JP4745902B2 - 重負荷車輪の構造 - Google Patents
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Description
そのためにダブルタイヤ用ホイールを使用してもハブドラムひとつに2本のタイヤの装着が限界である。
したがって、1本の車軸ではその両側に2本づつ、合計4本以上のタイヤを取り付けることはできない。
そのために重負荷物を積載する場合には、車輪径を大きくするか、車軸の数を増やすしかなく、その結果、車軸スペースの大型化や機構の複雑化によってコストアップとなっていた。
また、少ない車軸数と簡易な機構のタイヤ式の車両では、接地圧の低減に限界があり、その結果、タイヤ式の車両では重負荷物を運搬することは不可能と考えられていた。
そこでタイヤではなく、無限軌道装置や、鉄の車輪の外周に硬質ゴムや樹脂をコーティングした車輪などが使用されている。
<1> 鉄車輪の外周をコーティングした特殊な車輪は、市販品がなくすべて受注生産であるから高価であり、納期に時間がかかる。さらに表面のコーティングが破損した場合に部分補修が困難でありきわめて不経済である。
<2> 無限軌道装置は広く採用されているが、タイヤ方式に対して構造が複雑であり、その結果タイヤ方式と比較にならないほど高価である。
<1> 大量に市販されているホイール装着タイヤを使用して、定格荷重に応じて複数本を並列に並べて連結し、幅の広い車輪を経済的に構成することができる。
<2> 市販のホイール装着タイヤを並べれば、タイヤの接地線の長さの延長が容易となり、車軸一軸あたりの定格荷重の増加を任意にかつ容易に行うことができる。
<3> このように車軸1軸に多数本のタイヤの取付が可能であるから、せまい車軸スペースで車軸1軸あたりの重負荷対応が可能となり、車軸部分のスペースが小さくてすむことから、荷役装置の設計、製作の自由度が向上する。
<4> 荷重支持強度の大きい、直径の大きい高価なタイヤも市販されているが、直径の大きいタイヤを取付けた台車は重心位置が高くなる。しかし重量物の運搬の場合には高い重心はきわめて不安定である。それに対して本発明の重負荷車輪は、直径を大きくせず、代わりに本数を増やすことによって大きな荷重を支持できるように構成したものであり、低い重心の台車などを製造することが可能である。
本発明の重負荷車輪の構造は、従来のようにホイールの固定にハブドラムを使用しない。
そうではなくホイール装着タイヤ1のホイールの中心部のハブ穴11を利用して鋼管2を差しこみ、車軸3およびホイールの芯を一致させる構造である。
すなわち本発明の重負荷車輪では、市販のホイール装着タイヤ1と、鋼管2と車軸3、およびスペーサプレート4によって構成する。
本発明で使用するホイール装着タイヤ1は、大量に安価で市販されている公知のホイール装着タイヤ1を使用する。
このホイール装着タイヤ1は、ホイール12の外周にゴムタイヤ13を取り付けた構造である。
そしてホイール12の円心にはハブ穴11が開口しており、ハブ穴11の周囲には均等の間隔でかつ同心円状にボルト孔14を開口してある。
なお、ホイール装着タイヤ1のタイヤ13として、チューブに圧縮空気を注入したタイヤ13だけではなく、内部にチューブを持たず、空気の注入を行わない、全体をゴムで製作した、いわゆるノーパンクタイヤを使用することもできる。
このようなタイヤ13は、同じサイズの空気タイヤと比較して数倍の積載許容荷性能を備えているから有利である。
なお、この種のタイヤ13は例えばフォークリフト用として広く市販されており、安価に入手することができる。
ホイール装着タイヤ1とホイール装着タイヤ1の間にはスペーサプレート4を介在させる。
このスペーサプレート4は、適宜の厚さを有する鋼製の円盤であり、その中心に貫通孔41を開口する。
この貫通孔41の内径は、ホイール装着タイヤ1のホイール12のハブ穴11と同一の内径の孔である。
貫通孔41の周囲には、均等の間隔でかつ同心円状にボルト孔14を開口してある。
このボルト孔14の開口位置は、ホイール装着タイヤ1のボルト孔14の開口位置と同一の位置に配置する。
ホイール装着タイヤ1とホイール装着タイヤ1との間にスペーサプレート4を介在させると、走行中にひとつのタイヤ13と隣接するタイヤ13の側面が接触することがない。
さらに荷重を受けてタイヤ13が弾性変形した場合に、自由に側方に膨張することができる。
また、スペーサプレート4は、ホイール装着タイヤ1のホイール12の外面と摩擦接合することにより、回転を伝達することができる。
ホイール装着タイヤ1とホイール装着タイヤ1との回転力の伝達を大きくしたいとき、すなわち高トルク伝達が必要な場合には、スペーサプレート4とタイヤ13のホイール12に凹凸加工を施したり、キーを介在させることによって行うことができる。
複数のホイール装着タイヤ1をそのハブ穴11に貫通させた1本の鋼管2で支持する。
そのために鋼管2は、ハブ穴11の内径と同一の外径を有する中空の筒体として構成する。
鋼管2は、厚肉の鋼管で極めて高い剛性を有するものであり、複数本のタイヤが地面から受ける反力により軸受け間に発生する曲げモーメントを吸収し複数のタイヤを一体化する上での重要な部位である。
鋼管2の長さは、予定しているホイール装着タイヤ1群のタイヤ幅よりも長く構成してあるために、鋼管2をホイール装着タイヤ1群のハブ穴11に挿入した場合に、ホイール装着タイヤ1群の両端から鋼管2の端部が露出する。
車軸3は、この鋼管2の中心を貫通する中空孔の内径と同一の外径を有する鋼製の長い円柱体である。
車軸3の長さは、鋼管2の長さよりも長く、そのために車軸3を中空鋼管2に挿入した場合に、鋼管2の両端から車軸3の端部が露出する。
次に上記の部材を使用して、複数本のホイール装着タイヤ1群を一体のユニットとする方法を説明する。
まず複数本のホイール装着タイヤ1を、並行させて並べる。
その際に、ひとつのホイール装着タイヤ1と、隣接するホイール装着タイヤ1の間に、スペーサプレート4を介在させる。
ホイール装着タイヤ1群のもっとも外側にはサイドプレート5を取付けるが、このサイドプレート5は、スペーサプレート4と同様の形状の鋼製円盤である。
次に、ホイール装着タイヤ1のハブ穴11と、スペーサプレート4、サイドプレート5の貫通孔に中空鋼管2を貫通させる。
さらに中空鋼管2の中空孔内に車軸3を貫通させる。
車軸3の長さは、鋼管2の長さよりも長いから、車軸3の両端が鋼管2の端から外部に露出する。
そして、ホイール装着タイヤ1のボルト孔14の位置と、スペーサプレート4、サイドプレート5のボルト孔14の位置を一致させ、ボルト孔14に長いボルト6を貫通させる。
このボルト6の端にナット61を取り付けることによって、複数のホイール装着タイヤ1群を両側から強固に締め付けて固定することができる。
以上の組み立てによってタイヤユニットが完成する。
このタイヤユニットを、例えば重量物運搬車などの架台に取り付ける。
そのために、鋼管2の両端から外部に露出した車軸3の端部にはピロブロックなどの回転軸受け8を介して架台取付体7を取り付ける。
組み立ての完了したタイヤユニットは、この架台取付体7を介してどのような車体にも取付けることができる。
2:鋼管
3:車軸
4:スペーサプレート
5:サイドプレート
6:長ボルト
7:架台取付体
8:回転軸受け
Claims (3)
- ホイールにハブ穴とボルト孔を開口したホイール装着タイヤと、
ホイール装着タイヤのホイールのハブ穴と同一の内径の貫通孔とボルト孔を開口した鋼製円盤であるスペーサプレートと、
スペーサプレートと同様の構造であるサイドプレートと、
ハブ穴の内径と同一の外径を有する筒体である中空鋼管と、
鋼管の中空孔の内径と同一の外径を有する車軸とを使用し、
複数本のホイール装着タイヤを、
ホイール装着タイヤの間に、スペーサプレートを介在させて平行に並べ、
ホイール装着タイヤの外側には、サイドプレートを配置し、
ホイール装着タイヤのハブ穴と、スペーサプレートとサイドプレートの貫通孔に中空鋼管を貫通させ、
中空鋼管の中空孔内に車軸を貫通させ、
ホイール装着タイヤとスペーサプレートとサイドプレートのボルト孔に長いボルトを貫通させて固定した、
重負荷車輪の構造。
- ホイール装着タイヤのタイヤとして、
空気の注入を行わない、全体をゴムで製作したタイヤを使用する、
請求項1記載の、重負荷車輪の構造。
- 車軸の端部には回転軸受けを介して架台取付体を取り付けて構成した、
請求項1記載の、重負荷車輪の構造。
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