるように、オイル反射壁380は、モータ216の全周にスリット状に設けられる。図2および図3から理解されるように、オイル反射壁380は、シャフト210およびロータ340から、回転軸に直交する方向(径方向)に離間した位置に、ロータ周方向の全周にわたって設けられる。
ここで、図4により、オイル反射壁380を非配置とした冷却構造における潤滑油の拡散状態を比較例として説明する。図4は、回転軸に垂直な方向に沿ったモータ216の断面図を示す。
図4を参照して、各ティース335に対応してコイル巻線330が巻回されており、ロータ340の回転に伴う遠心力により潤滑油400が拡散されることによって、コイル巻線330へ冷媒としての潤滑油が供給される。
しかしながら、単純にベアリング350に対して滴下され、重力によって落下した潤滑油をロータ340により巻き上げて拡散する方式では、モータ周方向で見て、潤滑油を拡散可能な領域500が限定される。すなわち、モータ周方向において、潤滑油400がロータ340へ供給される部位505から見て、ロータ回転方向側の領域には潤滑油410を拡散できるのに対し、ロータ回転方向と逆回転方向(以下、「逆回転方向」と称する)の領域510には、潤滑油を拡散させることが困難である。
一方、図5には、オイル反射壁380を配置した実施の形態1による冷却構造における潤滑油の拡散状態が示される。図5は、図4と同一部位を示す断面図である。
図5を参照して、オイル反射壁380を設けることにより、シャフト210およびロータ340の回転によって拡散された潤滑油は、その一部が符号410で示すように直接コイル巻線330へ到達するのに対し、残りの一部は、符号411に示すようにオイル反射壁380によって反射されてロータ340へ再び到達し、さらに、その地点から符号420に示すようにシャフト210およびロータ340による遠心力によって拡散される。
これにより、図4に示した比較例と比較して、シャフト210およびロータ340の回転によって潤滑油を供給可能な領域をモータ周方向全域に拡大することができる。したがって、オイル反射壁380を設けた実施の形態1による冷却構造によれば、ベアリング350へ供給された潤滑油を、ステータの全周にわたってコイル巻線330へ冷媒として供給することができる。この結果、全周にわたってコイル巻線330の冷却が可能となり、モータ216の冷却能力を向上することができる。
なお、実施の形態1による冷却構造では、オイル反射壁380をどのような間隔(位置)あるいは寸法・形状で用いるかによって、モータ周方向で見た潤滑油の供給可能範囲が変化することになる。したがって、想定されるモータ216の最高回転数においても、シャフト210およびロータ340の回転によって拡散される潤滑油の一部についてはコイル巻線310に到達することを妨げないような位置および寸法・形状にて、オイル反射壁
380を設ける必要がある。
また図6に示すように、オイル反射壁380を、回転軸方向に対して下向きの角度Ψ(Ψ≠0)を付けて、回転軸へ近づく方向へ向かって突出するように設けることも可能である(Ψ≠0)。なお、図6は、図2と同様の断面図の一部を示すものである。
オイル反射壁をこのように設けることにより、オイル反射壁380によるオイル反射効果をさらに高めて、ステータ全周にわたって冷媒としての潤滑油をコイル巻線330に供給することが容易となる。
[実施の形態1の変形例]
図7は、図3と対比される、実施の形態1の変形例によるオイル反射壁が設けられたハウジング内壁面の斜視図である。
図7を参照して、実施の形態1の変形例では、オイル反射壁380は、周方向の幅寸法Wが、回転軸方向に沿って変化するような形状で設けられる。具体的には、内壁面310に近い側、すなわちコイル巻線330から遠い側では幅寸法Wが広いのに対して、コイル巻線330に近い側では、幅寸法Wが狭く設計されている。
図8は、実施の形態1およびその変形例の冷却構造における潤滑油の拡散状態の比較を示す概念図である。図8は、図2と同様の断面図の一部を示すものである。図8(a)には、実施の形態1の冷却構造における潤滑油の拡散状態が示され、図8(b)には、実施の形態1の変形例の冷却構造における潤滑油の拡散状態が示される。
図8(a)を参照して、回転軸方向に沿って幅寸法Wが一様である、図3に示した形状のオイル反射壁によれば、シャフト210およびロータ340の回転によって拡散される潤滑油は、符号414に示すようにコイル巻線330に近い側ではコイル巻線330へ到達するのに対し、内壁面310の近傍、すなわちコイル巻線330から遠い側では、符号412に示すようにコイル巻線330へ直接到達することなく拡散される。
これに対して、実施の形態1の変形例による、図7に示した形状のオイル反射壁によれば、シャフト210およびロータ340の回転によって拡散される潤滑油は、コイル巻線330に近い側では、図8(a)と同様に、符号414に示すようにコイル巻線330へ到達する。さらに、内壁面310の近傍、すなわちコイル巻線330から遠い側においては、図8(a)に示したコイル巻線330へ直接到達しない潤滑油412について、符号413に示すようにオイル反射壁380によって再びロータ側へ反射することができる。
この結果、コイル巻線330に対して最終的に供給される潤滑油(冷媒)の量を増大することができるため、コイル巻線330の冷却能力を高めることが可能となる。
図9は、オイル反射壁380の形状のバリエーションを示す、オイル反射壁の上面図である。
図9(a)は、図3に示した、幅寸法Wが一様であり、かつ、回転軸に沿った方向に突出して設けられたオイル反射壁380の形状が比較のために示される。これに対して、図9(b)〜(d)に示すように、幅寸法Wを回転軸方向に沿って変化させたり、突出方向を回転軸方向と非平行とすることも可能である。なお、オイル反射壁380の形状は、シャフト210およびロータ340の回転による潤滑油の拡散形態に影響を与えるので、モータ216の最高回転数や、軸受部への潤滑油供給圧力(量)などによって、最適なものは異なってくる。このため、モータ毎に適切な形状で設計することが好ましい。
[実施の形態2]
以降では、電動過給機の冷却構造のバリエーションを順次説明する。すなわち、図1に示したエンジンシステムの全体構成については、以降に説明する各実施の形態においても同一である。
実施の形態2では、ハウジング300の上壁面312を加工して、コイル巻線330の上面側の冷却を可能とする冷却構造について説明する。
図10は、本発明の実施の形態2による電動過給機の冷却構造を説明する図である。図10は、図8と同部位の断面図である。
図10を参照して、ハウジング300の上壁面312のうちの、コイル巻線330に直接供給されなかった潤滑油412が到達する領域315には、R面加工が施される。これにより、潤滑油412は、回転軸方向とは非平行である該R面に沿ってコイル巻線330の上面に回り込み、当該部位からコイル巻線330に向かって重力により滴下される。
この結果、シャフト210およびロータ340の回転により拡散される潤滑油414によって冷却されるコイル巻線330の下面側(回転軸に対して内側)のみならず、コイル巻線330の上面側(回転軸に対して外側)についても冷却することが可能となる。
図11は、本発明の実施の形態2による電動過給機の冷却構造のバリエーションを示す図である。
図11(a)には、比較のために、上壁面312の領域315に特に加工を施さず、回転軸と平行な平面を形成した構造が示される。この場合には、領域315に到達した潤滑油414が回転軸方向に沿って内側(コイル巻線330側)に向かう力は発生せず、潤滑油414は再び重力によって滴下するので、コイル巻線330の冷却効果を得ることはできない。
これに対して、図11(b)および(c)に示されるように、R面加工以外にも、上壁面312の領域315に面取り等の加工を施して、回転軸方向とは非平行な面部分を形成することにより、領域315に到達した潤滑油414をコイル巻線330側に導くことが可能となる。この結果、図10に示した冷却構造と同様に、コイル巻線330の上面側を冷却することが可能となる。すなわち、上壁面312の領域315に、接線方向が回転軸と非平行となる面部分が設けることにより、シャフト210およびロータ340の回転により拡散された潤滑油が到達するコイル巻線330の下面側のみでなく、コイル巻線330の上面側についても潤滑用を供給することが可能となり、コイル巻線の冷却能力を向上させることができる。
[実施の形態2の変形例]
図12は、実施の形態2の変形例による電動過給機の冷却構造を説明する図である。図12は、図10と同様の部位を示す断面図である。
図12を参照して、実施の形態2の変形例による冷却構造では、コイル巻線330に直接供給されなかった潤滑油412が到達する領域315に、「潤滑油収容部」に相当する潤滑油流路316が設けられる。潤滑油流路316は、ハウジング300の側壁面310を構成する部位と、上壁面312を構成する部位との接合部分に設けられ、潤滑油流路316を区画形成する突起部317に設けられた導入孔318によって潤滑油412を潤滑油流路316内に導く。そして潤滑油流路316は、ハウジング300内の冷却水路30
6と近接して設けられ、潤滑油流路316内の潤滑油は、冷却水路306内の冷却水とハウジング300を介して熱交換することによって冷却される。さらに、潤滑油流路316内の潤滑油は、コイル巻線330の上面に設けられた排出孔319から滴下されて、コイル巻線330の上面に供給される。
この結果、コイル巻線330に直接供給されなかった潤滑油は、潤滑油流路316内で冷却水との熱交換によって冷却されて、コイル巻線330の上面に供給される。これにより、コイル巻線330の上面に対して、冷却した潤滑油を冷媒として供給することが可能となるため、コイル巻線上面部の冷却効果を高めることが可能となる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、ベアリング350の構造を改良することによってステータに対する潤滑油供給可能範囲を広げることが可能な冷却構造を説明する。
図13は、本発明の実施の形態3による電動過給機の冷却構造を説明する図である。図13は、図10と同様の部位を示す断面図である。
図13を参照して、ベアリング350は、ハウジング300に対してクリアランスを有するように配置され、回転軸方向の両端には、ベアリング350のスラスト方向(回転軸方向)の偏位を抑制するためのベアリング押え354が設けられている。
図14は、ベアリング押えの形状を説明する正面図である。
図14(a)に示すように、通常、ベアリング350の両端部に設けられるベアリング押え354は、鉛直方向下部に開口部356を有する。潤滑油400は、開口部356から流出してシャフト210およびロータ340へ至り、シャフト210およびロータ340の回転に伴う遠心力によって拡散される。
実施の形態3による冷却構造では、図14(b)または(c)に示すように、周方向で見て、潤滑油400が滴下される鉛直方向を挟んで、ロータ回転方向側の領域AR1よりも、鉛直方向を挟んで逆回転方向側の領域AR2において、ベアリング350からシャフト210あるいはロータ340に対して流出する潤滑油が相対的に大きくなるような構造を有する。
たとえば、図14(b)に示すように、領域AR2においてスリット状あるいは、連続状(図示せず)に開口部357を設けることにより、開口部357から流出する潤滑油量を増やして、領域AR2、特に、潤滑油400の滴下部位のロータ逆回転方向近傍における潤滑油量を増加させることができる。
あるいは、図14(c)に示すように、ベアリング押え354の径を非対称に形成し、領域AR2において内径を大きくとることによって開口部358を設け、開口部358から流出する潤滑油によって、領域AR2における潤滑油量を増加させることができる。
図15は、実施の形態3による冷却構造における潤滑油の拡散状態を説明する概念図である。図15は、図4および図5と同一部位を示す断面図である。
図15に示すように、図14(b)または(c)の構造により、ロータ逆回転方向部位に供給される潤滑油量を増加させることにより、ロータ回転によって潤滑油が相対的に到達しにくい逆回転方向側(図14の領域AR2側)のコイル巻線330に対しても、冷媒としての潤滑油を十分に供給することが可能となる。
これにより、モータ周方向で見て、シャフト210およびロータ340の回転によって潤滑油をコイル巻線330へ供給可能な領域を拡大することができ、ベアリング350へ供給された潤滑油を、ステータの全周にわたってコイル巻線330へ冷媒として供給することができる。
なお、実施の形態3の構造は、実施の形態1およびその変形例に示すオイル反射壁と組合せることによってその効果をさらに拡大することができる。ただし、実施の形態3によるベアリング構造は、オイル反射壁と組合せることなく単独で採用しても、モータ周方向で見て、コイル巻線330への潤滑油の供給可能領域を拡大することができ、冷却性能の向上に寄与することができることについて確認的に記載しておく。
[実施の形態4]
実施の形態4では、ベアリング350へ供給される潤滑油を効率的にモータ冷却に用いる冷却構造について説明する。
図16は、本発明の実施の形態4による電動過給機の冷却構造を説明する図である。図16は、図13と同様の断面図である。
図16を参照して、ベアリング350に供給される潤滑油400は、モータ側(内側)およびハウジング側(外側)に流出することとなる。したがって、ハウジング300からの油漏れにつながる外側からの潤滑油の流出は抑えた上で、モータ冷却に用いられる内側からの潤滑油流出は増大するようにすることが好ましい。したがって、実施の形態4による冷却構造では、ベアリング350♯の形状を不均一なものとする。
具体的には、図17に示すように、ベアリング350♯の断面形状にテーパを設けて、外側(ハウジング外側)で径大とし、かつ、内側(モータ側)とで径小とすることにより、ベアリング350♯とハウジング300の間のクリアランスを、外側で狭くかつ内側で大きくなるように設計する。
これにより、ハウジング300の外部へのオイル漏れを防止して、コンプレッサホイール206およびタービンホイール208への潤滑油流出を防止するとともに、モータ冷却に用いられる潤滑油量を増大して、冷却性能を高めることが可能となる。なお、ベアリング350♯に設けられるテーパ(径差)は、数μmオーダでも上述のような潤滑油量の差を発生させることができるため、スラスト力を過大に発生させることなく、上述の効果を享受することが可能である。
[実施の形態5]
図18は、実施の形態5による電動過給機の冷却構造を説明する図である。図18は、図2と同部位の断面図である。
図18を図2と比較して理解されるように、実施の形態5による冷却構造では、オイル反射壁380は、ハウジングの内壁面に直接設けられるのではなく、ハウジング300とは独立した環状ユニット700に設けられる。その他の部位の構造については、実施の形態1(図2)と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図19に示すように、環状ユニット700には、図3と同様にオイル反射壁380がスリット状に設けられている。なお、オイル反射壁380は、図6あるいは図9(b)〜(d)に示したように、最適な寸法・形状を適宜選択することができる。
環状ユニット700は、図示しないアクチュエータによって上下動可能な操作端600
とリンク機構605によって連結されている。これによりアクチュエータにより操作端を上下動させることにより、環状ユニット700は回転方向に可動となる。すなわち、アクチュエータの作動により、環状ユニット700の回転位相、すなわちオイル反射壁380の位置(位相)を可変とすることができるので、シャフト210およびロータ340の回転に伴って拡散される潤滑油が、コイル巻線330に対して最適に供給される位相となるように調整することが可能となる。これにより、モータ216、特にステータのコイル巻線330の冷却性能が高められる。
[実施の形態5の変形例]
実施の形態5の変形例では、上述のような環状ユニット700の回転位相、すなわちオイル反射壁380の位置を自動制御する構成について説明する。
図20は、実施の形態5の変形例による電動過給機の冷却構造を説明する図である。
図20を図18と比較して理解されるように、実施の形態5の変形例による電動過給機の冷却構造では、過給機ECU50は、リンク機構の操作端600を上下動させるアクチュエータ610の動作を制御する。これにより、過給機ECU50の指示により、操作端600の上下位置、すなわち環状ユニット700の回転位相を制御することが可能となる。
さらに、コイル巻線330には温度センサ680が設けられ、温度センサ680の出力信号は、ステータに設けられた回転子位置センサ670の出力信号と同様に、過給機ECU50へ入力される。これにより、過給機ECU50は、コイル巻線330のコイル巻線温度およびロータ340の回転数を検知することが可能となる。その他の部位の構造については、実施の形態5(図18)と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図21は、過給機ECU50による環状ユニット700の回転位相、すなわちオイル反射壁位置(位相)の自動制御の第1の例を説明するフローチャートである。
図21を参照して、過給機ECU50は、ステップS100により、カウンタ値n=1に初期設定し、ステップS110により、温度センサ680の出力に基づきステータのコイル巻線温度Tnを取得する。
さらに、過給機ECU50は、ステップS120により、オイル反射壁位相を所定量Δθ変化させ、ステップS130により、カウンタ値nをインクリメント(+1)する。
過給機ECU50は、ステップS120およびS130から所定時間が経過すると、ステップS140により、温度センサ680の出力に基づきステータのコイル巻線温度Tnを取得する。これにより、ステップS120によってオイル反射壁位相を変化させた後での、コイル巻線温度が得られる。
過給機ECU50は、ステップS150により、前回のオイル反射壁位相におけるコイル巻線温度Tn−1と、現在のオイル反射壁位相でのコイル巻線温度Tnとを比較する。過給機ECU50は、コイル巻線温度が低下した場合(ステップS150のYES判定時)には、オイル反射壁の位相変化方向が、コイル巻線温度の冷却方向を高める適切な方向であると認識して、処理を再びステップS120に戻す。これにより、オイル反射壁位相をΔθは、同一方向にさらにΔθ変化される。
一方、オイル反射壁の位相変化後にコイル巻線温度が上昇している場合(ステップS150のNO判定時)には、過給機ECU50は、オイル反射壁の位相を同一方向にさらに変化させると、コイル巻線温度が上昇してしまうと認識して、オイル反射壁位相を現在の
ままに維持する。
ステップS100〜S150の一連の処理により、オイル反射壁の位相変化に対するコイル巻線温度変化の極小点に相当する位相に、オイル反射壁位相を設定することができる。すなわち、現在の電動過給機の状態下における、最適なオイル反射壁位相を試行錯誤的に得ることが可能となる。
したがって、一定時間の経過やモータ回転数、コイル巻線温度の一定以上の変化等の所定条件成立毎に、ステップS100〜S150の一連の処理を実行することにより、コイル巻線温度の実測に基づき、オイル反射壁の位相をコイル巻線330の冷却な最適値へ自動制御して、電動過給機の運転状態が変化しても都度効率的にコイル巻線を冷却することが可能となる。
図22は、過給機ECU50による環状ユニット700の回転位相、すなわちオイル反射壁位置(位相)の自動制御の第2の例を説明するフローチャートである。
図22を参照して、過給機ECU50は、ステップS200により回転子位置センサ670の出力に基づきロータ回転数Ntを取得する。そして、過給機ECU50は、ステップS210により、図23に示すマップ655を参照することにより、現在のロータ回転数Ntに対応する最適なオイル反射壁位相を取得し、さらに、このオイル反射壁位相に対応した操作端600の上下位置が得られるようにアクチュエータ610を制御する。
ロータ回転数が変わると遠心力の大きさも変化するため、シャフト210およびロータ340による潤滑油の拡散態様が変化する。このため、ロータ回転数に応じてコイル巻線の冷却に最適なオイル反射壁位相は変化する。
図23を参照して、各ロータ回転数域における最適なオイル反射壁位相を図21に示したフローチャート等に従って予め求めておくことにより、各ロータ回転数域におけるオイル反射壁位相を設定するためのマップ655を予め作成することができる。なお、オイル反射壁位相については、操作端600の上下位置としてマップ化することもできる。
これにより、電動過給機の運転時には、図22のステップS210においてマップ655を参照することにより、現在のロータ回転数に応じて、コイル巻線の冷却に最適なオイル反射壁位相を設定することにより、電動過給機の運転状態が変化しても、都度効率的にコイル巻線を冷却することが可能となる。
図24は、過給機ECU50による環状ユニット700の回転位相、すなわちオイル反射壁位置(位相)の自動制御の第2の例を説明するフローチャートである。
図24を参照して、過給機ECU50は、ステップS220により、潤滑油を噴霧化するための所定条件が成立しているかどうかを判定する。この所定条件は、たとえば一定時間の経過や、コイル巻線温度が所定のしきい値を超えて上昇したときに成立するように定めることができる。
そして、過給機ECU50は、所定条件の成立時(ステップS220のYES判定時)には、ステップS230により、リンク機構の操作端600を周期的に上下往復動作させる。これにより、オイル反射壁が設けられた環状ユニット700も正転方向および逆転方向に周期的な往復回転動作を行なうため、オイル反射壁380によってシャフト210およびロータ340により巻き上げられて拡散された潤滑油を噴霧化することができる。噴霧化された潤滑油がコイル巻線330へ供給されることにより、潤滑油を冷媒としたコイ
ル巻線330の冷却効果を高めることができる。
なお、図21,図22,図24に示す手順に従った処理は、たとえば、過給機ECU50が予め格納するプログラムを実行することによって実現される。すなわち、実施の形態5では、過給機ECU50が本発明での「位相制御手段」および「噴霧化手段」を構成する。
[実施の形態6]
実施の形態6では、潤滑油供給圧力を自動制御する冷却構造について説明する。
図25は、実施の形態6による電動過給機の冷却構造を説明する図である。
図25を図20と比較して、実施の形態6による電動過給機の冷却構造では、オイル反射壁380は、実施の形態1(図2)と同様に、ハウジング300の内壁面310に突起して設けられる。オイル反射壁380は、図3と同様にスリット状に設けられる。なお、オイル反射壁380については、図6あるいは図9(b)〜(d)に示したように、最適な寸法・形状を適宜選択することができる。
この結果、図20(実施の形態5)の冷却構造と比較して、環状ユニット700およびこれを作動させるための操作端600、リンク機構605およびアクチュエータ610の配置が省略される。
一方、実施の形態6では、潤滑油を供給するオイルポンプ690の潤滑油供給圧力が、過給機ECU50からの指示に基づき制御される。なお、潤滑油としてエンジンオイルを用いる場合には、エンジンオイルのオイルポンプを制御するエンジンECU250からの指示に、過給機ECU50からの指示を反映する制御構成とすることができる。なお、その他の部位の構造については、図20と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
オイルポンプ690による潤滑油供給圧力を変化させることにより、ベアリング350へ供給される潤滑油400の量も変化し、これに伴いシャフト210およびロータ340の回転により巻き上げられる潤滑油の拡散角度も変化してくる。したがって、実施の形態6による電動過給機の冷却構造では、オイル反射壁380の位相を固定したままで、すなわちリンク機構やアクチュエータ等の制御用の部材を新たに設けることなく、潤滑油の拡散角度の制御により状況に応じた冷却状態の調整を行なうことができる。
図26は、実施の形態6による電動過給機の冷却構造における潤滑油供給圧力の自動制御を説明するフローチャートである。
図26を参照して、過給機ECU50は、ステップS300により、カウンタ値n=1に初期設定し、ステップS310により、温度センサ680の出力に基づきステータのコイル巻線温度Tnを取得する。
さらに、過給機ECU50は、ステップS320により、潤滑油供給圧力を所定値だけ変化(上昇あるいは下降)させ、ステップS330により、カウンタ値nをインクリメント(+1)する。
過給機ECU50は、ステップS320およびS330から所定時間が経過すると、ステップS340により、温度センサ680の出力に基づきステータのコイル巻線温度Tnを取得する。これにより、ステップS320によって潤滑油供給圧力を変化させた後での、コイル巻線温度が得られる。
過給機ECU50は、ステップS350により、前回の潤滑油供給圧力におけるコイル巻線温度Tn−1と、現在の潤滑油供給圧力でのコイル巻線温度Tnとを比較する。過給機ECU50は、コイル巻線温度が低下した場合(ステップS350のYES判定時)には、潤滑油供給圧力の変化方向が、コイル巻線温度の冷却方向を高める適切な方向であると認識して、処理を再びステップS320に戻す。これにより、潤滑油供給圧力は、同一方向にさらに所定値だけ変化される。
一方、潤滑油供給圧力の変化後にコイル巻線温度が上昇している場合(ステップS350のNO判定時)には、過給機ECU50は、潤滑油供給圧力を同一方向にさらに変化させると、コイル巻線温度が上昇してしまうと認識して、潤滑油供給圧力を現在のままに維持する。
ステップS300〜S350の一連の処理により、潤滑油供給圧力の変化に対するコイル巻線温度変化の極小点に相当する潤滑油供給圧力を設定することができる。すなわち、現在の電動過給機の状態下における、最適な潤滑油供給圧力を試行錯誤的に得ることが可能となる。
したがって、一定時間の経過やモータ回転数、コイル巻線温度の一定以上の変化等の所定条件成立毎に、ステップS300〜S350の一連の処理を実行することにより、コイル巻線温度の実測に基づき、潤滑油供給圧力をコイル巻線330の冷却な最適値へ自動制御して、電動過給機の運転状態が変化しても都度効率的にコイル巻線を冷却することが可能となる。なお、図23と同様に、電動過給機の運転状態(代表的にはロータ回転数)に対する最適な潤滑油供給圧力を予め求めてマップ化しておくことにより、実施の形態5の変形例と同様に、現在の電動過給機の運転状態に応じて、都度適切に潤滑油供給圧力を設定することができる。
このように、実施の形態6による電動過給機の冷却構造では、特別なアクチュエータを設けることなく、潤滑油供給圧力の自動制御によりシャフト210およびロータ340によって拡散される潤滑油の拡散角度を制御して、最適な冷却状態を自動的に得ることができる。この結果、コイル巻線の冷却効果を高めることができる。
なお、図26に示す手順に従った処理は、たとえば、過給機ECU50が予め格納するプログラムを実行することによって実現される。すなわち、実施の形態6では、過給機ECU50が本発明での「圧力制御手段」を構成する。
また、以上説明した複数の実施の形態の各々については、その組合わせが構造的あるいは論理的に矛盾する場合を除いて、必要に応じて適宜組合わせて実行することが可能であることを確認的に記載する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る電動過給機が搭載されるエンジンシステムの構成図である。 本発明の実施の形態1による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 図2に示されたオイル反射壁が設けられたハウジング内壁面の斜視図である。 比較例として示されるオイル反射壁を非配置とした冷却構造における潤滑油の拡散状態を説明する概念図である。 オイル反射壁を配置した実施の形態1による冷却構造における潤滑油の拡散状態を説明する概念図である。 オイル反射壁の配置のバリエーションを説明する図である。 実施の形態1の変形例によるオイル反射壁が設けられたハウジング内壁面の斜視図である。 実施の形態1およびその変形例における潤滑油の拡散状態の比較を示す概念図である。 オイル反射壁の形状のバリエーションを説明する平面図である。 本発明の実施の形態2による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 実施の形態2による電動過給機の冷却構造のバリエーションを示す図である。 本発明の実施の形態2の変形例による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 本発明の実施の形態3による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 図13に示したベアリング押えの形状を説明する正面図である。 実施の形態3による冷却構造における潤滑油の拡散状態を説明する概念図である。 本発明の実施の形態4による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 図16におけるベアリング部分の拡大図である。 実施の形態5による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 図18に示した環状ユニットの斜視図である。 実施の形態5の変形例による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 環状ユニットの回転位相(オイル反射壁位置)の自動制御の第1の例を説明するフローチャートである。 環状ユニットの回転位相(オイル反射壁位置)の自動制御の第2の例を説明するフローチャートである。 ロータ回転数に対するオイル反射壁の位相設定マップの一例を示す概念図である。 環状ユニットの回転位相(オイル反射壁位置)の自動制御の第3の例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態6による電動過給機の冷却構造を説明する図である。 本発明の実施の形態6による潤滑油供給圧力の自動制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
20 低圧バッテリ、30 コンバータ、40 高圧バッテリ、50 過給機ECU、60 過給機EDU、100 エンジン、102,156,160 吸気通路、104 吸気バルブ、106 燃料噴射インジェクタ、108 燃焼室、110 点火プラグ、112 シリンダブロック、114 ピストン、116 コンロッド、118 タイミングロータ、120 クランクシャフト、122 クランクポジションセンサ、124 べルト、126 オルタネータ、128 排気バルブ、130 排気通路、150 吸入口、152 エアクリーナ、154 エアフローメータ、158 バイパス通路、162 インタークーラ、164 エアバイパスバルブ、166 スロットルバルブ、168 スロットルモータ、170 吸気管圧力センサ、172 吸気温度センサ、180 排気管、182 触媒、200 電動過給機、202 コンプレッサ、204 タービン、205
ホールセンサ、206 コンプレッサホイール、208 タービンホイール、210 シャフト、216 回転電機(モータ)、250 エンジンECU、300 ハウジング、305 潤滑油経路、306 冷却水路、310 コイル巻線、310 側壁面(ハウ
ジング)、312 上壁面(ハウジング)、315 領域(潤滑油到達)、316 潤滑油流路、317 突起部、318 導入孔、319 排出孔、320 ステータコア、330 コイル巻線、330 ステータコア、335 ティース、340 ロータ、350
ベアリング、356〜358 開口部、380 オイル反射壁、400,410〜414,420 潤滑油、600 操作端、605 リンク機構、610 アクチュエータ、655 マップ、670 回転子位置センサ、680 温度センサ、690 オイルポンプ、700 環状ユニット、n カウンタ値、Nt ロータ回転数、Tn コイル巻線温度、W 幅寸法(オイル反射壁)。

Claims (13)

  1. 内燃機関の排気を利用して回転することによって前記内燃機関の吸気を圧縮するように構成された過給機と、
    前記過給機の回転軸と連結されたロータおよび前記回転軸に直交する方向から前記ロータに対向して設けられるステータを有する回転電機と、
    前記回転軸の軸受部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、
    前記回転軸および前記ロータから前記回転軸に直交する方向に離間した位置に設けられ、前記回転軸および前記ロータの回転に伴う遠心力で拡散された潤滑油の一部を前記回転軸および前記ロータへ向けて反射するための反射壁とを備え、
    前記反射壁は、前記回転軸および前記ロータの回転により拡散される潤滑油の一部が、前記ステータに巻回されたコイル巻線に達するような形状で設けられる、電動過給機。
  2. 前記反射壁は、前記回転軸の方向と非平行であり、かつ、前記回転軸へ近づく方向に向かって突出するように設けられる、請求項1記載の電動過給機。
  3. 前記反射壁は、前記回転軸の方向に沿って、前記コイル巻線に相対的に遠い部位における径方向の幅寸法が、前記コイル巻線に相対的に近い部位よりも広くなるように設けられる、請求項1記載の電動過給機。
  4. 前記反射壁は、前記回転電機を収容する筐体の内壁の前記回転軸と交差する方向の面に突起して設けられ、
    前記筐体の内壁の前記回転軸と平行な方向の面のうちの、前記回転軸および前記ロータの回転に伴って拡散された潤滑油が到達する領域には、接線の方向が前記回転軸と非平行となる面部分が設けられる、請求項1記載の電動過給機。
  5. 前記回転電機を収容する筐体の内部に設けられた冷媒経路と、
    前記潤滑油を導入するための導入部、導入された潤滑油を蓄積する蓄積部、および蓄積された潤滑油を前記回転電機へ向けて排出するための排出部が設けられた、前記筐体と一体的に構成された潤滑油収容部とをさらに備え、
    前記潤滑油収容部は、前記蓄積部内の潤滑油が前記冷媒経路中の冷媒との間で熱交換可能に構成され、
    前記導入部は、前記筐体の内壁のうちの、前記回転軸および前記ロータの回転に伴って拡散された潤滑油が到達する領域に設けられ、
    前記排出部は、前記回転電機のうちの、前記回転軸および前記ロータの回転に伴って拡散された潤滑油が到達する部位とは異なる部位に向けて、前記潤滑油を排出するように設けられる、請求項1記載の電動過給機。
  6. 前記回転電機の外側に配置されて、アクチュエータによって前記回転軸の周りを回転移動可能に構成された環状ユニットをさらに備え、
    前記反射壁は、前記環状ユニットの前記回転電機と対向する面上に突出するように設けられる、請求項1記載の電動過給機。
  7. 前記電動過給機の運転状態に応じて前記環状ユニットの回転位相を変化させるように、前記アクチュエータを作動させる位相制御手段をさらに備える、請求項6記載の電動過給機。
  8. 前記位相制御手段は、前記コイル巻線の温度に応じて前記環状ユニットの回転位相を変化させるように、前記アクチュエータを作動させる、請求項7記載の電動過給機。
  9. 前記位相制御手段は、前記ロータの回転数に応じて前記環状ユニットの回転位相を変化させるように、前記アクチュエータを作動させる、請求項7記載の電動過給機。
  10. 回転軸および前記ロータの回転に伴って拡散された潤滑油を前記反射壁によって噴霧化するために、前記環状ユニットが正回転方向および逆回転方向に周期的に往復動作するように前記アクチュエータを作動させる噴霧化手段をさらに備える、請求項6記載の電動過給機。
  11. 前記電動過給機の運転状態に応じて、前記潤滑油供給手段による潤滑油の供給圧力を変化させる圧力制御手段をさらに備える、請求項1記載の電動過給機。
  12. 前記軸受部は、前記軸受部から前記回転軸へ流出する潤滑油が、前記回転軸の周方向において鉛直方向を挟んで前記回転軸の回転方向側の領域よりも前記回転方向の反対側の領域において相対的に多くなるような構造を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の電動過給機。
  13. 前記回転電機の筐体に対する前記軸受部のクリアランスは、前記回転電機に近い側において、前記回転電機から遠い側よりも大きく設定される、請求項1から11のいずれか1項に記載の電動過給機。
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