JP4738140B2 - 蒸気タービンプラントおよびこれを搭載した蒸気タービン船 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気タービンプラントおよびこれを搭載した蒸気タービン船に関するものである。
従来、蒸気タービン船では、造水装置の熱源としては、ふんだんに利用できる蒸気が直接活用されていた。この種の造水装置としては、例えば、非特許文献1に示されるものがある。
「Desalt DPU−36−C Series」アルファ・ラバル(Alfa Lavel)社カタログ
非特許文献1に示されるものは、海水を蒸発させるエバポレータでは蒸気を加熱源としているので、加熱側は蒸気とドレンとの気液二相状態である。一方、被加熱側である海水も気液二相状態となっている。したがって、エバポレータでは、気液二相同士の熱交換が行われていることになる。すなわち、気体から気体への熱伝達、気体から液体への熱伝達、液体から気体への熱伝達および液体から液体への熱伝達は、それぞれ熱伝達率が異なり、しかもそれぞれの液面が常時変動することに起因する、造水プロセスの不安定性の問題があった。
この状態を少しでも解消するため、エバポレータは、デミスタの内部に組み込まれている。このため、デミスタや熱交換器を包含する容器が大型化し、エバポレータの保守点検(オーバーホール)に大きな労力と開放スペースを要した。
また、造水装置で必要とされる加熱媒温度を制御するため、タービンからの抽気の温度を緩めるためにデスーパヒ−タを設置する必要があり、システムの複雑化を招いている。
本発明は、上記問題点に鑑み、シンプル化、小型化を可能とし、熱効率を高め、メンテナンスを容易とした造水装置を備えた蒸気タービンプラントおよび蒸気タービン船を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる蒸気タービンプラントは、タービンの抽気を加熱源とする温水加熱器によって加温された温水が循環される温水循環ラインと、海水から清水を製造する造水装置と、を備え、該造水装置は、前記温水を加熱源として海水を蒸発させるエバポレータと、蒸発された蒸気から水滴等のミストを除去するデミスタと、復水器からのボイラ給水を冷熱源として前記水蒸気を凝縮させるコンデンサと、を備えていることを特徴とする。
このように、タービンの抽気によって温水を造るようにしたので、従来の抽気を直接造水装置の加熱源とする場合に必要とされた蒸気温度を適温に調節するデスーパヒ−タ等を省略できる。
また、エバポレータは、加熱源が温水という液相のみで気相を含まないので、海水との熱交換において、熱伝達率が部分的に変動することが少ない。このため、伝熱量が安定し、熱交換器をデミスタ等と共に容器内に密閉する必要がなくなり保守がやりやすい分離型とすることができる。
さらに、コンデンサでは、蒸気を凝縮させる冷熱源としてボイラへの給水を用いているので、給水が加熱されることになり、熱の有効活用を行うことができる。
また、本発明にかかる蒸気タービンプラントは、前記加熱器として、ボイラ給水を加熱する低圧給水加熱器や脱気器が用いられることを特徴とする。
このように、温水の加熱にボイラに備わった低圧給水加熱器や脱気器を用いるので、造水プロセス用の蒸気系統を省略し、より扱いの簡単な温水系統を導入することで保守負荷の低減と、安定した造水性能を実現できる。
また、本発明にかかる蒸気タービンプラントは、前記低圧給水加熱器には、低圧タービンの抽気が導入されるシェルと、該シェル内部に複数設置された温水が通過する温水用チューブと、前記シェル内部に複数設置されたボイラ給水が通過する給水チューブとが備えられ、前記温水チューブおよび給水チューブのパスは、鉛直方向に分散配列されていることを特徴とする。
本発明によれば、シェル内部に導入される低圧タービンの抽気は、温水用チューブ内を流れる温水および給水チューブ内を流れるボイラ給水と熱交換され、温水およびボイラ給水を加温し、反対に冷却されて凝縮しドレンとなる。ドレンは、導入される抽気に比べて温度が低いので、ドレン部分は抽気部分に比べて伝熱量が少ないことになる。
温水チューブおよび給水チューブは、鉛直方向に複数設置されているので、ドレンのレベルを調節することによって、温水の温度調整を行うことができる。
また、温水チューブおよび給水チューブで、鉛直方向での配置をそれぞれ別個に最適に調節しておくこともできる。すなわち、例えば、給水チューブは上方に密に設置し吸収熱量を増加させ、一方、温水チューブは造水装置における必要温度がそれほど高くないので、下方に密に配置する。そしてドレン面を制御することにより所要熱量を調整することができる。
また、本発明にかかる蒸気タービンプラントは、前記温水循環ラインには、大気圧ドレンタンクが組み込まれていることを特徴とする。
このように、温水循環ラインには、大気圧ドレンタンクが組み込まれており、温水の循環量に必要なバッファータンクとすることができる。タービンプラントに既設の大気圧ドレンタンクを活用して、温水の循環量を調節することができるので、設置スペースに余裕ができ、かつ製造物量を抑えることができる。
本発明にかかる蒸気タービン船は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の蒸気タービンプラントを搭載したことを特徴とする。
このように、設置スペースに余裕ができ、かつ製造物量を少なくすることができ、かつメンテナンスが容易な形式の造水装置を搭載しているので、蒸気タービン船は運用に要する労力を抑えることができる。
本発明の蒸気タービンプラントによれば、設置スペースに余裕ができ、かつ製造コストを安価にでき、かつメンテナンスを容易にすることができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
本実施形態は、本発明を蒸気タービン船に搭載される蒸気タービンプラントに適用したものである。
図1は、蒸気タービンプラントの造水装置関連部分を示す系統図である。
図1に示される範囲には、海水から清水を製造する造水装置1と、造水装置1の加熱源となる温水循環ライン3と、ボイラへの給水ライン5とが備えられている。
造水装置1には、導入された海水を蒸発させるエバポレータ7と、エバポレータ7から送られる蒸気からミスト分(水滴、塩分、ゴミ等)を除去するデミスタ9と、デミスタ9から送られる蒸気を凝縮させ清水とするコンデンサ11とが備えられている。
エバポレータ7は、プレート式の熱交換器であり、海水取水ポンプ13によって供給される海水が、後述する温水循環ライン3で供給される温水によって加温されるように構成されている。
デミスタ9は、大気圧よりも低い圧力に維持されており、この低真空は配管を経由してエバポレータ7へも及ぼされている。デミスタ9には、フィルタ15が備えられており、蒸気からミスト分を除去する。この除去されたものと重力で落下したものは、デミスタ9の下部に濃縮海水として貯留される。
デミスタ9の下部に貯留された濃縮海水は、海水取水ポンプ13の下流側から分岐された海水がエダクタ17を流れて発生する吸引力によって、吸引され、舷外に排出される。
コンデンサ11は、プレート式の熱交換器であり、デミスタ9から供給される蒸気が、復水器から第一給水ライン19で供給される給水によって冷却されるように構成されている。反対に、第一給水ライン19を通る給水は、デミスタ9からの蒸気によって加温され、低圧給水加熱器23へ供給される。
コンデンサ11で冷却され、凝縮された清水は、清水ポンプ21によって船内の所要箇所へ送られる。
ボイラの給水ライン5には、低圧タービンの抽気によって給水を加温する低圧給水加熱器23と、蒸気タービンプラントからの種々のドレンを貯留する大気圧ドレンタンク25と、大気圧ドレンタンク25からドレンをドレンポンプ27によって給水する第二給水ライン29と、が備えられている。
低圧給水加熱器23には、第一給水ライン19からの給水に第二給水ライン29からの給水が合流された状態供給され、低圧タービンの抽気によって加温される。低圧給水加熱器23で加温された給水は、下流側で図示しないデアレータおよび何段かの高圧加熱器によってそれぞれ加温されてボイラに給水される。
温水循環ライン3には、大気圧ドレンタンク25から低圧給水加熱器(温水加熱器)23およびエバポレータ7を通る温水循環配管31と、温水循環配管31の大気圧ドレンタンク25出口部に設けられた温水循環ポンプ33と、温水循環配管31の低圧給水加熱器23部分をバイパスするように設けられたバイパス配管35と、バイパス配管35に設けられたバイパス開閉調整弁37とが備えられている。
低圧タービンの抽気は、低圧給水加熱器23での熱交換により冷却されて凝縮しドレンとなる。低圧給水加熱器23に貯留されたドレン39(図2参照)は、低圧給水加熱器23からドレン配管41を通って大気圧ドレンタンク25に送られる。
ドレン配管41の低圧給水加熱器23側には、ドレン開閉調整弁43が設けられている。
次に、低圧給水加熱器23について、図2および図3により説明する。図2は、側面視を示す断面図、図3は平面視を示す断面図である。
低圧給水加熱器23は、シェルアンドチューブ式の熱交換器である。低圧給水加熱器23は、温水セクション45と給水セクション47とに二分割(図3参照)されている。
温水セクション45には、長手方向50の一端側の下部に設けられた温水流入部53と、上部に設けられた温水流出部57と、他端側に設けられた温水折返部55と、温水流入部53および温水流出部57と温水折返部55とを連結する温水チューブ49とが備えられている。
温水流入部53および温水流出部57は、温水循環配管31に接続され、温水流入部53、温水チューブ49、温水折返部55および温水流出部57は、温水循環配管31の一部を構成している。
温水チューブ49は、幅方向、鉛直方向に分散して設けるが、鉛直方向では、例えば、通常液面の下半分に60%、上半分に40%と上下でチューブ本数を調整することができる。
給水セクション47にも、温水セクション45と同様に、給水流入部(図示省略)、給水折返部59、給水チューブ51および給水流出部61が設けられ、第一給水ライン19の一部を構成している。
給水チューブ51は図示していないが、鉛直方向の下半分と上半分に不均衡に分散配置して給水、温水の出口温度をそれぞれ異なるように計画することができる。
温水チューブ49および給水チューブ51は、仕切られた空間(シェル)52内に配置されており、この空間52には図示しない流入部から低圧タービンの抽気が導入されるように構成されている。低圧タービンの抽気は、温水チューブ49を流れる温水および給水チューブ51を流れる給水と熱交換されて凝縮しドレン39となる。
ドレン39は、空間52の下部に設けられたドレン配管41から大気圧ドレンタンク25へ送られる。
ドレン開閉調整弁43の開度を調整することによって、ドレン39の深さHが調整されるように構成されている。
以上、説明した本実施形態にかかる蒸気タービンプラントにおける造水動作について説明する。
まず、造水装置1の動作について説明する。
海水は、海水取水ポンプ13によってエバポレータ7に導入される。この海水は、エバポレータ7において温水循環配管31を流れる約85℃の温水によって加温され蒸発しつつデミスタ9に送られる。
デミスタ9に導入された蒸気は比重が軽いので上昇し、一方、比重の重い水滴等のミスト分は大部分下方に落下してデミスタ9の下部に貯留される。
そして、蒸気に同伴して上昇したミスト分はフィルタ15に捕集される。
このようにして、蒸気のみがデミスタ9からコンデンサ11へ送られる。コンデンサ11では、蒸気は、第一給水ライン19で復水器から送られてくる初期のもっとも温度の低い給水によって冷却され、凝縮して清水が生成される。
一方、この給水は蒸気によって加温されて低圧給水加熱器23へと送られる。
このように、エバポレータ7での熱交換における加熱源は、温水という液相のみで気相を含まないので、海水への熱伝達率が部分的に変動しない。このため、伝熱量の調整が容易となり、エバポレータ7は単体で負荷制御を行うことができる。したがって、デミスタ9から独立して設置することができるので、エバポレータ7とデミスタ9とを小型化できるとともにこれらのメンテナンスが容易となる。
これらにより、蒸気タービンプラントの設置スペースに余裕ができ、かつ製造コストを安価にできる。
さらに、コンデンサ11では、蒸気を凝縮させる冷熱源としてボイラへの給水を用いているので、給水が加熱されることになり、熱量を有効に活用することができる。
次いで、温水循環ライン3の動作について、低圧給水加熱器23での熱交換を含めて説明する。
低圧タービンの抽気は、低圧給水加熱器23の空間52に導入され、一部は冷却されてドレン39となり、空間52の下部に貯留される。空間52の上部には、抽気が充満する。ドレン39の温度は抽気の温度に比べて低くなっている。
このため、温水および給水に対する伝熱量は、ドレン39は抽気に比べて少ない。
ドレン39の深さHは、ドレン開閉調整弁43の開度を調節することによって、空間52の鉛直方向における略中間位置を維持するように制御されている。
約55℃の温度である大気圧ドレンタンク25に貯留されたドレンは、温水循環ポンプ33によって温水循環配管31を通って低圧給水加熱器23へ送られる。低圧給水加熱器23の温水流入部53へ入った温水は、下半分の温水チューブ49を通り温水折返部55へ入り、温水折返部55から上半分の温水チューブ49を通り、温水流出部57から排出される。
この温水チューブ49を通過する際、下半分ではドレン39から熱量を受け、上半分では抽気から熱量を受けて、約100℃まで加温されて排出される。これは、エバポレータ7に約85℃の温水を供給するための温度落差を考慮して設定されている。
本実施形態では、温水チューブ49は下半分に多く配置されているので、下半分の流路断面積が上半分よりも大きくなっている。そのため、下半分の温水チューブ49内では温水は上半分に比べてゆっくりと流れるので、抽気よりもドレン39からの入熱に大きく影響される。ドレン39の方が、抽気よりも温度が低いので、温水が受ける熱量は、温水チューブ49が鉛直方向に均一に配置されたものよりも少なくなる。
これは、造水装置1のエバポレータ7における必要熱量がそんなに大きくないので、それに合わせて設定されたものである。
また、ドレン開閉調整弁43の開度を調整して、ドレン39の深さHを調整することによって、例えば、深さHを大きくすると温水の出口温度は低くなり、反対に小さくすると温水の出口温度は高くなる等適宜な微調整を行うことができる。
そして、温水の温度がドレン39の深さH調整では難しい程度に設定から離れた場合には、次のように調整する。
温水の温度が高くなった場合には、バイパス開閉調整弁37を開いて、バイパス配管35から低圧給水加熱器23によって加温される前の温度の低い温水を加えることによって温水の温度を調整する。
一方、温水の温度が低くなった場合には、鉛直方向の下半分と上半分に不均衡に分散配置して給水、温水の出口温度をそれぞれ異なるように計画することができる。
また、本実施形態では、給水に対し、コンデンサ11および低圧給水加熱器23によって熱量を回収するようにしている。しかも、給水チューブ51の鉛直方向における配置を、上半分の方が多くなるようにしているので、給水への熱伝達は大きくなる。また、温水へ不必要な熱量を与えないこともあいまって、蒸気タービンプラントとして熱の利用効率を向上させることができる。
また、温水の加熱にボイラに備わった低圧給水加熱器23を用いるので、温水加熱用に別途温水加熱器を設けることが不要となる。このため、蒸気タービンプラントの設置スペースに余裕ができ、かつ製造コストを安価にできる。
エバポレータ7において加熱源としての機能を果たした温水は、大気圧ドレンタンク25に還流され、他の場所で発生したドレンと一緒に貯留されることになる。
このため、大気圧ドレンタンク25には十分な量のドレンが貯留されていることになるので、大気圧ドレンタンク25は、温水の供給量を増減しても影響されない。すなわち、温水の循環量を調整するバッファの役割を果たすことができる。
このため、既存の大気圧ドレンタンク25を活用して、温水の循環量を調節することができるので、別途その役割を行う部材を設ける必要がなく、蒸気タービンプラントの設置スペースに余裕ができ、かつ製造コストを安価にできる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態にかかる蒸気タービンプラントについて、図4を用いて説明する。
図4は、蒸気タービンプラントの造水装置関連部分を示す系統図である。
本実施形態においては、温水循環ライン3の構成が一部前述した第一実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第一実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての重複した説明は省略する。
なお、前述した第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態による温水循環ライン3には、加熱用大気圧タンク(温水加熱器)63が備えられている。
加熱用大気圧タンク63には、ドレン39が貯留されている。低圧タービンの抽気は、ドレン39に浸管されたジグザグ状をした蒸気管65を通ってドレン39を加熱しながらドレン39中に排出されるように構成されている。ドレン39は加熱用大気圧タンク63の下部からドレン配管41を通って大気圧ドレンタンク25に送られる。ドレン配管41の加熱用大気圧タンク63側には、ドレン開閉調整弁43が設けられており、レベル計67の計測値によって開度が制御されている。
温水循環配管31は、加熱用大気圧タンク63からエバポレータ7を通って、加熱用大気圧タンク63に戻るように形成されている。
加熱用大気圧タンク63の下流側には、ドレン循環ポンプ33が設けられ、加熱用大気圧タンク63内のドレン39を温水循環配管31に循環させている。
温水循環配管31には、加熱用大気圧タンク63をバイパスするバイパス配管35が設けられている。加熱用大気圧タンク63の上流側におけるバイパス配管35への分岐部には、温水開閉調整弁69が設けられている。
ドレン循環ポンプ33の下流側に、温水循環配管31を通るドレン39の温度を測定する温度計71が設けられている。
温水開閉調整弁69は、温度計71の測定値によって温水循環配管31の流量を調整するとともにバイパス配管35への温水供給の開閉を行うものである。
以上、説明した本実施形態にかかる蒸気タービンプラントにおける造水動作について説明する。
造水装置1の動作について説明する。
海水は、海水取水ポンプ13によってエバポレータ7に導入される。この海水は、エバポレータ7において温水循環配管31を流れる約85℃の温水によって加温され蒸発しつつデミスタ9に送られる。
デミスタ9に導入された蒸気は比重が軽いので上昇し、一方、比重の重い水滴等のミスト分は大部分下方に落下してデミスタ9の下部に貯留される。
そして、蒸気に同伴して上昇したミスト分はフィルタ15に捕集される。
このようにして、蒸気のみがデミスタ9からコンデンサ11へ送られる。コンデンサ11では、蒸気は、第一給水ライン19で復水器から送られてくる初期のもっとも温度の低い給水によって冷却され、凝縮して清水が生成される。
一方、この給水は蒸気によって加温されて図示しない低圧給水加熱器へと送られる。
このように、エバポレータ7での熱交換における加熱源は、温水という液相のみで気相を含まないので、海水への熱伝達率が部分的に変動しない。このため、伝熱量の調整が容易となり、エバポレータ7は単体で負荷制御を行うことができる。したがって、デミスタ9から独立して設置することができるので、エバポレータ7とデミスタ9とを小型化できるとともにこれらのメンテナンスが容易となる。
これらにより、蒸気タービンプラントの設置スペースに余裕ができ、かつ製造コストを安価にできる。
さらに、コンデンサ11では、蒸気を凝縮させる冷熱源としてボイラへの給水を用いているので、給水が加熱されることになり、熱量を有効に活用することができる。
なお、大気圧ドレンタンク25からもドレンポンプ27によって低圧給水加熱器に給水されている。
次いで、温水循環ライン3の動作について説明する。
加熱用大気圧タンク63に貯留されたドレン39は、低圧タービンの抽気によって約100℃に加温され、温水とされる。この温水は、ドレンポンプ33によって温水循環配管31を通って自然と冷却され、エバポレータ7へ約85℃の温水として供給される。エバポレータ7で海水と熱交換され冷却された温水は、さらに自然と冷却されながら搬送され、約55℃の温水として加熱用大気圧タンク63に戻ってくる。
加熱用大気圧タンク63では、低圧タービンの抽気がドレン39に浸管された蒸気管65を通って供給されており、ドレン39は蒸気管を通る抽気から熱量を受け加温され、さらに、排出された抽気がドレン39と混合してドレン39の温度を増加させる。
低圧タービンの抽気が一定量の場合、ドレン39の量が多いとその温度上昇は小さく、ドレン39の量が少ないと温度上昇は大きくなる。
このため、ドレン開閉調整弁43の開度を調整して、ドレン39の深さ、すなわち量を調整して、ドレン39の温度を調整することができる。
また、温度計71で測定した温水の温度が、設定値に比べて相当高い場合には、温水開閉調整弁69によって、バイパス配管35へ帰還する温度の低い温水を流してエバポレータ7へ供給される温水の温度を所望値になるように調整することができる。
このように、本実施形態によれば、温水循環ライン3に温水専用に温度調整を行える温加熱用大気圧タンク63を設けたので、温水の温度調整を肌理細かくおこなうことができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態にかかる蒸気タービンプラントについて、図5を用いて説明する。
図5は、蒸気タービンプラントの造水装置関連部分を示す系統図である。
本実施形態においては、温水循環ライン3の構成が一部前述した第一実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第一実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての重複した説明は省略する。
なお、前述した第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態による温水循環ライン3には、大気圧ドレンタンク25から低圧給水加熱器(温水加熱器)23にドレンを供給するドレン供給配管30と、第一給水ライン19における脱気器(温水加熱器)73の下流側からエバポレータ7を通って大気圧タンク25へ温水を送る温水供給配管32と、ドレン供給配管30の大気圧ドレンタンク25出口部に設けられた温水循環ポンプ33と、ドレン供給配管30と温水供給配管32の上流部分とを連絡させるように設けられたバイパス配管35と、が備えられている。
すなわち、本実施形態の温水循環ライン3には、第一給水ライン19および/または第二給水ライン29の一部が組み込まれており、ボイラへの給水を加熱する低圧給水加熱器23および脱気器73を温水加熱器として活用するように構成されている。
バイパス配管35と温水供給配管32との合流部には、温水開閉調整弁75が設けられている。
エバポレータ7の上流側に、温水供給配管32を通る温水の温度を測定する温度計77が設けられている。
温水開閉調整弁75は、温度計77の測定値によって温水供給配管32の流量を調整するとともにバイパス配管35からのドレン39の供給量を調整するものである。
以上、説明した本実施形態にかかる蒸気タービンプラントにおける造水動作について説明する。
造水装置1の動作については、海水取水ポンプ13によってエバポレータ7に導入される海水が、温水供給配管32を流れる温水によって加温され蒸発されてデミスタ9へ送られる点以外は、第一実施形態と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
したがって、造水装置1に関しては、本実施形態においても、前述の第一実施形態において述べた作用・効果は、同様に奏することができる。
次いで、温水循環ライン3の動作について説明する。
第一給水ライン19で送られる給水は、低圧給水加熱器23において低圧タービンの抽気によって加温され、さらに、脱気器73においてタービンの排気および/または抽気によって加温される。
この脱気器で加温された給水の一部が、分岐点Aにおいて分岐され、温水供給配管32へ温水として供給される。
温水供給配管32で送られる温水の量は、温水開閉調整弁75によって調整される。
また、この温水は、温水開閉調整弁75部においてドレンポンプ33によってドレン供給配管30およびバイパス配管35を通って送られるドレンと混合され所要の温度に調整され、エバポレータ7に約85°の温水として供給される。
温水開閉調整弁75は、温度計77で測定した温水の温度に応じて脱気器73からの温水の流量とバイパス配管35からのドレンの流量を調節している。
エバポレータ7で海水と熱交換され冷却された温水は、さらに自然と冷却されながら搬送され、約55℃の温水として大気圧ドレンタンク25に戻ってくる。
このように、本実施形態によれば、温水循環ライン3における温水の加温に、既存の低圧熱交換器23および脱気器73をそのまま活用し、脱気器73の下流側の第一給水ライン19からボイラへの給水を分岐し、温水として供給するようにしているので、温水加熱器として特別な構造のものを備える必要がない。このため、低圧熱交換器23および脱気器73の構造ならびに温水循環ライン3の配管構造を単純化することができる。
本発明の第一実施形態にかかる蒸気タービンプラントの系統図である。 本発明の第一実施形態の低圧給水加熱器の側面視を示す断面図である。 本発明の第一実施形態の低圧給水加熱器の平面視を示す断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる蒸気タービンプラントの系統図である。 本発明の第三実施形態にかかる蒸気タービンプラントの系統図である。
符号の説明
1 造水装置
3 温水循環ライン
7 エバポレータ
9 デミスタ
11 コンデンサ
23 低圧給水加熱器
25 大気圧ドレンタンク
49 温水チューブ
51 給水チューブ
52 空間
63 加熱用大気圧タンク
73 脱気器

Claims (5)

  1. タービンの抽気を加熱源とする温水加熱器によって加温された温水が循環される温水循環ラインと、
    海水から清水を製造する造水装置と、を備え、
    該造水装置は、前記温水を加熱源として海水を蒸発させるエバポレータと、
    蒸発された蒸気から水滴等のミストを除去するデミスタと、
    復水器からのボイラ給水を冷熱源として前記水蒸気を凝縮させるコンデンサと、を備えていることを特徴とする蒸気タービンプラント。
  2. 前記加熱器として、ボイラ給水を加熱する低圧給水加熱器や脱気器が用いられることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンプラント。
  3. 前記低圧給水加熱器には、低圧タービンの抽気が導入されるシェルと、該シェル内部に複数設置された温水が通過する温水用チューブと、前記シェル内部に複数設置されたボイラ給水が通過する給水チューブとが備えられ、
    前記温水チューブおよび給水チューブのパスは、鉛直方向に分散配列されていることを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービンプラント。
  4. 前記温水循環ラインには、大気圧ドレンタンクが組み込まれていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の蒸気タービンプラント。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の蒸気タービンプラントを搭載したことを特徴とする蒸気タービン船。
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